JP7200842B2 - 波長可変干渉フィルター - Google Patents

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Description

本発明は、波長可変干渉フィルターに関する。
従来、エアギャップを介して一対のミラーを対向配置した波長可変干渉フィルター(光フィルター)が知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の波長可変干渉フィルターは、一対のミラーの一方を第1基板に配置し、一対のミラーの他方を第二基板に配置した、エアギャップ型で静電駆動型のエタロン素子である。この波長可変干渉フィルターの第1基板は、第2基板に対向する対向面とは反対側の面に円環状の溝部が形成されている。これにより、第2基板の厚さが薄い箇所は弾性を有して変形可能なダイアフラムとなり、ダイアフラムに囲われる箇所が、ミラーが配置される可動部となって、第1基板に対して進退可能となる。
また、ギャップを可変させるための静電アクチュエーターを構成する電極が、第1基板及び第2基板にそれぞれ設けられ、これらの電極が互いに対向して配置されている。ここで、第1基板に配置される電極は、可動部の一部から、ダイアフラム、及びダイアフラムの外側までを覆って配置されており、この可動部の一部からダイアフラムの外側までを覆う電極が、第2基板に配置される電極と、第2ギャップを介して対向している。
特開2010-008644号公報
しかしながら、特許文献1の波長可変干渉フィルターでは、電極が可動部からダイアフラムの外側までを覆って設けられているので、波長可変干渉フィルターの平面サイズが大きくなる。なお、第1基板と第2基板との接合領域を狭めることで、平面サイズを小さくできる。しかし、当該接合領域を狭めると、第1基板と第2基板の基板接合強度が低下し、第1基板と第2基板とが剥離するおそれもあり、波長可変干渉フィルターの信頼性が低下してしまう。
第一適用例に係る波長可変干渉フィルターは、第一基板と、前記第一基板に対向する第二基板と、前記第一基板に設けられた第一ミラーと、前記第二基板に設けられ、前記第一ミラーに第一ギャップを介して対向する第二ミラーと、前記第一基板に設けられた第一電極と、前記第二基板に設けられ、前記第一電極に第二ギャップを介して対向する第二電極と、前記第一基板及び前記第二基板を接合する接合部と、を備え、前記第一基板は、前記第一基板から前記第二基板に向かうZ方向から見た平面視で、前記第一ミラーが配置される可動部と、前記可動部を囲い、前記可動部を前記Z方向に移動可能に保持するダイアフラム部と、前記ダイアフラム部の外側に設けられ、前記ダイアフラム部よりも前記Z方向の厚みが大きい外周部と、を含み、前記ダイアフラム部は、前記Z方向に平行な平面で切断した断面視で、厚みが均一となる平坦部と、前記平坦部と前記外周部との間に配置され、前記平坦部から前記外周部に向かって前記Z方向の厚みが漸増する第一傾斜部と、を含み、前記第一電極は、前記第一基板の前記第二基板に対向する面のうち、少なくとも前記平坦部から前記第一傾斜部に亘って設けられ、前記第一電極の前記第一ミラーとは反対側の縁である外側縁は前記第一傾斜部に位置し、前記接合部は、前記第一傾斜部の一部から前記外周部に亘って設けられている。
本適用例の波長可変干渉フィルターにおいて、前記第一電極は、前記第一ミラーの外側に配置される内側電極と、前記内側電極の外側に配置される外側電極とにより構成されていることが好ましい。
本適用例の波長可変干渉フィルターにおいて、前記内側電極と前記外側電極との間の隙間の距離は、0.2mm以下であることが好ましい。
本適用例の波長可変干渉フィルターにおいて、前記外側縁と、前記接合部の前記第一ミラーに近接する側の端部である接合縁と、の隙間の距離は、0.2mm以下であることが好ましい。
本適用例の波長可変干渉フィルターにおいて、前記外側縁が位置する前記第一傾斜部の前記Z方向の厚みは、前記平坦部の厚みの5倍以上であることが好ましい。
本適用例の波長可変干渉フィルターにおいて、前記ダイアフラム部は、前記平坦部と前記可動部との間に設けられ、前記平坦部から前記可動部に亘って前記Z方向の厚みが漸増する第二傾斜部をさらに含み、前記第一電極の前記第一ミラーに近接する側の端部である内側縁は、前記第二傾斜部に位置することが好ましい。
本適用例の波長可変干渉フィルターにおいて、前記内側縁が位置する前記第二傾斜部の前記Z方向の厚みは、前記平坦部の厚みの5倍以上であることが好ましい。
第一実施形態に係る波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 図1におけるA-A線で波長可変干渉フィルターを切断した際の断面図。 第一実施形態のダイアフラム部の近傍の拡大断面図。 モーメント力の作用による平坦部の変形を説明する図。 第一実施形態において、外側縁及び接合縁の距離と、温度特性との関係を示す図。 第一実施形態において、第一電極の内側縁でのダイアフラム部の厚みと、温度特性との関係を示す図。 第一実施形態の波長可変干渉フィルターの温度特性と、比較例1、比較例2の温度特性とを比較する図。 第二実施形態に係る波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 第二実施形態のダイアフラム部の近傍の拡大断面図。 第二実施形態において、内側電極と外側電極との距離と、温度特性との関係を示す図。 変形例1に係る第一基板のダイアフラム部を示す図。
[第一実施形態]
