JP7206576B2 - 測定方法及び装置 - Google Patents

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Description

本発明は測定方法及び装置に係り、測定対象物の厚みを測定するための測定方法及び装置に関する。
測定対象物(膜)の厚みを測定する方法として、膜に白色光を照射し、膜の表面からの反射光と膜の裏面からの反射光との干渉光を分光することで、厚みを測定する方法が知られている。特許文献1には、分光後の干渉光の波長に関する強度分布から隣り合うピーク点を抽出し、ピーク点間の波数差から厚みを算出することが開示されている。
特開2010-121977号公報
波長をλ、波数をk、波長λの光に対する測定対象物の屈折率をn、測定対象物の物理的な厚みをTH、干渉光の波長に関する強度分布におけるピーク点間の波数差をδkとすると、測定対象物の光学的な厚みd(d=n×TH)は、下記の式(1)により表される。
d=1/(2δk),k=1/λ …(1)
式(1)から、測定対象物の厚みdが厚くなるほど、波数差δkの値が小さくなることがわかる。
干渉光の中心波長をλcとすると、測定対象物の厚みdと分解必要な波長の差δλの関係は、下記の式(2)により表される。
δλ≒λc/(2d)/4 …(2)
式(2)から、測定対象物の厚みdが厚くなるほど、分解必要な波長の差δλが小さくなり、厚みの測定に必要な波長分解能λc/δλが高くなることがわかる。例えば、λc=800nmの場合、厚みdが1mmの測定対象物の測定を行う際に分解必要な波長の差δλは約0.08nmとなり、厚みdが2mmの測定対象物の測定を行う際に分解必要な波長の差δλは約0.04nmとなる。このように、厚い測定対象物(一例で厚みdが1mm以上)の厚みの測定を行う場合には、高い波長分解能が必要となる。
しかしながら、一般に分光器の波長分解能λc/δλは、分光器に用いられる光学部品(例えば、回折格子)及び検出器(例えば、CCD(Charge Coupled Device)等)の性能によって制限される。例えば、回折格子の単位長さ当たりの溝の本数N、サイズL、回折光の次数をmとすると、分解可能な波長の差δλは、下記の式(3)により表される。
δλ=λc/mNL …(3)
式(3)において、N=1000本/mm、L=10mm、m=1、λc=800nmとすると、δλ=0.08nmとなる。なお、式(3)により求められるδλの値はあくまで理論値であり、実際に回折格子を分光器に組み込んで使用する場合には、光源及びスリットの大きさ並びに他の光学部品(例えば、レンズ、ミラー等)の収差等により、スペクトル線が広がるため、実際のδλはより大きくなる。
波長分解能λc/δλを高めるためには、より溝の間隔が短い回折格子を用いたり、又は検出器の画素サイズを小さくすることが考えられる。しかしながら、検出器の精度の向上には限界があり、また、高コスト化を招くという問題がある。
さらに、測定対象物における厚みdの変化(差)を測定する場合、式(1)から、検出可能な厚みdの差δdは、ピーク点間の波数差δkの変化により決定される。そして、厚みの差δdが小さくなるほど、ピーク点間の波数差δkの変化が小さくなる。
特許文献1には、波数に関する光強度分布の極大点を抽出し、極大点の空間周波数に対応する周波数成分の位相に基づいて、膜の変位量を判定することが開示されている。しかしながら、特許文献1のように、位相を用いる場合であっても、波長分解能の制約により、位相差が小さい場合には測定が困難であった。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、測定装置の波長分解能に関わらず、厚い測定対象物の厚みの測定が可能であり、かつ、高精度で厚みの差を検出することが可能な測定方法及び装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の第1の態様に係る測定方法は、測定対象物に測定光を照射して得られる干渉光のシミュレーションを行い、測定対象物の厚みごとに干渉光の光強度分布を算出するステップと、測定対象物の厚みごとに算出された干渉光の光強度分布のサンプリング間隔を変えて得られた包絡線の特性を含む厚み演算用データを取得するステップと、測定対象物に測定光を照射して得られた干渉光の光強度分布の実測データを取得するステップと、シミュレーションにより得られた厚み演算用データと、実測データにおいてサンプリング間隔を変えることにより得られた包絡線の特性とを比較して、測定対象物の厚みを算出するステップとを備える。
