本発明における好ましい実施の形態を説明する。
本発明の筋肉電気刺激装置において、ケーブルは、第1本体部及び第2本体部の少なくとも一方に着脱自在に設けられ得る。この場合、ケーブルと、第1本体部及び第2本体部の少なくとも一方とを分離することができるので、容易に取り扱うことができる。
本発明の筋肉電気刺激装置は、第1の一対の電極及び第2の一対の電極のそれぞれの導通を検知する検知部を備え得る。この場合、第1本体部及び第2本体部の両方の装着状態を検知することができる。
本発明の筋肉電気刺激装置において、第1本体部及び第2本体部は、一対の電極の間に切り込みが形成され得る。この場合、第1本体部及び第2本体部を装着する際の位置の目安となり、容易に装着することができる。
次に、本発明の筋肉電気刺激装置を具体化した実施例1について、図面を参照しつつ説明する。なお、以下の実施例では、同一又は同等の構成要素、部材には、同一の符号を付するものとし、適宜重複した説明は省略する。また、第1、第2などの序数を含む用語は多様な構成要素を説明するために用いられるが、この用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的でのみ用いられ、この用語によって構成要素が限定されるものではない。
<実施例1>
実施例1に係る筋肉電気刺激装置1について、図1~図17を参照して説明する。筋肉電気刺激装置1は、筋肉に電気刺激を付与するための装置である。具体的には、図1に示すように、筋肉電気刺激装置1は、人体の胸部に装着して、主に大胸筋をトレーニングするための装置である。
なお、以下の説明において、上下左右の方向は、図1に示す装着状態における上下左右の方向として説明する。また、表面側及び裏面側は、装着状態における人体との接触面側を裏面側とし、その反対側面を表面側として説明する。
図1~図4に示すように、筋肉電気刺激装置1は、第1本体部10と、第2本体部20と、ケーブル30と、制御ユニット40(本発明に係る電源部として例示する)と、第1の一対の電極としての第1電極11A及び第2電極11Bと、第2の一対の電極としての第3電極21A及び第4電極21Bと、を備えている。
第1本体部10及び第2本体部20は、左右の胸部にそれぞれ装着される(図1参照)。第1本体部10及び第2本体部20は別体に設けられている。ケーブル30は第1本体部10と第2本体部20とを接続する。図4に示すように、本実施例において、ケーブル30は第1本体部10及び第2本体部20に着脱自在に設けられている。制御ユニット40は第1本体部10に設けられている。第1電極11A及び第2電極11Bは、第1本体部10に設けられて制御ユニット40に電気的に接続されている。第1電極11A及び第2電極11Bは、制御ユニット40から供給される電力によって互いの間で通電する。第3電極21A及び第4電極21Bは、第2本体部20に設けられてケーブル30を介して制御ユニット40に電気的に接続される。第3電極21A及び第4電極21Bは、制御ユニット40から供給される電力によって互いの間で通電する。
実施例1に係る第1本体部10は、図5に示すように、ケーブル30が接続される上端部10Aと、第1電極11A及び第2電極11Bが配置される下端部10B,10Cと、を有する略逆Y字状の外形形状をなしている。第1本体部10は、後述する端子10D,10Eを除いて、全体的に左右に略対称な形状をなしている。下端部10B,10Cの表面には、裏側に電極11A,11Bがあることを示す表示S(…)が形成されている。
図5に示すように、上端部10Aには、ケーブル30の後述するコネクタ部32,33と接続される2つの端子10D,10Eが配置されている。本実施例の場合、端子10D,10Eはスナップボタン式で係合する端子である。端子10D,10Eは上下方向に並んで配置されているが、上側の端子10Dが左右方向の中央よりもやや右寄り、下側の端子10Eがやや左寄りである。すなわち、端子10D,10Eは、上下の方向に対して交差する方向に斜めに並んでいる。上端部10Aと下端部10B,10Cとの間には収納部10Fが形成されている。収納部10Fは、上下方向を長手方向とする長円状の外形をなして表面側に突出して形成されている。収納部10Fは、その内部に制御ユニット40を収納している。収納部10Fの周縁は薄肉状に形成されている。本実施例において、収納部10Fの表面は操作面とされる。収納部10Fの表面には、筋肉電気刺激装置1を操作するための後述するスイッチ部44,45の位置を示す+(プラス)、-(マイナス)の2つの記号が示されており、操作の際には記号の位置を押圧操作する。
図5に示すように、下端部10B,10Cの間には切り込み10Gが形成されている。切り込み10Gは、左右中央の下端縁から上方に向かって延びる形態でV字状に形成されている。下端部10B、10Cは、このような切り込み10Gが形成されていることにより、それぞれが独立して自在に屈曲し得るようにされている。すなわち、この切り込み10Gにより、下端部10B、10Cは、被装着面である胸部の曲面形状に対する追従性の向上が図られている。
図5及び図6に示すように、下端部10B,10Cの表面には傾斜面部10J,10Kがそれぞれ形成されている。傾斜面部10J,10Kは、第1本体部10の中央の収納部10Fから下部側方に向かって第1電極11A及び第2電極11Bの直上を通過しつつ斜め方向に延びる形態でそれぞれ形成されている。傾斜面部10J,10Kは、図5及び図6に示す稜線部10L,10Mの部分において最も厚みが大きく、先端に向かうにつれてその厚みが小さくなる形態で緩やかに傾斜している。また、傾斜面部10J,10Kは、先端側に向かうにつれてその幅方向の大きさが小さくなる形態でテーパ状に形成されている。これらにより、下端部10B,10Cは、傾斜面部10J,10Kの稜線部10L,10Mよりも先端側に向かうにつれてより屈曲し易くなっている。また、下端部10B,10Cは、傾斜面部10J,10Kによってその肉厚が先端に向かうにつれて徐々に小さくなることから、傾斜面部10J,10Kの稜線部10L,10Mよりも先端側において連続的にしなやかに湾曲可能である。
