JP6993224B2 - 食品の殺菌方法 - Google Patents

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Description

本発明は、食品の殺菌方法に関する。
飲食品などは、一般に、有害な微生物の汚染により食中毒などの問題を引き起こすおそれがある。また、飲食品などの製品を保管および輸送するあいだに、微生物の働きによって生産者が意図しない発酵が起こることにより、製品の風味や香りに意図しない変化が起こるおそれがある。さらに、製品の包装形態が密封状態の場合は、発酵時に生じる二酸化炭素により容器の内圧が上昇し、容器の破損を招くおそれがある。したがって、飲食品などの製品の製造においては、飲食品などの中に存在する微生物を死滅させる方法、すなわち殺菌方法が必要とされる。
飲食品などの中に存在する微生物を殺菌する方法としては、加熱による方法や、殺菌作用のある食品添加物による方法が、従来用いられてきた。しかし、これらの方法は飲食品などが本来持つ風味や香りを損なうか、あるいは、変化させるおそれがある。そのため、加熱や多量の添加物を伴わない殺菌方法が検討されてきた。
このような殺菌方法として、たとえば、特開平2-186967号公報(特許文献1)には、0℃以下の食品に圧力100~10000kgf/cm(すなわち9.81~981MPa)を加えることを特徴とする食品の殺菌方法が開示されている。当該方法によれば、加熱による冷凍食品の解凍を伴うことなく、該冷凍食品を殺菌することができる。
また、特開昭58-170471号公報(特許文献2)には、急速冷凍による醸造酒の滅菌方法が開示されている。当該方法によれば、火入工程を伴わずに火落菌などの微生物を殺菌することができるため、醸造酒の持つ本来の香味が変化することを抑制できる。
特開平2-186967号公報 特開昭58-170471号公報
しかし、加圧を伴う殺菌に係る従来技術は、印加する圧力が比較的低い場合は、殺菌力の観点で改善の余地がある。特許文献1に開示された実施例によると、2500~6500kgf/cm(245~637MPa)における殺菌効果は、生菌数が1~2桁減少する程度に留まっており、その殺菌力は不十分である。
また、従来技術のうち、加圧や極低温のための特殊な設備を要する方法を採用すると、製造コストが増大するおそれがある。たとえば、特許文献2に記載の方法は、急速に冷凍するため、その冷却手段としてドライアイス‐アセトン(-70℃)および液体窒素(-140℃)が例示されている。すなわち、当該方法を実施するに際しては-70℃以下の極低温を実現する特殊な凍結設備が必要となるため、当該設備を設置、運転、および、保守、するために必要な費用が高くなる場合がある。
上記課題に鑑み、加熱を伴わない殺菌方法であって、十分に高い殺菌能力を有し、低コストで実施できる殺菌方法の実現が望まれる。
本発明の食品の殺菌方法は、食品とエタノールとを含む混合物を-10℃以下で凍結する凍結工程と、凍結した前記混合物を100~400MPaで保持する加圧工程と、を含み、前記混合物中のエタノール含有率は0.08~8重量%であり、酵母を殺菌することを特徴とする。
この殺菌方法によれば、加熱を伴わずに、十分に高い殺菌能力を実現することができる。凍結工程の温度が上記の範囲であると、一般的な冷凍保管または冷凍輸送に用いられる設備を用いて凍結を行うことができる。すなわち、極低温設備を必要としない。さらに、設備が共通することから、殺菌対象である食品を保管または輸送するあいだに同時に凍結を行うことができる。したがって、凍結工程のための新たな設備も、別途の期間も必要とせず、設備と期間との両面において効率的である。また、加圧工程の圧力が上記の範囲であると、圧力設備に求められる耐圧性能を比較的低いものにすることができ、設備費用を低減することができる。また、エタノールおよび圧力による殺菌効果と、有機酸による殺菌効果と、を相加的に用いることができるため、本発明の殺菌効果をさらに高めることができる。
以下、本発明の好適な態様について説明する。ただし、以下に記載する好適な態様の例によって、本発明の範囲が限定される訳ではない。
1つの態様として、前記加圧工程は10分以内であると好適である。
この構成によれば、前記加圧工程を比較的短期間にすることができるため、高圧を維持するために消費する電力を低減し、コストを低減することができる。また、殺菌工程に要する期間を比較的短期間にすることができるため、製造工程を短縮することができる。さらに、高圧下に保持することによる食品の変色および変性を防ぐことができる。
1つの態様として、前記混合物のpHは7.0未満であると好適である。
