(第1実施形態)
以下、内燃機関の吸気装置の第1実施形態である吸気装置10について、図1~図4を参照して説明する。
図1は、吸気装置10を備える内燃機関90を示している。内燃機関90は、シリンダブロック91の右バンク91Aに形成されている右側気筒群と、シリンダブロック91の左バンク91Bに形成されている左側気筒群と、を備えている。右バンク91Aと左バンク91Bは、内燃機関90のクランクシャフト96を挟んだ両側に位置している。右バンク91A及び左バンク91Bでは、クランクシャフト96の回転中心軸の延伸方向に沿って、それぞれ三個の気筒が配列されている。右バンク91Aには、右側気筒群を構成する気筒番号が「#2」、「#4」、「#6」の気筒が設けられている。左バンク91Bには、左側気筒群を構成する気筒番号が「#1」、「#3」、「#5」の気筒が設けられている。図1には、クランクシャフト96の回転中心軸を軸線C1として表示している。図1には、右バンク91Aに形成されている気筒の一つとして右側気筒92Aを図示している。また、左バンク91Bに形成されている気筒の一つとして左側気筒92Bを図示している。右バンク91Aは、右側気筒92Aと左側気筒92Bとがクランクシャフト96に近いほど互いに近づくように、左バンク91Bに対して傾斜している。内燃機関90は、六個の気筒を右バンク91Aと左バンク91Bとに分けてV字型に配置したV型内燃機関である。
シリンダブロック91の右バンク91Aには、右側シリンダヘッド93Aが取り付けられている。右側シリンダヘッド93Aには、右側気筒群の各気筒に吸気を導入する吸気ポートと、同気筒内で燃焼された混合気を排出する排気ポートと、が形成されている。図1には、右側気筒92Aに連通する吸気ポート94A及び排気ポート95Aを図示している。
シリンダブロック91の左バンク91Bには、左側シリンダヘッド93Bが取り付けられている。左側シリンダヘッド93Bには、左側気筒群の各気筒に吸気を導入する吸気ポートと、同気筒内で燃焼された混合気を排出する排気ポートと、が形成されている。図1には、左側気筒92Bに連通する吸気ポート94B及び排気ポート95Bを図示している。
内燃機関90の吸気通路11には、スロットルバルブ13が内蔵されているスロットルボディ12が設けられている。吸気通路11においてスロットルボディ12よりも下流には、サージタンクとインテークマニホールドとが順に設けられている。
図1及び図2に示すように、吸気装置10は、マニホールドユニット41を備えている。吸気装置10は、マニホールドユニット41と連結されているサージタンクユニット20を備えている。図1に示すように、サージタンクユニット20及びマニホールドユニット41は、右バンク91Aと左バンク91Bとの間に配置されている。
図2に示すように、マニホールドユニット41は、第1支路61~第6支路66を備えている。第1支路61~第6支路66は、気筒番号「#1」~「#6」の各気筒に吸気を分配する。図1には、右バンク91Aに接続されている支路のうち第2支路62と、左バンク91Bに接続されている支路のうち第1支路61と、を示している。第1支路61~第6支路66を備えているマニホールドユニット41によってインテークマニホールド72が構成されている。
サージタンクユニット20は、第1支路61~第6支路66が連通する空間である集合部32をマニホールドユニット41との間に区画するタンク部31を備えている。集合部32は、サージタンクユニット20のタンク部31とタンク部31に連結されているマニホールドユニット41とによって区画されている。サージタンクユニット20は、タンク部31に接続されている接続管21を備えている。接続管21は、タンク部31とスロットルボディ12とを接続している。サージタンクユニット20は、タンク部31と接続管21とが一体成型されている。
スロットルボディ12に内蔵されているスロットルバルブ13は、バタフライバルブである。図2に示すように、スロットルバルブ13は、回動軸14と、回動軸14を中心に回転する円形の弁体15と、を備えている。回動軸14は、弁体15の中心を通過する位置に弁体15の径方向に延びるように取り付けられている。
図2に示すように、接続管21は、スロットルボディ12とタンク部31とを接続する管である。接続管21は、タンク部31との接続部分に、クランクシャフト96の回転中心軸の延伸方向に延びている直進部23を有している。図2には、クランクシャフト96の回転中心軸の延伸方向を示す延伸方向C2を表示している。直進部23は、タンク部31における延伸方向C2の一端に接続されている。接続管21は、直進部23よりも上流側に、U字形状に湾曲した湾曲部22を有している。湾曲部22によって、スロットルボディ12とタンク部31との間の曲がった流路が構成されている。湾曲部22を有する接続管21によって、スロットルボディ12を通過した吸気が接続管21を通過することで吸気の流れの方向が180°変更されてタンク部31が区画する集合部32に吸気が導入される。
