JP7209604B2 - 部品手配方法 - Google Patents
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Description
特に、エレベーターなどの大型の昇降機の交換部品は、種類によっては非常に重量があり、配送のために専用のトラック等の運搬手段を手配する場合もあり、多大な配送コストがかかってしまう。
本願は、上記課題を解決する手段を複数含んでいるが、その一例を挙げるならば、センタにおいて遠隔監視している昇降機に故障が発生した際に、センタに設置されたコンピュータでの演算処理で、故障の修理に必要な部品を自動的に手配する部品手配方法であり、コンピュータは、過去の昇降機の故障内容と交換部品を示す過去事例データ及び故障してから復旧までの時間を示す故障対応データを蓄積し、コンピュータが行う演算処理のステップとして、コンピュータから読み出した類似した過去事例データに基づいて、当該故障で交換する可能性のある交換部品とその交換部品の数を推定する交換部品推定ステップと、コンピュータから読み出した類似した過去事例の故障対応データに基づいて、昇降機の故障発生から交換部品の交換で復旧するまでの不稼働時間を推定する不稼働時間推定ステップと、交換部品推定ステップで推定した交換部品を、昇降機の設置箇所に配送する配送コストを、交換部品の数と、交換部品のサイズと、交換部品の発送箇所から昇降機の設置箇所までの距離と、当該事例に適用可能な配送種類とを変数として、各変数を乗算した値から算出する配送コスト算出ステップと、配送コスト算出ステップで算出した配送コストと不稼働時間推定ステップで推定した不稼働時間とを乗算した自動手配可否判断用演算値と、予め設定された閾値との比較で、配送の可否を判定する手配可否判定ステップと、手配可否判定ステップで配送可と判定した場合に、交換部品推定ステップで推定した交換部品を昇降機の設置箇所に配送指示する配送手配ステップと、を含む部品手配方法としたものである。
上記した以外の課題、構成及び効果は、以下の実施形態の説明により明らかにされる。
[1.システム全体の構成]
図1は、本例のシステムの全体構成を示す。
本例のシステムは、昇降機(エレベーター)1と、昇降機1を監視するコントロールセンタ(管制センタ)2と、昇降機1の交換部品を保管する部品センタ4とを備える。これら昇降機1、コントロールセンタ2及び部品センタ4は、公共ネットワーク3によりデータ転送可能に接続されている。公共ネットワーク3は、通信事業者が提供している公衆IPネットワークなどである。コントロールセンタ2や部品センタ4は、コンピュータ装置や大容量データ記憶装置で構成される。
なお、図1では説明を簡単にするために、昇降機1は1箇所を示すが、実際にはコントロールセンタ2は多数の昇降機1の監視を行う。昇降機1からコントロールセンタ2へは、故障発生通知や運行データが送信される。
通信部11は、公共ネットワーク3を介して昇降機1とコントロールセンタ2間の通信を担う。
制御部12は、昇降機1の運転を制御すると共に、昇降機1の各デバイスの運転状況や各種センサのデータ収集を制御し、コントロールセンタ2へのデータ送信を制御する役割を担う。
データ収集部13は、昇降機1の各デバイスからのデータ収集を行う。
通信部21は、コントロールセンタ2を公共ネットワーク3に接続する役割を担って、昇降機や保守員端末などとの通信を実行する。
制御部22は、昇降機1の運転状況などを収集し、部品センタ4への交換部品手配や保守員端末51及び営業担当者端末52への案件引継ぎに関する各種制御を行う。
演算部23は、コントロールセンタ2内に蓄積された各種データを用いて、交換部品の自動手配の要否を演算する。
データ蓄積部24は、故障事例データ蓄積部241、故障収集データ蓄積部242、故障対応データ蓄積部243、部品データ蓄積部244、配送データ蓄積部245、現場位置データ蓄積部246及び顧客データ蓄積部247を備える。
故障収集データ蓄積部242には、トラブルコードや昇降機1の各デバイスの動作情報など、故障発生時における昇降機1の各種データが格納される。
故障対応データ蓄積部243には、これまでに発生した故障の発生時刻や完了時刻などの情報が格納される。
配送データ蓄積部245には、交換部品の配送に関してバイク便や飛行機などの配送手段、各配送手段の最大積載量など、部品配送に関する情報が格納される。
現場位置データ蓄積部246には、昇降機1が納められている現場の位置情報が格納される。
顧客データ蓄積部247には、各顧客の契約区分や特記情報などが格納される。
なお、各蓄積部241~247の記憶データの構成は、図3~図9に示す。この図3~図9に示すデータ構成は後述する。
保守員端末51や営業担当者端末52は、コントロールセンタ2からの通知を受信すると共に、故障対応内容をコントロールセンタ2のデータ蓄積部24に登録する際に使用する端末である。保守員端末51や営業担当者端末52としては、例えばタブレット端末やノート型のパーソナルコンピュータ端末が使用される。
