以下、本発明の好ましい実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。尚、以下において参照する各図面では互いに共通する要素に同一符号を付しており、それらについての重複する説明は省略する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の一実施形態である印刷データ統合システム1の構成例を示す図である。印刷データ統合システム1は、MFPなどで構成される複数の画像形成装置3と、サーバーや画像形成装置などで構成される印刷データ統合装置2を備えており、それらがLAN(Local Area Network)やWAN(Wide Area Network)、インターネットなどのネットワーク4を介して通信を行うことができる構成である。尚、ネットワーク4には、図示を省略するパーソナルコンピュータなどで構成される情報処理装置なども接続されている。
印刷データ統合装置2は、記憶機能を備えており、画像形成装置3が印刷出力を行った印刷データ5を画像形成装置3から取得し保存する。印刷データ統合装置2は所定のタイミングで所定の条件に基づいて、保存した複数の印刷データ5のうち、相互に関連する複数の印刷データ5を抽出し統合する。
画像形成装置3は、例えばコピー機能やスキャン機能、プリント機能、FAX機能、BOX機能などの複数の機能を備えており、ユーザーによって選択された機能を動作させてジョブを実行する。尚、BOX機能とは、印刷データ5などを記憶しておくストレージ機能である。
画像形成装置3は、ネットワーク4を介して情報処理装置などから送信される印刷ジョブを受信すると、その印刷ジョブに含まれる印刷データ5に基づいて印刷出力を行う。また画像形成装置3は、コピー機能によるコピージョブを実行する場合、まずスキャン機能を動作させて原稿の画像を読み取ることによって印刷データ5を生成し、その後、プリント機能を動作させて印刷データ5に基づく印刷出力を行う。画像形成装置3は、印刷データ5に基づく印刷出力を行うことに伴い、その印刷データ5を記憶しておき、所定のタイミングで記憶している印刷データ5を印刷データ統合装置2に出力する。尚、画像形成装置3は、コピージョブや印刷ジョブを実行したタイミングで、印刷データ5を印刷データ統合装置2へ送信するようにしても良いし、印刷データ統合装置2から印刷データ5の送信要求を受けたタイミングで、印刷データ5を印刷データ統合装置2へ送信するようにしても良い。
印刷データ統合装置2には、ユーザーによって予め設定される抽出条件を定義した抽出条件情報を記憶している。印刷データ統合装置2は、その抽出条件情報に基づき、複数の画像形成装置3のそれぞれから収集して蓄積している複数の印刷データ5のうちから、相互に関連する印刷データ5を抽出し、統合する。
図2は、3つの画像形成装置3a~3cによって印刷出力された印刷データ5a~5dが、印刷データ統合装置2によって統合される一例を示している。商品の売れ行きについて報告するための報告書5a及び商品の売れ行きを纏めるための表5bが画像形成装置3aによって印刷出力されている。また、商品の外観を表した図面5cは、画像形成装置3bによって印刷出力され、商品の売れ行きについての発表資料5dは、画像形成装置3cによって印刷出力されている。これらの印刷データ5a~5dは、元のファイル形式も、印刷出力した画像形成装置3も様々であるが、同一商品の売れ行きに関する内容の印刷データ5であり、関連性を有するものであり、纏めて管理されることが望ましい。そこで、印刷データ統合装置2は、これら複数の印刷データ5a~5dのそれぞれを相互に関連する印刷データとして抽出できるように予め定義された抽出条件情報を保持している。そして印刷データ統合装置2は、3つの画像形成装置3a~3cのそれぞれから取得して記憶している複数の印刷データ5のうちから、抽出条件情報に定められている抽出条件に合致する印刷データを抽出することにより、上述した印刷データ5a~5dを互いに関連する関連印刷データ群として抽出する。そして印刷データ統合装置2は、関連印刷データ群として抽出した印刷データ5a~5dを1つに纏めて統合した統合ファイル6を生成する。したがって、ユーザーが、関連性を有する複数の印刷データ5a~5dを手動で纏めて管理する必要がない。
抽出条件情報に定められている抽出条件に合致する印刷データ5が1つしか存在しない場合、印刷データ統合装置2は、その1つの印刷データ5を用いて統合ファイル6を生成する。したがって、印刷データ統合装置2において生成される統合ファイル6には、少なくとも1つの印刷データ5が含まれる。
図3は、印刷データ統合装置2のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。印刷データ統合装置2は、ネットワークインタフェース10と、無線通信部11と、記憶部12と、制御部13とを備えている。
ネットワークインタフェース10は、印刷データ統合装置2を有線LANなどの有線ネットワークに接続するためのインタフェースである。無線通信部11は印刷データ統合装置2を無線LANなどの無線ネットワークに接続するためのインタフェースである。印刷データ統合装置2は、これらのインタフェースを介して、画像形成装置3において印刷出力が行われた印刷データ5を取得する。
記憶部12は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶装置である。記憶部12には、例えば制御部13の図示しないCPUによって実行されるプログラム20が予めインストールされている。また記憶部12には、画像形成装置3から取得する印刷データ5や、相互に関連する少なくとも1つの印刷データ5を統合して生成される統合ファイル6が記憶される。さらに記憶部12には、ユーザーによって予め設定される抽出条件を定義した抽出条件情報7も記憶される。
記憶部12に記憶される印刷データ5には、「ファイル名」、「印刷日時」、「印刷出力をしたユーザー名」、「印刷出力をしたグループ名」、「元のファイル形式」などの付属情報が関連付けられている。ここで、「グループ名」とは、例えば所属部署などの各ユーザーが所属しているグループの名称である。グループのメンバー構成などは、予め印刷データ統合装置2又は画像形成装置3に登録されている。また、「元のファイル形式」とは、印刷出力された印刷データ5の元となったデータのファイル形式である。例えば、文書作成ソフトのファイル形式、表計算ソフトのファイル形式、図面描写ソフトのファイル形式などである。
図4は、抽出条件情報7の一例を示す図である。図4に示すように、抽出条件情報7には、複数の抽出条件7a~7fを設定することが可能である。図4の例では、6つの抽出条件7a,7b,7c,7d,7e,7fを例示している。各抽出条件7a~7fには、抽出タイミング71、抽出対象ユーザー72、抽出対象グループ73、印刷出力タイミング74、ファイル名75等の複数の項目があり、それら複数の項目のそれぞれに対して詳細条件を設定することができる。例えば複数の項目のうちの抽出タイミング71の項目は、各抽出条件7a~7fにおいて必須の設定項目となっており、印刷データ統合装置2が互いに関連する印刷データ5を抽出するための抽出処理を開始するタイミングを定めたものである。また抽出タイミング71以外の他の項目は、互いに関連する印刷データ5を定義する設定項目である。