接続管21は、スロットルボディ12とタンク部31との間の曲がった流路を内周側の流路28と外周側の流路29とに分ける仕切板25を備えている。仕切板25は、図2に示すように接続管21が構成する流路に沿って上流側から下流側に延びている。また、仕切板25は、図3に示すように接続管21の内壁を基端として、接続管21の流路断面における中心を通過して径方向に延びて流路を分けている。仕切板25における基端と反対側の端部は内壁と離間しており、仕切板25によって分けられている流路間を連通する間隙が形成されている。
図3には、仕切板25におけるスロットルボディ12側の端部である上流端部26を示している。さらに、スロットルバルブ13の回動軸14を吸気通路11の流路に沿って上流端部26に投影した投影線14Aを示している。投影線14Aと上流端部26とは、接続管21の流路断面における中心において交差している。さらに吸気装置10では、投影線14Aと上流端部26とが直交するように、スロットルバルブ13及び仕切板25が配置されている。
図2に示すように、仕切板25におけるタンク部31側の端部である末端部27は、接続管21の直進部23に配置されており、延伸方向C2に延びている。
図2及び図4に示すように、集合部32を区画するタンク部31は、集合部32を挟んでマニホールドユニット41とは反対側の区画壁を構成する上壁33に開口している導入部34を備えている。接続管21の直進部23は、導入部34に接続されている。
マニホールドユニット41が有する第1支路61~第6支路66のうち、気筒番号が「#6」の気筒に接続されている第6支路66と、気筒番号が「#4」の気筒に接続されている第4支路64と、気筒番号が「#2」の気筒に接続されている第2支路62とは、右バンク91Aの気筒に吸気を分配する右バンク側支路を構成している。図1及び図2に示すように、右バンク側支路は、タンク部31における接続管21が接続している部分よりも右バンク91A側で集合部32に接続している。右バンク側支路は、右バンク91Aにおける右側気筒群の配列方向に沿って、タンク部31における接続管21が接続している部分から近い順に第6支路66と第4支路64と第2支路62とが並んでいる。すなわち、右バンク側支路は、延伸方向C2に沿って並んでいる。右バンク側支路における各支路は、延伸方向C2において互いに離間している。
マニホールドユニット41が有する第1支路61~第6支路66のうち、気筒番号が「#5」の気筒に接続されている第5支路65と、気筒番号が「#3」の気筒に接続されている第3支路63と、気筒番号が「#1」の気筒に接続されている第1支路61とは、左バンク91Bの気筒に吸気を分配する左バンク側支路を構成している。図1及び図2に示すように、左バンク側支路は、タンク部31における接続管21が接続している部分よりも左バンク91B側で集合部32に接続している。左バンク側支路は、左バンク91Bにおける左側気筒群の配列方向に沿って、タンク部31における接続管21が接続している部分から近い順に第5支路65と第3支路63と第1支路61とが並んでいる。すなわち、左バンク側支路は、延伸方向C2に沿って並んでいる。左バンク側支路における各支路は、延伸方向C2において互いに離間している。
また、左バンク側支路と、右バンク側支路とは、延伸方向C2の一方側(図2における右側)から第1支路61、第2支路62、第3支路63、第4支路64、第5支路65、第6支路66の順に互い違いに配置されている。
図2には、集合部32と第1支路61~第6支路66との接続部分である第1接続部51~第6接続部56を破線で示している。第1接続部51~第6接続部56は、集合部32を区画するマニホールドユニット41に設けられている。
右バンク側支路との接続部分である第6接続部56と第4接続部54と第2接続部52は、右バンク91Aにおける右側気筒群の配列方向に沿って並んでいる。すなわち、第6接続部56と第4接続部54と第2接続部52は、延伸方向C2に沿って並んでいる。第6接続部56と第4接続部54と第2接続部52は、延伸方向C2において互いに離間している。
左バンク側支路との接続部分である第5接続部55と第3接続部53と第1接続部51は、左バンク91Bにおける左側気筒群の配列方向に沿って並んでいる。すなわち、第5接続部55と第3接続部53と第1接続部51は、延伸方向C2に沿って並んでいる。第5接続部55と第3接続部53と第1接続部51は、延伸方向C2において互いに離間している。
