JP7279565B2 - 波長可変干渉フィルター - Google Patents
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Description
特許文献1に記載の波長可変干渉フィルターは、固定ミラーが配置された第1基板と、可動ミラーが配置された第2基板とを備えたエタロンである。この波長可変干渉フィルターは、静電アクチュエーターによって固定ミラーと可動ミラーとの間の寸法が変更可能に設けられている。これにより、波長可変干渉フィルターは、入射光から所定波長の光を分光して透過させることが可能となる。
より具体的には、第1基板は、固定ミラーが配置されるミラー固定部と、ミラー固定部を囲うように配置された電極形成溝とを備え、電極形成溝に静電アクチュエーターを構成する第1電極が設けられている。第2基板は、ミラー固定部に対向して可動ミラーが設けられた可動部と、可動部を囲って設けられる凹状の連結保持部が設けられている。そして、この波長可変干渉フィルターでは、可動ミラーは、可動部の縁(連結保持部との境界)よりも可動部の中心側に位置して設けられている。また、固定ミラーは、この可動ミラーに対向するように、ミラー固定部の縁よりもミラー固定部の中心側に位置して設けられている。
以下、第一実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係る波長可変干渉フィルター1の概略構成を示す平面図である。図2は、図1のA-A線で波長可変干渉フィルター1を切断した際の断面図である。
図1及び図2において、波長可変干渉フィルター1は、透光性の第一基板11と、透光性の第二基板12と、第一基板11に設けられた第一ミラー21と、第二基板12に設けられた第二ミラー22とを備える。第一基板11及び第二基板12は、第一ミラー21及び第二ミラー22を、第一ギャップG1を介して対向するように保持する基板である。この波長可変干渉フィルター1は、第一ミラー21及び第二ミラー22に入射した光のうち、第一ギャップG1の寸法に応じた所定波長の光を出射する、ファブリーペローエタロン素子である。
また、波長可変干渉フィルター1は、第一基板11に設けられた第一電極31と、第二基板12に設けられた第二電極32とを備えている。これらの第一電極31及び第二電極32は、第二ギャップG2を介して対向配置され、静電アクチュエーター30を構成する。第一電極31及び第二電極32の間に電圧を印加することで、第一電極31及び第二電極32の間に静電引力が作用して第二ギャップG2の寸法が変化し、これに応じて第一ギャップG1の寸法も変化する。これにより、波長可変干渉フィルター1から出射される光の波長も、第一ギャップG1の寸法に応じて変化する。
以下、このような波長可変干渉フィルター1の構成について、詳細に説明する。
なお、以降の説明にあたり、図1に示すような平面視における第一ミラー21及び第二ミラー22の中心点は一致し、これらの中心点を通るミラーの中心軸をフィルター中心軸Oと称する。フィルター中心軸Oは、第一基板11から第二基板12に向かうZ方向に平行な軸となる。
第一基板11は、図1に示すように、第一基板11から第二基板12に向かう方向(Z方向)から見た平面視で、可動部111と、ダイアフラム部112と、外周部113と、コネクタ部114と、を備えている。
本実施形態では、第一基板11の表面上に、ダイアフラム部112の形成位置以外をマスクしたレジストパターンを形成して等方性エッチングによりダイアフラム部112を形成する。このため、本実施形態では、ダイアフラム部112は、マスク開孔位置に対応した平坦部112Aと、平坦部112Aの周囲でオーバーエッチングによって形成される第一傾斜部112B及び第二傾斜部112Cとを備える。
第一傾斜部112Bは、平坦部112Aと、可動部111との間に形成され、平坦部112Aから可動部111に向かうにしたがって、Z方向の厚みが漸増する部位である。
第二傾斜部112Cは、平坦部112Aと、外周部113との間に形成され、平坦部112Aから外周部113に向かうにしたがって、Z方向の厚みが漸増する部位である。
本実施形態では、第一傾斜部112B及び第二傾斜部112Cの表面は、凹状に湾曲した円弧面となる。
本実施形態では、ダイアフラム部112の、第二基板12に対向する第一面11Aには、第一電極31が配置されている。第一電極31の配置についての説明は後述する。
本実施形態では、可動部111は、ダイアフラム部112により、Z方向に移動可能に保持されている。つまり、静電アクチュエーター30によって第一基板11と第二基板12との間に静電引力を作用させると、ダイアフラム部112が大きく撓み、可動部111が第二基板12側に変位する。可動部111は、ダイアフラム部112よりも厚みが大きいため、ダイアフラム部112が大きく撓んだとしても可動部111の撓みは抑制され、可動部111に設けられる第一ミラー21の撓みも抑制される。
