JP7204988B2 - ひび割れ検出装置、ひび割れ検出方法及びひび割れ検出プログラム - Google Patents
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Description
ひび割れを検出する際に用いられる画像データは、路面を真上から撮像して得られたオルソ画像である。オルソ画像を得るためには、撮像装置を車両の外側にはみ出させて設置する必要がある。そのため、オルソ画像を得るためには、オルソ画像を得るための専用の装置が必要になる。
斜めから撮像して得られた画像データを変換してオルソ画像を生成した上で、路面のひび割れを検出することが行われている(特許文献1参照)。
本開示は、路面を斜めから撮像して得られた画像データを用いて、路面のひび割れを適切に検出可能にすることを目的とする。
移動体に搭載された撮像装置により路面に対して斜めの方向から前記路面を撮像して得られた画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得された前記画像データを、解像度が基準値よりも高い許容範囲と、解像度が前記基準値以下の非許容範囲とに分類する画像分類部と、
前記画像分類部によって前記許容範囲に分類された部分の画像データである許容データを前記路面のひび割れを検出するためのデータとして出力するデータ出力部と、
前記撮像装置のシャッタースピードと、前記移動体の移動速度とに応じて、検出するひび割れ幅の下限値である判定幅と設定する幅設定部と
を備える。
***構成の説明***
図1を参照して、実施の形態1に係るひび割れ検出装置10の構成を説明する。
ひび割れ検出装置10は、コンピュータである。ひび割れ検出装置10は、路面に対して斜めの方向から路面を撮像して得られた画像データから、路面のひび割れを検出する。
ひび割れ検出装置10は、プロセッサ11と、メモリ12と、ストレージ13と、通信インタフェース14とのハードウェアを備える。プロセッサ11は、信号線を介して他のハードウェアと接続され、これら他のハードウェアを制御する。
ストレージ13には、ひび割れ検出装置10の各機能構成要素の機能を実現するプログラムが格納されている。このプログラムは、プロセッサ11によりメモリ12に読み込まれ、プロセッサ11によって実行される。これにより、ひび割れ検出装置10の各機能構成要素の機能が実現される。
撮像装置30は、移動体である車両31の上部に搭載されている。図2では、撮像装置30は、車両31の上部から、車両31の後方の路面32を撮像する。これにより、撮像装置30によって撮像されて得られた画像データは、路面32に対して斜めの方向から路面32が撮像されて画像データになる。
図3から図7を参照して、実施の形態1に係るひび割れ検出装置10の動作を説明する。
実施の形態1に係るひび割れ検出装置10の動作手順は、実施の形態1に係るひび割れ検出方法に相当する。また、実施の形態1に係るひび割れ検出装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態1に係るひび割れ検出プログラムに相当する。
画像取得部21は、撮像装置30によって路面32に対して斜めの方向から路面32を撮像して得られた画像データを取得する。
画像分類部22は、ステップS11で取得された画像データを、解像度が基準値よりも高い許容範囲と、解像度が前記基準値以下の非許容範囲とに分類する。
具体的には、図4に示すように、画像分類部22は、撮像装置30からの距離に応じて、画像データを許容範囲と非許容範囲とに分類する。撮像装置30からの距離が近いほど解像度は高くなり、撮像装置30からの距離が遠いほど解像度は低くなる。したがって、画像分類部22は、撮像装置30からの距離が近い一部の範囲を許容範囲に分類し、その他を非許容範囲に分類する。
図5に示すように、撮像装置30の設置の仕方によっては、画像データの一部に撮像装置30を搭載した車両31が映り込む。この場合には、車両31が映り込んだ範囲は、解像度は高いものの、路面32が映っていないため、路面32のひび割れの検出には利用できない。したがって、画像分類部22は、車両31が映り込んだ範囲についても非許容範囲に分類する。
データ出力部23は、ステップS12で許容範囲に分類された部分の画像データである許容データを路面32のひび割れを検出するためのデータとして出力する。実施の形態1では、データ出力部23は、許容データを画像表示部24に出力する。