例えば抽出条件7aでは、抽出タイミング71の項目に「毎週金曜22:00」が設定されている。そのため、抽出条件7aに基づく抽出処理は、毎週金曜の22:00に開始される。また抽出条件7aでは、抽出対象ユーザー72の項目に「田中」が設定されており、その他の設定項目が未設定の空欄となっている。そのため、印刷データ統合装置2が毎週金曜の22:00のタイミングで抽出条件7aに基づく抽出処理を行うとき、ユーザー「田中」がそれまでに印刷出力した全ての印刷データ5を、互いに関連する関連印刷データ群として抽出することになる。このように抽出対象ユーザー72の項目にユーザー名を設定すれば、そのユーザー名に対応するユーザーが印刷出力した全ての印刷データ5を関連印刷データ群として抽出することができる。したがって、各ユーザーは、自身が過去に印刷出力した印刷データ5を手動操作で纏める必要がなくなる。
また抽出条件7bでは、抽出タイミング71の項目に「最後の印刷出力から1時間経過後」が設定されている。そのため、抽出条件7bに基づく抽出処理は、印刷データ統合装置2に蓄積されている複数の印刷データ5のうち、最後に印刷出力がなされた印刷データ5の出力時間から1時間が経過したタイミングで開始される。また抽出条件7bでは、印刷出力タイミング74の項目に印刷出力間隔が1時間以内の印刷出力を抽出対象とすることが設定されており、その他の設定項目が未設定の空欄となっている。したがって、印刷データ統合装置2が記憶している複数の印刷データ5のうちの最後に印刷出力された印刷データ5の出力時間から1時間が経過したタイミングで抽出条件7bに基づく抽出処理を行うとき、最後に印刷出力された印刷データ5の出力時間から1時間以内に印刷出力された全ての印刷データ5が互いに関連する関連印刷データ群として抽出されることになる。このように印刷出力タイミング74の項目に印刷出力が行われた時刻や期間などを設定することにより、その時刻や期間に印刷出力された全ての印刷データ5を関連印刷データ群として抽出することができる。したがって、ユーザーは、ある一定の時刻或いは期間において印刷出力された印刷データ5を手動操作で纏める必要がなくなる。
また抽出条件7cでは、抽出タイミング71の項目に「毎月1日08:00」が設定されている。そのため、抽出条件7cに基づく抽出処理は、毎月1日の08:00に開始される。また抽出条件7cでは、抽出対象グループ73の項目に「開発1課」が設定されており、その他の設定項目が未設定の空欄となっている。そのため、印刷データ統合装置2が毎月1日の08:00のタイミングで抽出条件7cに基づく抽出処理を行うとき、グループ「開発1課」に所属するユーザーがそれまでに印刷出力した全ての印刷データ5を、互いに関連する関連印刷データ群として抽出することになる。このように抽出対象グループ73の項目にグループ名を設定すれば、そのグループに所属するユーザーが印刷出力した全ての印刷データ5を関連印刷データ群として抽出することができる。したがって、各ユーザーは、グループの構成メンバーが過去に印刷出力した印刷データ5を手動操作で纏める必要がなくなる。
また抽出条件7dでは、抽出タイミング71の項目に「毎週金曜18:00」が設定されている。そのため、抽出条件7dに基づく抽出処理は、毎週金曜の18:00に開始される。また抽出条件7dでは、ファイル名75の項目に「report」が設定されており、その他の設定項目が未設定の空欄となっている。そのため、印刷データ統合装置2が毎週金曜の18:00のタイミングで抽出条件7dに基づく抽出処理を行うとき、記憶部12に記憶されている複数の印刷データ5のうち、元のファイル名に「report」の文字列を含む全ての印刷データ5を、互いに関連する関連印刷データ群として抽出することになる。このようにファイル名75の項目に文字列を設定すれば、元のファイル名にその文字列を含む全ての印刷データ5を関連印刷データ群として抽出することができる。したがって、各ユーザーは、元のファイル名をキーにした検索作業を自身で行う必要がなくなる。
以上のように、ファイル名75の項目に文字列を設定すれば、元のファイル名にその文字列を含む全ての印刷データ5を関連印刷データ群として抽出することができる。ここで、記憶部12に記憶されている複数の印刷データ5のうちに、元のファイル名が同一である複数の印刷データ5が存在する場合には、元のファイル名が同一である複数の印刷データ5の全てが関連印刷データ群として抽出されることになる。例えば、元のファイル名が同一である複数の印刷データ5は、ユーザーが印刷物の内容修正と印刷出力とを繰り返したことによって記憶部12に記憶された複数の印刷データ5である。このような場合、ユーザーが統合ファイル6に纏めて保存しておきたいものは最後に修正された印刷データ5であって、それ以前に記憶部12に記憶された印刷データ5は必要でないことが多い。このような複数の印刷データ5の全てを纏めて統合ファイル6を生成しても、ユーザーに必要ない印刷データ5によって、統合ファイル6の容量が大きくなり統合ファイル6を印刷出力する際には出力枚数が多くなるだけである。そこで、元のファイル名が同一である複数の印刷データ5が記憶部12に存在する場合には、記憶部12に最後に記憶された印刷データ5のみを関連印刷データ群として抽出するようにしてもよい。こうすることにより、関連印刷データ群として抽出する必要のない元のファイル名が同一の複数の印刷データ5を関連印刷データ群として抽出することを防ぐことができる。
また抽出条件7eでは、抽出タイミング71の項目に「毎日17:45」が設定されている。そのため、抽出条件7eに基づく抽出処理は、毎日17:45に開始される。また抽出条件7eでは、印刷出力タイミング74の項目に「17:00~17:30」が設定されており、その他の設定項目が未設定の空欄となっている。そのため、印刷データ統合装置2が毎日17:45のタイミングで抽出条件7eに基づく抽出処理を行うとき、記憶部12に記憶されている複数の印刷データ5のうちから、その日の17:00~17:30の期間に印刷出力された全ての印刷データ5を、互いに関連する関連印刷データ群として抽出することになる。抽出条件7bにおける抽出タイミングが、ある印刷データ5の印刷出力のタイミングを基準にした所定期間であり、変動し得る期間であるのに対して、抽出条件7eにおける印刷出力タイミングは、絶対的な日時を指定しているため、変動し得ない出力期間を指定したものである。例えば、企業などにおいて、毎日17:00~17:30の時間帯に日報を印刷して提出することを全ての従業員に義務づけている場合、抽出条件7eを適用することにより、各従業員が印刷出力した日報だけを関連印刷データ群として抽出することができる。また企業などにおいて毎日17:30から定例の会議を開催している場合に、その会議の直前に各ユーザーが印刷出力した会議資料だけを関連印刷データ群として抽出することができる。つまり、各ユーザーが毎回決まったタイミングで定期的に印刷出力している印刷データ5だけを集めた関連印刷データ群を抽出することができるのである。
また抽出条件7fでは、抽出タイミング71の項目に「毎週月曜12:00」が設定されている。そのため、抽出条件7fに基づく抽出処理は、毎週月曜の12:00に開始される。また抽出条件7fでは、抽出対象グループ73の項目に「開発2課」が設定されると共に、ファイル名75の項目に「product」が設定されている。その他の設定項目は、未設定の空欄である。そのため、印刷データ統合装置2が毎週月曜の12:00のタイミングで抽出条件7fに基づく抽出処理を行うとき、グループ「開発2課」に所属するユーザーがそれまでに印刷出力した印刷データ5であって、元のファイル名に「product」の文字列を含む印刷データ5を、互いに関連する関連印刷データ群として抽出することになる。このように複数の設定項目に対して条件を設定することにより、それら複数の条件の全てを満たす印刷データ5を関連印刷データ群として抽出することができるようになる。そのため、互いに関連する印刷データ5を抽出する際の抽出条件をきめ細かに設定することができる。
