以下、添付図面を参照しながら本発明に係る好適な実施形態を説明する。なお、図面において各部の寸法や縮尺は実際のものと適宜異なり、理解を容易にするために模式的に示す部分もある。また、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られない。
1.電気光学装置
1-1.第1実施形態
本発明の電気光学装置の一例として、アクティブマトリックス方式の液晶表示装置を例に説明する。
1-1a.基本構成
図1は、第1実施形態における電気光学装置100の平面図である。図2は、第1実施形態における電気光学装置100の断面図であって、図1中のA-A線断面図である。なお、以下では、説明の便宜上、図1および図2のそれぞれに示す互いに直交するx軸、y軸、およびz軸を適宜用いて説明する。
図1および図2に示す電気光学装置100は、透過型の液晶表示装置である。図2に示すように、電気光学装置100は、透光性を有する素子基板2と、透光性を有する対向基板4と、枠状のシール部材8と、液晶層9とを有する。シール部材8は、素子基板2と対向基板4との間に配置される。液晶層9は、素子基板2、対向基板4およびシール部材8によって囲まれる領域内に配置される。ここで、素子基板2、液晶層9および対向基板4の並ぶ方向がz方向であり、素子基板2の表面がx-y平面に平行である。また、素子基板2が有する後述の第1基体21の厚さ方向に平行なz方向からみることを「厚さ方向からの平面視」または単に「平面視」と言う。
本実施形態では、電気光学装置100に対して光LLが素子基板2から入射し、液晶層9を透過して対向基板4から出射される場合を例に説明する。なお、本明細書では、電気光学装置100に入射する入射光、電気光学装置100を透過する光、および電気光学装置100から出射される出射光は、区別せずに光LLとして示す。また、光LLは可視光であり、本明細書において、透光性とは、可視光に対する透過性を意味し、好ましくは可視光の透過率が50%以上であることをいう。また、図1に示すように、電気光学装置100は、平面視で、四角形状をなすが、電気光学装置100の平面視での形状はこれに限定されず、例えば円形等であってもよい。
図1に示すように、素子基板2は、平面視で対向基板4を包含する大きさである。図2に示すように、素子基板2は、「基材」としての第1基体21と、配線層26と、複数の画素電極28と、第1配向膜29とを有する。第1基体21、配線層26、複数の画素電極28および第1配向膜29は、この順に並ぶ。第1配向膜29が最も液晶層9側に位置する。また、第1基体21には、複数の第1遮光体31および複数の第2遮光体32が配置される。第1基体21は、透光性および絶縁性を有する平板で構成される。第1基体21は、例えばガラスまたは石英で構成される。画素電極28は、透光性を有しており、例えばITO(Indium Tin Oxide)またはIZO(Indium Zinc Oxide)等の透明導電材料で構成される。第1配向膜29は、液晶層9の液晶分子を配向させる。第1配向膜29の構成材料としては、例えばポリイミドおよび酸化ケイ素等が挙げられる。なお、配線層26、第1遮光体31および第2遮光体32については、後で説明する。
図2に示すように、対向基板4は、第2基体41と、絶縁層42と、対向電極45と、第2配向膜46と、を有する。第2基体41、絶縁層42、対向電極45および第2配向膜46は、この順に並ぶ。第2配向膜46が最も液晶層9側に位置する。第2基体41は、透光性および絶縁性を有する平板で構成される。第2基体41は、例えば、ガラスまたは石英等で構成される。絶縁層42は、例えば酸化ケイ素等の透光性および絶縁性を有するケイ素系の無機材料で形成される。対向電極45は、例えばITOまたはIZO等の透明導電材料で構成される。第2配向膜46は、液晶層9の液晶分子を配向させる。第2配向膜46の構成材料としては、例えばポリイミドおよび酸化ケイ素等が挙げられる。
シール部材8は、例えばエポキシ樹脂等の各種硬化性樹脂を含む接着剤等を用いて形成される。シール部材8は、素子基板2および対向基板4のそれぞれに対して固着される。図1に示すように、シール部材8の一部には、液晶分子を含む液晶材を注入するための注入口81が形成されている。注入口81は、各種樹脂材料を用いて形成される封止材80により封止されている。
図2に示す液晶層9は、正または負の誘電異方性を有する液晶分子を含む。液晶層9は、液晶分子が第1配向膜29および第2配向膜46の双方に接するように素子基板2および対向基板4によって挟持される。液晶層9が有する液晶分子の配向は、液晶層9に印加される電圧に応じて変化する。液晶層9は、印加される電圧に応じて光LLを変調させることで階調表示を可能とする。
また、素子基板2の対向基板4側の面には、図1に示すように、「回路」としての駆動回路112が設けられる。駆動回路112は、複数の走査線駆動回路11と、信号線駆動回路12とを含む。また、素子基板2の対向基板4側の面には、複数の外部端子14が配置される。外部端子14には、走査線駆動回路11および信号線駆動回路12のそれぞれから引き回される引回し配線15が接続される。
かかる構成の電気光学装置100は、画像等を表示する表示領域A10と、表示領域A10を平面視で囲む周辺領域A20とを有する。表示領域A10には、行列状に配列される複数の画素Pが設けられる。周辺領域A20には、走査線駆動回路11および信号線駆動回路12等が配置される。
1-1b.電気的な構成
図3は、第1実施形態における素子基板2の電気的な構成を示す等価回路図である。図3に示すように、素子基板2には、n本の走査線261とm本の信号線262とn本の容量線263とが設けられる。nおよびmはそれぞれ2以上の整数である。n本の走査線261とm本の信号線262との各交差に対応して「スイッチング素子」としてのTFT25が配置される。