以下、第一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る波長可変干渉フィルター1の概略構成を示す平面図である。図2は、図1のA-A線で波長可変干渉フィルター1を切断した際の断面図である。
図1及び図2において、波長可変干渉フィルター1は、透光性の第一基板11と、透光性の第二基板12と、第一基板11に設けられた第一ミラー21と、第二基板12に設けられた第二ミラー22とを備える。第一基板11及び第二基板12は、第一ミラー21及び第二ミラー22を、第一ギャップG1を介して対向するように保持する基板である。この波長可変干渉フィルター1は、第一ミラー21及び第二ミラー22に入射した光のうち、第一ギャップG1の寸法に応じた所定波長の光を出射する、ファブリーペローエタロン素子である。
また、波長可変干渉フィルター1は、第一基板11に設けられた第一電極31と、第二基板12に設けられた第二電極32とを備えている。これらの第一電極31及び第二電極32は、第二ギャップG2を介して対向配置され、静電アクチュエーター30を構成する。第一電極31及び第二電極32の間に電圧を印加することで、第一電極31及び第二電極32の間に静電引力が作用して第二ギャップG2の寸法が変化し、これに応じて第一ギャップG1の寸法も変化する。これにより、波長可変干渉フィルター1から出射される光の波長も、第一ギャップG1の寸法に応じて変化する。
以下、このような波長可変干渉フィルター1の構成について、詳細に説明する。
なお、以降の説明にあたり、図1に示すような平面視における第一ミラー21及び第二ミラー22の中心点は一致し、これらの中心点を通るミラーの中心軸をフィルター中心軸Oと称する。フィルター中心軸Oは、第一基板11から第二基板12に向かうZ方向に平行な軸となる。
[第一基板11及び第二基板12の構成]
第一基板11は、図1に示すように、第一基板11から第二基板12に向かう方向(Z方向)から見た平面視で、可動部111と、ダイアフラム部112と、外周部113と、コネクタ部114と、を備えている。
より具体的には、第一基板11は、第二基板12に対向する第一面11Aと、第一面11Aとは反対側の第二面11Bとを有し、第二面11Bがエッチング処理されることで、凹部、つまりダイアフラム部112が形成されている。このダイアフラム部112は、平面視で、可動部111を囲う環状に形成されており、好ましくは、図1に示すように、円環状である。
本実施形態では、第一基板11の表面上に、ダイアフラム部112の形成位置以外をマスクしたレジストパターンを形成してウェットエッチング(等方性エッチング)によりダイアフラム部112を形成する。このため、本実施形態では、ダイアフラム部112は、マスク開孔位置に対応した平坦部112Aと、平坦部112Aの周囲でオーバーエッチングによって形成される第一傾斜部112B及び第二傾斜部112Cとを備える。
平坦部112Aは、Z方向の厚みが均一となる部位である。
第一傾斜部112Bは、平坦部112Aと、外周部113との間に形成され、平坦部112Aから外周部113に向かうにしたがって、Z方向の厚みが漸増する部位である。
第二傾斜部112Cは、平坦部112Aと、可動部111との間に形成され、平坦部112Aから可動部111に向かうにしたがって、Z方向の厚みが漸増する部位である。
本実施形態では、等方性エッチングによって、第一傾斜部112B及び第二傾斜部112Cの表面は、凹状に湾曲した円弧面となる。
本実施形態では、ダイアフラム部112の、第二基板12に対向する第一面11Aに第一電極31が配置されている。なお、第一電極31の配置についての説明は後述する。
可動部111は、環状のダイアフラム部112に囲われる部位であり、ダイアフラム部112よりもZ方向の厚みが大きい。この可動部111の第一面11Aに、第一ミラー21が配置されている。
本実施形態では、可動部111は、ダイアフラム部112により、Z方向に移動可能に保持されている。つまり、静電アクチュエーター30によって第一基板11と第二基板12との間に静電引力を作用させると、ダイアフラム部112が大きく撓み、可動部111が第二基板12側に変位する。可動部111は、ダイアフラム部112よりも厚みが大きいため、ダイアフラム部112が大きく撓んだとしても可動部111の撓みは抑制され、可動部111に設けられる第一ミラー21の撓みも抑制される。
外周部113は、環状のダイアフラム部112の外側に形成される部位であって、ダイアフラム部112よりもZ方向の厚みが大きい。
この外周部113は、接合部40を介して第二基板12に接合される部位である。第一基板11と第二基板12との接合強度を一定以上に維持するために、外周部113の平面視での面積は、予め設定された規定値以上に形成されている。
なお、詳細は後述するが、外周部113のコネクタ部114の近傍には、第一電極31に接続される第一接続電極33が、ダイアフラム部112からコネクタ部114に亘って配置されている。また、コネクタ部114から、外周部113の一部に亘って、第三接続電極35が設けられており、この第三接続電極35は、第二基板12に設けられる第二接続電極に電気接続されている。第一接続電極33及び第三接続電極35の配置位置、又は第一接続電極33及び第三接続電極35の配置位置を中心とした所定距離内には、接合部40が設けられていなくてもよい。
コネクタ部114は、外周部113に連続して形成され、平面視において、第二基板12の外周よりも外側に突出する部位である。このコネクタ部114は、静電アクチュエーター30に接続される第一接続電極33及び第三接続電極35が配置されている。
