JP2007173569A - 発光素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】 平面視で四角形状を呈した発光素子においては、端面で全反射した光は内部で全反射を繰り返し、いつまで経っても外部に取り出されることがないという問題がある。
【解決手段】 n型窒化ガリウム系化合物半導体層10a、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層10c及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層10bを含み、この順でこれらの層が積層されている半導体層10を有するとともに、平面視形状が四角形状である発光素子であって、n型窒化ガリウム系化合物半導体層10aまたはp型窒化ガリウム系化合物半導体層10bの主面に溝14を形成する。
【選択図】 図6

Description

本発明は、窒化物ガリウム系化合物半導体を利用した発光ダイオード(LED:Light Emitting Diode)等の発光素子に関するものである。
近年、紫外光領域から青色の光を発光する発光素子として、AlGaIn1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、x+y≦1)で表される窒化ガリウム系化合物半導体(窒化物系半導体)を用いた発光素子が注目されている(例えば、特許文献1を参照)。
このような窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子は、蛍光体と組み合わせることにより白色の光を発光することが可能であり、また省エネルギーかつ長寿命であることから、白熱電球や蛍光ランプの代替品として有望視されると共に実用化が始まっている。しかしながら、窒化ガリウム系化合物半導体を用いた発光素子の発光効率は、蛍光灯に比較すると低いため、更なる高効率化が求められており、そのための様々な研究が行われている。
ところで、発光素子の発光効率である外部量子効率は、発光層で電気エネルギーが光エネルギーに変換される割合を示す内部量子効率と、変換された光エネルギーが外部へ放出される割合を示す光取り出し効率の積によって決定される。
外部量子効率は、発光素子を形成する窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶性に大きく影響を受ける。外部量子効率を向上させる方策として、基板上に非晶質または多結晶のAlN系またはAlGaN系の材料のバッファ層を形成し、このバッファ層上に窒化ガリウム系化合物半導体層を成長させることにより、基板と窒化ガリウム系化合物半導体層との格子不整合を緩和させ、窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶性を向上させるという方法が、すでに公知の技術として知られている(例えば、特許文献2を参照)。
一方、光取り出し効率の向上に関しても種々の技術が公開されており、窒化ガリウム系化合物半導体層の表面に凹凸構造を形成することで外部との屈折率差を緩和して内部全反射を抑制する方法(特許文献3を参照)や、基板端面をメサ形状にすることで基板中を伝搬する光を取り出し方向へ効率よく放出させる方法(特許文献4を参照)、また発光素子を平面視で円形状とすることで端面における光取り出し角を広げる方法(特許文献5を参照)等がある。
特開平2−42770号公報 特公平4−15200号公報 特開平15−69075号公報 特表平15−523635号公報 特開平12−76435号公報
従来の発光素子の断面図と平面図をそれぞれ図1と図2に示す。基板1上にn型窒化ガリウム系化合物半導体層2a、発光層2b及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層2cより成る半導体層2が形成されていると共に、n型窒化ガリウム系化合物半導体層2aとp型窒化ガリウム系化合物半導体層2c上にそれぞれn型電極3及びp型電極4が形成されている。
窒化ガリウム系化合物半導体層の形成に使用される基板1としては、一般的にサファイア基板が使用されているが、その屈折率は約1.78であるのに対し、窒化ガリウム系化合物半導体の屈折率は約2.55と高い。そのため、発光層2bで発光した光のうち、サファイア基板への入射角が臨界角θの約44°(θ=arcsin(1.78/2.55))を超える角度で入射する光については、各窒化ガリウム系化合物半導体層を積層してなる半導体層の内部で全反射を繰り返す。従って、光は半導体層で全反射を繰り返す過程で大部分が吸収され、残った光が半導体層の端部から外部へ向かって放射されるため、発光量が低下するという問題がある。