画像表示部24は、ステップS13で出力されたデータである許容データを表示装置に表示する。
路面32を規定サイズの矩形領域に分割し、各矩形領域に含まれるひび割れの数に基づき路面32の健全性を判定する場合には、図7に示すように、データ出力部23は、許容データに矩形領域の分割線33を示した上で表示する。
以上のように、実施の形態1に係るひび割れ検出装置10は、路面に対して斜めの方向から路面を撮像して得られた画像データのうち、解像度が基準値よりも高い許容範囲の部分の画像データを路面のひび割れを検出するためのデータとして表示する。
これにより、ひび割れの検出が困難な画像データに基づき、ひび割れの検出が行われることが防止される。つまり、実際にはひび割れがあっても、画像データではひび割れの有無が判別困難な画像データに基づき、ひび割れの検出が行われることが防止される。その結果、路面32のひび割れを適切に検出可能である。
<変形例1>
実施の形態1では、目視によりひび割れの検出が行われた。しかし、画像データからひび割れを自動検出してもよい。この場合には、図8に示すように、ひび割れ検出装置10は、画像表示部24に代えてひび割れ検出部25を備える。ひび割れ検出部25は、ステップS13で出力されたデータである許容データを入力として、ひび割れを検出する。
ひび割れを自動検出する場合にも、実施の形態1と同様に、実際にはひび割れがあっても、画像データではひび割れの有無が判別困難な画像データに基づき、ひび割れの検出が行われることが防止される。その結果、路面のひび割れを適切に検出可能である。
実施の形態1では、各機能構成要素がソフトウェアで実現された。しかし、変形例2として、各機能構成要素はハードウェアで実現されてもよい。この変形例2について、実施の形態1と異なる点を説明する。
各機能構成要素がハードウェアで実現される場合には、ひび割れ検出装置10は、プロセッサ11とメモリ12とストレージ13とに代えて、電子回路15を備える。電子回路15は、各機能構成要素と、メモリ12と、ストレージ13との機能とを実現する専用の回路である。
各機能構成要素を1つの電子回路15で実現してもよいし、各機能構成要素を複数の電子回路15に分散させて実現してもよい。
変形例3として、一部の各機能構成要素がハードウェアで実現され、他の各機能構成要素がソフトウェアで実現されてもよい。
実施の形態2は、許容データから有効データを抽出し、有効データを路面32のひび割れを検出するためのデータとして出力する点が実施の形態1と異なる。実施の形態2では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
図10を参照して、実施の形態2に係るひび割れ検出装置10の構成を説明する。
ひび割れ検出装置10は、機能構成要素として、画像抽出部26を備える点が図1に示すひび割れ検出装置10と異なる。画像抽出部26は、他の機能構成要素と同様に、ソフトウェア又はハードウェアによって実現される。
図11から図13を参照して、実施の形態2に係るひび割れ検出装置10の動作を説明する。
実施の形態2に係るひび割れ検出装置10の動作手順は、実施の形態2に係るひび割れ検出方法に相当する。また、実施の形態2に係るひび割れ検出装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態2に係るひび割れ検出プログラムに相当する。
実施の形態2では、画像取得部21は、移動体である車両31に搭載された撮像装置30によって、車両31が道路を移動している際に繰り返し撮像されて得られた複数の画像データを取得する。
画像抽出部26は、繰り返し得られた複数の画像データそれぞれから得られる許容データから、他の許容データと重複する重複エリア34について解像度が高い許容データを残すことにより有効データを抽出する。
具体的には、図12に示すように、複数の画像データは、撮像間隔によっては重複する領域を撮像して得られる。そして、各画像データについての許容範囲についても重複している場合がある。この許容範囲が重複するエリアが重複エリア34である。許容範囲に分類された範囲であっても、撮像装置30に近いほど解像度が高い。そのため、重複エリア34については、先に取得された画像データにおける許容データの方が、後に取得された画像データにおける許容データよりも解像度が高い。そこで、画像抽出部26は、重複エリア34については、先に取得された画像データにおける許容データを残し、後に取得された画像データにおける許容データを削除する。そして、画像抽出部26は、残った許容データを有効データに設定する。