本発明の第2の態様に係る測定方法は、第1の態様において、厚みが既知の標準物の測定結果を用いて、シミュレーションにより得られた包絡線の特性を校正するステップをさらに備える。
本発明の第3の態様に係る測定方法は、第1又は第2の態様において、実測データに基づいて測定対象物の厚みの概算値を算出し、概算値に基づいて、厚みごとのシミュレーションの結果得られた厚み演算用データの中から、測定対象物の厚みの演算に使用する厚み演算用データを選択するステップをさらに備える。
本発明の第4の態様に係る測定装置は、測定光を出射する光源と、測定対象物に測定光を照射して得られる干渉光のシミュレーションを行い、測定対象物の厚みごとに干渉光の光強度分布を算出するシミュレーション部と、測定対象物の厚みごとに算出された干渉光の光強度分布のサンプリング間隔を変えて得られた包絡線の特性を含む厚み演算用データを取得する厚み演算用データ取得部と、測定対象物に測定光を照射して得られた干渉光の光強度分布の実測データを取得する実測データ取得部と、シミュレーションにより得られた厚み演算用データと、実測データにおいてサンプリング間隔を変えることにより得られた包絡線の特性とを比較して、測定対象物の厚みを算出する算出部とを備える。
本発明によれば、光強度分布のシミュレーション結果から求めた包絡線の特性と、測定対象物の実測データとを用いて測定対象物の厚みを求めることにより、測定装置の波長分解能に関わらず、測定対象物の厚みを高精度で求めることが可能になる。
図1は、本発明の一実施形態に係る測定装置の概略図である。 図2は、センサヘッドの拡大図である。 図3は、制御装置の構成を示すブロック図である。 図4は、本発明の一実施形態に係る測定方法におけるシミュレーション工程を示すフローチャートである。 図5は、シミュレーション結果と標準物の実測結果の例を示す図である。 図6は、包絡線データを示すテーブルである。 図7は、校正済みのパラメータを示すテーブルである。 図8は、本発明の一実施形態に係る測定方法における厚み算出工程を示すフローチャートである。 図9は、測定対象物の厚みの概算値の算出工程を説明するためのグラフである。 図10は、測定対象物の厚みの概算値の算出工程を説明するためのグラフである。 図11は、測定対象物の厚みの概算値の算出工程を説明するためのグラフである。 図12は、測定対象物の厚みの演算に使用する校正済みシミュレーション結果を示すグラフである。 図13は、測定対象物の厚みの演算に使用する校正済みシミュレーション結果を示すグラフである。 図14は、測定対象物の厚みの演算に使用する校正済みシミュレーション結果を示すグラフである。 図15は、測定対象物の厚みの演算を説明するためのグラフである。 図16は、測定対象物の厚みの演算を説明するためのグラフである。
以下、添付図面に従って本発明に係る測定方法及び装置の実施の形態について説明する。
[測定装置の構成]
図1は、測定光Lを用いて非接触で測定対象物9の厚みTHを測定(計測)する測定装置10の概略図である。また、測定対象物9の距離Dとは、測定装置10[本実施形態では後述の端面19(参照面)]から測定対象物9(第1面9a)までの距離である。さらに、測定対象物9の厚みTHとは、本実施形態では測定対象物9の第1面9aと第2面9bとの間隔(長さ)である。
図1に示すように、測定装置10は、光源12と、ファイバーサーキュレータ13(光サーキュレータともいう)と、センサヘッド14と、これら各部を接続する光経路である光ファイバーケーブル15A、15B、15Cと、分光器16と、検出器17と、制御装置18と、を備える。