第二基板12は、図2に示すように、第一基板11に対向する面がエッチング処理等によって加工されることで、可動部111に対向するミラー台121と、ミラー台121の外側に設けられる溝部122と、溝部122の外側に設けられる基台部123とが形成されている。
ミラー台121は、第一ミラー21に対して第一ギャップG1を介して対向する第二ミラー22が設けられる部位である。このミラー台121の第一基板11側の面は、可動部111の第一面11Aに対して平行な平面が形成されている。
溝部122は、第一電極31と、第二ギャップG2を介して対向する溝である。なお、本実施形態では、第一ギャップG1の寸法よりも第二ギャップG2の寸法が大きくなるように、ミラー台121及び溝部122が設けられているが、第一ギャップG1の寸法が第二ギャップG2の寸法よりも大きくなるように、ミラー台121及び溝部122が設けられていてもよい。
なお、本実施形態では、ミラー台121及び溝部122は、等方性エッチングによって形成される。このため、溝部122は、第一基板11の第一面11Aに平行な溝底部122Aと、第三傾斜部122Bと、第四傾斜部122Cとを備える。
第三傾斜部122Bは、溝底部122Aと、基台部123との間に形成され、溝底部122Aから基台部123に向かうにしたがって、Z方向の厚みが漸増する部位である。
第四傾斜部122Cは、溝底部122Aと、ミラー台121との間に形成され、溝底部122Aからミラー台121に向かうにしたがって、Z方向の厚みが漸増する部位である。
本実施形態では、等方性エッチングにより、第三傾斜部122B及び第四傾斜部122Cの表面は、凹状に湾曲した円弧面となる。
基台部123は、接合部40を介して第一基板11に接合される部位である。
また、基台部123の溝部122との境界である基台端縁125(図3参照)は、ダイアフラム部112の第一傾斜部112Bに対向して位置する。基台部123の第一基板11に対向する面には、接合部40が設けられ、当該接合部40を介して第一基板11が接合される。上述のように、基台部123の基台端縁125が、ダイアフラム部112の第一傾斜部112Bに位置するので、本実施形態では、第一基板11の第一傾斜部112Bのうち、基台端縁125に対向する位置よりも外側が、基台部123に接合される。
また、基台部123は、第一基板11の端縁よりも外側に突出する固定部123Aを備える。本実施形態では、固定部123Aは、第一基板11に設けられるコネクタ部114とは反対側に設けられている。この固定部123Aは、例えば波長可変干渉フィルター1をパッケージ筐体に収納する際に、筐体に対して固定する部位である。
さらに、基台部123のうち、コネクタ部114の近傍には、溝部122から連続して形成された配線溝124が設けられている。この配線溝124は、第二電極32に接続される第二接続電極34が配置されている。また、配線溝124には、第一基板11に向かって突出する突出部124Aが設けられている。突出部124Aは、配線溝124の形成時に同時に形成されてもよく、配線溝124の形成後に樹脂層を成膜する等によって形成されてもよい。第二接続電極34は、溝部122から、配線溝124の突出部124Aに亘って設けられ、突出部124Aにおいて、第一基板11に設けられた第三接続電極35に接続されている。なお、第三接続電極35は、第一基板11のうち、突出部124Aに対向する位置からコネクタ部114まで引き出されている。
なお、本実施形態では、基台部123に配線溝124が設けられる例を示したが、これに限定されない。溝底部122Aから基台部123に亘って第二接続電極34が設けられ、基台部123の一部において、第二接続電極34が、第一基板11に設けられた第三接続電極35に接続されていてもよい。この場合、接合部40の厚みが、第二接続電極34と第三接続電極35との合計厚みとなるか、当該合計厚みよりも若干小さく形成されていればよい。
[第一ミラー21及び第二ミラー22の構成]
第一ミラー21は、上述したように、第一基板11の可動部111の第一面11Aに設けられている。
また、第二ミラー22は、第二基板12のミラー台121に、第一ミラー21に第一ギャップG1を介して対向するように配置されている。
第一ミラー21及び第二ミラー22の平面視における形状は特に限定されない。本実施形態では、図1に示すように、第一ミラー21及び第二ミラー22は、円形に形成されている。
第一ミラー21及び第二ミラー22を構成する素材としては特に限定されず、波長可変干渉フィルター1を透過させる光の波長域に応じて設定されていればよい。例えば、波長可変干渉フィルター1から透過させる光の波長(目標波長)を、可視光域から近赤外域に亘る広い波長域で変化させる場合、第一ミラー21及び第二ミラー22として、当該波長域に対して高い反射特性を有するミラー素材を用いる。この場合、例えば、Ag等の金属膜や、Ag合金等の合金膜を用いることが好ましい。また、波長可変干渉フィルター1から透過させる光の波長(目標波長)を、狭い帯域内において変化させる場合では、第一ミラー21及び第二ミラー22として、高屈折層及び低屈折層を積層した誘電体多層膜を用いることが好ましい。この場合、波長可変干渉フィルター1から、半値幅が狭い高分解能な光を出射させることができる。
[第一電極31の構成]
図3は、第一基板11のダイアフラム部112の拡大断面図である。