さらに、図2において発光層2bで発光した光のうち、発光素子の端面5aで全反射した光6(矢印で光が進む向きを示す)が次の端面5bにおいても全反射する角度で入射した場合、さらに次の端面5cにおいても同様の現象が起きる。このようにして平面視で四角形状を呈した発光素子においては、端面で全反射した光は内部で全反射を繰り返し、いつまで経っても外部に取り出されることがないという問題がある。
また、特許文献3の方法を用いて光取り出し効率を向上させる場合、半導体層から基板を機械的に研磨して除去した後、ウェットエッチングまたはドライエッチングによって凹凸構造を形成する必要があるため、製造プロセスが複雑になるだけでなく、研磨による半導体層へのダメージが懸念される。
また、特許文献4の方法は、基板へ侵入した光に対して有効であるが、発光層で発光した光の大部分は、基板及び電極で全反射を繰り返し、半導体層の端面から外部へ放出されるため、光取り出し効率向上の効果は十分に得られない。
さらに、特許文献5の方法では、端面における光の取り出し角が広がる光は、円の中心近傍で発光した光に限られ、円の外周近傍で発光した光に対しては、取り出し角が逆に狭まるとう問題が生じる。
従って、本発明は上記従来の技術における問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、複雑な製造プロセスを必要とせず、かつ窒化ガリウム系化合物半導体層の結晶性を維持したまま、容易に光取り出し効率を向上させることが可能である高性能な発光素子を提供することである。
n型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層を含み、この順でこれらの層が積層されている半導体層を有するとともに、平面視形状が四角形状である発光素子であって、前記n型窒化ガリウム系化合物半導体層または前記p型窒化ガリウム系化合物半導体層の主面に溝が形成されていることを特徴とする。
本発明の発光素子は好ましくは、前記溝が形成された前記主面における前記溝及び前記主面の辺で囲まれた領域の平面視形状が三角形を含む形状であることを特徴とする。
また、本発明の発光素子は好ましくは、前記溝は内側面が傾斜していることを特徴とする。
また、本発明の発光素子は好ましくは、前記溝は内側面と前記主面の法線とのなす角度θが、前記半導体層の外部の屈折率をn1、前記n型窒化ガリウム系化合物半導体層または前記p型窒化ガリウム系化合物半導体層の屈折率をn2としたとき、θ≧arcsin(n1/n2)であることを特徴とする。
また、本発明の発光素子は好ましくは、前記溝は内側に透光性絶縁材料が充填されていることを特徴とする。
本発明の発光素子は、n型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層を含み、この順でこれらの層が積層されている半導体層を有するとともに、平面視形状が四角形状である発光素子であって、n型窒化ガリウム系化合物半導体層またはp型窒化ガリウム系化合物半導体層の主面に溝が形成されていることにより、従来半導体層で全反射を繰り返して半導体層の端部から半導体層外部へ放射されていた光が、半導体層の端部よりも先に溝に到達して、溝によって光の伝搬方向が縦方向に変化し、半導体層外部へと速やかに出射されるようになる。つまり、半導体層の端部から半導体層外部に放射される光について、発光点からの伝搬距離が従来よりも大幅に短縮されるため、半導体層における光の吸収量を極めて低減させることが可能になる。
また、本発明の発光素子は好ましくは、溝が形成された主面における溝及び主面の辺で囲まれた領域の平面視形状が三角形を含む形状をしていることにより、半導体層の積層方向よりも水平方向における光の取り出し効率を容易に向上できる効果がある。
また、本発明の発光素子は好ましくは、溝は断面形状がV字状のV溝等であって内側面が傾斜した溝であり、また溝の内側面と主面の法線とのなす角度θが、半導体層の外部の屈折率をn1、n型窒化ガリウム系化合物半導体層またはp型窒化ガリウム系化合物半導体層の屈折率をn2としたとき、θ≧arcsin(n1/n2)であることから、半導体層の一主面に形成された溝によって光が全反射されて半導体層の他方主面側へ向かい、他方主面からそのまま出射することとなる(図3)。従って、溝で反射された光が半導体層内で多重反射をすることが大幅に抑制され、光の経路が半導体層の他方主面(下面)方向、すなわち縦方向に変化して、半導体層外部へと有効に光を取り出すことができる。
