JP2023144980A - 波長可変干渉フィルター - Google Patents

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Abstract

Figure 2023144980000001
【課題】所望の目標波長の光を高精度に出力することが可能な波長可変干渉フィルターを提供する。
【解決手段】波長可変干渉フィルターは、第一基板と、所定間隔を介して第一基板に対向する第二基板と、第一基板に設置された第一反射膜と、第二基板に設置され第一間隔を介して第一反射膜に対向する第二反射膜と、第一基板及び第二基板の間に配置された連結部と、第一間隔を変更する駆動部と、を備え、連結部は、第一基板に対向する第一対向面の一部が第一基板に接続され、連結部の第一対向面のうち第一基板に接続されていない部分は、第一基板に対して第二間隔を介して対向する変位部を構成し、変位部の第二基板に対向する第二対向面の一部が第二基板に接続され、駆動部は、変位部を撓ませることで第二間隔を変化させて、第一間隔を変更する。
【選択図】図2

Description

本発明は、波長可変干渉フィルターに関する。
従来、対向配置された一対のミラーを有し、ミラー間の寸法を変更可能な波長可変干渉フィルターが知られている(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1に記載の波長可変干渉フィルターは、反射層が設けられた一対の光学基板をそれぞれホルダーに保持し、これらのホルダーの圧電素子により接続する。一対の反射層は、ギャップを介して対向配置され、圧電素子に電圧を印加することで、一対の反射層の間のギャップ寸法が変化する。これにより、各光学基板の撓みを抑制しつつ、一対の反射層を透過する光の波長を変化させることが可能となる。
特開2002-277758号公報
しかしながら、特許文献1のように、ホルダー間に圧電素子を配置し、この圧電素子に電圧を印加することで反射層間のギャップ寸法を変化させる構成では、ギャップ寸法の変化量に限界がある。これに対し、ギャップ寸法の変化量を大きくするために、圧電素子の厚み寸法を大きくすることも考えられる。しかしながら、厚みの大きい圧電素子を高精度に形成することは困難であり、寸法精度が悪い圧電素子を用いると基板に歪みや傾斜が生じてしまう。このように基板に歪みや傾斜が生じると、一対のミラーの平行度が悪くなり、波長可変干渉フィルターを透過する光の波長が面内でばらついたり、目標波長の光以外の光も波長可変干渉フィルターを透過したりし、目標波長の光を精度よく透過させることができない。
本開示の第一態様に係る波長可変干渉フィルターは、第一基板と、所定の間隔を介して前記第一基板に対向する第二基板と、前記第一基板に設置された第一反射膜と、前記第二基板に設置され、所定の第一間隔を介して前記第一反射膜に対向する第二反射膜と、前記第一基板及び前記第二基板の間に配置され、前記第一基板に対向する第一対向面、及び前記第二基板に対向する第二対向面を有する連結部と、前記第一間隔を変更する駆動部と、を備え、前記連結部は、前記第一対向面の一部が前記第一基板に接続され、前記第一基板から前記第二基板に向かう厚み方向から見て、前記連結部の前記第一対向面のうち前記第一基板に接続されていない部分は、前記第一基板に対して所定の第二間隔を介して対向する変位部を構成し、前記変位部の前記第二対向面の一部は、前記第二基板に接続され、前記駆動部は、前記変位部を撓ませることで前記第二間隔を変化させて、前記第一間隔を変更する。
第一実施形態における波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 図1のA-A線で波長可変干渉フィルターを切断した際の断面図。 第一実施形態における第二基板を除いた波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 第一実施形態における第一基板の概略構成を示す平面図。 第一実施形態における第二基板の概略構成を示す平面図。 第一実施形態において連結部近傍を拡大した拡大断面図。 駆動部により連結部を撓ませた際の連結部の近傍の拡大断面図。 本実施形態における波長可変干渉フィルターの製造方法におけるフローチャート。 第一基板形成ステップの概略を示す図。 第二基板形成ステップの概略を示す図。 連結部形成ステップの概略を示す図。 接合ステップの概略を示す図。 第二実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す断面図。 第三実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 図14の波長可変干渉フィルターをA-A線で切断した際の断面図。 第四実施形態における波長可変干渉フィルターの連結部の近傍を示す概略断面図。 第五実施形態における波長可変干渉フィルターの連結部の近傍を示す概略断面図。 第六実施形態における波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 第六実施形態の波長可変干渉フィルターの連結部の近傍の拡大断面図。 第七実施形態の波長可変干渉フィルターの概略構成を示す平面図。 第八実施形態における分光カメラの概略構成を示す図。 変形例1に係る波長可変干渉フィルターの連結部の近傍を示す概略断面図。
[第一実施形態]
以下、第一実施形態の波長可変干渉フィルターについて説明する。
[1.波長可変干渉フィルターの全体構成]
図1は、第一実施形態の波長可変干渉フィルター1の概略構成を示す平面図であり、図2は、当該波長可変干渉フィルター1をA-A線で切断した場合の断面図である。
波長可変干渉フィルター1は、図1及び図2に示すように、第一基板10、第二基板20、連結部30、及び駆動部40を備えて構成されている。
第一基板10及び第二基板20は、互いに対向するように平行に配置されている。連結部30は、これらの第一基板10及び第二基板20の間に配置され、第一基板10及び第二基板20を連結する。駆動部40は、第一基板10と連結部30との間に設けられ、連結部30を変形させることで第二基板20と第一基板10に向かって進退させる。
以下、このような波長可変干渉フィルター1の各構成について詳細に説明する。
また、以降の説明にあたり、第一基板10から第二基板20に向かう方向をZ方向とし、Z方向に直交する一方向をX方向とし、Z方向及びX方向に直交する方向をY方向として説明する。Z方向は本開示の厚み方向に相当する。
[2.第一基板の構成]
図3は、図1において第二基板20を取り除いた場合の波長可変干渉フィルター1の平面図である。また、図4は、+Z側から-Z側に向かって見た場合の第一基板10の平面図である。
第一基板10は、波長可変干渉フィルターを透過させる光の波長域に応じた基板材料を用いることができる。例えば、本実施形態では、波長可変干渉フィルター1により近赤外域から赤外域の光から所定波長の光を透過させる。この場合、近赤外域から赤外域の光を透過可能な素材により第一基板10を形成でき、例えば、本実施形態では、Si基板により第一基板10を形成する。なお、波長可変干渉フィルター1により可視光域の光を透過させる場合では、ガラスなどの素材により第一基板10を形成すればよい。
第一基板10の平面視における外形形状は特に限定されないが、製造工程上、素材となる基板からレーザーカット等によりチップ単位の第一基板10を切り出す場合、矩形状に形成されていることが好ましい。
また、第一基板10の厚みも特に限定されず、第一基板10上に形成される第一反射膜51等の膜応力により撓みが生じない程度の厚みを有していればよい。
ここで、第一基板10のうち、第二基板に対向する面を第一基板面11と称し、第一基板面11とは反対側の面を第一背面12と称する。第一基板面11と第一背面12とは平行であり、第一基板10の後述する凹溝13が形成されていない部分において、第一基板面11から第一背面12までの距離が均一となる。つまり第一基板10は均一な厚みに形成されている。
第一基板10は、図2から図4に示すように、第一基板面11に、例えばエッチング等により形成された凹溝13が設けられている。
この凹溝13は、第一基板10の中央部に設けられる第一溝部131と、第一溝部131から+Y側に伸びる第二溝部132と、第一溝部131の+X側に配置される第三溝部133と、電装部134と、を含む。
第一溝部131は、第一基板10の中央部を囲う矩形枠状に形成されている。第一基板面11において第一溝部131に囲われる領域は、第一反射膜51が設けられる第一反射膜領域14を構成する。つまり、第一溝部131は、第一反射膜領域14の-X側に配置されるY方向に長手となる-X側第一溝部131A、第一反射膜領域14の+X側に配置されてY方向に長手となる+X側第一溝部131B、第一反射膜領域14の-Y側に配置されてX方向に長手となる-Y側第一溝部131C、及び第一反射膜領域14の+Y側に配置されてX方向に長手となる+Y側第一溝部131Dを含む。
また、第一溝部131は、溝幅が均一となるように構成されている。
つまり、-X側第一溝部131Aは、第一反射膜領域14と、第一基板10の-X側端縁に沿って設けられる第一架橋部141との間に設けられる。-X側第一溝部131Aに沿う第一反射膜領域14の-X側端縁、及び、第一架橋部141の+X側端縁は、Y方向に平行な直線であり、-X側第一溝部131Aの溝幅はWとなる。
+X側第一溝部131Bは、第一反射膜領域14と、後述する第二架橋部142との間に設けられる。+X側第一溝部131Bに沿う第一反射膜領域14の+X側端縁、及び、第二架橋部142の-X側端縁は、Y方向に平行な直線であり、+X側第一溝部131Bの溝幅はWとなる。
-Y側第一溝部131Cは、第一反射膜領域14と、第一基板10の-Y側端縁に沿って設けられる第三架橋部143との間に設けられる。-Y側第一溝部131Cに沿う第一反射膜領域14の-Y側端縁、及び、第三架橋部143の+Y側端縁は、Y方向に平行な直線であり、-Y側第一溝部131Cの溝幅はWとなる。
+Y側第一溝部131Dは、第一反射膜領域14と、後述する第四架橋部144との間に設けられる。+Y側第一溝部131Dに沿う第一反射膜領域14の+Y側端縁、及び、第四架橋部144の-Y側端縁は、Y方向に平行な直線であり、+Y側第一溝部131Dの溝幅はWとなる。