なお、接続管21の湾曲部22は、図2に示すように、直進部23を基点として右バンク側支路が設けられている側、すなわち右バンク91A側に曲がっている。
本実施形態の吸気装置10では、タンク部31を備えるサージタンクユニット20と、インテークマニホールド72を構成するマニホールドユニット41と、を組み合わせて、サージタンク71及びインテークマニホールド72が形成されている。吸気装置10は、吸気通路11に配置されているスロットルボディ12と、接続管21と、サージタンク71と、インテークマニホールド72と、によって構成されている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
まず、図5を参照して、比較例としての吸気装置110について説明する。図5には、吸気の流れを模式的に示す矢印を表示している。比較例の吸気装置110では、本実施形態の吸気装置10と同様の構成について吸気装置10の各構成の符号に100を加算した符号をそれぞれ付している。吸気装置110は、接続管121が構成する流路が仕切板によって分けられていない点で本実施形態の吸気装置10と異なる。こうした接続管121内を流れる吸気は、湾曲部122を通過する際に接続管121の内壁から剥離して湾曲部122の外周側に偏りやすい。接続管121を通過する吸気の流れの剥離によって、接続管121を通過してタンク部131に流入する吸気の流れが乱れると、サージタンク内での圧力損失が大きくなることがある。その結果、各支路を通じて吸気が導入される気筒では導入される吸気量の差に起因して気筒間での内圧のばらつきが生じる虞がある。
また、右バンク側支路と集合部132との接続部である第6接続部156と第4接続部154と第2接続部152では、接続管121を通過する吸気の流れの剥離によって湾曲部122の外周側に吸気が偏りやすいことによって、左バンク側支路と集合部132との接続部である第5接続部155と第3接続部153と第1接続部151と比較して吸気が流入しにくい。特に、接続管121とタンク部131との接続部分に最も近い第6接続部156は吸気が流入しにくい。これによっても気筒間での内圧のばらつきが生じる虞がある。
図6を参照して、本実施形態の吸気装置10について説明する。図6には、吸気の流れを模式的に示す矢印を表示している。
吸気装置10によれば、スロットルボディ12を通過した吸気は、仕切板25によって分けられる外周側の流路29と内周側の流路28とに流入する。これによって、接続管21が構成する流路を通過する吸気が外周側の流路29と内周側の流路28とに分けられて、タンク部31が区画する集合部32に導入される。さらに、内周側の流路28を流れる吸気が接続管21の内壁から剥離して湾曲部22の外周側に流れたとしても、仕切板25によって吸気を案内することができるため、湾曲部22の内周側を通過させて吸気を集合部32に導入することができる。すなわち、仕切板25によって接続管21内を流れる吸気を案内することができ、吸気が湾曲部22の外周側に偏ることを抑制できる。これによって、接続管21を通過してタンク部31が区画する集合部32に流入する吸気の流れが乱れにくくなり、タンク部31内での圧力損失が大きくなることを抑制できる。
このように吸気装置10では、仕切板25が設けられていることによって、湾曲部22が構成する流路の外周側への吸気の流れの偏りを緩和することができる。このため、比較例の吸気装置110のように仕切板が設けられていない場合と比較して右バンク側支路にも吸気が流入しやすくなる。これによって、気筒間での内圧のばらつきを小さくすることができ、気筒間での内圧のばらつきが引き起こす騒音の発生を抑制することができる。
さらに、吸気装置10では、タンク部31に接続する接続管21の直進部23に、仕切板25の末端部27が配置されている。そして、仕切板25の末端部27は、接続管21の直進部23と同様に、クランクシャフト96の回転中心軸の延伸方向C2に延びている。そのため、サージタンク71に導入される吸気が延伸方向C2に沿って流れるように案内される。すなわち、接続管21を通過してサージタンク71に流入する吸気の流れの乱れを抑制するとともに、延伸方向C2に指向させてサージタンク71内に吸気を導入することができる。したがって、タンク部31における接続管21が接続している部分から最も離間した位置に接続している支路である第1支路61にも吸気が流入しやすくなる。これによって、気筒間での内圧のばらつきを小さくすることができる。