この応力低減膜50は、第一ミラー21の膜応力を相殺する膜応力を可動部111に付与する膜である。例えば、第一ミラー21が膜応力によって可動部111に引張応力を付与する場合、応力低減膜50も可動部111に引張応力が付与する膜材や成膜方法により形成される。これにより、第一ミラー21と応力低減膜50との膜応力が打ち消し合い、可動部111の変形が抑制される。
この外周部113は、接合部40を介して第二基板12に接合される部位である。第一基板11と第二基板12との接合強度を一定以上に維持するために、外周部113の平面視での面積は、予め設定された規定値以上に形成されている。
なお、詳細は後述するが、外周部113のコネクタ部114の近傍には、第一電極31に接続される第一接続電極33が、ダイアフラム部112からコネクタ部114に亘って配置されている。また、コネクタ部114から、外周部113の一部に亘って、第三接続電極35が設けられており、この第三接続電極35は、第二基板12に設けられる第二接続電極に電気接続されている。第一接続電極33及び第三接続電極35の配置位置、又は第一接続電極33及び第三接続電極35の配置位置を中心とした所定距離内には、接合部40が設けられていなくてもよい。
ミラー台121は、第一ミラー21に対して第一ギャップG1を介して対向する第二ミラー22が設けられる部位である。このミラー台121の第一基板11側の面は、可動部111の第一面11Aに対して平行な平面が形成されている。
なお、本実施形態では、ミラー台121及び溝部122は、例えばイオンミリング等のドライエッチングを用いて形成される。このため、溝部122は、第一基板11の第一面11Aに平行な溝底部122Aと、溝底部122Aに対して略直角に立ち上がる側壁とを備える。
また、基台部123の溝部122との境界である基台端縁125(図3参照)は、ダイアフラム部112の第二傾斜部112Cに対向して位置する。基台部123の第一基板11に対向する面には、接合部40が設けられ、当該接合部40を介して第一基板11が接合される。上述のように、基台部123の基台端縁125が、ダイアフラム部112の第二傾斜部112Cに位置するので、本実施形態では、第一基板11の第二傾斜部112Cのうち、基台端縁125に対向する位置よりも外側が、基台部123に接合される。
図3は、波長可変干渉フィルター1のダイアフラム部112の近傍の拡大断面図である。
第一電極31は、第一基板11のダイアフラム部112の第一面11Aに設けられている。具体的には、Z方向において、第一電極31の接合部40側の端縁(外側縁31A)は、第二傾斜部112Cに位置し、第一電極31の第一ミラー21側の端縁(内側縁31B)は、第一傾斜部112Bに位置する。
第一電極31には、上述したように、第一接続電極33が接続されており、この第一接続電極33は、ダイアフラム部112からコネクタ部114に亘って延設されている。
第二電極32は、第二基板12の溝部122の溝底部122Aに設けられている。よって、可動部111が変位していない状態では、第二電極32は、第一電極31に対して平行となり、第二ギャップG2の寸法は一定値に維持されている。
なお、第二基板12は、第一基板11に対して厚みが大きいため、第二電極32の膜応力による影響が極めて小さい。
第二電極32には、上述したように、第二接続電極34が接続されており、この第二接続電極34は、溝部122から、配線溝124を通り、突出部124Aまで延設されている。そして、突出部124Aにおいて、第一基板11に設けられた第三接続電極35に接続される。
接合部40は、第一基板11と第二基板12とを接合する接合膜により構成されている。このような接合膜としては、例えばシロキサンを主成分とするプラズマ重合膜などを用いることができ、その他、エポキシ樹脂などの接着剤が用いられていてもよい。
接合部40は、上述したように、基台部123の第一基板11に対向する面に設けられ、第一基板11と第二基板12とを接合する。
第一ミラー21は、上述したように、第一基板11の可動部111の第一面11Aに設けられている。
また、第二ミラー22は、第二基板12のミラー台121に、第一ミラー21に第一ギャップG1を介して対向するように配置されている。
これにより、波長可変干渉フィルター1に入射した入射光束のうち、第一ミラー21及び第二ミラー22が対向する領域に入射した光が、第一ミラー21及び第二ミラー22の間で多重干渉し、第一ミラー21及び第二ミラー22の間の寸法に応じた所定波長の光が第一ミラー21及び第二ミラー22を透過して出力される。