下端部10B,10Cは、傾斜面部10J、10Kの基端側(上端側)において、図5に示す稜線部10L,10Mから中心方向の収納部10Fに向かうにつれてその厚みが小さくなる形態で傾斜して形成されている。これにより、下端部10B,10Cは、傾斜面部10J,10Kの稜線部10L,10Mよりも基端側においてより屈曲し易くなっている。
また、図5に示すように、第1本体部10はリブ部10P,10Qを形成している。リブ部10P,10Qは、傾斜面部10J,10Kの基端側の外側端縁が上端部10Aの側端縁に連なる形態で形成されている。リブ部10P,10Qは、上端部10Aの側端縁と傾斜面部10J,10Kから延びる線との間を、中央(リブ部10Pとリブ部10Qとの間の部分)よりも厚肉に形成している。第1本体部10は、上端部10Aの基端側(下端側)において、左右方向の両端のリブ部10P,10Qが表面側に突出して最も厚みが大きく、中央部がリブ部10P,10Qよりも薄肉となる形態で形成されている。これにより、第1本体部10は、上端部10Aの基端側における柔軟性とねじれ等に対する強度とを確保している。
第1本体部10は、部品構成的には、図6及び図7に示すように、外殻形成体12と、基材13と、絶縁性シート14とを有する多層構成で形成されたシート体15を有している。外殻形成体12は柔軟なエラストマーからなる。本実施例の場合、外殻形成体12は黒色のシリコーン樹脂からなる。第1本体部10の表面の凹凸形状は、この外殻形成体12に形成された凹凸形状によるものである。外殻形成体12の収納部10Fに対応する部分の下端には開口12Aが形成されている。開口12Aは、制御ユニット40を構成する後述する充電端子42に外部からアクセスするための開口である。
また、図6に示すように、外殻形成体12にはエッジカバー部12Bが形成されている。エッジカバー部12Bは、外殻形成体12の外周縁部の裏面側に形成されている。エッジカバー部12Bは、外殻形成体12の裏面に貼り付けられた状態の基材13及び絶縁性シート14の外周縁を覆う形態で形成されている。これにより、身体に貼り付けた際に、シート状の基材13及び絶縁性シート14が肌に食い込むのを防止している。また、図7に示すように、外殻形成体12には2つの孔12C,12Dが形成されている。孔12C,12Dは、端子10D,10Eに対応する位置にそれぞれ形成されている。
基材13は樹脂シートからなる。本実施例の場合、基材13はPET(ポリエチレンテレフタレート)シートからなる。基材13は、その表面側が図示しない両面テープ等によって外殻形成体12の裏面に貼り付けられている。また、図8に示すように、基材13の裏面には、導電性塗膜による第1電極11A及び第2電極11Bと、これら電極11A,11Bに連なって制御ユニット40に電気的に接続するリード部11C,11Dと、ケーブル30側との電気的接続を形成するリード部11E,11Fとがプリント形成されている。換言すると、基材13は、第1電極11A及び第2電極11Bと、リード部11C,11D,11E,11Fとを支持する部材であるといえる。本実施例の場合、導電性塗膜は、銀ペーストを含んだ塗膜である。また、本実施例の場合、基材13には、黒色、白色、オレンジ色の塗膜が全面又は部分的に形成されている。基材13には、収納部10Fに対応する部分と、端子10D,10Eに対応する部分に、表裏に貫通する孔13A,13B,13Cが形成されている。
絶縁性シート14は樹脂等の絶縁性材料からなる。本実施例の場合、絶縁性シート14はPETシートである。絶縁性シート14は、その表面側が図示しない両面テープによって基材13の裏面に貼り付けられている。絶縁性シート14は、基材13の裏面に貼り付けられることにより、基材13の裏面に形成されたリード部11C,11D,11E,11Fを覆う。これにより、絶縁性シート14は、リード部11C,11D,11E,11Fを保護及び絶縁している。
図9に示すように、絶縁性シート14は、電極11A,11Bに対応する部分と、収納部10Fに対応する部分と、端子10D,10Eに対応する部分のそれぞれに、表裏に貫通する孔14A,14B,14C,14D,14Eが形成されている。孔14A,14Bからは電極11A,11Bがそれぞれ裏側に露出している。また、電極11A,11Bに対応する部分の孔14A,14Bの周囲には、オレンジ色の塗膜による縁取り14F,14Gが形成されている。さらに、縁取り14F,14Gの周囲には、オレンジ色の塗膜による枠線14H,14Jが形成されている。枠線14H,14Jは、筋肉電気刺激装置1を使用する際に用いるゲルパッド(図示せず)を貼り付ける目安とされる線である。
次に、第1本体部10の組み立てについて説明する。
第1本体部10を組み立てる際には、図7に示すように、外殻形成体12の裏面から収納部10Fとなる部位の空間に、制御ユニット40を収納するためのハウジング51を嵌め込む。そして、基材13、絶縁性シート14の順に、裏面から貼付してゆく。これにより、シート体15が完成する。その後、図10に示すように、制御ユニット40を構成する制御部41と、裏蓋52と、端子10D,10Eを構成する2組のゲンコ53及びホソ54と、カバーシート55と、充電端子カバー56と、充電端子蓋57とをシート体15に取り付ける。本実施例の場合、制御部41は種々のチップや充電端子42が組み付けられた基板で構成されている。
