以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
<1.電源システムの構成>
まず、図1及び図2を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置100を備える電源システム1の構成について説明する。
図1は、電源システム1の概略構成を示す模式図である。図2は、制御装置100の機能構成の一例を示すブロック図である。
電源システム1は、具体的には、電気自動車(EV)又はハイブリッド自動車(HEV)等の電動車両に搭載され、車両内の各装置に電力を供給するために用いられるシステムである。なお、電動車両は、駆動用モータを駆動源として備える車両であればよく、鉄道車両も含む。
図1に示されるように、電源システム1は、第1二次電池10と、第2二次電池20と、制御装置100とを備える。さらに、電源システム1は、DCDCコンバータ30と、インバータ40と、駆動用モータ50と、第1バッテリセンサ71と、第2バッテリセンサ72と、外気温センサ73と、コンバータ電流センサ74とを備える。電源システム1が搭載される車両は、駆動用モータ50を駆動源として走行する。
電源システム1において、第1二次電池10は、本発明に係る第1蓄電装置の一例に相当する。また、第2二次電池20は、本発明に係る第2蓄電装置の一例に相当する。また、DCDCコンバータ30は、本発明に係る電圧変換機の一例に相当する。
また、電源システム1では、後述するように、DCDCコンバータ30の故障時には、第1二次電池10及び第2二次電池20はDCDCコンバータ30を介して電気的に接続されるようになっている。
第1二次電池10は、駆動用モータ50と接続される蓄電装置である。具体的には、第1二次電池10は、インバータ40を介して駆動用モータ50と接続されている。第1二次電池10としては、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池が用いられる。なお、第1二次電池10は、このような例に特に限定されず、ニッケル水素電池等の他の二次電池であってもよく、電気二重層キャパシタ等の他の蓄電装置であってもよい。また、車両の加速性能を効果的に向上させる観点では、第1二次電池10は、第2二次電池20と比較して、高出力の(つまり、大きな出力密度を有する)蓄電装置であることが好ましい。
駆動用モータ50は、車両の駆動輪を駆動させるための動力を出力可能であり、具体的には、多相交流式(例えば、三相交流式)のモータである。駆動用モータ50は、第1二次電池10からインバータ40を介して供給される電力を用いて動力を生成する。また、駆動用モータ50は、車両の減速時に、駆動輪の回転エネルギを用いて発電する発電機としての機能(回生機能)を有してもよい。
インバータ40は、直流と交流との間での電力の変換を双方向に実行可能な電力変換機であり、具体的には、多相ブリッジ回路を含む。インバータ40は、第1二次電池10から供給される直流電力を交流電力に変換して駆動用モータ50へ供給可能である。また、インバータ40は、駆動用モータ50により回生発電された交流電力を直流電力に変換して第1二次電池10へ供給可能である。インバータ40にはスイッチング素子が設けられ、スイッチング素子の動作が制御されることにより、第1二次電池10と駆動用モータ50との間での電力の供給が制御される。
第2二次電池20は、第1二次電池10とDCDCコンバータ30を介して接続される蓄電装置である。第2二次電池20としては、例えば、リチウムイオン電池等の二次電池が用いられる。なお、第2二次電池20は、このような例に特に限定されず、ニッケル水素電池等の他の二次電池であってもよく、電気二重層キャパシタ等の他の蓄電装置であってもよい。また、車両の航続距離を効果的に増大させる観点では、第2二次電池20は、第1二次電池10と比較して、高容量の(つまり、大きなエネルギ密度を有する)蓄電装置であることが好ましい。
DCDCコンバータ30は、電圧の変換を双方向に実行可能な電圧変換機であり、例えば、チョッパ回路を含む。DCDCコンバータ30は、電圧の変換を適宜行うことによって、第1二次電池10に蓄電される電力を第2二次電池20へ供給可能である。また、DCDCコンバータ30は、電圧の変換を適宜行うことによって、第2二次電池20に蓄電される電力を第1二次電池10へ供給可能である。DCDCコンバータ30にはスイッチング素子が設けられ、スイッチング素子の動作が制御されることにより、第1二次電池10と第2二次電池20との間での電力の供給が制御される。
ここで、DCDCコンバータ30の故障時(具体的には、DCDCコンバータ30への熱の入力又は振動の入力等に起因してDCDCコンバータ30のスイッチング素子の動作を正常に制御することが困難となる時)には、DCDCコンバータ30のスイッチング素子は閉状態(つまり、電流を通す状態)となる。このように、DCDCコンバータ30は、所謂ノーマリークローズなものである。具体的には、DCDCコンバータ30のスイッチング素子として、非通電時に閉状態となるものが用いられている。DCDCコンバータ30の故障時には、スイッチング素子の動作を制御するための各スイッチング素子への通電を行うことができなくなる(つまり、非通電時となる)ので、各スイッチング素子は閉状態となる。ゆえに、DCDCコンバータ30の故障時には、第1二次電池10及び第2二次電池20はDCDCコンバータ30を介して電気的に接続される。
上述した第1二次電池10は、駆動用モータ50を含む第1負荷61と接続されている。つまり、第1負荷61は、第1二次電池10と接続される車両内の負荷である。例えば、第1負荷61における駆動用モータ50以外の負荷は、暖房装置に用いられるヒーター、各バッテリを昇温するためのヒーター(例えば、PTC(Positive Temperature Coefficient)ヒーター)、冷房装置の冷媒用のポンプ又は各バッテリを冷却するための冷媒用のポンプ等を含む。なお、第1負荷61における駆動用モータ50以外の負荷は、供給される電力を消費可能な車両内の機器であればよく、例えば、第1二次電池10から供給される電力を降圧するコンバータ又は当該コンバータにより降圧された電力が供給される機器を含み得る。
また、上述した第2二次電池20は、第2負荷62と接続されている。つまり、第2負荷62は、第2二次電池20と接続される車両内の負荷である。例えば、第2負荷62は、暖房装置に用いられるヒーター、各バッテリを昇温するためのヒーター(例えば、PTCヒーター)、冷房装置の冷媒用のポンプ又は各バッテリを冷却するための冷媒用のポンプ等を含む。なお、第2負荷62は、供給される電力を消費可能な車両内の機器であればよく、例えば、第2二次電池20から供給される電力を降圧するコンバータ又は当該コンバータにより降圧された電力が供給される機器を含み得る。
第1バッテリセンサ71は、第1二次電池10の各種状態量を検出し、制御装置100へ出力する。具体的には、第1バッテリセンサ71は、第1二次電池10の状態量として、第1二次電池10の電圧V1(例えば、第1二次電池10の開放端電圧)を検出する。なお、第1バッテリセンサ71は、電圧V1以外の状態量として、例えば、第1二次電池10の残存容量又は温度等を検出してもよい。
第2バッテリセンサ72は、第2二次電池20の各種状態量を検出し、制御装置100へ出力する。具体的には、第2バッテリセンサ72は、第2二次電池20の状態量として、第2二次電池20の電圧V2(例えば、第2二次電池20の開放端電圧)を検出する。なお、第2バッテリセンサ72は、電圧V2以外の状態量として、例えば、第2二次電池20の残存容量又は温度等を検出してもよい。
外気温センサ73は、車両の外部の温度である外気温を検出し、制御装置100へ出力する。
コンバータ電流センサ74は、DCDCコンバータ30を通過する電流を検出し、制御装置100へ出力する。
制御装置100は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶する記憶素子であるROM(Read Only Memory)及びCPUの実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶する記憶素子であるRAM(Random Access Memory)等で構成される。