このとき、画像データ1の許容データには、領域Aのデータ及び領域Bのデータが含まれている。また、画像データ2の許容データには、領域Bのデータ及び領域Cのデータが含まれている。つまり、領域Bは、重複エリア34である。画像データ1では、画像データ2よりも、領域Bは撮像装置30に近い。したがって、領域Bについては、先に取得された画像データ1の許容データを残し、画像データ2の許容データを削除する。
同様に、画像データ2の許容データには、領域Bのデータ及び領域Cのデータが含まれている。また、画像データ3の許容データには、領域Cのデータ及び領域Dのデータが含まれている。つまり、領域Cは、重複エリア34である。画像データ2では、画像データ3よりも、領域Cは撮像装置30に近い。したがって、領域Cについては、先に取得された画像データ2の許容データを残し、画像データ3の許容データを削除する。
同様に、画像データ3の許容データには、領域Cのデータ及び領域Dのデータが含まれている。また、画像データ4の許容データには、領域Dのデータ及び領域Eのデータが含まれている。つまり、領域Dは、重複エリア34である。画像データ3では、画像データ4よりも、領域Dは撮像装置30に近い。したがって、領域Dについては、先に取得された画像データ3の許容データを残し、画像データ4の許容データを削除する。
その結果、有効データとしては、画像データ1の許容データである領域Aのデータ及び領域Bのデータと、画像データ2の許容データである領域Cのデータと、画像データ3の許容データである領域Dのデータと、画像データ4の許容データである領域Eのデータとが含まれる。
データ出力部23は、ステップS23で抽出された有効データを路面のひび割れを検出するためのデータとして出力する。
以上のように、実施の形態2に係るひび割れ検出装置10は、複数の画像データそれぞれから得られる許容データから、他の許容データと重複する重複エリア34について解像度が高い許容データを残すことにより有効データを抽出する。そして、ひび割れ検出装置10は、有効データを路面32のひび割れを検出するためのデータとして出力する。
これにより、実施の形態1に比べ、より解像度が高い画像データからひび割れを検出できる。その結果、路面32のひび割れを適切に検出可能である。
<変形例4>
変形例1と同様に、目視によりひび割れの検出を行うのではなく、画像データからひび割れを自動検出してもよい。
図11のステップS25では、画像表示部24は、ステップS24で出力されたデータである有効データを表示する。この際、画像表示部24は、図14に示すように、複数の画像データそれぞれから抽出された有効データを、複数の画像データが得られた順に並べて一度に表示してもよい。
目視によりひび割れの検出を行う場合には、一度に広範囲の画像データを確認できるため、効率的にひび割れを検出することが可能である。
撮像装置30は、撮像可能な撮像領域のうち、解像度が基準値よりも高いデータが得られる部分領域であって、撮像装置30からの距離が基準範囲である部分領域だけを撮像してもよい。つまり、撮像装置30は、撮像領域のうち、有効データとして抽出される領域だけを撮像してもよい。
実施の形態2では、撮像装置30が撮像可能な撮像領域全体を撮像し、得られた画像データから有効データを抽出することを想定した。しかし、一定の距離だけ車両31が移動する度に撮像装置30のシャッターが切られる場合、又は、車両31が一定速度で移動しており、一定時間毎にシャッターが切られる場合には、撮像領域全体を撮像して得られた画像データから有効データとして抽出される領域は事前に特定可能である。また、撮像装置30には、撮像領域のうち指定された領域だけを撮像する機能を有する装置がある。そこで、事前に有効データとして抽出される領域を指定しておき、撮像装置30は、有効データとして抽出される領域だけを撮像する。
但し、車両31の移動速度が多少変化する場合等を考慮して、少し余裕をもった幅を撮像するようにしてもよい。例えば、2倍の幅である50cm幅だけ撮像してもよい。