また、第一溝部131の溝底面はXY平面と平行な面、つまり第一基板面11と平行な面となり、絶縁層19を介して駆動部40を構成する第一駆動電極41が設置されている。第一駆動電極41の詳細については後述する。
第二溝部132は、第一溝部131の±X側端部から+Y側に伸び、第一基板10の+Y側端縁に沿って設けられる電装部134に接続される部分である。この第二溝部132には、第一溝部131の溝底面に設置された第一駆動電極41に接続される第一引出電極411が配置される。
第二溝部132及び電装部134が設けられることで、第一反射膜領域14の+Y側に、第一溝部131を挟んで、第四架橋部144が形成される。第四架橋部144の第一基板面11は、第一反射膜領域14、第一架橋部141、第二架橋部142、及び第三架橋部143の第一基板面11と同一平面となる。第四架橋部144の一部は、第一基板10の+Y側端縁まで延設されており、この延設部144Aは、後述する導電性を有する連結部30の第二引出電極421が設置される部位となる。
なお、本実施形態では、図4に示すように、第一溝部131の±X側にそれぞれ第二溝部132が設けられ、かつ、電装部134が、基板中心を通り、Y方向に平行な軸線に対して線対称となるように配置される例を示すが、これに限定されない。例えば、+X側の電装部134のX方向に沿う長さと、-X側の電装部134のX方向に沿う長さとが異なっていてもよい。第四架橋部144の延設部144Aは、-X側の電装部134と、+X側の電装部134との間により形成されるため、上記のように、各電装部134の長さが異なる場合、これに応じて、延設部144Aの位置も変化する。
第三溝部133は、第一溝部131の-Y側端部から+X側に伸び、さらに、+Y側に向かって電装部134まで伸びる溝である。
この第三溝部133は、第二溝部132と同様、第一引出電極411が設置される溝部である。つまり、本実施形態では、矩形枠状の第一溝部131の4辺にそれぞれ独立した第一駆動電極41が配置されている。このうち、-X側、+X側、+Y側に配置される第一駆動電極41の第一引出電極411は、第二溝部132に沿って電装部134まで引き出される。-Y側に配置される第一駆動電極41に接続される第一引出電極411は、第三溝部133を通って電装部134まで引き出される。
なお、詳細は後述するが、本実施形態では、第二基板20は、第一基板10と同様Si基板により形成される。この場合、第三溝部133に配置される第一引出電極411と第二基板20との間に静電引力が作用するおそれがある。このため、本実施形態では、第三溝部133は、第一溝部131及び第二溝部132よりも溝深さが深く形成されている。
そして、第三溝部133が設けられることで、第一溝部131と、第三溝部133との間に、Y方向に沿って長手となる第二架橋部142が形成される。この第二架橋部142の第一基板面11は、第一反射膜領域14の第一基板面11と同一平面となる。
なお、本実施形態では、第三溝部133は、第一溝部131の+X側に設けられる例を示すが、これに限定されない。例えば、第三溝部133は、第一溝部131の-Y側端部から-X側に伸び、さらに、+Y側に向かって電装部134まで伸びる溝、つまり、第一溝部131の-X側に配置される溝としてもよい。
電装部134は、上述したように、各第一駆動電極41に接続された第一引出電極411が引き出される部分である。
また、上述したように、第一基板10の+Y側端部は、第二基板20の+Y側端部よりも突出し、この突出部に電装部134が配置されている。このため、電装部134に引き出された各第一引出電極411は、それぞれ+Z側に露出しており、各第一引出電極411に対して、例えばリード線やFPC(Flexible Printed Circuits)等を接続することが可能となる。
なお、本実施形態では、電装部134の表面に第一引出電極411が設けられ、第四架橋部144の延設部144Aに第二引出電極421が設けられ、+Z側からリード線やFPCをこれらの引出電極411,421に接続する構成を例示するが、これに限定されない。例えば、電装部134の第一引出電極411の形成位置や、延設部144Aの第二引出電極421の形成位置に、第一基板10を貫通する貫通電極を設け、第一基板10の第一背面12側に貫通電極に導通する電極パッドを設ける構成としてもよい。この場合、第一基板10の第一背面12側に、リード線やFPCを接続すればよい。
第一基板10の第一基板面11には、均一な厚みの絶縁層19が設けられている。そして、第一基板10の第一基板面11には、絶縁層19を介して第一反射膜51及び第一駆動電極41、及び第一引出電極411が設けられている。なお、本実施形態では、第一基板10としてSi基板を用いるため、絶縁層19を形成しているが、例えば、ガラス等の絶縁体により第一基板10を形成する場合では、絶縁層の形成は不要となる。
第一反射膜51は、上述のように、第一反射膜領域14に、絶縁層19を介して設置されている。第一反射膜51は、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜、高屈折層(例えばTiO)及び低屈折層(例えばSiO)を積層した誘電体多層膜等を用いることができる。
また、本実施形態では、第一反射膜51が、平面視矩形状に形成される例を示すが、第一反射膜51の形状が特に限定されず、円形や楕円形であってもよく、その他多角形状等であってもよい。
第一駆動電極41は、凹溝13の第一溝部131の溝底面に、絶縁層19を介して設置される。本実施形態では、図3に示すように、第一反射膜51を囲うように複数の第一駆動電極41が設けられている。具体的には、第一反射膜51の中心点に対して、複数の第一駆動電極41が回転対称となるように配置されている。例えば、本実施形態では、第一反射膜領域14を囲う矩形枠状の第一溝部131の各辺に対して、それぞれ、辺方向に長手となる第一駆動電極41が設けられている。これらの第一駆動電極41は、同一形状に形成されている。
また、各第一駆動電極41は、第一溝部131の溝底面の中央部に配置されている。例えば、-X側第一溝部131Aに設置される-X側第一駆動電極41Aは、Y方向の長さがa、X方向の幅がbとなる長方形状に形成され、-X側第一溝部131AのX方向の幅中心と、-X側第一駆動電極41AのX方向の幅中心とが一致するように設置される。
同様に、+X側第一溝部131Bに設置される+X側第一駆動電極41Bは、Y方向の長さがa、X方向の幅がbとなる長方形状に形成され、+X側第一溝部131BのX方向の幅中心と、+X側第一駆動電極41BのX方向の幅中心とが一致するように設置される。
-Y側第一溝部131Cに設置される-Y側第一駆動電極41Cは、X方向の長さがa、Y方向の幅がbとなる長方形状に形成され、-Y側第一溝部131CのY方向の幅中心と、-Y側第一駆動電極41CのY方向の幅中心とが一致するように設置される。
+Y側第一溝部131Dに設置される+Y側第一駆動電極41Dは、X方向の長さがa、Y方向の幅がbとなる長方形状に形成され、+Y側第一溝部131DのY方向の幅中心と、+Y側第一駆動電極41DのY方向の幅中心とが一致するように設置される。
各第一駆動電極41には、上述のように、第一引出電極411が接続されており、それぞれ個別に電装部134に引き出される。すなわち、-X側第一溝部131A、+X側第一溝部131B、及び+Y側第一溝部131Dに接続される第一引出電極411は、第二溝部132を通って電装部134まで延設される。また、-Y側第一溝部131Cに接続される第一引出電極411は、第三溝部133を通って電装部134まで延設される。各第一引出電極411は、第一基板10の外周縁近傍の先端部において幅広に形成され、電極パッドを構成してもよい。
そして、本実施形態では、第一溝部131の一部を覆うように、複数の連結部30が設けられている。つまり、連結部30は、第一溝部131を挟む位置で第一接合層311により第一基板10に接合される。
[3.第二基板の構成]
図5は、第二基板20を-Z側(第一基板10側)からみた平面図である。
第二基板20は、波長可変干渉フィルター1を透過させる光の波長域に応じた基板材料を用いることができる。例えば、本実施形態では、近赤外域から赤外域の光を透過可能な素材により形成すればよい。なお、本実施形態では、第二基板20を介して各連結部30を導通させるため、第二基板20として、導電性を有するSi基板で形成することが好ましい。
なお、本実施形態では、第二基板20としてSi基板を用いるが、例えば、ガラス等の絶縁体により第二基板20を形成する場合では、第二基板20の第一基板10に対向する面にITO等の導電性の透明膜を形成することで、各連結部30と導通を取ることができる。
第二基板20の平面視における外形形状は特に限定されないが、第一基板10と同様、矩形状に形成されていることが好ましい。また、第二基板20の厚みも特に限定されず、第二基板20上に形成される第二反射膜52等の膜応力により撓みが生じない程度の厚みを有していればよい。
ここで、第二基板20のうち、第一基板10に対向する面を第二基板面21と称し、第二基板面21とは反対側の面を第二背面22と称する。第二基板面21と第二背面22とは平行な面となる。
第二基板20の第二基板面21は、例えば、エッチング等の表面処理により第二基板20の中央部が、第一基板10側に突出するように段差が形成されている。当該第二基板20の中央部は、第二反射膜52が設けられる第二反射膜領域24であり、平坦な第二基板面21を有する。
第二基板20において、第二反射膜領域24を囲う領域には、連結部30が接続される連結領域23であり、第二反射膜領域24の第二基板面21よりも、第一基板10から離れた位置に設けられる。
ここで、本実施形態では、連結部30の変形によって、第二基板20が第一基板10に向かって移動することで、第一反射膜51と第二反射膜52との間のギャップ(第一間隔G1)の寸法が変化する。この第一間隔G1の変化範囲は、波長可変干渉フィルター1を透過させる光の波長範囲よって適宜設定されるが、1μm以下の範囲で変化する。一方、連結領域23では、第一基板10と第二基板20とが連結部30を介して接合される部分である。したがって、第二反射膜領域24の第二基板面21と連結領域23の第二基板面21とを同一面とすると、第一間隔G1が開きすぎることで、精度よく所望の光の波長を透過させることが困難となる。このため、本実施形態では、エッチング等により連結領域23と第二反射膜領域24との間に段差を設け、第二反射膜領域24が第一基板10側に突出するように形成されている。