また、制御装置100は、電源システム1に搭載される各装置と通信を行う。制御装置100と各装置との通信は、例えば、CAN(Controller Area Network)通信を用いて実現される。
なお、本実施形態に係る制御装置100が有する機能は複数の制御装置により少なくとも部分的に分割されてもよく、複数の機能が1つの制御装置によって実現されてもよい。制御装置100が有する機能が複数の制御装置により少なくとも部分的に分割される場合、当該複数の制御装置は、CAN等の通信バスを介して、互いに接続されてもよい。
制御装置100は、例えば、図2に示されるように、取得部110と、制御部120とを有する。
取得部110は、制御部120が行う処理において用いられる各種情報を取得し、取得した情報を制御部120へ出力する。例えば、取得部110は、第1バッテリセンサ71、第2バッテリセンサ72、外気温センサ73及びコンバータ電流センサ74と通信することによって、これらの各センサから出力される各種情報を取得する。
制御部120は、電源システム1における電力の供給を制御する。例えば、制御部120は、コンバータ制御部121と、第1負荷制御部122と、第2負荷制御部123とを含む。
コンバータ制御部121は、DCDCコンバータ30の動作(具体的には、当該DCDCコンバータ30のスイッチング素子の動作)を制御することによって、第1二次電池10と第2二次電池20との間での電力の供給を制御する。具体的には、コンバータ制御部121は、第1二次電池10に蓄電される電力を第2二次電池20へ供給させ、又は第2二次電池20に蓄電される電力を第1二次電池10へ供給させることができる。
ここで、DCDCコンバータ30の故障時には、上述したように、DCDCコンバータ30のスイッチング素子の動作をコンバータ制御部121により正常に制御することが困難となる。その結果、第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続された状態になる。
第1負荷制御部122は、第1二次電池10から第1負荷61への電力の供給を制御する。具体的には、第1負荷制御部122は、第1負荷61へ供給される電力を調整可能なスイッチ等の動作を制御することによって、第1二次電池10に蓄電される電力を第1負荷61へ供給させることができる。
例えば、第1負荷制御部122は、インバータ40の動作(具体的には、当該インバータ40のスイッチング素子の動作)を制御することによって、第1二次電池10と駆動用モータ50との間での電力の供給を制御する。具体的には、第1負荷制御部122は、第1二次電池10に蓄電される電力を駆動用モータ50へ供給させ、又は駆動用モータ50により回生発電される電力を第1二次電池10へ供給させることができる。それにより、第1負荷制御部122は、駆動用モータ50による動力の生成及び発電を制御することができる。例えば、第1負荷制御部122は、加速要求や車速等の車両の走行状態に応じて駆動用モータ50の出力を制御する。
第2負荷制御部123は、第2二次電池20から第2負荷62への電力の供給を制御する。具体的には、第2負荷制御部123は、第2負荷62へ供給される電力を調整可能な図示しないスイッチ等の動作を制御することによって、第2二次電池20に蓄電される電力を第2負荷62へ供給させることができる。
上記のように、電源システム1では、DCDCコンバータ30の故障時には、第1二次電池10及び第2二次電池20はDCDCコンバータ30を介して電気的に接続される。それにより、DCDCコンバータ30の故障時であっても、第2二次電池20に蓄電される電力を駆動用モータ50の駆動に利用することができる。しかしながら、DCDCコンバータ30の故障時には、第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続されることによって、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差に応じた電流がDCDCコンバータ30に流れる。それにより、DCDCコンバータ30が焼損により断線してしまうおそれがある。
ここで、電源システム1の制御装置100では、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きい場合、第1二次電池10又は第2二次電池20と接続される負荷に当該負荷と接続される二次電池から流れる電流を、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度が増大するように(つまり、電圧V1と電圧V2との差がより迅速に減少するように)制御する。ここで、基準差は、電圧V1と電圧V2との差に応じた電流がDCDCコンバータ30を通過することに起因してDCDCコンバータ30が焼損により断線する可能性が比較的高いか否かを適切に判断し得る値に設定される。DCDCコンバータ30の故障時に上記の制御が行われることにより、DCDCコンバータ30の故障時に航続距離を適切に確保することが可能となる。このような、制御部120により行われる電力の供給の制御(以下、電力供給制御とも呼ぶ)に関する処理の詳細については、後述にて説明する。
<2.制御装置の動作>
続いて、図3~図9を参照して、本発明の実施形態に係る制御装置100の動作について説明する。
[2-1.DCDCコンバータの故障時における電力供給制御]
まず、図3~図7を参照して、制御部120により行われるDCDCコンバータ30の故障時における電力供給制御について説明する。
図3は、制御部120が行う処理のうちDCDCコンバータ30の故障時における電力供給制御に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図3に示される制御フローは、具体的には、DCDCコンバータ30の非故障時に実行される。
図3に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS501において、制御部120は、DCDCコンバータ30が故障したか否かを判定する。DCDCコンバータ30が故障したと判定された場合(ステップS501/YES)、ステップS503に進む。一方、DCDCコンバータ30が故障したと判定されなかった場合(ステップS501/NO)、ステップS501の判定処理が繰り返される。
例えば、制御部120は、コンバータ電流センサ74によるDCDCコンバータ30を通過する電流の検出結果に基づいて、DCDCコンバータ30が故障したか否かを判定する。上述したように、DCDCコンバータ30の非故障時には、DCDCコンバータ30のスイッチング素子の動作は正常に制御される。一方、DCDCコンバータ30の故障時には、DCDCコンバータ30のスイッチング素子の動作を正常に制御することが困難となり、各スイッチング素子は閉状態となる。その結果、第1二次電池10及び第2二次電池20はDCDCコンバータ30を介して電気的に接続される。ゆえに、DCDCコンバータ30を通過する電流の挙動は、DCDCコンバータ30が故障しているか否かに応じて変化する。よって、制御部120は、例えば、DCDCコンバータ30を通過する電流の検出値の推移に基づいて、DCDCコンバータ30が故障したか否かを判定することができる。
なお、制御部120は、第1二次電池10に入出力される電流及び第2二次電池20に入出力される電流の検出結果に基づいて、DCDCコンバータ30を通過する電流を算出し、得られる算出結果に基づいて、DCDCコンバータ30が故障したか否かを判定してもよい。この場合、第1二次電池10に入出力される電流及び第2二次電池20に入出力される電流は、例えば、第1バッテリセンサ71及び第2バッテリセンサ72によってそれぞれ検出され得る。
ステップS501でYESと判定された場合、ステップS503において、制御部120は、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きいか否かを判定する。第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きいと判定された場合(ステップS503/YES)、ステップS505に進む。一方、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きいと判定されなかった場合(ステップS503/NO)、図3に示される制御フローは終了する。
