JP7197098B1 - 付着応力が均等なグラウンドアンカー工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】従来型のグラウンドアンカーの定着部で発生する集中応力発生による逐次破壊進行が起こらず、定着区間全体に略均等な応力が作用し、耐久性の向上を図れるグラウンドアンカー工法を提供する。【解決手段】地表面1から孔径40~400mmの孔5を地盤深部の不動層4まで削孔し、削孔後の孔5内にテンドン6を挿入し、不動層4の孔内でテンドン6の先端部6aの周囲にテンドン固定部7用のセメントを注入してテンドン固定部7を形成し、テンドン固定部7の形成後、地表面1に仮受圧板18を設置して、仮受圧板18を反力としてテンドン6を緊張した状態で、地表面1からテンドン6の先端部6aを除く中間部6cの周囲に不動層4から地盤浅部の移動層3にかけて孔5内にテンドン緊張定着部8用の超速硬セメントを注入してテンドン緊張定着部8を形成し、テンドン緊張定着部8の形成後、仮受圧板を撤去する。【選択図】図1

Description

本発明は、地盤に適用するグラウンドアンカー工法において、特に定着区間全体に付着応力を略均等に作用させるようにしたグラウンドアンカー工法に関するものである。
地盤に適用するグラウンドアンカー工は、グラウト材の注入によって地中の定着地盤に造成されるアンカー体と、引張り部となるテンドン(PC鋼線などの緊張材)と、アンカー頭部から形成される。アンカー頭部は支圧板と定着具で構成されており、支圧板は、地中の定着地盤に固定されたアンカー体からテンドンを引っ張る際の地上側の反力版となり、地表側の地盤を地中側に押さえ付ける役割をする。
ところが、従来のグラウンドアンカー工は、第1にアンカー頭部で防錆剤の充填不足、漏逸あるいはテンドンを引っ張る定着具に固定されているクサビの効果減衰などの要因により長期耐久性に劣る課題があった。第2に支圧板はコンクリート製の場合、重量が重くて施工性が悪く、鋼製であるとコストが高く耐久性に劣るという課題があった。樹木が生える森林斜面では、支圧板を用いることなく樹木を残したまま施工できる工法が必要とされていた。
以上の背景から、従来の受圧板に代えて無受圧板のアンカーを施工する方法(特許文献1)が提案されている。特許文献1の内容は、地表面から地中の定着地盤(不動層)まで削孔し、先端部の定着体と後端部の定着体を緊張材で繋いだアンカーを孔内に挿入し、不動層の孔内にグラウト材を一次注入して不動層に定着部を造成し、地表面に設置した仮受圧板を反力として緊張材を緊張しながら移動層の孔内にグラウト材を二次注入して移動層に定着部を造成し、最後に地表の仮受圧板を撤去するとともに緊張材を切断し、無受圧板のアンカーを施工するものである。
特許第3153491号公報
しかしながら、上記従来工法は、アンカー体に局部集中応力が発生して、逐次破壊が進行し、アンカーの耐久性が年月とともに年々低下するという課題があった。かかる課題は、従来のグランドアンカー工に本質的なもので、引張型アンカーおよび圧縮型アンカーのいずれの形式でも同様に存在するものであった。
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたもので、従来型のグラウンドアンカーの定着部で発生する集中応力発生による逐次破壊進行が起こらず、定着区間全体に略均等な応力が作用し、耐久性の向上を図れるグラウンドアンカー工法を提供すること、また、受圧板を無くし、高い耐久性を図ることのできるグラウンドアンカー工法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係るグランドアンカー工法は、
地表面から孔径40~400mmの孔を地盤深部の不動層まで削孔し、
削孔後の孔内にテンドンを挿入し、
不動層の孔内でテンドンの先端部の周囲にテンドン固定部用のセメントを注入してテンドン固定部を形成し、
テンドン固定部の形成後、地表面に仮受圧板を設置して、仮受圧板を反力としてテンドンを緊張した状態で、地表面からテンドンの先端部を除く不動層から地盤浅部の移動層にかけて孔内にテンドン緊張定着部用の超速硬セメントを注入してテンドン緊張定着部を形成し、