画像データを記憶装置に書き込む速度が限界に達しているために、1秒間に取得可能な画像データの数が制限されている場合がある。この場合には、画像データのサイズが小さくなることで、1秒間に取得する画像データの数を増やすことができる。1秒間に取得する画像データの数を増やせば、各画像データからはより撮像装置30に近い部分だけが有効データとして抽出されることになる。その結果、より解像度が高い画像データからひび割れを検出することが可能になる。
実施の形態3は、撮像装置30のシャッタースピードと、車両31の移動速度とに基づき、検出するひび割れ幅の下限値である判定幅を設定する点が実施の形態1,2と異なる。実施の形態3では、この異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
実施の形態3では、実施の形態1に機能を加えた場合を説明する。しかし、実施の形態2に機能を加えることも可能である。
図15を参照して、実施の形態3に係るひび割れ検出装置10の構成を説明する。
ひび割れ検出装置10は、機能構成要素として、幅設定部27と、参照情報表示部28とを備える点が図1に示すひび割れ検出装置10と異なる。幅設定部27と、参照情報表示部28とは、他の機能構成要素と同様に、ソフトウェア又はハードウェアによって実現される。
図16及び図17を参照して、実施の形態3に係るひび割れ検出装置10の動作を説明する。
実施の形態3に係るひび割れ検出装置10の動作手順は、実施の形態3に係るひび割れ検出方法に相当する。また、実施の形態3に係るひび割れ検出装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態3に係るひび割れ検出プログラムに相当する。
幅設定部27は、ステップS31で取得された画像データを取得した際の、撮像装置30のシャッタースピードと、車両31の移動速度とを示す情報を取得する。具体的には、撮像装置30が撮像した画像データを記憶する際、シャッタースピードと、車両31の速度とを合わせて記憶する。幅設定部27は、画像データとともに記憶されたシャッタースピードと、車両31の速度とを示す情報を読み出す。
幅設定部27は、取得された情報が示すシャッタースピードと移動速度とに応じて、検出するひび割れ幅の下限値である判定幅を設定する。
例えば、60km/hで車両31が移動し、撮像装置30がシャッタースピード0.05msec(ミリ秒)で撮像するとする。この場合には、シャッター開口時に車両31は0.83mm(ミリメートル)進む。したがって、ひび割れ幅は、車両31の進行方向に0.83mm伸びてしまう。例えば、1mm幅のひび割れは、1.83mm幅のひび割れとして画像データには示される。
例えば、60km/hで車両31が移動し、撮像装置30がシャッタースピード0.05msec(ミリ秒)で撮像するとする。また、1mm以上の幅のひび割れを検出するとする。この場合には、判定幅を1.83mmにする。
画像表示部24は、ステップS33で出力されたデータを表示する。この際、参照情報表示部28は、ステップS34で設定された判定幅を示す参考情報を表示する。
具体例としては、図17に示すように、参照情報表示部28は、ステップS33で出力されたデータの付近に、判定幅の線35を参考情報として表示する。図17では、車両31の進行方向に平行な線35Aと、進行方向に垂直な線35Bとが示されている。線35Aと線35Bとは幅が異なる。これは、判定幅は車両31の進行方向に伸びているため、線35Bの幅は伸びているが線35Aの幅は伸びていないためである。
以上のように、実施の形態3に係るひび割れ検出装置10は、撮像装置30のシャッタースピードと、車両31の移動速度とに基づき、判定幅を設定する。これにより、適切な判定幅が設定される。その結果、路面32のひび割れを適切に検出可能である。
<変形例7>
変形例1と同様に、目視によりひび割れの検出を行うのではなく、画像データからひび割れを自動検出してもよい。この場合には、ひび割れ検出部25は、データ出力部23によって出力されたデータから、判定幅よりも幅が広いひび割れを検出すればよい。
なお、判定幅は車両31の進行方向に伸びるので、ひび割れの方向に応じた判定幅に基づきひび割れを検出する必要がある。
実施の形態4は、画像データにおける位置に応じて、検出するひび割れ幅の下限値である判定幅を設定する点が実施の形態3と異なる。実施の形態4では、この異なる点を説明して、同一の点については説明を省略する。