この構成によれば、本発明の殺菌効果をさらに高めることができる。
1つの態様として、前記食品は果汁であると好適である。
この構成によれば、本発明の殺菌方法を、果汁を原料とする製品の製造工程における原料の殺菌方法として用いることができる。
1つの態様として、前記有機酸はクエン酸であると好適である。
この構成によれば、本発明の殺菌効果をさらに高めることができる。また、本発明の殺菌方法により殺菌される食品を原料とする製品がクエン酸を含む場合は、殺菌のために添加されたクエン酸を製品の一部として利用できるため、当該クエン酸を取り除く工程を設ける必要が無い。
本発明によれば、加熱を伴わない殺菌方法であって、十分に高い殺菌能力を有し、低コストかつ短期間で実施できる殺菌方法が実現できる。この殺菌方法によれば、飲食品などが本来持つ風味や香りを損なうおそれがなく、安全性と高品質とを両立した食品の製造に寄与する。
本発明のさらなる特徴と利点は、以下の例示的かつ非限定的な実施形態の説明によってより明確になるであろう。
本発明に係る殺菌方法の一実施形態をあらわすフロー図。
本発明に係る食品の殺菌方法の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
以下の実施形態では、本発明に係る食品の殺菌方法を、アルコール飲料の原料として用いられる食品の一例である果汁1の殺菌に適用した例について説明する。本実施形態の食品の殺菌方法は、図1に示すように、果汁1にエタノール2を加えて混合する混合工程11と、混合工程11で得られた混合物3を凍結させる凍結工程12と、凍結させた混合物3を加圧下で保持する加圧工程13と、を含む。これらの工程を経て殺菌された果汁1は、以降のアルコール飲料の製造工程(図示せず)へと送られる。
まず、果汁1およびエタノール2を含む混合物3を得るための混合工程11を行う。なお、果汁1は、クエン酸および水を含有する。混合工程11としては、公知の混合方法を用いることができる。たとえば、撹拌翼を備える混合槽中に上記の各原料を投入し、撹拌翼を回転してこれらの原料を混合する方法であってよい。なお、混合工程11により得られる混合物3に含まれるエタノール2およびクエン酸の含有率は、混合工程11において投入する各原料の量を適宜選択することによって制御されうる。
混合物3中のエタノール2の含有率は、0.08~8重量%であることが好ましい。エタノール2の含有率が上記の範囲であると、良好な殺菌効果が得られる。エタノール2の含有率は、0.8~8重量%であることがより好ましく、4~8重量%であることがさらに好ましい。なお、混合物3は、エタノール2と、果汁1が含有する水と、を含むことから、エタノール水溶液としての性質を有する。
混合物3中のクエン酸の含有率は、0.01~10重量%であることが好ましい。クエン酸の含有率が上記の範囲であると、殺菌効果をさらに高めることができる。クエン酸の含有率は、0.1~10重量%であることがより好ましく、1~10重量%であることがさらに好ましい。このとき、混合物3中のクエン酸の含有率が好適な範囲となるように、混合工程11において果汁1にクエン酸を混合してもよい。なお、クエン酸は、殺菌効果をもたらす添加剤であるとともに、製造されるアルコール飲料の原料でもあるため、クエン酸を取り除く工程を設ける必要が無い。
混合物3のpHは、7.0未満であることが好ましく、3.5未満であることがより好ましく、2.5未満であることがさらに好ましい。pHが上記の範囲内であると、殺菌効果をさらに高めることができる。
次に、混合工程11により得られた混合物3を凍結させる凍結工程12を行う。凍結工程12に係る冷却設備は、公知のものを用いることができる。たとえば、冷凍保管設備であってよく、冷凍輸送設備であってよい。
凍結工程12における凍結温度は、-10℃以下であることが好ましい。凍結温度が上記の範囲内であると、良好な殺菌効果が得られる。凍結温度は、-15℃以下であることがより好ましい。凍結温度の下限は特に限定されないが、-50℃以上であることが好ましく、-30℃以上であることがより好ましく、-25℃以上であることがさらに好ましい。凍結温度が上記の範囲であると、一般的な冷凍保管または冷凍輸送が行われる温度において凍結が可能である。
凍結工程12の持続時間は、混合物3の全体が凍結するのに十分な時間であれば、特に限定されない。たとえば、凍結工程12の持続時間は100時間以内であってよく、70時間以内であることがより好ましく、48時間以内であることがさらに好ましい。この範囲内であると殺菌工程に要する期間を短期間にすることができる。また、凍結工程12の持続時間は24時間以上であってよく、この範囲内であると混合物3の全体が十分に凍結するだろう。