n本の走査線261は、それぞれy方向に延在し、x方向に等間隔で並ぶ。走査線261は、TFT25のゲートに電気的に接続される。また、n本の走査線261は、図1に示す走査線駆動回路11に電気的に接続される。n本の走査線261には、走査線駆動回路11から走査信号G1、G2、…、およびGnが線順次で供給される。
図3に示すm本の信号線262は、それぞれx方向に延在し、y方向に等間隔で並ぶ。信号線262は、TFT25のソースに電気的に接続される。また、m本の信号線262は、図1に示す信号線駆動回路12に電気的に接続される。m本の信号線262には、図1に示す信号線駆動回路12から画像信号S1、S2、…、およびSmが並行に供給される。
図3に示すn本の走査線261とm本の信号線262とは、互いに絶縁され、平面視で格子状をなす。隣り合う2つの走査線261と隣り合う2つの信号線262とで囲まれる領域が画素Pに対応する。1つの画素Pには、1つの画素電極28が形成される。画素電極28は、TFT25に電気的に接続される。
n本の容量線263は、それぞれy方向に延在し、x方向に等間隔で並ぶ。また、n本の容量線263は、複数の信号線262および複数の走査線261と絶縁され、これらに対して離間して形成される。容量線263には、グランド電位等の固定電位が印加される。また、容量線263と画素電極28との間には、液晶容量に保持される電荷のリークを防止するために蓄積容量264が液晶容量と並列に配置される。
走査信号G1、G2、…、およびGnが順次アクティブとなり、n本の走査線261が順次選択されると、選択される走査線261に接続されるTFT25がオン状態となる。すると、m本の信号線262を介して表示すべき階調に応じた大きさの画像信号S1、S2、…、およびSmが、選択される走査線261に対応する画素Pに取り込まれ、画素電極28に印加される。これにより、画素電極28と図2に示す対向基板4が有する対向電極45との間に形成される液晶容量に、表示すべき階調に応じた電圧が印加され、印加される電圧に応じて液晶分子の配向が変化する。また、蓄積容量264によって、印加される電圧が保持される。このような液晶分子の配向の変化によって光LLが変調され階調表示が可能となる。
1-1c.素子基板2が有する配線層26
図4は、第1実施形態における素子基板2の部分断面図である。なお、図4は、図2中の領域Bにおける拡大図である。
配線層26は、光LLが透過する複数の透光領域A11と、TFT25および各種配線が配置される配線領域A12とを有する。配線領域A12は、光LLを遮断する。配線領域A12は、平面視で格子状をなす。配線領域A12は、平面視で透光領域A11を囲む。複数の透光領域A11は、平面視で行列状に配置される。透光領域A11は、平面視でほぼ四角形状をなす。
配線層26は、TFT25、走査線261、容量線263、信号線262、蓄積容量264を有する。なお、図4に示すTFT25、走査線261、容量線263、蓄積容量264および信号線262の並び順は一例であって、これらの並び順は図示の例に限定されない。また、配線層26は、絶縁性および透光性を有する絶縁体23を有する。絶縁体23は、第1層間絶縁膜231、第2層間絶縁膜232、第3層間絶縁膜233、第4層間絶縁膜234、第5層間絶縁膜235、第6層間絶縁膜236、第7層間絶縁膜237および第8層間絶縁膜238を有する。
第1基体21上には、第1層間絶縁膜231が配置される。第1層間絶縁膜231上にはTFT25が配置される。TFT25は、半導体層250と、ゲート電極251と、ゲート絶縁膜252と、を有する。半導体層250は、第1層間絶縁膜231に接して第1層間絶縁膜231上に配置される。ゲート絶縁膜252は、半導体層250とゲート電極251との間に介在している。
半導体層250は、チャネル領域2501、ソース領域2502、ドレイン領域2503、第1LDD領域2504、および第2LDD領域2505を有する。チャネル領域2501は、ソース領域2502とドレイン領域2503との間に位置する。チャネル領域2501は、平面視でゲート電極251と重なる。第1LDD領域2504は、チャネル領域2501とソース領域2502との間に位置する。第2LDD領域2505は、チャネル領域2501とドレイン領域2503との間に位置する。なお、第1LDD領域2504および第2LDD領域2505のうちの少なくとも一方、特に第1LDD領域2504は、省略してもよい。また、半導体層250は、例えばポリシリコンを成膜することにより形成される。半導体層250のチャネル領域2501を除く領域には、導電性を高める不純物がドープされる。第1LDD領域2504および第2LDD領域2505中の不純物濃度は、ソース領域2502およびドレイン領域2503中の各不純物濃度よりも低い。
半導体層250上には、第2層間絶縁膜232が配置される。第2層間絶縁膜232上には、ゲート電極251を覆うように第3層間絶縁膜233が配置される。第3層間絶縁膜233上には、走査線261が配置される。また、第3層間絶縁膜233には、走査線261とゲート電極251とを電気的に接続するコンタクト部241が配置される。走査線261上には、第4層間絶縁膜234が配置される。第4層間絶縁膜234上には、容量線263が配置される。容量線263上には第5層間絶縁膜235が配置される。