テンドン緊張定着部の形成後、仮受圧板を撤去することを第1の特徴とする。
テンドン固定部用のセメントは、普通ポルトランドセメントでもよいが、早く強度が発現する早強セメント、超速硬セメントが望ましい。テンドン緊張定着部用のセメントは、超速硬セメントを用いる。超速硬セメントは、材齢3時間で20~30N/mmの一軸圧縮強度を発現するセメントを指す。注入に必要な作業時間15~30分間のグラウト材の流動性を確保するため、超速硬セメントに対し凝結遅延剤0.05~1.5質量%を加え、水セメント比(W/C)は13~23%とする。
本発明に係るグランドアンカー工法は、
地表面から孔径40~400mmの孔を地盤深部の不動層まで削孔し、
削孔後の孔内に、テンドンの先端部の周囲に形成するテンドン固定部用の第1グラウト注入管および袋状の第1パッカー、テンドン固定部の手前で不動層から移動層にかけて形成するテンドン緊張定着部用の第2グラウト注入管および袋状の第2パッカーを装着したテンドンを挿入し、
第1グラウト注入管から第1パッカーの内部にセメントを注入して、不動層にテンドン固定部を形成し、
テンドン固定部の形成後、地表面に仮受圧板を設置して、仮受圧板を反力としてテンドンを緊張した状態で、第2グラウト注入管から第2パッカーの内部に超速硬セメントを注入して、テンドン固定部の手前で不動層から移動層にかけてテンドン緊張定着部を形成し、
テンドン緊張定着部の形成後、仮受圧板を撤去することを第2の特徴とする。
ここで、地盤の移動層は地表面側でトップリング崩壊や地すべりが発生する層を指し、地盤の不動層は深部でトップリングや地すべりが発生しない層の地盤を意味する。
地すべりや崩壊の多くは、地盤の緩みで風化が進み、地盤強度の低下によって発生する。従来の引張型と圧縮型のアンカーは、定着部で応力集中による逐次破壊が発生するが、本発明のグラウンドアンカー工法では、テンドンの定着区間全体に略均等な応力が作用する結果、グラウンドアンカー工の耐久性が大きく向上するという優れた効果を奏する。
本工法によると、テンドンの定着区間全体に孔壁の劣化や緩みが生じず、周面摩擦抵抗を確保し、地盤の不動層および移動層とテンドンの定着区間全体の一体化を図ることができる。
本発明によると、地中の深部にあるすべり面付近およびその上部の移動層全体に良好なプレストレスを与え、移動地盤の劣化の低下を図ることができる。本発明によれば、地すべりが移動しようとする場合、移動層が不動層と緊張されたテンドンで連結されているため、地すべりの活動を抑止する。
また、本発明によると、アンカー工で最も老朽化しやすい頭部の受圧板や定着具が不要となるので、長期耐久性を確保できる。特にテンドンを錆びない素材やエポキシ樹脂で厚く被覆した緊張材とし、あるいはテンドンにシースで防錆された材料を用いると数世紀にわたる長期耐久性の確保が可能となる。
本発明が適用されたグラウンドアンカー工の断面図、 本発明のグラウンドアンカー工の施工手順を示すもので、地盤を削孔した状態の断面図、 孔内にパッカーとテンドンを挿入した状態の断面図、 孔内の第1パッカー内部にグラウト材を充填した状態の断面図、 仮受圧板でテンドンを緊張した状態で孔内の第1パッカー内部にグラウト材を充填した状態を示す断面図、 仮受圧板とテンドン頭部を撤去する前の断面図である。
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照しながら説明する。図1ないし図6は本発明の一実施形態を示すもので、図1は地盤に対し本発明によるグラウンドアンカー工を適用した断面図である。
本実施形態のグラウンドアンカー工は、図1に示すように、地表面1から、地盤2の移動層3から地盤2の深部の不動層4にかけて削孔された孔5の内部にテンドン(緊張材)6が緊張状態(プレストレスp)で配置されており、テンドン6の先端部6aにはテンドン固定部7が造成され、テンドン6の先端部6aを除く不動層4から移動層3にかけて付着応力が略均等に生じる緊張定着部8が造成された構造となっている。
