JP7197908B2 - 骨減少性疾患の予防及び/又は治療用組成物 - Google Patents

骨減少性疾患の予防及び/又は治療用組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP7197908B2
JP7197908B2 JP2019038316A JP2019038316A JP7197908B2 JP 7197908 B2 JP7197908 B2 JP 7197908B2 JP 2019038316 A JP2019038316 A JP 2019038316A JP 2019038316 A JP2019038316 A JP 2019038316A JP 7197908 B2 JP7197908 B2 JP 7197908B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hinokinin
cubebin
bone
differentiation
osteopenic
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2019038316A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2020142993A (ja
Inventor
章夫 渡辺
由貴 遠藤
桃佳 小林
済泰 禹
貴之 米澤
Original Assignee
株式会社ナチュファルマ琉球
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ナチュファルマ琉球 filed Critical 株式会社ナチュファルマ琉球
Priority to JP2019038316A priority Critical patent/JP7197908B2/ja
Publication of JP2020142993A publication Critical patent/JP2020142993A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP7197908B2 publication Critical patent/JP7197908B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Coloring Foods And Improving Nutritive Qualities (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)

Description

本発明は、クベバコショウ(Piper Cubeba)から抽出されたリグナン化合物の骨代謝調節作用に基づく各種骨疾患の予防又は治療剤、又は、健康食品に関する。
骨減少性疾患は、外傷性骨折や疲労骨折等に代表される外因性疾患と、骨多孔症、骨粗鬆症、高カルシウム血症、高副甲状腺ホルモン血症、骨ページェット病、関節炎、リウマチ、乳ガンの骨転移、骨軟化症、悪性腫瘍その他の疾病に起因する骨組織の脆弱化、及び栄養障害による骨組織の脆弱化といった内因性の疾患とに大別される。本明細書中においては、「骨減少性疾患」という用語には、上述した外因性疾患及び内因性疾患以外に、歯周病による歯又は歯槽骨、又は、歯周組織の吸収又は破壊及びそれに起因する疾患が含まれるものとする。骨芽細胞の分化促進、破骨細胞の分化抑制、骨形成の促進、骨吸収の抑制、歯や歯槽骨の成長・形成、歯槽骨並びに歯周組織の破壊の予防及び骨並びに歯の再生は、「骨減少性疾患」を予防、治療及び/又は改善させる原因に含まれる。
ヒトの骨は、骨芽細胞による骨形成と破骨細胞による骨吸収とを絶えず繰り返しつつ、恒常性を維持している。しかし、加齢や炎症その他さまざまな要因により、恒常性が維持できなくなり、骨吸収が過剰になると、骨粗鬆症や関節リウマチ等の骨減少性の病態が生じる。
骨粗鬆症や歯周病患者はどちらも1,000万人を超えており、社会的に大きな問題となっている。また、急速な高齢化によりさらなる患者の増加が危惧されている。骨粗鬆症や歯周病はそれぞれ、骨折による寝たきりや歯を失う主要な原因であり、生活への影響が極めて大きいことからその対策が求められている。
