JP7208117B2 - 建設機械および建設機械の制御方法 - Google Patents
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Description
つまり、2つの演算された流量推定値が、両方ともに正確である場合には高精度の制御を実現できるが、少なくとも一方の流量が正確でなくなった場合には、それらの流量に基づいたフィードバック制御は精度の高い制御にはならない。
次に、本発明を油圧ショベルに適用した実施例1について、図1および図2により説明する。図1は、本発明における実施例1の構成を示す図である。図1において、コントローラ1を機能ブロック図として示しているが、実際には通常のコンピュータを使用して実現する。その場合、図1のコントローラ1内の各機能は、コントローラ内部のメモリに記憶したプログラムに従い、中央処理部(CPU)が実行する。図2は、コントローラ1における処理の内、異常判断及び較正動作の処理の動作フローを示している。
図1に示す油圧ショベルのコントローラ1の動作には、通常運転時の動作(作業)と、機器ないしはセンサの異常判断及び較正を行う動作とがある。以下、通常運転を行っている場合を「通常運転モード」と称し、異常判断及び較正動作を行っている場合を「較正動作モード」と称する。
まず通常運転時の動作(通常運転モード)について説明する。通常運転モードにおいては、作業者が図示しない操作装置を操作することにより、作業部材3の姿勢を制御するための操作量7が入力される。この操作量7は、指定された施工情報と周辺地形情報、作業進行具合等の情報に従ってコントローラ1に入力するようにしても良い。
さて、次に、油圧機器及びセンサの出力の経年変化などによる異常判断および較正動作、すなわち較正動作モードについて説明する。この実施例1においては、油圧機器2と圧力センサ4およびストロークセンサ5(油圧系統)に経年変化等による劣化が生じるものとし、作業部材3および角度センサ6(作業部材系統)は正常であることが担保されていることを前提として説明する。これは、油圧機系統に比べて作業部材系統は摩耗などによる経年変化が殆どないことや、角度センサ6は例えばポテンショメータで実現できるので、点検、および較正が容易であることなどである。この実施例では、角度センサ6は、保守点検を行いあるいは他の較正手法により正常に維持することは容易である。
なお、この実施例1では、作業者が較正指示8を与えることにより構成動作モードに移行しているが、油圧ショベルを一定時間稼働させた場合、あるいは一定期間経過毎に、自動的にコントローラ1に較正指示8を与えるようにしても良い。
この2つの流量(第1流量Qo、および第2流量Qb)の演算の処理動作が、図2のステップS102に相当する。
この差分の演算は、式(3)に示すような演算により求める。あるいは、二乗平均平方根などの指標でも良い。
すなわち、次式(4)のように、補正項f(k),g(k)を出荷時に記憶させておく。
計算モデルの較正(この実施例では、第1流量演算部12の計算モデルの較正)が終了し正常な較正が行われたことを確認した場合、通常運転モードに移行する。通常運転モードへの移行は、切替スイッチ14,15を通常動作側に切替えることで行われる。これにより、流量指示値と流量計算結果が油圧機器制御演算部11に入力されるように切替わり通常運転モードとなる。
以上説明したように、機器やセンサの経年変化等による流量演算の異常状態を特別なセンサ等を設けることなく油圧機器側の異常状態を判断することができ、異常状態と判断した場合には第1流量演算部12における計算モデルを較正することができる。そのため、長期間高精度の制御動作を実現することが可能となる。また、この計算モデルの較正動作は、追加のセンサや較正用の環境を構築しなくても可能でありメンテナンスコストが低減する。
次に、本発明の実施例2について、図3~図5を用いて説明する。図3は、本発明における実施例2の構成を示す図である。図3におけるコントローラ1は、説明の都合上機能ブロック図として示しているが、実際には通常のコンピュータを使用して実現する。その場合、図3のコントローラ1内の各機能は、コントローラ内部のメモリに記憶したプログラムに従い、中央処理部(CPU)が実行する。図4は、コントローラ1における処理の内、異常判断動作及び較正動作の処理の動作フローを示している。図5は、この実施例2における動作遷移を示す遷移図である。
まず、通常運転時の動作は、図1の場合と同様なので省略する。
図3において、この実施例2における較正動作モードへの移行は、実施例1と同様に、図示しない操作装置を利用して、作業者が較正指示8をコントローラ1の較正動作指示器13に与えることで実施される。較正指示8により、較正動作指示器13は切替スイッチ14,15を切替え、較正動作モードに移行し、異常判断および較正動作が開始される。つまり、図4における動作がスタートする。
以上説明した本発明の実施例2によれば、実施例1と同様に、機器やセンサの経年変化等による流量演算の異常に対応して、異常と判断された系統の流量演算を行う計算モデルを較正することができる。そのため、長期間高精度の制御動作を実現することが可能となる。また、この計算モデルの較正動作は、追加のセンサや較正用の環境を構築しなくても可能でありメンテナンスコストが低減する。
次に本発明の実施例3について、図6~8を用いて説明する。図6は、本発明における実施例3の構成を示す図である。図3においてコントローラ1は、説明の都合上機能ブロック図として示しているが、実際には通常のコンピュータを使用して実現する。その場合、図3のコントローラ1内の各機能は、コントローラ内部のメモリに記憶したプログラムに従い、中央処理部(CPU)が実行する。図7は、コントローラ1における処理の内、異常判断動作及び較正動作の処理の動作フローを示している。図8は、実施例3の状態遷移図である。
実施例1の場合、作業者が「較正指示」をコントローラ1に与えることにより異常判断及び較正動作を実行している。