不動層4の孔5内部には、テンドン6の先端部6aの周囲にグラウト材9が充填され、地表面1からテンドン6の先端部6aを除く不動層4から移動層3にかけてグラウト材10が充填されている。グラウト材9は、超速硬セメントから構成されるが、早強セメントから構成してもよい。グラウト材10は、超速硬セメントから構成されている。符号11は移動層3と不動層4の境界に形成されたすべり面である。
テンドン6は、炭素繊維ケーブルなどの劣化し難い軽量素材から構成されるが、エポキシ樹脂やポリエチレン等の合成樹脂で被覆された防食性能の高いPC鋼線などのケーブルあるいは芳香族ポリアミド系樹脂(アラミド樹脂)の棒状体から構成しても良い。本実施形態のテンドン6は、複数本(図示例は3本)のケーブルを使用した例であるが、ケーブルの本数は1本から10本程度まで適用可能である。
グラウト材9,10を構成する超早硬セメントは特殊なセメントで、材齢3時間で20~30N/mm(好ましくは24N/mm以上)の一軸圧縮強度を発現するセメントである。超早硬セメントはカルシウムアルミネートを含有するセメントで、たとえば、11CaO・7Al・CaX(ただし、Xはハロゲン元素を表す)を主成分とするセメント(例:住友大阪セメント株式会社のフィルコンSスーパー(商品名)など)を用いる。
超早硬セメントはそのSO/Al(モル比)が0.6~1.3であることが好ましく、モル比が前記範囲内であると初期強度発現性、特に混練後3時間後の強度発現性に優れる。なお、グラウト材9は前述のように早強セメントでもよい。早強セメントは普通セメントよりも早期に強度が発現する。
次に、上記構造のグラウンドアンカー工について、施工手順を以下に説明する。
まず、図2に示すように、地表面1から、地盤2中の移動層3から深部の不動層4にかけて、孔5を削孔する。孔5は不動層4の深度や地盤2の固さなどの地盤状況に応じて、孔径30~400mm、深さ1.5~100mの範囲から選択される。図2の例は孔径約90mm、深さ約25mである。
次に、図3に示すように、削孔した孔5にテンドン6を挿入する。テンドン6には、第1グラウト注入管12、袋状の第1パッカー13、第2グラウト注入管14、袋状の第2パッカー15、複数のスペーサ16、頭部用の定着用ネジ17の各部品が、結束バンドにより予め組み付けられセットされる。テンドン6は先端部6aが孔5の先端付近に達し、頭部6bが地表面1から外に出る長さとする。
図示の第1グラウト注入管12および第2グラウト注入管14は、概略的に記載したもので、それぞれ複数本が用いられ、長さが短い方の管を、注入完了を確認する管として用いる場合がある。
第1パッカー13は、テンドン6の先端部6aに結束バンドにより取り付けられ、第2パッカー15は、テンドン6の先端部6aを除く残りの部分に結束バンドで取り付けられる。定着用ネジ17はテンドン6の頭部6bに取り付けられる。スペーサ16はテンドン6を孔5の中心付近に位置決めするもので、テンドン6の先端部6aから頭部6bの間に複数(図示例は4つ)取り付けられる。
第1グラウト注入管12は、テンドン6に沿って、先端の注入口が第1パッカー13の内部奥方に達するようにセットされ、第2グラウト注入管14は、テンドン6に沿って、先端の注入口が第2パッカー15の内部奥方に達するようにセットされる。
削孔した孔5に組立後のテンドン6が挿入されると、図3に示すように、テンドン6の先端部6aおよびその周囲の第1パッカー13が地盤2の深部である不動層4の奥方に位置し、テンドン6の大部分を占める中間部6cとその周囲の第2パッカー15が地盤2の不動層4から地盤2の浅部である移動層3にかけて位置する。
次に、図4に示すように、グラウト材9を第1グラウト注入管12の先端注入口から第1パッカー13の内部に注入する。グラウト材9は、超早硬セメント(例:住友大阪セメント株式会社のフィルコンSスーパー(商品名)など)の使用が優れている。
超早硬セメントは、注入作業時間に必要な15~30分間のグラウト材の流動性を確保するため、凝結遅延剤(例:住友大阪セメント株式会社のジェットセッター(商品名)など)および水を配合して混練する。具体的には、超早硬セメントに対し、凝結遅延剤を0.05~1.5質量%、水を13~23質量%とし、配合された凝結遅延剤(ジェットセッター)と水を入れた容器に、超早硬セメント(フィルコンSスーパー)を徐々に投入し、2分間程度高速攪拌する。その結果、非常に流動性が高いグラウト材が得られる。
