JP7209349B2 - ホルダユニットおよびピン - Google Patents

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Description

本発明はスクライブ加工に用いられるホルダユニットおよびピンに関する。
脆性材料基板等の被加工物に対するスクライブラインの形成にスクライブ装置が用いられる。スクライブ装置はホルダユニットを備える。ホルダユニットは被加工物をスクライブ加工するスクライビングホイールを備える。スクライブ加工では、スクライビングホイールが被加工物の表面に押し付けられた状態で被加工物とスクライビングホイールとが相対的に移動し、被加工物にスクライブラインが形成される。なお、従来のスクライブ装置の一例として特許文献1が挙げられる。
特開2017-119348号公報
従来のスクライブ装置を用いて被加工物をスクライブ加工した場合、被加工物の品質にばらつきが生じることがある。例えば、被加工物に形成されたスクライブラインの部位毎に垂直クラックの形成状態が異なる場合がある。好ましいクラックの形成状態では、スクライブラインの全体にわたり、垂直クラックにおける1次クラックの深さおよび2次クラックの深さが一定である。品質が低い被加工物では、例えば1次クラックの深さがスクライブラインの部位毎に異なり、他の部分と比較して1次クラックが浅い部分または深い部分が含まれる。クラックの形成状態は例えば被加工物のブレイクの状態に影響する。ブレイク後の被加工物の品質を向上させる点からもスクライブ加工された被加工物の品質が高いことが好ましい。
本発明に関するホルダユニットは、第1挿入孔を有するホルダと、第2挿入孔を有するスクライビングホイールと、前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に挿入され、少なくとも前記第2挿入孔に対して非圧入の状態で挿入されるピンとを備え、前記ピンは前記スクライビングホイールの走査方向における前記スクライビングホイールに対する前記ピンの移動を規制する規制構造を含む。
スクライブ加工された被加工物の品質のばらつきの原因を検証するため、本願発明者はスクライブ加工時におけるピンの状態を観察した。この観察では、図14に示されるように円形の第1挿入孔311を有するホルダ310と、円形の第2挿入孔321を有するスクライビングホイール320と、円柱型のピン330とを備える従来のホルダユニット300を用いた。ピン330はホルダ310およびスクライビングホイール320のそれぞれに対して非圧入の状態で第1挿入孔311および第2挿入孔321に挿入される。図14に示されるホルダ310、スクライビングホイール320、および、ピン330の関係は、第1挿入孔311の中心軸心301に直交する基準断面における通常のスクライブ加工時の関係である。
観察の結果、従来のホルダユニット300では、通常のスクライブ加工時において第1挿入孔311およびピン330が少なくとも次の3つの関係を有することが確認された。1つ目の関係では、第1挿入孔311の内周面312とピン330の外周面331との接触点302が第1挿入孔311の中心軸心301に対してスクライビングホイール320の走査方向D1の後方、かつ、高さ方向D2の上方に位置する。高さ方向D2は基準断面において走査方向D1に直交する。2つ目の関係では、第1挿入孔311の中心軸心301に対して走査方向D1の前方に位置する第1挿入孔311の内周面312とピン330の外周面331との間に微小なクリアランス(以下「前方クリアランス303」という)が形成される。3つ目の関係では、高さ方向D2における第1挿入孔311の内周面312の頂点313とピン330の外周面331との間に微小なクリアランス(以下「上方クリアランス304」という)が形成される。なお、ここでは基準断面上での関係について記述しているため、内周面312と外周面331との関係を接触点と標記しているが、実際の内周面312と外周面331との関係は実質的な線接触、または、接触面積が微小な面接触である。
また、第2挿入孔321とピン330との間にも同様に3つの関係が存在する。1つ目の関係では、第2挿入孔321の内周面とピン330の外周面331との接触点305が第2挿入孔321の中心軸心322に対してスクライビングホイール320の走査方向D1の後方、かつ、高さ方向D2の下方に位置する。高さ方向D2は基準断面において走査方向D1に直交する。2つ目の関係では、第2挿入孔321の中心軸心322に対して走査方向D1の前方に位置する第2挿入孔321の内周面とピン330の外周面331との間に微小なクリアランス306が形成される。3つ目の関係では、高さ方向D2における第2挿入孔321の内周面の下端とピン330の外周面331との間に微小なクリアランスが形成される。
クラックの形成状態はスクライブ加工時におけるスクライビングホイール320の荷重の影響を受ける。スクライビングホイール320の荷重が安定していない場合、クラックの形成状態も安定しない。第1挿入孔311の内周面312とピン330の外周面331との関係はスクライビングホイール320の荷重の状態に影響を及ぼすと推定される。その機序は例えば次のように考えられる。スクライブ加工時にスクライビングホイール320が被加工物から受ける反力が低下する場合がある。これは、例えば被加工物の表面に存在する被加工物のたわみ、または、被加工物の加工条件に起因する被加工物のたわみにより生じる。被加工物のたわみに関係する被加工物の加工条件とは、例えば被加工物の厚さが薄い、積層状態で加工される被加工物において部分的に単層の部分が形成される、および、被加工物を搬送するコンベアの表面に存在するたわみ等である。
スクライビングホイール320の反力が低下した場合、走査方向D1におけるピン330に対する抵抗が低下し、第2挿入孔321内においてピン330の位置が走査方向D1の前方に変動しやすくなる。また、第1挿入孔311とピン330との間に前方クリアランス303が存在するため、ピン330に対する抵抗の低下にともないピン330が第1挿入孔311においてホルダ310に対して走行方向D1の前方に移動する。第1挿入孔311とピン330との間に上方クリアランス304が存在するため、ピン330は第1挿入孔311においてホルダ310に対して上方にも移動する。ピン330がホルダ310に対して上方に移動することにともないスクライビングホイール320が被加工物の表面から離れる方向に移動し、スクライビングホイール320が被加工物に加える荷重が低下する。スクライビングホイール320およびホルダ310に対するピン330の位置が再び安定した状態では、低下した荷重が増加する。このようにホルダ310に対するピン330の移動にともないスクライビングホイール320の荷重が変動することにより、クラックの形成状態が不安定になると考えられる。
本発明に関するホルダユニットではスクライビングホイールの走査方向におけるスクライビングホイールに対するピンの移動を規制する規制構造がピンに設けられるため、スクライブ加工時にスクライビングホイールが被加工物から受ける反力が低下した場合でも、走査方向におけるホルダに対するピンの移動が規制構造により規制される。
このため、被加工物の表面から離れる方向へのスクライビングホイールの移動も規制され、スクライビングホイールの荷重の低下が抑えられる。これにより、スクライブ加工時においてスクライビングホイールの荷重の変動が生じにくく、クラックの形成状態が安定し、スクライブ加工される被加工物の品質が向上する。
前記ホルダユニットでは、前記第2挿入孔の中心軸心に直交する基準断面における前記ピンの断面形状は前記第2挿入孔の内周面と前記ピンとが第1接触点および第2接触点の2点で接触するように決められ、前記規制構造を構成する。
スクライビングホイールがピンに対して2点で支持されることにより、スクライビングホイールの回転が安定する。また、ピンの断面形状により規制構造が構成されるため、規制構造が簡素である。
前記ホルダユニットの一例では、前記基準断面における前記ピンの断面形状は多角形である。
このため、規制構造を含むピンを容易に製造できる。ピンの断面形状が円形である場合と比較して歩留まりが向上する。断面形状が多角形のピンが用いられたホルダユニットでは、軸方向に直交する断面上においてピンが複数点でスクライビングホイールに接触する。スクライブ加工時にピンがピンの中心軸心まわりで実質的に回転せず、ピンの中心軸心まわりにおいてピンとスクライビングホイールとの接触点の位置が実質的に変化しない。これにより、スクライブ加工時におけるスクライビングホイールの回転が安定し、スクライブ加工された被加工物の品質が高くなる。
前記ホルダユニットの一例では、前記基準断面における前記ピンの断面形状は四角形である。
このため、第1接触点と第2接触点との距離を長く設定することができる。その距離が長くなるほど、スクライビングホイールの位置の安定性が高められる。また、規制構造を含むピンを容易に製造できる。