第二反射膜領域24に設けられる第二反射膜52は、上述した第一反射膜51と同一の構成の反射膜を用いることができ、例えばAg等の金属膜や、Ag合金等の合金膜、高屈折層(例えばTiO)及び低屈折層(例えばSiO)を積層した誘電体多層膜等を用いることができる。
また、本実施形態では、第二反射膜52が、平面視で第一反射膜51と同一形状に形成され、Z方向に沿って見た際に、第一反射膜51と第二反射膜52とが重なり合う。この第一反射膜51と第二反射膜52とが重なり合う領域が光学領域Cとなり、光学領域Cに入射した光は、第一反射膜51及び第二反射膜52との間で多重反射し、第一間隔G1の寸法に応じた所定波長の光が干渉により強め合って波長可変干渉フィルター1を透過する。
[4.連結部の構成]
図6は、図2における連結部30の近傍を拡大した拡大断面図である。
連結部30は、上述したように、第一基板10の第一溝部131を覆って設けられ、第一基板10と第二基板20とを連結する。ここで、連結部30の第一基板10に対向する面を第一対向面31、連結部30の第二基板20に対向する面を第二対向面32とする。
本実施形態では、図3及び図6に示すように、連結部30は、平面視矩形状に形成され、第一溝部131の4辺のそれぞれに対応して4つ設けられている。
つまり、第一反射膜領域14と第一架橋部141とを架橋して-X側第一溝部131Aを覆う第一連結部30A、第一反射膜領域14と第二架橋部142とを架橋して+X側第一溝部131Bを覆う第二連結部30B、第一反射膜領域14と第三架橋部143とを架橋して-Y側第一溝部131Cを覆う第三連結部30C、及び、第一反射膜領域14と第四架橋部144とを架橋して+Y側第一溝部131Dを覆う第四連結部30Dが設けられている。
第一連結部30Aは、Y方向に長手となる矩形状を有し、第一対向面31の±X側端部が、Au膜等により構成される第一接合層311により、第一反射膜領域14の-X側端縁、及び第一架橋部141の+X側端縁に接合されている。第一連結部30Aの-X側第一溝部131Aの溝底面に対向する部分は、当該第一連結部30Aの変位部301を構成する。
第二連結部30Bは、Y方向に長手となる矩形状を有し、第一対向面31の±X側端部が第一接合層311により、第一反射膜領域14の+X側端縁、及び第二架橋部142の-X側端縁に接合されている。第二連結部30Bの+X側第一溝部131Bの溝底面に対向する部分が、当該第二連結部30Bの変位部301を構成する。
第三連結部30Cは、X方向に長手となる矩形状を有し、第一対向面31の±Y側端部が第一接合層311により、第一反射膜領域14の-Y側端縁、及び第三架橋部143の+Y側端縁に接合されている。第三連結部30Cの-Y側第一溝部131Cの溝底面に対向する部分が、当該第三連結部30Cの変位部301を構成する。
第四連結部30Dは、X方向に長手となる矩形状を有し、第一対向面31の±Y側端部が第一接合層311により、第一反射膜領域14の+Y側端縁、及び第四架橋部144の-Y側端縁に接合されている。第四連結部30Dの+Y側第一溝部131Dの溝底面に対向する部分が、当該第四連結部30Dの変位部301を構成する。
連結部30と第一基板10とを接合する第一接合層311としては、上述のように、導電性を有するAu等により構成される。そして、第四連結部30Dと第四架橋部144とを接合する第一接合層311に、第四架橋部144の延設部144Aに設けられる第二引出電極421が接続される。なお、第一接合層311及び第二引出電極421を例えばAu膜等の同一素材により形成する場合、第一接合層311と第二引出電極421とを同時に形成してもよい。
より具体的には、各連結部30は、図2に示すように、第一溝部131を覆う薄板部33と、薄板部33から第二基板20側に突出する柱状部34とを備える。なお、本実施形態では、図6に示すように、薄板部33及び柱状部34が別体として構成されているが、一体的に設けられている構成としてもよい。
また、本実施形態では、薄板部33及び柱状部34は導電性素材により構成されており、例えば薄板部33がSiにより構成され、柱状部34はAu膜により構成されている。このため、第二基板20を介して各連結部30が導通する。これにより、4つの連結部30を同電位とすることができる。
薄板部33は、上述したように、Au等により構成される第一接合層311により第一基板10に接合され、中央部は、第二間隔G2を介して、第一基板10の第一溝部131の溝底面と対向する。
柱状部34は、平面視において、薄板部33の幅方向中央に設けられている。つまり、第一連結部30A及び第二連結部30Bの柱状部34は、薄板部33の±X側端縁から所定寸法だけ内側となる位置に設けられ、第三連結部30C及び第四連結部30Dの柱状部34は、薄板部33の±Y側端縁から所定寸法だけ内側となる位置に設けられている。
そして、柱状部34の第二対向面32(突出先端面)は、例えばAu等の導電性の第二接合層341により第二基板20に接合されている。本実施形態では、Au膜により構成された柱状部34と、第二基板20に設けられた第二接合層341とが常温活性化接合により接合されている。
このような本実施形態では、連結部30の薄板部33及び柱状部34が導電性素材により構成されているので、連結部30自体を電極として機能させることが可能となる。すなわち、本実施形態の連結部30は、第一駆動電極41に第二間隔G2を介して対向する第二駆動電極として機能し、駆動部40としても機能する。
なお、本実施形態では、連結部30を導電性のSiにより構成する例を示すが、絶縁体により構成してもよい。この場合、連結部30の第一対向面31に第一駆動電極41に対向する第二駆動電極を別途形成すればよい。第二駆動電極を別途形成する場合、各連結部30における第二駆動電極を、Siにより形成される第二基板20に接続し、いずれかの第二駆動電極(例えば第四連結部30Dに設けられた第二駆動電極)を第二引出電極421に接続する。或いは、第二基板20が絶縁体により構成される場合では、第二基板20の表面にITO等の電極層を形成して、各第二駆動電極を接続すればよい。
[5.駆動部の構成]
駆動部40は、制御回路90により駆動され、連結部30を第一基板10の第一溝部131の溝底面側に撓ませることで、第二間隔G2の寸法を変化させる。本実施形態では、駆動部40は、静電アクチュエーターであり、上述のように、第一基板10に設けられる第一駆動電極41と、連結部30とにより構成されている。
また、本実施形態では、導電性を有する各連結部30は、導電性を有する第二基板20に対して、導電性を有する第二接合層341により接合されているので、これらの連結部30はそれぞれ同電位となる。そして、本実施形態では、この第二引出電極421を介して、これらの各連結部30が所定の基準電位に維持される。
したがって、第一駆動電極41の電位を制御することで、第一駆動電極と連結部30との間に駆動電圧を印加することができる。これにより、第一駆動電極41と連結部30との間に静電引力が作用し、連結部30の変位部301が第一溝部131の溝底面に向かって撓み、第二間隔G2が変化する。
[6.波長可変干渉フィルターの駆動]
図7は、駆動部40により連結部30を撓ませた際の連結部30の近傍の拡大断面図である。
以上のような波長可変干渉フィルター1では、第一引出電極411と第二引出電極421とを、波長可変干渉フィルター1を制御する制御回路90(ドライバー回路)に接続する。当該制御回路90は、静電アクチュエーターである駆動部40を構成する第一駆動電極41及び連結部30の間に印加する駆動電圧を制御する駆動制御部91を備える。例えば、本実施形態では、駆動制御部91は、連結部30を所定の基準電位に維持し、第一駆動電極41の電位を、波長可変干渉フィルター1を透過させる光の波長に応じて変化させる。これにより、上述のように、連結部30の変位部301が第一溝部131の溝底面側に撓み、第二間隔G2が変化する。
また、第二間隔G2が変化することで、連結部30の柱状部34に接合された第二基板20が第一基板10側に移動する。これによって、第一反射膜51と第二反射膜52との間の第一間隔G1の寸法が変化する。
また、薄板部33の第二対向面32から柱状部34の突出先端(第二対向面32)までのZ方向の寸法は、第二基板20が駆動部40で移動されていない状態(初期位置)での第一間隔G1の初期寸法よりも短く形成されている。この場合、第一反射膜51と第二反射膜52との衝突する前に、第二基板20が薄板部33の第二対向面32に当接して移動が規制される。これにより、衝突による第一反射膜51及び第二反射膜52の劣化や破損を抑制できる。
このような本実施形態では、波長可変干渉フィルター1では、所望波長の光を高精度に透過させることが可能となる。
つまり、第一基板10と第二基板20とを、例えば圧電体により連結し、圧電体に印加する電圧を制御することで第一間隔G1を変化させるような従来の構成では、第一間隔G1の変化量を確保するために、圧電体の厚みを大きくする必要がある。この場合、当該圧電体の厚みを精度よく均一にすることが困難であり、第一基板10と第二基板20との平行を維持することが困難となる。第一基板10と第二基板20との平行が維持できない場合、光学領域Cを透過する光の波長にもばらつきが生じる。また、第二基板20に接合される圧電体自体が伸縮するため、圧電体に接する第二基板20に応力が作用し、第二基板20に撓みを生じさせることもある。このように第二基板20に撓みが発生すると、光学領域Cにおいて、第一反射膜51と第二反射膜52との間隔にばらつきが生じる。
以上のように、圧電体を介して第一基板10と第二基板20とを接合する従来の構成では、光学領域Cにおいて、第一反射膜51と第二反射膜52との間隔にばらつきが生じる。よって、所望波長以外の光も波長可変干渉フィルターを透過してしまい、波長可変干渉フィルターの透過率特性において半値幅が広くなる。
これに対して、本実施形態では、第二間隔G2を変化させることで、連結部30に接合された第二基板20全体が第一基板10側に引っ張られ、第二基板20に撓みが生じない。すなわち、本実施形態の波長可変干渉フィルター1では、第一反射膜51及び第二反射膜52の平行を維持したまま、第一間隔G1の寸法を変化させることが可能となる。これにより、本実施形態の波長可変干渉フィルター1では、透過率特性において半値幅が狭くでき、所望の波長の光を精度よく透過させることができる。