ステップS503でYESと判定された場合、ステップS505において、制御部120は、二次電池と接続される負荷に当該二次電池から流れる電流を調整する制御である電流調整制御を行う。具体的には、制御部120は、電流調整制御において、第1二次電池10又は第2二次電池20と接続される負荷に当該負荷と接続される二次電池から流れる電流を、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度が増大するように制御する。
以下、制御部120により行われる電流調整制御の例として、第1の電流調整制御、第2の電流調整制御、第3の電流調整制御及び第4の電流調整制御について、それぞれ図4、図5、図6及び図7を参照して説明する。なお、第1の電流調整制御及び第2の電流調整制御は、第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合に行われる電流調整制御であり、第3の電流調整制御及び第4の電流調整制御は、第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合に行われる電流調整制御である。
第1の電流調整制御は、上述したように、第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合に行われる。第1の電流調整制御において、制御部120の第1負荷制御部122は、第1二次電池10から第1負荷61(例えば、駆動用モータ50)に流れる電流を増加させる。このように、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きく、かつ、第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合、第1二次電池10から第1負荷61に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させてもよい。
図4は、DCDCコンバータ30の故障時において第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合に第1の電流調整制御が行われた際の電源システム1内の電力の流れを概略的に示す図である。図4及び後述にて参照する図5~図7では、電源システム1内の電力の流れが矢印によって概略的に示されている。
上述したように、DCDCコンバータ30の故障時には、DCDCコンバータ30の各スイッチング素子は閉状態となり、第1二次電池10及び第2二次電池20はDCDCコンバータ30を介して電気的に接続される。図4及び後述にて参照する図5~図7では、DCDCコンバータ30のスイッチング素子が閉状態になっている様子が破線によって概念的に示されている。なお、詳細には、DCDCコンバータ30の電気回路は、上述したように、例えば、チョッパ回路であり、当該電気回路には複数のスイッチング素子が設けられている。
DCDCコンバータ30が故障して第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続された際に、第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合、図4に示されるように、電圧V1と電圧V2との差に応じた電流が第1二次電池10から第2二次電池20へDCDCコンバータ30を介して流れる。
ここで、第1の電流調整制御において、第1負荷制御部122は、例えば、第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させる。図4では、第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流の増加前及び増加後の大きさが、それぞれ破線矢印及び実線矢印の太さにより概念的に示されている。上記のように第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させることによって、第1二次電池10の電圧V1の低下を促進することができる。ゆえに、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を適切に増大させることができるので、第1二次電池10から第2二次電池20へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。
なお、DCDCコンバータ30の故障が生じた際に駆動用モータ50を駆動させる要求が生じていない場合(例えば、アクセル操作が行われていない場合)には、第1負荷制御部122は、駆動用モータ50を駆動させる要求の有無によらずに第1二次電池10に蓄電される電力を駆動用モータ50へ供給させる。それによっても、第1二次電池10から第2二次電池20へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。
詳細には、第1の電流調整制御において、第1負荷制御部122は、第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させることに起因して駆動用モータ50の出力が増加しないように、当該駆動用モータ50の出力を制御する。具体的には、第1負荷制御部122は、インバータ40の動作を適宜制御することによって、駆動用モータ50の出力をアクセル操作量に応じた出力になるように制御する。なお、駆動用モータ50を駆動させる要求が生じていない場合には、第1負荷制御部122は、駆動用モータ50の出力トルクがゼロとなるように所謂ゼロトルク制御を行う。
なお、第1負荷61は、上述したように、駆動用モータ50以外の車両内の負荷を含み得る。ゆえに、第1の電流調整制御において、第1負荷制御部122は、第1二次電池10から駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させてもよい。
ここで、駆動用モータ50には、一般的に他の負荷と比較して大きな電流を流すことができる。ゆえに、第1の電流調整制御において、第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流を増加させる場合、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度をより効果的に増大させることができるので、DCDCコンバータ30の故障が生じた際における電圧V1と電圧V2との差が比較的大きい場合であっても、DCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。
一方、第1の電流調整制御において、第1二次電池10から駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流を増加させる場合、駆動用モータ50に流れる電流の増加を抑制しつつ電圧V1と電圧V2との差の減少速度を増大させることができるので、駆動用モータ50の破損及び劣化(例えば、駆動用モータ50内の磁石の劣化)を抑制することができる。
第1の電流調整制御において、駆動用モータ50に流れる電流を増加させる場合と駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流を増加させる場合のそれぞれにおける上記の利点を両立させる観点では、第1負荷制御部122は、第1負荷61のうちの駆動用モータ50に流れる電流の増加と、第1負荷61のうちの駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流の増加とのいずれを優先するかを、電源システム1の状態に応じて決定することが好ましい。
なお、駆動用モータ50に流れる電流及び駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流のうちの一方の電流の増加を優先するとは、一方の電流の増加を他方の電流の増加よりも先に実施する、又は一方の電流の増加量を他方の電流の増加量よりも大きくする等を意味する。また、電源システム1の状態は、例えば、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差、駆動用モータ50の温度又は第1負荷61のうちの駆動用モータ50以外の負荷の温度等を含む。