第一電極31は、第一基板11のダイアフラム部112の第一面11Aに設けられている。具体的には、Z方向において、第一電極31の接合部40側の端縁(外側縁31A)は、第一傾斜部112Bに位置し、第一電極31の第一ミラー21側の端縁(内側縁31B)は、第二傾斜部112Cに位置する。つまり、Z方向から見た平面視で、第一電極31の外側縁31Aは、平坦部112Aから外周部113までの間で、平坦部112Aの外周部113側の縁から寸法W1であり、外周部113の縁から寸法W2の位置に位置する。第一電極31の内側縁31Bは、平坦部112Aから可動部111までの間で、平坦部112Aの可動部111側の縁から寸法W3であり、可動部111の縁から寸法W4の位置に位置する。
第一電極31には、上述したように、第一接続電極33が接続されており、この第一接続電極33は、ダイアフラム部112からコネクタ部114に亘って延設されている。
なお、第一電極31における外側縁31A及び内側縁31Bの位置、及び第一電極31と接合部40との位置関係についての詳細な説明は後述する。
[第二電極32の構成]
第二電極32は、第二基板12の溝部122の溝底部122Aに設けられている。よって、可動部111が変位していない状態では、第二電極32は、第一電極31に対して平行となり、第二ギャップG2の寸法は一定値に維持されている。
なお、第二基板12は、ダイアフラム部112の平坦部112Aに対して厚みが大きいため、第二電極32の膜応力による影響が極めて小さい。
第二電極32には、上述したように、第二接続電極34が接続されており、この第二接続電極34は、溝部122から、配線溝124を通り、突出部124Aまで延設されている。そして、突出部124Aにおいて、第一基板11に設けられた第三接続電極35に接続される。
[接合部40の構成]
接合部40は、第一基板11と第二基板12とを接合する接合膜により構成されている。このような接合膜としては、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などを用いることができ、その他、エポキシ樹脂などの接着剤が用いられていてもよい。
接合部40は、上述したように、基台部123の第一基板11に対向する面に設けられ、第一基板11と第二基板12とを接合する。
本実施形態では、基台部123の基台端縁125が第一傾斜部112Bに対向して位置する。よって、接合部40の端縁(接合縁40A)も、第一傾斜部112Bに位置する。つまり、接合部40は、第一基板11の第一傾斜部112Bの一部から外周部113に亘る領域を、基台部123に接合する。
[第一電極31の配置位置、及び第一電極31と接合部40との位置関係]
図4は、モーメント力の作用による平坦部112Aの変形を説明する図であり、第一電極31の外側縁31Aが、平坦部112Aに位置する構成の波長可変干渉フィルターを比較例1として示している。
ダイアフラム部112に第一電極31を設ける場合、第一電極31の膜応力によってダイアフラム部112にモーメント力が作用し、このモーメント力は、特に、第一電極31の縁に集中して作用する。モーメント力は、第一電極31と第一基板11との熱膨張係数の差に起因して発生する熱変形と同じである。つまり、温度変化量が大きくなるにしたがって、モーメント力も大きくなる。
図4に示す比較例1では、第一電極31の外側縁31Aが、厚みが小さい平坦部112Aに位置する。この場合、外側縁31Aを中心に作用するモーメント力により、図4の下図のように、平坦部112Aが変形する。このような変形が生じると、第一ギャップG1の寸法が変動したり、第一ミラー21と第二ミラー22との平行性を維持できなくなったりする。
これに対して、本実施形態では、上述したように、第一電極31の外側縁31Aが第一傾斜部112Bに位置し、内側縁31Bが第二傾斜部112Cに位置する。つまり、ダイアフラム部112のうち、第一電極31の膜応力によるモーメント力が集中する位置は、平坦部112Aよりも厚みが大きい第一傾斜部112Bまたは第二傾斜部112Cとなる。よって、平坦部112Aに外側縁31Aや内側縁31Bが位置する場合に比べて、ダイアフラム部112の変形が抑制される。
また、本実施形態では、第一電極31の外側縁31Aと、接合部40の接合縁40Aとが、第一傾斜部112Bに位置する。このような構成では、第一電極31の膜応力により外側縁31Aに作用するモーメント力は、接合部40での作用反作用により打ち消されるため、ダイアフラム部112の変形が抑制される。
図5は、外側縁31A及び接合縁40Aの距離dと、温度特性との関係を示す図である。
図5に示すように、外側縁31Aと接合縁40Aとの間の距離dが0.2mm以下の場合、温度変化に対する第一ギャップG1の変動量は略一定値であり、その大きさも測定精度に影響が出ない程度に十分に小さい。つまり、第一電極31の膜応力によるモーメント力が、接合部40で作用反射用により相殺されていることを示している。
一方、外側縁31Aと接合縁40Aとの間の距離dが0.2mmを超えると、温度変化に対する第一ギャップG1の変動量が徐々に大きくなる。つまり、第一電極31と接合部40との距離dが0.2mmよりも離れるほど、第一電極31の膜応力によるモーメント力が、接合部40で相殺される作用が小さくなることを意味している。
したがって、外側縁31Aと接合縁40Aとの間の距離dは、0.2mm以下に設定されていることが好ましい。
一方、内側縁31Bが設けられる第二傾斜部112Cには、接合部40のようなモーメント力を相殺する接合部が設けられていない。よって、内側縁31Bにおいてモーメント力が作用した場合でも、当該モーメント力によって第二傾斜部112Cが変形しないように、第二傾斜部112Cに対する内側縁31Bの位置を設定する。
図6は、第一電極31の端部位置(内側縁31B)でのダイアフラム部112の厚みと、温度特性との関係を示す図である。