また、連結部30の変位部301は、静電アクチュエーターにより構成される駆動部40によって変形されるものであり、圧電体のように、変位量を確保するために厚みを大きくする必要がない。すなわち、波長可変干渉フィルター1の厚み増大を抑制できる。
[7.波長可変干渉フィルターの製造方法]
次に、上述したような波長可変干渉フィルター1の製造方法について説明する。
図8は、本実施形態における波長可変干渉フィルター1の製造方法におけるフローチャートである。
波長可変干渉フィルター1の製造では、図8に示すように、第一基板形成ステップS1、第二基板形成ステップS2、連結部形成ステップS3、及び接合ステップS4により形成される。なお、第一基板形成ステップS1及び第二基板形成ステップS2の順番は、それぞれ入れ替わってもよく、別の生産ラインで同時に進行してもよい。
図9は、第一基板形成ステップS1の概略を示す図である。
第一基板形成ステップS1では、第一基板10の母材となる第一母材の表面に対して、凹溝13の形成位置以外にレジストを形成し、エッチングを実施することで、凹溝13を形成する。そして、レジストを除去した後、図9の1番目に示すように、第一基板10の第一基板面11に絶縁層19を形成する。
次に、レジストを除去した後、第一基板10にITO等の導電性膜を形成する。そして、当該導電性膜上に、第一駆動電極41、第一引出電極411及び第二引出電極421の形成位置を覆うマスクパターンを形成し、導電性膜をエッチングする。これにより、図9の2番目に示すように、第一駆動電極41、第一引出電極411及び第二引出電極421が第一基板10上に形成される。なお、図9では、第一駆動電極41のみ示している。
次に、電極形成用のマスクパターンを除去した後、第一基板10に対して、例えばAu等により構成される接合膜を成膜する。
そして、接合膜上に、第一接合層311の形成位置を覆うマスクを形成し、エッチング等を用いて接合膜をパターニングし、図9の3番目に示すような基板側第一接合層311Aを形成する。
図10は、第二基板形成ステップS2の概略を示す図である。
第二基板形成ステップS2では、第二基板20の母材となる第二母材の表面に対して、第二反射膜領域24の形成位置にレジストを形成し、エッチングを実施する。これにより、図10の1番目に示すように、第二反射膜領域24と連結領域23との間に段差が形成される。
次に、レジストを除去した後、第二基板20に対して、例えばAu等により構成される接合膜を成膜する。そして、当該接合膜上に、第二接合層341の形成位置を覆うマスクパターンを形成し、接合膜をエッチングする。これにより、図10の2番目に示すように、第二接合層341が形成される。
図11は、連結部形成ステップS3の概略を示す図である。
連結部形成ステップS3では、平面視で第一基板10と同サイズのSiにより構成された母材M1に対して、例えばAu等により構成される接合膜を成膜する。そして、当該接合膜上に、第一接合層311の形成位置を覆うマスクパターンを形成し、接合膜をエッチングする。これにより、図11の1番目に示すように、連結部側第一接合層311Bが形成される。
次に、第一基板形成ステップS1により形成された第一基板10と母材M1とを重ね合わせて接合する。具体的には、基板側第一接合層311Aと、連結部側第一接合層311Bとを当接させ、これらを常温活性化接合により接合することで、図11の2番目に示すように第一接合層311を形成する。
次に、母材M1を研磨することで、図11の3番目に示すように、母材M1の厚みを薄板部33の厚みとする。
この後、母材M1の第一基板10とは反対側の面に、例えばAu等により構成される接合膜を成膜する。そして、当該接合膜上に、第二接合層341の形成位置を覆うマスクパターンを形成して接合膜をエッチングする。これにより、図11の4番目に示すように、柱状部34が形成される。
次に、母材M1の連結部30の設置位置以外にレジストパターンを形成し、エッチングにより、図11の5番目に示すような薄板部33を形成する。
図12は、接合ステップS4の概略を示す図である。
接合ステップS4では、まず、図12の左上及び右上に示すように、第一反射膜51及び第二反射膜52を形成する。すなわち、第一反射膜51及び第二反射膜52は、他の工程による劣化を防ぐために、第一基板10に第二基板20を連結する直前に形成される。
第一反射膜51の形成では、連結部30が接合された第一基板10の第一反射膜51の形成位置以外をマスクし、例えば蒸着等により、第一反射膜51を形成する。なお、第一反射膜51を形成する領域から絶縁層19を除去した後、第一反射膜51を形成してもよい。
また、第二反射膜52の形成では、第二基板20の第二反射膜52の形成位置以外をマスクし、例えば蒸着等により、第二反射膜52を形成する。
この後、連結部30が接合された第一基板10に第二基板20を重ね合わせて接合する。具体的には、連結部30の柱状部34と、第二基板20の第二接合層341とを当接させ、これらを常温活性化接合により接合する。これにより、図12の下図に示すように第一基板10と第二基板20とが連結部30を介して接合される。
[8.第一実施形態の作用効果]
本実施形態の波長可変干渉フィルター1は、第一基板10と、所定の間隔を介して第一基板10に対向する第二基板20と、第一基板10に設置された第一反射膜51と、第二基板20に設置され、所定の第一間隔G1を介して第一反射膜51に対向する第二反射膜52と、第一基板10及び第二基板20の間に配置され、第一基板10に対向する第一対向面31、第二基板20に対向する第二対向面32を有する連結部30と、第一間隔G1を変更する駆動部40と、を備える。
連結部30は、第一対向面31の一部が第一基板10に接続され、第一基板10から第二基板20に向かう方向をZ方向から見て、連結部30の第一対向面31のうち第一基板10に接続されていない部分は、第一基板10に対して所定の第二間隔G2を介して対向する変位部301を構成し、変位部301の第二対向面32側に設けられた柱状部34が、第二基板20に接続される。そして、駆動部40は、変位部301を、第一溝部131側に撓ませることで第二間隔G2を変化させて、第一間隔G1を変更する。
このような構成では、第二基板20は、連結部30の変位部301の撓みに連動して第一基板10に対して進退するが、第二基板20自体に撓みが生じることがない。したがって、第一反射膜51と第二反射膜52とを平行に維持したまま、第一間隔G1を変化させることができる。よって、光学領域Cにおける第一間隔G1にばらつきが生じず、波長可変干渉フィルター1から、所望の目標波長の光を精度よく出射させることができる。つまり、光学領域Cにおいて場所によって透過波長が変化する不都合を抑制でき、光学領域Cの面内で均一に目標波長の光を透過させることができる。
本実施形態の波長可変干渉フィルター1では、駆動部40は、第一基板10に設置された第一駆動電極41と、連結部30とにより構成される静電アクチュエーターである。このような静電アクチュエーターでは、連結部30を基準電位に維持し、第一駆動電極41の電位を制御することで、第一駆動電極41と連結部30との間に印加される駆動電圧を高精度に制御することができ、第二間隔G2を精度よく所望の寸法に設定することができる。これにより、第一間隔G1も精度よく所望の目標波長に対応した寸法に設定することができる。
本実施形態において、連結部30は、シリコン(Si)により形成される。そして、連結部30が、静電アクチュエーターにおいて第一駆動電極41と対を成す第二駆動電極として機能する。
これにより、本実施形態では、第二駆動電極を別途形成する必要がなく、これに伴う配線構成も簡素化できる。
また、連結部30の変位部301は、静電引力によって撓む部位であり、当該変位部301に第二駆動電極やその引出電極を形成すると、変位部301の変形時の応力によって、電極が破損したり断線したりするおそれもある。これに対して、本実施形態のように、連結部30を第二駆動電極として機能させる構成では、上記のような電極の破損や断線がなく、波長可変干渉フィルター1の信頼性を高めることができる。
本実施形態の波長可変干渉フィルター1では、連結部30は、第一対向面31及び第二対向面32を有する薄板部33と、薄板部33の第二対向面32から第二基板20に向かって突出して設けられ、突出先端部が第二基板20に接続される柱状部34と、を含む。
これにより、薄板部33が第一基板10に接合され、柱状部34が第二基板20に接合されて、薄板部33の第一基板10に接合されていない部分が変位部301として機能する。このような構成では、柱状部34が第二基板20に接続されるので、薄板部33の変形による応力が第二基板20に伝搬しにくく、第二基板20の撓みを抑制できる。
本実施形態の波長可変干渉フィルター1では、柱状部34のZ方向の寸法は、駆動部40によって変位部301が変形していない状態での第一間隔G1の初期寸法よりも小さい。
これにより、変位部301が大きく撓んだ際に、第二反射膜52が第一反射膜51に衝突する前に、第二基板20が薄板部33に当接して第二基板20の移動を規制することができる。よって、第一反射膜51及び第二反射膜52が、衝突によって破損したり劣化したりすることを抑制できる。
本実施形態の波長可変干渉フィルター1では、光学領域Cの中心に対して、複数の連結部30が回転対称となる位置に設けられ、複数の連結部30のそれぞれに対応して複数の駆動部40が設けられている。
これにより、各連結部30における変位部301の撓み量を、それぞれの連結部30に対応して設けられた駆動部40によって制御することができる。よって、第二基板20の傾斜をより精度よく抑制でき、波長可変干渉フィルター1から所望の目標波長の光を高精度に出射させることができる。
[第二実施形態]
次に、第二実施形態について説明する。
上記第一実施形態では、第一溝部131の溝底面に第一駆動電極41が設けられる構成を例示したが、その他の電極がさらに配置されていてもよい。第二実施形態では、第一溝部131に、さらに第一駆動電極41以外の電極が設けられる例を説明する。
なお、以降の説明において、既に説明した構成については同符号を付し、その説明を省略または簡略化する。
図13は、第二実施形態の波長可変干渉フィルター1Aの概略構成を示す断面図である。