前記ホルダユニットの一例では、前記四角形は前記ピンの中心軸心に対して前記走査方向の後方かつ上方に位置する第1頂点、前記第1頂点よりも前記走査方向の前方に位置する第2頂点、ならびに、前記第1頂点および前記第2頂点とは別の第3頂点および第4頂点を含み、前記第1頂点は前記第2挿入孔の内周面との接触により前記第1接触点を形成し、前記第2頂点は前記第2挿入孔の内周面との接触により前記第2接触点を形成し、前記第3頂点および前記第4頂点は前記第2挿入孔の内周面に接触しない。
上記ホルダユニットによれば、第2挿入孔の内周面と第2頂点との接触により構成される第2接触点により、走査方向におけるスクライビングホイールに対するピンの移動が規制される。第3頂点および第4頂点が第2挿入孔の内周面に接触しないように構成されるため、スクライビングホイールに対するピンの挿入および抜き出しを容易に実施できる。
前記基準断面における前記ピンの断面形状は面取りを含む多角形である。
ピンにおけるスクライビングホイールとの接触部分はスクライビングホイールの回転にともない徐々に摩耗する。上記ホルダユニットでは、ピンに面取りが形成されているため、スクライビングホイールとの接触部分の摩耗が一層緩やかに進行する。これは例えばスクライビングホイールの回転の安定性に寄与する。
前記ホルダユニットの一例では、前記第2接触点は前記ピンの中心軸心に対して前記走査方向の前方に位置する。
このため、ホルダに対するピンの移動がより強く規制される。
本発明に関するピンは、第1挿入孔を有するホルダに保持され、第2挿入孔を有するスクライビングホイールに対して非圧入の状態で前記第2挿入孔に挿入されるピンであって、前記ピンの中心軸心に直交する断面における断面形状は多角形である。
上記ピンが用いられるホルダユニットでは、上記ホルダユニットと同様にスクライブ加工時においてスクライビングホイールの荷重の変動が生じにくく、クラックの形成状態が安定し、スクライブ加工される被加工物の品質が向上する。
本発明によれば、スクライビングホイールの回転中の姿勢が安定し、スクライブ加工される被加工物の品質が向上する。
第1実施形態のスクライビング装置の斜視図。 図1のホルダジョイントおよびホルダユニットの側面図。 図2のホルダユニットの断面図。 スクライブ加工時におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 非スクライブ加工時におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 第2実施形態におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 第3実施形態におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 第4実施形態におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 第5実施形態におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 第6実施形態におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 第7実施形態におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 第8実施形態におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 第9実施形態におけるピン等の位置関係を示すモデル図。 従来のホルダユニットのピン等の位置関係を示すモデル図。
(第1実施形態)
スクライブ装置はスクライビングホイールを被加工物に押し付けた状態でスクライビングホイールと被加工物とを相対的に移動させることにより、被加工物の表面にスクライブラインを形成する。スクライブ装置におけるこの動作はスクライビングホイールの走査と称される。スクライビングホイールの走査方法は主に3つの方法に分類される。第1走査方法では、スクライブ加工時にスクライビングホイールの位置が保持され、スクライビングホイールに対して被加工物が搬送される。被加工物の搬送によりスクライビングホイールが被加工物の表面上で相対的に所定の走査方向に走査される。第2走査方法では、スクライブ加工時に被加工物の位置が保持され、被加工物に対してスクライビングホイールが所定の走査方向に走査される。第3走査方法では、第1走査方法と第2走査方法とが組み合わせられ、被加工物に対してスクライビングホイールが所定の走査方向に走査される。
被加工物の一例は脆性材料基板である。脆性材料基板の一例はガラス基板およびセラミックス基板である。ガラス基板の一例は無アルカリガラスの基板である。脆性材料基板から形成された無アルカリガラスの基板は例えばフラットパネルディスプレイに用いられる。フラットパネルディスプレイの一例はテレビ受信機のディスプレイおよびスマートフォンのディスプレイである。スマートフォンのディスプレイに用いられる無アルカリガラスの基板は特に薄い。スマートフォンのフラットパネルディスプレイに用いられる1枚のガラス基板の厚さは例えば0.15mm~0.30mmの範囲に含まれる。液晶テレビジョンのフラットパネルディスプレイに用いられる1枚のガラス基板の厚さは例えば0.4mm~0.7mmの範囲に含まれる。
スクライブ加工時にスクライビングホイールが被加工物に加える荷重の適正範囲は被加工物の厚みと相関する。荷重の適正範囲はスクライブ加工された被加工物のクラックの形成状態が好ましい状態となるように決められる。汎用的な脆性材料基板では、厚みが薄くなるほど荷重の適正範囲が狭くなる。これは薄い脆性材料基板ほどスクライビングホイールの荷重の変動にともなう品質の低下が生じやすいことを意味する。液晶テレビジョンのフラットパネルディスプレイの製造では、例えば厚さ0.5mmの脆性材料基板が2枚積層された状態でスクライブ加工が実施される。この場合の荷重の適正範囲は10N~15Nである。スマートフォンのディスプレイの製造では、例えば厚さ0.15mmの脆性材料基板が2枚積層された状態でスクライブ加工が実施される。この場合の荷重の適正範囲は5N~6Nである。
図1では、被加工物Wが薄い場合でも適正な品質が得られるように被加工物Wをスクライブ加工するスクライブ装置10の一例を示している。スクライブ装置10はスクライビングホイール120(図3参照)に対して被加工物Wを搬送することにより被加工物Wにスクライブラインを形成する。スクライブ装置10を構成する主な要素は搬送装置20および加工装置30である。搬送装置20はレール21、テーブル22、直進駆動機構23、回転駆動機構24、および、真空吸引装置25により構成される。以下の説明では、被加工物Wが搬送される方向を搬送方向DAと称し、スクライブ装置10の平面視において搬送方向DAに直交する方向を幅方向DBと称し、搬送方向DAおよび幅方向DBに直交する方向を高さ方向DCと称する。搬送方向DAには第1搬送方向、および、これとは反対の第2搬送方向が含まれる。幅方向DBには第1幅方向、および、これとは反対の第2幅方向が含まれる。高さ方向DCには上方および下方が含まれる。
図示される例では、スクライブ装置10のベース(図示略)に一対のレール21が配置される。レール21の形状は搬送方向DAを規定する直線である。一方のレール21と他方のレール21とは幅方向DBに一定の間隔を空けて配置される。テーブル22はスライダ22A、支柱22B、および、天板22Cに区分される。スライダ22Aはレール21に沿って移動できるように各レール21に連結される。支柱22Bは内部に他の要素を配置できるように構成される中空の部分であり、スライダ22A上に設けられる。天板22Cは被加工物Wを配置するための部分であり、支柱22B上に設けられる。
直進駆動機構23はテーブル22をレール21に対して移動させる。直進駆動機構23は例えばモータ23Aおよび送りねじ23Bにより構成される。モータ23Aはスクライブ装置10のベース(図示略)に配置される。モータ23Aの出力軸はモータ23Aの回転中心軸まわりで送りねじ23Bが回転するように送りねじ23Bに連結される。送りねじ23Bは一対のレール21の間に配置される。送りねじ23Bの長手方向はレール21の長手方向に平行である。スライダ22Aは送りねじ23Bの回転にともない送りねじ23Bの長手方向に移動するように送りねじ23Bに連結される。モータ23Aが回転することにより送りねじ23Bが回転し、送りねじ23Bの回転方向に応じてテーブル22がレール21に対して第1搬送方向または第2搬送方向に移動する。
回転駆動機構24および真空吸引装置25は支柱22B内に配置される。回転駆動機構24は高さ方向DCに平行な中心軸心まわりで天板22Cを支柱22Bに対して回転させる。真空吸引装置25は天板22C上に配置された被加工物Wを天板22Cに吸着させる。スクライブ加工は真空吸引装置25により被加工物Wが吸着された状態で実施される。