実施の形態4では、実施の形態1に対して実施の形態3の機能が追加された構成に対して、さらに機能を追加する場合を説明する。しかし、実施の形態2に対して実施の形態3の機能が追加された構成に対して、さらに機能を追加することも可能である。
図18及び図19を参照して、実施の形態4に係るひび割れ検出装置10の動作を説明する。
実施の形態4に係るひび割れ検出装置10の動作手順は、実施の形態4に係るひび割れ検出方法に相当する。また、実施の形態4に係るひび割れ検出装置10の動作を実現するプログラムは、実施の形態4に係るひび割れ検出プログラムに相当する。
幅設定部27は、画像データにおける位置に応じて、検出するひび割れ幅の下限値である判定幅を設定する。
具体的には、幅設定部27は、ステップS43で出力されたデータである許容データを分割して得られる領域毎に、その領域の位置に応じて判定幅を設定する。斜めから撮像して得られた画像データでは、位置によって解像度が異なり、同じ幅のひび割れでも画像データでは位置によって異なる幅で表されている。つまり、同じ幅のひび割れでも画像データでは位置によって異なる画素数で表される。具体的には、同じ幅のひび割れでも、撮像装置30から離れた位置ほど狭い幅で表される。そこで、幅設定部27は、撮像装置30から離れた位置ほど判定幅を狭く設定する。
幅設定部27は、ステップS44で設定された判定幅を、シャッタースピードと移動速度とに応じて変更する。つまり、幅設定部27は、ステップS44で設定された判定幅を、シャッタースピードと移動速度とに応じて進行方向に伸ばす。
画像表示部24は、ステップS43で出力されたデータを表示する。この際、参照情報表示部28は、ステップS45で設定された判定幅を示す参考情報を表示する。
具体例としては、図19に示すように、参照情報表示部28は、ステップS43で出力されたデータの付近に、位置毎の判定幅の線35を参考情報として表示する。図19では、ステップS43で出力されたデータである許容データが複数の矩形領域に分割されている。そして、各矩形領域について、撮像装置30からの距離に応じて判定幅が設定され、撮像装置30からの距離毎に判定幅の線35が参考情報として表示されている。
以上のように、実施の形態4に係るひび割れ検出装置10は、画像データにおける位置に応じて、検出するひび割れ幅の下限値である判定幅を設定する。これにより、適切な判定幅が設定される。その結果、路面32のひび割れを適切に検出可能である。
なお、オルソ画像では、どの位置であっても同じ幅のひび割れは同じ幅で表される。したがって、斜めから撮像して得られた画像データを用いてひび割れを検出する場合に、実施の形態4で説明した方法は有効である。
<変形例8>
実施の形態4では、実施の形態3で説明したシャッタースピードと移動速度とに応じて判定幅を設定する技術も用いた。しかし、シャッタースピードと移動速度とに応じて判定幅を設定する技術を用いず、単に位置に基づき判定幅を設定するだけでもよい。
この場合には、判定幅の正確性が悪くなる。しかし、画像データ全体について同じ判定幅を用いる場合に比べると、判定幅の正確性は高い。
実施の形態5では、撮像装置30の構成を説明する。実施の形態5では、実施の形態1~4と異なる点を説明し、同一の点については説明を省略する。
図20から図23を参照して、実施の形態5に係る撮像装置30の構成を説明する。
図20に示すように、実施の形態5では、撮像装置30は、車両31の前方を撮像する既存の計測ユニット40に取り付けられる構成である。具体的には、計測ユニット40に搭載された部品41を取り外して、撮像装置30の取付板42(図21参照)を計測ユニット40に置き、部品41を取付板42の上から計測ユニット40に取り付ける。これにより、撮像装置30の取付板42が計測ユニット40に取り付けられる。実施の形態5では、撮像装置30は、2台のカメラから構成されている。
このように、鉛直方向及び水平方向に撮像方向を移動できるため、撮像装置30を路面32を撮像するためだけでなく、車両31の周囲を撮像するためにも用いることが可能である。そのため、撮像装置30を路面32を撮像するための専用装置とする必要がない。