本実施形態では、図13に示すように、第一溝部131に、第一駆動電極41に加え、第一容量検出電極61が設けられている。この第一容量検出電極61は、第一駆動電極41とは非導通となる独立した電極であり、基準電位に維持される連結部30と対向する。第一容量検出電極61には図示略の容量引出電極が接続され、当該容量引出電極は電装部134まで延設されている。この容量引出電極は、制御回路90に設けられた容量検出部92に接続される。この容量検出部92は、第一容量検出電極61と連結部30との間の静電容量を検出することで、第二間隔G2の寸法を測定する。
なお、本実施形態では、第一実施形態と同様に、連結部30が導電性の基板(例えばSi基板)により構成される構成を例示するが、連結部30が絶縁体により構成されていてもよい。この場合、連結部30の第一対向面31において、第一容量検出電極61に対向する位置に、第二容量検出電極を別途形成し、当該第二容量検出電極を容量検出部92に接続すればよい。
本実施形態では、4つの連結部30(第一連結部30A,第二連結部30B,第三連結部30C,第四連結部30D)に対向して、それぞれ独立した第一容量検出電極61が設けられている。これにより、本実施形態の波長可変干渉フィルター1Aでは、容量検出部92により、各連結部30における第二間隔G2の寸法をそれぞれ個別に検出することができる。すなわち、本実施形態では、各連結部30における第二間隔G2を測定することで、第一基板10に対する第二基板20の傾斜を検出することが可能となる。
また、本実施形態では、第一実施形態と同様、各連結部30に対して、それぞれ独立した第一駆動電極41が設けられている。このため、第一基板10に対する第二基板20の傾斜が測定された場合に、第二基板20が第一基板10に対して平行となるように、各第一駆動電極41に印加する電圧を制御することが可能となる。つまり、制御回路90は、容量検出部92で検出される4つの連結部30における第二間隔G2の寸法が、波長可変干渉フィルター1Aを透過させる所望の目標波長に対応する目標寸法となるようにフィードバック制御することができる。
また、駆動部40として、第一実施形態では単一の第一駆動電極41を設ける構成を例示したが、駆動部40を構成する第一駆動電極41は複数設けられていてもよい。
例えば、第二実施形態では、駆動部40を構成する第一駆動電極41として、内側第一駆動電極41Eと、外側第一駆動電極41Fとが設けられている。内側第一駆動電極41Eは、一対設けられ、第一溝部131の幅方向の中心に対して、線対称に設けられている。例えば、第一連結部30A及び第二連結部30Bでは、第一溝部131のX方向の中心を通りY方向に平行な中心線に対して線対称となるように設けられる。また、第三連結部30C及び第四連結部30Dでは、第一溝部131のY方向の中心を通りX方向に平行な中心線に対して線対称となるように設けられる。
外側第一駆動電極41Fも同様であり、一対の外側第一駆動電極41Fが、第一溝部131の幅方向の中心に対して、線対称となる位置に設けられている。
このような構成では、駆動制御部91は、例えば、内側第一駆動電極41E及び外側第一駆動電極41Fのいずれか一方にバイアス電圧を印加して、第二間隔G2が目標寸法の近傍となるように連結部30を変位させる。一方、駆動制御部91は、内側第一駆動電極41E及び外側第一駆動電極41Fの他方に、容量検出部92で検出された静電容量に基づいたフィードバック電圧を印加して、連結部30の変位量を微調整する。
これにより、各連結部30の第二間隔G2を精度よく所望の目標寸法に合わせることができる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の波長可変干渉フィルター1Aでは、第一基板10の第一溝部131に設置された第一容量検出電極61を備え、連結部30は、第一容量検出電極61に対向する第二容量検出電極としても機能する。
このため、本実施形態では、各連結部30の位置で第二間隔G2の寸法をそれぞれ個別に測定することができる。これにより、第一基板10に対する第二基板20の傾斜を検出することが可能となる。
また、各連結部30に対して駆動部40を構成する第一駆動電極41が設けられている。これにより、上述のように、容量検出部92で測定された第二間隔G2の寸法に基づいて、各第一駆動電極41に印加する電圧を個別にフィードバック制御することができ、第二基板20を第一基板10に対して変更となるように制御することが可能となる。
さらに、本実施形態では、第一駆動電極41は、内側第一駆動電極41Eと、外側第一駆動電極41Fと、を含んで構成され、これらの内側第一駆動電極41E及び外側第一駆動電極41Fを独立して駆動させることが可能となる。この場合、内側第一駆動電極41E及び外側第一駆動電極41Fの一方にバイアス電圧を印加し、他方にフィードバック電圧を印加することが可能となり、第二間隔G2の寸法制御をより細かく調整することができる。よって、各連結部30の位置での第二間隔G2を所望の寸法に微調整することができる。
[第三実施形態]
次に、第三実施形態について説明する。
上記第二実施形態では、第一溝部131の溝底面に、第二間隔G2の寸法を測定するための第一容量検出電極61を設ける例を示した。これに対して、第三実施形態では、第一間隔G1の寸法を測定するための容量検出電極が設けられる。
図14は、第三実施形態の波長可変干渉フィルター1Bの概略構成を示す平面図であり、図15は、図14の波長可変干渉フィルター1BをA-A線で切断した際の断面図である。なお、図面の見やすさを考慮して、図14において、第二基板20及び連結部30の図示は省略している。
本実施形態では、第一基板10の第一反射膜領域14において、第一反射膜51の外周縁に沿って矩形枠状の第三容量検出電極63が設けられている。この第三容量検出電極63には、第二溝部132から電装部134まで延設される容量引出電極631が接続されており、電装部134において、リード線やFPCを介して制御回路90に接続される。
また、本実施形態では、第三容量検出電極63は、第一反射膜51と同じ厚みに形成されており、第二基板20には、第三容量検出電極63に対向して、第二反射膜52と同じ厚みに形成された第四容量検出電極64が設けられている。
すなわち、第二基板20は、導電性を有するSiにより構成されているため、第二実施形態と同様、第二基板20を本開示の第四容量検出電極として機能させることもできる。しかしながら、本実施形態では、第一反射膜51と第二反射膜52との間の第一間隔G1の寸法を、第三容量検出電極63及び第四容量検出電極64により測定する。この場合、第一間隔G1の正確な寸法を測定するために、第一反射膜51や第二反射膜52の厚みと同等の厚みの第三容量検出電極63及び第四容量検出電極64を設けることが好ましい。これにより、第一反射膜51の表面から、第二反射膜52の表面までの第一間隔G1の正確な寸法を高精度に測定することが可能となる。
また、光学領域Cと重なる領域に第三容量検出電極63及び第四容量検出電極64が設けられていないので、第三容量検出電極63及び第四容量検出電極64によって光学領域を透過する光が阻害される不都合も抑制できる。
そして、制御回路90には、第二容量検出部93が設けられ、第三容量検出電極63と第四容量検出電極64との間の静電容量を検出することで、第一間隔G1の寸法を測定する。
本実施形態では、第一間隔G1の正確な寸法を第二容量検出部93により検出することができる。このため、第一間隔G1の寸法が所望の目標寸法となるように、各第一駆動電極41に印加する駆動電圧をフィードバック制御することが可能となる。
なお、図14及び図15では、駆動部40が単一の第一駆動電極41を備える構成を例示しているが、第二実施形態で説明したように、内側第一駆動電極41Eと外側第一駆動電極41Fを備える構成としてもよい。
また、本実施形態では、第三容量検出電極63と第四容量検出電極64により第一間隔G1の寸法を測定する構成例を示すが、さらに、第一容量検出電極61が設けられて第二間隔G2を測定可能な構成としてもよい。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の波長可変干渉フィルター1Bでは、第一基板10に設けられた第三容量検出電極63と、第二基板20に設けられ、第三容量検出電極63に対向する第四容量検出電極64と、をさらに備える。第三容量検出電極63は、Z方向から見て、第一反射膜51の周囲を囲う位置に設置され、第四容量検出電極64は、Z方向から見て、第二反射膜52の周囲を囲う位置に設置されている。
このため、本実施形態では、第一間隔G1の寸法を精度よく測定することができる。つまり、第二実施形態では、各連結部30における第二間隔G2を測定するものであるため、第一反射膜51と第二反射膜52との間の第一間隔G1の寸法を直接測定することができない。これに対して、本実施形態では、第一間隔G1の寸法を測定できるので、波長可変干渉フィルター1Bから透過させる光の波長を測定された第一間隔G1の寸法に基づいて調整することができる。
[第四実施形態]
次に、第四実施形態について説明する。
上記第一から第三実施形態では、駆動部40は静電アクチュエーターであり、連結部30を静電引力により第一溝部131の溝底面側に撓ませる構成を例示した。これに対して、第四実施形態では、駆動部40の駆動方式が上記実施形態と相違する。
図16は、第四実施形態における波長可変干渉フィルター1Cの連結部30の近傍を示す概略断面図である。
本実施形態では、図16に示すように、駆動部40Aは、第一溝部131の溝底面に設けられたコイル43と、連結部30の第一対向面31に設けられた永久磁石44とにより構成される。
なお、図16では、第一溝部131にコイル43が設けられ、連結部30に永久磁石44が設けられる構成を例示するが、第一溝部131に永久磁石44が設けられ、連結部30にコイル43が設けられる構成としてもよい。
上記第一実施形態では、第一駆動電極41が、第一溝部131の辺方向に沿って長手に形成される構成であるが、本実施形態では、第一溝部131の辺方向に沿って、複数のコイル43が設けられる構成などとしてもよい。この場合、第一溝部131の各辺に対して同数のコイル43を配置する。例えば、―X側第一溝部131AにY方向に沿ってn個のコイル43を所定の間隔で配置する場合、+X側第一溝部131BにもY方向に沿ってn個のコイル43を前記間隔で配置し、―Y側第一溝部131CにもX方向に沿ってn個のコイル43を前記間隔で配置し、+Y側第一溝部131DにもX方向に沿ってn個のコイル43を前記間隔で配置する。
コイル43は、Z方向に沿った軸を中心軸として形成されている。