例えば、第1負荷制御部122は、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が大きいほど駆動用モータ50に流れる電流の増加を優先し、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が小さいほど駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流の増加を優先する。それにより、DCDCコンバータ30の焼損による断線の抑制と、駆動用モータ50の破損及び劣化の抑制とを両立させることができる。
また、例えば、第1負荷制御部122は、駆動用モータ50の温度が低いほど駆動用モータ50に流れる電流の増加を優先し、駆動用モータ50の温度が高いほど駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流の増加を優先する。ここで、駆動用モータ50により消費可能な電力の上限値は、駆動用モータ50の温度に応じて変化する。具体的には、駆動用モータ50の温度が高いほど、駆動用モータ50により消費可能な電力の上限値は小さくなる。よって、上記のように、駆動用モータ50に流れる電流の増加と、駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流の増加とのいずれを優先するかを決定することによって、DCDCコンバータ30の焼損による断線の抑制と、駆動用モータ50の破損及び劣化の抑制とを両立させることができる。
また、例えば、駆動用モータ50以外の負荷として、PTCヒーターを用いる場合、第1負荷制御部122は、PTCヒーターの温度が高いほど駆動用モータ50に流れる電流の増加を優先し、PTCヒーターの温度が低いほどPTCヒーターに流れる電流の増加を優先する。ここで、PTCヒーターの温度が低いほど、PTCヒーターの電気抵抗が小さくなり、PTCヒーターに電流を流しやすくなる。よって、上記のように、駆動用モータ50に流れる電流の増加と、駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流の増加とのいずれを優先するかを決定することによって、DCDCコンバータ30の焼損による断線の抑制と、駆動用モータ50の破損及び劣化の抑制とを両立させることができる。
ここで、第1二次電池10から第1負荷61に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させる際の当該電流の増加量が大きいほど、第1二次電池10の電圧V1の低下を促進する効果を向上させることができるので、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を効果的に増大させることができる。また、DCDCコンバータ30を通過する電流が大きいほど、電圧V1と電圧V2との差の減少速度を大きく増大させる必要性が高い。ゆえに、DCDCコンバータ30が焼損により断線することをより適切に抑制する観点では、第1の電流調整制御において、第1負荷制御部122は、DCDCコンバータ30を通過する電流に基づいて第1二次電池10から第1負荷61に流れる電流を制御することが好ましい。
なお、第1負荷制御部122は、DCDCコンバータ30を通過する電流の値として、コンバータ電流センサ74による検出値を用いてもよく、第1二次電池10に入出力される電流及び第2二次電池20に入出力される電流の検出結果に基づいて算出することにより得られる値を用いてもよい。
第2の電流調整制御は、上述したように、第1の電流調整制御と同様に、第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合に行われる。第2の電流調整制御において、制御部120の第2負荷制御部123は、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流を減少させる。このように、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きく、かつ、第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させてもよい。
図5は、DCDCコンバータ30の故障時において第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合に第2の電流調整制御が行われた際の電源システム1内の電力の流れを概略的に示す図である。
DCDCコンバータ30が故障して第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続された際に、第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合、図4と同様に図5に示されるように、電圧V1と電圧V2との差に応じた電流が第1二次電池10から第2二次電池20へDCDCコンバータ30を介して流れる。
ここで、第2の電流調整制御において、第2負荷制御部123は、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させる。図5では、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流の増加前及び増加後の大きさが、それぞれ破線矢印及び実線矢印の太さにより概念的に示されている。上記のように第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させることによって、第2二次電池20の電圧V2の低下を抑制することができる。ゆえに、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を適切に増大させることができるので、第1二次電池10から第2二次電池20へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。
なお、第2負荷62は、上述したように、車両内の種々の負荷を含み得る。つまり、第2の電流調整制御において、第2二次電池20から送られる電流を減少させる対象である第2負荷62は、車両内の複数の負荷の中から適宜選択され得る。例えば、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流を迅速に減少させる観点では、第2の電流調整制御において、第2二次電池20から送られる電流を減少させる対象である第2負荷62として、消費電力を迅速に増大させやすい負荷(例えば、ヒーター)が用いられることが好ましい。
ここで、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させる際の当該電流の減少量が大きいほど、第2二次電池20の電圧V2の低下を抑制する効果を向上させることができるので、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を効果的に増大させることができる。また、上述したように、DCDCコンバータ30を通過する電流が大きいほど、電圧V1と電圧V2との差の減少速度を大きく増大させる必要性が高い。ゆえに、DCDCコンバータ30が焼損により断線することをより適切に抑制する観点では、第2の電流調整制御において、第2負荷制御部123は、DCDCコンバータ30を通過する電流に基づいて第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流を制御することが好ましい。
なお、第2負荷制御部123は、第1負荷制御部122と同様に、DCDCコンバータ30を通過する電流の値として、コンバータ電流センサ74による検出値を用いてもよく、第1二次電池10に入出力される電流及び第2二次電池20に入出力される電流の検出結果に基づいて算出することにより得られる値を用いてもよい。