蓄積容量264は、第1容量2641と第2容量2642とを有する。第1容量2641は、第5層間絶縁膜235上に配置される。第1容量2641上には、第6層間絶縁膜236が配置される。第6層間絶縁膜236上には、第2容量2642が配置される。また、第6層間絶縁膜236には、第1容量2641と第2容量2642とを電気的に接続するコンタクト部242が配置される。第1容量2641および第2容量2642は、詳細な図示はしないが、それぞれ、2つの容量電極と、これら容量電極の間に配置される誘電体と、で構成される。
第5層間絶縁膜235には、第1容量2641と容量線263とを電気的に接続するためのコンタクト部243が配置される。第2~第6層間絶縁膜232~236には、第2容量2642とドレイン領域2503とを電気的に接続するコンタクト部244が配置される。また、ドレイン領域2503は、コンタクト部244、蓄積容量264、および図示しないコンタクト等を介して、画素電極28に電気的に接続される。
第2容量2642上には、第7層間絶縁膜237が配置される。第7層間絶縁膜237上には、信号線262が配置される。また、詳細な図示がしないが、平面視で信号線262と走査線261とが交差する交差部は、TFT25と重なる。第2~第7層間絶縁膜232~237には、信号線262とソース領域2502とを電気的に接続するコンタクト部245が配置される。第7層間絶縁膜237上には、信号線262を覆うように第8層間絶縁膜238が配置される。第8層間絶縁膜238上には、画素電極28が配置される。1つの画素電極28と1つの透光領域A11とは、平面視で重なる。
第1~第8層間絶縁膜231~238は、例えば、ケイ素系の無機化合物を用いて形成される。具体的には、第1~第8層間絶縁膜231~238は、例えば、シリコン熱酸化膜、またはCVD(chemical vapor deposition)法等の蒸着法で成膜される酸化ケイ素膜で構成される。また、ゲート電極251、走査線261、信号線262、容量線263、および蓄積容量264が有する容量電極の各構成材料としては、例えば、ポリシリコン、金属、金属シリサイドおよび金属化合物の導電性を有する材料が挙げられる。また、前述のコンタクト部241~245の各構成材料も、導電性を有する材料で形成される。
1-1d.素子基板2が有する第1遮光体31および第2遮光体32
図5は、第1実施形態における第1遮光体31および第2遮光体32の配置を示す断面図である。図5に示すように、第1基体21には、第1遮光体31と、第2遮光体32とが設けられる。第1遮光体31は、表示領域A10に配置される。一方、第2遮光体32は、周辺領域A20に配置される。第1遮光体31および第2遮光体32は、それぞれ、遮光性を有する。遮光性とは、可視光に対する遮光性を意味し、具体的には、可視光の透過率が10%以下であること、好ましくは5%以下であることをいう。また、第1遮光体31および第2遮光体32は、それぞれ、導電性を有する。なお、本実施形態では、第1遮光体31および第2遮光体32は、各種配線と絶縁される。また、第1遮光体31と第2遮光体32とは互いに絶縁される。
図6は、第1実施形態における第1遮光体31の配置を示す平面図である。図6に示すように、第1遮光体31は、平面視でTFT25と重なる。1つのTFT25に対して1つの第1遮光体31が配置される。よって、第1基体21には、複数の第1遮光体31が配置される。また、TFT25が平面視でx方向およびy方向に行列状に配置されているため、複数の第1遮光体31は、平面視でx方向およびy方向に行列状に配置される。また、図示では、第1遮光体31は、平面視で、x方向に延びる長手形状をなす。第1遮光体31は、その長手方向の途中に、その長手方向における両端よりも幅が広い幅広部310を有する。幅広部310は、平面視でTFT25のゲート電極251と重なる。なお、本実施形態では、ゲート電極251と前述の第1遮光体31とは、絶縁されているが、これらは電気的に接続されてもよい。この場合、第1遮光体31をバックゲートとして用いることができる。
図7は、第1実施形態における第2遮光体32の配置を示す平面図である。図7に示すように、第2遮光体32は、平面視で駆動回路112と重なる。具体的には、1つの走査線駆動回路11に対して1つの第2遮光体32が配置される。また、1つの信号線駆動回路12に対して1つの第2遮光体32が配置される。よって、第1基体21には、複数の第2遮光体32が配置される。なお、第2遮光体32は、外部端子14および引回し配線15と平面視で重なるように配置されてもよい。
図8は、第1実施形態における第1遮光体31および第2遮光体32を示す断面図である。図8に示すように、第1基体21には、表示領域A10に配置される第1凹部211と、周辺領域A20に配置される第2凹部212とが設けられる。第1凹部211および第2凹部212は、それぞれ、第1基体21の+z側の表面に形成された窪みである。第1凹部211内には、第1遮光体31が配置される。第2凹部212内には、第2遮光体32が配置される。なお、第1凹部211は、第1遮光体31ごとに形成されている。第2凹部212は、第2遮光体32ごとに形成されている。
第1凹部211を形成する第1基体21の内壁面は、底面2111と、側面2112とを有する。底面2111は、第1凹部211を形成する-z軸側の面である。本実施形態では、底面2111は、x-y平面に沿った段差の無い連続的な平坦面である。側面2112は、底面2111と上面215とを繋ぐ。上面215は、第1基体21の外周面のうちの+z側に位置し、第1層間絶縁膜231に接触する面である。また、本実施形態では、側面2112は、第1基体21の厚さ方向に平行なz軸に沿った面である。また、底面2111と側面2112とのなす角度は、ほぼ90°である。