骨吸収は破骨細胞によって行なわれるため、破骨細胞の分化や機能を抑制する化合物やホルモンが骨吸収抑制剤として用いられている。破骨細胞の分化および活性化が顕著であるほど、骨吸収率は高くなる。一方、骨量を増加させる方法としてはカルシウム製剤やカルシウムの吸収を高めるビタミンD製剤などが主流である。また、骨形成促進剤としては副甲状腺ホルモン製剤なども実用化されている。骨形成は骨芽細胞によって行なわれるため、骨芽細胞の分化や機能を促進させる化合物やホルモンは骨形成促進剤として有用で、骨芽細胞の分化や活性化が顕著であるほど、骨形成率は高くなる。骨減少性疾患をさらに効率的に予防や治療をするためには、骨吸収抑制作用と骨形成促進作用を併せ持つ組成物が望ましく、骨粗鬆症などの骨減少性疾患の効果的な予防と治療が期待できる。このような効果が報告されているものとして、特許文献1には、例えば、破骨細胞分化抑制作用に基づく骨吸収抑制作用と骨芽細胞分化促進作用に基づく骨形成促進作用を併せ持つ骨代謝改善剤として、トケイソウ科に属する植物に含まれるハルミンを有効成分とする骨代謝改善組成物(特許文献1参照)などが知られている。
特願2008-558102
従来では、骨吸収抑制剤としてはエストロゲン製剤、ビスフォスフォネート、ビタミンD、カルシトニンなどの薬剤が臨床使用応用されてきた。また、最近、骨形成促進剤としてカルシウム製剤やビタミンD製剤に加えて副甲状腺ホルモン製剤が実用化されて一定の成果を上げている。しかしながら、その作用、副作用、コストなどの面でが、これらによる治療法は充分とはいえず、より優れた新たな治療薬が求められている。
本発明の目的は、これまでにも食に供された経験があり、破骨細胞分化抑制作用及び骨形成促進作用を有し、骨粗鬆症骨減少性疾患の予防及び/又はおよび改善に有用な有効成分のための組成物又はその使用方法を提供することにある。
本発明者らは、破骨細胞分化抑制作用および骨芽細胞分化促進作用を有する有効成分について、種々の素材から探索を重ねた結果、クベバコショウ(Piper Cubeba)から抽出されたリグナン化合物であるクベビン(Cubebin)およびヒノキニン(Hinokinin)が、破骨細胞への分化を抑制するとともに、骨芽細胞の分化を促進することを見出し、本発明を完成した。
本発明は、クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する破骨細胞分化抑制剤及び/又は骨芽細胞分化促進剤である。
また、本発明は、クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する骨吸収抑制剤及び/又は骨形成促進剤であり、骨粗鬆症などの骨減少性疾患の予防/治療剤であり、骨代謝調節のための機能性食品である。
すなわち、
本発明は以下のとおりである。
[1] クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、破骨細胞分化抑制剤。
[2] クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨芽細胞分化促進剤。
[3] クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨吸収抑制剤。
[4] クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨形成促進剤。
[5] クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨減少性疾患を予防及び/又は治療するための医薬組成物。
[6] クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨代謝調節用医薬製剤。
[7] クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨減少性疾患の予防及び/又は改善用機能性食品。
[8] 骨減少性疾患を予防及び/又は治療するための方法であって、上記方法は、
上記骨減少性疾患を患っている対象者に、クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する医薬組成物又は骨代謝調節用医薬製剤を投与するステップを含む、方法。
本発明の骨代謝改善剤は、クベビン、又はヒノキニンを含有し、破骨細胞への分化抑制作用により骨吸収を抑制し、さらに骨芽細胞の分化促進作用により、骨形成を促し、様々な骨減少性疾患を予防及び/又は改善できる。
本発明の機能性食品は、クベビン、又はヒノキニンを含有し、経口摂取することにより破骨細胞への分化抑制、骨芽細胞の分化を促進し、骨粗鬆症を予防及び/又は改善できる。