第3の電流調整制御は、上述したように、第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合に行われる。第3の電流調整制御において、制御部120の第2負荷制御部123は、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流を増加させる。このように、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きく、かつ、第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させてもよい。
図6は、DCDCコンバータ30の故障時において第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合に第3の電流調整制御が行われた際の電源システム1内の電力の流れを概略的に示す図である。
DCDCコンバータ30が故障して第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続された際に、第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合、図6に示されるように、電圧V1と電圧V2との差に応じた電流が第2二次電池20から第1二次電池10へDCDCコンバータ30を介して流れる。
ここで、第3の電流調整制御において、第2負荷制御部123は、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させる。図6では、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流の増加前及び増加後の大きさが、それぞれ破線矢印及び実線矢印の太さにより概念的に示されている。上記のように第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させることによって、第2二次電池20の電圧V2の低下を促進することができる。ゆえに、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を適切に増大させることができるので、第2二次電池20から第1二次電池10へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。
なお、DCDCコンバータ30の故障が生じた際に第2負荷62へ電力を供給させる要求が生じていない場合には、第2負荷制御部123は、第2負荷62へ電力を供給させる要求の有無によらずに第2二次電池20に蓄電される電力を第2負荷62へ供給させる。それによっても、第2二次電池20から第1二次電池10へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。
なお、第2負荷62は、上述したように、車両内の種々の負荷を含み得る。ゆえに、第3の電流調整制御において、DCDCコンバータ30の故障時に第2二次電池20から送られる電流を増加させる対象である第2負荷62は、第2の電流調整制御と同様に、車両内の複数の負荷の中から適宜選択され得る。
ここで、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させる際の当該電流の増加量が大きいほど、第2二次電池20の電圧V2の低下を促進する効果を向上させることができるので、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を効果的に増大させることができる。また、上述したように、DCDCコンバータ30を通過する電流が大きいほど、電圧V1と電圧V2との差の減少速度を大きく増大させる必要性が高い。ゆえに、DCDCコンバータ30が焼損により断線することをより適切に抑制する観点では、第3の電流調整制御において、第2負荷制御部123は、DCDCコンバータ30を通過する電流に基づいて第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流を制御することが好ましい。
第4の電流調整制御は、上述したように、第3の電流調整制御と同様に、第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合に行われる。第4の電流調整制御において、制御部120の第1負荷制御部122は、第1二次電池10から第1負荷61(例えば、駆動用モータ50)に流れる電流を減少させる。このように、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きく、かつ、第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合、第1二次電池10から第1負荷61に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させてもよい。
図7は、DCDCコンバータ30の故障時において第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合に第4の電流調整制御が行われた際の電源システム1内の電力の流れを概略的に示す図である。
DCDCコンバータ30が故障して第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続された際に、第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合、図6と同様に図7に示されるように、電圧V1と電圧V2との差に応じた電流が第2二次電池20から第1二次電池10へDCDCコンバータ30を介して流れる。
ここで、第4の電流調整制御において、第1負荷制御部122は、例えば、第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させる。図7では、第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流の増加前及び増加後の大きさが、それぞれ破線矢印及び実線矢印の太さにより概念的に示されている。上記のように第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させることによって、第1二次電池10の電圧V1の低下を抑制することができる。ゆえに、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を適切に増大させることができるので、第2二次電池20から第1二次電池10へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。
詳細には、第4の電流調整制御において、第1負荷制御部122は、第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させることに起因して駆動用モータ50の出力が減少しないように、第1の電流調整制御と同様に、当該駆動用モータ50の出力を制御する。
なお、第1負荷61は、上述したように、駆動用モータ50以外の車両内の負荷を含み得る。ゆえに、第4の電流調整制御において、第1負荷制御部122は、第1の電流調整制御と同様に、第1二次電池10から駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させてもよい。
ここで、第1二次電池10から第1負荷61に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させる際の当該電流の減少量が大きいほど、第1二次電池10の電圧V1の低下を抑制する効果を向上させることができるので、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を効果的に増大させることができる。また、上述したように、DCDCコンバータ30を通過する電流が大きいほど、電圧V1と電圧V2との差の減少速度を大きく増大させる必要性が高い。ゆえに、DCDCコンバータ30が焼損により断線することをより適切に抑制する観点では、第4の電流調整制御において、第1負荷制御部122は、DCDCコンバータ30を通過する電流に基づいて第1二次電池10から第1負荷61に流れる電流を制御することが好ましい。