同様に、第2凹部212を形成する第1基体21の内壁面は、底面2121と、側面2122とを有する。底面2121は、第2凹部212を形成する-z軸側の面である。本実施形態では、底面2121は、x-y平面に沿った段差の無い連続的な平坦面である。側面2122は、底面2121と上面215とを繋ぐ。上面215は、第1基体21の外周面のうちの+z側に位置し、第1層間絶縁膜231に接触する面である。また、本実施形態では、側面2122は、第1基体21の厚さ方向に平行なz軸に沿った面である。また、底面2121と側面2122とのなす角度は、ほぼ90°である。
第1基体21に形成された第1凹部211の深さは、第2凹部212の深さよりも深い。よって、第1遮光体31の第1厚さD10は、第2遮光体32の第2厚さD20よりも厚い。第1厚さD10および第2厚さD20は、それぞれz軸方向に沿った長さである。また、第1遮光体31における第1厚さD10は、一定である。同様に、第2遮光体32における第2厚さD20は、一定である。
第1遮光体31および第2遮光体32は、それぞれ、第1金属膜301と、第2金属膜302と、第3金属膜303とを有する。第3金属膜303は、第1基体21上に配置される。第2金属膜302は、第3金属膜303上に配置される。第1金属膜301は、第2金属膜302上に配置される。すなわち、第3金属膜303と、第2金属膜302と、第1金属膜301とは、第1基体21からこの順に積層される。なお、第1遮光体31および第2遮光体32が有する各膜は同様であるため、以下の第1金属膜301、第2金属膜302および第3金属膜303については、第1遮光体31を代表的に説明する。
第3金属膜303は、例えばタングステンシリサイドを含んで構成される。第2金属膜302は、例えばタングステンナイトライド(WN)またはチタンナイトライド(TiN)を含んで構成される。第1金属膜301は、例えばタングステンを含んで構成される。タングステンは、各種金属の中でも、耐熱性に優れ、かつ、例えば製造時の熱処理によってもOD(Optical Density)値が低下し難い。よって、第1金属膜301がタングステンを含むことで、第1遮光体31の遮光性を高めることができる。
また、第1遮光体31が第2金属膜302および第3金属膜303を有することで、これらを有さない場合に比べ、第1基体21と第1遮光体31との密着性を高めることができる。特に、第3金属膜303は、ケイ素原子を含むため、ケイ素系の無機化合物で構成される第1基体21との密着性に優れる。
また、タングステンに比べてタングステンシリサイドは、熱処理によりOD値が低下し易い。そのため、第3金属膜303と第1金属膜301とが直接的に接触していると、第3金属膜303に含まれるタングステンシリサイドの影響で第1金属膜301のOD値が低下するおそれがある。第1遮光体31では、第3金属膜303と第1金属膜301との間に第2金属膜302が配置されるので、タングステンシリサイドの影響で第1金属膜301のOD値の低下を抑制することができる。つまり、第2金属膜302は、第3金属膜303に含まれるタングステンシリサイドが第1金属膜301に拡散しないようにするバリア層として機能する。
なお、第2金属膜302は、タングステンナイトライドとチタンナイトライドの両方を含む構成、および、タングステンナイトライドを含む金属窒化膜とチタンナイトライドを含む金属窒化膜の積層構造のいずれであってもよい。また、第1金属膜301、第2金属膜302および第3金属膜303は、それぞれ、前述の金属以外の材料で構成されてもよい。第1金属膜301、第2金属膜302および第3金属膜303は、それぞれ、少なくとも遮光性を有すればよく、例えば、前述の金属以外の金属または樹脂材料を含んで構成されてもよい。
また、第3金属膜303の厚さd3は、第2金属膜302の厚さd2よりも厚く、かつ、第1金属膜301の厚さd1よりも薄い。厚さd1が最も厚いことで、第1遮光体31の遮光性を高めることができる。また、第3金属膜303は、第1基体21に対する密着性に特に優れるので、厚さd3が厚さd2よりも厚いことで、厚さd3が厚さd2よりも薄い場合に比べ、第1遮光体31の第1基体21に対する密着性を高めることができる。なお、厚さd1、d2およびd3の大小関係は、前述した関係に限定されない。
厚さd1は、10nm以上500nm以下であることが好ましい。厚さd2は、0.1nm以上50nm以下であることが好ましい。厚さd3は、1nm以上100nm以下であることが好ましい。厚さd1、d2およびd3がそれぞれ前述の範囲を満足することで、第1遮光体31の第1厚さD10を抑えつつ、第1遮光体31の密着性を高めるとともに第1遮光体31の遮光性を高めるという効果を特に顕著に発揮できる。
また、第1金属膜301の厚さd1は、第1遮光体31と第2遮光体32とで異なる。なお、第2金属膜302の厚さd2および第3金属膜303の厚さd3は、それぞれ、第1遮光体31と第2遮光体32とでほぼ等しい。
以上説明したように、電気光学装置100は、透光性の「基材」としての第1基体21と、透光性の画素電極28と、画素電極28に電気的に接続される「スイッチング素子」としてのTFT25と、TFT25を駆動する「回路」としての駆動回路112を備える。さらに、電気光学装置100は、第1基体21に接触し、第1基体21の厚さ方向からの平面視においてTFT25と重なる第1遮光体31と、第1基体21に接触し、平面視において駆動回路112と重なる第2遮光体32と、を備える。そして、第1遮光体31の厚さである第1厚さD10と第2遮光体32の厚さである第2厚さD20は、互いに異なる。尚、第1基体21と第1遮光体31とは、絶縁膜等を介して配置する構成としてもよい。