抽出条件情報7には、上述した抽出条件7a~7f以外の抽出条件が含まれていても良い。また詳細条件を設定する項目には、上述した抽出タイミング71、抽出対象ユーザー72、抽出対象グループ73、印刷出力タイミング74及びファイル名75の項目以外の設定項目が含まれていても良い。
制御部13は、図示を省略するCPUやメモリなどを備えて構成され、印刷データ5の取得、統合ファイル6の生成などの処理を実行する。このような制御部13は、CPUがプログラム20を実行することにより、印刷データ取得部21、印刷データ変換部22、抽出タイミング判定部23、印刷データ抽出部24、統合ファイル生成部25、及び、印刷データ削除部26として機能する。
印刷データ取得部21は、画像形成装置3が印刷出力した印刷データ5を取得する処理部である。具体的には、ネットワークインタフェース10又は無線通信部11を介して、画像形成装置3が印刷出力した印刷データ5を取得する。例えば、各画像形成装置3は、ユーザーの指示に基づいて印刷出力を行うと、その印刷データ5を印刷データ統合装置2へ送信する。そのため、印刷データ取得部21は、各画像形成装置3において印刷出力が行われたタイミングで印刷データ5を取得することができる。
また印刷データ取得部21は、抽出条件情報7に含まれる複数の抽出条件7a~7fのうちのいずれかの抽出条件において定められている抽出タイミング71となったときに、複数の画像形成装置3のそれぞれに対して印刷データ5を要求することにより、印刷データ5を取得するようにしても良い。この場合、印刷データ取得部21が複数の画像形成装置3のそれぞれに対して印刷データ5を要求したときに画像形成装置3がスリープ状態となっていることがある。そのため、印刷データ取得部21は、スリープ状態の画像形成装置3が存在すれば、その画像形成装置3をスリープ状態から通常稼働状態に復帰させ、通常稼働状態に復帰したことを確認した後に印刷データ5を要求するようにしても良い。
また印刷データ取得部21は、抽出タイミングであるか否かにかかわらず、定期的に複数の画像形成装置3のそれぞれに対して印刷データ5を要求することにより、印刷データ5を取得するようにしても良い。この場合も上記と同様に、印刷データ取得部21は、スリープ状態の画像形成装置3が存在すれば、その画像形成装置3をスリープ状態から通常稼働状態に復帰させ、通常稼働状態に復帰したことを確認した後に印刷データ5を要求するようにしても良い。また、強制的に通常稼働状態に復帰させることができないディープスリープ状態の画像形成装置3が存在する場合、印刷データ取得部21は、その画像形成装置3が通常稼働状態に復帰するのを待ってから印刷データ5を要求するようにしても良い。
印刷データ取得部21は、複数の画像形成装置3のそれぞれから印刷データ5を取得すると、その印刷データ5を記憶部12に保存する。
印刷データ変換部22は、印刷データ取得部21によって取得される印刷データ5の保存フォーマットを、統合ファイル6の保存フォーマットと同一の保存フォーマットに変換する処理部である。例えば、統合ファイル6の保存フォーマットがPDF(Portable Document Format)形式である場合、印刷データ変換部22は、記憶部12に保存する印刷データ5の保存フォーマットを予めPDF形式に変換する。予め印刷データ5の保存フォーマットを、統合ファイル6の保存フォーマットと同一の保存フォーマットに変換しておくことで、後述する統合処理の負担を減らすことが可能となる。
抽出タイミング判定部23は、記憶部12に記憶されている抽出条件情報7を管理しており、現在時刻が抽出条件情報7に含まれる複数の抽出条件7a~7fのそれぞれに定められている抽出タイミングとなった場合に、関連印刷データ群を抽出するタイミングであると判定する。抽出タイミング判定部23は、関連印刷データ群の抽出タイミングであると判定すると、印刷データ抽出部24を機能させる。
また抽出タイミング判定部23は、ユーザーの指示操作に基づいて、抽出条件情報7に対して新たな抽出条件を登録したり、既に抽出条件情報7に登録されている抽出条件を変更したりすることができる。具体的に説明すると、ユーザーが情報処理装置を操作して印刷データ統合装置2にアクセスすると、抽出タイミング判定部23は、情報処理装置に対し、抽出条件情報7の抽出条件を設定するための抽出条件設定画面を送信し、情報処理装置において抽出条件設定画面を表示させる。
図5は、その抽出条件設定画面の一例を示す図である。ユーザーは、図5に示すような抽出条件設定画面を操作することにより、抽出条件ごとに抽出タイミングを設定することができると共に、関連印刷データ群として抽出するための詳細な条件を各設定項目に設定することができる。例えば、ユーザーが抽出タイミングとして「毎週金曜の22:00」を設定すると(図5参照)、毎週金曜の22:00に関連印刷データ群が抽出される抽出条件を登録することができる。さらにユーザーは、関連印刷データ群として抽出するための抽出条件として、抽出対象ユーザー72の項目に「田中」を設定登録することもできる。その結果、抽出条件情報7には、図4に示した抽出条件7aが登録される。またユーザーは、抽出条件設定画面に対する操作を繰り返すことにより、抽出条件情報7に対して複数の抽出条件7a~7fを登録することも可能である。つまり、ユーザーは、抽出条件設定画面に対する操作を行うことで、自身の意向に沿った抽出条件を印刷データ統合装置2に設定することが可能である。そのため、ユーザーが纏めて管理したい相互に関連する複数の印刷データ5を抽出することができるようになる。
抽出タイミング判定部23は、現在時刻が抽出条件情報7に登録されている複数の抽出条件7a~7fのうちのいずれか1つの抽出条件に定められた抽出タイミング71であると判定すると、印刷データ抽出部24に対して詳細条件を通知する。例えば、現在時刻が抽出条件7aの抽出タイミング71の項目に定められているタイミングに一致すると判定した場合、抽出タイミング判定部23は、印刷データ抽出部24に対し、抽出条件7aに基づく抽出タイミングであることを通知する。これにより、印刷データ抽出部24は、複数の抽出条件7a~7fのうちのどの抽出条件に基づいて印刷データ5を抽出すれば良いかを特定することができる。
印刷データ抽出部24は、記憶部12に記憶されている複数の印刷データ5のうちから、関連印刷データ群を抽出する処理部である。印刷データ抽出部24は、抽出タイミング判定部23によって抽出タイミングであると判定され、抽出タイミング判定部23から抽出条件が通知されると、その抽出条件に基づいて関連印刷データ群を抽出する。
図6(a)は、記憶部12に記憶されている複数の印刷データ5のリストの例を示す図である。例えば、抽出タイミング判定部23により、現在時刻が図4に示した抽出条件7aの抽出タイミング71となったことが検知されると、印刷データ抽出部24は、抽出条件7aの各設定項目に基づいて関連印刷データ群を抽出するための条件を特定する。抽出条件7aでは抽出対象ユーザー72の項目に「田中」が設定されているため、印刷データ抽出部24は、ユーザー「田中」が印刷出力した全ての印刷データ5を、関連印刷データ群として、記憶部12から抽出する。図6(b)は、図6(a)に示す状態から、ユーザー「田中」が印刷出力を指示した複数の印刷データ5を抽出した関連印刷データ群のリストを示している。このように印刷データ抽出部24は、自動的に、抽出条件に合致する少なくとも1つの印刷データ5を抽出して関連印刷データ群を形成するのである。