光源12は、測定光Lとして白色光を出射する光源であり、例えば、ハロゲンランプ、レーザー光源又はLED(Light Emitting Diode)光源等である。ここで、白色光とは、可視光領域(波長約400nm~約720nm)の波長の可視光線を混ぜ合わせた光であり、例えば、赤、緑及び青の3色(3原色)の光を適切な比率で混合した光であってもよい。光源12は、光ファイバーケーブル15Aを介してファイバーサーキュレータ13と接続している。光源12は、光ファイバーケーブル15Aを介してファイバーサーキュレータ13へ測定光Lを出射(照射)する。
なお、本実施形態では、光源12として白色光源を用いたが、本発明は、これに限定されない。光源12としては、一定のスペクトル幅を有する測定光を出射可能な光源を用いることができる。また、光源12としては、例えば、波長掃引光源を用いてもよい。波長掃引光源を用いる場合には、分光器16を省略することが可能である。
ファイバーサーキュレータ13は、既述の光ファイバーケーブル15Aを介して光源12に接続している他、光ファイバーケーブル15Bを介してセンサヘッド14と接続し、さらに光ファイバーケーブル15Cを介して分光器16及び検出器17と接続している。
ファイバーサーキュレータ13は、例えば、非往復方式且つ1方向型デバイスであって3つのポートを有しており、光ファイバーケーブル15Aを介して光源12から入力された測定光Lを光ファイバーケーブル15Bへ出力する。これにより、光源12からの測定光Lが、光ファイバーケーブル15Bを介してセンサヘッド14に入力される。また、ファイバーサーキュレータ13は、光ファイバーケーブル15Bを介して後述の干渉信号SGを光ファイバーケーブル15Cへ出力する。これにより、干渉信号SGが、光ファイバーケーブル15Cを介して分光器16及び検出器17に入力される。
図2は、センサヘッド14の拡大図である。図2に示すように、センサヘッド14は、測定対象物9の第1面9aに対向する位置に配置されている。なお、センサヘッド14に対する光ファイバーケーブル15Bの接続構造は図2に示した例に限定されるものではなく、公知の接続構造を採用することができる。
センサヘッド14は、ファイバーサーキュレータ13から光ファイバーケーブル15Bを介して入力された測定光Lを測定対象物9の第1面9aに向けて出射する。これにより、センサヘッド14から出射された測定光Lの一部が第1面9aにて反射され、第1反射光R1としてセンサヘッド14に入射する。また、第1面9aから測定対象物9を透過した測定光Lの一部が第1面9aとは反対側の第2面9bで反射され、第2反射光R2としてセンサヘッド14に入射する。そして、第1反射光R1及び第2反射光R2は、センサヘッド14から光ファイバーケーブル15Bに入力される。
光ファイバーケーブル15Bのセンサヘッド14に接続される側の端面19、すなわち、測定光Lをセンサヘッド14へ出射する出射端側の端面19は、測定光Lの一部をファイバーサーキュレータ13に向けて反射する参照面として機能する。これにより、測定光Lの一部が端面19(参照面)でファイバーサーキュレータ13に向けて反射されて、参照光R3となる。このため、光ファイバーケーブル15Bにおいて第1反射光R1と第2反射光R2と参照光R3とが互いに干渉し、第1反射光R1と第2反射光R2と参照光R3との干渉信号SG(干渉光)がファイバーサーキュレータ13に入力される。
干渉信号SGには、第1反射光R1及び参照光R3の干渉信号成分である第1干渉信号成分sg1と、第2反射光R2及び参照光R3の干渉信号成分である第2干渉信号成分sg2と、第1反射光R1及び第2反射光R2の干渉信号成分である第3干渉信号成分sg3と、が含まれる。なお、干渉信号SGには、センサヘッド14内の不図示のレンズによる不要反射によって発生するノイズ光RNも含まれている。そして、干渉信号SGは、ファイバーサーキュレータ13及び光ファイバーケーブル15Cを介して分光器16及び検出器17に入力される。
図1に戻って、分光器16は、干渉信号SGを分光する装置であり、例えば、回折格子(不図示)を含んでいる。回折格子は、ファイバーサーキュレータ13から光ファイバーケーブル15Cを介して入力(入射)された干渉信号SGを、その波長に応じて異なる方向に出射させる。