続いて、凍結させた混合物3を加圧下で保持する加圧工程13を行う。加圧工程13に係る加圧設備は、公知のものを用いることができ、たとえば食品用高圧処理装置であってよい。
加圧工程13における圧力は、100~400MPaであることが好ましい。圧力が上記の範囲であると、十分な殺菌効果が得られるとともに、圧力設備に求められる耐圧性能を比較的低いものにすることができるため、設備費用を低減することができる。圧力は、100~300MPaであることがより好ましく、100~200MPaであることがさらに好ましい。
加圧工程13の持続時間は、10分以内であることが好ましい。加圧工程13の持続時間が上記の範囲内であると、前記加圧工程を短期間にすることができるため、高圧を維持するために消費する電力を低減し、コストを低減することができる。また、殺菌工程に要する期間を短期間にすることができるため、製造工程を短縮することができる。さらに、高圧下に保持することによる食品の変色および変性を防ぐことができる。加圧工程13の持続時間は、5分以内であることがより好ましく、2分以内であることがさらに好ましい。
ここで、第一の実施形態の食品の殺菌方法において、効果的に殺菌が行われる原理について説明する。なお、以降の説明においては、混合物3中におけるエタノール2の含有率を8重量%とした場合を例として説明する。
エタノール水溶液は、その混合比率により異なる凝固点を有する。本実施形態における混合物3は、エタノール2を8重量%含み、その凝固点はおよそ-10℃である。このとき混合物3を凍結温度-20℃の環境下で凍結する(凍結工程12)と、混合物3の温度が低下するのにしたがって、水のみが析出した固相と、混合物である液相とに分離する。固相に水のみが析出し、エタノール2は析出せず液相に残るため、液相のエタノール含有率は上昇する。最終的に、液相のエタノール含有率が、凝固点が-20℃である(すなわち凍結温度と一致する)エタノール含有率である16重量%に到達する。
このように、エタノールを含む混合物を、そのエタノール含有率により決定される凝固点より低い凍結温度で凍結すると、液相のエタノール含有率が上昇する。すなわち、凍結によりエタノールが濃縮される。
このとき、水が析出する過程において、混合物3中に含まれる微生物は液相に抽出される。したがって、液相には、濃縮されたエタノール2と微生物とが存在することになり、エタノール2の殺菌効果により微生物が殺菌される。ところで、エタノール含有率が高いほど、エタノール2による殺菌効果が高くなる。したがって、-20℃に凍結された液相(エタノール含有率16重量%)における殺菌効果は、凍結工程12の前の混合物3(エタノール含有率8重量%)における殺菌効果より高い。言い換えれば、混合物3に本来含まれるエタノール2の量から期待されるよりも高い殺菌効果が、凍結することにより得られる、といえる。
なお、本実施形態の食品の殺菌方法において殺菌の対象とする微生物類は、特に限定されないが、酵母、大腸菌、ブドウ球菌、および乳酸菌等、公知の微生物類であってよい。
〔その他の実施形態〕
次に、本発明に係る食品の殺菌方法のその他の実施形態について説明する。なお、以下のそれぞれの実施形態で開示される構成は、矛盾が生じない限り、他の実施形態で開示される構成と組み合わせて適用することも可能である。
上記の実施形態では、殺菌対象とする食品が果汁1である場合を例として説明した。しかし、殺菌対象とする食品は果汁に限定されず、たとえば果実、野菜、肉、魚介であってもよい。このとき、果実の態様は特に限定されず、果実の全体、果実の皮、果実の実、果実を切断したもの、果実を粉砕したもの、または、これらの中から選ばれる2つ以上の混合物、であってよい。果実を粉砕する場合の粉砕方法は公知の方法を用いることができるが、凍結粉砕することが好ましい。
上記の実施形態では殺菌対象とする食品が果汁1であり、すなわち、食品がクエン酸を含有する場合を例として説明した。しかし、殺菌対象とする食品は有機酸を含有しないものであってもよい。食品が有機酸を含有するか否かに関わらず、混合物における有機酸の含有率が好ましい範囲となるように、混合工程において食品に有機酸を混合してよい。
上記の実施形態では、混合物3が果汁1およびエタノール2を含み、果汁1がクエン酸を含有する場合を例として説明した。しかし、有機酸はクエン酸に限定されず、クエン酸、リンゴ酸、フマル酸、酒石酸、安息香酸、乳酸、アスコルビン酸からなる群から選ばれる有機酸であってもよく、複数の有機酸の混合物であってもよい。混合物は、さらに、他の任意の成分、たとえば、糖、防腐剤、酸化防止剤、pH調整剤を含んでいてもよく、含んでいなくてもよい。また、上記の各成分に水を加えて混合物中の成分の濃度を調整してもよい。