第1遮光体31がTFT25と平面視で重なることで、第1遮光体31で光LLを遮断できるので、TFT25への光LLの入射を防止または低減できる。そのため、TFT25のリーク電流による誤作動の発生を抑制または防止することができる。さらに、第2遮光体32が駆動回路112と平面視で重なることで、第2遮光体32で光LLを遮断できるので、駆動回路112への光LLの入射を防止または低減できる。そのため、駆動回路112に光LLが入射することにより生じるリーク電流による誤作動の発生を抑制または防止できる。そして、第1厚さD10および第2厚さD20の一方を他方よりも厚くすることで、双方を厚くする場合に比べ、第1基体21に生じる応力が大きくなることを抑制することができる。そのため、電気光学装置100によれば、第1基体21の反りの増大を抑制することができる。また、第1遮光体31および第2遮光体32の各クラックの発生等を抑制することができる。
特に、前述のように、第1遮光体31の第1厚さD10は、第2遮光体32の第2厚さD20よりも厚い。そのため、第1厚さD10が第2厚さD20よりも薄い場合に比べ、TFT25に対する遮光性を高めることができる。表示領域A10は、周辺領域A20に比べ、光LLの透過量が多い。そのため、第1厚さD10を第2厚さD20よりも厚くすることで、第1基体21の反りの増大を抑制しつつ、TFT25に対する遮光性を高めることができる。このように、遮光性を高めたい箇所に応じて、厚さを調整することで、当該箇所に対する遮光性を高めつつ、第1基体21の反りの増大を抑制することができる。
また、前述のように、第1基体21には、平面視においてTFT25と重なる第1凹部211、および平面視において駆動回路112と重なる第2凹部212が設けられている。そして、第1遮光体31は、第1凹部211の内部に配置され、第2遮光体32は、第2凹部212の内部に配置される。第1凹部211内に第1遮光体31が配置されていることで、第1凹部211内に第1遮光体31が配置されていない場合に比べ、成膜時における第1遮光体31のクラック等を低減できる。同様に、第2凹部212内に第2遮光体32が配置されていることで、第2凹部212内に第2遮光体32が配置されていない場合に比べ、成膜時における第2遮光体32のクラック等を低減できる。
特に、第1遮光体31は、第1凹部211から突出していないことが好ましい。すなわち、第1遮光体31の上面315と、第1基体21の上面215とで、連続的で段差の無い平坦面が形成されていることが好ましい。当該平坦面が形成されていることで、第1遮光体31のクラック等を特に低減できる。同様に、第2遮光体32は、第2凹部212から突出していないことが好ましい。すなわち、第2遮光体32の上面325と、第1基体21の上面215とで、連続的で段差の無い平坦面が形成されていることが好ましい。
また、前述のように、第1凹部211の底面2111は、平坦である。すなわち、底面2111は、段差の無い連続的な面である。底面2111が平坦であることで、第1遮光体31における第1厚さD10を一定にし易い。第1厚さD10が一定であることで、第1遮光体31における遮光性能のバラつきを抑制することができる。また、底面2111に段差がないので、段差での光LLの乱反射を抑制することができる。そのため、TFT25に光LLが入射するおそれをより低減できる。
同様に、第2凹部212の底面2121は、平坦である。すなわち、底面2121は、x-y平面に沿った段差の無い連続的な面である。底面2121が平坦であることで、第2遮光体32における第2厚さD20を一定にし易い。第2厚さD20が一定であることで、第2遮光体32における遮光性能のバラつきを抑制することができる。また、底面2121に段差がないので、段差での光LLの乱反射を抑制することができる。
また、第1遮光体31は、平面視でTFT25を包含している。そのため、第1遮光体31がTFT25の一部と重なっている場合に比べ、TFT25への光LLの入射を好適に遮断できる。ただし、第1遮光体31は、平面視でチャネル領域2501、第1LDD領域2504、および第2LDD領域2505と少なくとも重なっていることが好ましい。チャネル領域2501、第1LDD領域2504、および第2LDD領域2505に光LLが入射すると、TFT25のリーク電流による誤作動が特に生じ易い。ゆえに、第1遮光体31が、チャネル領域2501、第1LDD領域2504、および第2LDD領域2505と平面視で重なることで、TFT25のリーク電流による誤作動を特に効果的に防ぐことができる。また、第2遮光体32は、平面視で駆動回路112を包含している。そのため、第2遮光体32が駆動回路112の一部と重なっている場合に比べ、駆動回路112への光LLの入射を好適に遮断できる。
なお、TFT25と第1遮光体31とは、少なくとも互いの一部同士が重なっていればよい。同様に、駆動回路112と第2遮光体32とは、少なくとも互いの一部同士が重なっていればよい。
1-1e.電気光学装置100の製造方法
次に、電気光学装置100の製造方法について説明する。まず、電気光学装置100が有する素子基板2の製造方法について説明する。図9は、第1実施形態における素子基板2の製造方法を示すフローである。
図9に示すように、素子基板2の製造方法は、第1基体用意工程S10と、遮光体形成工程S13と、配線層形成工程S14と、画素電極形成工程S15と、第1配向膜形成工程S16と、回路等形成工程S17とを有する。これら各工程を順に行うことにより素子基板2が製造される。また、第1基体用意工程S10は、第2凹部形成工程S11と、第1凹部形成工程S12と、を有する。なお、回路等形成工程S17は、配線層形成工程S14と並列して行ってもよい。また、回路等形成工程S17は、配線層形成工程S14の後、画素電極形成工程S15の前で行ってもよい。また、回路等形成工程S17は、画素電極形成工程S15の後、第1配向膜形成工程S16の前で行ってもよい。