加工装置30は縦フレーム31、横フレーム32、スクライブヘッド33、ホルダジョイント34、ホルダユニット100、横駆動機構35、および、縦駆動機構36により構成される。縦フレーム31、横フレーム32、スクライブヘッド33、および、ホルダジョイント34は例えばそれぞれの機能に適合する金属により構成される。
図示される例では、スクライブ装置10のベース(図示略)に一対の縦フレーム31が配置される。縦フレーム31の長手方向は高さ方向DCに平行である。一対の縦フレーム31は一対のレール21を挟むように幅方向DBにおける各レール21の外側に配置される。横フレーム32は一対の縦フレーム31の間に設けられる。横フレーム32の長手方向は幅方向DBに平行である。横フレーム32は各縦フレーム31に固定される。横フレーム32にはガイド32Aが設けられる。ガイド32Aは例えば横フレーム32の長手方向に平行な溝である。
スクライブヘッド33はホルダジョイント34を支持するベースである。スクライブヘッド33は横フレーム32に沿って幅方向DBに移動できるようにガイド32Aに連結される。ホルダジョイント34はスクライブヘッド33の下部に連結される。ホルダジョイント34はホルダユニット100を着脱できるように構成される。
横駆動機構35はスクライブヘッド33を横フレーム32に対して幅方向DBに移動させる。横駆動機構35は例えばモータ35Aおよび送りねじ35Bにより構成される。モータ35Aは一方の縦フレーム31に設けられる。モータ35Aの出力軸はモータ35Aの回転中心軸まわりで送りねじ35Bが回転するように送りねじ35Bに連結される。送りねじ35Bは横フレーム32内に配置される。送りねじ35Bの長手方向は横フレーム32の長手方向に平行である。スクライブヘッド33は送りねじ35Bの回転にともない送りねじ35Bの長手方向に移動するように送りねじ35Bに連結される。モータ35Aが回転することにより送りねじ35Bが回転し、送りねじ35Bの回転方向に応じてスクライブヘッド33が横フレーム32に対して第1幅方向または第2幅方向に移動する。ホルダジョイント34およびホルダユニット100はスクライブヘッド33と一体的に幅方向DBに移動する。
縦駆動機構36はスクライブヘッド33に設けられる。縦駆動機構36は第1駆動機構36Aおよび第2駆動機構36Bを含む。第1駆動機構36Aはスクライブヘッド33を高さ方向DCに移動させる。第2駆動機構36Bはホルダジョイント34をスクライブヘッド33に対して移動させることにより被加工物Wにスクライブ荷重を付与する。第1駆動機構36Aは例えばモータおよび送りねじにより構成される。モータの出力軸はモータの回転中心軸まわりで送りねじが回転するように送りねじに連結される。送りねじの長手方向は高さ方向DCに平行である。スクライブヘッド33は送りねじの回転にともない送りねじの長手方向に移動するように送りねじに連結される。モータが回転することにより送りねじが回転し、送りねじの回転方向に応じてスクライブヘッド33がガイド32Aに対して上方または下方に移動する。ホルダユニット100はホルダジョイント34と一体的に高さ方向DCに移動する。第2駆動機構36Bは例えばエアシリンダまたはサーボモータと、直動機構とにより構成される。第2駆動機構36Bはスクライブヘッド33内に配置される。エアシリンダまたはサーボモータは直動機構を高さ方向DCに移動させる。ホルダジョイント34は直動機構に取り付けられる。直動機構およびホルダジョイント34は一体的に高さ方向DCに移動する。
図2は幅方向DBから見たホルダユニット100の側面構造を示す。ホルダユニット100を構成する主な要素はホルダ110、スクライビングホイール120、ピン130、連結軸34A、および、複数の転がり軸受34Bである。連結軸34Aおよび複数の転がり軸受34Bはそれぞれスクライブヘッド33のホルダジョイント34(図1参照)に支持される。連結軸34Aの中心軸心C1は高さ方向DCに平行である。連結軸34Aはスクライブヘッド33および複数の転がり軸受34Bに対して回転する。一例では、複数の転がり軸受34Bが高さ方向DCに積層される。転がり軸受34Bの一例はボールベアリングである。ホルダユニット100は連結軸34Aに連結される。スクライビングホイール120の中心軸心CB(図4参照)は搬送方向DAにおいて連結軸34Aの中心軸心C1に対してオフセットする。この関係は例えば中心軸心C1と基準線C2との関係により記述できる。基準線C2は搬送方向DAおよび高さ方向DCにより規定される平面において、高さ方向DCに平行であり、スクライビングホイール120の中心軸心CBを通過する。ホルダユニット100がホルダジョイント34に連結された状態では、基準線C2が中心軸心C1に対して搬送方向DAにオフセットする。なお、連結軸34Aおよび複数の転がり軸受34Bがホルダジョイント34側に設けられる構成もあり得る。
図3は幅方向DBおよび高さ方向DCに平行な断面におけるホルダユニット100の一部の構造を示す。ホルダ110には脱落防止機構が設けられる。脱落防止機構の一例はカバー140である。ホルダ110およびカバー140を構成する材料の一例は磁性体金属である。ホルダ110およびカバー140を構成する材料は個別に選択できる。スクライビングホイール120およびピン130を構成する材料の一例は焼結ダイヤモンド(PolyCrystalline Diamond)、超硬合金、単結晶ダイヤモンド、および、多結晶ダイヤモドである。スクライビングホイール120およびピン130を構成する材料は個別に選択できる。
ホルダ110はベース111および一対のアーム112に区分される。ベース111の形状は円柱または角柱である。ベース111はホルダジョイント34の連結軸34A(図2参照)に対して着脱できる。一対のアーム112はベース111の下部から下方に延びる。アーム112の長手方向は高さ方向DCに平行である。幅方向DBにおいて一方のアーム112の内面112Aと他方のアーム112の内面112Aとの間には、スクライビングホイール120を配置するための空間113が形成される。幅方向DBにおける一方のアーム112の内面112Aと他方のアーム112の内面112Aとの間隔はスクライビングホイール120の厚さよりも若干広い。各アーム112にはピン130が挿入される第1挿入孔114が形成される。第1挿入孔114はアーム112を幅方向DBに貫通する円形の孔である。アーム112に形成される内周面115は第1挿入孔114を規定する。第1挿入孔114はアーム112の内面112Aに開口する内開口部114A、および、アーム112の外面112Bに開口する外開口部114Bを有する。
スクライビングホイール120は一対のアーム112間の空間113に配置される。スクライビングホイール120にはピン130が挿入される第2挿入孔121が形成される。第2挿入孔121はスクライビングホイール120を厚さ方向に貫通する円形の孔である。スクライビングホイール120に形成される内周面122は第2挿入孔121を規定する。第2挿入孔121はスクライビングホイール120の一方の側面123および他方の側面123のそれぞれに開口する開口部121Aを有する。
ピン130はホルダ110およびスクライビングホイール120のそれぞれに対して非圧入の状態で各アーム112の第1挿入孔114およびスクライビングホイール120の第2挿入孔121に挿入される。ピン130の太さRC(図4参照)は第1挿入孔114の直径RAおよび第2挿入孔121の直径RBよりも小さい。ピン130の長さは幅方向DBにおける一方の第1挿入孔114の外開口部114Bと他方の第1挿入孔114の外開口部114Bとの間隔よりも若干短い。
カバー140はホルダ110とは別に構成される。カバー140は第1挿入孔114の外開口部114Bを開閉できるように固定手段141(図2参照)によりホルダ110に固定される。固定手段141の一例はねじである。カバー140はピン130の先端131が第1挿入孔114から飛び出さないように第1挿入孔114の外開口部114Bの一部または全部を閉じる。図示される例では、カバー140は第1挿入孔114の外開口部114Bの一部を閉じる。ピン130の長さは任意に選択できる。一例では、ピン130の長さが、幅方向DBにおける一方の第1挿入孔114の外開口部114Bと他方の第1挿入孔114の外開口部114Bとの間隔よりも若干長く設定される場合があり得る。この場合、ピン130の両端部はそれぞれカバー140に接触する。各カバー140はホルダ110に対するピン130の移動、および、ホルダ110からのピン130の脱落を規制する。