検出器17は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)型又はCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)型のイメージセンサ、或いはシリコンフォトダイオードが用いられる。分光器16の回折格子によって回折された干渉光は、結像レンズ(不図示)に入射し、その波長に応じて検出器17の異なる位置に結像される。検出器17は、分光器16の回折格子により分光された干渉信号(SG)を電気信号に変換及び増幅して制御装置18へ出力する。
制御装置18は、例えばパーソナルコンピュータ、ワークステーション等の演算処理装置であり、光源12及び検出器17などの測定装置10の各部の動作を制御する。また、制御装置18は、検出器17から入力された干渉信号SGを解析して、測定対象物9の厚みTHを測定(演算)する。
[制御装置の構成]
図3は、制御装置の構成を示すブロック図である。
図3に示すように、本実施形態に係る制御装置18は、測定装置10の各部の制御を行い、測定の結果を処理する装置であり、制御部20、信号処理部22、記憶部24及び入出力部26を含んでいる。
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)を含んでいる。制御部20は、入出力部26を介して作業者から操作入力を受け付けて、測定装置10の各部を制御する。制御部20は、光源12による測定光Lの出射、及び検出器17による干渉信号SGの出力等を制御する。また、制御部20は、後述のシミュレーション及び測定対象物9の厚みTHの演算を行う。制御部20は、シミュレーション部、厚み演算用データ取得部、実測データ取得部及び算出部の一例である。
入出力部26は、作業者の操作入力を受け付けるための操作部材(例えば、キーボード、ポインティングデバイス等)と、測定対象物9の測定の結果等を表示するための表示部(例えば、液晶ディスプレイ等)とを含んでいる。
信号処理部22は、検出器17から干渉信号SGを取得して信号処理を行い、光強度分布等を求める。
記憶部24は、測定対象物9の測定結果等のデータを保存するためのストレージデバイスである。記憶部24としては、例えば、HDD(Hard Disk Drive)、SSD(Solid State Drive)等を用いることができる。
[厚みの測定方法]
次に、本発明の一実施形態に係る測定方法について説明する。
測定対象物9の実測データ(光強度分布)に対してサンプリング間隔を変えて包絡線検波を行った場合、測定対象物9の厚みTHに応じて包絡線の特性(群位相。例えば、包絡線振幅、周期等)が異なる。そこで、本実施形態では、あらかじめシミュレーションを行って、サンプリング間隔M及び測定対象物9の厚みTHを変えた場合の包絡線を算出する。そして、このシミュレーション結果と、測定対象物9の実測データとを用いて測定対象物9の厚みTHを求める。
図4は、本発明の一実施形態に係る測定方法におけるシミュレーション工程を示すフローチャートである。
まず、制御部20は、厚みTH(TH=1,…,N)の測定対象物9から得られる光強度分布をシミュレーションにより求める(ステップS10)。そして、制御部20は、光強度分布のシミュレーション結果に対して、サンプリング間隔Δ(Δ=1,…,M)を変えて包絡線検波を行い、サンプリング間隔Δ及び厚みTHを変化させた場合の包絡線のデータを取得する。このシミュレーションにより、測定対象物9の厚みTHと、包絡線から得られる群位相の関係が得られる(ステップS12)。
次に、制御部20は、測定装置10を用いて厚みTH(TH=1,…,N)の標準物を測定して得られた光強度分布(標準物の実測結果)を取得して、ステップS10及びS12のシミュレーション結果の校正を行う(ステップS14)。ここで、標準物(基準片)は、厚みが既知の部材であり、例えば、ガラス製の板状又はフイルム状部材である。
図5は、シミュレーション結果と標準物の実測結果の例を示す図である。なお、図5の各グラフの横軸は波長(μm)であり、縦軸は振幅(正規化した値)である。図5には、シミュレーション結果及び実測結果の例として、厚みN、サンプリング間隔が0.04nm、0.06nm及び0.08nmのデータを示している。