破骨細胞初期分化マーカー酵素のTRAP活性に対するクベビン及びヒノキニンの作用を示すグラフである。 多核破骨細胞形成数に対するクベビン及びヒノキニンの作用を示すグラフである。 骨芽細胞初期分化マーカー酵素のALP活性に対するクベビン及びヒノキニンの作用を示すグラフである。 骨芽細胞分化にともなう石灰化に対するクベビン及びヒノキニンの作用を示すアリザリン染色の写真である。
本発明の破骨細胞分化抑制剤又は骨芽細胞分化促進剤、又は骨吸収抑制剤、又は骨形成促進剤又は骨減少性疾患予防及び/又は治療剤は、クベビン、又はヒノキニンを有効成分として含有する。クベビンは下記の式(1)に示す構造式を有する。ヒノキニンは下記の式(2)に示す構造式を有する。
Figure 0007197908000001
Figure 0007197908000002
クベビン、又はヒノキニンは、クベバコショウ(Piper Cubeba)をはじめとした各種植物などの天然素材から精製された化合物であってよく、合成された化合物でもよい。また、上記化合物はクベバコショウ(Piper Cubeba)の抽出物に含まれた形態であってもよく、また、上記化合物は、存在可能な水和物又は塩であってもよい。
<実施形態1:医薬組成物>
本発明によれば、
上記化学式(1)~(3)で示される化合物であるクベビン、又はヒノキニンを含有する、骨減少性疾患を予防及び/又は治療する医薬組成物が提供される。
クベビン、又はヒノキニンは単独で使用してもよく、任意の割合で配合してもよい。
医薬組成物は、薬学的に許容される賦形剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、コーティング剤等を含んでいてもよい。また、着色料、香料、防腐剤などを含んでいてもよい。賦形剤としては例えば乳糖、ブドウ糖、コーンスターチ、ソルビット、結晶セルロースなどが、滑沢剤としては例えばタルク、ステアリン酸マグネシウム、ポリエチレングリコール、硬化植物油などが、結合剤としては例えばジメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロース、アラビアゴム、ゼラチン、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリビニルピロリドンなどが、崩壊剤としては例えばデンプン、アルギン酸ナトリウム、ゼラチン末、炭酸カルシウム、クエン酸カルシウム、デキストリンなどが、それぞれあげられる。使用する際の形態は特に限定されず、カプセル状、粉末、粒状、タブレット状、液状などの形態とでき、また、外用剤としてクリーム、ペースト状、ジェルなどの形態で用いることもできる。
<実施形態2:飲食用組成物>
本発明のクベビン、又はヒノキニンは、骨代謝調節用のサプリメントとして用いることができ、あるいは、飲食物に混合して、又は飲食用組成物として用いることもできる。
サプリメントとして用いる場合、錠剤や顆粒の形態で用いることができ、他の有用成分と混合してもよい。
飲食用組成物として用いる場合、健康飲食品、特定保健用飲食品、栄養機能飲食品、健康補助飲食品等として供することが可能である。これらの飲食品は、骨代謝を改善する機能性食品として供することができ、特定保健用飲食品やその他のサプリメント、健康飲食品等には、骨吸収を抑制する、骨形成を促進する、骨粗鬆症を予防又は、改善する等の機能を表示することができる。
飲食用組成物は、固形物、液状、粉末、顆粒状、ペースト状等の種々の形態であり、具体的には、例えば、清涼飲料、乳酸飲料、嗜好飲料、コーヒー、緑茶、紅茶、ウーロン茶などの飲料品;キャンディー、チョコレート、ビスケット類、菓子パン類、ケーキ、餅菓子、米菓類などの菓子類;果実飲料、野菜飲料、ジャム類、ペースト類などの野菜・果実加工品;日本酒、焼酎、ワイン、中国酒、ウイスキー、ウオッカ、ブランデー、ジン、ラム、酒、ビール、清涼アルコール飲料、果実酒、リキュールなどのアルコ-ル飲料;ヨーグルト、アイスクリーム、バター、チーズ、練乳、粉乳のなどの乳製品;ドレッシング、マヨネーズ、てんぷら油、サラダ油などの油脂加工品;しょうゆ、ソース、酢、みりん、ドレッシングタイプ調味料などの調味料;粉末ジュース、粉末スープ、インスタントコーヒー、即席麺類、即席カレー、即席味噌汁、調理済み食品、調理済み飲料、調理済みスープなどの乾燥飲食品、小麦粉加工品、でんぷん類加工品などの穀物加工品等が挙げられる。例えば飴、クッキー、チューインガム、ビスケットのような固形物として用いても、あるいは清涼飲料水、牛乳、ヨーグルト、シロップのような液状でもよい。飲食物とする場合、クエン酸、乳酸、カゼインなど、通常飲食物に使用される添加剤を配合することができる。
