JP5288893B2 - 面発光レーザ - Google Patents
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Description
特に、赤外線短距離通信などの通信分野においては、すでに実用化されている。
これは、レーザの形式としては、現在世の中で広く用いられているDFB(Distributed Feedback)レーザの一形態である。
このレーザ素子においては、半導体レーザの活性層の近傍にフォトニック結晶を導入し、活性層内部で発光した光をフォトニック結晶の2次回折効果により面内方向で発振させる。
そして、発振したレーザ光を、同一フォトニック結晶の1次回折により、面垂直方向に取り出す。
本発明は、上記課題に鑑み、従来例よりも低閾値で動作することが可能となる面発光レーザを提供することを目的とする。
本発明の面発光レーザは、活性層を備えた導波路層と、
前記活性層からの光を面内方向で共振させる位置に配置された屈折率周期構造と、を有する面発光レーザであって、
前記屈折率周期構造が、前記活性層側に設けられている低屈折率媒質と高屈折率媒質とからなる第1の屈折率周期構造層と、該第1の屈折率周期構造層上に積層された低屈折率媒質と高屈折率媒質とからなる第2の屈折率周期構造層とを備え、
前記第2の屈折率周期構造層における前記低屈折率媒質の体積分率が、前記第1の屈折率周期構造層における前記低屈折率媒質よりも大きい体積分率を有し、 前記第1の屈折率周期構造層における屈折率周期構造が2次元周期構造であり、
前記第2の屈折率周期構造層における屈折率周期構造がストライプ状の1次元周期構造であり、
前記第2の屈折率周期構造層に隣接して、電極が形成されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記第1の屈折率周期構造層における屈折率周期構造を構成するパターンが正方格子状であることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記第1の屈折率周期構造層を構成する低屈折率媒質としての気体媒質の体積分率が16%以上であり、
前記第2の屈折率周期構造層を構成する低屈折率媒質としての気体媒質の体積分率が52%より大きく97%以下であることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記電極が、前記第2の屈折率周期構造層における前記高屈折率媒質の全部と、前記第2の屈折率周期構造層における前記低屈折率媒質の一部に隣接して、形成されていることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記電極が、前記第2の屈折率周期構造層における前記高屈折率媒質の上に形成されており、
前記第2の屈折率周期構造層における前記高屈折率媒質のパターンと、前記電極のパターンとが、同一のパターンであることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記第1の屈折率周期構造層における前記低屈折率媒質が、環状形状であることを特徴とする。
また、本発明の面発光レーザは、前記第2の屈折率周期構造層における周期構造の周期が、不規則にずれて構成されていることを特徴とする。
図1に、本実施形態の面発光レーザにおける素子構造の全体構成を説明する断面図を示す。
図1において、101は基板、102はクラッド層、103は下部導波路層、104は活性層、105は上部導波路層、106は導波路層である。
107は第1の屈折率周期構造層である下部屈折率周期構造層、108は第2の屈折率周期構造層である上部屈折率周期構造層、109は屈折率周期構造層である。
110は下層高屈折率媒質、111は下層低屈折率媒質、112は上層高屈折率媒質、113は上層低屈折率媒質である。
114は下部電極、115は上部電極である。
この導波路層106上には屈折率周期構造が設けられており、この屈折率周期構造は活性層側に設けられている第1の屈折率周期構造層と該第1の屈折率周期構造層上に積層された第2の屈折率周期構造層とによって構成されている。