本実施形態の波長可変干渉フィルター1では、波長可変干渉フィルター1から所望の目標波長の光を透過させるために、第一電極31及び第二電極32の間に電圧を印加して第一ギャップG1の寸法を変化させる。そして、第一ギャップG1の寸法を変化させた際に、Z方向に直交する面内において、所望の目標波長の光が得られる範囲が、波長可変干渉フィルター1の有効領域A1となる。なお、有効領域A1についての詳細な説明は後述する。
ここで、本実施形態では、第一傾斜部112Bにおいて、第一ミラー21の第一ミラー縁21A及び第一電極31の内側縁31Bが位置する。このような構成では、ダイアフラム部112のうち、最も変形しやすい平坦部112Aに第一ミラー縁21Aや第一電極31の内側縁31Bが設けられていないので、ダイアフラム部112の変形を抑制できる。
さらに、本実施形態では、第一ミラー縁21A及び内側縁31Bの隙間は、0.2mm以下となる。このような構成とすることで、第一ミラー縁21Aに作用する第一ミラー21による膜応力に基づいたモーメント力と、内側縁31Bに作用する第一電極31による膜応力に基づいたモーメント力とが打ち消し合い、ダイアフラム部112の変形をさらに抑制することが可能となる。
なお、第一電極31の外側縁31Aに関しても同様であり、第一電極31の外側縁31Aが第二傾斜部112Cに位置している。これにより、ダイアフラム部112の変形を抑制できる。また、外側縁31Aと接合部40の接合縁40Aとの隙間が0.2mm以下となる。これにより、第一ミラー縁21Aに作用する第一ミラー21による膜応力に基づいたモーメント力と、外側縁31Aに作用する第一電極31による膜応力に基づいたモーメント力と、接合縁40Aに作用する接合部40の膜応力によるモーメント力とが打ち消し合い、ダイアフラム部112の変形をさらに抑制することが可能となる。
次に、本実施形態の波長可変干渉フィルター1の有効領域A1について説明する。
本明細書で述べる有効領域A1とは、上述したように、静電アクチュエーター30に印加する電圧を制御して第一ギャップG1を変化させた際に、Z方向に直交する面内において、所望の目標波長の光が得られる範囲を指す。所望の目標波長の光が得られる範囲とは、波長可変干渉フィルターを透過した光の光量を複数の波長で測定した際の重心波長と、目標波長との差が所定の閾値以下となる範囲である。この閾値は、波長可変干渉フィルターの使用目的に基づいた測定精度によって変わる。例えば、可視光域の光を20nm間隔で測定する場合、目標波長と重心波長との差が10nm以下に設定することが好ましい。この場合、有効領域A1は、目標波長と重心波長との差が10nmとなる範囲である。
本実施形態の波長可変干渉フィルター1では、ダイアフラム部112は、静電アクチュエーター30への電圧印加により、静電引力によって撓む部分である。よって、当該ダイアフラム部112に設けられる第一ミラー21と第二ミラー22との間のギャップは、可動部111に設けられる第一ミラー21と第二ミラー22との間の第一ギャップG1よりも大きくなる。つまり、ダイアフラム部112に対応するダイアフラム領域A4(図2,3参照)は、目標波長の光とは異なる波長の光が出力される領域となり、有効領域外となる。
本実施形態では、W1>W2であり、迷光域A3は、可動部111より外側の第一傾斜部112Bに位置している。すなわち、迷光域A3は、有効領域外とされているダイアフラム領域A4内に位置している。このため、本実施形態では、可動部111を通過する光に含まれる迷光成分は極めて少なく、Z方向に沿って可動部111を通過する全領域が本実施形態の有効領域A1となる。
なお、迷光域A3の迷光の影響は、第一ミラー縁21Aや第二ミラー縁22Aにおいて最も大きく、フィルター中心軸O側に向かうにしたがって低減する。よって、迷光域A3の幅である寸法W2は、波長可変干渉フィルター1の使用目的に応じた測定精度に基づいて設定される。つまり、第一ミラー21は、寸法W1が、波長可変干渉フィルター1の測定精度に基づいて設定される寸法W2よりも大きくなるように、そのサイズや配置位置が設定されている。
図4は、比較例1の波長可変干渉フィルター90の一部を示す図である。
比較例1の波長可変干渉フィルター90は、本実施形態と同様に、第一基板11と第二基板12とを備え、第一基板11には、可動部111とダイアフラム部112が設けられている。そして、第一基板11には、第二基板12に対向する面に第一ミラー921が設けられ、第二基板12の第一ミラー921に対向する位置には、第二ミラー922が設けられている。ここで、第一ミラー921は、可動部111と略同一形状、同一サイズとなり、Z方向から見た際に、第一ミラー921の縁である第一ミラー縁921Aは、可動部111の縁である第二ミラー縁922Aと一致する。