次に、図2のフローチャートを参照して、コントロールセンタ2が昇降機1の故障を検知してから、その故障の復旧に必要な部品の配送を手配する流れを説明する。
コントロールセンタ2での昇降機1の故障の検知と部品の手配処理は、制御部22の制御下で、データ蓄積部24が蓄積したデータを使った演算部23での演算処理で実行される。制御部22による制御や演算部23での演算は、コントロールセンタ2を構成するコンピュータ装置に実装されたプログラムの実行で行われる。プログラムは、例えばデータ蓄積部24に蓄積される。
この図2のフローチャートを説明する際には、データ蓄積部24の各蓄積部241~247が蓄積するデータの構成例(図3~図9)についても随時説明する。
ここでの故障データとは、現地の昇降機1の制御部12が検知している故障コードや、昇降機1の各デバイスの動作状況を記録したデータである。
故障事例データは、故障データごとに付与される故障IDと、昇降機1を識別する現場コードと、各デバイス故障状況を示す故障コードと、デバイス動作データと、故障原因と、対応内容についてのコメント欄と、部品交換の実施の有無を示すフラグとを有する。故障IDは、コントロールセンタ2が故障データを格納する際に付与する識別コードである。故障原因や対応内容のコメント欄は、保守員が復旧作業を行った際に、保守員端末51で入力される情報である。
部品テーブルには、昇降機1の各部品のデータの一覧が保存される。
すなわち、部品テーブルには、部品名、部品サイズ(縦)、部品サイズ(横)、部品サイズ(高さ)及び重量のデータが格納される。
交換部品テーブルは、故障IDと、原因機器と、推定した交換部品1,2,3,・・・と、実際の修理作業で交換した交換部品1,2,3,・・・とが格納される。推定した交換部品の数や実際に交換した部品の数が、交換部品テーブルの欄の数より少ないとき、空欄には「null」(なし)のデータが配置される。
図6は、顧客データ蓄積部247が蓄積した契約テーブルの構成例を示す。
契約テーブルは、個々の昇降機1のIDである現場コードと、契約区分と、部品の自動手配の可否を示す手配可否フラグが格納される。契約区分の欄には、フルメンテナンス契約を示す「HM」か、部品売り契約を示す「POG」が格納される。手配可否フラグの欄は、フルメンテナンス契約の場合、自動手配可を示す「Yes」が格納されるが、部品売り契約の場合には、自動手配否を示す「No」が格納される。但し、部品売り契約であっても、顧客の要望や契約内容によって、自動手配可となる場合もある。
また、契約テーブルには、各昇降機1の顧客の担当営業者のデータを格納してもよい。
この自動配送手配により、コントロールセンタ2から部品センタ4へ交換部品の配送依頼が行われ、部品センタ4から現地へ交換部品が配送される。
故障対応状況管理テーブルは、故障IDと、現場ステータスと、故障発生日時と、修理の完了日時とを格納する。現場ステータスは、完了か未完了であり、現場ステータスが完了となることで、修理の完了日時が格納される。故障発生日時や修理の完了日時は、現地の昇降機1の制御部12から伝送される状態データに基づく。
配送方法テーブルには、配送方法ごとの許容サイズと許容重量の一覧が保存される。
すなわち、配送方法テーブルには、配送方法、許容部品サイズ(縦)、許容部品サイズ(横)、許容部品サイズ(高さ)及び許容重量のデータが格納される。配送方法の欄には、例えばバイク便、飛行機便、トラック便などの種類が格納され、それぞれの配送方法での許容サイズや許容サイズが示される。
なお、配送方法テーブルには、各配送方法での距離別の配送料金の情報を加えてもよい。
現場テーブルには、コントロールセンタ2が管理する昇降機1の設置場所についての情報が保存される。
すなわち、現場テーブルには、各昇降機に付与された現場コードと、現場名(建物名)と、現場の緯度及び現場の経度が格納される。
図8に示す配送方法テーブルと図9に示す現場テーブルを使って、演算部23は、交換部品についての現場までの配送コストを推定する。この配送コストの推定時には、部品センタ4から現場までの配送に適した配送方法を判断し、その判断した配送方法での配送コストを推定する。
自動手配可否=
(不稼働予測時間-基準時間)×{(部品数×サイズ×重量)×距離}×有効交換率
また、部品のサイズや個数などが、バイク便で配送できない状態で、トラックなどでの配送が必要なとき、配送コストがかるとして、自動配送否と判定される。逆に配送コストが低いときには、自動配送可と判定される。
さらに、有効交換率が高い場合には自動配送可と判定され、有効交換率が低い場合には、自動配送否と判定される。
但し、上述した計算式に示すように、実際には不稼働時間推定と配送コスト推定と有効交換率推定との3つの要件を乗算した上で得られた値から、自動手配可否を判定しているため、これら3つの要件を総合的に判断して、自動手配可否の判定を行っている。