具体的には、上部導波路層105の上に、高屈折率媒質と低屈折率媒質よりなる下部屈折率周期構造層(第1の屈折率周期構造層)107と、上部屈折率周期構造層(第2の屈折率周期構造層)108によって構成された屈折率周期構造層109が設けられている。
さらに、上記の下部屈折率周期構造層107は下層高屈折率媒質110および下層低屈折率媒質111により形成され、上部屈折率周期構造層108は上層高屈折率媒質112および上層低屈折率媒質113により形成されている。
下部電極114と上部電極115はそれぞれ基板101の裏面、上部屈折率周期構造層108の上層に設けられている。
屈折率周期構造層109は高屈折率媒質と低屈折率媒質が交互に周期構造を形成している。
このような屈折率周期構造層は、例えば、フォトニック結晶などを用いて構成することができる。
本実施形態における面発光レーザにおいては、屈折率周期構造層109は、活性層からの発光を面内方向にフィードバックし、さらに発振した光を上方に回折することにより面発光する。
このような構成を備えた屈折率周期構造層109では、レーザのフィードバック機能をメインに持つのは下部屈折率周期構造層107であり、上部屈折率周期構造層108は、低屈折率媒質の割合が大きいため、光を閉じ込めるための閉じ込め層の機能を有している。
このように上部と下部の屈折率周期構造層の機能を分離することで、下部屈折率周期構造層によるフィードバック効果を高めながら、上部屈折率周期構造層による閉じ込めで光を電極に吸収させないようにすることができる。
これにより、素子の閾値を下げることが可能となる。
さらに、上部屈折率周期構造層を100〜200nm程度に薄くすることが可能なため、貼りあわせなどを用いず素子を一括で作成することが可能となる。
図9では、格子定数a、屈折率周期構造の厚さを固定し、横軸で上部屈折率周期構造層の半径を変化させ、共振光の上部電極115による吸収率を見たものである。
上部屈折率周期構造層の低屈折率媒質の体積分率が下層と同じときと、下部屈折率周期構造層よりも大きいときとの両方の結果を示すが、この図9によれば上部屈折率周期構造層の体積分率が大きい時の方が吸収率が小さくなることが分かる。
このとき下部屈折率周期構造層107は、フォトニック結晶に共振光を大きく染み出させフィードバック効果を高めるため、空孔の大きさはある程度小さい方がよい。しかしながら、あまりに小さくし過ぎると、作製も困難になり、フィードバック効果も下がってしまうことになるため、そこには一定の好ましい範囲がある。
具体的には、周期構造の周期をaとした時、半径rでおよそ0.13a〜0.28aの範囲内(低屈折率媒質の体積分率にして5%〜25%程度)とすることが好ましい。
また、低屈折率媒質が導電性の固体の場合は電流注入の経路が広くなるため、電流注入の観点からは好ましい。これらは後述するように、電極の構造にも依存する。
また、本実施形態においては、屈折率周期構造層の説明において、便宜上、周期構造の周期が一定のものについて説明したが、必ずしも周期構造の周期が一定である必要はない。
例えば、上部屈折率周期構造層108における周期構造の周期がランダム(不規則)にずれて構成されていてもよく、このような構造とした場合にはプロセスの制約などを緩和することができる点において好ましい。
例えば、下部屈折率周期構造層(第1の屈折率周期構造層)における屈折率周期構造を、図2(a)、(c)のように、該屈折率周期構造を構成するパターンを正方格子状に配列した2次元周期構造とする。
一方、上部屈折率周期構造層(第2の屈折率周期構造層)における屈折率周期構造を、図2(b)のように、該屈折率周期構造を構成するパターンをストライプ状として1次元周期構造とすることも可能である。
これらの構成例については、後の実施例2で説明する。
また、格子点およびストライプラインの形状もそれぞれ違っていてもよい。
例えば、下部屈折率周期構造、上部屈折率周期構造ともに2次元の正方格子とし、下部屈折率周期構造の格子点形状を図2(a)のような円形に、上部周期構造の格子点形状を図2(c)のような正方形とすることも可能である。
例えば、長方格子、三角格子、円対称格子、準結晶などの対称性を用いることも可能である。格子点形状も円形、正方形のみ紹介したが、その他、楕円形、三角形、長方形、環状形状、十字形状など、様々な形状の格子点を用いることができる。