図6において、tは、第一電極31の内側縁31Bでのダイアフラム部112のZ方向の厚みであり、hは、平坦部112AのZ方向の厚みである。図6に示すように、t/h<5の場合、温度変化に対する第一ギャップG1の変動量が大きくなる。これに対して、t/h≧5の場合、温度変化に対する第一ギャップG1の変動量は、略一定値となり、その大きさも測定精度に影響が出ない程度に十分に小さい。
したがって、内側縁31Bは、第二傾斜部112CのZ方向の厚みtが、t≧5×hとなる位置に設けられていることが好ましい。なお、本実施形態では、ダイアフラム部112は、等方性エッチングによって形成され、第一傾斜部112B及び第二傾斜部112Cの表面は、円弧形状となる。
また、本実施形態では、第一電極31の外側縁31Aは、接合部40との距離が0.2mm以下となる位置に設けられているので、上述のように、外側縁31Aに作用するモーメント力を、接合部40での作用反作用により相殺することができる。これに対し、さらに、第一傾斜部112BのZ方向の厚みtがt≧5×hとなる位置に、外側縁31Aを配置してもよい。この場合、ダイアフラム部112の変形をより一層抑制することができる。
図7は、本実施形態の波長可変干渉フィルターの温度特性と、比較例1及び比較例2の温度特性とを示す図である。図7において、線L1は、本実施形態の温度特性、線L2は、比較例1の温度特性、線L3は、比較例3の温度特性を示している。
なお、比較例1は、図4に示すように、第一電極31の内側縁31Bが第二傾斜部112Cに位置し、外側縁31Aが平坦部112Aに位置する波長可変干渉フィルターである。また、比較例2は、第一電極31の外側縁31A及び内側縁31Bがともに平坦部112Aに設けられる波長可変干渉フィルターである。
図7に示すように、本実施形態の波長可変干渉フィルター1では、温度変化に対する第一ギャップG1の変動量が、比較例1,2に対して小さいことが確認できる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の波長可変干渉フィルター1は、第一基板11と、第一基板11に対向する第二基板12と、第一基板11に設けられた第一ミラー21と、第二基板12に設けられ、第一ミラー21に第一ギャップG1を介して対向する第二ミラー22と、第一基板11に設けられた第一電極31と、第二基板12に設けられ、第一電極31に第二ギャップG2を介して対向する第二電極32と、第一基板11及び第二基板12を接合する接合部40と、を備える。第一基板11は、平面視で、第一ミラー21が配置される可動部111と、可動部111を囲い、可動部111をZ方向に移動可能に保持するダイアフラム部112と、ダイアフラム部112の外側に設けられ、ダイアフラム部112よりも厚みが大きい外周部113と、を含んで構成される。このダイアフラム部112は、Z方向に平行な平面で切断した断面視で、厚みが均一となる平坦部112Aと、平坦部112Aと外周部113との間に配置され、平坦部112Aから外周部113に向かって厚みが漸増する第一傾斜部112Bと、を含む。そして、第一電極31は、第一基板11の第二基板12に対向する第一面11Aのうち、少なくとも平坦部112Aから第一傾斜部112Bに亘って設けられ、第一電極31の第一ミラー21とは反対側の縁である外側縁31Aは第一傾斜部112Bに位置する。また、接合部40は、第一傾斜部112Bと重なる位置から外周部113に亘って設けられている。
このような構成の波長可変干渉フィルター1では、平面サイズの小型化を図ることができる。
つまり、波長可変干渉フィルター1の小型化を図るためには、第一基板11及び第二基板12の平面サイズを小さくする必要があり、その分、第一基板11及び第二基板12を接合部40で接合するための接合領域も小さくなる。この際、第一基板11と第二基板12との接合において、接合強度を十分に維持するためには、接合部40により接合される第一基板11及び第二基板12の接合面積を一定以上にする必要がある。しかしながら、例えば第一電極31を、第一基板11の可動部111から、ダイアフラム部112、外周部113までを覆って形成する場合、接合部40を外周部113に設けられた第一電極31のさらに外側に設ける必要がある。このため、接合面積を一定以上確保しつつ、第一基板11や第二基板12を小型化するには限界があり、仮に、小型化を優先して接合面積を小さくすると、第一基板11と第二基板12との接合強度が不足して、信頼性が低下する。
これに対して、本実施形態では、第一電極31の外側縁31Aが第一傾斜部112Bに位置し、かつ、接合部40の接合縁40Aも第一傾斜部112Bに位置する。この場合、上記のような、第一電極31を、第一基板11の可動部111から、ダイアフラム部112、外周部113まで覆う構成に比べて、第一電極31の面積が小さく、接合面積を一定以上に維持したまま、接合部40の位置も第一傾斜部112Bまで寄せることができる。このため、波長可変干渉フィルター1の信頼性を低下させることなく、波長可変干渉フィルター1の小型化を図ることができる。
一方、波長可変干渉フィルター1の小型化を図るために、第一電極31の外側縁31Aの位置を平坦部112Aとした場合、第一電極31の膜応力によるモーメント力が平坦部112Aに作用し、平坦部112Aの形状が変形してしまう。この場合、第一ギャップG1の寸法も変動し、第一ミラー21が第二ミラー22に対して傾斜するおそれもある。また、単位温度変化あたりの第一ギャップの変動量が大きくなってしまう。