したがって、以下では、基本的な構成や、動作内容は実施例1と同様であるため、実施例1と異なる点を中心に説明する。
ステップS104~S108の動作は、図2の場合と同様であるため、その説明は省略する。
以上説明したように、本発明の実施例3では、実施例1と同様の効果を有する。さらに、異常判断及び較正動作は、特別な指示を行わなくても自動的に実行するので、操作者が指示を行う煩わしさがなくなる。
次に、本発明の実施例4を、図9~図11を用いて説明する。図9は、本発明における実施例4の構成を示す図である。図9におけるコントローラ1は、説明の都合上機能ブロック図として示しているが、実際には通常のコンピュータを使用して実現する。その場合、図9のコントローラ1内の各機能は、コントローラ内部のメモリに記憶したプログラムに従い、中央処理部(CPU)が実行する。図10は、コントローラ1における処理の内、異常判断動作及び較正動作の処理の動作フローを示している。図11は、この実施例4における動作遷移を示す遷移図である。
実施例2では、作業者が「較正指示」をコントローラ1に与えることにより異常判断及び較正動作を実行している。
したがって、以下では、基本的な構成や、動作内容は実施例2と同様であることから、実施例2と異なる点を中心に説明する。
ステップS102~ステップS108の動作は、図4で説明した内容と同様であるため、それらの説明は省略する。
以上説明したように、本発明の実施例4では、実施例2と同様の効果を有する。さらに、異常判断及び較正動作は、特別な指示を行わなくても自動的に実行するので、操作者が指示を行う煩わしさがなくなる。
本発明は、上述した実施例に示す油圧ショベルに限定されず、その他の建設機械にも応用することができる。すなわち、油圧ショベルだけでなく,クレーンやホイールローダなど,作業部材の姿勢情報を観測するセンサと油圧機器のセンサが設置された建設機械であれば,本発明の技術が適用可能である。作業部材は例えばショベルであればアーム,ブーム,バケットなどの部材であり,油圧機器はバルブやポンプなどの部材が対象となる。
Claims (10)
- 油圧機器と、該油圧機器により駆動される作業部材と、該油圧機器を制御するコントローラとを備えた建設機械であって、
前記油圧機器の状態を検出する第1センサと前記作業部材の状態を検出する第2センサとを有し、
前記コントローラは、
前記コントローラは、較正指示により、較正を行うためのリファレンス動作を実行し、
前記リファレンス動作の際の前記第1センサの検出値及び前記第2センサの検出値を入力し、
前記第1センサの検出値を用いて第1の計算モデルにより前記油圧機器に供給する油の第1の流量を演算し、
前記第2センサの検出値を用いて第2の計算モデルにより前記油圧機器に供給する圧油の第2の流量を演算し、
前記第1の流量と参照値の差分と前記第2の流量と前記参照値の差分のいずれかが閾値を超えた場合に異常と判断し、
前記異常と判断された方の流量を演算する計算モデルを較正する建設機械。 - 請求項1記載の建設機械において、前記コントローラは、前記第2センサが正常状態であることが判明している場合には前記第2の流量を前記参照値とし、前記第1の流量と前記第2の流量との差分が前記閾値を超えた場合に前記異常と判断し、前記第1の計算モデルを較正することを特徴とする建設機械。
- 請求項1記載の建設機械において、前記コントローラは、通常運転時において、前記リファレンス動作と同様の動作が検知された場合に、前記較正動作に移行することを特徴とする建設機械。
- 請求項1記載の建設機械において、前記第1センサは前記油圧機器における圧力を検出する圧力センサ及びストロークを検出するストローク検出センサであり、前記第2センサは前記作業部材の傾きを検出する角度センサであることを特徴とする建設機械。
- 請求項1記載の建設機械において、
前記計算モデルを較正した結果、前記第1流量と前記第2流量の差分が前記閾値以下にならない場合には、前記計算モデルの較正を中止することを特徴とする建設機械。 - 油圧機器と、該油圧機器により駆動される作業部材と、該油圧機器を制御するコントローラとを備え、前記油圧機器の状態を検出する第1センサと前記作業部材の状態を検出する第2センサとを有する建設機械の制御方法であって、
較正指示により、較正を行うためのリファレンス動作を実行し、
前記リファレンス動作の際の前記第1センサの検出値及び前記第2センサの検出値を入力し、
前記リファレンス動作の際の前記第1センサの検出値を用いて第1の計算モデルにより前記油圧機器に供給する油の第1の流量を演算し、
前記リファレンス動作の際の前記第2センサの検出値を用いて第2の計算モデルにより前記油圧機器に供給する圧油の第2の流量を演算し、
前記第1の流量と参照値の差分と前記第2の流量と前記参照値の差分のいずれかが閾値を超えた場合に異常と判断し、
前記異常と判断された方の流量を演算する計算モデルを較正する建設機械の制御方法。 - 請求項6記載の建設機械の制御方法において、前記第2センサが正常状態であることが判明している場合には前記第2の流量を前記参照値とし、前記第1の流量と前記第2の流量との差分が前記閾値を超えた場合に前記異常と判断し、前記第1の計算モデルを較正することを特徴とする建設機械の制御方法。
- 請求項6記載の建設機械の制御方法において、通常運転時において、前記リファレンス動作と同様の動作が検知された場合に、較正動作に移行することを特徴とする建設機械の制御方法。
- 請求項6記載の建設機械の制御方法において、前記第1センサは前記油圧機器における圧力を検出する圧力センサ及びストロークを検出するストローク検出センサであり、前記第2センサは前記作業部材の傾きを検出する角度センサであることを特徴とする建設機械の制御方法。
- 請求項6記載の建設機械の制御方法において、前記計算モデルを較正した結果、前記第1流量と前記第2流量の差分が前記閾値以下にならない場合には、前記計算モデルの較正を中止することを特徴とする建設機械の制御方法。
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