スクライブ装置10ではスクライビングホイール120を交換できる。スクライビングホイール120の交換方法として、例えば第1交換方法および第2交換方法が挙げられる。第1交換方法では、最初にカバー140がホルダ110から取り外される。次にピン130がホルダ110から抜き取られ、スクライビングホイール120がホルダ110の空間113から取り出される。次に新しいスクライビングホイール120がホルダ110の空間113に配置され、アーム112の第1挿入孔114およびスクライビングホイール120の第2挿入孔121にピン130が挿入される。スクライビングホイール120の厚さが各アーム112の間隔よりも薄いため、スクライビングホイール120を交換する作業を容易に実施できる。ピン130を交換する必要がある場合には、ホルダ110から抜き取られたピン130ではなく、新しいピン130が第1挿入孔114および第2挿入孔121に挿入される。非圧入の状態でホルダ110およびスクライビングホイール120に挿入できるようにピン130が構成されるため、ホルダ110に対するピン130の抜き出しおよび挿入を容易に実施できる。
第2交換方法はカバー140により構成される脱落防止機構に代えて、これとは異なる構成の脱落防止機構によりピン130がホルダ110に保持される場合に選択される。例えば、脱落防止機構はホルダ110に結合される爪部を含む。爪部がホルダ110に結合した状態では、脱落防止機構はホルダ110に固定され、ホルダ110に対して開閉動作できない。第2交換方法では、スクライビングホイール120およびピン130がホルダ110に保持された状態で一体のホルダユニット100として交換される。具体的には、第2交換方法では、最初にホルダユニット100がホルダジョイント34から取り外される。次に新しいホルダユニット100がホルダジョイント34に取り付けられる。
スクライブ加工工程の開始前の状態では、スクライビングホイール120が被加工物Wに接触しないように、縦駆動機構36(図1参照)はホルダユニット100を高さ方向DCの所定位置に保持する。スクライブ加工工程の開始にともない、スクライビングホイール120が被加工物Wの表面に接触するように縦駆動機構36はホルダユニット100を高さ方向DCの所定位置から下方に移動させる。スクライビングホイール120が被加工物Wの表面に接触した状態では、スクライビングホイール120により被加工物Wに所定の荷重が加えられるように、縦駆動機構36はホルダユニット100の高さ方向DCの位置を決める。
スクライビングホイール120の走査にともないスクライビングホイール120に反力が生じる。この反力によりホルダ110を連結軸34Aの中心軸心C1(図3参照)まわりで回転させるトルクがホルダ110および連結軸34Aに作用する。ホルダ110および連結軸34Aはスクライビングホイール120の中心軸心CBに直交するスクライビングホイール120の回転中心面が走査方向DDと平行となるようにスクライブヘッド33に対して回転する。
図4は基準断面におけるスクライブ加工時のホルダ110の第1挿入孔114、スクライビングホイール120の第2挿入孔121、および、ピン130の関係の一例を示す。基準断面は第1挿入孔114の中心軸心CA、第2挿入孔121の中心軸心CB、および、ピン130の中心軸心CCに直交する。図中の実線の円は第1挿入孔114を、破線の円は第2挿入孔121を、実線の四角はピン130をそれぞれ示す。なお、図4~図12では第1挿入孔114、第2挿入孔121、および、ピン130の関係の説明のため、それぞれの寸法の相違を誇張して表現している。実際のホルダ110では第1挿入孔114、第2挿入孔121、および、ピン130の寸法の相違、ならびに、第1挿入孔114および第2挿入孔121とピン130との間に形成されるクリアランスは微小である。
ピン130はスクライビングホイール120の走査方向DDにおけるスクライビングホイール120およびホルダ110に対するピン130の移動を規制する規制構造130Aを含む。具体的には、規制構造130Aはスクライブ加工時におけるスクライビングホイール120の走査時に、ピン130がスクライビングホイール120およびホルダ110に対して走査方向DDの前後に移動することを規制する。
一例では、第2挿入孔121の中心軸心CBに直交する基準断面におけるピン130の断面形状は、第2挿入孔121の内周面122とピン130とが第1接触点PAおよび第2接触点PBの2点で接触するように決められる。この断面形状は規制構造130Aを構成する。第1接触点PAは基準断面においてピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの後方に位置する。第2接触点PBは基準断面において第1接触点PAよりも走査方向DDの前方に位置する。図示される例では、第2接触点PBはピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの前方に位置する。なお、ここでは基準断面上での関係について記述しているため、第2挿入孔121の内周面122とピン130との関係を接触点と標記しているが、実際の内周面122とピン130との関係は実質的な線接触、または、接触面積が微小な面接触である。以下の説明に示される接触点という記述も同様に実質的な線接触、または、接触面積が微小な面接触を意味する。
規制構造130Aを構成するピン130の断面形状は任意に選択できる。一例では、基準断面におけるピン130の断面形状は多角形である。具体的には、ピン130の断面形状は四角形である。より具体的には、ピン130の断面形状は正四角形である。その他の多角形の具体例としては、長方形、六角形、および、八角形が挙げられる。ピン130の立体形状は規制構造130Aを構成する断面形状に応じて決められる。ピン130の断面形状が任意の多角形である場合、ピン130の立体形状はその多角形に対応する多角柱である。ピン130の断面形状が四角形である場合、ピン130の立体形状はその四角形に対応する四角柱である。ピン130の断面形状が正四角形である場合、ピン130の立体形状は正四角柱である。断面形状が四角形のピン130では、断面形状が円形のピンと比較して製造工程を簡略化できる。断面形状が円形である円柱状のピンを作製する場合、ワイヤー放電加工等により基材から疑似円柱状のピンを切り出し、このピンが円柱状となるように研磨装置による精密な研磨加工を行う必要がある。特に耐摩耗性の高い素材に対して円柱状になるように研磨加工を行うことは容易ではない。これに対して、断面形状が四角形のピン130を製造する場合には、ワイヤー放電加工やレーザー加工だけでピン130の製造が可能であり、研磨装置による精密な研磨加工を省略できるため、容易にピン130を製造できる。このため、ピン130の素材に用いることができる材料の選択の幅が広くなる。例えば、粒径が大きい焼結ダイヤモンド(PolyCrystalline Diamond)、または、単結晶ダイヤモンド等をピン130の素材に用いることができる。この場合、ピン130の耐摩耗性が一層高くなる。
ピン130の正四角形は4つの頂点、すなわち、第1頂点VA、第2頂点VB、第3頂点VC、および、第4頂点VDを含む。第1頂点VAはピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの後方かつ下方に位置する頂点である。第1頂点VAは第2挿入孔121の内周面122との接触により第1接触点PAを形成する。第1頂点VAは第1挿入孔114の内周面115とは接触しない。第2頂点VBは第1頂点VAよりも走査方向DDの前方に位置する頂点である。具体的には、第2頂点VBはピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの前方かつ下方に位置する。第2頂点VBは第2挿入孔121の内周面122との接触により第2接触点PBを形成する。第2頂点VBは第1挿入孔114の内周面115とは接触しない。
第3頂点VCおよび第4頂点VDは第1頂点VAおよび第2頂点VBとは別の頂点である。具体的には、第3頂点VCはピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの後方かつ上方に位置する。第3頂点VCは第2挿入孔121の内周面122に接触しない。第3頂点VCは第1挿入孔114の内周面115との接触により第3接触点PCを形成する。第4頂点VDはピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの前方かつ上方に位置する。第4頂点VDは第2挿入孔121の内周面122に接触しない。第4頂点VDは第1挿入孔114の内周面115との接触により第4接触点PDを形成する。以下の説明では、各接触点PA、PB、および、各頂点VA~VDを接触点等と総称する場合がある。