吸気装置10では、スロットルバルブ13がバタフライバルブであるため、円形の弁体15が回動軸14を中心に回動し、弁体15は回動軸14を挟んで一方が上流側に他方が下流側に開く。そのため、弁体15が上流側に開いている部分を通過した吸気の流れと弁体15が下流側に開いている部分を通過した吸気の流れには違いが生じやすい。この点、吸気装置10では、スロットルバルブ13の回動軸14の投影線14Aと仕切板25における上流端部26とは、接続管21の流路断面における中心において交差している。そして、投影線14Aと上流端部26とが直交するようになっている。このため、弁体15が上流側に開いている部分を通過した吸気の流れと弁体15が下流側に開いている部分を通過した吸気の流れとを仕切板25によって等分して仕切板25によって区画される内周側の流路28と外周側の流路29とに流入させることができる。これによって、スロットルボディ12を通過することによる吸気の流れの偏りを、接続管21を通過させることによって緩和し、サージタンク内における吸気の乱れを抑制することができる。
以下、上記実施形態における事項と、上記「課題を解決するための手段」の欄に記載した事項との対応関係を記載する。
右バンク91Aは、第1バンクに対応し、左バンク91Bは、第2バンクに対応する。右バンク側支路は、第1バンク側支路に対応し、左バンク側支路は、第2バンク側支路に対応する。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第1実施形態では、接続管21が構成する流路を分ける仕切板25として、接続管21の流路断面における中心を通過するように伸びる仕切板25を例示した。接続管21が構成する流路を内周側の流路と外周側の流路とに分ける仕切板としては、接続管21の流路断面における中心からずれた位置を通過するように伸びていてもよい。
・上記第1実施形態では、仕切板25の端部と接続管21の内壁との間に間隙を設けて内周側の流路28と外周側の流路29とが連通するように構成したが、間隙を設けず内周側の流路28と外周側の流路29とを完全に隔てる仕切板を採用してもよい。
(第2実施形態)
図7及び図8を用いて、第2実施形態の吸気装置210について説明する。
上記第1実施形態の吸気装置10では、接続管21が構成する流路を分ける仕切板25として、接続管21の流路断面における中心を通過するように伸びる仕切板25を採用した。第2実施形態の吸気装置210は、接続管の流路断面における中心からずれた位置を仕切板が通過する点で第1実施形態と異なる。以下では、第1実施形態と共通の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して説明を適宜省略する。
図7は、吸気装置210を示している。吸気装置210のサージタンクユニット220は、スロットルボディ12とタンク部31とを接続する接続管221を備えている。接続管221は、U字形状に湾曲した湾曲部222を有している。湾曲部222によって、スロットルボディ12とタンク部31との間の曲がった流路が構成されている。
図7には、接続管221の中心軸に沿った軸線C11を表示している。U字形状の湾曲部222において、軸線C11よりも内側を内周部222Iとして、軸線C11よりも外側を外周部222Oとして、図7及び図8に表示している。
図7に示すように、接続管221は、スロットルボディ12とタンク部31との間の曲がった流路を内周側の流路228と外周側の流路229とに分ける仕切板225を備えている。仕切板225は、接続管221が構成する流路に沿って上流側から下流側に延びている。仕切板225は、図7に示すように、外周部222Oに配置されている。仕切板225におけるタンク部31側の端部である末端部227は、接続管221の直進部223に配置されており、延伸方向C2に延びている。
図7及び図8には、仕切板225におけるスロットルボディ12側の端部である上流端部226を示している。図8には、スロットルバルブ13の回動軸14を吸気通路11の流路に沿って上流端部226に投影した投影線14Aを示している。また、図8には、投影線14Aと交差して、接続管221の流路断面における中心を通過する軸線C12を表示している。
図8に示すように、仕切板225は、接続管221の内壁224と接続している端部を基端部225Aとして、軸線C12よりも外周部222O側を通過するように接続管221の径方向に延びて流路を分けている。仕切板225の基端部225Aに対して反対側の端部である先端部225Bは、内壁224と離間している。先端部225Bが内壁224と離間しているため、先端部225Bと内壁224との間には、仕切板225によって分けられている流路間を連通する間隙CRE21が形成されている。仕切板225が外周部222O側に配置されていることによって、内周側の流路228における流路断面積は、外周側の流路229における流路断面積よりも大きくなっている。
