JP7205820B2 - 半導体レーザー素子とその製造方法 - Google Patents
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Description
本発明において、活性層の長辺部は、反射部の反射面に対して±5°以下の角度で配置されていることが望ましい。
活性層の長辺部の長辺方向の長さは、活性層の短辺部の短辺方向の長さの2倍以上7倍以下であることが望ましい。
六角筒状半導体は、p型半導体であり、埋込半導体層の屈折率は、六角筒状半導体の屈折率よりも小さいことが望ましい。
六角柱形状半導体はn型GaNであり、六角筒状半導体はp型GaNであり、埋込層はAlGaNであることが望ましい。
埋込層はAlのモル組成比が0.04以上のAlGaNであることが望ましい。
1.半導体レーザー素子
図1は、第1の実施形態の半導体レーザー素子100の概略構成を示す斜視図である。半導体レーザー素子100は、端面発光型半導体レーザー素子である。図1に示すように、半導体レーザー素子100は、基板110と、マスク120と、柱状半導体130と、埋込半導体層140と、コンタクト層145と、カソード電極N1と、アノード電極P1と、を有する。
図2は、第1の実施形態の半導体レーザー素子100の柱状半導体130の概略構成図である。柱状半導体130は、柱状n型半導体131と、活性層132と、筒状p型半導体133と、を有する。
図4は、基板110の板面に対する柱状半導体130の配列を示す図である。図4に示すように、半導体レーザー素子100は、互いに対向して配置された第1の反射部150と第2の反射部160とを有する。第1の反射部150と第2の反射部160とは、埋込半導体層140を間に挟んで配置されている。第1の反射部150と第2の反射部160との間には、もちろん、複数の柱状半導体130が配列されている。第1の反射部150および第2の反射部160は、例えば、DBR(分布ブラッグ反射膜)である。
光閉じ込め係数は、一般に、共振器内の電界強度に対する活性層内の電界強度の比で定義される。具体的には、次の式(1)で与えられる。
5-1.基板準備工程
図6に示すように、基板110を準備する。基板110は、導電性基板111の上に、下地層113、n型半導体層114の順で積層したものである。
図7に示すように、基板110のn型半導体層114の上にマスク120を形成する。なお、図7には、後述する開口部形成工程で形成される開口部120aが描かれている。
図8に示すように、マスク120にn型半導体層114を露出させる複数の開口部120aを形成する。そのために、エッチング等の技術を用いればよい。図8は、マスク120の開口部120aの配列を示す図である。図8は、基板110の板面に垂直な方向から基板110を視た図である。図8には、参考のために、柱状半導体130の形状が破線で描かれている。図8に示すように、マスク120の開口部120aがオーバル形状で正方格子状に配列されている。開口部120aのオーバル形状の長辺方向K3は、出向方向J1に垂直な方向J2にほぼ平行である。
図9に示すように、マスク120の開口部120aの下に露出しているn型半導体層114を起点にして、六角柱形状の柱状n型半導体131を選択的に成長させる。そのために、公知の選択成長の技術を用いればよい。このように半導体層を選択成長させる場合に、m面がファセットとして表出しやすい。
図10に示すように、柱状半導体130の隙間を埋込半導体層140で埋める。次に、埋込半導体層140の上面にコンタクト層145を形成する。
次に、基板110の導電性基板111の裏面にカソード電極N1を形成する。また、コンタクト層145の上にアノード電極P1を形成する。
次に、埋込半導体層140に互いに対向する第1の反射部150と第2の反射部160とを形成する。
熱処理工程、半導体層の表面にパッシベーション膜等を成膜する工程、またはその他の工程を実施してもよい。
6-1.マスクの開口部の形状
図11は、マスク120の開口部の形状の変形例を示す図(その1)である。図11に示すように、マスク120の開口部120bの形状を長方形にしてもよい。その場合であっても、選択成長により、扁平形状の六角柱形状の柱状n型半導体131を成長させることができる。
基板110の積層構造は、本実施形態以外の積層構造であってもよい。導電性基板111の代わりに、c面サファイア基板やSi(111)基板を用いてもよい。その場合には、n型半導体層114を露出させて、露出しているn型半導体層114の上にカソード電極N1を形成すればよい。
本実施形態では、柱状n型半導体131はn型GaN層であり、井戸層はInGaN層であり、障壁層はAlGaN層であり、筒状p型半導体133はp型GaN層である。これらは例示であり、その他の組成であってもよい。
柱状半導体130の側面からの電流注入を促進させることが好ましい。例えば、図13に示すように、柱状半導体130の頂部に透明絶縁膜165を設ける。これにより、柱状半導体130の頂部に流れる電流が阻止され、柱状半導体130の側面から良好に電流注入を行うことができる。
上記の変形例を自由に組み合わせてもよい。
第2の実施形態について説明する。本実施形態では、第1の実施形態と埋込半導体層140の組成が異なる。第1の実施形態の埋込半導体層140はGaN層である。
本実施形態では、埋込半導体層140はAlGaN層である。そして、筒状p型半導体133の材質は、p型GaN層である。AlGaN層の屈折率は、p型GaN層の屈折率よりも小さい。
2-1.埋込半導体層
埋込半導体層140は、AlGaN以外の材料であってもよい。その場合であっても、埋込半導体層140の屈折率は、筒状p型半導体133の屈折率よりも小さい。埋込半導体層140は、導電性を備えるとともに、光吸収性の小さい材料であるとよい。