図10および図11は、第1実施形態における第2凹部形成工程S11を説明するための断面図である。第2凹部形成工程S11では、まず、図10に示すように、例えば石英基板等で構成されるマザー基板21a上に、ハードマスク51が形成される。ハードマスク51は、平面視で、第1凹部211に対応する開口511と、第2凹部212に対応する開口512とを有する。また、ハードマスク51の構成材料としては、シリコン、タングステン等の金属、およびタングステンシリサイド等の金属シリサイド等が挙げられる。これらの中でも、ハードマスク51はシリコンを含むことが好ましい。シリコンを含むことで、例えば異方性エッチングを利用して寸法精度の高いハードマスク51を形成することができる。
次いで、第2凹部形成工程S11では、図10に示すように、ハードマスク51を用いてエッチングにより、マザー基板21aに第2凹部212および凹部219が形成される。例えば、第1基体21が石英基板またはガラス基板である場合、塩素系またはフッ素等のハロゲン系ガスに酸素または一酸化炭素が混入されるエッチングガスを用いることが好ましい。
図12、図13および図14は、それぞれ、第1施形態における第1凹部形成工程S12を説明するための断面図である。第1凹部形成工程S12では、まず、図12に示すように、ハードマスク51上にレジストマスク52が形成される。レジストマスク52は、第2凹部212およびハードマスク51の開口512を埋めるように形成される。また、レジストマスク52は、平面視で凹部219とは重ならないように形成される。
次いで、第1凹部形成工程S12では、図13に示すように、ハードマスク51およびレジストマスク52を用いてエッチングにより、マザー基板21aに第2凹部212が形成される。例えば、第1基体21が石英基板またはガラス基板である場合、塩素系またはフッ素等のハロゲン系ガスに酸素または一酸化炭素が混入されるエッチングガスを用いることが好ましい。その後、図14に示すように、ハードマスク51およびレジストマスク52が除去される。このようにして、第1凹部211および第2凹部212を有する第1基体21が得られる。
開口511および開口512を有するハードマスク51と、開口512を埋めるレジストマスク52とを用いてエッチングを行うことで、第2凹部212の形状は維持しつつ、凹部219の深さを深くすることができる。よって、第2凹部212の深さよりも深さが深い第1凹部211を簡単に形成することができる。また、第1凹部211の形成において、ハードマスク51は、剥離せれずにそのまま用いられる。そのため、凹部219の深さを深くして第1凹部211を形成する際、x-y平面内における位置ズレが生じることを防ぐことができる。
図15は、第1実施形態における遮光体形成工程S13を説明するための断面図である。次に、遮光体形成工程S13では、図15に示す遮光層30aが形成される。具体的には、まず、例えば、CVD(chemical vapor deposition)法等の蒸着法により第1凹部211内および第2凹部212内に例えばタングステンシリサイドを含む組成物を堆積されることにより第3遮光層303aが形成される。その後、同様な方法で第3遮光層303a上に例えばタングステンナイトライドまたはチタンナイトライドを含む組成物が堆積されることにより第2遮光層302aが形成される。その後、同様な方法で第2遮光層302a上に例えばタングステンを含む組成物を堆積して第1遮光層301aが形成される。第3遮光層303a、第2遮光層302aおよび第1遮光層301aが形成されることにより、図15に示す遮光層30aが形成される。
次に、CMP(chemical mechanical polishing)等の研磨による平坦化処理が遮光層30aに施されることにより、図8に示す第1遮光体31および第2遮光体32が形成される。CMP等の研磨を施すことで、第1遮光体31の上面315と第1基体21の上面215とで構成される平坦面が、簡単に形成できる。第2遮光体32の上面325についても同様である。
次に、配線層形成工程S14では、図示はしないが、TFT25と、走査線261、容量線263、信号線262および蓄積容量264等の各種配線と、絶縁体23とが形成される。具体的には、各種配線は、それぞれ、例えば、スパッタリング法または蒸着法により金属膜が形成された後、当該金属膜に対してエッチングが行なわれることにより形成される。絶縁体23が有する各層は、それぞれ、CVD法等の蒸着法、およびCMP等の研磨等による平坦化処理を用いて形成される。
次に、画素電極形成工程S15では、図示はしないが、表示領域A10における配線層26上に複数の画素電極28が形成される。具体的には、画素電極28は、例えば透明電極材料からなる層がCVD法等の蒸着法により形成された後、当該層がマスクを用いてパターニングされることにより形成される。
次に、第1配向膜形成工程S16では、例えば、ポリイミドからなる層がCVD法等の蒸着法により形成され、その後にラビング処理が施されることにより、第1配向膜29が形成される。
次に、回路等形成工程S17では、図示はしないが、周辺領域A20における配線層26上に走査線駆動回路11および信号線駆動回路12が形成される。この際、引き回し配線15および外部端子14等も形成される。以上により、図2に示す素子基板2が形成される。
なお、例えば公知の技術を適宜用いて対向基板4が形成され、素子基板2と対向基板4とがシール部材8を介して貼り合わされる。その後、素子基板2、対向基板4およびシール部材8との間に液晶材が注入されて液晶層9が形成され、その後、封止される。このようにして、図1および図2に示す電気光学装置100を製造することができる。