また印刷データ抽出部24は、抽出タイミング判定部23によって別の抽出条件7b~7fに定められた抽出タイミングであると判定された場合には、その抽出条件7b~7fに定められている条件に基づいて少なくとも1つの印刷データ5を抽出し、関連印刷データ群を形成する。
印刷データ抽出部24は、抽出条件に適合する印刷データ5を抽出して関連印刷データ群を形成すると、統合ファイル生成部25を機能させる。ただし、印刷データ抽出部24は、抽出条件7a~7fに基づく抽出処理を行ったとしても印刷データ5を抽出することができないこともある。そのような場合、印刷データ抽出部24は、関連印刷データ群を形成することができない。そのため、統合ファイル生成部25を機能させる必要はない。
統合ファイル生成部25は、印刷データ抽出部24によって抽出される関連印刷データ群に含まれる印刷データ5を纏めて1つのファイルに統合して統合ファイル6を生成する処理部である。例えば、統合ファイル生成部25は、関連印刷データ群に複数の印刷データ5が含まれる場合、それら複数の印刷データ5を1つのファイルに統合した統合ファイル6を生成する。このとき、関連印刷データ群に含まれる複数の印刷データ5の中に、PDF形式などの保存フォーマットとは異なるファイル形式の印刷データ5が存在する場合、統合ファイル生成部25は、印刷データ変換部22を機能させ、印刷データ5のファイル形式をPDF形式などの所定の保存フォーマットに統一させる。そして統合ファイル生成部25は、所定の保存フォーマットに統一された複数の印刷データ5を1つに統合して統合ファイル6を生成する。また統合ファイル生成部25は、関連印刷データ群に1つの印刷データ5のみが含まれている場合、その1つの印刷データ5から統合ファイル6を生成する。このときも、統合ファイル生成部25は、必要に応じて印刷データ5のファイル形式を所定の保存フォーマットに変換してから統合ファイル6を生成する。尚、統合ファイル生成部25は、関連印刷データ群を1つのファイルに統合して統合ファイル6を生成する代わりに、統合フォルダを作成し、その統合フォルダに関連印刷データ群を格納するものとしてもよい。この場合の統合フォルダは、実質的に上述した統合ファイル6と同じである。
統合ファイル生成部25は、統合ファイル6を生成すると、その統合ファイル6を予め指定された記憶デバイスに出力して保存する。この記憶デバイスは、記憶部12であっても良いし、ネットワーク4に接続されている他のサーバーであっても良い。また記憶デバイスは、画像形成装置3の記憶装置であっても良い。統合ファイル生成部25が統合ファイル6を出力する記憶デバイスは、抽出条件7a~7fごとに設定することが可能である。そのため、抽出条件7a~7fごとに異なる記憶デバイスに統合ファイル6を保存することもできる。このように統合ファイル6を所定の記憶デバイスに保存しておくことにより、ユーザーは、統合ファイル6に含まれる印刷データ5を再利用することができるようになる。
また統合ファイル生成部25は、統合ファイル6を予め指定された記憶デバイスに保存することに伴い、その統合ファイル6に含まれる印刷データ5の印刷出力を指示したユーザー又はグループのメンバーに対して保存先を通知するようにしても良い。この場合、統合ファイル生成部25は、例えば本文に記憶デバイスへのアクセス情報を記載した電子メールをユーザー又はグループのメンバーに送信する。ただし、保存先を通知する手段は、必ずしも電子メールに限られず、他の通信手段を利用しても良い。また統合ファイル6の保存先の通知は、画像形成装置3の管理者に対して行うものであっても良い。統合ファイル生成部25が統合ファイル6を生成したことをユーザー等に通知することで、ユーザー等は互いに関連する少なくとも1つの印刷データ5が統合されたことを知ることができる。また統合ファイル生成部25は、統合ファイル6そのものを、ユーザーやグループのメンバー、画像形成装置3の管理者に対して送信するようにしても良い。
また印刷データ抽出部24によって抽出される関連印刷データ群には、同じ印刷データ5が含まれることがある。例えば同一グループに所属する複数のメンバーのそれぞれが会議の直前に同じ会議資料を印刷出力した場合、印刷データ抽出部24は、そのグループのメンバーが印刷出力した全ての印刷データ5を関連印刷データ群として抽出することがある。このような場合、関連印刷データ群には同じ印刷データ5が複数含まれることになる。そこで統合ファイル生成部25は、関連印刷データ群に含まれる印刷データ5を解析することにより、重複している印刷データ5を統合対象から除外するようにしても良い。すなわち、統合ファイル生成部25は、複数の同一印刷データのうちの1つの印刷データのみを使用して統合ファイル6を生成するのである。これにより、統合ファイル6には重複する印刷データ5が含まれないことになるため、ユーザーが統合ファイル6の中から所望の印刷データ5を探し出す際の手間を省くことができるようになり、より利便性が向上する。
統合ファイル生成部25によって統合ファイル6が生成されると、印刷データ抽出部24は、統合ファイル6に組み込まれた印刷データ5を、次回以降の抽出対象から除外する。統合ファイル6の生成時に統合ファイル生成部25によって重複する印刷データ5が統合対象から除外された場合、印刷データ抽出部24は、その除外された印刷データ5についても次回以降の抽出対象から除外する。これにより、画像形成装置3において印刷出力された印刷データ5は、印刷データ統合装置2によって生成される複数の統合ファイル6のうちのいずれか1つの統合ファイル6に統合されることになる。
印刷データ削除部26は、統合ファイル生成部25によって関連印刷データ群を統合した統合ファイル6が生成された場合に、その関連印刷データ群に含まれる印刷データ5を削除する処理部である。例えば、記憶部12の状態が図6(a)に示す状態である場合に、印刷データ抽出部24によって図6(b)に示す関連印刷データ群が抽出され、統合ファイル生成部25によって統合ファイル6が生成されたとする。この場合、印刷データ削除部26は記憶部12に記憶される複数の印刷データ5のうちから、関連印刷データ群として抽出された複数の印刷データ5を削除する。その結果、記憶部12に記憶されている印刷データ5のリストは図6(c)に示すものとなる。印刷データ削除部26が存在することによって、統合ファイル6の生成元となった複数の印刷データ5が削除され、記憶部12に記憶されるデータ容量を低減することが可能である。
また印刷データ削除部26が印刷データ5を削除するタイミングは、統合ファイル生成部25によって統合ファイル6が生成された直後のタイミングとしても良い。この場合、その後に印刷データ抽出部24による抽出処理が行われるときには既に統合ファイル6に統合された印刷データ5が記憶部12から削除されているため、次回以降の抽出処理において抽出対象から除外することができる。
また印刷データ削除部26が印刷データ5を削除するタイミングは、統合ファイル生成部25によって統合ファイル6が生成された後、一定期間が経過したタイミングとしても良い。この場合、統合ファイル6が生成された後でも一定期間は印刷データ5を記憶部12に残しておくことができるため、その印刷データ5を別の統合ファイル6にも組み込むことができるようになる。ただし、この場合、印刷データ抽出部24において統合ファイル6に組み込まれた印刷データ5を次回以降の抽出対象から除外する設定をオフにしておくことが必要である。