なお、格子点が環状形状の場合については、実施例3にて説明する。
また、上層、下層ともに1次元の周期構造を用いることも可能である。
本実施形態においては、周期構造を通して電流を注入するため、材料は導電性を有する必要がある。
半導体材料としては、キャリアドープされたGaAs、AlGaAs、InP、GaAsInP、AlGaInP、GaN、InGaN、AlGaN、AlN、InNなどのIII−V族化合物半導体およびそれらの任意の混晶などを用いることができる。
また、ZnSe、CdS、ZnOなどのII−VI族化合物半導体およびそれらの任意の混晶、Si、SiGeなどのIV族半導体およびそれらの任意の混晶などを用いることができる。さらに、各種の有機半導体なども使用可能である。
酸化物透明導電媒質としてはITO(Indium Tin Oxaide)SnO2、In2O3などがある。
上部および下部の屈折率周期構造層における低屈折率媒質は固体でも空気でも良いが、固体の場合は電流注入の経路が広くなるため好ましい。これらは後述するように、電極の構造にも依存する。
活性層104には量子井戸構造、ひずみ量子井戸構造、量子ドット構造などを用いることができる。
また、クラッド層102は、導波路層106に対して屈折率が低くなっていることが必要である。
また、本実施形態には記載していないが、クラッド層102、導波路層106のいずれかの層に、水蒸気酸化やイオン注入による電流狭窄層や、キャリアの漏れを抑えるキャリアブロック層を設けることも可能である。
活性層、クラッド層に用いることのできる材料は半導体であり、上述したようなフォトニック結晶に用いることのできる半導体材料は全て使用することができる。
クラッド層102および導波路層106の一部は、nまたはpのキャリアがドープされている。
本実施形態における面発光レーザは、下部電極114、上部電極115を、p電極またはn電極とし(逆でも可)、電極からの電流注入により駆動させることができる。
電極を構成する材料としては、従来の半導体レーザプロセスなどで用いられている材料をはじめとし、あらゆる金属材料を用いることが可能である。
特に、半導体材料に関しては、従来の半導体レーザプロセスにおいて、半導体材料に応じて使用できる電極材料がほぼ決まっており、電極を形成する技術はほとんど確立されているため、それに従えばよい。
例えば、GaAsのn電極には、Au−Ge−Ni、Au−Ge−Pt、p電極にはAg−Zn、Au−Znなどの材料が用いられる。
また、金属以外にも、ITO、SnO2、InO2などの、導電性を有する透明酸化物材料などを電極に用いることも可能である。
本実施形態においては、上部屈折率周期構造層に隣接して形成された電極が、上部屈折率周期構造層における前記高屈折率媒質のパターンと同一のパターンにパターニングされているが、このような構成に限定されるものではない。
例えば、電極方向に光を取り出す構成になっているが、パターニングしない平板状の電極を設けることも可能である。
このような電極においては、特に上部屈折率周期構造層の低屈折率媒質が導電性のある固体媒質で構成されているような場合、電極の接触面積が広くなることで電気抵抗が低くなり好ましい。
但し、このような電極の場合、吸収により出射光を電極方向から取り出すことは出来ないため、基板方向から取り出すことになる。このとき基板は出射光を吸収しないことが必要である。
また、出射光を吸収する場合も、出射部の基板を裏抜きするなどして吸収を減らすことで、裏面より出射光を取り出すことができる。
さらに、この電極とフォトニック結晶層との距離を調整することで、電極方向に出射する光を適当な位相で返すようにすることで、さらに閾値を下げることもできる。
[実施例1]
実施例1においては、本発明を適用した面発光レーザの構成例について説明する。
図3に、本実施例における面発光レーザの構成例を説明する模式図を示す。
図3(a)は面発光レーザ全体の斜視図、図3(b)は図3(a)に示す面発光レーザをa−a’に沿ってz軸方向に切断した断面における模式的断面図、図3(c)は図3(a)に示す面発光レーザをz方向よりみた模式的平面図である。図3において、301は基板、302はクラッド層、303は下部導波路層、304は活性層、305は上部導波路層である。