医薬組成物は、経口で投与してもよく、また静注、筋注、皮下投与、直腸投与、経皮投与等の非経口で投与してもよい。
クベビン、又はヒノキニンを含有する医薬組成物薬剤、サプリメント又は、あるいは飲食物等の飲食用組成物におけるクベビン、又はヒノキニン含有量は、その剤型に応じて異なるが、通常クベビン、又はヒノキニンが、全組成物中の0.01~50重量%、好ましくは0.01~20重量%程度含まれていればよい。クベビン、又はヒノキニンの場合の摂取量は、摂取者の年齢、性別、体重、症状の種類、症状の程度などを考慮して適宜増減できるが、一日当たりの摂取量が0.01~300 mg/kgになるように、各投与形態に合わせて設定するのが好ましい。医薬組成物、飲食要素生物、生体適合性材料のいずれの形態においても、1日1回又は、数回に分けて投与、又は摂取すればよい。
本発明のクベビン、又はヒノキニンを含有する医薬組成物、サプリメント又は、飲食物等の飲食用組成物は、ヒトを含む哺乳動物を対象とする。ヒト以外の哺乳動物としては、サルなどの霊長類、ラット、マウスなどのげっ歯類、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ等が挙げられる。
<実施形態3:生体適合性素材>
本願発明によれば、
クベビン、又はヒノキニンより選択される少なくとも1つの化合物を含有する、生体適合性素材が提供される。
この生体適合性素材を用いることで、骨減少性疾患の患部に直接接触させることが可能になる。
「生体適合性」とは、生体組織や細胞に対して炎症反応、免疫反応、中毒反応といった負の反応を引き起こさないか、そのような反応が小さいことを意味する。「生体適合性素材」には、生分解性素材や非生分解性素材が含まれる。「生分解性素材」は、生体内で分解され得る素材や生体内で吸収され得る素材であり、例えば、コラーゲン、アテロコラーゲン、ヒアルロン酸、ハイドロキシアパタイト、TCP、ポリ乳酸(PLLA)、ポリグリコール酸(PGA)、PLGA、ポリエチレングリコール(PEG)、MPCポリマー、アガロースゲルを挙げることができる。「非生分解性素材」は、生体内で分解及び吸収されない、又は、実質的に分解及び吸収されない素材であり、例えば、チタン、チタン合金、ステンレス、セラミックスが挙げられる。また、生体適合性素材は、細胞の足場材(スキャフォールド)であってもよく、更には、所望の細胞が接着した足場材(例えば、細胞シート、細胞塊)であってもよい。生体適合性素材として非生分解性素材を用いる場合、非生分解性素材は、その表面に、例えば、上記化合物を含有する上記生分解性素材が付着していてもよい。生体適合性素材は、当業者にとって公知の方法により、徐放性を有していてもよい。
生体適合性素材は、骨減少性疾患の患部に埋設することができ、骨及び歯(歯槽骨を含む)の形成又は再生、歯周組織の再生、骨折部位の修復に利用することができ、インプラント歯の埋入の前処理に利用することもできる。
<実施形態4:骨減少性疾患を予防又は治療するための方法>
本願発明によれば、
骨減少性疾患を予防又は治療するための方法であって、上記方法は、
上記骨減少性疾患を患っている対象者に、クベビン、又はヒノキニンを含有する医薬組成物又は骨代謝調節用医薬製剤を投与するステップを含む、
方法が提供される。
上記医薬組成物を患者に投与する場合には、投与量は、患者の症状の重篤さ、年齢、体重、PSA値、尿流量及び健康状態等の諸条件によって異なる。一般的には、上述した用量及び用法で、1日1回若しくはそれ以上の回数にわたって投与すればよく、以上のような諸条件に応じて、投与の回数及び量を適宜増減すればよい。
上記医薬組成物又は骨代謝調節用医薬製剤の1日当たりの投与量、投与期間及び投与回数は、上述した治療薬と同様であってもよい。上記医薬組成物又は骨代謝調節用医薬製剤の投与は、医師による判断により終了してもよいし、患者の自己判断で終了してもよい。