ステップS14では、制御部20は、各厚みTH(TH=1,…,N)のシミュレーション結果と同じ厚みの標準物の測定結果と比較して、両者を互いに近づける変換を行い、校正済みの包絡線データを求める。ステップS14では、制御部20は、例えば、各厚みTH(TH=1,…,N)のシミュレーション結果の近似曲線を、同じ厚みの標準物の測定結果の近似曲線に近づけるか、又は一致させる。そして、制御部20は、校正済みの包絡線データから校正済みのパラメータを求める。ここで、パラメータとしては、例えば、包絡線振幅、極大値及び極小値をとる点並びに変曲点等を求める。
図6は、包絡線データを示すテーブルであり、図7は、校正済みのパラメータを示すテーブルである。
ステップS10及びS12では、サンプリング間隔Δ(Δ=1,…,M)及び厚みTH(TH=1,…,N)ごとの包絡線データ(包絡線11,…,MN)が得られる。そして、ステップS14では、サンプリング間隔Δ(Δ=1,…,M)及び厚みTH(TH=1,…,N)ごとのパラメータ(パラメータ11,…,MN)が得られる。
上記の校正済みシミュレーション結果(校正済みのパラメータを含む。)は、記憶部24に保存される(ステップS16)。なお、校正済みシミュレーション結果には、校正済みの包絡線データが含まれていてもよい。ここで、校正済みシミュレーション結果は、厚み演算用データの一例である。
図8は、本発明の一実施形態に係る測定方法における厚み算出工程を示すフローチャートである。
まず、制御部20は、測定装置10を用いて測定対象物9を測定して得られた光強度分布(測定対象物9の実測データ)を取得する(ステップS20)。そして、制御部20は、測定対象物9の厚みの概算値THを算出する(ステップS22)。
図9から図11は、測定対象物の厚みの概算値の算出工程を説明するためのグラフである。図9は、測定対象物9から得られた光強度分布を示しており、図10は、図9の横軸を波数に変換したものである。図11は、図10の波数と振幅の関係に対してFFT(Fast Fourier Transform)を施したものである。
図9から図11の例では、使用波長を0.80μm~0.85μm、波数範囲を0.073529とする。図11では、291.205Hzの位置にピークが現れているため、波数差δkは、δk=0.073529/291.205=2.52501×10-4(μm-1)となる。これにより、厚みの概算値THは、TH=1/(2δk)=1980.194(μm)となる。
次に、制御部20は、測定対象物9の厚みTHの概算値THに基づいて、厚みTHの演算に使用する校正済みシミュレーション結果を選択する(ステップS24)。ステップS24では、ステップS22で求めた厚みの概算値THに近い厚み(例えば、TH±ΔD)に対応する校正済みシミュレーション結果が選択される。本実施形態では、ΔDを約0.10μmとして、厚みTHが1980.00μmから1980.30μmの場合の校正済みシミュレーション結果が選択されたものとする。
図12から図14は、測定対象物の厚みの演算に使用する校正済みシミュレーション結果を示すグラフである。
図12から図14には、厚みTHが1980.00μmから1980.30μmの場合の校正済みシミュレーション結果が0.05μm刻みで示されている。図12から図14における実線は実測データである。図12から図14におけるサンプリング間隔Δは、それぞれ0.04nm、0.06nm及び0.08nmである。
次に、制御部20は、校正済みシミュレーション結果と、実測データにおいてサンプリング間隔Δを変えることにより得られた包絡線の特性とを比較し(ステップS26)、比較結果に基づいて、測定対象物9の厚みTHを算出する(ステップS28)。この演算の結果は、記憶部24に保存される。
図15及び図16は、測定対象物の厚みの演算を説明するためのグラフである。図15は、厚み1980.00μmから1980.05μmの0.01μm刻みの校正済みシミュレーション結果と、実測データとを比較したものであり、図16は、厚み1980.020μmから1980.025μmの0.01μm刻みの校正済みシミュレーション結果と、実測データとを比較したものである。なお、図15及び図16におけるサンプリング間隔Δは、0.08nmである。