ステップS505の次に、図3に示される制御フローは、終了する。
[2-2.DCDCコンバータの非故障時における電力供給制御]
次に、図8を参照して、制御部120により行われるDCDCコンバータ30の非故障時における電力供給制御について説明する。
上述したように、制御部120により行われるDCDCコンバータ30の故障時における電力供給制御によれば、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きい場合、第1二次電池10又は第2二次電池20と接続される負荷に当該負荷と接続される二次電池から流れる電流を、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度が増大するように制御することによって、DCDCコンバータ30が焼損により断線することを抑制することが実現される。ここで、二次電池と接続される負荷により消費可能な電力には上限値が存在するので、二次電池と接続される負荷に流すことができる電流には上限値が存在する。ゆえに、DCDCコンバータ30の故障が生じた際に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が過度に大きい場合、DCDCコンバータ30を通過する電流が過度に大きくなるので、上述したDCDCコンバータ30の故障時における電力供給制御において電圧V1と電圧V2との差の減少速度を十分に増大させることが困難となるおそれがある。
そこで、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することをより適切に抑制する観点では、DCDCコンバータ30の故障が生じた際における第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が過度に大きくなることを抑制するための処理を行うことが好ましい。このような処理として、制御部120は、具体的には、DCDCコンバータ30の非故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第1電圧差以下になるように、DCDCコンバータ30の動作を制御する。以下、図8を参照して、制御部120が行う上記の処理について詳細に説明する。
図8は、制御部120が行う処理のうちDCDCコンバータ30の非故障時における電力供給制御に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図8に示される制御フローは、具体的には、DCDCコンバータ30の非故障時に繰り返し実行される。
図8に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS601において、制御部120は、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第1電圧差より大きいか否かを判定する。第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第1電圧差より大きいと判定された場合(ステップS601/YES)、ステップS603に進む。一方、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第1電圧差より大きいと判定されなかった場合(ステップS601/NO)、ステップS601の判定処理が繰り返される。
第1電圧差は、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が過度に大きい(具体的には、上述したDCDCコンバータ30の故障時における電力供給制御において電圧V1と電圧V2との差の減少速度を十分に増大させることが困難となる程度に大きい)か否かを適切に判断し得る値に設定される。
例えば、第1二次電池10と接続される駆動用モータ50により消費可能な電力の上限値は、上述したように、駆動用モータ50の温度に応じて変化するので、第1二次電池10から駆動用モータ50に流すことができる電流の上限値は、駆動用モータ50の温度に応じて変化する。よって、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が過度に大きいか否かを適切に判断する観点では、制御部120は、例えば、駆動用モータ50の温度と相関を有する指標値に応じて第1電圧差を変化させることが好ましい。なお、駆動用モータ50の温度と相関を有する指標値としては、例えば、外気温センサ73の検出結果が用いられ得るが、駆動用モータ50の温度を直接的に示す情報等の他の情報が用いられてもよい。
ステップS601でYESと判定された場合、ステップS603において、コンバータ制御部121は、電圧が高い方の二次電池から電圧が低い方の二次電池に電力を供給させる。
例えば、電圧V1が電圧V2より大きい場合、コンバータ制御部121は、第1二次電池10から第2二次電池20に電力を供給させる。それにより、第1二次電池10の残存容量が低下することによって電圧V1が低下し、第2二次電池20の残存容量が上昇することによって電圧V2が上昇する。ゆえに、電圧V1と電圧V2との差が低下する。
一方、電圧V2が電圧V1より大きい場合、コンバータ制御部121は、第2二次電池20から第1二次電池10に電力を供給させる。それにより、第2二次電池20の残存容量が低下することによって電圧V2が低下し、第1二次電池10の残存容量が上昇することによって電圧V1が上昇する。ゆえに、電圧V1と電圧V2との差が低下する。
次に、ステップS605において、制御部120は、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第1電圧差以下であるか否かを判定する。第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第1電圧差以下であると判定された場合(ステップS605/YES)、図8に示される制御フローは終了する。一方、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第1電圧差以下であると判定されなかった場合(ステップS605/NO)、ステップS605の判定処理が繰り返される。
[2-3.電源システムを停止させる際における電力供給制御]
次に、図9を参照して、制御部120により行われる電源システム1を停止させる際における電力供給制御について説明する。
上述したように、DCDCコンバータ30のスイッチング素子として、具体的には、非通電時に閉状態となるものが用いられている。ここで、電源システム1の停止時には、DCDCコンバータ30の故障時と同様に、スイッチング素子の動作を制御するための各スイッチング素子への通電を行うことができなくなる(つまり、非通電時となる)。ゆえに、電源システム1の停止時に、各スイッチング素子は閉状態となるので、第1二次電池10及び第2二次電池20はDCDCコンバータ30を介して電気的に接続される。
そこで、電源システム1の停止時においても、DCDCコンバータ30の故障時と同様に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差に応じた電流がDCDCコンバータ30に流れることに起因してDCDCコンバータ30が焼損により断線することを抑制するための処理を行うことが好ましい。このような処理として、制御部120は、具体的には、電源システム1を停止させる際、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差以下になるようにDCDCコンバータ30の動作を制御した後に、当該DCDCコンバータ30の駆動を停止させる。以下、図9を参照して、制御部120が行う上記の処理について詳細に説明する。
図9は、制御部120が行う処理のうち電源システム1を停止させる際における電力供給制御に関する処理の流れの一例を示すフローチャートである。図9に示される制御フローは、具体的には、DCDCコンバータ30の非故障時に実行される。
図9に示される制御フローが開始されると、まず、ステップS701において、制御部120は、電源システム1を停止させる要求があるか否かを判定する。電源システム1を停止させる要求があると判定された場合(ステップS701/YES)、ステップS703に進む。一方、電源システム1を停止させる要求があると判定されなかった場合(ステップS701/NO)、ステップS701の判定処理が繰り返される。