以上、本発明の実施形態について述べたが、これらは本発明の例示であり、上記以外の様々な構成を採用することもできる:例えば、ヒト及び動物の多くの硬組織(骨や歯)減少性疾患(骨粗鬆症、関節リウマチ、歯周病、ページェット病、がんの骨転移等)の予防・治療のための、食品組成物、健康食品、医薬組成物、衛生用品とその方法;骨折、事故、手術、その他要因による硬組織(骨や歯)減少・欠損部位における骨形成・骨再生の誘導剤、促進剤とその方法;インプラント歯埋入前処理としての歯槽骨形成・歯槽骨再生促進剤とその方法;歯周病における歯槽骨・歯周組織の破壊の予防・再生剤とその方法;上記組成物を用いて作成した骨・歯・歯周組織再生促進用細胞とその使用、作成方法が挙げられる。
<実施例1> 破骨細胞分化試験
マウスマクロファージ様RAW264細胞(理研より入手)は、破骨細胞分化誘導因子(RANKL)存在下で培養することで破骨細胞へと分化する。RAW264細胞を3,000細胞/ウェルで96ウェルプレートに播種し、RANKL(50 ng/mL)の存在下で、クベビン、又はヒノキニンを添加して10%胎児血清を含むαMEM培地を用いて72時間培養した。
細胞培養後、10%ホルマリンとエタノールにて細胞を固定後、定法により破骨細胞の初期分化マーカーである酒石酸耐性酸ホスファターゼ(TRAP)活性の測定を行った。また、その後、TRAP染色を行って、細胞が赤く染色され、かつ、核を3つ以上持つ細胞を多核破骨細胞としてその数を計測して、破骨細胞分化の評価を行った。
結果
RANKLによって誘導されるTRAP活性は、クベビン、又はヒノキニンを添加すると、濃度依存的に有意に抑制された(図1)。また、多核破骨細胞形成数も、クベビン、又はヒノキニンの添加によって濃度依存的に有意に減少した(図2)。
このことは、クベビン、及びヒノキニンが破骨細胞の分化を抑制することを示しており、破骨細胞による骨吸収をクベビン、及びヒノキニンが抑制することを示している。
<実施例2> 骨芽細胞初期分化試験
マウス頭蓋骨由来前骨芽細胞株のMC3T3-E1細胞(理研より入手)を5,000細胞/ウェルとなるように96ウェルマルチウェルプレートに播種し、10%牛胎児血清を含むαMEM培地を用いて2日間培養した。各ウェルにクベビン、又はヒノキニンを添加してさらに6日間培養後、メタノールで細胞を固定した。骨芽細胞の初期分化マーカー酵素として知られるアルカリフォスファターゼ(ALP)活性を定法により測定した。
結果
クベビン、又はヒノキニンを添加して培養すると、未添加のコントロールと比較して、ALP活性の有意な上昇が認められた(図3)。このことは、クベビン、及びヒノキニンが骨芽細胞の初期分化を促進することを示している。
<実施例3> 骨芽細胞石灰化試験
MC3T3-E1細胞は骨芽細胞に分化すると、カルシウムを沈着して石灰化を引き起こす。MC3T3-E1細胞を5,000細胞/ウェルとなるように96ウェルマルチウェルプレートに播種し、10%牛胎児血清を含むαMEM培地を用いて2日間培養した。各ウェルに分化誘導剤であるアスコルビン酸(50 μg/mL)およびβグリセロフォスフェート(10 mM)とともにクベビン、又はヒノキニンを添加してさらに12日間培養後、メタノールで細胞を固定した。石灰化により沈着したカルシウムをアリザリンレッド染色法にて赤色に染色した。
結果
クベビン、又はヒノキニンを添加して培養すると、未添加のコントロールと比較して、アリザリンレッド染色によって赤色に染色される面積が明らかに増加した(図4)。このことは、クベビン、及びヒノキニンは骨芽細胞の後期分化も促進して石灰化を誘導することを示しており、骨芽細胞による骨形成をクベビン、及びヒノキニンが促進することを示している。
以上、本発明を実施例に基づいて説明した。この実施例はあくまで例示であり、種々の変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
ブラジル産グリーンプロポリス由来の桂皮酸誘導体であるアルテピリンC、バッカリン、ドルパニンは、破骨細胞の分化を抑制したことから、骨吸収抑制作用があることが示された。また、アルテピリンCとバッカリン(baccharin)、は、骨芽細胞の分化を促進して石灰化も亢進させることから、骨形成促進作用があることが示された。したがって、骨減少性のヒトおよび動物の多くの硬組織(骨や歯)減少性疾患(骨粗鬆症、関節リウマチ、歯周病、ページェット病、がんの骨転移等)の予防・治療等に有用である。また、骨折、事故、手術、その他要因による硬組織(骨や歯)減少・欠損部位における骨形成・骨再生の誘導・促進、さらには歯周病における歯槽骨・歯周組織の破壊の予防や再生にも有用である。