ミルク状の上記グラウト材9を第1グラウト注入管12に注入し、所定の加圧をおこなって第1パッカー13の内部に圧送すると、第1パッカー13が膨張し、グラウト材9が充填される。グラウト材9は第1パッカー13から外部に滲み出て不動層4における孔5の内周面に密着し、テンドン固定部7が形成(造成)される。
袋状の第1パッカー13を用いると不動層4に亀裂がある場合に亀裂からミルク状のグラウト材が漏逸するのを防ぐことができる。テンドン固定部7は、グラウト材9の注入後2時間半程度で一軸圧縮強度が24N/mmに達し、3時間後には十分な強度で周囲の不動層4と結合する。
なお、テンドン固定部7の造成にあたり、グラウト材9は早強セメントを用いることができ、また、第1パッカー13の使用は必須ではない。本実施形態の場合、テンドン固定部7の形成区間は0.5m~15mの範囲で選択可能である。
次に、テンドン固定部7の形成後、図5に示すように、テンドン6の頭部6bに仮受圧板18と油圧ジャッキ(センターホール型油圧ジャッキ)19をセットし、油圧ジャッキ19で定着用ネジ17およびテンドン6を緊張する(引張荷重p1)。荷重は5~100000KNの範囲から選択される。図5の例は50KNである。
次に、テンドン6を緊張した状態で、図5に示すように、ミルク状のグラウト材10を、前述の第1パッカー13への注入作業と同様の方法で、孔5の残りの部分で、第2パッカー15の内部に注入する。テンドン6の緊張作業中は、仮受圧板18が地盤側に沈下し、引張荷重が小さくなるので、作業者が緊張荷重を確認し、油圧ジャッキ19を微調整しながら所定の荷重を3時間程度継続的に掛ける。
第2パッカー15内部に注入されたグラウト材10は、第2パッカー15から外部に滲み出て深部の不動層4における孔5の内周面、浅部の移動層3における孔5の内周面に密着し、緊張定着部8が形成(造成)される。緊張定着部8は、グラウト材10の注入後2時間半程度で一軸圧縮強度が24N/mmに達し、3時間後には十分な強度で深部の不動層3および浅部の移動層4と結合される。
グラウト材10の注入後3時間経過して油圧ジャッキ19を緩めると、図6に示すように、テンドン6の弾性変形(縮小)で地盤2の不動層4と移動層3内にプレストレス(符号p)が発生し、移動層3を不動層4側に引っ張るが、緊張定着部8の区間全体(区間全長)に、均等な応力が作用する。局部集中応力が発生することがない。
テンドン6を緊張する3時間程度の時間であれば、緊張によって生じる仮受圧板18の沈下にともなう緊張荷重の低下を厳密に監視し、油圧ジャッキ19の操作により緊張荷重を本来の荷重に常時コントロールすることが容易である。同コントロールにより、移動層3および不動層4との付着力が良好な定着部(緊張定着部8)が形成される。
上記の効果は、テンドン6にPC鋼線を適用した場合でも、テンドン6の緊張作業時間中に緊張荷重のコントロールによってPC鋼線の弾性による短縮が起きないため、移動層3および不動層4と定着部(緊張定着部8)との間で同様に良好な付着力を確保することができる。
最後に、油圧ジャッキ19および仮受圧板18を撤去し、テンドン6の地表面1から突出する頭部を切断すると、図1に示すグラウンドアンカー工が地盤2に施工される。孔5内の第1グラウド注入管12および第2グラウド注入管14は、周囲のグラウト材9,10により孔5内に埋設され,地表面1から突出する管部分が切断撤去される。
本実施形態によると、不動層4にテンドン固定部7を造成し、不動層4から移動層3にかけて付着応力が略均等に生じる緊張定着部8を造成したので、テンドンの定着区間に従来のアンカー工のような応力集中による逐次破壊が発生せず、テンドンの定着区間全体に孔壁の劣化や緩みが生じず、孔壁と定着部間に十分な周面摩擦抵抗を確保して、長期耐久性に優れた品質の高いアンカー工を施工することができる。