図8に示すように、接続管221は、仕切板225の基端部225Aが接続されている第1ハウジング221Uと、第1ハウジング221Uと組み合わされて管状をなす第2ハウジング221Dと、によって構成されている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
接続管は、製造上の都合等によって、第1ハウジング221Uと第2ハウジング221Dとによって構成される接続管221のように複数のハウジングが組み合わされていることがある。複数のハウジングによって接続管が構成されている場合、仕切板の基端部及び先端部の双方を接続管の内壁に接続することが難しい場合がある。図8に示す間隙CRE21のように仕切板の先端部と接続管の内壁との間に間隙がある吸気装置では、内周側の流路を流れる吸気が間隙を通過して外周側の流路に流入する。このため、内周側の流路を流れる吸気と外周側の流路を流れる吸気との割合が崩れることがある。内周側の流路を流れる吸気と外周側の流路を流れる吸気との割合が崩れると、接続管を通過してタンク部に流入する吸気の流れの乱れが引き起こされる場合がある。
スロットルバルブ13を通過して接続管221に流入した吸気は、湾曲部のU字形状に沿って流れる。このとき、湾曲部222の下流側に行くほど吸気が外周部222O側に流れやすい。内周側の流路228を流れる吸気が間隙CRE21を通過して外周側の流路229に流入しやすい。そこで、吸気装置210では、仕切板225を外周部222O側に配置することによって、内周側の流路228を外周側の流路229よりも広くしている。すなわち、吸気が間隙CRE21を通過して内周側の流路228から外周側の流路229に流入することを想定して、内周側の流路228を通過する吸気の比率と外周側の流路229を通過する吸気の比率とを同程度に近づけることができる。これによって、接続管221を通過してタンク部31に流入する吸気を整流することができる。
(第3実施形態)
図9及び図10を参照して第3実施形態の吸気装置310について説明する。
吸気装置310は、接続管321内の流路を分ける仕切板として第1仕切板331と第2仕切板337とを備えている点で上記第1実施形態の吸気装置10及び第2実施形態の吸気装置210と異なる。以下では、第1実施形態と共通の構成については、第1実施形態と同一の符号を付して説明を適宜省略する。
図9及び図10に示すように、吸気装置310は、タンク部31とスロットルボディ12とを接続する接続管321を備えている。図9は、スロットルボディ12と接続管321との接続部分における断面構造を示している。
接続管321は、第2実施形態の吸気装置210における接続管221と同様に、複数のハウジングによって構成されている。図9に示すように、接続管321は、第1ハウジング321Uと第2ハウジング321Dとが組み合わされて構成されている。
接続管321には、接続管321が構成する流路に沿って上流側から下流側に延びて流路を分ける仕切板として、第1仕切板331及び第2仕切板337が設けられている。
吸気装置310では、図9に示すように、スロットルバルブ13において、回動軸14を中心に回動する弁体のうち、スロットルバルブ13を全閉状態から開弁させるときに吸気の流路における上流側に傾くことによって流路を開く側を第1弁体15Dとする。第1弁体15Dは、第2ハウジング321D側に位置している。また、回動軸14を中心に回動する弁体のうち、スロットルバルブ13を全閉状態から開弁させるときに吸気の流路における下流側に傾くことによって流路を開く側を第2弁体15Uとする。第2弁体15Uは、第1ハウジング321U側に位置している。
図9には、第1仕切板331及び第2仕切板337と交差して、接続管321内の流路を二つの領域に分ける仮想面を表す直線C21を示している。当該仮想面は、接続管321内の流路を、第1弁体15D側の領域である第1管内領域ARA31と、第1管内領域ARA31以外の領域である第2管内領域ARA32と、に分ける仮想の平面である。第3実施形態では、図9において仮想面を表す直線C21は、接続管321の中心軸と一致している。