また、本発明の発光素子は好ましくは、絶縁性の材料が溝に充填されていることによって、溝における電流の漏れ及び電界集中を低減することが可能となるため、信頼性の高い発光素子の作製が可能となる。
以下、本発明の発光素子について、図面を参照しつつ詳細に説明する。図6は本発明の発光素子の実施の形態の一例を示す模式的な斜視図である。
図6において、10は窒化ガリウム系化合物半導体層を複数層積層して成る半導体層(積層体)であり、10cは発光層、10bは第1導電型(p型)窒化ガリウム系化合物半導体層、10aは第2導電型(n型)窒化ガリウム系化合物半導体層、11は窒化ガリウム系化合物半導体層をエピタキシャル成長するために用いた透明な基板、12はp側電極としての、あるいはp側電極を形成するためのp側導電層、13はn側電極としての、あるいはn側電極を形成するためのn側導電層である。本例の構成において、光の取り出し方向は透明な基板11の側である。
本発明の発光素子は、図6に示すように、複数の窒化ガリウム系化合物半導体層がエピタキシャル成長法により積層された平面視で四角形状の半導体層10を有するとともに、p型窒化ガリウム系化合物半導体層10bの主面(図6では上面)に溝14を設けたものである。
溝14の形成に関しては、基板11上にn型窒化ガリウム系化合物半導体層10a、発光層10c及びp型窒化ガリウム半導体層10bをこれらの順で成膜した後、p型窒化ガリウム半導体層10b上にマスクを配置して、RIE(Reactive Ion Etching)法によるドライエッチングまたはウェットエッチング等により、容易に形成することが可能である。
本発明の溝14は、図6のようにp側導電層12等を完全に分割するように形成すると、分割された一方の領域に電圧を印加できないため、その一方の領域において発光せず、発光効率が低下することとなる。従って、p側導電層12等を完全に分割しないように溝14を形成することが好ましい。あるいは、p側導電層12等を完全に分割した場合には、分割された領域のそれぞれに電圧を印加すればよいが、配線等が複雑になりやすい。
また、溝14の深さは、図3に示すように、発光層2bを通ってn型窒化ガリウム系化合物半導体層2aに達していることが好ましい。この場合、発光層2bで生じて水平方向に伝搬した光の大部分が溝14に速やかに到達することとなり、発光点からの伝搬距離がさらに大幅に短縮されるため、半導体層2における光の吸収量をさらに低減させることが可能となる。
また、本発明において、図6に示すように、溝14が形成された主面における溝14及び主面の辺で囲まれた領域の平面視形状が三角形を含む形状をしていることが好ましい。この場合、三角形の領域では、発光層10cで生じた光は、半導体層10の端面(側面)で全反射をさほど繰り返さずに容易に溝14に到達することができる。そのため、半導体層10の積層方向よりも水平方向における光の取り出し効率を容易に向上させることができる。
また、本発明において、溝14は断面形状がV字状のV溝等であって内側面が傾斜した溝14であるのがよく、また溝14の内側面とp型窒化ガリウム系化合物半導体層10bの主面の法線とのなす角度θが、半導体層10の外部の屈折率をn1、n型窒化ガリウム系化合物半導体層10aまたはp型窒化ガリウム系化合物半導体層10bの屈折率をn2としたとき、θ≧arcsin(n1/n2)であることが好ましい。
この構成により、半導体層10の一主面に形成された溝14によって光が全反射されて半導体層10の他方主面側へ向かい、他方主面からそのまま出射することとなる(図3)。即ち、図3に示すように、溝14で全反射された光は、半導体層10の他方主面において全反射角よりも小さな入射角となりやすいため、他方主面からそのまま出射する。従って、溝14で反射された光が半導体層10内で多重反射をすることが大幅に抑制され、光の経路が半導体層10の他方主面(下面)方向に変化して、半導体層10外部へと有効に光を取り出すことができる。
以下、上記本発明の効果を図を用いて具体的に説明する。図3と図4は、本発明の発光素子の一例を示した断面図と平面図である。なお、図3,図4においては、各部の符号を図6と異なったものとしている。図4において、発光素子の端面8aで全反射した光9は溝7へと入射するが、その際の入射角は端面8aで全反射した角度よりも小さくなるとともに、溝7の内側面が図3に示されるように傾斜しているため、溝7から半導体層2外部へ放射された光は半導体層2の下面方向に変化し、半導体層2外部への取り出しが容易にできることになる。