また、制御部41には、装置の状態等を点灯、点滅等により報知する図示しない光源が設けられている。制御部41は、ハウジング51に4つのビス58によって取り付けられる。これら4つのビス58は、基材13の4つのリード部11C,11D,11E,11Fの端部を制御部41と共締めする。これにより、制御ユニット40としての制御部41とリード部11C,11D,11E,11Fの導通が確保される。そして、裏蓋52をハウジング51に嵌め込む。裏蓋52には充電式の電池43が取り付けられている。電池43は、裏蓋52をハウジング51に嵌め込むことで、制御部41に電気的に接続される。なお、電池43と制御部41と接続は、別途設けられた電線を介したものであってもよい。
また、制御部41を取り付ける際には、制御部41とハウジング51との間に2つの導光管59を配置する。導光管59は、制御部41に設けられた図示しない光源からの光を外殻形成体12の表面に透過させるために設けられる。本実施例の筋肉電気刺激装置1では、このような光の点灯、点滅等により装置の状態等報知する。さらに、充電端子カバー56及び充電端子蓋57を取り付ける。充電端子カバー56は、外殻形成体12の開口12Aからハウジング51に嵌め込まれるとともに、裏面側からビス61によって締結固定される。充電端子蓋57は、充電端子カバー56に嵌め込まれる。また、充電端子蓋57は離脱防止用の係止片57Aを有している。充電端子蓋57は、係止片57Aを充電端子カバー56の被係止部56Aに嵌め込んで取り付けられる。
また、ゲンコ53をシート体15の表面側に配置し、ホソ54とシート体15との間に緩衝用のゴムワッシャ62を介在させた状態で、ホソ54をシート体15の裏面から孔12C,13B,14Dと、孔12D,13C,14Eに貫通させてかしめる。これにより、端子10D,10Eがシート体15に取り付けられるとともに、端子10D,10Eがリード部11E,11Fに導通して制御ユニット40に電気的に接続される。その後、カバーシート55をシート体15の裏面に貼付する。これにより、2つのホソ54の裏面を覆い隠して絶縁する。
次に、第2本体部20について説明する。第2本体部20は、第1本体部10の収納部10Fの部分が単に厚肉状に形成されて何ら収納していない以外は、第1本体部10と略同様の構成である。
実施例1に係る第2本体部20は、図11に示すように、ケーブル30が接続される上端部20Aと、第3電極21A及び第4電極21Bが配置される下端部20B,20Cと、を有している。第2本体部20は、第1本体部10と同様の略逆Y字状の外形形状をなしている。第2本体部20は、第1本体部10と同様、端子20D,20Eを除いて全体的に左右に略対称な形状をなしている。下端部20B,20Cの表面には、裏側に電極21A,21Bがあることを示す表示S(…)が形成されている点も同様である。
図11に示すように、上端部20Aには、第1本体部10の端子10D,10Eと同様、ケーブル30側の後述するコネクタ部32,33と接続される2つの端子20D,20Eが配置されている。端子20D,20Eは、上側の端子20Dが左右方向の中央よりもやや右寄り、下側の端子20Eがやや左寄りである。すなわち、端子20D,20Eは、上下の方向に対して交差する方向に斜めに並んでいる。上端部20Aと下端部20B,20Cとの間には厚肉部20Fが形成されている。厚肉部20Fは、上下方向を長手方向とする長円状の外形をなして形成されている。厚肉部20Fの周縁は厚肉部20Fよりも薄肉に形成されていることにより、浮き彫りのように第2本体部20の表面側に突出している。
図11に示すように、下端部20B,20Cの間には切り込み20Gが形成されている。切り込み20Gは、左右中央の下端縁から上方に向かって延びる形態でV字状に形成されている。下端部20B、20Cは、このような切り込み20Gが形成されていることにより、それぞれが独立して自在に屈曲し得るようにされている。すなわち、この切り込み20Gにより、下端部20B、20Cは、被装着面である胸部の曲面形状に対する追従性の向上が図られている。
図11及び図12に示すように、下端部20B,20Cの表面には、第1本体部10の傾斜面部10J,10Kと同様の傾斜面部20J,20Kがそれぞれ形成されている。傾斜面部20J,20Kは、第2本体部20の中央の厚肉部20Fから下部側方に向かって第3電極21A及び第4電極21Bの直上を通過しつつ斜め方向に延びる形態でそれぞれ形成されている。傾斜面部20J,20Kは、図11及び図12に示す稜線部20L,20Mの部分において最も厚みが大きく、先端に向かうにつれてその厚みが小さくなる形態で緩やかに傾斜している。また、傾斜面部20J,20Kは、先端側に向かうにつれてその幅方向の大きさが小さくなる形態でテーパ状に形成されている。これらにより、下端部20B,20Cは、傾斜面部20J,20Kの稜線部20L,20Mよりも先端側に向かうにつれてより屈曲し易くなっている。また、下端部20B,20Cは、傾斜面部20J,20Kによってその肉厚が先端に向かうにつれて徐々に小さくなることから、傾斜面部20J,20Kの稜線部20L,20Mよりも先端側において連続的にしなやかに湾曲可能である。
下端部20B,20Cは、傾斜面部20J、20Kの基端側(上端側)において、図11及び図12に示す稜線部20L,20Mから中心方向の厚肉部20Fに向かうにつれてその厚みが小さくなる形態で傾斜して形成されている。これにより、下端部20B,20Cは、傾斜面部20J,20Kの稜線部20L,20Mよりも基端側においてより屈曲し易くなっている。