図9に示すように、第1仕切板331は、第1ハウジング321Uに接続されている。第1仕切板331は、第1ハウジング321Uに接続されている基端331Aから第2ハウジング321D側に直線C21を越えて延びている長躯部334を備えている。すなわち、長躯部334における基端331Aとは反対側の端である先端334Bは、第1管内領域ARA31に位置している。さらに、長躯部334の先端334Bは、第2ハウジング321Dと接続されていない。このため、長躯部334の先端334Bと第2ハウジング321Dとの間には、第3間隙CRE313が形成されている。図10に示すように、長躯部334におけるタンク部31側の端である末端336は、接続管321の直進部に配置されている。
第1仕切板331は、長躯部334におけるスロットルボディ12側に接続されている短躯部332を備えている。短躯部332は、第1ハウジング321Uに接続されている基端331Aから第2ハウジング321D側に延びている。短躯部332における基端331Aとは反対側の端である先端332Bは、第2管内領域ARA32に位置している。
図9に示すように、第2仕切板337は、長躯部334よりもスロットルボディ12側に配置されている。第2仕切板337は、第2ハウジング321Dに接続されている。第2仕切板337は、第2ハウジング321Dに接続されている基端337Aから第1ハウジング321U側に直線C21を越えて延びている。第2仕切板337における基端337Aとは反対側の端である先端337Bは、第2管内領域ARA32に位置している。
第2仕切板337におけるタンク部31側の端である末端339は、長躯部334におけるスロットルボディ12側の端である上流端335と対向している。第2仕切板337の末端339と長躯部334の上流端335との間には、第2間隙CRE312が形成されている。また、第2仕切板337の先端337Bは、短躯部332の先端332Bと対向している。第2仕切板337の先端337Bと短躯部332の先端332Bとの間には、第1間隙CRE311が形成されている。すなわち、接続管321の径方向における第2仕切板337の長さと接続管321の径方向における短躯部332の長さとの和は、第2仕切板337の基端337Aと先端337Bとを結ぶ方向における接続管321の内径よりも短い。さらに、直線C21の延びる方向において、短躯部332におけるスロットルボディ12側の端部である上流端333が位置する地点は、第2仕切板337におけるスロットルボディ12側の端部である上流端338が位置する地点と等しい。
換言すれば、図9に示す断面構造において、第1仕切板331は、短躯部332の先端332Bよりも第2ハウジング321D側と長躯部334の上流端335よりもスロットルボディ12側とが切り欠かれた形状をしている。そして、第2仕切板337は、第1仕切板331が切り欠かれた空間を埋めるように配置されている。
図9及び図10を用いて、直線C21の延びる方向における第2仕切板337の長さについて説明する。図10には、スロットルボディ12よりも上流側の吸気通路11を、吸気通路11が延びる方向をそのままにしてスロットルボディ12よりも下流側に伸ばしたと仮定した場合の仮想線を二点鎖線で表示し、湾曲部322の内周部322Iと接続している側の仮想線を仮想線L11としている。
図9及び図10に示すように、第2仕切板337は、吸気の流れの方向において、規定の長さの範囲である上流範囲RNGに配置されている。上流範囲RNGにおけるスロットルボディ12側の基点は、第2仕切板337の上流端338である。第2仕切板337は、第2仕切板337の上流端338を基点として上流範囲RNGに設けられている。図9に示すように、第2仕切板337の上流端338から末端339までの長さは、上流範囲RNGの長さに等しい。図10に示すように、湾曲部322が内周部322Iと外周部322Oとを有しておりU字形状に湾曲しているため、スロットルボディ12よりも下流側において湾曲部322に設けられている第2仕切板337は、仮想線L11と交差する。上流範囲RNGの終点は、第2仕切板337と仮想線L11との交点に等しい。上流範囲RNGは、スロットルボディ12を通過した吸気が湾曲部322に流入することによって直進する吸気の流れの方向が曲がり始める範囲ということができる。換言すれば、上流範囲RNGでは、直進する吸気が第1仕切板331及び第2仕切板337に衝突しやすい。
図9に示すように、第1間隙CRE311は、第2管内領域ARA32における上流範囲RNGに位置している。すなわち、接続管321は、第2管内領域ARA32における上流範囲RNGにおいて、第1間隙CRE311によって、第1及び第2仕切板331,337を挟む内周側の流路と外周側の流路とが連通している。第3間隙CRE313は、第1管内領域ARA31における上流範囲RNGよりも下流に位置している。