接触点等が第2挿入孔121の中心軸心CBに対して前方、後方、上方、または、下方に位置する状態について、具体的には次のように記述できる。基準断面において中心軸心CBを通過する高さ方向DCに平行な仮想線を第1基準線LAと称し、基準断面において中心軸心CBを通過する走査方向DDに平行な仮想線を第2基準線LBと称する。接触点等が中心軸心CBに対して後方に位置する状態とは、基準断面において接触点等が第1基準線LAよりも走査方向DDの後方に位置する状態である。接触点等が中心軸心CBに対して前方に位置する状態とは、基準断面において接触点等が第1基準線LAよりも走査方向DDの前方に位置する状態である。接触点等が中心軸心CBに対して上方に位置する状態とは、基準断面において接触点等が第2基準線LBよりも高さ方向DCの上方に位置する状態である。接触点等が中心軸心CBに対して高さ方向DCの下方に位置する状態とは、基準断面において接触点等が第2基準線LBよりも高さ方向DCの下方に位置する状態である。また、接触点等が第1挿入孔114の中心軸心CAまたはピン130の中心軸心CCに対して前方、後方、上方、または、下方に位置する状態について、それぞれ中心軸心CA、CCを通過する仮想線を用いて上記と同様に記述できる。
基準断面におけるスクライブ加工時の第1挿入孔114の中心軸心CA、第2挿入孔121の中心軸心CB、または、ピン130の中心軸心CCまわりにおける接触点等の位置は基本的には非スクライブ加工時の接触点等の位置により決められる。図5は非スクライブ加工時の第1挿入孔114、第2挿入孔121、および、ピン130の関係の一例を示す。非スクライブ加工時とは、スクライビングホイール120が被加工物Wの表面に接触せず、スクライビングホイール120の重量がピン130により受けられる状態である。
第1頂点VAはピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの後方かつ下方に位置する。第2頂点VBはピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの前方かつ下方に位置する。第3頂点VCはピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの後方かつ上方に位置する。第4頂点VDはピン130の中心軸心CCに対して走査方向DDの前方かつ上方に位置する。第1頂点VAおよび第2頂点VBは第1挿入孔114の内周面115に接触する。第3頂点VCおよび第4頂点VDは第2挿入孔121の内周面122に接触する。スクライブ加工工程の開始にともないスクライビングホイール120が走査されることにより、各頂点VA~VDと第1挿入孔114および第2挿入孔121との関係が図4に示される関係に変化する。
規制構造130Aによれば、次のような作用および効果が得られる。スクライブ加工時にスクライビングホイール120が被加工物Wから受ける反力が低下した場合、走査方向DDにおけるピン130に対する抵抗が小さくなる。ただし、図4に示されるように、ピン130の第1頂点VAおよび第2頂点VBが第2挿入孔121の内周面122に接触し、2つの接触点である第1接触点PAおよび第2接触点PBを形成しているため、走査方向DDにおけるスクライビングホイール120に対するピン130の移動が内周面122により規制される。スクライビングホイール120がピン130に対して2点で支持されるため、スクライビングホイール120の回転が安定する。同様にピン130の第3頂点VCおよび第4頂点VDが第1挿入孔114の内周面115に接触し、2つの接触点である第3接触点PCおよび第4接触点PDを形成しているため、走査方向DDにおけるホルダ110に対するピン130の移動が内周面115により規制される。このため、ピン130がスクライビングホイール120に対しては上方に、ホルダ110に対しては下方に移動することも規制され、被加工物Wの表面から離れる方向へのスクライビングホイール120の移動も規制され、スクライビングホイール120の荷重の低下が抑えられる。これにより、スクライブ加工時においてスクライビングホイール120の荷重の変動が生じにくくなり、クラックの形成状態が安定し、スクライブ加工される被加工物Wの品質が向上する。また、スクライビングホイール120の荷重の変動幅が小さくなるため、被加工物Wが薄い場合でもスクライビングホイール120の荷重が適正範囲から外れにくく、この点からも被加工物Wの品質が向上する。
基準断面において多角形状のピン130の複数の頂点がホルダ110およびスクライビングホイール120に接触するため、ピン130の中心軸心CCまわりにおけるピン130の回転が規制される。スクライブ加工時にピン130がピン130の中心軸心CCまわりで実質的に回転せず、ピン130の中心軸心CCまわりにおいてピン130とスクライビングホイール120との接触点の位置が実質的に変化しない。これにより、スクライブ加工時におけるスクライビングホイール120の回転が安定し、スクライブ加工された被加工物Wの品質が高くなる。
図4に示されるように、スクライビングホイール120はスクライブ加工時に回転方向DRに回転する。スクライブ加工時にともない異物が発生する場合がある。異物とは例えば、被加工物Wから発生する切り屑、被加工物Wの表面から剥離した比較的大きな剥離物、スクライビングホイール120とピン130との摩耗により生じる摩耗粉、および、その他の異物である。スクライブ加工時には、ピン130とスクライビングホイール120との間に、第1頂点VAを基準に区画された第1領域Q1、および、第2頂点VBを基準に区画された第2領域Q2が形成される。第1領域Q1は第1頂点VAに対して回転方向DRの後方に形成されるピン130とスクライビングホイール120との間のクリアランスであり、ピン130における第1頂点VAと第2頂点VBとの間の辺と、これに対向するスクライビングホイール120の内周面122との間に形成されるクリアランスである。第2領域Q2は第2頂点VBに対して回転方向DRの後方に形成されるピン130とスクライビングホイール120との間のクリアランスであり、ピン130における第2頂点VBと第4頂点VDとの間の辺と、これに対向するスクライビングホイール120の内周面122との間に形成されるクリアランスである。
スクライビングホイール120とピン130とが接触する部分におけるこれらの間に異物が存在する場合、ピン130に対するスクライビングホイール120の位置が不安定になり、スクライビングホイール120の回転が安定しないおそれがある。ホルダユニット100では、スクライブ加工時に発生した異物が第1領域Q1または第2領域Q2に入り込む場合がある。スクライビングホイール120とピン130とにより第1接触点PAが形成され、第1接触点PAの位置が変化しないため、スクライビングホイール120の回転にともない第1領域Q1の異物が第1接触点PAに対する回転方向DRの後方に留まる。スクライビングホイール120とピン130とにより第2接触点PBが形成され、第2接触点PBの位置が変化しないため、スクライビングホイール120の回転にともない第2領域Q2の異物が第2接触点PBに対する回転方向DRの後方に留まる。このため、スクライビングホイール120とピン130とが接触する部分におけるこれらの間に異物が巻き込まれることが抑えられる。スクライブ加工時にはスクライビングホイール120とピン130とが接触する部分におけるこれらの間に異物が実質的に存在しない状態が保たれる。このため、スクライブ加工時に異物が発生した場合でもスクライビングホイール120の回転が安定し、スクライブ加工された被加工物Wの品質が高くなる。
スクライブ加工時におけるピン130について、スクライビングホイール120との関係からピン130を接触領域と非接触領域とに区分できる。接触領域はピン130の軸方向におけるピン130の中間部に相当する。具体的には、接触領域はスクライビングホイール120の内周面122に接触するピン130の中間部であり、ピン130の軸方向における内周面122の幅と同程度の範囲を有する。非接触領域はピン130の軸方向において接触領域の外側の部分に相当する。スクライビングホイール120の回転にともないピン130の接触領域、および、ピン130の接触領域に接触するスクライビングホイール120の内周面122の摩耗が進行する。ピン130の摩耗によりピン130の第1頂点VAおよび第2頂点VBの角が削れ、曲面が形成される。摩耗したピン130の接触領域はピン130の非接触領域に対してピン130の中心軸心CC側に向けて窪んだ凹部を構成する。ピン130の摩耗の進行度合が大きくなるほど凹部の深さが深くなる。凹部と非接触領域との間には段差が形成される。ピン130に凹部が形成された状態では、スクライビングホイール120をピン130に対してピン130の軸方向に移動させる力が作用した場合、スクライビングホイール120の内周面122と上記段差との接触によりピン130に対するスクライビングホイール120の移動が規制される。スクライブ加工時におけるスクライビングホイール120の位置が安定し、スクライブ加工された被加工物Wの品質が向上する。