例えば、制御部120は、ドライバにより行われるイグニッションスイッチの操作に応じて当該イグニッションスイッチから出力される信号に基づいて、電源システム1を停止させる要求があるか否かを判定する。
ステップS701でYESと判定された場合、ステップS703において、制御部120は、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差より大きいか否かを判定する。第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差より大きいと判定された場合(ステップS703/YES)、ステップS705に進む。一方、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差より大きいと判定されなかった場合(ステップS703/NO)、ステップS709に進む。
第2電圧差は、電源システム1を停止して第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続された場合に、電圧V1と電圧V2との差に応じた電流がDCDCコンバータ30を通過することに起因してDCDCコンバータ30が焼損により断線する可能性が比較的高いか否かを適切に判断し得る値に設定され、例えば、上述した基準差と同程度であってもよい。
ステップS703でYESと判定された場合、ステップS705において、コンバータ制御部121は、電圧が高い方の二次電池から電圧が低い方の二次電池に電力を供給させる。
例えば、コンバータ制御部121は、上述した図8の制御フローのステップS603と同様に、電圧V1が電圧V2より大きい場合には第1二次電池10から第2二次電池20に電力を供給させ、電圧V2が電圧V1より大きい場合には第2二次電池20から第1二次電池10に電力を供給させる。それにより、電圧V1と電圧V2との差が低下する。
次に、ステップS707において、制御部120は、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差以下であるか否かを判定する。第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差以下であると判定された場合(ステップS707/YES)、ステップS709に進む。一方、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差以下であると判定されなかった場合(ステップS707/NO)、ステップS707の判定処理が繰り返される。
ステップS707でYESと判定された場合、ステップS709において、コンバータ制御部121は、DCDCコンバータ30の駆動を停止させる。それにより、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差以下になった状態で、電源システム1を停止させることができる。
次に、図9に示される制御フローは終了する。
<3.制御装置の効果>
続いて、本発明の実施形態に係る制御装置100の効果について説明する。
本実施形態に係る制御装置100では、第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続されるDCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きい場合、第1二次電池10又は第2二次電池20と接続される負荷に当該負荷と接続される二次電池から流れる電流を、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度が増大するように制御する。それにより、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を増大させることができるので、DCDCコンバータ30を通過する電圧V1と電圧V2との差に応じた電流を迅速に低下させることができる。ゆえに、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することを抑制することができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時に、第2二次電池20に蓄電される電力を利用した駆動用モータ50の駆動を適切に行うことができる。したがって、2以上の蓄電装置を備える電源システム1において、DCDCコンバータ30の故障時に航続距離を適切に確保することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きく、かつ、第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合、第1二次電池10から第1負荷61に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させることが好ましい。それにより、第1二次電池10の電圧V1の低下を促進することができる。ゆえに、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を適切に増大させることができるので、第1二次電池10から第2二次電池20へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。
さらに、上記の制御(つまり、上述した第1の電流調整制御)において、第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流を増加させる場合、DCDCコンバータ30の故障が生じた際における電圧V1と電圧V2との差が比較的大きい場合であっても、DCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。また、第1二次電池10から駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流を増加させる場合、駆動用モータ50の破損及び劣化を抑制することができる。また、上記の制御によれば、第1負荷61に電力を供給させる要求が生じていない場合であっても、当該要求の有無によらずに第1二次電池10に蓄電される電力を第1負荷61へ供給させることによって、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を増大させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部120は、上記の制御(つまり、上述した第1の電流調整制御)において、第1二次電池10から第1負荷61に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させる際に、第1負荷61のうちの駆動用モータ50に流れる電流の増加と、第1負荷61のうちの駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流の増加とのいずれを優先するかを、電源システム1の状態に応じて決定することが好ましい。それにより、駆動用モータ50に流れる電流を増加させる場合と駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流を増加させる場合のそれぞれにおける上記の利点を両立させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きく、かつ、第1二次電池10の電圧V1が第2二次電池20の電圧V2より大きい場合、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させることが好ましい。それにより、第2二次電池20の電圧V2の低下を抑制することができる。ゆえに、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を適切に増大させることができるので、第1二次電池10から第2二次電池20へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。