また、図11に示すように、第2本体部20は、第1本体部10のリブ部10P,10Qと同様のリブ部20P,20Qを形成している。リブ部20P,20Qは、傾斜面部20J,20Kの基端側の外側端縁が上端部20Aの側端縁に連なる形態で形成されている。リブ部20P,20Qは、上端部20Aの側端縁と傾斜面部20J,20Kから延びる線との間を、中央(リブ部20Pとリブ部20Qとの間の部分)よりも厚肉に形成している。第2本体部20は、上端部20Aの基端側(下端側)において、左右方向の両端のリブ部20P,20Qが表面側に突出して最も厚みが大きく、中央部がリブ部20P,20Qよりも薄肉となる形態で形成されている。これにより、第2本体部20は、上端部20Aの基端側における柔軟性とねじれ等に対する強度とを確保している。
第2本体部20は、部品構成的には、図13に示すように、外殻形成体22と、基材23と、絶縁性シート24とを有する多層構成で形成されたシート体25を有している。外殻形成体22は柔軟なエラストマーからなる。本実施例の場合、外殻形成体22は黒色のシリコーン樹脂からなる。第2本体部20の表面の凹凸形状は、この外殻形成体22に形成された凹凸形状によるものである。また、図12に示すように、外殻形成体22には、外殻形成体12と同様に、エッジカバー部22Bが形成されている。エッジカバー部22Bは、外殻形成体22の裏面に貼り付けられた状態の基材23及び絶縁性シート24の外周縁を覆う形態で形成されており、身体に貼り付けた際に、シート状の基材23及び絶縁性シート24が肌に食い込んで不快になるのを防止している。また、図13に示すように、外殻形成体22には2つの孔22C,22Dが形成されている。孔22C,22Dは、端子20D,20Eに対応する位置にそれぞれ形成されている。
基材23は樹脂シートからなる。本実施例の場合、基材23はPETシートからなる。基材23は、その表面側が図示しない両面テープ等によって外殻形成体22の裏面に貼り付けられている。また、図14に示すように、基材23の裏面には、導電性塗膜による第3電極21A及び第4電極21Bと、これら電極21A,21Bに連なるリード部21C,21Dとがプリント形成されている。換言すると、基材23は、第3電極21A及び第4電極21Bと、リード部21C,21Dとを支持する部材であるといえる。本実施例の場合、導電性塗膜は、銀ペーストを含んだ塗膜である。また、本実施例の場合、基材23には、黒色、白色、オレンジ色の塗膜が全面又は部分的に形成されている。基材23には、端子20D,20Eに対応する部分に、表裏に貫通する孔23B,23Cが形成されている。リード部21C,21Dの端部はこれら孔23B,23Cの位置まで延びており、端子20D,20Eにそれぞれ電気的に接続される。
絶縁性シート24は樹脂等の絶縁性材料からなる。本実施例の場合、絶縁性シート24はPETシートである。絶縁性シート24は、その表面側が図示しない両面テープによって基材23の裏面に貼り付けられている。絶縁性シート24は、基材23の裏面に貼り付けられることにより、基材23の裏面に形成されたリード部21C,21Dを覆う。これにより、絶縁性シート24は、リード部21C,21Dを保護及び絶縁している。
図15に示すように、絶縁性シート24は、電極21A,21Bに対応する部分と、端子20D,20Eに対応する部分のそれぞれに、表裏に貫通する孔24A,24B,24D,24Eが形成されている。孔24A,24Bからは電極21A,21Bがそれぞれ裏側に露出している。また、電極21A,21Bに対応する部分の孔24A,24Bの周囲には、オレンジ色の塗膜による縁取り24F,24Gが形成されている。さらに、縁取り24F,24Gの周囲には、オレンジ色の塗膜によって、ゲルパッドを貼り付ける際の目安とされる枠線24H,24Jが形成されている。
次に、第2本体部20の組み立てについて説明する。
第2本体部20を組み立てる際には、図13に示すように、外殻形成体22の裏面に、基材23、絶縁性シート24の順に貼付してゆく。これにより、シート体25が完成する。その後、図16に示すように、端子20D,20Eを構成する2組のゲンコ53及びホソ54と、カバーシート55と、ゴムワッシャ62と、をシート体25に取り付ける。これらゲンコ53、ホソ54、カバーシート55、及びゴムワッシャ62は、第1本体部10で用いられたものと同じものであり、その組み付けも第1本体部10と同様である。すなわち、最初に、2つのゲンコ53をシート体25の表面側に配置し、ホソ54とシート体25との間に緩衝用のゴムワッシャ62を介在させた状態で、2つのホソ54をシート体25の裏面から孔22C,23B,24D及び孔22D,23C,24Eに貫通させてかしめる。これにより、端子20D,20Eがシート体25に取り付けられるとともに、端子20D,20Eがリード部21C,21Dにそれぞれ導通し、第3電極21A及び第4電極21Bに電気的に接続される。その後、カバーシート55をシート体25の裏面に貼付する。これにより、ホソ54の裏面を覆い隠して絶縁する。
次に、ケーブル30について説明する。ケーブル30は、図2~図4に示すように、ケーブル本体31と、ケーブル本体31の両端のコネクタ部32,33と、を有して構成されている。ケーブル本体31は屈曲自在な2芯の電線である。コネクタ部32,33は同様の構成であり、第1本体部10の端子10D,10E又は第2本体部20の端子20D,20Eのいずれにも着脱自在に接続することができる。
次に制御ユニット40について説明する。図17に示す制御ユニット40のブロックは、ハードウエア的には、コンピュータのCPU(Central Processing Unit)をはじめとする素子や機械装置で実現でき、ソフトウエア的にはコンピュータプログラム等によって実現されるが、ここでは、それらの連携によって実現される機能ブロックを描いている。したがって、これらの機能ブロックはハードウエア、ソフトウエアの組み合わせによって種々の形態で実現可能である。