307は下部フォトニック結晶層、308は上部フォトニック結晶層、309はフォトニック結晶層、311は下層フォトニック結晶層空孔、313は上層フォトニック結晶層空孔、314はn電極、315はp電極である。
さらに、下部導波路層303が厚さ100μm、活性層304が厚さ24nm、上部導波路層305が厚さ100nmで積層されている。
さらに、上部導波路層305の上に、フォトニック結晶層309を厚さ200nmの順番に積層した構造を有している。
基板裏面301、フォトニック結晶層309の上層にはそれぞれn電極314、p電極315が設けられている。p電極の方は上部フォトニック結晶層と同様にパターニングされている。
フォトニック結晶は個体媒質に空孔を導入した構成であり、上部下部とも格子形状は円形、配置は正方格子状となっている。
図3(c)の平面図には、上部、下部結晶層の空孔部が図示されており、上部層の方が空孔径が大きくなっている。
なお、図3(c)における空孔数は、図3(a)と異なっているが、これも図示の際の便宜上の理由のみで、実際の空孔数は両者等しくなっている。
基板301はGaN、クラッド層302はAl0.07Ga0.93Nで構成され、下部導波路層303、上部導波路層305はGaN、フォトニック結晶層309はそれぞれAl0.07GaNである。
活性層はIn0.2Ga0.8N/GaNの多重量子井戸構造であり、それぞれ層厚3nm/7.5nmのものが3層、2層ずつで構成されている。
電極はn電極314、p電極315の順番に、それぞれTi/Al、Ti/Pt/Auとなっている。基板、クラッド層はn型に、フォトニック結晶層はp型にドーピングされている。
フォトニック結晶部は2層構成となっており、結晶の周期は170nm、周期数は300(図3には全部は図示されていない)、フォトニック結晶部の面積は凡そ51μmで、以上のパラメータは上部、下部フォトニック結晶層ともに共通である。
孔半径は、上部フォトニック結晶層が70nm、下部フォトニック結晶層が43nmである。
厚さは、上部フォトニック結晶層が65nm、下部フォトニック結晶層が135nmである。
本発明の実施形態において説明したとおり、下部フォトニック結晶層は主に光のフィードバックを担うため、波長、閾値などのレーザ発振特性はほぼこのフォトニック結晶の特性で決定する。
また、上部フォトニック結晶層は主に光の閉じ込め層として機能しているため、この層の存在により、共振光は電極でほとんど吸収されない。本実施例においては、電流注入により波長420nm付近で発振する。
本実施例のレーザ素子は、結晶成長プロセス、フォトリソグラフィー、EBリソグラフィーなどのリソグラフィープロセス、リフトオフプロセス、等を用いて製造することができる。
また、ウェット・ドライエッチングなどのエッチングプロセス・選択エッチングプロセス、蒸着・スパッタリングなどの電極形成プロセス、等を用いて製造することができる。
ここで、2段のフォトニック結晶部のみ、作製プロセスについて詳しく説明する。まず、フォトニック結晶層の上部にレジストを塗布しEBリソでパターニングする。
その上にp電極を形成し、さらにSiNのマスクを形成し、電極下のレジストをアセトンで溶かすことで電極をリフトオフして上層空孔のみが形成された電極パターンとする。
再度、レジストを塗布し、レジストをパターニングした後ドライエッチングにより転写し、下部フォトニック結晶層まで空孔を形成する。これが孔径の小さい下層空孔となる。
その後SiNが乗った電極そのものをマスクとし、上部空孔を形成する。本実施例では、電極にSiN層を設けマスクとしたが、これを形成せず、電極そのものをマスクとして作製することも可能である。
図10は、上部フォトニック結晶層における高屈折率媒質の全部と、上部フォトニック結晶層における低屈折率媒質の一部の上に形成され、上部フォトニック結晶層の空孔が電極に設けられた空孔よりも大きい時の素子の様子を示す模式的断面図である。
図10に示されるように、図3(b)の素子をウエットエッチングで作製した場合の模式断面図であるが、電極915の下部まで上層空孔913が広がっている。