この自動配送手配により、コントロールセンタ2から部品センタ4へ交換部品の配送依頼が行われ、部品センタ4から現地へ交換部品が配送される。
以上説明したように、本例によると、交換部品配送手配のプロセスを極力自動化することができると共に、配送部品を最適化することができ、余分配送の削減によるコスト低減につながる。すなわち、部品売り契約であっても、不稼働時間が長時間になることが推定される場合や、交換部品の推定で該当する部品が交換される可能性が非常に高い場合には、該当する昇降機1の修理時でその部品が交換される可能性が高いため、顧客への確認をする前に自動配送され、不稼働時間の低減に寄与する。
但し、現場が部品センタから遠隔地のために、飛行機などを使用した配送などで、配送コストが非常に高い場合には、自動配送が行われず、顧客への確認後に手配されるので、不要な配送コストが発生することを阻止できるようになる。
また、自動手配が不可能な契約区分の顧客に対しても、事前了承済など自動手配可能な顧客であれば交換部品の自動手配を行うと共に、担当者による現地調整が必要な場合でも、顧客との折衝時に必要な情報を担当者に提供でき、顧客への適切な連絡ができるようになる。したがって、顧客への連絡が必要な場合でも、迅速な判断や連絡が行なえ、不稼働時間の低減に寄与する。
なお、本発明は、上述した実施の形態例に限定されるものではなく、様々な変形例が含まれる。例えば、上記した実施の形態例は、本発明を分かりやすく説明するために詳細に説明したものであり、必ずしも説明した全ての構成を備えるものに限定されるものではない。
また、上述した実施の形態例では、コントロールセンタ2が自動的に配送手配を行う例について説明した。これに対して、コントロールセンタ2で配送の手配が可能と判定したとき、その判定情報をコントロールセンタ2の端末などに一旦表示させた後、表示された配送の承諾操作などの後に実際の配送についての手配を行う等、一部の処理を自動でない処理で行うようにしてもよい。
また、プログラムを実行する構成とした場合、各機能を実現するプログラム等の情報は、メモリや、ハードディスク、SSD(Solid State Drive)等の記録装置、または、ICカード、SDカード、光ディスク等の記録媒体に置くことができる。
Claims (4)
- センタで遠隔監視している昇降機に故障が発生した際に、前記センタに設置されたコンピュータでの演算処理で、故障の修理に必要な部品を自動的に手配する部品手配方法であり、
前記コンピュータは、過去の昇降機の故障内容と交換部品を示す過去事例データ及び故障してから復旧までの時間を示す故障対応データを蓄積し、
前記コンピュータが行う演算処理のステップとして、
前記コンピュータから読み出した類似した過去事例データに基づいて、当該故障で交換する可能性のある交換部品とその交換部品の数を推定する交換部品推定ステップと、
前記コンピュータから読み出した類似した過去事例の故障対応データに基づいて、前記昇降機の故障発生から前記交換部品の交換で復旧するまでの不稼働時間を推定する不稼働時間推定ステップと、
前記交換部品推定ステップで推定した交換部品を、前記昇降機の設置箇所に配送する配送コストを、交換部品の数と、交換部品のサイズと、交換部品の発送箇所から昇降機の設置箇所までの距離と、当該事例に適用可能な配送種類とを変数として、各変数を乗算した値から算出する配送コスト算出ステップと、
前記配送コスト算出ステップで算出した配送コストと前記不稼働時間推定ステップで推定した不稼働時間とを乗算した自動手配可否判断用演算値と、予め設定された閾値との比較で、配送の可否を判定する手配可否判定ステップと、
前記手配可否判定ステップで配送可と判定した場合に、前記交換部品推定ステップで推定した交換部品を前記昇降機の設置箇所に配送指示する配送手配ステップと、を含む
部品手配方法。 - さらに、前記手配可否判定ステップでは、前記コンピュータから読み出した類似した過去の故障発生事例のデータから、前記昇降機の故障の復旧時に、部品交換が有効であった割合を示す交換有効率についても乗算して自動手配可否判断用演算値を得るようにし、得られた自動手配可否判断用演算値と前記閾値との比較で、配送の可否を判定する
請求項1に記載の部品手配方法。 - さらに、前記手配可否判定ステップでは、前記昇降機を保守契約した顧客の個別情報に含まれる自動による部品手配の可否の情報を判断して、自動手配否である場合に、配送否と判定する
請求項2に記載の部品手配方法。 - 前記手配可否判定ステップで、前記顧客の個別情報から手配が否と判定したとき、前記顧客の担当者の端末に、前記交換部品推定ステップで推定した交換部品の情報を通知する
請求項3に記載の部品手配方法。
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