上記の実施形態では、公知の混合方法である混合工程11によって混合物3を得る場合を例として説明した。しかし、混合物は必ずしも混合工程によって得られる必要はない。たとえば、糖を含む混合物を醸造すると、糖の一部がエタノールに変換された醸造生成物が得られるので、これを混合物として用いてもよい。
その他の構成に関しても、本明細書において開示された実施形態は全ての点で例示であって、本発明の範囲はそれらによって限定されることはないと理解されるべきである。当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、適宜改変が可能であることを容易に理解できるであろう。したがって、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で改変された別の実施形態も、当然、本発明の範囲に含まれる。
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明は以下の実施例のみに限定されるものではない。
〔供試菌〕
以下の実施例に示す試験において、供試菌として、過去に工場から検出され、L乾燥の状態でストックした酵母を用いた。
〔試薬〕
以下の実施例に示す試験において、次の試薬を用いた。
エタノール :ナカライテスク社製、グレードEP、純度99.5
クエン酸 :ナカライテスク社製、グレードEP、純度≧99.0
緩衝液(pH3.5):ナカライテスク社製、クエン酸とリン酸二水素ナトリウムにて調製、濃度0.13M
緩衝液(pH7.0):ナカライテスク社製、クエン酸とリン酸二水素ナトリウムにて調製、濃度0.18M
〔果汁〕
市販のグレープフルーツを直接圧搾(スーパーハンドジューサー TW-001)により搾汁し、pH3.3のグレープフルーツ果汁を得た。
〔植菌工程〕
試料液(単体または混合物)を9.9mL採取し、10個/mLに調整した供試菌0.1mLを加えて均一に混合し、植菌液を得た。
〔凍結工程〕
植菌液10mLを、庫内の温度が-20±4℃に保たれた冷凍保管設備(ホシザキ社製、業務用冷凍冷蔵庫)の庫内に72時間保持し、凍結試料を得た。
〔冷蔵工程〕
植菌液10mLを、庫内の温度が4±1℃に保たれた冷蔵保管設備(ホシザキ社製、業務用冷凍冷蔵庫)の庫内に72時間保持し、冷蔵試料を得た。
〔加圧工程〕
凍結試料または冷蔵試料10mLを、庫内の環境が200MPa、10℃に保たれた加圧設備(神戸製鋼所社製、研究開発用高圧処理装置)の庫内に10分間保持し、測定試料を得た。
〔解凍工程〕
凍結試料10mLを、大気圧、室温25℃で30分間保持し、測定試料を得た。
〔生菌数分析〕
測定試料0.1mLを採取し、これを無菌水で希釈して希釈検体とした。滅菌ピペットを用いて当該希釈検体0.1mLを固化させ、表面を乾燥させた寒天培地上にコンラージ棒で均等に塗抹した。35℃に保持したインキュベータで96時間の培養を行った。
培養後の培地について、生じたコロニーの数を測定し、得られた測定値に検体調製時の希釈倍率を乗じて測定試料1mLあたりの菌数Nを算出した。殺菌工程前の試料について同様の方法で測定した検体1mLあたりの菌数をNとし、殺菌工程後の菌数の対数減少値LRV(D)を、以下の数式(I)に従って算出した。
LRV(D)=Log10(N/N) (I)
〔実施例1〕
グレープフルーツ果汁(pH3.3)8.9mLとエタノール1.0mLとを均一に混合し、エタノールを8重量%含む混合物を得た。当該混合物に対し、前記植菌工程、前記凍結工程、前記加圧工程を順に実施し、測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔実施例2〕
緩衝液(pH3.5)8.9mLとエタノール1.0mLとを均一に混合し、エタノールを8重量%含み、クエン酸を4.7重量%含む混合物を得た。当該混合物に対し、前記植菌工程、前記凍結工程、前記加圧工程を順に実施し、測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔実施例3〕
緩衝液(pH7.0)8.9mLとエタノール1.0mLとを均一に混合し、エタノールを8重量%含み、クエン酸を1.2重量%含む混合物を得た。当該混合物に対し、前記植菌工程、前記凍結工程、前記加圧工程を順に実施し、測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例1-1〕
グレープフルーツ果汁(pH3.3)10mLに対し、前記植菌工程、前記凍結工程、前記加圧工程を順に実施し、測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例1-2〕