斜めから撮像して得られた画像データをオルソ画像に変換するには複雑な演算が必要になる。また、ひび割れを検出する際には、解像度の高い画像データを用いる必要がある。そのため、路面を撮像して得られた大量の、解像度の高い画像データをオルソ画像に変換するには、長い処理時間が必要になってしまう。しかし、本開示に係るひび割れ検出装置10を用いることにより、ひび割れを検出するための処理時間を短くすることが可能である。
Claims (11)
- 移動体に搭載された撮像装置により路面に対して斜めの方向から前記路面を撮像して得られた画像データを取得する画像取得部と、
前記画像取得部によって取得された前記画像データを、解像度が基準値よりも高い許容範囲と、改造度が前記基準値以下の非許容範囲とに分類する画像分類部と、
前記画像分類部によって前記許容範囲に分類された部分の画像データである許容データを前記路面のひび割れを検出するためのデータとして出力するデータ出力部と、
前記撮像装置のシャッタースピードと、前記移動体の移動速度とに応じて、検出するひび割れ幅の下限値である判定幅を設定する幅設定部と
を備えるひび割れ検出装置。 - 前記画像分類部は、前記画像データのうち車両が映り込んだ範囲については前記非許容範囲に分類する
請求項1に記載のひび割れ検出装置。 - 前記画像データは、前記撮像装置によって、前記移動体が移動しながら繰り返し得られ、
前記ひび割れ検出装置は、さらに、
繰り返し得られた複数の画像データそれぞれから得られる許容データから、他の許容データと重複する重複エリアについて解像度が高い許容データを残すことにより有効データを抽出する画像抽出部
を備え、
前記データ出力部は、前記画像抽出部によって抽出された前記有効データを前記路面のひび割れを検出するためのデータとして出力する
請求項1又は2に記載のひび割れ検出装置。 - 前記ひび割れ検出装置は、さらに、
前記データ出力部によって出力されたデータを表示装置に表示する画像表示部
を備える請求項3に記載のひび割れ検出装置。 - 前記画像表示部は、前記複数の画像データそれぞれから抽出された前記有効データを、前記複数の画像データから得られた順に並べて一度に表示する
請求項4に記載のひび割れ検出装置。 - 前記幅設定部は、前記画像データにおける位置に応じて、前記判定幅を設定する請求項1から5のいずれか1項に記載のひび割れ検出装置。
- 前記ひび割れ検出装置は、さらに、
前記幅設定部によって設定された前記判定幅を示す参考情報を表示する参照情報表示部を備える請求項1から6までのいずれか1項に記載のひび割れ検出装置。 - 前記ひび割れ検出装置は、さらに、
前記データ出力部によって出力されたデータから、前記判定幅よりも幅が広いひび割れを検出するひび割れ検出部
を備える請求項1から7までのいずれか1項に記載のひび割れ検出装置。 - 前記画像データは、前記撮像装置が撮像可能な撮像領域のうち、解像度が基準値よりも高いデータが得られる部分領域であって、前記撮像装置からの距離が基準範囲である部分領域だけが撮像されて得られた
請求項1から8までのいずれか1項に記載のひび割れ検出装置。 - 画像取得部が、移動体に搭載された撮像装置により路面に対して斜めの方向から前記路面を撮像して得られた画像データを取得し、
画像分類部が、前記画像データを、解像度が基準値よりも高い許容範囲と、解像度が前記基準値以下の非許容範囲とに分類し、
データ出力部が、前記許容範囲に分類された部分の画像データである許容データを前記路面のひび割れを検出するためのデータとして出力し、
幅設定部が、前記撮像装置のシャッタースピードと、前記移動体の移動速度とに応じて、検出するひび割れ幅の下限値である判定幅を設定するひび割れ検出方法。 - 移動体に搭載された撮像装置により路面に対して斜めの方向から前記路面を撮像して得られた画像データを取得する画像取得処理と、
前記画像取得処理によって取得された前記画像データを、解像度が基準値よりも高い許容範囲と、解像度が前記基準値以下の非許容範囲とに分類する画像分類処理と、
前記画像分類処理によって前記許容範囲に分類された部分の画像データである許容データを前記路面のひび割れを検出するためのデータとして出力するデータ出力処理と、
前記撮像装置のシャッタースピードと、前記移動体の移動速度とに応じて、検出するひび割れ幅の下限値である判定幅の設定をする幅設定処理と
を行うひび割れ検出装置としてコンピュータを機能させるひび割れ検出プログラム。
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