以上説明したように、電気光学装置100の製造方法は、第1基体用意工程S10と、遮光体形成工程S13と、配線層形成工程S14と、画素電極形成工程S15と、回路等形成工程S17と、を含む。第1基体用意工程S10では、透光性の第1基体21が用意される。配線層形成工程S14では、TFT25が形成される。画素電極形成工程S15では、第1基体21上に、TFT25に電気的に接続される透光性の画素電極28が形成される。回路等形成工程S17では、TFT25を駆動する駆動回路112が形成される。遮光体形成工程S13では、第1基体21に接触する第1遮光体31、第1基体21に接触する第2遮光体32が形成される。また、遮光体形成工程S13では、第1基体21の厚さ方向からの平面視においてTFT25と重なるよう第1遮光体31が形成される。また、平面視において駆動回路112と重なるよう第2遮光体32が形成される。そして、遮光体形成工程S13では、第1厚さD10と第2厚さD20とが互いに異なるよう、第1遮光体31と第2遮光体32とが形成される。
第1厚さD10および第2厚さD20の一方を他方よりも厚く形成することで、双方を厚く形成する場合に比べ、第1基体21に生じる応力が大きくなることを抑制することができる。そのため、電気光学装置100によれば、遮光性を高めたい箇所に応じて厚さを調整することで、当該箇所に対する遮光性を高めつつ、第1基体21の反りの増大を抑制することができる。また、第1遮光体31および第2遮光体32の各クラックの発生等を抑制することができる。
また、前述のように、第1基体用意工程S10は、第2凹部形成工程S11と第1凹部形成工程S12とを含む。具体的には、前述のように、開口511および開口512を有するハードマスク51を用いて、エッチングにより、第2凹部212および凹部219が形成される。その後、ハードマスク51上に、開口512および第2凹部212を埋めるレジストマスク52が形成される。その後、ハードマスク51およびレジストマスク52を用いたエッチングにより凹部219の深さを深くすることによって、第1凹部211が形成される。かかる方法によれば、ハードマスク51とレジストマスク52とを用いてエッチングを行うことで、第2凹部212の形状は維持しつつ、凹部219の深さを深くすることができる。よって、第2凹部212の深さよりも深さが深い第1凹部211を簡単に形成することができる。また、第1凹部211の形成において、凹部219の形成の際に用いたハードマスク51は、剥離せずにそのまま用いられる。そのため、凹部219の深さを深くして第1凹部211を形成する際、x-y平面内における位置ズレが生じることを防ぐことができる。
また、前述のように、第1凹部211の底面2111は、平坦である。前述のように、凹部219の形成の際に用いたハードマスク51を剥離せずにそのまま用いることで、x-y平面内における位置ズレが生じることを防ぐことができる。そのため、平坦な底面2111を容易に形成することができる。
1-2.第2実施形態
次に、本発明の第2実施形態について説明する。図16は、第2実施形態における素子基板2Aの一部断面図である。図17は、第2実施形態における素子基板2Aの製造方法を示すフローである。図18は、第2実施形態における第2凹部形成工程S11を説明するための断面図である。本実施形態は、素子基板2Aの構成が第1実施形態と異なる。なお、第2実施形態において第1実施形態と同様の事項については、第1実施形態の説明で使用した符号を流用して各々の詳細な説明が適宜省略される。
図16に示す素子基板2Aが有する第1基体21Aでは、第2凹部212Aの深さが、第1凹部211Aの深さよりも深い。よって、第2遮光体32Aの第2厚さD20は、第1遮光体31Aの第1厚さD10よりも厚い。そのため、第2厚さD20が第1厚さD10よりも薄い場合に比べ、駆動回路112に対する遮光性を高めることができる。図示はしないが、例えば、任意の配線等が第1遮光体31とTFT25との間に配置されており、かつ、当該任意の配線等がTFT25と平面視で重なる場合、当該任意の配線等と第1遮光体31とによって、TFT25への光LLの入射を遮断できる。よって、この場合には、例えば、第2厚さD20を第1厚さD10よりも厚くする。これにより、第2遮光体32Aによって駆動回路112に対する遮光性を高めるとともに、TFT25への光LLの入射を好適に抑制することができる。このように、遮光性を高めたい箇所に応じて、厚さを調整することで、当該箇所に対する遮光性を高めつつ、第1基体21の反りの増大を抑制することができる。
図17に示すように、本実施形態における素子基板2Aの製造方法は、第1凹部形成工程S12の後に、第2凹部形成工程S11を行う。また、本実施形態では、図18に示すように、第2凹部形成工程S11では、ハードマスク51上に、第1凹部211および開口511を埋めるレジストマスク52Aが形成される。そして、ハードマスク51およびレジストマスク52Aを用いてエッチングを行うことで、第1凹部211Aの形状は維持しつつ、第1凹部211Aの深さよりも深さが深い第2凹部212Aを形成することができる。
1-3.変形例
以上に例示した各形態は多様に変形され得る。前述の各形態に適用され得る具体的な変形の態様を以下に例示する。以下の例示から任意に選択された2以上の態様は、相互に矛盾しない範囲で適宜に併合され得る。
1-3a.第1変形例
図19は、第1変形例における第1遮光体31aを示す平面図である。隣り合う第1遮光体31a同士は、これらを連結する連結部33によって連結されていてもよい。連結された複数の第1遮光体31aおよび複数の連結部33を、走査線として用いることができる。なお、複数の第1遮光体31aおよび複数の連結部33とで、1つの「第1遮光体」として捉えてもよい。なお、図示はしないが、複数の「第2遮光体」についても同様に、複数の連結部で連結されてもよい。