柱状半導体および埋込半導体層の形状および組成を変えて、光閉じ込め係数を計算した。前述のように、光閉じ込め係数が大きいほど、半導体レーザー素子の効率は高い。
図15は、活性層の長辺部の長辺方向の長さと光閉じ込め係数との間の関係を示すグラフ(その1)である。図15の横軸は長辺部132a、132bの長さである。図15の縦軸は光閉じ込め係数である。なお、短辺部132c、132d、132e、132fの長さは133nmである。
図16は、活性層の長辺部の長辺方向の長さと光閉じ込め係数との間の関係を示すグラフ(その2)である。ここで、丸印のシンボルは、埋込半導体層140としてAl組成が0.07のAlGaN層を用いた場合の計算結果を示している。図16の横軸は長辺部132a、132bの長さである。図16の縦軸は光閉じ込め係数である。
ここで、前述した横モードの不安定性の要因を考察するため、特徴的な断面で規定される横モードのプロファイルを比較した。図18は、横モードの基準面を示す模式図である。図18にM1-M1断面とM2-M2断面とを示す。M1-M1断面は、複数の活性層の複数の長辺部を切断する共通断面である。M2-M2断面は、活性層における一対の長辺部の中間に位置する断面である。
第1の態様における半導体レーザー素子は、基板と、基板の上の六角柱形状の柱状半導体と、柱状半導体を覆う埋込半導体層と、を有する。柱状半導体は、六角筒形状を備える活性層を有する。活性層は、互いに対向する一対の長辺部と、互いに対向する二対の短辺部と、を有する。
110…基板
111…導電性基板
113…下地層
114…n型半導体層
120…マスク
120a…開口部
130…柱状半導体
131…柱状n型半導体
132…活性層
132a、132b…長辺部
132c、132d、132e、132f…短辺部
133…筒状p型半導体
140…埋込半導体層
145…コンタクト層
150…第1の反射部
160…第2の反射部
165…透明絶縁膜
171…p+層
172…n+層
N1…カソード電極
P1…アノード電極
Claims (7)
- 基板と、前記基板の面上に立設した六角柱形状の柱状半導体と、前記柱状半導体を覆う埋込半導体層と、を有する半導体レーザー素子において、
前記柱状半導体は、III族窒化物半導体であり、前記基板の表面から垂直方向に伸びた六角柱形状半導体と、該六角柱形状半導体の側壁のm面から前記基板の面に平行に成長し、前記m面に垂直な方向に厚さを有する活性層と、前記活性層の側壁から前記基板の面に平行に成長し、前記m面に垂直な方向に厚さを有する六角筒形状半導体と、を有し、
前記柱状半導体の前記基板に平行な断面において、前記活性層は、互いに平行に対向する一対の長辺部と、互いに平行に対向する二対の短辺部とを有した扁平六角形をしており、
前記柱状半導体は、前記基板の面上において、前記長辺部に垂直な方向の素子両端に位置する一対の反射部を有し、前記長辺部が前記一対の反射部で反射して共振するレーザー光に対して垂直となるように、格子状に直交するする2方向に配列されている
ことを特徴とする半導体レーザー素子。 - 請求項1に記載の半導体レーザー素子において、
前記活性層の前記長辺部は、前記反射部の反射面に対して±5°以下の角度で配置されていることを特徴とする半導体レーザー素子。 - 請求項1または請求項2に記載の半導体レーザー素子において、
前記活性層の前記長辺部の長辺方向の長さは、前記活性層の前記短辺部の短辺方向の長さの2倍以上7倍以下であることを特徴とする半導体レーザー素子。 - 請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の半導体レーザー素子において、
前記六角筒状半導体は、p型半導体であり、
前記埋込半導体層の屈折率は、前記六角筒状半導体の屈折率よりも小さいことを特徴とする半導体レーザー素子。 - 請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の半導体レーザー素子において、
前記六角柱形状半導体はn型GaNであり、前記六角筒状半導体はp型GaNであり、前記埋込層はAlGaNであることを特徴とする半導体レーザー素子。 - 請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の半導体レーザー素子において、
前記埋込層はAlのモル組成比が0.04以上のAlGaNであることを特徴とする半導体レーザー素子。 - 基板の主面にIII族窒化物半導体から成る複数の六角柱状半導体が立設して配列された半導体レーザーの製造方法において、
成長基板として機能する半導体層の上にマスクを形成し、
前記半導体層を露出させる開口部であって、互いに平行な一対の長辺と少なくとも一対の短辺とを有する偏平形状が前記主面上の直交する2方向に正方格子状に配列した開口部を前記マスクに形成し、
前記開口部に露出している前記半導体層の表面から半導体を縦方向及び横方向成長により側面をm面とする六角柱形状に成長させ、
該六角柱形状半導体の側壁のm面から前記m面に垂直な方向に成長し、前記m面に垂直な方向に厚さを有する活性層を成長させ、
前記活性層の側壁から前記基板の面に平行に成長し、前記m面に垂直な方向に厚さを有する六角筒形状半導体を成長させ、
前記柱状半導体の前記主面に平行な断面において、前記活性層は、互いに平行に対向する一対の長辺部と、互いに平行に対向する二対の短辺部とを有した扁平した六角形状に形成し、
前記柱状半導体は、前記主面において、前記長辺部に垂直な方向の素子両端に一対の反射部を形成し、前記長辺部が前記一対の反射部で反射して前記長辺部が共振するレーザー光に対して垂直となるように、前記正方格子状に直交するする2方向に配列させ、
複数の前記柱状半導体の全体を埋め込む埋込層を形成した
ことを特徴とする半導体レーザー素子の製造方法。
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