これに対して、本実施形態では、第一電極31の外側縁31Aが、平坦部112Aよりも厚みが大きい第一傾斜部112Bに位置するので、ダイアフラム部112の形状を抑制することができる。
本実施形態の波長可変干渉フィルター1において、第一電極31の外側縁31Aと、接合部40の接合縁40Aとの隙間の距離dは、0.2mm以下である。
これにより、第一電極31の膜応力によって第一傾斜部112Bに作用するモーメント力が、接合部40での作用反作用により打ち消される。よって、第一傾斜部112Bの変形を抑制することができる。
本実施形態において、第一電極31の外側縁31Aが位置する第一傾斜部112Bの厚みは、平坦部112Aの厚みの5倍以上である。
これにより、第一傾斜部112Bは、第一電極31の膜応力によるモーメント力に抗する十分な厚みを有することになり、第一傾斜部112Bの変形をより一層抑制できる。
本実施形態では、第一電極31の第一ミラー21側の端部である内側縁31Bも、第二傾斜部112Cに位置する。
これにより、第一電極31の内側縁31Bにモーメント力が発生しても、当該モーメント力が平坦部112Aに作用せず、ダイアフラム部112の変形を抑制できる。
また、内側縁31Bが位置する第二傾斜部112Cの厚みは、平坦部112Aの厚みの5倍以上である。このため、第二傾斜部112Cは、第一電極31の膜応力によるモーメント力に抗する十分な厚みを有することになり、第二傾斜部112Cの変形をより一層抑制できる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、第一基板11に単一の第一電極31が設けられる構成例を示した。これに対して、本実施形態では、第一基板11に、2つの電極が設けられる点で上記第一実施形態と相違する。
なお、以降の説明にあたり既に説明した構成については同符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図8は、第二実施形態の波長可変干渉フィルター1Aの概略構成を示す平面図である。図9は、第二実施形態の波長可変干渉フィルター1Aのダイアフラム部112の近傍の概略構成を示す断面図である。
本実施形態では、図8に示すように、第一基板11に設けられる第一電極として、略円環状の内側電極311と、内側電極311より外周部113側に配置される略円環状の外側電極312とを備えている。
内側電極311には、図8に示すように、ダイアフラム部112からコネクタ部114まで延設される内側接続電極331が接続されている。また、外側電極312には、ダイアフラム部112からコネクタ部114まで延設される外側接続電極332が接続されている。
これらの内側接続電極331及び外側接続電極332は、それぞれ独立した電極であり、互いに非導通となる。よって、内側電極311及び外側電極312はそれぞれ独立した電極となる。
また、第二基板12に設けられる第二電極32は、第一実施形態と同様の構成を有する。第二電極32は、内側電極311及び外側電極312よりも、径方向に沿った電極幅が大きく、内側電極311及び外側電極312の双方に対向して配置されている。
このような波長可変干渉フィルター1では、第二電極32の電位を所定の共通電位とし、内側電極311及び外側電極312の電位をそれぞれ個別に制御することで、2つのアクチュエーターを構成することができる。つまり、内側電極311及び第二電極32により構成される第一静電アクチュエーターと、外側電極312及び第二電極32により構成される第二静電アクチュエーターと、をそれぞれ個別に制御することができる。
例えば、第一アクチュエーターにバイアス電圧を印加して、可動部111を目標位置近傍まで変位させ、第二アクチュエーターに制御電圧を印加して、可動部111の変位量を微調整することができる。第二アクチュエーターの制御電圧としては、例えば、第一ギャップG1の検出寸法と目標値との差に基づいたフィードバック電圧などが例示できる。
このような電極構成とすることで、波長可変干渉フィルター1Aの第一ギャップG1の駆動制御を高精度にでき、波長可変干渉フィルター1Aから所望の目標値の光を高精度に出射させることができる。
そして、本実施形態では、図9に示すように、内側電極311の第一ミラー21に近接する側の端縁は、内側縁31Bであり、第一実施形態と同様、第二傾斜部112Cに設けられている。また、外側電極312の第一ミラー21とは反対側の端縁は、外側縁31Aであり、第一実施形態と同様に、第一傾斜部112Bに設けられている。
一方、内側電極311の外側電極312側の端縁である第一対向縁311Aは、平坦部112Aに位置し、外側電極312の内側電極311側の端縁である第二対向縁312Aは、平坦部112Aに位置する。これらの第一対向縁311A及び第二対向縁312Aは、Z方向に交差する平坦部112A上の面内で、距離d2の隙間を介して対向している。
図10は、内側電極311と外側電極312との間の距離d2と、第一ギャップG1の単位温度変化あたりの変動量とを示す図である。
本実施形態では、上記のように、平坦部112A上に内側電極311の第一対向縁311Aと外側電極312の第二対向縁312Aとが位置する。このため、内側電極311及び外側電極312の膜応力に応じたモーメント力が平坦部112Aに作用する。膜応力によるモーメント力は、内側電極311及び外側電極312と、第一基板11との熱膨張係数の差によって生じ、温度変化によって、モーメント力も大きくなる。