さらに、上記の制御(つまり、上述した第2の電流調整制御)によれば、駆動用モータ50に流れる電流の増加を抑制しつつ電圧V1と電圧V2との差の減少速度を増大させることができるので、駆動用モータ50の破損及び劣化を抑制することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きく、かつ、第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合、第2二次電池20から第2負荷62に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して増加させることが好ましい。それにより、第2二次電池20の電圧V2の低下を促進することができる。ゆえに、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を適切に増大させることができるので、第2二次電池20から第1二次電池10へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。
さらに、上記の制御(つまり、上述した第3の電流調整制御)によれば、駆動用モータ50に流れる電流の減少を抑制しつつ電圧V1と電圧V2との差の減少速度を増大させることができるので、駆動用モータ50の出力の低下及びそれに伴いドライバへ違和感を与えることを抑制することができる。また、上記の制御によれば、第2負荷62に電力を供給させる要求が生じていない場合であっても、当該要求の有無によらずに第2二次電池20に蓄電される電力を第2負荷62へ供給させることによって、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を増大させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きく、かつ、第2二次電池20の電圧V2が第1二次電池10の電圧V1より大きい場合、第1二次電池10から第1負荷61に流れる電流をDCDCコンバータ30の非故障時と比較して減少させることが好ましい。それにより、第1二次電池10の電圧V1の低下を抑制することができる。ゆえに、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を適切に増大させることができるので、第2二次電池20から第1二次電池10へ向かう方向にDCDCコンバータ30を通過する電流を迅速に低下させることができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。
さらに、上記の制御(つまり、上述した第4の電流調整制御)において、第1二次電池10から駆動用モータ50に流れる電流を減少させる場合、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度をより効果的に増大させることができるので、DCDCコンバータ30の故障が生じた際における電圧V1と電圧V2との差が比較的大きい場合であっても、DCDCコンバータ30が焼損により断線することを適切に抑制することができる。なお、駆動用モータ50を駆動させる要求が生じていない場合には、第1二次電池10から第1負荷61のうちの駆動用モータ50以外の負荷に流れる電流を減少させることによって、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を増大させることができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部120は、DCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きい場合、第1二次電池10又は第2二次電池20と接続される負荷に当該負荷と接続される二次電池から流れる電流を、DCDCコンバータ30を通過する電流に基づいて制御することが好ましい。それにより、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度を、DCDCコンバータ30を通過する電流の大きさに応じて適切に増大させることができる。ゆえに、DCDCコンバータ30の故障時に、DCDCコンバータ30を通過する電流によってDCDCコンバータ30が焼損により断線することをより適切に抑制することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部120は、DCDCコンバータ30の非故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第1電圧差以下になるように、DCDCコンバータ30の動作を制御することが好ましい。それにより、DCDCコンバータ30の故障が生じた際における第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が過度に大きくなることを抑制することができる。ゆえに、DCDCコンバータ30の故障が生じた際にDCDCコンバータ30を通過する電流が過度に大きくなることを抑制することができる。よって、DCDCコンバータ30の故障時に、DCDCコンバータ30を通過する電流によってDCDCコンバータ30が焼損により断線することをさらに適切に抑制することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部120は、駆動用モータ50の温度と相関を有する指標値に応じて第1電圧差を変化させることが好ましい。それにより、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が過度に大きいか否かを駆動用モータ50の温度に応じて適切に判断することができる。
また、本実施形態に係る制御装置100では、制御部120は、電源システム1を停止させる際、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差以下になるようにDCDCコンバータ30の動作を制御した後に、当該DCDCコンバータ30の駆動を停止させることが好ましい。それにより、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が第2電圧差以下になった状態で、電源システム1を停止させることができる。ゆえに、電源システム1が停止させることに伴い第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続されることにより電流がDCDCコンバータ30に流れることに起因してDCDCコンバータ30が焼損により断線することを抑制することができる。
<4.むすび>
以上説明したように、本実施形態に係る制御装置100では、第1二次電池10及び第2二次電池20がDCDCコンバータ30を介して電気的に接続されるDCDCコンバータ30の故障時に、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差が基準差より大きい場合、第1二次電池10又は第2二次電池20と接続される負荷に当該負荷と接続される二次電池から流れる電流を、第1二次電池10の電圧V1と第2二次電池20の電圧V2との差の減少速度が増大するように制御する。それにより、DCDCコンバータ30の故障時にDCDCコンバータ30に流れる電流によってDCDCコンバータ30が焼損により断線することを抑制することができるので、第2二次電池20に蓄電される電力を利用した駆動用モータ50の駆動を適切に行うことができる。したがって、2以上の蓄電装置を備える電源システム1において、DCDCコンバータ30の故障時に航続距離を適切に確保することができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例又は応用例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
例えば、本明細書においてフローチャートを用いて説明した処理は、必ずしもフローチャートに示された順序で実行されなくてもよい。いくつかの処理ステップは、並列的に実行されてもよい。また、追加的な処理ステップが採用されてもよく、一部の処理ステップが省略されてもよい。