実施例1において、前記加圧工程に替えて前記解凍工程を実施し、加圧工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例1-3〕
実施例1において、前記凍結工程に替えて前記冷蔵工程を実施し、凍結工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例1-4〕
比較例1において、前記加圧工程に替えて前記解凍工程を実施し、加圧工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例1-5〕
比較例1において、前記凍結工程に替えて前記冷蔵工程を実施し、凍結工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例2-1〕
クエン酸を5.3重量%含む水溶液である緩衝液(pH3.5)10mLに対し、前記植菌工程、前記凍結工程、前記加圧工程を順に実施し、測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例2-2〕
実施例2において、前記加圧工程に替えて前記解凍工程を実施し、加圧工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例2-3〕
実施例2において、前記凍結工程に替えて前記冷蔵工程を実施し、凍結工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例2-4〕
比較例2-1において、前記加圧工程に替えて前記解凍工程を実施し、加圧工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例2-5〕
比較例2-1において、前記凍結工程に替えて前記冷蔵工程を実施し、凍結工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例3-1〕
クエン酸を1.3重量%含む水溶液である緩衝液(pH7.0)10mLに対し、前記植菌工程、前記凍結工程、前記加圧工程を順に実施し、測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例3-2〕
実施例3において、前記加圧工程に替えて前記解凍工程を実施し、加圧工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例3-3〕
実施例3において、前記凍結工程に替えて前記冷蔵工程を実施し、凍結工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例3-4〕
比較例3-1において、前記加圧工程に替えて前記解凍工程を実施し、加圧工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔比較例3-5〕
比較例3-1において、前記凍結工程に替えて前記冷蔵工程を実施し、凍結工程を経ない測定試料を得た。当該測定試料について、前記の方法により生菌数分析を実施し、LRV(D)値を得た。
〔グレープフルーツ果汁における殺菌効果〕
実施例1および比較例1-1~1-5の結果を表1に示した。エタノールを添加し、かつ、凍結工程および加圧工程を実施する実施例1が、最も高い殺菌効果を示した。
Figure 0006993224000001
〔緩衝液における殺菌効果〕
実施例2、3および比較例2-1~2-5、3-1~3-5の結果を表2に示した。エタノールを添加し、かつ、凍結工程および加圧工程を実施する実施例2、3が、高い殺菌効果を示した。
Figure 0006993224000002
本発明は、たとえば、酒類および清涼飲料水の原料とする果汁の殺菌に利用することができる。

Claims (5)

  1. 食品とエタノールと有機酸とを含む混合物を-10℃以下で凍結する凍結工程と、
    凍結した前記混合物を100~400MPaで保持する加圧工程と、を含み、
    前記混合物中のエタノール含有率は0.08~8重量%であり、
    酵母を殺菌することを特徴とする食品の殺菌方法。
  2. 前記加圧工程は10分以内である請求項1に記載の食品の殺菌方法。
  3. 前記混合物のpHは7.0未満である請求項1または2に記載の食品の殺菌方法。
  4. 前記食品は果汁である請求項1~3のいずれか1項に記載の食品の殺菌方法。
  5. 前記有機酸はクエン酸である請求項1~4のいずれか1項に記載の食品の殺菌方法。
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