なお、波長可変干渉フィルター90では、本実施形態と同様に、ダイアフラム部112に、第一電極31及び第二電極32が設けられており、第一ミラー921及び第二ミラー922の配置以外の構成は、本実施形態の波長可変干渉フィルター1と同じである。
図5及び図6に示される重心波長の測定方法について説明する。重心波長の測定では、まず、波長可変干渉フィルター1及び波長可変干渉フィルター90の第一ギャップG1の寸法を、所望の目標波長に対応した寸法となるように設定する。図5及び図6に示す例では、目標波長として540nmを採用している。次に、波長可変干渉フィルター1及び波長可変干渉フィルター90に、例えば白色光等の基準光を入射させる。また、別途用意した基準分光測定装置を用い、波長可変干渉フィルター1及び波長可変干渉フィルター90から出力される光を分光測定する。具体的には、Z方向に直交するX方向に沿った各位置について、複数の波長に対する光量で測定する。複数の波長としては、例えば、可視光域を20nm間隔で区分した16バンドの波長等が例示できる。そして、X方向の各位置について、各波長に対する光量からその重心波長を求める。図5及び図6は、X方向に各位置について、この重心波長をプロットした図である。図5及び図6において、重心波長と目標波長(540nm)との差が大きい程、波長むらが大きく、当該位置に目標波長の540nmの光以外の迷光が多く混入していることを示している。
一方、図6に示すように、本実施形態では、迷光域A3が可動部111の外側に位置している。このため、本実施形態の有効領域A1は、可動部111の可動部外縁111Aに囲われる範囲が、有効領域A1であり、比較例1に示すような従来の波長可変干渉フィルター90に比べて大きくなる。
本実施形態の波長可変干渉フィルター1は、第一基板11と、第一基板11に対向する第二基板12と、第一基板11に設けられた第一ミラー21と、第二基板12に設けられ、第一ミラー21に第一ギャップG1を介して対向する第二ミラー22と、を備える。第一基板11は、Z方向から見た際に、均一な厚みを有する可動部111と、可動部111を囲い、可動部111をZ方向に移動可能に保持するダイアフラム部112と、を含む。ダイアフラム部112は、Z方向に平行な平面で切断した断面視で、厚みが均一となる平坦部112Aと、平坦部112Aと可動部111との間に配置され、平坦部112Aから可動部111に向かってZ方向の厚みが漸増する第一傾斜部112Bと、を含む。そして、第一ミラー21は、第一基板11の第二基板に対向する第一面11Aのうち、可動部111から第一傾斜部112Bの少なくとも一部に亘って設けられている。
これにより、第一ミラー21による膜応力による可動部111の撓みを抑制できる。
可動部111において、応力低減膜50が設けられている部分と設けられていない部分とが存在すると、これらの部分間で光学的特性が変化する。つまり、応力低減膜50が設けられている部分では、応力低減膜50と第一基板11との境界面で光の反射や屈折、減衰等が生じ、応力低減膜50が設けられていない部分に対して、これらの反射や屈折、減衰等による光量低下が発生する。このように、Z方向に直交する面内で測定条件にばらつきが生じると、測定精度が低下する。これに対して、本実施形態では、可動部111の全体が有効領域A1に含まれ、かつ、当該可動部111の第二面11Bの全体が応力低減膜50で覆われる構成となる。このため、Z方向に直交する面内で測定条件が同一となり、測定精度の低下を抑制できる。
つまり、第一傾斜部112Bには、第一ミラー21の第一ミラー縁21Aと、第一電極31の内側縁31Bとが近接して位置する。このような構成では、第一ミラー21の膜応力によって第一傾斜部112Bに作用するモーメント力と、第一電極31の膜応力によって第一傾斜部112Bに作用するモーメント力とが互いに打ち消し合い、第一傾斜部112Bの撓みを抑制することができる。
なお、本発明は上述の各実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を達成できる範囲での変形、改良、及び各実施形態を適宜組み合わせる等によって得られる構成は本発明に含まれるものである。
上記実施形態では、ダイアフラム部112が、等方性エッチングにより形成される例を示したが、これに限定されない。例えば、ダイアフラム部112が、異方性エッチングにより形成され、第一傾斜部112Bや第二傾斜部112Cの第二基板12とは反対側の面が、平坦部112Aに対して傾斜する平面に形成されていてもよい。