ところで、抽出条件情報7には、印刷データ抽出部24が抽出処理を行う際の除外条件を設定するようにしても良い。図7は、除外条件79を含む抽出条件情報7の例を示す図である。図7に示す抽出条件情報7には、除外条件79の項目が設けられている。ユーザーは、この除外条件79の項目に抽出対象から除外する印刷データ5の条件を設定することができる。
例えば、図7に示す抽出条件7aには、除外条件79の項目に「ファイル名:report」が設定されている。そのため、印刷データ抽出部24は、図7に示す抽出条件7aに基づいて互いに関連する印刷データ5を抽出するとき、記憶部12に記憶されている複数の印刷データ5のうちから元のファイル名に「report」の文字列を含む印刷データ5を抽出対象から除外する。そして印刷データ抽出部24は、元のファイル名に「report」の文字列を含まない印刷データ5のうちから関連印刷データ群を抽出する。
また図7に示す抽出条件7bには、除外条件79の項目に「印刷出力タイミング:17:00~17:30」が設定されている。そのため、印刷データ抽出部24は、図7に示す抽出条件7bに基づいて互いに関連する印刷データ5を抽出するとき、記憶部12に記憶されている複数の印刷データ5のうちから、除外条件79に定められた時間帯(17:00~17:30)に印刷出力された印刷データ5を抽出対象から除外する。そして印刷データ抽出部24は、除外条件79に定められた時間帯に印刷出力されていない印刷データ5のうちから関連印刷データ群を抽出する。
このように抽出条件情報7に除外条件79の項目を設けることにより、関連印刷データ群に不要な印刷データ5が含まれてしまうことを未然に防止することができる。例えば、各ユーザーが会議の直前に印刷出力した会議資料だけを纏めたい場合に、他のユーザーがその時間帯に印刷出力した印刷データ5を除いて、必要な印刷データ5だけを関連印刷データ群として抽出することが可能である。そのため、ユーザーの意図に沿った統合ファイル6を高精度に生成することが可能である。
また印刷データ抽出部24は、複数の抽出条件7a~7fのいずれかの抽出条件に基づいて関連印刷データ群を抽出した場合に、関連印刷データ群に含まれる印刷データを表示し、ユーザーによる確認操作を受け付けるようにしても良い。この場合、印刷データ抽出部24は、ユーザーの操作に基づいて関連印刷データを確定させる。
例えば印刷データ抽出部24は、関連印刷データ群に含まれる印刷データ5の印刷出力を指示したユーザーを特定し、そのユーザーに対して電子メールを送信することにより、関連印刷データ群の確認要求を行う。この確認要求を受信すると、ユーザーは、自身の情報処理装置を操作して印刷データ統合装置2にアクセスする。印刷データ抽出部24は、ユーザーが使用する情報処理装置からのアクセスを検知すると、その情報処理装置に対して関連印刷データ群に含まれる印刷データを表示するための画面情報を送信することにより、情報処理装置において確認画面を表示させる。尚、印刷データ統合装置2が画像形成装置3に組み込まれている場合には、画像形成装置3の操作パネルに確認画面を表示するようにしても良い。
図8は、印刷データ抽出部24によって表示される確認画面の一例を示す図である。図8(a)は、印刷データ抽出部24によって抽出された関連印刷データ群に含まれる印刷データ5のリストを表示する確認画面を示している。この確認画面には、ユーザーが関連印刷データ群を確定させるためのボタン50と、ユーザーが関連印刷データ群に含まれる印刷データ5を編集するためのボタン51とが含まれる。ユーザーがボタン50を操作した場合、印刷データ抽出部24は、抽出条件7a~7fに基づいて抽出した関連印刷データ群を確定させる。またユーザーがボタン51を操作した場合、印刷データ抽出部24は、画面を図8(b)に示す画面に遷移させる。図8(b)の画面では、ユーザーが関連印刷データ群に含まれる複数の印刷データ5のうちから不要な印刷データ5を選択することが可能である。また図8(b)の画面には、除外ボタン52と、確定ボタン53と、終了ボタン54とが含まれる。ユーザーによって不要な印刷データ5が選択された状態で除外ボタン52が操作されると、印刷データ抽出部24は、関連印刷データ群からユーザーによって選択された印刷データ5を削除する。これにより、図8(b)の画面は、図8(c)に示す画面に遷移する。図8(c)の画面では、ユーザーによって選択された印刷データ5が削除されている。そのため、ユーザーは、不要な印刷データ5が削除されたことを画面上で確認することができる。その後、ユーザーによって確定ボタン53が操作されると、印刷データ抽出部24は、不要な印刷データ5を削除した状態で関連印刷データ群を確定させる。このように印刷データ抽出部24は、ユーザーによる確認操作を受け付けることにより、ユーザーの意図に沿った統合ファイル6を生成することができる。
尚、上記のような確認画面を表示するとき、印刷データ抽出部24は、上述した除外条件79に該当して関連印刷データ群から除外した印刷データ5を表示する用にしても良い。これにより、ユーザーは、除外条件79に該当して関連印刷データ群から除外された印刷データ5がどのような印刷データ5であるかを確認することができる。そして確認した結果、除外条件79に該当して除外された印刷データ5が関連印刷データ群に含めるべき印刷データ5である場合、ユーザーは、確認画面に対する操作を行うことで、関連印刷データ群に含めることも可能である。
尚、上記において、印刷データ抽出部24は、抽出タイミング判定部23によって現在時刻が抽出タイミングであると判定された場合に、抽出処理を開始する場合を例示した。しかし、これに限られるものではなく、ユーザーは、情報処理装置を操作することによって印刷データ統合装置2にアクセスし、複数の抽出条件7a~7fを指定したうえで抽出処理の開始を行うことも可能である。この場合、印刷データ抽出部24は、ユーザーによって指定されたタイミングで抽出処理を開始する。
次に画像形成装置3について説明する。図9は、画像形成装置3のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。画像形成装置3は、操作パネル30と、ネットワークインタフェース33と、無線通信部34と、記憶部35と、制御部36と、スキャナ部37と、プリンタ部38と、FAX部39と、電源制御部43とを備えている。
操作パネル30は、表示部31と、操作部32とを備えている。表示部31は、例えばカラー液晶ディスプレイなどで構成され、ユーザーが操作可能な各種画面を表示する。操作部32は、例えば表示部31の表示画面上に配置されるタッチパネルキーと、表示部31の表示画面の周囲に配置される押しボタンキーとを備えて構成され、ユーザーによる操作を受け付ける。
ネットワークインタフェース33は、画像形成装置3を有線LAN(Local Area Network)などの有線ネットワークに接続するためのインタフェースである。無線通信部34は、画像形成装置3を無線LANなどの無線ネットワークに接続するためのインタフェースである。画像形成装置3はこれらのインタフェースを介して、画像形成装置3が印刷出力を行った印刷データ5を、印刷データ統合装置2に送信する。
記憶部35は、ハードディスクドライブ(HDD)やソリッドステートドライブ(SSD)などによって構成される不揮発性の記憶装置である。この記憶部35は、様々なプログラムやデータなどを記憶しておくものである。例えば記憶部35には、図9に示すように画像形成装置3において実行されるプログラム40と、画像形成装置3が印刷出力を行った印刷データ5が記憶されている。画像形成装置3は、記憶部35に記憶している印刷データ5を印刷データ統合装置2に送信した後、記憶部35から印刷データ5を削除するようにしても良い。