制御ユニット40は、制御部41と、充電端子42と、電池43と、2つのスイッチ部44,45とを有している。これらはハウジング51と裏蓋52との間の空間に収納されている。ハウジング51及び裏蓋52は制御ユニット40の外殻をなす。ハウジング51及び裏蓋52は、それぞれ種々の樹脂材料で形成することができる。
制御部41は、通信部41Aと、肌検知部41B(本発明に係る検知部として例示する)と、操作取得部41Cと、電気刺激制御部41Dと、充電制御部41Eと、を有している。通信部41Aは、筋肉電気刺激装置1の動作状況を遠隔制御装置RCに送信したり、遠隔制御装置RCから送信される操作情報等を受信したりすることができる。一例として、通信部41Aは、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)などの無線通信であることができる。遠隔制御装置RCは、ユーザにより操作される種々の端末であることができ、例えば、PC、タブレット端末、スマートフォンが挙げられる。通信部41Aは、遠隔制御装置RCに入力されたタッチ操作に基づく操作情報を受信する。これにより、制御部41は、通信部41Aを介して取得した操作情報に応じて筋肉電気刺激装置1の動作を制御する。遠隔制御装置RCは、筋肉電気刺激装置1から動作状況の検知結果を受信する。遠隔制御装置RCは、通信部41Aから取得した動作状況を表示する。
肌検知部41Bは、対をなす第1電極11A及び第2電極11B、対をなす第3電極21A及び第4電極21Bのそれぞれが肌に接しているか否かを検知する。肌検知部41Bは、対をなす電極間の抵抗値を検出し、検出した抵抗値が閾値未満の場合に電極が肌に接していると判定し、検出した抵抗値が閾値以上の場合には電極が肌に接していないと判定する。制御部41では、肌検知部41Bにより検出される第1電極11A及び第2電極11Bの間の抵抗値と、第3電極21A及び第4電極21Bの間の抵抗値の両方の抵抗値が閾値以上の場合にのみ、トレーニング開始可能となるように制御を行う。
操作取得部41Cは、スイッチ部44,45から操作の検知結果を取得する。操作取得部41Cは、各スイッチ部44,45の抵抗値に応じた電圧を検知して、検知電圧が閾値以上の場合にスイッチ部44,45は押下げ操作されたと判定し、検知電圧が閾値未満の場合にスイッチ部44.45は操作されていないと判定する。制御部41は、各スイッチ部44,45の押下げ状況の組み合わせや、押下げ時間の長さなどに応じて筋肉電気刺激装置1の制御方法を決定する。
遠隔制御装置RCによる操作がされている場合には、スイッチ部44,45の操作を禁止するようにしてもよい。本実施例の筋肉電気刺激装置1は、遠隔制御装置RCによる操作がされている状態でも、スイッチ部44,45による操作を許容するようにしている。この場合、ユーザが遠隔制御装置RCから離れた位置にいることにより、遠隔制御装置RCを操作できない場合でも、スイッチ部44,45により筋肉電気刺激装置1を操作することができる。
電気刺激制御部41Dは、肌検知部41Bによって対をなす第1電極11A及び第2電極11B、対をなす第3電極21A及び第4電極21Bの両方が肌に接していることが検知されると、所定の動作時間(例えば20分)、所定の周期で、設定された出力電圧に応じた電力を2対の電極11A,11B,21A,21Bのそれぞれに供給する。つまり、この動作時間にユーザの大胸筋に電気刺激を与える。出力電圧は、遠隔制御装置RC又はスイッチ部44,45を操作することによって変更することができる。この例の電気刺激制御部41Dでは、スイッチ部44(+表示側スイッチ)が押下される度に出力電圧が上昇し、スイッチ部45(-表示側スイッチ)が押下される度に出力電圧が低下する。
充電制御部41Eは、充電端子42で受電した充電用の電力を制御して電池43に供給する。充電制御部41Eは、電池43の充電率に応じて電池43に供給する電流の大きさを制御する。例えば、充電率が低い場合には電池43に供給する電流を大きくして、充電率が高い場合には電池43に供給する電流を小さくする。充電制御部41Eは、充電した電荷量に対する充電率の増加幅が小さい場合、電池の故障として充電を中止する。
充電端子42は、電池43を充電するための電力を受電して制御部41に出力する。充電端子42には、種々のコネクタを用いることができるが、本実施例ではUSB(登録商標)規格のコネクタを採用している。電池43は、制御部41に電気的に接続され、制御部41に電力を供給する。本実施例において、電池43は繰り返し充電可能なリチウムイオン電池を採用している。電池43は、交換可能であってもよいが、本実施例では内臓タイプを採用している。電池43は、充電端子42で受電した電力により充電される。電池43は、ワイヤレス充電などの非接触式の充電システムによって充電されるように構成されてもよい。なお、電池43は一次電池であってもよい。この場合、充電端子42等の構成が不要となり装置の簡素化を図ることができる。
スイッチ部44,45は、制御ユニット40の表面側に設けられる。スイッチ部44,45は、押下げ操作されたことを検知して検知結果を制御部41に出力する。スイッチ部44,45は、例えば、非操作時はクローズであり、押下げ操作された場合にオープンに変化する電気接点を含んでもよい。上述のように、外殻形成体12の表面には+-の記号が示されており、本実施例のスイッチ部44,45は、これら+-の記号の裏面側に配置されている。スイッチ部44,45を操作する際には、外殻形成体12の表面の記号部分を押圧する。
次に、筋肉電気刺激装置1の使用方法について説明する。