上記実施形態では、第一ミラー21が可動部111から第一傾斜部112Bに亘って形成される例を示したが、より広い範囲を覆って設けられていてもよい。例えば、第一ミラー21が可動部111から第一傾斜部112B、平坦部112Aの一部を覆うように設けられていてもよい。この場合、平坦部112Aにおいて、第一ミラー縁21Aと、第一電極31の内側縁31Bとの隙間が0.2mm以下となるように第一ミラー21及び第一電極31を配置することが好ましい。これにより、平坦部112Aに作用するモーメント力の影響を低減でき、平坦部112Aの撓みを抑制できる。
上記実施形態では、応力低減膜50が可動部111の第二面11B全体を覆う構成としたが、これに限定されない。例えば、応力低減膜50として、第一基板11と同一素材を用いる場合では、第一基板11と応力低減膜50との間の光学特性が略同一となり、境界面における反射や屈折等を抑制できる。このような場合では、応力低減膜50の低減膜外縁50Aが、可動部外縁111Aよりもフィルター中心軸O側に位置していてもよい。
また、可動部111の厚みが十分に厚く、第一ミラー21の膜応力による可動部111の変形がない場合では、応力低減膜50が設けられていなくてもよい。
波長可変干渉フィルター1において、第一基板11や第二基板12の形状を矩形状とし、第一ミラー21及び第二ミラー22を円形とし、第一電極31及び第二電極32を略円環状としたが、これに限定されない。
例えば、第一基板11、第二基板12、第一基板11、及び第二基板12の形状として、円形や楕円形、多角形状としてもよい。また、第一電極31及び第二電極32として、第一ミラー21や第二ミラー22を囲う矩形枠状としてもよい。また、第一電極31や第二電極32が、フィルター中心軸Oに対して回転対象となるように、等間隔で複数配置される構成としてもよい。
また、コネクタ部114や、固定部123Aの位置も、上記実施形態に限定されるものではなく、第二基板12にコネクタ部が設けられていてもよく、第一基板11に固定部が設けられていてもよい。第一基板11及び第二基板12のいずれか一方に、コネクタ部及び固定部の双方が設けられる構成としてもよく、第一基板11及び第二基板12の両方にコネクタ部及び固定部が設けられる構成としてもよい。
波長可変干渉フィルター1に設けられる電極として、第一電極31及び第二電極32を例示したが、これに限定されない。例えば、第一電極が、円環状のバイアス電極と、バイアス電極の外側に配置される円環状の制御電極とにより構成されてもよい。また、第一ギャップG1の寸法を検出する静電容量検出用の電極をさらに追加してもよい。この場合、静電容量検出用の電極として、例えばITOやIGO等の透明電極を用い、第一ミラー21及び第二ミラー22の表面に設けられることが好ましい。また、Z方向において、電極外周縁が可動部外縁111Aと重なるように配置されることで、電極の有無により、面内で光学特性が変化する不都合を抑制できる。
Claims (4)
- 第一基板と、
前記第一基板に対向する第二基板と、
前記第一基板に設けられた第一ミラーと、
前記第二基板に設けられ、前記第一ミラーに第一ギャップを介して対向する第二ミラーと、を備え、
前記第一基板は、前記第一基板から前記第二基板に向かうZ方向から見た平面視で、前記Z方向の厚みが均一な可動部と、前記可動部を囲い、前記可動部を前記Z方向に移動可 能に保持するダイアフラム部と、を含み、
前記ダイアフラム部は、前記Z方向に平行な平面で切断した断面視で、厚みが均一となる平坦部と、前記平坦部と前記可動部との間に配置され、前記平坦部から前記可動部に向かって前記Z方向の厚みが漸増する第一傾斜部と、を含み、
前記第一ミラーの外縁は、前記Z方向から見た平面視で、前記ダイアフラム部に位置することを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記可動部の前記第二基板とは反対側の面には、前記第一ミラーによる膜応力を低減する応力低減膜が設けられていることを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項2に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記応力低減膜の外周縁は、前記可動部と前記第一傾斜部との境界に位置することを特徴とする波長可変干渉フィルター。 - 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の波長可変干渉フィルターにおいて、
前記第一基板の前記第二基板に対向する面に設けられた第一電極と、
前記第二基板の前記第一電極に対向する位置に設けられた第二電極と、を備え、
前記第一電極は、前記平坦部から前記第一傾斜部に亘って設けられていることを特徴とする波長可変干渉フィルター。
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