このような場合、ドライエッチングで上部フォトニック結晶を形成するよりも、広い穴を作ることができ、従って体積分率もより下がることになり好ましい。しかし、等方性であるが故に、フォトニック結晶の側壁の垂直性は損なわれる傾向にある。
また、本実施例においては、電極は上部フォトニック結晶層と同様にパターニングした構造となっているが、上記本発明の実施形態において述べたように、パターニングしない平板状の電極を設けることも可能である。
このときは、フォトニック結晶をパターニングした後、平板上の電極を形成するか、電極を形成したフォトニック結晶を平板電極にボンディングする等して作製する。
また、電極の種類もpとnを入れ替えることもできる。このときは結晶のドーピングが本実施例と逆転する。
また、同じく上記本発明の実施形態において述べたように、上部フォトニック結晶層においては、必ずしも周期構造である必要もない。
また、周期構造である場合でも、必ずしも下部フォトニック結晶層と周期を同一にする必要はない。
また、導波路の厚さ、フォトニック結晶のパラメータを用いることも可能である。例えば、導波路厚さを厚くすると、高次の導波モードが表れるが、それらを用いることも出来る。本実施例では、0次の同波モードを用いている。
また、フォトニック結晶の周期を大きくすると、高次の回折モードが現れるがそれらを用いることも可能である。
本実施例では、面内共振には2次の回折、面垂直方向には1次の回折を利用するモードを用いている。
あるいは、上記した面発光レーザ素子に用いる導波モード等において設計により自由に選択できる点は、以下に述べる実施例2、3においてもすべて同様である。
実施例2においては、本発明を適用した実施例1とは異なる形態の面発光レーザの構成例について説明する。
図4及び図5に、本実施例における面発光レーザの構成例を説明する模式図を示す。
図4は面発光レーザ全体の斜視図である。
図5(a)は図4に示す面発光レーザをa−a’に沿ってz軸方向に切断した断面における模式的断面図、図5(b)は図4に示す面発光レーザをb−b’に沿ってz軸方向に切断した断面における模式的断面図である。
図5(c)は図4に示す面発光レーザをz方向より見たときの模式的平面図である。
図4及び図5において、401は基板、402はクラッド層、403は下部導波路層、404は活性層、405は上部導波路層である。
407は下部フォトニック結晶層、408は上部フォトニック結晶層、409はフォトニック結晶層、411は下層フォトニック結晶層空孔、413は上層フォトニック結晶層空孔414はn電極、415はp電極である。
ここでも上部フォトニック結晶層の上層溝の体積分率は、下部フォトニック結晶層の下層空孔411の体積分率よりも大きくなっている。
本実施例においては、レーザ素子を構成する材料は実施例1と同様であり、GaN系を用いている。
上部フォトニック結晶層のストライプ幅(上層溝幅413)は85nm、また導波路層の厚さは、上部、下部導波路層ともそれぞれ90nmである。
p電極のパターンは、上部フォトニック結晶層の形状と同様にストライプ型となっている。周期、ストライプ幅などのパラメータは、上部フォトニック結晶層のものと同様になっている。
本実施例においても、実施例1と同様、電流注入により波長420nm付近で発振する。
従って本実施例のように、上部フォトニック結晶層をストライプの1次元フォトニック結晶、下部フォトニック結晶層を正方格子の2次元フォトニック結晶とすることも可能である。
まず、上部フォトニック結晶の空気部分(上層溝413)の体積分率は大きい方が好ましいが、円形空孔パターンにおいては体積分率を大きくしていくと、あるところで隣の空孔同士がつながってしまう。
空孔同士がつながってしまうと、電極は全面でつながらなくなり、電流注入することはできない(体積分率上限はおよそ70%程度)。従って、体積分率には幾何学的に上限がある。
ストライプの場合には、幾何的にはどれだけ体積分率を上げても(電極を細くしても)、フォトニック結晶面全面に渡り電流注入することができる。
但し、実際には、電極幅を細くしすぎると抵抗が大きくなるため、こちらにも体積分率の上限は存在し、凡そ97%程度と見積られる。
また、電極の幅を一定に出来るため、円形空孔アレイパターンなどに比べ粗密なく一様に電流を注入できるという利点もある。