1-3b.第2変形例
第1実施形態における第1凹部211および第2凹部212は、それぞれ、図8に示す形状に限定されない。例えば、第1凹部211および第2凹部212は、それぞれ、+z軸側に向かうについて連続的に幅が広がる形状、すなわちテーパー状であってもよい。よって、第1遮光体31および第2遮光体32は、それぞれテーパー状であってもよい。また、例えば、第1凹部211の底面2111および第2凹部212の底面2121は、それぞれ、段差を有してもよい。よって、第1遮光体31の底面2111との接触面および第2遮光体32の底面2111との接触面は、それぞれ、段差を有してもよい。また、例えば、第1遮光体31および第2遮光体32は、それぞれ、角部が丸みを帯びてもよい。なお、第2実施形態における第1凹部211Aおよび第2凹部212Aについても同様である。
1-3c.第3変形例
第1凹部211および第2凹部212は、省略されてもよい。第1遮光体31および第2遮光体32は、第1基体21の平坦な上面215から突出するように配置されてもよい。なお、第2実施形態における第1凹部211Aおよび第2凹部212Aについても同様である。
1-5d.第4変形例
第1遮光体31および第2遮光体32は、それぞれ第1金属膜301、第2金属膜302および第3金属膜303を備えるが、第2金属膜302が省略されてもよい。また、第1遮光体31および第2遮光体32は、第3金属膜303が省略されてもよい。なお、第1遮光体31Aおよび第2遮光体32Aについても同様である。
1-5e.第5変形例
前述の各実施形態において、「スイッチング素子」は、TFT260であるが、これに限定されない。「スイッチング素子」は、例えば、MOSFET(metal-oxide-semiconductor field-effect transistor)等であってもよい。
1-5f.第6変形例
前述の各実施形態では、光LLは、素子基板2から入射するが、光LLは、対向基板4から入射してもよい。
2.電子機器
電気光学装置100は、各種電子機器に用いることができる。
図20は、電子機器の一例であるパーソナルコンピューター2000を示す斜視図である。パーソナルコンピューター2000は、各種の画像を表示する電気光学装置100と、電源スイッチ2001やキーボード2002が設置された本体部2010とを有する。
図21は、電子機器の一例であるスマートフォン3000を示す斜視図である。スマートフォン3000は、操作ボタン3001と、各種の画像を表示する電気光学装置100とを有する。操作ボタン3001の操作に応じて電気光学装置100に表示される画面内容が変更される。
図22は、電子機器の一例であるプロジェクターを示す模式図である。投射型表示装置4000は、例えば、3板式のプロジェクターである。電気光学装置1rは、赤色の表示色に対応する電気光学装置100であり、電気光学装置1gは、緑の表示色に対応する電気光学装置100であり、電気光学装置1bは、青色の表示色に対応する電気光学装置100である。すなわち、投射型表示装置4000は、赤、緑および青の表示色に各々対応する3個の電気光学装置1r、1g、1bを有する。
照明光学系4001は、光源である照明装置4002からの出射光のうち赤色成分rを電気光学装置1rに供給し、緑色成分gを電気光学装置1gに供給し、青色成分bを電気光学装置1bに供給する。各電気光学装置1r、1g、1bは、照明光学系4001から供給される各単色光を表示画像に応じて変調するライトバルブ等の光変調器として機能する。投射光学系4003は、各電気光学装置1r、1g、1bからの出射光を合成して投射面4004に投射する。
前述のパーソナルコンピューター2000、スマートフォン3000、および投射型表示装置4000は、それぞれ、前述の電気光学装置100を備える。電気光学装置100を備えるため、パーソナルコンピューター2000、スマートフォン3000および投射型表示装置4000における各表示の品質を高めることができる。
以上、好適な実施形態に基づいて本発明を説明したが、本発明は前述の各実施形態に限定されない。また、本発明の各部の構成は、前述の実施形態の同様の機能を発揮する任意の構成に置換でき、また、任意の構成を付加できる。
なお、本発明の電気光学装置が適用される電子機器としては、例示した機器に限定されず、例えば、PDA(Personal Digital Assistants)、デジタルスチルカメラ、テレビ、ビデオカメラ、カーナビゲーション装置、車載用の表示器、電子手帳、電子ペーパー、電卓、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、およびPOS(Point of sale)端末等が挙げられる。さらに、本発明が適用される電子機器としては、プリンター、スキャナー、複写機、ビデオプレーヤー、またはタッチパネルを備えた機器等が挙げられる。
また、前述した説明では、本発明の電気光学装置の一例として液晶表示装置について説明したが、本発明の電気光学装置はこれに限定されない。例えば、本発明の電気光学装置は、イメージセンサー等にも適用することができる。また、例えば、有機EL(electro luminescence)、無機ELまたは発光ポリマー等の発光素子を用いた表示パネルに対しても前述の実施形態と同様に本発明が適用され得る。また、着色された液体と当該液体に分散された白色の粒子とを含むマイクロカプセルを用いた電気泳動表示パネルに対しても前述の実施形態と同様に本発明が適用され得る。