筋肉電気刺激装置1を使用する際には、最初に、第1本体部10及び第2本体部20と、ケーブル30とを接続する。具体的には、ケーブル30の各コネクタ部32,33を第1本体部10及び第2本体部20の各端子10D,10E,20D,20Eに取り付ける。コネクタ部32,33と端子10D,10E,20D,20Eの取り付けはスナップボタン式とされており、着脱が容易である。また、第1本体部10の端子10D,10E、及び第2本体部20の端子20D,20Eは、上下方向に対してそれぞれ斜めに配置されている。このため、上下方向に平行に並んで配置されている場合と比較して外れにくくされており、コネクタ部32,33の不意の脱落が防止される。
また、第1本体部10及び第2本体部20の裏面にゲルパッドを貼り付ける。ゲルパッドは、筋肉電気刺激装置1を身体に装着して使用する際に各電極11A,11B,21A,21Bと身体との間に配置されるパッドである。ゲルパッドは導電性を有しており、各電極11A,11B,21A,21Bと身体との間の導通を確保する。また、ゲルパッドは粘着性を有している。ゲルパッドは、その粘着性によって第1本体部10及び第2本体部20を身体に貼り付けることができる。ゲルパッドは、第1本体部10及び第2本体部20の裏面の各電極11A,11B,21A,21Bの位置に合わせて1枚ずつ貼り付けられる。ゲルパッドは各電極11A,11B,21A,21Bよりも一回り大きい形状を有している。ゲルパッドを貼り付ける際には、各電極11A,11B,21A,21Bの周囲に示された枠線14H,14J,24H,24Jを目安にして貼り付ける(図9、図15参照)。ゲルパッドは、使用に伴って粘着力が低下したり、破損したり、汚れが目立つようになったりした場合には適宜交換することができる。また、ゲルパッドを所定期間(例えば、1か月、2か月等)毎に新品に交換することで、所定の導電性、粘着性を維持することができる。
次に、図1に示すように、ケーブル30を首からかけ、裏面のゲルパッドを左右の胸部表面に貼り付けて第1本体部10及び第2本体部20を装着する。ケーブル30を首からかけることで第1本体部10及び第2本体部20の脱落が防止されるので、ゲルパッドの身体への貼り付け作業が容易である。
ゲルパッドの貼り付けに際しては、対をなす各電極11A,11B及び電極21A,21Bがそれぞれ左右方向(横方向)に並ぶように貼り付ける。これにより、第1の一対の電極11A,11Bによって左右の大胸筋の一方が左右に挟まれるとともに、第2の一対の電極21A,21Bにより左右の大胸筋の他方が左右に挟まれる形態で、第1本体部10及び第2本体部20がそれぞれ装着される。このように装着されることで、第1本体部10及び第2本体部20は、それぞれの対をなす電極11A,11B,21A,21Bが大胸筋の筋繊維の延伸方向に沿って並ぶ形態とされる。これにより、電気刺激による筋肉の収縮を効率的に発生させることが可能となる。
また、この時、制御ユニット40が設けられている第1本体部10が利き腕の反対側の胸に位置するように装着することで、より操作し易い配置となる。ケーブル30は、第1本体部10及び第2本体部20の両方に対して着脱自在に設けられている。このため、第1本体部10及び第2本体部20の位置を右利き、左利きに合わせて自在に入れ替えることができる。
第1本体部10は、中央の収納部10Fの周縁を薄肉に形成している。また、第1本体部10は、第1電極11A及び第2電極11Bが配置されている下端部10B,10Cには、稜線部10L,10Mにおいて最も厚肉な傾斜面部10J,10Kをそれぞれ形成している。このように、下端部10B,10Cは収納部10F寄りの位置に屈曲し易い部分がそれぞれ設定されていることにより、それぞれが独立して胸部の曲面に追従した形状に屈曲可能である。
また、傾斜面部10J,10Kは、第1電極11A及び第2電極11Bの直上を通過する形態で、それぞれ下部側方に向かって斜め方向に延びている。これにより、下端部10B,10Cは局所的に折り曲げられたりすることなく適度なしなやかさをもって湾曲することができ、電極11A,11Bや電極11A,11Bに貼り付けられたゲルパッドの過度の変形が抑制される。すなわち、傾斜面部10J,10Kを設けたことによって、電極11A,11Bの折れやゲルパッドの粘着面同士での癒着等の不具合の抑制が図られている。
また、第1本体部10は、下端部10B,10Cの間にV字状の切り込み10Gが形成されている。このような切り込み10Gが形成されていることで、下端部10B,10Cは、それぞれが独立して胸部の曲面に追従した形状に屈曲可能である。このため、電極11A,11B,21A,21Bを胸部に確実に貼り付けることができる。
同様に、第2本体部20は、中央の厚肉部20Fの周縁を薄肉に形成している。また、第2本体部20は、第3電極21A及び第4電極21Bが配置されている下端部20B,20Cには、稜線部20L,20Mにおいて最も厚肉な傾斜面部20J,20Kをそれぞれ形成している。このように、下端部20B,20Cは厚肉部20F寄りの位置に屈曲し易い部分がそれぞれ設定されていることにより、それぞれが独立して胸部の曲面に追従した形状に屈曲可能である。
また、傾斜面部20J,20Kは、第3電極21A及び第4電極21Bの直上を通過する形態で、それぞれ下部側方に向かって斜め方向に延びている。これにより、下端部20B,20Cは局所的に折り曲げられたりすることなく適度なしなやかさをもって湾曲することができ、電極21A,21Bや電極21A,21Bに貼り付けられたゲルパッドの過度の変形が抑制される。すなわち、傾斜面部20J,20Kを設けたことによって、電極21A,21Bの折れやゲルパッドの粘着面同士での癒着等の不具合の抑制が図られている。