スキャナ部37は、ユーザーによってコピー機能、スキャン機能、FAX送信機能などが選択された場合に動作し、ユーザーによってセットされた原稿の画像を光学的に読み取って画像データを生成するものである。プリンタ部38は、ユーザーによってコピー機能又はプリント機能が選択された場合、或いは、FAX部39が公衆電話回線からFAXデータを受信した場合に動作し、入力する画像データに基づいて印刷用紙などに画像形成を行って印刷出力するものである。FAX部39は、公衆電話回線を介してFAXデータの送受信を行うものである。
制御部36は、図示を省略するCPUやメモリなどを備えて構成され、各部の動作を制御する。例えばCPUがプログラム40を読み出して実行することにより、制御部36は、ジョブ制御部41及び印刷データ出力部42として機能する。
ジョブ制御部41は、画像形成装置3におけるジョブの実行を制御する処理部である。ジョブ制御部41は、ユーザーによって指定されたジョブの実行開始を指示するものである場合に機能し、スキャナ部37、プリンタ部38及びFAX部39のそれぞれを駆動し、ユーザーによって指定されたジョブの実行を制御する。例えば、ユーザーによって指定されたジョブが印刷ジョブである場合、ジョブ制御部41は、印刷ジョブに含まれる印刷データ5に基づいてプリンタ部38を駆動させることにより印刷データ5に応じた印刷出力を行わせる。ジョブ制御部41は、プリンタ部38による印刷出力が完了すると、その印刷データ5を記憶部35へ一時的に保存する。
印刷データ出力部42は、プリンタ部38によって印刷出力がなされた印刷データ5を印刷データ統合装置2に送信する処理部である。例えば印刷データ出力部42は、記憶部35に印刷データ5が保存されたタイミングで機能し、記憶部35からその印刷データ5を読み出して印刷データ統合装置2へ送信する。また印刷データ出力部42は、印刷データ統合装置2から印刷データ5の要求を受信したタイミングで機能し、その時点で記憶部35に記憶されている印刷データ5を全て読み出し、印刷データ統合装置2へ送信するものであっても構わない。
また印刷データ出力部42は、まず記憶部35に記憶されている印刷データ5のリストだけを印刷データ統合装置2へ送信し、その後に印刷データ統合装置2からそのリストに含まれる印刷データ5の送信要求を受けた場合に印刷データ5を印刷データ統合装置2へ送信するものであっても構わない。
印刷データ出力部42は、印刷データ統合装置2へ印刷データ5を送信した後、記憶部35に記憶されている印刷データ5を削除する。これにより、記憶部35の記憶領域が長期間に亘り印刷データ5によって占有されることを防止することができる。
電源制御部43は、画像形成装置3の電力供給状態を制御するものである。画像形成装置3の電力供給状態には、例えば通常稼働状態と、スリープ状態と、ディープスリープ状態との3つの状態がある。通常稼働状態は、上述した各部に対して正常に電力が供給されている状態であり、ジョブを実行可能な状態である。スリープ状態は、操作パネル30、ネットワークインタフェース33及び無線通信部34を除き、各部への電力供給を停止した状態であり、ジョブを実行することができない状態である。ただし、スリープ状態において操作パネル30がユーザーの操作を検知すると、操作パネル30は、その旨を電源制御部43へ通知する。またスリープ状態においてネットワークインタフェース33又は無線通信部34がネットワーク4を介して制御部36を動作させる必要のある情報を受信すると、ネットワークインタフェース33又は無線通信部34は、その旨を電源制御部43へ通知する。これにより、電源制御部43は、電力供給状態をスリープ状態から通常稼働状態へ復帰させる。ディープスリープ状態は、操作パネル30を除き、上述した各部への電力供給を全て停止した状態であり、ジョブを実行することができない状態である。ディープスリープ状態において操作パネル30がユーザーの操作を検知すると、操作パネル30は、その旨を電源制御部43へ通知する。これにより、電源制御部43は、電力供給状態をディープスリープ状態から通常稼働状態へ復帰させる。
印刷データ出力部42は、スリープ状態又はディープスリープ状態であるとき、印刷データ統合装置2から印刷データ5の要求を受信したとしても、印刷データ5を送信することができない。この場合、電源制御部43は、印刷データ統合装置2からの要求に基づき、電力供給状態をスリープ状態から通常稼働状態へ復帰させることにより、印刷データ出力部42が印刷データ5を送信できる状態にすることができる。ただし、ディープスリープ状態のときにはネットワークインタフェース33及び無線通信部34の双方が通信機能を停止させているため、電源制御部43は、印刷データ統合装置2からの要求に基づき通常稼働状態へ復帰させることができない。そのため、印刷データ出力部42は、通常稼働状態へ復帰した後に印刷データ5を送信することになる。
印刷データ統合装置2がディープスリープ状態の画像形成装置3に対して印刷データ5の要求を送信した場合、印刷データ統合装置2は、画像形成装置3が通常稼働状態などに復帰するまで印刷データ5を待つ必要がある。そうすると抽出条件において設定された抽出タイミングで印刷データ統合装置2が関連印刷データ群を抽出できないといった問題が起こり得る。このような問題が起こらないようにするために、電源制御部43は、画像形成装置3の電力供給状態を通常稼働状態又はスリープ状態からディープスリープ状態に移行させる際に、印刷データ出力部42に対してその旨を通知するものとしてもよい。この場合、電源制御部43からの通知を受けた印刷データ出力部42は、その時点で記憶部35に記憶されている印刷データ5を全て読み出し、印刷データ5と、画像形成装置3がこれからディープスリープ状態に移行する旨の通知とを印刷データ統合装置2へ送信する。次に印刷データ出力部42は、印刷データ5を印刷データ統合装置2へ送信したことを電源制御部43に通知する。電源制御部43は、印刷データ出力部からの通知を受けると、画像形成装置3の状態を通常稼働状態又はスリープ状態からディープスリープ状態へ移行させる。こうすることにより、印刷データ出力部42はディープスリープ状態に移行する直前に、その時点で記憶部35に記憶されている印刷データ5を全て印刷データ統合装置2に送信することができる。すなわち、印刷データ統合装置2は、画像形成装置3がディープスリープ状態に移行する直前に印刷データ5と画像形成装置3がこれからディープスリープ状態に移行する旨の通知とを取得することができる。次に、画像形成装置3から印刷データ5とディープスリープ状態に移行する旨の通知とを送信された印刷データ統合装置2の動作について説明する。抽出条件において設定された抽出タイミングに、印刷データ統合装置2が画像形成装置3に対して印刷データ5の要求を送信する。このとき、画像形成装置3からの返信が所定時間なければ、印刷データ統合装置2は画像形成装置3がディープスリープ状態であると判断する。画像形成装置3がディープスリープ状態であると判断した印刷データ統合装置2は、関連印刷データ群の抽出を開始する。画像形成装置3がディープスリープ状態に移行する直前に画像形成装置3から印刷データ5が送信されており、印刷データ統合装置2は関連印刷データ群の抽出に必要な印刷データ5は全て記憶しているため、関連印刷データ群の抽出を開始しても問題ないのである。そのため、印刷データ統合装置2がディープスリープ状態の画像形成装置3に印刷データ5の送信要求を行った場合でも、印刷データ統合装置2は、画像形成装置3がディープスリープ状態から復帰するのを待って印刷データ5を取得する必要がなくなるのである。