このように平面視で四角形状の発光素子において、半導体層2の端面または溝7で全反射した光は、次に入射する半導体層2の別の端面または別の溝7の部位での入射角が変化するため、半導体層2の外部へ取り出される光の量が増加する。
溝14は断面形状がV字状のV溝等であって内側面が傾斜した溝14であるのがよいが、その傾斜角度(上記角度θ)は、30°〜60°であることが好ましい。30°未満では、溝14の内側面で水平方向へ反射しやすくなり、半導体層10の下面から出射する光が減少するため、光取り出しの効果が十分に得られない。60°を超えると、溝14が占有する面積の増加により、発光量の低下を招きやすくなる。
溝14の断面形状は、内側面が傾斜した、V字状、U字状、底面が平坦面な凹状等であってよい。
溝14の幅(半導体層10の主面における開口幅)は、0.6μm〜1.7μm程度がよい。0.6μm未満では、溝14の内側面で水平方向へ反射しやすくなり、半導体層10の下面から出射する光が減少するため、光取り出しの効果が十分に得られない。1.7μmを超えると、溝14が占有する面積の増加により、発光量の低下を招きやすくなる。
また、溝14は、図6に示すように平面視において直線状であってよいが、直線状に限らず、平面視において曲線状、屈曲部を有する形状であってもよい。ただし、溝14及び主面の辺で囲まれた領域の平面視形状が三角形を含む形状であるためには、直線状であることが好ましい。また、溝14は、図6に示すような1本に限らず、複数本形成してもよい。
また、本発明において、絶縁性の材料が溝14に充填されていることによって、溝14における電流の漏れ及び電界集中を低減することが可能となる。例えば、透明性の絶縁材料を溝14の内側に充填する。透明性の絶縁材料としては、SiO,TiO,ZrO等が挙げられる。透明性の絶縁材料を用いた場合、溝14の内側へ出射された光を外部へ容易に放出させることができる。
本発明の半導体層10は、発光層10cを、p型窒化ガリウム系化合物半導体層10b及びn型窒化ガリウム系化合物半導体層10aで挟んだ構成である。
例えば、p型窒化ガリウム系化合物半導体層10bは、第1のp型クラッド層Al0.15Ga0.85N、第2のp型クラッド層Al0.2Ga0.8N、p型コンタクト層GaNの積層体等からなる。
また、例えば、n型窒化ガリウム系化合物半導体層10aは、第1のn型クラッド層GaN、第2のn型クラッド層In0.02Ga0.98Nの積層体等からなる。
また、例えば、発光層10cは、禁制帯幅の広い障壁層In0.01Ga0.99Nと禁制帯幅の狭い井戸層In0.11Ga0.89Nを交互に例えば3回繰り返し規則的に積層された多重量子井戸構造(MQW:Multi Quantum Well)等からなる。
なお、p型窒化ガリウム系化合物半導体層10b及びn型窒化ガリウム系化合物半導体層10aは、互いに逆の導電型であってもよい。
p側導電層12及びn側導電層13は、発光層10cが発生した光を損失なく反射し、かつそれぞれp型窒化ガリウム系化合物半導体層10b及びn型窒化ガリウム系化合物半導体層10aと良好なオーミック接続がとれる材質から成る表面が滑らかな層状のものを用いるのがよい。即ち、p側導電層12及びn側導電層13は、導電性の光反射層からなることがよい。
そのような材質のものとしては、例えばアルミニウム(Al),チタン(Ti),ニッケル(Ni),クロム(Cr),インジウム(In),錫(Sn),モリブデン(Mo),銀(Ag),金(Au),ニオブ(Nb),タンタル(Ta),バナジウム(V),白金(Pt),鉛(Pb),ベリリウム(Be),酸化インジウム(In),金−シリコン合金(Au−Si合金),金−ゲルマニウム合金(Au−Ge合金),金−亜鉛合金(Au−Zn合金),金−ベリリウム合金(Au−Be合金)等を用いればよい。これらの中でも、アルミニウム(Al)または銀(Ag)は、発光層10cが発光する青色光(波長450nm)〜紫外光(波長350nm)の光に対して反射率が高いので好適である。また、アルミニウム(Al)はn型窒化ガリウム系化合物半導体層10aとのオーミック接合の点でも特に好適である。また、上記材料の中から選択した層を複数層積層したものとしても構わない。