これらのモーメント力は、第一対向縁311A及び第二対向縁312Aの距離d2が小さくなる程、互いのモーメント力を打ち消しあうことができる。ここで、図11に示すように、d2の距離が0.2mm以下となる場合、単位温度変化あたりの第一ギャップG1の変動量は略一定となり、かつ、測定精度に影響が出ない程度の変動量となる。したがって、本実施形態では、第一対向縁311A及び第二対向縁312Aの距離d2は、0.2mm以下に設定されている。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の波長可変干渉フィルター1Aでは、第一基板11に設けられる第一電極が、第一ミラー21側に配置される内側電極311と、内側電極311よりも第一ミラー21とは反対側に配置される外側電極312とにより構成されている。
このような波長可変干渉フィルター1Aでは、内側電極311と第二電極32により第一アクチュエーターを構成でき、外側電極312と第二電極32により第二アクチュエーターを構成でき、これらの第一アクチュエーター及び第二アクチュエーターをそれぞれ独立して駆動させることができる。
これにより、例えば第一アクチュエーターにバイアス電圧を印加し、第二アクチュエーターに制御電圧を印加する等の駆動により、波長可変干渉フィルター1Aの第一ギャップG1を高精度に制御することが可能となる。よって、波長可変干渉フィルター1Aから、所望の波長の光を高精度に出力させることができる。
本実施形態では、内側電極311の第一対向縁311Aと、外側電極312の第二対向縁312Aとが、平坦部112Aに位置しているが、内側電極311と外側電極312との間の隙間は、0.2mm以下に設定されている。
このため、内側電極311の第一対向縁311Aで発生するモーメント力と、外側電極312の第二対向縁312Aで発生するモーメント力とが打ち消し合い、平坦部112Aの変形を抑制できる。
[変形例]
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
(変形例1)
上記実施形態では、ダイアフラム部112が、等方性エッチングにより形成される例を示したが、これに限定されない。図11は、第一基板11のダイアフラム部112の他の形状を示す図である。
図11に係るダイアフラム部112は、第一基板11の第二面11Bを異方性エッチングによって加工することで形成される。このダイアフラム部112は、平坦部112A、第一傾斜部112D、及び第二傾斜部112Eを有する。第一傾斜部112Dは、平坦部112Aから外周部113に向かうにしたがって、Z方向の厚みが漸増し、かつ、第二面11B側の表面が傾斜平面となる。同様に、第二傾斜部112Eは、平坦部112Aから可動部111に向かうにしたがって、Z方向の厚みが漸増し、かつ、第二面11B側の表面が傾斜平面となる。
また、第一電極31の外側縁31Aは、第一実施形態と同様に、第一傾斜部112Dに位置し、内側縁31Bは、第二傾斜部112Eに位置する。これにより、第一実施形態や第二実施形態と同様、波長可変干渉フィルター1の小型化を図れるとともに、第一電極31の膜応力による平坦部112Aの変形を抑制することができる。
(変形例2)
上記実施形態では、第一電極31の外側縁31Aと接合部40の接合縁40Aとの隙間の距離dが0.2mm以下となる例を示したが、これに限定されない。例えば、距離dが0.2mmより大きくてもよい。この場合、外側縁31Aの位置に対する第一傾斜部112BのZ方向の厚みが、平坦部112Aの厚みhの5倍以上となるように、第一電極31を配置する。これにより、第一電極31の膜応力によるダイアフラム部112の変形を抑制できる。
(変形例3)
上記実施形態では、第一電極31の内側縁31Bが位置する第二傾斜部112Cの厚みtが、t≧5×hとなるように、第一電極31を配置した。これに対して、第一ミラー21を可動部111から第二傾斜部112Cに亘って設け、第一ミラー21の縁と、第一電極31の内側縁31Bとの距離が0.2mm以下となるように構成してもよい。
この場合、第一ミラー21の膜応力によるモーメント力と、第一電極31の膜応力によるモーメント力とが、互いに打ち消し合うことで、第二傾斜部112Cに作用するモーメント力を低減でき、ダイアフラム部112の変形を抑制することができる。
(変形例4)
上記第一実施形態及び第二実施形態において、第一基板11の第二面11Bに、第一電極31、内側電極311及び外側電極312、及び第一ミラー21の膜応力を低減する薄膜を形成してもよい。
(変形例5)
波長可変干渉フィルター1,1Aにおいて、第一基板11や第二基板12の形状を矩形状とし、第一ミラー21及び第二ミラー22を円形とし、第一電極31及び第二電極32、内側電極311、及び外側電極312を略円環状としたが、これに限定されない。
例えば、第一基板11、及び第二基板12の形状として、円形や楕円形、多角形状としてもよい。また、第一電極31及び第二電極32、内側電極311、及び外側電極312として、第一ミラー21や第二ミラー22を囲う矩形枠状としてもよい。また、第一電極31や第二電極32が、フィルター中心軸Oに対して回転対象となるように、等間隔で複数配置される構成としてもよい。
また、コネクタ部114や、固定部123Aの位置も、上記実施形態に限定されるものではなく、第二基板12にコネクタ部が設けられていてもよく、第一基板11に固定部が設けられていてもよい。第一基板11及び第二基板12のいずれか一方に、コネクタ部及び固定部の双方が設けられる構成としてもよく、第一基板11及び第二基板12の両方にコネクタ部及び固定部が設けられる構成としてもよい。
(変形例6)