Claims (7)

  1. クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、破骨細胞分化抑制剤。
  2. クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨芽細胞分化促進剤。
  3. クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨吸収抑制剤。
  4. クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨形成促進剤。
  5. クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨減少性疾患を予防及び/又は治療するための医薬組成物。
  6. クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨代謝調節用医薬製剤。
  7. クベビン、又はヒノキニンを少なくとも1種以上含有する、骨減少性疾患の予防及び/又は改善用機能性食品。
JP2019038316A 2019-03-04 2019-03-04 骨減少性疾患の予防及び/又は治療用組成物 Active JP7197908B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019038316A JP7197908B2 (ja) 2019-03-04 2019-03-04 骨減少性疾患の予防及び/又は治療用組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019038316A JP7197908B2 (ja) 2019-03-04 2019-03-04 骨減少性疾患の予防及び/又は治療用組成物

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2020142993A JP2020142993A (ja) 2020-09-10
JP7197908B2 true JP7197908B2 (ja) 2022-12-28

Family

ID=72353230

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019038316A Active JP7197908B2 (ja) 2019-03-04 2019-03-04 骨減少性疾患の予防及び/又は治療用組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP7197908B2 (ja)

Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004231574A (ja) 2003-01-30 2004-08-19 Dai Ichi Seiyaku Co Ltd メラニン産生不全症治療剤
JP2005532277A (ja) 2002-03-25 2005-10-27 フンダカオ・デ・アムパロ・アー・ペスクゥイサ・ド・エスタド・デ・サン・パウロ ジベンジルブチロラクトニックリグナンを得るための方法;抗−シャーガスの化学的予防活性及び治療的活性を有する、リグナンからの合成誘導体を得る方法。
CN1907410A (zh) 2006-08-02 2007-02-07 朴喜新 一种治疗骨折、跌打损伤的中药制剂
JP2008189558A (ja) 2007-02-01 2008-08-21 Univ Kinki テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤
JP2008539173A (ja) 2005-04-28 2008-11-13 フンダカオ・デ・アムパロ・アー・ペスクゥイサ・ド・エスタド・デ・サン・パウロ(エフエーピーイーエスピー) ジベンジルブチロラクトンのリグナン、テトラヒドロフランのリグナン、およびそれらの合成および半合成の誘導体を得る方法、それらの鎮痛性および抗炎症性の活性、前記リグナンを含有する局所性および/または全身性の製剤、ならびにそれらの治療方法
JP2010536718A (ja) 2007-08-16 2010-12-02 ビリメド・(ユーケイ)・リミテッド 癌の治療用の薬剤における活性成分としてのピペル・クベバ(PipercubebaL.)由来の抽出物または抽出物化合物の使用
JP2013515014A (ja) 2009-12-21 2013-05-02 アセフ エス.アー. 勃起障害の治療における血管拡張剤としてのクベビン、ジベンジルブチルロラクトリンリグナン、その半合成誘導体および合成誘導体、ならびに他のリグナンおよびネオリグナン

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH01180824A (ja) * 1988-01-13 1989-07-18 Eisai Co Ltd 肝疾患治療・予防剤
JP2003081877A (ja) * 2001-09-14 2003-03-19 Dai Ichi Pure Chem Co Ltd 経口吸収改善剤およびこれを利用する医薬組成物
JP7232503B2 (ja) * 2018-11-04 2023-03-03 株式会社ナチュファルマ琉球 骨疾患の予防及び/又は治療用医薬組成物