次に、上記のような印刷データ統合システム1で行われる動作について説明する。図10は、印刷データ統合装置2及び画像形成装置3a,3b,3cで行われる動作プロセスを示す図である。まず画像形成装置3aは、ユーザーによって指定されたジョブを実行することに伴い、印刷出力を行う(プロセスP1)。画像形成装置3aは、印刷出力を行った後、その印刷出力に用いた印刷データ5を印刷データ統合装置2へ送信する(プロセスP2)。印刷データ統合装置2は、画像形成装置3aから受信する印刷データ5を記憶部12へ保存する。次に画像形成装置3bは、ユーザーによって指定されたジョブの実行に伴って印刷出力を行い(プロセスP3)、印刷出力後に印刷データ5を印刷データ統合装置2へ送信する(プロセスP4)。印刷データ統合装置2は、画像形成装置3bから受信する印刷データ5も記憶部12へ保存する。次に画像形成装置3cは、ユーザーによって指定されたジョブの実行に伴って印刷出力を行い(プロセスP5)、印刷出力後に印刷データ5を印刷データ統合装置2へ送信する(プロセスP6)。印刷データ統合装置2は、画像形成装置3cから受信する印刷データ5も記憶部12へ保存する。さらにその後、画像形成装置3aは、再びユーザーによって指定されたジョブの実行に伴って印刷出力を行い(プロセスP7)、印刷出力後に印刷データ5を印刷データ統合装置2へ送信する(プロセスP8)。印刷データ統合装置2は、再び画像形成装置3aから受信する印刷データ5も記憶部12へ保存する。このようにして印刷データ統合装置2には、複数の画像形成装置3a,3b,3cのそれぞれで印刷出力された印刷データ5が蓄積される。尚、印刷データ統合装置2は、複数の画像形成装置3a,3b,3cのそれぞれに対して定期的に印刷データ5を要求することにより、各画像形成装置3a,3b,3cから印刷データ5を取得するものであっても良い。
その後、印刷データ統合装置2は、抽出タイミングであると判定すると(プロセスP9)、抽出条件に基づく抽出処理を行い、互いに関連する少なくとも1つの印刷データ5を関連印刷データ群として抽出する(プロセスP10)。そして印刷データ統合装置2は、関連印刷データ群に含まれる印刷データ5を1つに纏めた統合ファイル6を生成する(プロセスP11)。統合ファイル6を生成すると、印刷データ統合装置2は、その統合ファイル6を予め指定された出力先に出力する(プロセスP12)。これに伴い、印刷データ統合装置2は、ユーザーに統合ファイル6を生成した旨を通知する。
上記のような統合プロセスは、印刷データ統合装置2において自動的に進行する。そのため、ユーザーは、印刷データ統合装置2に予め抽出条件を設定しておくだけで良いため、利便性が高い。
次に印刷データ統合装置2における具体的な処理手順について説明する。図11は、印刷データ統合装置2において行われる処理手順の一例を示すフローチャートである。この処理は、制御部13のCPUが上述したプログラム20を実行することによって開始される処理であり、制御部13において一定時間ごとに繰り返し実行される処理である。印刷データ統合装置2は、この処理を開始すると、まず画像形成装置3から印刷データ5を受信したか否かを判断する(ステップS10)。印刷データ5を受信している場合(ステップS10でYES)、印刷データ統合装置2は、受信した印刷データ5を記憶部12に保存する(ステップS11)。尚、印刷データ5を受信していない場合(ステップS10でNO)、ステップS11の処理はスキップする。
次に印刷データ統合装置2は、現在時刻を確認し(ステップS12)、現在時刻が抽出条件情報7に含まれる複数の抽出条件7a~7fのうちのいずれかの抽出タイミング71に一致するか否かを判断する(ステップS13)。その結果、抽出タイミング71に一致しない場合(ステップS13でNO)、印刷データ統合装置2は、さらにユーザーによって抽出処理の実行が指示されたか否かを判断する(ステップS14)。ユーザーによる抽出処理の実行指示もない場合(ステップS14でNO)、この処理は終了する。
現在時刻が抽出タイミングである場合(ステップS13でYES)、或いは、ユーザーによって抽出処理の実行が指示された場合(ステップS14でYES)、印刷データ統合装置2は、複数の抽出条件7a~7fのうちから抽出条件を特定する(ステップS15)。すなわち、現在時刻が抽出タイミングである場合には、その抽出タイミングが定義されている抽出条件を特定する。また、ユーザーによって抽出処理の実行が指示された場合には、ユーザーによって指定された抽出条件を特定する。
続いて印刷データ統合装置2は、複数の画像形成装置3のそれぞれに対して印刷データ5を要求する(ステップS16)。その後、印刷データ統合装置2は、画像形成装置3から印刷データ5を受信したか否かを判断し(ステップS17)、受信していれば(ステップS17でYES)、その受信した印刷データ5を記憶部12に保存する(ステップS18)。このように印刷データ統合装置2は、抽出処理を開始する直前に各画像形成装置3に対して印刷データ5を要求することにより、各画像形成装置3において直近に印刷出力された印刷データ5を確実に取得することができる。
次に印刷データ統合装置2は、記憶部12に印刷データ5が保存されているか否かを判断する(ステップS19)。記憶部12に印刷データ5が保存されていない場合(ステップS19でNO)、抽出処理を行うことができないため、この処理は終了する。これに対し、記憶部12に印刷データ5が保存されている場合(ステップS19でYES)、印刷データ統合装置2は、ステップS15で特定した抽出条件に基づく抽出処理を実行する(ステップS20)。記憶部12の中に、抽出条件に合致する印刷データ5が少なくとも1つ存在すれば、その印刷データ5が抽出処理において抽出される。また抽出条件に除外条件が含まれている場合、印刷データ統合装置2は、除外条件に該当する印刷データ5を抽出対象から除外したうえで抽出処理を実行する。印刷データ統合装置2は、抽出処理が終了すると、その抽出処理によって印刷データ5を抽出することができたか否かを判断する(ステップS21)。その結果、印刷データ5を抽出できなかった場合(ステップS21でNO)、この処理は終了する。これに対し、印刷データ5を抽出することができた場合(ステップS21でYES)、印刷データ統合装置2は、ユーザーによる確認操作を受け付けるための確認設定がオンであるか否かを判断する(ステップS22)。確認設定がオンである場合(ステップS22でYES)、印刷データ統合装置2は、図8(a)に示したような確認画面を表示してユーザーによる確認操作を受け付けるためのユーザー確認処理を実行する(ステップS23)。これに対し、確認設定がオフの場合(ステップS22でNO)、ステップS23の処理はスキップする。
続いて印刷データ統合装置2は、関連印刷データ群を生成する(ステップS24)。すなわち、ユーザー確認処理(ステップS23)が実行された場合には、ユーザーによる操作に基づいて確定された関連印刷データ群が生成される。またユーザー確認処理(ステップS23)が実行されなかった場合には、抽出処理(ステップS20)で抽出された全ての印刷データ5を含む関連印刷データ群が生成される。