また、第2本体部20は、下端部20B,20Cの間にV字状の切り込み20Gが形成されている。このような切り込み20Gが形成されていることで、下端部20B,20Cは、それぞれが独立して胸部の曲面に追従した形状に屈曲可能である。
また、第1本体部10は、下端部10B,10Cの間に切り込み10Gを形成したことで、胸部に装着する際の位置の目安として切り込み10Gを利用することができる。例えば、第1本体部10の切り込み10Gの位置と乳首の位置を基準に左右方向の位置合わせを行うことで、装着位置のばらつきを抑制することができる。
同様に、第2本体部20は、下端部20B,20Cの間に切り込み20Gを形成したことで、胸部に装着する際の位置の目安として切り込み20Gを利用することができる。
トレーニングを開始するにあたっては、まず、制御ユニット40のスイッチ部44,45を操作して電源をいれる。この時、制御ユニット40の肌検知部41Bは、第1本体部10の一対の電極11A,11B間の抵抗値と、第2本体部20の一対の電極21A,21B間の抵抗値をそれぞれ検知する。これにより、肌検知部41Bは、各電極11A,11B,21A,21Bが肌に接しているか否かを判定する。制御ユニット40では、第1本体部10の一対の電極11A,11B間、及び第2本体部20の一対の電極21A,21B間のそれぞれの抵抗値が所定値未満であることを肌検知部41Bが検知した場合にのみ、トレーニング開始可能な状態とする。すなわち、筋肉電気刺激装置1は、第1本体部10又は第2本体部20のみを用いたトレーニングを行うことができない。
肌検知部41Bにより検知された抵抗値が所定値以上である場合、電極11A,11B,21A,21Bのいずれかが肌に十分に接していないおそれがある。したがって、この場合には、各電極11A,11B,21A,21Bが肌に接するように貼り直す。
制御ユニット40は、肌検知部41Bにより各電極11A,11B,21A,21Bが肌に接していると検知された場合には、予め設定されたトレーニングを開始する。すなわち、第1本体部10及び第2本体部20が装着された胸部に電気刺激を付与する。電気刺激の強さはスイッチ部44,45の操作、すなわち、第1本体部10のプラス及びマイナスの表示部分を押圧操作することによって自在に変更することができる。
筋肉電気刺激装置1は、第1本体部10に設けた1つの制御ユニット40により、第1本体部10及び第2本体部20の両方に電力を供給することができる。このため、複数の本体部がそれぞれの電力供給源を有する場合よりも簡易な構成とすることができる。また、第1本体部10及び第2本体部20は、それぞれ独立した閉回路を形成する。換言すると、第1本体部10は、第1電極11Aと第2電極11Bにより第1の一対の電極を形成し、第2本体部20は、第3電極21Aと第4電極21Bにより第2の一対の電極を形成する。このため、2つの本体部に分かれて対をなす電極が配置されている場合と比較して、電流の流れやすい方に集中して電流が流れることによる負荷の差が生じることを抑制することができる。
また、筋肉電気刺激装置1は、1つの制御ユニット40から第1本体部10及び第2本体部20の両方にバランスよく電力を供給し、同様の負荷で左右の大胸筋をトレーニングすることができるように、1つの制御ユニット40によって制御される。例えば、2つの本体部を2つの制御ユニットで別々に制御する場合には、電池容量の差異等が生じると、2つの本体部に同様の負荷をかけることは困難である。しかし、本実施例のように、1つの制御ユニットで2つの本体部を制御することで、両方の本体部が同様の負荷で稼働するようにすることが容易である。
トレーニングが開始されると、電源部としての制御ユニット40から第1の一対の電極である第1本体部10の電極11A,11Bと、第2の一対の電極である第2本体部20の電極21A,21Bの両方に電力が供給される。本実施例の場合、各電極11A,11B,21A,21Bへの電力供給は間欠して行われる。これにより、第1本体部10及び第2本体部20が装着された左右の大胸筋は膨張・収縮を繰り返す。
第1本体部10及び第2本体部20は、対をなす電極11A,11B及び電極21A,21Bが左右方向(横方向)に並ぶように装着されている。これにより、電気が大胸筋の筋繊維の延伸方向に沿って流れるため、効率的なトレーニングが可能となる。
また、トレーニングの間、筋肉は膨張・収縮を繰り返す。上述のように、第1本体部10及び第2本体部20は、傾斜面部10J,10K,20J,20Kや収納部10F、厚肉部20Fの周囲の薄肉部、切り込み10G,20Gを形成している。このため、第1本体部10及び第2本体部20は膨張・収縮する筋肉に柔軟に追従し、それぞれの電極11A,11B,21A,21Bが肌にフィットした状態を維持することができる。さらに、ケーブル30を首からかけていることにより、ゲルパッドの粘着力に加えてケーブル30によっても第1本体部10及び第2本体部20が支持されるので、自重によって電極11A,11B,21A,21Bが肌から剥がれてしまうのが防止され、肌にフィットした状態を好適に維持することができる。換言すると、第1本体部10及び第2本体部20は、下端部10B,10C,20B,20Cがゲルパッドの粘着力によって胸部に貼り付けられて支持されているとともに、上端部10A,20Aがケーブル30によって吊り下げ支持されている。このように、第1本体部10及び第2本体部20は、上下の端部が支持された形態で装着されるため、フィット感が向上する。