さらに、上部フォトニック結晶層をストライプ形状とした時、フォトニック結晶のパラメータによっては次のような利点も存在する。
ここでは、上部フォトニック結晶層の体積分率を同じくしたときの空孔とストライプの場合とを比較している。
図6から分かるように、上部フォトニック結晶層の空気部分(空孔または上層溝)の体積分率が52%より大きい時、円形空孔よりもストライプ型配置の方が吸収率が少なくなっている。
体積分率が52%の時は、吸収率は両者の間でほぼ等しく、このとき空孔半径は0.41a、ストライプ線幅(媒質の方)は、60nmである。
図7に示す電場強度分布は、電極と上部フォトニック結晶層の境界部における、フォトニック結晶の単位セルにおけるものである。
ストライプの場合は、周期構造の周期方向は図の縦方向のみであるため、縦方向の長さはストライプ周期分であり、横方向は周期はないが縦方向の周期分の大きさの正方領域を取ってある。実際は上の領域が縦横に敷き詰められ、フォトニック結晶層となっている。
図7の表の下部にあるレーザデバイスの図で見ると、c−c’の線に沿って、基板と平行方向に切った断面における電場分布の様子である。
電場分布の図中にある白線は、それぞれ上部フォトニック結晶層の格子点(格子線)を描いたものである。
円形ホールの場合、ストライプの場合とも、上部フォトニック結晶の上層で、かつ白線の外側の部分にのみ電極が設けられている。
それに対して、上部フォトニック結晶の体積分率を大きくして行くと、円形ホールの時は電場強度は電極部において最も強いままであるが、ストライプの場合は、電極部以外の部分で強くなることが分かる。
以上の理由により、上部フォトニック結晶層の個体媒質の体積分率を低くすると、共振光の電極による吸収損失が減少し、従って図6のグラフのように吸収率が減少したものと推測される。
このような傾向は、上部フォトニック結晶の体積分率が52%より大きく、下部フォトニック結晶層の穴径が0.225a以上のときに現れる。
従って、下部フォトニック結晶の穴径は0.225a以上(空孔体積分率16%以上)で、かつ上部フォトニック結晶層の空孔部分(気体媒質)の体積分率は52%より大きく97%以下が、パラメータとしては特に好ましい。
この上部フォトニック結晶層の空孔部分(気体媒質)の体積分率の上限の97%は電気抵抗の要因によるものである。すなわち、あまりに空孔部の体積が大きくなり半導体部分が減少すると、電気抵抗が大きくなりすぎてしまうためである。
本実施例におけるレーザ素子の作製方法は、実施例1と同様のプロセスで作製することができる。実施例1の上部フォトニック結晶パターンを変えたものである。
実施例3においては、上記各実施例とは異なる形態の面発光レーザの構成例について説明する。
図8に、本発明の実施例3における面発光レーザを説明する模式図を示す。
図8(a)は面発光レーザ全体の斜視図である。
図8(b)は面発光レーザをa−a’に沿ってz軸方向に切断した断面における模式的断面図である。
図8(c)は面発光レーザをb−b’を通り、x−y面に平行な平面で切った時の模式的断面図である。
図8(d)は面発光レーザをc−c’を通り、x−y面に平行な平面で切った時の模式的断面図である。
図8において、701は基板、702はクラッド層、703は下部導波路層、704は活性層、705は上部導波路層である。
709はフォトニック結晶層、713は上層フォトニック結晶層空孔、714はn電極、715はp電極である。
材料に関してはフォトニック結晶層も含め、全ての部位が実施例1と同じである。
従って、以下にフォトニック結晶部についての違いのみ説明する。
本実施例においては、上部フォトニック結晶層708は実施例1と同様円形ホールタイプの正方格子を用いているが、下部フォトニック結晶層707が実施例1と異なっている。
具体的には、図8(c)に示すように、下部フォトニック結晶層(第1の屈折率周期構造層)707における低屈折率媒質が環状形状に形成されている。
この環状形状のフォトニック結晶は、環幅が、20nm、内円の半径が23nmである。周期は170nm、外円部の半径は43nmであり、それぞれ実施例1と同様である。その他、下部フォトニック結晶層707、上部フォトニック結晶708の厚さに関しても、実施例1と同様である。