関連印刷データ群を生成すると、印刷データ統合装置2は、統合ファイル6を生成する(ステップS25)。すなわち、関連印刷データ群に含まれる全ての印刷データ5を1つに纏めた統合ファイル6を生成するのである。このとき、印刷データ統合装置2は、統合ファイル6のファイル形式を所定の保存フォーマットとして生成することが好ましい。統合ファイル6を生成すると、印刷データ統合装置2は、その統合ファイル6を予め指定された出力先(例えば記憶デバイスなど)に出力する(ステップS26)。これに伴い、印刷データ統合装置2は、統合ファイル6に含まれる印刷データ5を記憶部12から削除するようにしても良い。その後、印刷データ統合装置2は、ユーザーや管理者に対して統合ファイル6を出力したことを通知する(ステップS27)。以上で、印刷データ統合装置2による処理が終了する。上述した処理が印刷データ統合装置2において一定時間ごとに繰り返し行われることにより、複数の抽出条件7a~7fのそれぞれに基づいて抽出処理が実行されることになる。
以上のように本実施形態の印刷データ統合システム1では、印刷データ統合装置2は、複数の画像形成装置3のそれぞれよって印刷出力された印刷データ5のうちから一定の関連性を有する印刷データ5を関連印刷データ群として抽出し、統合ファイル6を生成する構成である。この構成によれば、関連性を有する印刷データ5を自動的に纏めることができるため、従来のシステムと比較してユーザーの利便性が向上している。
(第2実施形態)
次に本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態では、印刷データ統合装置2が印刷データ5を解析して互いに関連する印刷データ5を抽出できるようにした一形態について説明する。本実施形態における印刷データ統合システム1の構成例、画像形成装置3のハードウェア構成及び機能構成は第1実施形態と同様である。図12は、本実施形態における印刷データ統合装置2のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。本実施形態における印刷データ統合装置2が第1実施形態における印刷データ統合装置2と異なる点は、制御部13が印刷データ解析部27として機能する点である。また本実施形態では、抽出条件情報7において、例えば印刷データ5の中身に特定の文字列が含まれていることを抽出条件に設定することができる。
印刷データ解析部27は、印刷データ5に対してOCR(Optical Character Recognition)などの文字認識処理を行うことによって印刷データ5を解析し、印刷データ5に含まれる文字列を抽出する。印刷データ解析部27は抽出した文字列を印刷データ5の付属情報として関連付ける。印刷データ解析部27により印刷データ5に関連付けられた付属情報は、印刷データ抽出部24による抽出処理が行われる際に参照される。例えば、印刷データ5に特定の文字列が含まれていれば、その特定の文字列が付属情報として印刷データ5に関連付けられる。そして印刷データ抽出部24が、ある抽出条件に基づいて抽出処理を行うとき、その抽出条件に、印刷データ5に特定の文字列が含まれていることが定義されていれば、付属情報を参照することにより特定の文字列を含む印刷データ5を抽出することができる。
印刷データ解析部27が印刷データ5を解析するタイミングは、例えば画像形成装置3から印刷データ5を受信したタイミングである。ただし、これに限られるものではなく、例えば抽出タイミング判定部23によって抽出タイミングである判定された場合、印刷データ抽出部24による抽出処理が開始される前に、印刷データ解析部27が印刷データ5を解析して各印刷データ5に付属情報を関連付けるものであっても良い。
したがって、本実施形態の印刷データ統合装置2は、複数の印刷データ5の中身を解析して互いに関連する印刷データ5どうしを1つに纏めることが可能である。これにより、統合ファイル6の纏め方がより一層多彩なものとなるため、より一層利便性が高くなる。
例えば不動産業界では、物件の仕分け時に家賃の価格帯や物件の部屋数、所在地などに応じた仕分けが行われることが多い。このような場合、印刷データ解析部27は、印刷データ5を解析することにより家賃価格や部屋数、所在地などを自動的に読み取って印刷データ5に付属情報として関連付けておくのである。その後、印刷データ抽出部24が抽出処理を行うとき、例えば抽出条件に「家賃:150,000円~180,000円」が設定されていれば、印刷データ抽出部24は、付属情報に含まれる家賃価格を参照することにより、抽出条件に合致する印刷データ5を抽出することができる。そして印刷データ統合装置2は、抽出条件に設定されている家賃の価格帯に合致する全ての印刷データ5を1つに纏めた統合ファイル6を生成することができるのである。
(第3実施形態)
次に本発明の第3実施形態について説明する。本実施形態では、画像形成装置3が上述した印刷データ統合装置2としての機能を有する一形態について説明する。
図13は、本実施形態における画像形成装置3のハードウェア構成及び機能構成の一例を示す図である。本実施形態の制御部36は、図示を省略するCPUやメモリなどを備えて構成され、CPUがプログラム40を読み出して実行することにより、ジョブ制御部41、印刷データ出力部42、印刷データ取得部21、印刷データ変換部22、抽出タイミング判定部23、印刷データ抽出部24、統合ファイル生成部25及び印刷データ削除部26として機能する。ここで、印刷データ取得部21、印刷データ変換部22、抽出タイミング判定部23、印刷データ抽出部24、統合ファイル生成部25及び印刷データ削除部26は、第1実施形態において説明した印刷データ統合装置2と同様の機能を実現するものである。また第2実施形態で説明したように、制御部36は、さらに印刷データ解析部27として機能するものであっても良い。
図13に示す画像形成装置3は、自機で印刷出力した印刷データ5だけでなく、ネットワーク4に接続されている他の画像形成装置3からも印刷データ5を取得して統合ファイル6を生成することができる。例えば、画像形成装置3において印刷出力が終了すると、印刷データ出力部42が印刷データ取得部21に対して印刷データ5を出力する。これにより、印刷データ取得部21は、自機で印刷出力された印刷データ5を取得し、記憶部35へ保存することができる。尚、他の画像形成装置3で印刷出力された印刷データ5を取得する態様は、第1実施形態で説明したものと同様である。
このような構成を有する画像形成装置3は、第1及び第2実施形態で説明した印刷データ統合装置2による作用効果と同様の作用効果を奏するものである。さらに本実施形態では、サーバーなどで構成される印刷データ統合装置2をネットワーク4に設ける必要がなくなるという利点がある。
また図1に示したようにネットワーク4に複数の画像形成装置3が接続される場合、それら複数の画像形成装置3のうちの少なくとも1つの画像形成装置3が図13に示す構成を有するものであれば良い。またこれに限らず、複数の画像形成装置3のそれぞれが図13に示す構成を有するものであっても良い。この場合、複数の画像形成装置3のうち、比較的負荷が軽い状態にある画像形成装置3が他の装置よりも優先的に抽出処理や統合ファイル6の生成処理を行うようにすれば良い。
(変形例)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態で説明した内容のものに限定されるものではなく、種々の変形例を適用することが可能である。
例えば上記実施形態では、画像形成装置3がコピー機能やスキャン機能、プリント機能、FAX機能、BOX機能などの複数の機能を備えるMFPである場合を例示したが、画像形成装置3は必ずしもMFPに限られない。すなわち、画像形成装置3は、プリント機能、を備え、印刷出力した印刷データ5を印刷データ統合装置2に送信することができる構成であればよい。尚、画像形成装置3が印刷データ5を記憶することが出来ない場合は、印刷出力をおこなった直後に印刷データ5を印刷データ統合装置2に送信する必要がある。