第1間隙CRE311及び第3間隙CRE313は、直線C21の延びる方向に延びている。第2間隙CRE312は、接続管321の径方向に延びている。第2間隙CRE312は、接続管321の径方向における一方が第1間隙CRE311と接続され、他方が第3間隙CRE313と接続されている。
吸気装置310は、第1管内領域ARA31における上流範囲RNGでは、第2仕切板337によって、接続管321内の流路が内周側の流路と外周側の流路とに分けられている。
本実施形態の作用及び効果について説明する。
バタフライバルブが開弁する場合、弁体が上流側に開いている部分を通過した吸気の流れは、弁体が下流側に開いている部分を通過した吸気の流れよりも速くなりやすい。このため、吸気装置310では、スロットルバルブ13を全閉状態から開弁させるとき、スロットルバルブ13よりも下流側では、第1弁体15D側の第1管内領域ARA31の方が第2管内領域ARA32よりも吸気の流れが速くなりやすい。なお、スロットルバルブ13を閉弁する直前でも同様に、スロットルバルブ13よりも下流側では、第1弁体15D側の第1管内領域ARA31の方が第2管内領域ARA32よりも吸気の流れが速くなりやすい。
吸気装置310は、スロットルバルブ13を開弁させるときに吸気の流れが比較的遅い第2管内領域ARA32に、仕切板を挟む内周側の流路と外周側の流路とが連通する間隙であり、最もスロットルボディ12側の間隙である第1間隙CRE311が形成されるように、第1仕切板331と第2仕切板337とを配置している。このため、スロットルバルブ13を通過して第1間隙CRE311に到達する吸気の流れは、比較的遅いことになる。これによって、第1間隙CRE311があるものの、第1及び第2仕切板331,337を挟む内周側の流路を流れる吸気と外周側の流路を流れる吸気とが混ざりにくくなる。すなわち、吸気装置310によれば、仕切板の長さが接続管321の内径よりも短く内周側の流路と外周側の流路とを連通する間隙が形成されていても、第1及び第2仕切板331,337によって奏することのできる吸気の乱れを抑制する効果が小さくなることを抑制できる。
上流範囲RNGは、直進する吸気が第1仕切板331及び第2仕切板337に衝突しやすい範囲である。このため、上流範囲RNGにおいて仕切板に間隙が形成されている場合、内周側の流路を流れる吸気が間隙を介して外周側の流路に流入しやすいといえる。この点、吸気装置310は、スロットルバルブ13を開弁させるときに吸気の流れが比較的速い第1管内領域ARA31では、上流範囲RNGにおいて間隙が形成されないように第1及び第2仕切板331,337を配置している。このため、上流範囲RNGにおいて流速の速い吸気を第2仕切板337によって内周側の流路と外周側の流路とに分けて案内することができ、接続管321を通過する吸気の流れを整流することができる。
吸気装置310は、第1管内領域ARA31における上流範囲RNGでは、第2仕切板337によって吸気を案内することができる。このため、第1管内領域ARA31における上流範囲RNGよりも下流では、吸気が内周側の流路と外周側の流路とに分けて流れやすい。そこで、吸気装置310では、第1管内領域ARA31における上流範囲RNGよりも下流に第3間隙CRE313が位置するように、第1及び第2仕切板331,337を配置している。これによって、上流範囲RNGよりも下流に間隙があるものの、内周側の流路を流れる吸気を外周側の流路に流入しにくくすることができる。
本実施形態は、以下のように変更して実施することができる。本実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
・上記第3実施形態において、第2実施形態の吸気装置210のように接続管の流路断面における中心からずれた位置を仕切板が通過する構成を採用してもよい。
・上記第3実施形態では、第2仕切板337の長さを上流範囲RNGの長さと等しくしているが、第2仕切板337の長さは、上流範囲RNGより短くてもよいし上流範囲RNGより長くてもよい。すなわち、規定の長さの範囲は、上流範囲RNGに限らない。
・上記第3実施形態では、第2仕切板337の長さを規定の長さの範囲である上流範囲RNGの長さと等しくしている。第1管内領域ARA31の上流範囲RNGにおいて、第2仕切板337によって、接続管321内の流路が内周側の流路と外周側の流路とに分けられているのであれば、第2仕切板337の長さを上流範囲RNGの長さよりも長くしてもよい。
・上記第3実施形態では、スロットルバルブ13は、全閉状態から開弁させるときに第1ハウジング321U側に位置している第2弁体15Uが下流側に傾き、第2ハウジング321D側に位置している第1弁体15Dが上流側に傾くバタフライバルブである。吸気装置に採用可能なバタフライバルブは、スロットルバルブ13に限られるものではない。