コイル43の一端は、例えば第一溝部131の溝底面に設けられた第一コイル電極431に接続される。また、コイル43の他端は、例えば第一溝部131の側壁から溝底面に亘って形成された第二コイル電極432に接続される。これらの第一コイル電極431及び第二コイル電極432は、それぞれ個別に電装部134まで延設され、電装部134から制御回路90の電流制御部94に接続されている。なお、第一溝部131の溝底面に第一基板10をZ方向に貫通する貫通孔を設け、当該貫通孔を介して、コイルに接続する電極線を挿通してもよい。
永久磁石44は、例えば、第一基板10に向かう-Z側がN極、+Z側がS極となるように配置される。
電流制御部94は、コイル43に流す電流を制御する。これにより、コイル43の中心軸を通る磁束が発生し、永久磁石44に対向するコイル43の一端側(+Z側)に、電流の流れる方向に応じた磁極が発生する。例えば、コイル43の+Z側がS極となるように電流を流すことで、永久磁石44が設けられた連結部30が第一溝部131の溝底面側に撓み、第二間隔G2を変化させることができる。また、第二間隔G2が変化することで、第一実施形態等と同様、第二基板20が第一基板10側に移動し、第一間隔G1も変化する。
なお、本実施形態では、コイル43の+Z側がN極となるように電流を流すこともでき、この場合、斥力により連結部30が第二基板20側に撓む。したがって、第一間隔G1を広げることもでき、より広い範囲の波長域から、波長可変干渉フィルター1Cを透過させる光を選択することができる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の波長可変干渉フィルター1Cでは、駆動部40Aは、第一溝部131に設けられたコイル43と、連結部30の第一対向面31に設けられた永久磁石44(磁性体)とにより構成されている。
このような構成では、コイル43に電流を流すことで磁界を発生させることができ、当該磁界により永久磁石44が設けられた変位部301を変位させることができる。この際、磁界の強さをコイル43に流す電流により制御することができ、第一実施形態と同様、第二間隔G2の寸法を高精度に制御することができる。したがって、第一間隔G1も、所望の目標波長に対応した寸法に高精度に制御することができ、波長可変干渉フィルター1Cから目標波長の光を精度よく透過させることができる。
また、本実施形態では、コイル43に流す電流の方向を逆転させることで、斥力により変位部301を第二基板20側に撓ませることもできる。すなわち、本実施形態では、第一間隔G1を初期寸法から狭める方向に変化させることも、初期寸法から広げる方向に変化させることもできる。これにより、広い波長域から所望の目標波長の光を透過させることができる。
[第五実施形態]
次に第五実施形態について説明する。
上記第四実施形態では、駆動部40Aが、コイル43と永久磁石44とを備え、コイル43と永久磁石44を対向配置する構成を例示した。これに対して、磁力を用いて連結部30を変形させる構成として、ソレノイドを用いてもよい。
図17は、第五実施形態における波長可変干渉フィルター1Dの連結部30の近傍を示す概略断面図である。
本実施形態の駆動部40Bは、第四実施形態と同様、第一溝部131にコイル43が設けられており、当該コイル43の-Z側に固定磁性体433が配置される。
また、連結部30には、コイル43の中心を挿通される磁性体により構成された軸部材44Aが設けられる。
このような構成では、コイル43に電流を流すことで、軸部材44Aが固定磁性体433に向かって移動する。これにより、軸部材44Aに接続された連結部30が第一溝部131の溝底面側に撓み、第二間隔G2が変化する。また、軸部材44Aが固定磁性体433に当接することで、連結部30の移動が規制され、第一反射膜51と第二反射膜52との衝突を抑制できる。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の波長可変干渉フィルター1Dでは、第四実施形態と同様の作用効果を奏することができる。つまり、駆動部40Bは、第一溝部131に設けられたコイル43と、連結部30の第一対向面31に設けられてコイル43に挿通される軸部材44Aとを備える。
このような構成では、コイル43に電流を流して磁界を発生させることで、軸部材44AをZ方向に移動させることができる。この場合でも、磁界の強さをコイル43に流す電流により制御することができるので、第二間隔G2の寸法を高精度に制御することができる。
[第六実施形態]
次に第六実施形態について説明する。
上記第一から第三実施形態では、静電アクチュエーターにより構成された駆動部40を例示し、第四実施形態及び第五実施形態では磁界を発生させることで連結部30を変形させる駆動部40A,40Bを例示した。第六実施形態では、さらに、圧電素子を用いて連結部30を撓ませる構成について説明する。
図18は、第六実施形態における波長可変干渉フィルター1Eの概略構成を示す平面図であり、図19は、図18のA-A線を切断した場合の波長可変干渉フィルター1Eの概略断面図である。なお、図18では、図面の見やすさを考慮し、第二基板20及び連結部30の図示を省略する。
本実施形態では、図19に示すように、連結部30の第一対向面31には、絶縁層45が形成され、当該絶縁層45上に、第一電極461、圧電膜462、及び第二電極463がZ方向に沿って積層されている。本実施形態では、これらの第一電極461、圧電膜462、及び第二電極463により駆動部40Cが構成されている。
ここで、4つの連結部30のそれぞれの第一電極461は、図18に示すように、例えば第一反射膜領域14に設けられた第一引出電極461Aに接続され、当該第一引出電極461Aが、第一基板10の例えば+Y側端部まで延設される。
一方、各第二電極463は、図18に示すように、それぞれ独立した第二引出電極463Aに接続され、第一基板10の例えば+Y側端部まで延設される。
なお、図19に示すように、第一引出電極461Aや第二引出電極463Aは、それぞれ、第一基板10と連結部30とを接続する第一接合層として機能してもよい。
このような本実施形態では、互いに結線される第一電極461を共通電極として、所定の基準電位を印加し、第二電極463に第一間隔G1の寸法に応じた駆動信号を印加する。これにより、第一電極461及び第二電極463の間に駆動電圧が印加されることで、圧電膜462が変形し、連結部30が第一溝部131の溝底面に向かって撓み、第二間隔G2が変化する。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態では、駆動部40Cは、第一対向面31上に設置された第一電極461と、第一電極461上に設置された圧電膜462と、圧電膜462上に設置された第二電極463と、を備え、第一電極461、圧電膜462、及び第二電極463がZ方向に沿って積層されて構成されている。
このような駆動部40Cでは、第一電極461及び第二電極463の間で駆動電圧を印加すると、圧電膜462が伸縮する。例えば、第一電極461の電位が第二電極463の電位よりも大きくなるように駆動電圧を印加した際に圧電膜462が伸長する場合、圧電膜462の連結部30側の面は第一電極461を介して連結部30に接合されているので、圧電膜462の第一基板10側の面に比べて、伸長量が小さくなる。よって、圧電膜462は第一溝部131の溝底面側に向かって撓み、これによって連結部30の変位部301も第一溝部131の溝底面側に向かって撓む。また、その撓み量は、圧電膜462に印加する駆動電圧により容易に制御することが可能となる。したがって、上記第一実施形態と同様、第二間隔G2の寸法を高精度に制御することができ、これにより、第一間隔G1も所望の目標波長に対応した寸法に高精度に制御することができる。
また、本実施形態では、圧電膜462に印加する駆動電圧を逆転させることで、圧電膜462の撓み方向を逆転させることができる。例えば、第一電極461の電位が第二電極463の電位よりも大きくなるように駆動電圧を印加した際に圧電膜462が伸長する場合では、第一電極461の電位が第二電極463の電位よりも小さくなるように駆動電圧を印加すると、圧電膜462が縮小する。この場合、圧電膜462の連結部30側の面は第一電極461を介して連結部30に接合されているので、圧電膜462の第一基板10側の面に比べて、縮小量が小さくなる。よって、圧電膜462は第二基板20に向かって撓み、これによって連結部30の変位部301も第二基板20に向かって撓む。このため、第四実施形態や第五実施形態と同様、本実施形態の波長可変干渉フィルター1Eでは、広い波長域から所望の目標波長の光を透過させることができる。
[第七実施形態]
次に、第七実施形態について説明する。
上記第一から第六実施形態では、矩形枠状の第一溝部131の4辺にそれぞれ連結部30が設けられる構成、つまり、複数の連結部30が、光学領域Cの中心に対して回転対称に設けられる構成例を示した。
これに対して、第一溝部131が円環状に形成されて、当該第一溝部131を覆う連結部が設けられる構成としてもよい。
図20は、第七実施形態の波長可変干渉フィルター1Fの概略構成を示す平面図である。なお、図20において、第二基板20の図示は省略している。
本実施形態では、第一反射膜51の中心点(光学領域Cの中心点)を中心とした円環状の第一溝部135を備える。
また、連結部30Eは、平面視において、第一溝部135を覆う円環状に形成されている。つまり、連結部30Eは、図20に示すように、当該第一溝部135の内径側と外形側とを架橋するように設けられている。
駆動部40Dは、第一実施形態と同様、静電引力により連結部30Eを撓ませるが、本実施形態では、駆動部40Dを構成する第一駆動電極41Gが、光学領域Cを囲う円環状に形成されている。
[本実施形態の作用効果]
本実施形態の波長可変干渉フィルター1Fでは、連結部30Eは、光学領域Cの周囲を囲う円環状に形成され、駆動部40Dは、連結部30Eと重なる位置で、光学領域Cの周囲に円環状に形成されている。
上記第一実施形態のような第一溝部131は矩形枠状であるため、角部に連結部30を設けると撓み量に差が生じる。このため、第一溝部131の各辺のそれぞれに対応して独立した連結部30を設ける構成とする必要がある。これに対して、本実施形態のように、第一溝部135を円環状とし、当該第一溝部135を円環状の連結部30Eで覆う場合では、連結部30Eを円環の周方向に亘って均一に撓ませることができる。