円形空孔の場合、半導体媒質体積分率を大きくするため空孔径を小さくすると、フォトニック結晶に対する共振光の重なりが大きくなり、フィードバック効果が大きくなる。
しかし、同じ光の重なりで、空孔径が大きい時よりもフィードバック効果は低い。
そこで、本実施例のように環状型として中心を埋め、空気部分の散乱面積を増やしてやることで、空孔径が大きい時に似た効果を出し、さらにフィードバック効果を高めることができる。
本実施例における素子の作製方法は、実施例1と同様の行程で作製することができる。
本実施例においては下部フォトニック結晶層では円形環の格子点としたが、環状形状であればどのようなものを用いてもよい。
例えば、方形環や三角形環などの多角形環や、楕円環を用いることも可能である。
102、302、402、702:クラッド層
103、303、403、703:下部導波路層
104、304、404、704:活性層
105、305、405、705:上部導波路層
106:導波路層
107:下部屈折率周期構造層
108:上部屈折率周期構造層
109:屈折率周期構造層
110:下層高屈折率媒質
111:下層低屈折率媒質
112:上層高屈折率媒質
113:上層低屈折率媒質
114:下部電極
115:上部電極
307、407:下部フォトニック結晶層
308、408:上部フォトニック結晶層
309、409:フォトニック結晶層
311、411:下層フォトニック結晶層空孔
313、413、713:上層フォトニック結晶層空孔
314、414、714:n電極
315、415、715:p電極
Claims (7)
- 活性層を備えた導波路層と、
前記活性層からの光を面内方向で共振させる位置に配置された屈折率周期構造と、を有する面発光レーザであって、
前記屈折率周期構造が、前記活性層側に設けられている低屈折率媒質と高屈折率媒質とからなる第1の屈折率周期構造層と、該第1の屈折率周期構造層上に積層された低屈折率媒質と高屈折率媒質とからなる第2の屈折率周期構造層とを備え、
前記第2の屈折率周期構造層における前記低屈折率媒質の体積分率が、前記第1の屈折率周期構造層における前記低屈折率媒質よりも大きい体積分率を有し、 前記第1の屈折率周期構造層における屈折率周期構造が2次元周期構造であり、
前記第2の屈折率周期構造層における屈折率周期構造がストライプ状の1次元周期構造であり、
前記第2の屈折率周期構造層に隣接して、電極が形成されていることを特徴とする面発光レーザ。 - 前記第1の屈折率周期構造層における屈折率周期構造を構成するパターンが正方格子状であることを特徴とする請求項1に記載の面発光レーザ。
- 前記第1の屈折率周期構造層を構成する低屈折率媒質としての気体媒質の体積分率が16%以上であり、
前記第2の屈折率周期構造層を構成する低屈折率媒質としての気体媒質の体積分率が52%より大きく97%以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の面発光レーザ。 - 前記電極が、前記第2の屈折率周期構造層における前記高屈折率媒質の全部と、前記第2の屈折率周期構造層における前記低屈折率媒質の一部に隣接して、形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
- 前記電極が、前記第2の屈折率周期構造層における前記高屈折率媒質の上に形成されており、
前記第2の屈折率周期構造層における前記高屈折率媒質のパターンと、前記電極のパターンとが、同一のパターンであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の面発光レーザ。 - 前記第1の屈折率周期構造層における前記低屈折率媒質が、環状形状であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
- 前記第2の屈折率周期構造層における周期構造の周期が、不規則にずれて構成されていることを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の面発光レーザ。
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