ホルダユニット100では、ピン130が非圧入の状態で第1挿入孔114および第2挿入孔121に挿入されるため、スクライブ装置10が停止した状態でピン130をピン130の中心軸心CCまわりで回転させることにより、第1挿入孔114の中心軸心CAまわりにおける各頂点VA~VDの位置を容易に変更できる。これは例えば次のような状況に利用できる。スクライブ加工工程では、スクライビングホイール120がピン130に対して回転するため、ピン130の第1頂点VAおよび第2頂点VBが摩耗する。第2挿入孔121の内周面122に接触する頂点の摩耗量が少ないことが好ましい場合、ピン130の中心軸心CCまわりでピン130を180度回転させることにより、第1挿入孔114の中心軸心CAまわりにおける第1頂点VAおよび第2頂点VBの位置と第3頂点VCおよび第4頂点VDの位置を入れ替えることができる。この場合、第1頂点VAおよび第2頂点VBよりも摩耗量が少ない、または、実質的に摩耗していない第3頂点VCおよび第4頂点VDがスクライブ加工時に第2挿入孔121の内周面122に接触する。
ピン130の太さRCは例えばピン130の四角形における対角線の長さで示される。ピン130の四角形に長さが異なる複数の対角線が規定される場合、ピン130の太さRCは例えば最大の長さの対角線により規定される。図示される例では、ピン130の太さRCは第1頂点VAと第4頂点VDとを結ぶ対角線の長さ、または、第2頂点VBと第3頂点VCとを結ぶ対角線の長さに等しい。
ホルダユニット100の各部の寸法は例えば次のように決められる。スクライビングホイール120の外径は1mm~7mmの範囲から選択される。一例では、スクライビングホイール120の外径は2mmである。スクライビングホイール120の厚さは0.4mm~1.2mmの範囲から選択される。一例では、スクライビングホイール120の厚さは0.64mmである。幅方向DBにおけるアーム112の間隔は0.4mm~1.3mmの範囲から選択される。一例では、アーム112の間隔は0.66mmである。第1挿入孔114の直径RAは0.4mm~1.5mmの範囲から選択される。一例では、第1挿入孔114の直径RAは0.8mmである。第2挿入孔121の直径RBは0.4mm~1.6mmの範囲から選択される。一例では、第2挿入孔121の直径RBは0.8mmである。ピン130の太さRCは0.4mm~1.5mmの範囲から選択される。一例では、ピン130の太さRCは0.77mmである。
(第2実施形態)
基準断面におけるスクライブ加工時の第1挿入孔114の中心軸心CA、第2挿入孔121の中心軸心CB、または、ピン130の中心軸心CCまわりの各頂点および接触点の位置は任意に変更可能である。図6は各頂点および接触点の位置が第1実施形態とは異なる位置に決められた第2実施形態の構成を示す。
第1頂点VAと第4頂点VDとを結ぶ対角線は第1基準線LAと平行であり、第1基準線LAに対して走査方向DDの前方に位置する。第2頂点VBと第3頂点VCとを結ぶ対角線は第2基準線LBと平行であり、第2基準線LBに対して下方に位置する。第1頂点VAは第2挿入孔121の内周面122との接触により第1接触点PAを形成する。第2頂点VBは第2挿入孔121の内周面122との接触により第2接触点PBを形成する。第3頂点VCは第1挿入孔114の内周面115との接触により第3接触点PCを形成する。第4頂点VDは第1挿入孔114の内周面115との接触により第4接触点PDを形成する。
(第3実施形態)
基準断面におけるスクライブ加工時の第1挿入孔114の中心軸心CA、第2挿入孔121の中心軸心CB、または、ピン130の中心軸心CCまわりの各頂点および接触点の位置は任意に変更可能である。図7は各頂点および接触点の位置が第1実施形態とは異なる位置に決められた第3実施形態の構成を示す。
第1頂点VAと第4頂点VDとを結ぶ対角線は第2基準線LBと平行であり、第2基準線LBに対して下方に位置する。第2頂点VBと第3頂点VCとを結ぶ対角線は第1基準線LAと平行であり、第1基準線LAに対して走査方向DDの後方に位置する。第1頂点VAは第2挿入孔121の内周面122との接触により第1接触点PAを形成する。第2頂点VBは第2挿入孔121の内周面122との接触により第2接触点PBを形成する。第3頂点VCは第1挿入孔114の内周面115との接触により第3接触点PCを形成する。第4頂点VDは第1挿入孔114の内周面115との接触により第4接触点PDを形成する。
(第4実施形態)
基準断面におけるスクライブ加工時の第1挿入孔114の中心軸心CA、第2挿入孔121の中心軸心CB、または、ピン130の中心軸心CCまわりの各頂点および接触点の位置は任意に変更可能である。図8は各頂点および接触点の位置が第1実施形態とは異なる位置に決められた第4実施形態の構成を示す。
第1頂点VAと第4頂点VDとを結ぶ対角線は第1基準線LAと一致する。第2頂点VBと第3頂点VCとを結ぶ対角線は第2基準線LBと平行であり、第2基準線LBに対して下方に位置する。第1頂点VAは第2挿入孔121の内周面122との接触により第1接触点PAを形成する。第2頂点VBは第1挿入孔114の内周面115および第2挿入孔121の内周面122に接触しない。第3頂点VCは第1挿入孔114の内周面115および第2挿入孔121の内周面122に接触しない。第4頂点VDは第1挿入孔114の内周面115との接触により第4接触点PDを形成する。この例では、スクライビングホイール120とピン130との接触点が1点であるため、ピン130との接触によるスクライビングホイール120の動きを拘束する力が弱く、スクライビングホイール120の動きに対する制約が小さい。
(第5実施形態)
ピン130の断面形状は任意に変更可能である。第1例では、ピン130の断面形状は正四角形以外の多角形である。第2例では、ピン130の断面形状は各頂点の少なくとも1つに面取りが形成された形状である。面取りは例えばC面取りまたはR面取りである。第3例では、ピン130の断面形状は各頂点の少なくとも1つが所定の曲率半径により規定される曲線で示される形状である。曲線で示される頂点の形成方法として、例えば多角形の頂点を機械研磨、レーザー加工、または、放電加工などによりR加工する方法が挙げられる。好ましい例では、ピン130の材料に適した形成方法が選択される。
第5実施形態のホルダユニット100は図9に示されるように第1実施形態のピン130とは断面形状が異なるピン200を備える。正四角形は4つの頂点VA~VDを含む。第1頂点VAはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第1接触点PAを形成する。第2頂点VBはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第2接触点PBを形成する。第3頂点VCはホルダ110の内周面115に接触し、第3接触点PCを形成する。第4頂点VDはホルダ110の内周面115に接触し、第4接触点PDを形成する。
正四角形の各頂点VA~VDには面取りが形成されている。ピン200の構造は面取りが形成される点を除いては第1実施形態のピン130と同様である。各頂点VA~VDは面取りにより形成された面VXを含む。一例では、面取りはC面取りまたはR面取りである。各頂点VA~VDにおいて各接触点PA~PDを形成する部分は面VXの面積に応じて異なる。面VXの面積が第1所定範囲に含まれる場合、面VX全体がスクライビングホイール120の内周面122またはホルダ110の内周面115に接触する。各頂点VA~VDにおいて各接触点PA~PDを形成する部分は面VX全体である。面VXの面積が第2所定範囲に含まれる場合、面VXの一部がスクライビングホイール120の内周面122またはホルダ110の内周面115に接触する。各頂点VA~VDにおいて各接触点PA~PDを形成する部分は面VXの一部である。第2所定範囲は第1所定範囲よりも広い。面VXの面積が第3所定範囲に含まれる場合、面VXに連続するピン200の面と面VXとの境界部分がスクライビングホイール120の内周面122またはホルダ110の内周面115に接触する。各頂点VA~VDにおいて各接触点PA~PDを形成する部分は上記境界部分である。第3所定範囲は第2所定範囲よりも広い。
スクライビングホイール120の回転にともないピン200の接触領域が摩耗する。ピン130の各頂点に面取りが形成されているためピン200の摩耗が緩やかに進行し、ピン200の形状変化がスクライビングホイール120等に及ぼす影響の変化も緩やかになる。これはスクライビングホイール120の回転の安定性に寄与する。
(第6実施形態)