また、本発明において、半導体層10は透明な基板11上にエピタキシャル成長法によって形成されて成ることが好ましい。この場合、例えば半導体層10内部で発光した光のうち光反射層からなるp側導電層12及びn側導電層13で基板11側に反射された光を、透明な基板11から外部へ効率よく放出することが可能となる。この透明な基板11としては、サファイア,炭化ケイ素(SiC)等からなるものがよい。
また、基板11として、不透明なものでよい場合、ZrB等のニホウ化物単結晶からなる基板を用いてもよい。この場合、基板11が窒化ガリウム系化合物半導体層との格子整合性及び熱膨張係数の整合性が優れたものとなるため、結晶欠陥の少ない窒化ガリウム系化合物半導体層を形成することができる。
また、p側導電層12及びn側導電層13上には、それぞれ外部との電気的接続をとるための導線等を接続するp側電極とn側電極(共に図示せず)が設けられている。両電極は、例えばチタン(Ti)層、またはチタン(Ti)層を下地層として金(Au)層を積層したものを用いればよい。
上記本発明の構成によれば、半導体層10を構成する発光層10cで発光した光のうち、発光素子の端面で全反射した光に対して、溝14での入射角が変化するという効果をもたらすため、外部へ取り出される光が増加し、光取り出し効率が飛躍的に向上する。もちろん、発光点から直接溝14へ到達した光についても、溝14の内側面で反射させて半導体層10の下面側へ導いて出射させることができる。
ここで、上記本発明の効果を確認するために、光線追跡法を用いた光取り出し効率のシミュレーションを行った。シミュレーションモデルは、平面視で一辺の長さが350μmの正方形の形状をした発光素子であって、半導体層10のみを考慮した3次元モデルとした。図5に示すシミュレーションモデルにおいて、半導体層10の上面には幅が500nmの溝14が形成されており、溝14及び半導体層10の辺で囲まれた領域の平面視形状が三角形を含む形状をしている。窒化ガリウム系化合物半導体の材料はGaN、外部は空気であるとし、さらに発光波長は400nmとしてシミュレーションを実施した。ここで、光源は半導体層10を平面視で小さな正方形で16等分した中心の位置に配置し、1つの光源からは光線を等方的に放射させた。
溝14の内側面と半導体層10の法線となす角度は45度とし、GaNの屈折率を2.55、空気の屈折率を1とした場合において、GaNから空気へ光が入射する際の臨界角約23.6度よりも大きな角度になっている。
光線追跡法による光取り出し効率のシミュレーションを行った結果、溝14のあるモデルは溝14のない場合よりも光取り出し効率が約2.2倍も増加しており、本発明の有効性が明確に現れていることが分かった。
従来の発光素子の一例を示す断面図である。 従来の発光素子の一例を示す平面図である。 本発明の発光素子について実施の形態の一例を示す断面図である。 本発明の発光素子について実施の形態の一例を示す平面図である。 本発明の発光素子の効果を確認するためのシミュレーションモデル図である。 本発明の発光素子について実施の形態の一例を示す斜視図である。
符号の説明
10:半導体層
10a:n型窒化ガリウム系化合物半導体層
10b:p型窒化ガリウム系化合物半導体層
10c:発光層
11:基板
12:p側導電層
13:n側導電層
14:溝

Claims (5)

  1. n型窒化ガリウム系化合物半導体層、窒化ガリウム系化合物半導体からなる発光層及びp型窒化ガリウム系化合物半導体層を含み、この順でこれらの層が積層されている半導体層を有するとともに、平面視形状が四角形状である発光素子であって、前記n型窒化ガリウム系化合物半導体層または前記p型窒化ガリウム系化合物半導体層の主面に溝が形成されていることを特徴とする発光素子。
  2. 前記溝が形成された前記主面における前記溝及び前記主面の辺で囲まれた領域の平面視形状が三角形を含む形状であることを特徴とする請求項1記載の発光素子。
  3. 前記溝は、内側面が傾斜していることを特徴とする請求項1または2記載の発光素子。
  4. 前記溝は、内側面と前記主面の法線とのなす角度θが、前記半導体層の外部の屈折率をn1、前記n型窒化ガリウム系化合物半導体層または前記p型窒化ガリウム系化合物半導体層の屈折率をn2としたとき、θ≧arcsin(n1/n2)であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載の発光素子。
  5. 前記溝は、内側に透光性絶縁材料が充填されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載の発光素子。

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