図16に示すように、本例では、実測データが1980.23μmの校正済みシミュレーション結果とほぼ一致している。これにより、測定対象物9の厚みTHが1980.23μmと求められる。本例によれば、サンプリング間隔Δごとの包絡線の特性を利用することにより、約2mmの厚みの測定対象物9に対して、0.01μmオーダの厚みの演算が可能となることがわかる。
なお、ステップS24及びS26では、概算値TH又は実測データに対応する厚みTHに対応するパラメータがない場合には、図7に示す校正済みのパラメータから補間(例えば、線形補間)により求めてもよい。例えば、図16に示した厚み1980.020μmから1980.025μmの0.01μm刻みのデータは、1980.0μm及び1980.1μmの校正済みシミュレーション結果(パラメータ)から補間により求めてもよい。
本実施形態によれば、光強度分布のシミュレーション結果から求めた包絡線の特性と、測定対象物9の実測データとを用いて測定対象物9の厚みTHを求めることにより、測定装置10の波長分解能に関わらず、測定対象物9の厚みTHを高精度で求めることが可能になる。
なお、本実施形態では、シミュレーション結果の校正を行うようにしたが、シミュレーション結果の校正を省略してステップS12で取得した包絡線の特性(測定対象物9の厚みTHと群位相の関係)を用いて厚みTHを算出してもよい。すなわち、厚み演算用データとしては、校正前後のシミュレーション結果のいずれを用いてもよい。
また、本実施形態では、測定対象物9の厚みTHの概算値THに基づいて、厚みTHの演算に使用する校正済みシミュレーション結果を選択するようにしたが、実測データとすべての校正済みシミュレーション結果とを比較する場合には、概算値THの演算及び校正済みシミュレーション結果の選択のステップ(ステップS22及びS24)を省略することが可能である。
9…測定対象物、10…測定装置、12…光源、13…ファイバーサーキュレータ、14…センサヘッド、16…分光器、17…検出器、18…制御装置、19…端面、20…制御部、22…信号処理部、24…記憶部、26…入出力部

Claims (4)

  1. 測定対象物に測定光を照射して得られる干渉光のシミュレーションを行い、前記測定対象物の厚みごとに前記干渉光の光強度分布を算出するステップと、
    前記測定対象物の厚みごとに算出された前記干渉光の光強度分布のサンプリング間隔を変えて得られた包絡線の特性を含む厚み演算用データを取得するステップと、
    前記測定対象物に前記測定光を照射して得られた干渉光の光強度分布の実測データを取得するステップと、
    前記シミュレーションにより得られた前記厚み演算用データと、前記実測データにおいてサンプリング間隔を変えることにより得られた包絡線の特性とを比較して、前記測定対象物の厚みを算出するステップと、
    を備える測定方法。
  2. 厚みが既知の標準物の測定結果を用いて、前記シミュレーションにより得られた前記包絡線の特性を校正するステップをさらに備える請求項1記載の測定方法。
  3. 前記実測データに基づいて前記測定対象物の厚みの概算値を算出し、前記概算値に基づいて、前記厚みごとのシミュレーションの結果得られた前記厚み演算用データの中から、前記測定対象物の厚みの演算に使用する厚み演算用データを選択するステップをさらに備える請求項1又は2記載の測定方法。
  4. 測定光を出射する光源と、
    測定対象物に測定光を照射して得られる干渉光のシミュレーションを行い、前記測定対象物の厚みごとに前記干渉光の光強度分布を算出するシミュレーション部と、
    前記測定対象物の厚みごとに算出された前記干渉光の光強度分布のサンプリング間隔を変えて得られた包絡線の特性を含む厚み演算用データを取得する厚み演算用データ取得部と、
    前記測定対象物に前記測定光を照射して得られた干渉光の光強度分布の実測データを取得する実測データ取得部と、
    前記シミュレーションにより得られた前記厚み演算用データと、前記実測データにおいてサンプリング間隔を変えることにより得られた包絡線の特性とを比較して、前記測定対象物の厚みを算出する算出部と、
    を備える測定装置。
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