第6実施形態のホルダユニット100は図10に示されるように第1実施形態のピン130とは断面形状が異なるピン210を備える。ピン210の断面形状は長方形である。長方形の長辺211の長さは第1実施形態のピン130の正四角形の辺の長さよりも長い。長方形の短辺212の長さは第1実施形態のピン130の正四角形の辺の長さよりも短い。長方形は4つの頂点VA~VDを含む。第1頂点VAはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第1接触点PAを形成する。第2頂点VBはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第2接触点PBを形成する。第3頂点VCはホルダ110の内周面115に接触し、第3接触点PCを形成する。第4頂点VDはホルダ110の内周面115に接触し、第4接触点PDを形成する。
長方形の各頂点VA~VDには面取りが形成されている。面取りは例えばC面取りまたはR面取りである。ピン210の構造は断面形状が長方形である点、および、面取りが形成される点を除いては第1実施形態のピン130と同様である。各頂点VA~VDは面取りにより形成された面VXを含む。各頂点VA~VDにおいて各接触点PA~PDを形成する部分は第5実施形態と同様に面VXの面積に応じて異なる。ピン210の変形例では、ピン210の断面形状は面取りが形成されていない長方形である。
ピン210はホルダ110およびスクライビングホイール120に対して横向きに配置される。具体的には、長方形の長辺211は第2基準線LBと平行である。長方形の短辺212は第1基準線LAと平行である。ピン210が横向きに配置されるホルダユニット100では、第1実施形態のホルダユニット100と比較して、スクライブ加工時におけるスクライビングホイール120の回転抵抗が大きくなる。これには、ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離が第1実施形態のホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離よりも長いことが影響していると考えられる。
スクライビングホイール120の回転抵抗が大きい場合、スクライブ加工により被加工物Wに形成される垂直クラックの深さが深くなる。ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離を調節することにより、被加工物Wに形成される垂直クラックの深さを調節することができる。スクライビングホイール120の回転抵抗はスクライビングホイール120の寿命にも影響を及ぼす。スクライビングホイール120の回転抵抗が大きくなるほどスクライビングホイール120の寿命が短くなる。ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離を調節することにより、スクライビングホイール120の寿命を調節することができる。
(第7実施形態)
第7実施形態のホルダユニット100は図11に示されるように第1実施形態のピン130とは断面形状が異なるピン210を備える。ピン210の断面形状は第6実施形態のピン210の断面形状と同様である。長方形は4つの頂点VA~VDを含む。第1頂点VAはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第1接触点PAを形成する。第2頂点VBはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第2接触点PBを形成する。第3頂点VCはホルダ110の内周面115に接触し、第3接触点PCを形成する。第4頂点VDはホルダ110の内周面115に接触し、第4接触点PDを形成する。ピン210の変形例では、ピン210の断面形状は面取りが形成されていない長方形である。
ピン210はホルダ110およびスクライビングホイール120に対して縦向きに配置される。具体的には、長方形の長辺211は第1基準線LAと平行である。長方形の短辺212は第2基準線LBと平行である。ピン210が縦向きに配置されるホルダユニット100では、第1実施形態のホルダユニット100と比較して、スクライブ加工時におけるスクライビングホイール120の回転抵抗が小さくなる。これには、ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離が第1実施形態のホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離よりも短いことが影響していると考えられる。
スクライビングホイール120の回転抵抗が小さい場合、スクライブ加工により被加工物Wに形成される垂直クラックの深さが浅くなる。ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離を調節することにより、被加工物Wに形成される垂直クラックの深さを調節することができる。スクライビングホイール120の回転抵抗はスクライビングホイール120の寿命にも影響を及ぼす。スクライビングホイール120の回転抵抗が小さくなるほどスクライビングホイール120の寿命が長くなる。ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離を調節することにより、スクライビングホイール120の寿命を調節することができる。
(第8実施形態)
第8実施形態のホルダユニット100は図12に示されるように第1実施形態のピン130とは断面形状が異なるピン220を備える。ピン220の断面形状は正三角形である。正三角形の辺221の長さは第1実施形態のピン130の正四角形の辺の長さよりも長い。正三角形は3つの頂点VA~VCを含む。第1頂点VAはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第1接触点PAを形成する。第2頂点VBはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第2接触点PBを形成する。第3頂点VCはホルダ110の内周面115に接触し、第3接触点PCを形成する。
正三角形の各頂点VA~VCには面取りが形成されている。面取りは例えばC面取りまたはR面取りである。ピン220の構造は断面形状が正三角形である点、および、面取りが形成される点を除いては第1実施形態のピン130と同様である。各頂点VA~VCは面取りにより形成された面VXを含む。各頂点VA~VCにおいて各接触点PA~PCを形成する部分は第5実施形態と同様に面VXの面積に応じて異なる。ピン220の変形例では、ピン220の断面形状は面取りが形成されていない正三角形である。
ピン220はホルダ110およびスクライビングホイール120に対して第3頂点VCが第1頂点VAおよび第2頂点VBよりも上方に位置するように配置される。具体的には、第1頂点VAと第2頂点VBとの間の辺221は第2基準線LBと平行である。第1頂点VAと第3頂点VCとの間の辺221、および、第2頂点VBと第3頂点VCとの間の辺221は第1基準線LAおよび第2基準線LBに交差する。このようにピン220が配置されるホルダユニット100では、第1実施形態のホルダユニット100と比較して、スクライブ加工時におけるスクライビングホイール120の回転抵抗が大きくなる。これには、ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離が第1実施形態のホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離よりも長いことが影響していると考えられる。第6実施形態と同様に、ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離を調節することにより、被加工物Wに形成される垂直クラックの深さ、および、スクライビングホイール120の寿命を調節することができる。
(第9実施形態)
第9実施形態のホルダユニット100は図13に示されるように第1実施形態のピン130とは断面形状が異なるピン230を備える。ピン230の断面形状は二等辺三角形である。二等辺三角形の底辺231の長さは第1実施形態のピン130の正四角形の辺の長さよりも長い。二等辺三角形の等辺232の長さは第1実施形態のピン130の正四角形の辺の長さよりも短い、正四角形の辺の長さと等しい、または、正四角形の辺の長さよりも長い。二等辺三角形は3つの頂点VA~VCを含む。第1頂点VAはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第1接触点PAを形成する。第2頂点VBはスクライビングホイール120の内周面122に接触し、第2接触点PBを形成する。第3頂点VCはホルダ110の内周面115に接触し、第3接触点PCを形成する。
二等辺三角形の各頂点VA~VCには面取りが形成されている。面取りは例えばC面取りまたはR面取りである。ピン230の構造は断面形状が二等辺三角形である点、および、面取りが形成される点を除いては第1実施形態のピン130と同様である。各頂点VA~VCは面取りにより形成された面VXを含む。各頂点VA~VCにおいて各接触点PA~PCを形成する部分は第5実施形態と同様に面VXの面積に応じて異なる。ピン230の変形例では、ピン230の断面形状は面取りが形成されていない二等辺三角形である。