しかも、短時間でアンカー工の施工が完了するので、その点でも、孔5の孔壁劣化や緩みが生じにくく、長期耐久性に優れた品質の高いアンカー工の施工に寄与する。従来のような大きなコンクリート製の受圧板や鋼製の受圧板を廃止して不動層と移動層間に導入したプレストレスを長期に維持でき、また、施工コストの大幅削減を図ることができる。
本実施形態によると、地表面1から突出する定着用ネジ17の部分の切断により、地表面1にグラウンドアンカー工の構造物がほとんど見えない形態となり、地表面1の景観が向上し、森林斜面に好適である。地表面1が軟弱表面である場合、定着用ネジ17に地表面の保護網を設置する固定装置を取り付け、また、通常の受圧板よりも小型(1/5~1/10程度)の受圧板を設置してよい。
緊張定着部8の形成にあたり、パッカー15の使用は必須ではないが、緊張定着部8の周囲の孔壁に亀裂が発生している場合、注入したグラウト材10が亀裂から漏逸することを防ぐためパッカー15の使用が好適である。本実施形態の場合、緊張定着部8の形成区間は4m~100mの範囲で選択可能である。
本実施形態では、グラウト材10注入後3時間経過後に受圧板18を撤去したが、地質条件によっては、地表側から4~10m程度の区間をテンドン6の周囲にシーズを設けて両端を止水し、地表側に小型の受圧板を取り付け、当該区間に自由長部を形成してもよい。また、地表が崩壊しやすいなど移動層の浅部の地質条件によっては、小型でなく通常の大きさの受圧板を取り付ける場合にも効果を発揮する。
テンドンは、芳香族ポリアミド系樹脂(アラミド樹脂)など緊張で伸びやすい素材を採用すると、テンドンが短い場合も十分なプレストレス効果を得ることができる。
かくして、本発明によると、受圧板を必要とせず、地盤中の深部の不動層と浅部の移動層との間に十分なプレストレストを導入することが可能で、また、定着部全体に付着応力が略均等に作用し得て、長期耐久性を確保できるグラウンドアンカー工を実現することができた。
本発明は、グラウンドアンカー工法として利用できる。また、補強土工の施工方法としても利用可能である。
1 地表面
2 地盤
3 移動層
4 不動層
5 孔
6 テンドン
6a テンドンの先端部
6b テンドンの頭部
6c テンドンの中間部
7 テンドン固定部
8 緊張定着部
9,10 グラウト材
11 すべり面
12 第1グラウト注入管
13 第1パッカー
14 第2グラウト注入管
15 第2パッカー
16 スペーサ
17 定着用ネジ
18 仮受圧板
19 油圧ジャッキ
p プレストレス
p1 引張荷重

Claims (2)

  1. 地表面から孔径40~400mmの孔を地盤深部の不動層まで削孔し、
    削孔後の孔内にテンドンを挿入し、
    不動層の孔内でテンドンの先端部の周囲にテンドン固定部用のセメントを注入してテンドン固定部を形成し、
    テンドン固定部の形成後、地表面に仮受圧板を設置して、仮受圧板を反力としてテンドンを緊張した状態で、地表面からテンドンの先端部を除く中間部の周囲に不動層から地盤浅部の移動層にかけて孔内にテンドン緊張定着部用の超速硬セメントを注入してテンドン緊張定着部を形成し、
    テンドン緊張定着部の形成後、仮受圧板を撤去することを特徴とするグランドアンカー工法。
  2. 地表面から孔径40~400mmの孔を地盤深部の不動層まで削孔し、
    削孔後の孔内に、テンドンの先端部の周囲に形成するテンドン固定部用の第1グラウト注入管および袋状の第1パッカー、テンドン固定部の手前で不動層から移動層にかけて形成するテンドン緊張定着部用の第2グラウト注入管および袋状の第2パッカーを装着したテンドンを挿入し、
    第1グラウト注入管から第1パッカーの内部にセメントを注入して、不動層にテンドン固定部を形成し、
    テンドン固定部の形成後、地表面に仮受圧板を設置して、仮受圧板を反力としてテンドンを緊張した状態で、第2グラウト注入管から第2パッカーの内部に超速硬セメントを注入して、テンドン固定部の手前で不動層から移動層にかけてテンドン緊張定着部を形成し、
    テンドン緊張定着部の形成後、仮受圧板を撤去することを特徴とするグランドアンカー工法。
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