Patent Citations (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005532277A (ja) 2002-03-25 2005-10-27 フンダカオ・デ・アムパロ・アー・ペスクゥイサ・ド・エスタド・デ・サン・パウロ ジベンジルブチロラクトニックリグナンを得るための方法;抗−シャーガスの化学的予防活性及び治療的活性を有する、リグナンからの合成誘導体を得る方法。
JP2004231574A (ja) 2003-01-30 2004-08-19 Dai Ichi Seiyaku Co Ltd メラニン産生不全症治療剤
JP2008539173A (ja) 2005-04-28 2008-11-13 フンダカオ・デ・アムパロ・アー・ペスクゥイサ・ド・エスタド・デ・サン・パウロ(エフエーピーイーエスピー) ジベンジルブチロラクトンのリグナン、テトラヒドロフランのリグナン、およびそれらの合成および半合成の誘導体を得る方法、それらの鎮痛性および抗炎症性の活性、前記リグナンを含有する局所性および/または全身性の製剤、ならびにそれらの治療方法
CN1907410A (zh) 2006-08-02 2007-02-07 朴喜新 一种治疗骨折、跌打损伤的中药制剂
JP2008189558A (ja) 2007-02-01 2008-08-21 Univ Kinki テストステロン5α−レダクターゼ阻害剤
JP2010536718A (ja) 2007-08-16 2010-12-02 ビリメド・(ユーケイ)・リミテッド 癌の治療用の薬剤における活性成分としてのピペル・クベバ(PipercubebaL.)由来の抽出物または抽出物化合物の使用
JP2013515014A (ja) 2009-12-21 2013-05-02 アセフ エス.アー. 勃起障害の治療における血管拡張剤としてのクベビン、ジベンジルブチルロラクトリンリグナン、その半合成誘導体および合成誘導体、ならびに他のリグナンおよびネオリグナン

Non-Patent Citations (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Title
African Journal of Pharmacy and Pharmacology,2016年,vol.10(25),pp.526-532,DOI: 10.5897/AJPP2015.4490
骨代謝細胞に対するクベバコショウ由来リグナン化合物の作用,日本農芸化学会2019年度大会講演要旨集,2019年03月05日,4C1a10,ISSN: 2186-7976

Also Published As

Publication number Publication date
JP2020142993A (ja) 2020-09-10

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20080008773A1 (en) Food beverage or feed for the promotion of osteogenesis comprising umbelliferae, liliaceae or compositae plant species
WO2001074180A1 (en) Nutritional supplements for stimulating bone growth
WO2011077800A1 (ja) 高脂血症改善剤、並びに、貧血改善組成物、尿酸値低下組成物及び飲食品
CN110934883A (zh) 一组改善男性骨质疏松预防骨折的柚皮苷制剂
JP7232503B2 (ja) 骨疾患の予防及び/又は治療用医薬組成物
JP7479833B2 (ja) エストロゲン様活性剤組成物
US6410521B1 (en) Nutritional supplements for stimulating bone growth
JP7197908B2 (ja) 骨減少性疾患の予防及び/又は治療用組成物
WO2008004118A2 (en) Carthamus tinctoris plant extracts for treating osteoporosis and the extraction process thereof
JP6479329B2 (ja) 食品組成物及び骨芽細胞分化促進剤
US20040058995A1 (en) Agent for improving bone metabolism
JP2021503483A (ja) Chp(シクロ−ヒスプロ)を含む骨損失疾患の予防、改善または治療用組成物
JP2011012005A (ja) 高脂血症改善剤
JP6125899B2 (ja) 骨粗鬆症予防および/または改善剤
JP6194192B2 (ja) アディポネクチン産生促進剤
WO2015190682A1 (ko) 쿠마린산을 유효성분으로 포함하는 성장 촉진용 조성물
WO2008084283A2 (en) Andrographis paniculata plant extracts for treating osteoporosis and the extraction process thereof
JP2021525222A (ja) 骨粗しょう症の予防または治療用組成物
TW201424743A (zh) Igf-1產生促進劑
JP7271016B2 (ja) 骨損失疾患の予防、改善または治療のためのchp(シクロ-ヒスプロ)および副甲状腺ホルモンを含む組成物の用途
JP2021500382A (ja) 非アルコール性脂肪肝疾患の予防または改善用組成物
JP2018038396A (ja) 飲食品組成物
KR101956805B1 (ko) 부테인 또는 이소유제놀을 포함하는 pcsk9 유전자의 발현 감소 또는 저밀도 지단백 수용체 증가용 조성물
EP2857028A1 (en) Agent containing ascorbic acid derivative, and use for said agent
JP2016153384A (ja) ウロプラキン発現促進剤

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20210901

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20210901

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A821

Effective date: 20210901

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20220203

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20221117

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20221122

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20221209

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 7197908

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150