したがって、駆動部40Dを構成する第一駆動電極41Gを円環状とすることで、連結部30Eの周方向に亘って均一な静電引力を作用させることができ、第二基板20の傾斜を抑制しつつ、第二間隔G2の寸法を変化させることができる。
また、本実施形態では、複数の第一引出電極411を設ける必要がなく、構成の簡素化を図ることができる。
[第八実施形態]
次に、第八実施形態として、上記第一実施形態から第六実施形態で説明したような波長可変干渉フィルター1,1A,1B,1C,1D,1Eを備えた電子機器について説明する。
図21は、第八実施形態における分光カメラ700の概略構成を示す図である。
図21に示すように、分光カメラ700は、カメラ本体部701と、鏡筒部702とを備え、カメラ本体部701には、波長可変干渉フィルター1、受光部703、制御回路90、及び制御部704等が収納されている。
図21では、波長可変干渉フィルター1が用いられているが、第二実施形態から第六実施形態で説明した波長可変干渉フィルター1A,1B,1C,1D,1E,1Fのいずれかを用いてもよい。また、波長可変干渉フィルター1は、別途パッケージ筐体等に格納された状態で、カメラ本体部701に組み込まれてもよい。
この分光カメラ700では、鏡筒部702に、複数のレンズにより構成された入射光学系を収納されており、所定の画角の光を、波長可変干渉フィルター1を介して受光部703に導く。
受光部703は、波長可変干渉フィルター1を透過した光を受光するイメージセンサーであり、波長可変干渉フィルター1の光学領域Cを透過した光を受光する。
制御回路90は、波長可変干渉フィルター1を駆動するための回路であり、上述したように駆動制御部91等を備える。また、波長可変干渉フィルター1Aを用いる場合では、制御回路90にさらに容量検出部92が設けられ、波長可変干渉フィルター1Bを用いる場合では、第二容量検出部93が設けられる。また、波長可変干渉フィルター1C、1Dを用いる場合では、駆動制御部91に代えて、電流制御部94を設ければよい。
制御部704は、分光カメラ700の動作を制御し、例えばユーザーの操作に基づいて、所定の目標波長の分光画像を取得する旨の操作信号が入力された際に、制御回路90に、目標波長に応じた指令信号を出力する。これにより、制御回路90は、目標波長に応じた駆動電圧を波長可変干渉フィルター1の駆動部40に印加する。
また、制御部704は、受光部703を制御して、受光処理を実施させ、受光部703から出力される画素毎の出力信号に基づいて、画像データ(分光画像)を生成する。
[変形例]
なお、本発明は前述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良等は本発明に含まれるものである。
[変形例1]
図22は、変形例1に係る波長可変干渉フィルター1Gの連結部30の近傍を示す断面図である。
上記第一実施形態において、第一基板10に第一溝部131が設けられ、第一溝部131を覆うように、連結部30が配置される構成を例示した。これに対して、第一基板10の厚み寸法が均一な板部材であり、例えば図22に示すように、第一基板面11に連結部30を保持する一対の保持台80が設けられる構成としてもよい。
[変形例2]
第一実施形態において、第二基板20は、第二反射膜領域24と、第二反射膜領域24を囲い、第二反射膜領域24よりも厚みが小さい連結領域23とを備える構成を例示した。これに対して、連結領域23と、第二反射膜領域24とが同一厚みに形成されてもよい。つまり、連結領域23の第二基板面21と、第二反射膜領域24の第二基板面21とが同一平面であってもよい。
また、第一基板10の第一反射膜領域14を第二基板20側に突出するように形成してもよく、エッチング等により第一反射膜領域14を凹状に形成してもよい。
つまり、Z方向における第一基板10における第一反射膜領域14の位置、第二基板20における第二反射膜領域24の位置は、波長可変干渉フィルター1を透過させる光の波長域に応じて適宜変更してもよい。
[変形例3]
上記各実施形態では、連結部30が第一基板10や第二基板20とは別体として構成される例を示したが、連結部30の一部または全部が、第一基板10又は第二基板20と一体的に構成されていてもよい。
例えば、連結部30の柱状部34が、第二基板20と一体的に構成されていてもよい。
或いは、連結部30の薄板部33及び柱状部34が、第二基板20と一体的に構成されていてもよい。
[変形例4]
第七実施形態において、連結部30Eや駆動部40Dが円環状に形成される構成を例示したが、第一実施形態等と同様、光学領域Cの中心点に対して複数の連結部や駆動部が回転対称に設けられる構成としてもよい。
例えば、複数の円弧状の連結部が、光学領域Cの中心点に対して回転対称に設けられる構成としてもよい。この場合、各円弧状の連結部のそれぞれに対して、駆動部を設ける構成としてもよい。例えば、第一溝部135に、円弧状の第一駆動電極41を、光学領域Cの中心点に対して回転対称に設けてもよい。
また、第一実施形態から第六実施形態では、矩形枠状の第一溝部131の各辺に対して連結部30が設けられ、各連結部30に対応して駆動部40、40A,40Bが設けられる例を示したが、第一溝部131の形状としては、矩形状に限定されず、例えば三角枠状であってもよく、五角以上の多角形枠状に形成されていてもよい。
さらには、枠状に形成されている必要もなく、平面視において、光学領域Cの中心に対して複数の溝部が回転対称に設けられており、各溝に対して連結部が設置される構成としてもよい。
[変形例5]
第八実施形態において、波長可変干渉フィルターを備える電子機器の一例として分光カメラ700を例示したが、これに限られない。波長可変干渉フィルター1を備えた電子機器としては、例えば、所望の波長の光を出力する光源装置(例えばレーザー光源装置)や、被測定物の含有成分を分析する分光分析装置、プリンター等に搭載されて対象物の色を測定する測色装置等に用いてもよく、ウェアラブル装置等にこれらの光源装置や分析装置を搭載させてもよい。
その他、本発明の実施の際の具体的な構造は、本発明の目的を達成できる範囲で他の構造等に適宜変更できる。
[本開示のまとめ]
本開示の第一態様に係る波長可変干渉フィルターは、第一基板と、所定の間隔を介して前記第一基板に対向する第二基板と、前記第一基板に設置された第一反射膜と、前記第一基板に設置され、所定の第一間隔を介して前記第一反射膜に対向する第二反射膜と、前記第一基板及び前記第二基板の間に配置され、前記第一基板に対向する第一対向面、及び前記第二基板に対向する第二対向面を有する連結部と、前記第一間隔を変更する駆動部と、を備え、前記連結部は、前記第一対向面の一部が前記第一基板に接続され、前記第一基板から前記第二基板に向かう厚み方向から見て、前記連結部の前記第一対向面のうち前記第一基板に接続されていない部分は、前記第一基板に対して所定の第二間隔を介して対向する変位部を構成し、前記変位部の前記第二対向面の一部は、前記第二基板に接続され、前記駆動部は、前記変位部を撓ませることで前記第二間隔を変化させて、前記第一間隔を変更する。
これにより、第二基板は、連結部の変位部の撓みに連動して第一基板に対して進退し、第二基板自体に撓みが生じることがない。したがって、第一反射膜と第二反射膜とを平行に維持したまま、第一間隔を変化させることができるので、第一間隔にばらつきが生じず、波長可変干渉フィルターから所望の目標波長の光を精度よく出射させることができる。
本態様の波長可変干渉フィルターにおいて、前記駆動部は、前記第一基板に設置された第一駆動電極と、前記変位部に設置されて前記第一駆動電極に対して前記第二間隔を介して対向する第二駆動電極と、を備える。
本態様では、第一駆動電極と第二駆動電極との間に電圧を印加することで静電引力により変位部を変形させて第二間隔を変化させることができる。この際、第二駆動電極を所定の基準電位に設定すれば、第一駆動電極の電位を制御することで、容易に、かつ高精度に電極間に印加する駆動電圧を制御することができ、第二間隔の寸法を精度よく制御することができる。これにより、第一間隔の寸法も、所望の目標波長に対応した寸法に適正に設定することができる。
本態様の波長可変干渉フィルターにおいて、前記連結部は、シリコンにより形成されるとともに、当該連結部が前記第二駆動電極として機能する。
このような構成では、変位部に別途第二駆動電極を形成する必要がなく、これに伴う配線構成も必要がないので、構成の簡素化を図れる。また、変位部のように駆動力によって変形する部位に電極を形成する場合では、変位部の変形時の応力で電極が破損したり断線したりするおそれがある。これに対して、本態様では、連結部自体を第二駆動電極として機能させるため、電極の破損や断線がなく、波長可変干渉フィルターの信頼性を高めることができる。
本態様の波長可変干渉フィルターにおいて、前記駆動部は、前記第一基板の前記変位部に対向する面、及び、前記第一対向面のいずれか一方に設けられるコイルと、前記第一基板の前記変位部に対向する面、及び、前記第一対向面の他方に設けられる磁性体と、を備える構成としてもよい。
本態様では、コイルに電流を流すことで磁界を発生させることができ、当該磁界により磁性体が設けられた変位部を変位させることができる。この際、磁界の強さをコイルに流す電流により制御することができ、第二間隔の寸法を高精度に制御することができる。したがって、第一間隔も、所望の目標波長に対応した寸法に高精度に制御することができ、波長可変干渉フィルターから目標波長の光を精度よく透過させることができる。
また、本態様では、コイルに流す電流の方向を逆転させることで、斥力により変位部を第二基板側に撓ませることもでき、波長可変干渉フィルターは、より広い波長域から所望の目標波長の光を透過させることができる。
本態様の波長可変干渉フィルターにおいて、前記駆動部は、前記第一対向面上に設置された第一電極と、前記第一電極上に設置された圧電膜と、前記圧電膜上に設置された第二電極と、を備え、前記第一電極、前記圧電膜、及び前記第二電極が前記厚み方向に沿って積層されていてもよい。
本態様では、第一電極及び第二電極の間で駆動電圧を印加すると、圧電膜が伸縮することで、連結部の変位部を撓ませることができる。この際、圧電膜に印加する駆動電圧により容易に撓み量を制御することが可能となり、上記態様と同様、第二間隔G2の寸法を高精度に制御することができる。これにより、第一間隔G1も所望の目標波長に対応した寸法に高精度に制御することができる。