トレーニングが終了したら、筋肉電気刺激装置1を身体から取り外す。すなわち、第1本体部10及び第2本体部20を左右の胸部から剥がす。第1本体部10及び第2本体部20は、ゲルパッドによって下端部10B,10C,20B,20Cの部分が胸部に強固に粘着している。このため、取り外す際には、それぞれ上端部10A,20Aを下方に引き下げると取り外しやすい。また、ケーブル30は第1本体部10及び第2本体部20のそれぞれに着脱自在に設けられているので、ケーブル30を外した状態で作業を行うと剥がしやすい。
また、第1及び第2本体部10,20を引き剥がす際、上端部10A,20Aを持って引き剥がすと、上端部10A,20Aに引き剥がしの力が作用する。しかし、上端部10A,20Aは、両側縁にリブ部10P,10Q,20P,20Qが形成されており、強度が確保されている。したがって、上端部10A,20Aは、引き剥がしの際のねじれが抑制されるとともに、側縁部からの破断が抑制される。
本実施例において、筋肉電気刺激装置1は充電式の電池43を備えており、充電することで繰り返し使用することができる。充電する際には、充電端子カバー56を外し、充電端子42に外部電源を接続する。なお、電池43は、1回の充電で複数回のトレーニングを行うことが可能な容量の電池を採用している。
以上より、実施例1の筋肉電気刺激装置1は、筋肉に電気刺激を付与するための装置であって、第1本体部10、第2本体部20、ケーブル30、電源部としての制御ユニット40、第1の一対の電極11A,11B、及び第2の一対の電極21A,21Bを備えている。第1本体部10は、左右の胸部の一方に装着される。第2本体部20は、第1本体部10とは別体に設けられ、左右の胸部の他方に装着される。ケーブル30は、第1本体部10と第2本体部20とを接続する。制御ユニット40は、第1本体部10に設けられている。第1の一対の電極11A,11Bは、第1本体部10に設けられて制御ユニット40に電気的に接続されており、制御ユニット40から供給される電力によって互いの間で通電する。第2の一対の電極21A,21Bは、第2本体部20に設けられてケーブル30を介して制御ユニット40に電気的に接続されており、制御ユニット40から供給される電力によって互いの間で通電する。
筋肉電気刺激装置1は、第1の一対の電極11A,11B及び第2の一対の電極21A,21Bが1つの電源部である制御ユニット40にそれぞれ電気的に接続されている。このため、1つの電源部の出力制御を行うことで2組の一対の電極に対して電力を供給することができる。
したがって、筋肉電気刺激装置1は、容易に取り扱うことができる。
また、ケーブル30は、第1本体部10及び第2本体部20のそれぞれに着脱自在に設けられている。この場合、ケーブル30と、第1本体部10及び第2本体部20とを分離することができるので、容易に取り扱うことができる。例えば、装着状態の第1本体部10及び第2本体部20はケーブル30に連結されているため、取り外しの際にケーブル30によって動作を規制されてしまう。しかし、ケーブル30を取り外すことによって、第1本体部10及び第2本体部20の取り外しをそれぞれ別個に行っても何ら動作を規制されないので、容易に取り外すことができる。
また、筋肉電気刺激装置1は、第1の一対の電極11A,11B及び第2の一対の電極21A,21Bのそれぞれの導通を検知する検知部としての肌検知部41Bを備えている。このため、第1本体部10及び第2本体部20の両方の装着状態を検知することができる。
また、第1本体部10及び第2本体部20は、各一対の電極11A,11B,21A,21Bの間に切り込み10G,20Gがそれぞれ形成されている。このため、各切り込み10G,20Gがそれぞれ第1本体部10及び第2本体部20を装着する際の位置の目安となり、容易に装着することができる。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施例1に限定されるものではなく、例えば次のような実施例も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)実施例1では、第1本体部及び第2本体部が複数のシート状部材を積層した多層構造で形成された形態を例示したが、本発明に係る第1本体部及び第2本体部は、単層構造で形成されていてもよい。多層構造で形成される場合、層の数は実施例の3つに限定されず、2つ又は4つ以上であってもよい。第1本体部及び第2本体部の構成や形状等は上記実施例に限定されず、種々の構成や形状等を任意に選択して採用することができる。
(2)実施例1では、電極が導電性塗膜をプリントすることによって形成された形態を例示したが、エッチング等の他の方法により形成されていてもよい。
(3)実施例1では、電源部としての制御ユニットが充電式の電池を有する形態を例示したが、充電式でない電池(一次電池)であってもよい。また、外部から給電される形態であってもよい。
(4)実施例1では、ケーブルは、第1本体部及び第2本体部のそれぞれに着脱自在に設けられた形態を例示したが、本発明に係るケーブルは、着脱不能に設けられた形態であってもよいし、第1本体部及び第2本体部のいずれか一方に対してのみ着脱自在に設けられた形態であってもよい。
(5)実施例1では、第1の一対の電極及び第2の一対の電極のそれぞれの導通を検知する検知部としての肌検知部を備える形態を例示したが、本発明に係る筋肉電気刺激装置において、検知部を備えることは必須ではない。
(6)実施例1では、肌検知部によって第1の一対の電極及び第2の一対の電極のそれぞれの導通を検知した場合のみ、トレーニング可能な状態となる形態を例示したが、このような検知部を備える場合には、第1の一対の電極及び第2の一対の電極のいずれか一方の導通を検知した場合に、導通を検知した一対の電極のみを用いてトレーニング可能とする形態であってもよい。
(7)各部材の材質は実施例1で示したもの以外であってもよい。