波長可変干渉フィルター1,1Aに設けられる電極として、静電アクチュエーター30を構成する第一電極31及び第二電極32、第一静電アクチュエーターを構成する内側電極311、第二静電アクチュエーターを構成する外側電極312、を例示したが、これに限定されない。
第一ギャップG1の寸法を検出する静電容量検出用の電極を第一基板11及び第二基板12の双方に設ける構成としてもよい。第一ギャップG1の寸法を検出する場合、第一ミラー21及び第二ミラー22の表面に、例えばITOやIGO等の透明電極を配置することが好ましい。
また、第二ギャップG2を検出するための静電容量検出用の電極をさらに配置してもよい。この場合、上記実施形態と同様、当該電極の端縁が、第一傾斜部112Bや第二傾斜部112Cに位置するように電極を形成することで、電極の膜応力によるダイアフラム部112の変形を抑制することができる。
1,1A…波長可変干渉フィルター、11…第一基板、11A…第一面、11B…第二面、12…第二基板、21…第一ミラー、22…第二ミラー、30…静電アクチュエーター、31…第一電極、31A…外側縁、31B…内側縁、32…第二電極、40…接合部、40A…接合縁、111…可動部、112…ダイアフラム部、112A…平坦部、112B…第一傾斜部、112C…第二傾斜部、112D…第一傾斜部、112E…第二傾斜部、113…外周部、121…ミラー台、122…溝部、122A…溝底部、123…基台部、123A…固定部、125…基台端縁、311…内側電極、311A…第一対向縁、312…外側電極、312A…第二対向縁、G1…第一ギャップ、G2…第二ギャップ、O…フィルター中心軸、d…外側縁と接続縁との距離、d2…内側電極と外側電極との距離、h…平坦部の厚み、t…内側端の位置での第二傾斜部の厚み。

Claims (7)

  1. 第一基板と、
    前記第一基板に対向する第二基板と、
    前記第一基板に設けられた第一ミラーと、
    前記第二基板に設けられ、前記第一ミラーに第一ギャップを介して対向する第二ミラーと、
    前記第一基板に設けられた第一電極と、
    前記第二基板に設けられ、前記第一電極に第二ギャップを介して対向する第二電極と、
    前記第一基板及び前記第二基板を接合する接合部と、を備え、
    前記第一基板は、前記第一基板から前記第二基板に向かうZ方向から見た平面視で、前記第一ミラーが配置される可動部と、前記可動部を囲い、前記可動部を前記Z方向に移動可能に保持するダイアフラム部と、前記ダイアフラム部の外側に設けられ、前記ダイアフラム部よりも前記Z方向の厚みが大きい外周部と、を含み、
    前記ダイアフラム部は、前記Z方向に平行な平面で切断した断面視で、厚みが均一となる平坦部と、前記平坦部と前記外周部との間に配置され、前記平坦部から前記外周部に向かって前記Z方向の厚みが漸増する第一傾斜部と、を含み、
    前記第一電極は、前記第一基板の前記第二基板に対向する面のうち、少なくとも前記平坦部から前記第一傾斜部に亘って設けられ、前記第一電極の前記第一ミラーとは反対側の縁である外側縁は前記第一傾斜部に位置し、
    前記接合部は、前記第一傾斜部の一部から前記外周部に亘って設けられている
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  2. 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
    前記第一電極は、前記第一ミラーの外側に配置される内側電極と、前記内側電極の外側に配置される外側電極とにより構成されている
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  3. 請求項2に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
    前記内側電極と前記外側電極との間の隙間の距離は、0.2mm以下である
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
    前記外側縁と、前記接合部の前記第一ミラーに近接する側の端部である接合縁と、の隙間の距離は、0.2mm以下である
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  5. 請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
    前記外側縁が位置する前記第一傾斜部の前記Z方向の厚みは、前記平坦部の厚みの5倍以上である
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  6. 請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
    前記ダイアフラム部は、前記平坦部と前記可動部との間に設けられ、前記平坦部から前記可動部に亘って前記Z方向の厚みが漸増する第二傾斜部をさらに含み、
    前記第一電極の前記第一ミラーに近接する側の端部である内側縁は、前記第二傾斜部に位置する
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
  7. 請求項6に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
    前記内側縁が位置する前記第二傾斜部の前記Z方向の厚みは、前記平坦部の厚みの5倍以上である
    ことを特徴とする波長可変干渉フィルター。
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