本態様の波長可変干渉フィルターにおいて、前記連結部は、前記第一対向面及び前記第二対向面を有する薄板部と、前記薄板部の前記第二対向面から前記第二基板に向かって突出して設けられ、突出先端部が前記第二基板に接続される柱状部と、を含む。
本態様では、薄板部が第一基板に接合され、柱状部が第二基板に接合されて、薄板部の第一基板に接合されていない部分が変位部として機能する。このような構成では、薄板部に形成された柱状部が第二基板に接続されるので、薄板部の変形による応力が第二基板に伝搬しにくく、第二基板の撓みを抑制できる。
本態様の波長可変干渉フィルターにおいて、前記柱状部の前記厚み方向の寸法は、前記駆動部によって前記変位部が変形していない状態での前記第一間隔の初期寸法よりも小さい。
本態様では、変位部が大きく撓んだ際に、第二反射膜が第一反射膜に衝突する前に、第二基板が薄板部に当接して第二基板の移動を規制することができる。これにより、第一反射膜や第二反射膜の衝突による破損や劣化を抑制することができる。
本態様の波長可変干渉フィルターにおいて、前記第一基板に設置された第一容量検出電極と、前記第一対向面に設けられ、前記第一容量検出電極に対向する第二容量検出電極と、をさらに有してもよい。
本態様では、第一容量検出電極と第二容量検出電極との間の静電容量を検出することで、第二間隔の寸法を測定することができる。また、連結部が第一基板の第一反射膜を囲うように複数設けられている場合では、各連結部の位置における第二間隔の寸法をそれぞれ個別に測定することができ、これにより、第二基板の第一基板に対する傾斜を検出することができる。
本態様の波長可変干渉フィルターでは、前記第一基板に設けられた第三容量検出電極と、前記第二基板に設けられ、前記第三容量検出電極に対向する第四容量検出電極と、をさらに備え、前記第三容量検出電極は、前記厚み方向から見て、前記第一反射膜の周囲を囲う位置に設置され、前記第四容量検出電極は、前記厚み方向から見て、前記第二反射膜の周囲を囲う位置に設置されていてもよい。
本態様では、第三容量検出電極と第四容量検出電極との間の静電容量を検出することで、第二間隔の寸法を測定することができる。また、上述したように、本態様では、第一基板に対して第二基板を平行に維持したまま、第二基板を第一基板に対して進退させることができる。このため、第三容量検出電極を第一反射膜上に設け、第四容量検出電極を際に反射膜上に設ける構成としなくてもよい。つまり、第三容量検出電極が第一電極の周囲に設けられ、第四容量検出電極が第二反射膜の周囲に設けられている場合でも、第一間隔を精度よく測定することができる。また、厚み方向において第一反射膜及び第二反射膜が重なり合う光学領域に第三容量検出電極及び第四容量検出電極が設けられていないので、第三容量検出電極及び第四容量検出電極によって光学領域を透過する光が阻害される不都合も抑制できる。
本態様の波長可変干渉フィルターでは、前記厚み方向から見て前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なり合う領域を光学領域として、前記連結部は、前記光学領域の周囲を囲う円環状に形成され、前記駆動部は、前記連結部と重なる位置で、前記光学領域の周囲に円環状に形成されていてもよい。
このような構成では、駆動部は、光学領域を囲う円環状の連結部に対し、周方向に沿って均一な応力を作用させて連結部の変位部を撓ませることができる。これにより、第一反射膜と第二反射膜との平行を維持したまま、第一間隔を高精度に変化させることが可能となる。
本態様の波長可変干渉フィルターにおいて、前記厚み方向から見て前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なり合う領域を光学領域として、前記光学領域の中心に対して、複数の前記連結部が回転対称となる位置に設けられ、複数の前記連結部のそれぞれに対応して複数の前記駆動部が設けられている構成としてもよい。
本態様では、光学領域の中心に対して回転対称となる位置に連結部が設けられ、各連結部に対応して駆動部が設けられている。このような構成では、各連結部における変位部の撓み量を、それぞれの連結部に対応して設けられた駆動部によって制御することができる。これにより、第二基板の傾斜を抑制することが可能となり、波長可変干渉フィルターから所望の目標波長の光を高精度に出射させることができる。
1、1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G…波長可変干渉フィルター、10…第一基板、11…第一基板面、12…第一背面、13…凹溝、14…第一反射膜領域、19…絶縁層、20…第二基板、21…第二基板面、22…第二背面、23…連結領域、24…第二反射膜領域、30,30E…連結部、31…第一対向面、32…第二対向面、33…薄板部、34…柱状部、40,40A,40B,40C,40D…駆動部、41,41G…第一駆動電極、43…コイル、44…永久磁石(磁性体)、44A…軸部材(磁性体)、45…絶縁層、51…第一反射膜、52…第二反射膜、61…第一容量検出電極、63…第三容量検出電極、64…第四容量検出電極、90…制御回路、91…駆動制御部、92…容量検出部、93…第二容量検出部、94…電流制御部、131…第一溝部、132…第二溝部、133…第三溝部、134…電装部、135…第一溝部、141…第一架橋部、142…第二架橋部、143…第三架橋部、144…第四架橋部、301…変位部、311…第一接合層、341…第二接合層、411…第一引出電極、421…第二引出電極、431…第一コイル電極、432…第二コイル電極、433…固定磁性体、461…第一電極、462…圧電膜、463…第二電極、700…分光カメラ(電子機器)、C…光学領域、G1…第一間隔、G2…第二間隔。

Claims (11)

  1. 第一基板と、
    所定の間隔を介して前記第一基板に対向する第二基板と、
    前記第一基板に設置された第一反射膜と、
    前記第二基板に設置され、所定の第一間隔を介して前記第一反射膜に対向する第二反射膜と、
    前記第一基板及び前記第二基板の間に配置され、前記第一基板に対向する第一対向面、及び前記第二基板に対向する第二対向面を有する連結部と、
    前記第一間隔を変更する駆動部と、を備え、
    前記連結部は、前記第一対向面の一部が前記第一基板に接続され、
    前記第一基板から前記第二基板に向かう厚み方向から見て、前記連結部の前記第一対向面のうち前記第一基板に接続されていない部分は、前記第一基板に対して所定の第二間隔を介して対向する変位部を構成し、
    前記変位部の前記第二対向面の一部は、前記第二基板に接続され、
    前記駆動部は、前記変位部を撓ませることで前記第二間隔を変化させて、前記第一間隔を変更する、波長可変干渉フィルター。
  2. 前記駆動部は、前記第一基板に設置された第一駆動電極と、前記変位部に設置されて前記第一駆動電極に対して前記第二間隔を介して対向する第二駆動電極と、を備える、
    請求項1に記載の波長可変干渉フィルター。
  3. 前記連結部は、シリコンにより形成されるとともに、当該連結部が前記第二駆動電極として機能する、
    請求項2に記載の波長可変干渉フィルター。
  4. 前記駆動部は、前記第一基板の前記変位部に対向する面、及び、前記第一対向面のいずれか一方に設けられるコイルと、前記第一基板の前記変位部に対向する面、及び、前記第一対向面の他方に設けられる磁性体と、を備える、
    請求項1に記載の波長可変干渉フィルター。
  5. 前記駆動部は、前記第一対向面上に設置された第一電極と、前記第一電極上に設置された圧電膜と、前記圧電膜上に設置された第二電極と、を備え、前記第一電極、前記圧電膜、及び前記第二電極が前記厚み方向に沿って積層されている、
    請求項1に記載の波長可変干渉フィルター。
  6. 前記連結部は、前記第一対向面及び前記第二対向面を有する薄板部と、前記薄板部の前記第二対向面から前記第二基板に向かって突出して設けられ、突出先端部が前記第二基板に接続される柱状部と、を含む、
    請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の波長可変干渉フィルター。
  7. 前記柱状部の前記厚み方向の寸法は、前記駆動部によって前記変位部が変形していない状態での前記第一間隔の初期寸法よりも小さい、
    請求項6に記載の波長可変干渉フィルター。
  8. 前記第一基板に設置された第一容量検出電極と、前記第一対向面に設けられ、前記第一容量検出電極に対向する第二容量検出電極と、をさらに有する、
    請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の波長可変干渉フィルター。
  9. 前記第一基板に設けられた第三容量検出電極と、前記第二基板に設けられ、前記第三容量検出電極に対向する第四容量検出電極と、をさらに備え、
    前記第三容量検出電極は、前記厚み方向から見て、前記第一反射膜の周囲を囲う位置に設置され、
    前記第四容量検出電極は、前記厚み方向から見て、前記第二反射膜の周囲を囲う位置に設置されている、
    請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の波長可変干渉フィルター。
  10. 前記厚み方向から見て前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なり合う領域を光学領域として、前記連結部は、前記光学領域の周囲を囲う円環状に形成され、
    前記駆動部は、前記連結部と重なる位置で、前記光学領域の周囲に円環状に形成されている、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の波長可変干渉フィルター。
  11. 前記厚み方向から見て前記第一反射膜及び前記第二反射膜が重なり合う領域を光学領域として、前記光学領域の中心に対して、複数の前記連結部が回転対称となる位置に設けられ、複数の前記連結部のそれぞれに対応して複数の前記駆動部が設けられている、
    請求項1から請求項9のいずれか1項に記載の波長可変干渉フィルター。
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