ピン230はホルダ110およびスクライビングホイール120に対して第3頂点VCが第1頂点VAおよび第2頂点VBよりも上方に位置するように配置される。具体的には、第1頂点VAと第2頂点VBとの間の底辺231は第2基準線LBと平行である。第1頂点VAと第3頂点VCとの間の等辺232、および、第2頂点VBと第3頂点VCとの間の等辺232は第1基準線LAおよび第2基準線LBに交差する。このようにピン220が配置されるホルダユニット100では、第1実施形態のホルダユニット100と比較して、スクライブ加工時におけるスクライビングホイール120の回転抵抗が大きくなる。これには、ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離が第1実施形態のホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離よりも長いことが影響していると考えられる。第6実施形態と同様に、ホルダユニット100における第1接触点PAと第2接触点PBとの距離を調節することにより、被加工物Wに形成される垂直クラックの深さ、および、スクライビングホイール120の寿命を調節することができる。
(実施例)
スクライブ加工時のスクライビングホイール120のスクライブ初期における回転抵抗を評価する試験を実施した。試験の条件について記述する。第6実施形態のホルダユニット100(図10)または第7実施形態のホルダユニット100(図11)、被加工物Wを支持するテーブル、および、テーブルをホルダユニット100に対して移動させるための移動装置を備えたスクライブ装置を用いた。移動装置は例えばエアシリンダである。第6実施形態のホルダユニット100(図10)を備えるスクライブ装置を用いた試験を第1試験と称する。第7実施形態のホルダユニット100(図11)を備えるスクライブ装置を用いた試験を第2試験と称する。ピン210の長辺211の長さは0.7mmである。ピン210の短辺212の長さは0.4mmである。スクライビングホイール120の外径は2mmである。スクライビングホイール120のスクライブ荷重は5水準である。具体的には、スクライブ荷重として4N、6N、8N、10N、12Nの5水準を選択した。ホルダユニット100以外の条件については第1試験および第2試験に共通である。
各試験の手順について記述する。スクライブ装置のテーブルに被加工物Wをセットする。試験の条件で設定したスクライブ荷重がかかるようにスクライビングホイール120を被加工物Wに押し付ける。被加工物Wに対するスクライビングホイール120の位置を保持し、移動装置によりスクライビングホイール120の走査方向DDとは反対の方向にテーブルを移動させる。このときに移動装置がテーブルに与えた荷重(以下「移動荷重」という)を荷重測定装置により測定する。
第1試験の結果について記述する。スクライブ荷重4Nの場合の移動荷重は0.26Nである。スクライブ荷重6Nの場合の移動荷重は0.42Nである。スクライブ荷重8Nの場合の移動荷重は0.56Nである。スクライブ荷重10Nの場合の移動荷重は0.68Nである。スクライブ荷重12Nの場合の移動荷重は0.84Nである。第2試験の結果について記述する。スクライブ荷重4Nの場合の移動荷重は0.16Nである。スクライブ荷重6Nの場合の移動荷重は0.22Nである。スクライブ荷重8Nの場合の移動荷重は0.32Nである。スクライブ荷重10Nの場合の移動荷重は0.38Nである。スクライブ荷重12Nの場合の移動荷重は0.46Nである。第1試験の移動荷重は第2試験の移動荷重よりも高く、おおよそ1.8倍である。移動荷重はスクライビングホイール120の回転抵抗の影響を受ける。スクライビングホイール120の回転抵抗が大きくなるほど移動荷重が大きくなる。第1試験および第2試験の結果から、ピン210が横向き配置された形態(図10)では、ピン210が縦向き配置された形態(図11)よりもスクライビングホイール120の回転抵抗が大きいことが確認された。
上記試験では、断面形状が長方形のピン210の配置形態がスクライビングホイール120の回転抵抗に及ぼす影響が明らかにされた。これ以外のピン130に関連する所定因子も同様にスクライビングホイール120の回転抵抗に影響を及ぼすと考えられる。所定因子としては、例えばピン130の形状、ピン130の中心軸心CCまわりにおける各頂点および接触点の位置、および、スクライビングホイール120とピン130との間の形成される第1接触点PAと第2接触点PBとの距離が挙げられる。スクライビングホイール120の回転抵抗に影響を及ぼす所定因子の調節により、スクライブ加工時のスクライビングホイール120の回転抵抗を調節し、被加工物Wの品質を高めることができる。
剛性が低く、かつ、薄いガラスを備える携帯機器が知られている。このガラスは薄板ガラスまたは超薄板ガラスと称される。携帯機器は例えば電子機器および携帯通信端末である。薄板ガラスまたは超薄板ガラスの素材となるガラス基板のブレイク加工では、スクライブラインの垂直クラックの深さがブレイク加工されたガラス基板の品質に影響する。垂直クラックの深さが深くなるほどブレイク加工されたガラス基板の品質が高くなる。ガラス基板のスクライブ加工時に、ガラス基板に深い垂直クラックを形成することによりブレイク加工でのガラス基板の品質を高めることができる。スクライブ加工では、スクライビングホイール120の回転抵抗が大きくなるほど被加工物Wに深い垂直クラックが形成されやすい。そのために上記のスクライビングホイール120の回転抵抗に影響を及ぼす所定因子の調節を利用することができる。
なお、上記各実施形態では本発明に関するホルダユニットおよびピンが取り得る形態を例示している。上記各実施形態の説明は本発明に関するホルダユニットおよびピンが取り得る形態を制限することを意図していない。本発明に関するホルダユニットおよびピンは各実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態である。
10 :スクライブ装置
100 :ホルダユニット
110 :ホルダ
114 :第1挿入孔
115 :内周面
120 :スクライビングホイール
121 :第2挿入孔
122 :内周面
130 :ピン
130A:規制構造
CC :中心軸心
DD :走査方向
VA :第1頂点
VB :第2頂点
VC :第3頂点
VD :第4頂点
PA :第1接触点
PB :第2接触点
PC :第3接触点
PD :第4接触点

Claims (7)

  1. 第1挿入孔を有するホルダと、
    第2挿入孔を有するスクライビングホイールと、
    前記第1挿入孔および前記第2挿入孔に挿入され、少なくとも前記第2挿入孔に対して非圧入の状態で挿入されるピンとを備え、
    前記ピンは前記スクライビングホイールの走査方向における前記スクライビングホイールに対する前記ピンの移動を規制する規制構造を含み、
    前記第2挿入孔の中心軸心に直交する基準断面における前記ピンの断面形状は前記第2挿入孔の内周面と前記ピンとが第1接触点および第2接触点の2点で接触するように決められ、前記規制構造を構成する
    ホルダユニット。
  2. 前記基準断面における前記ピンの断面形状は多角形である
    請求項に記載のホルダユニット。
  3. 前記基準断面における前記ピンの断面形状は四角形である
    請求項に記載のホルダユニット。
  4. 前記四角形は前記ピンの中心軸心に対して前記走査方向の後方かつ上方に位置する第1頂点、前記第1頂点よりも前記走査方向の前方に位置する第2頂点、ならびに、前記第1頂点および前記第2頂点とは別の第3頂点および第4頂点を含み、
    前記第1頂点は前記第2挿入孔の内周面との接触により前記第1接触点を形成し、
    前記第2頂点は前記第2挿入孔の内周面との接触により前記第2接触点を形成し、
    前記第3頂点および前記第4頂点は前記第2挿入孔の内周面に接触しない
    請求項に記載のホルダユニット。
  5. 前記基準断面における前記ピンの断面形状は面取りを含む多角形である
    請求項に記載のホルダユニット。
  6. 前記第2接触点は前記ピンの中心軸心に対して前記走査方向の前方に位置する
    請求項のいずれか一項に記載のホルダユニット。
  7. 第1挿入孔を有するホルダに保持され、第2挿入孔を有するスクライビングホイールに対して非圧入の状態で前記第2挿入孔に挿入されるピンであって、
    前記ピンの中心軸心に直交する断面における断面形状は多角形である
    ピン。
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