たとえば、図11に示す吸気装置410は、スロットルバルブ413が内蔵されているスロットルボディ412を採用している。吸気装置410の接続管421は、第3実施形態における接続管321と同様に、第1ハウジング421Uと第2ハウジング421Dとによって構成されている。吸気装置410は、第3実施形態における接続管321と同様に、第1仕切板431と第2仕切板437とを備えている。第1仕切板431と第2仕切板437とによって、接続管321内の流路が内周側の流路と外周側の流路とに分けられているとともに、内周側の流路と外周側の流路とを連通する間隙が形成されている。
スロットルバルブ413において、回動軸414を中心に回動する弁体のうち、スロットルバルブ413を全閉状態から開弁させるときに吸気の流路における上流側に傾くことによって流路を開く側を第1弁体415Uとする。第1弁体415Uは、第1ハウジング421U側に位置している。また、回動軸414を中心に回動する弁体のうち、スロットルバルブ413を全閉状態から開弁させるときに吸気の流路における下流側に傾くことによって流路を開く側を第2弁体415Dとする。第2弁体415Dは、第2ハウジング421D側に位置している。
こうしたスロットルバルブ413を採用する場合には、最もスロットルボディ412側の間隙である第1間隙CRE411が第2管内領域ARA42に位置するように、第1仕切板431と第2仕切板437とを配置するとよい。すなわち、長躯部334と短躯部332とを有する第1仕切板331が第1ハウジング321Uに接続されている第3実施形態の吸気装置310に対して、図11に示すように、長躯部と短躯部とを有する第1仕切板431を第2ハウジング421Dから突出させる。さらに、第1仕切板431の短躯部と向かい合う位置に、第1ハウジング421Uから突出する第2仕切板437を配置する。図11には、接続管421内の流路を、第1弁体415U側の領域である第1管内領域ARA41と、第1管内領域ARA41以外の領域である第2管内領域ARA42と、に分ける仮想面を表す直線C21を表示している。直線C21は、接続管421の中心軸と一致している。なお、第2仕切板437は、第3実施形態における第2仕切板337と同様に、上流範囲に設けられている。
第1間隙CRE411は、第2管内領域ARA42における上流範囲に位置している。すなわち、接続管421は、第2管内領域ARA42における上流範囲において、第1間隙CRE411によって、第1及び第2仕切板431,437を挟む内周側の流路と外周側の流路とが連通している。第3間隙CRE413は、第1管内領域ARA41における上流範囲よりも下流に位置している。第2間隙CRE412は、第1間隙CRE411と第3間隙CRE413とを接続している。
吸気装置410は、第1管内領域ARA41における上流範囲では、第2仕切板437によって、接続管421内の流路が内周側の流路と外周側の流路とに分けられている。
すなわち、吸気装置410は、上記第3実施形態と同様に、スロットルバルブ413を開弁させるときに吸気の流れが比較的遅い第2管内領域ARA42に、仕切板を挟む内周側の流路と外周側の流路とが連通する間隙であり、最もスロットルボディ412側の間隙である第1間隙CRE411が形成されるように、第1及び第2仕切板431,437を配置している。このため、吸気装置410は、上記第3実施形態と同様の効果を奏することができる。
・上記第3実施形態では、直線C21の軸線方向において、短躯部332の上流端333が位置する地点は、第2仕切板337の上流端338が位置する地点と等しい。短躯部332の上流端333と第2仕切板337の上流端338のうち一方が、他方よりもスロットルボディ12側に位置していてもよい。
・上記第3実施形態では、長躯部334と短躯部332とを有する第1仕切板331を採用している。短躯部を設けることは、必須の構成ではない。たとえば、スロットルバルブ13を採用する場合には、図12に示す構成が考えられる。また、スロットルバルブ413を採用する場合には、図13に示す構成が考えられる。
図12は、吸気装置510を示している。図12では、直線C21で表される仮想面によって分けられる第1弁体15D側の領域を第1管内領域ARA51と表示して、第2弁体15U側の領域を第2管内領域ARA52と表示している。吸気装置510は、接続管521の第2ハウジング521D側を基端537Aとする第2仕切板537が第2仕切板337と比較して長く、第2仕切板537の先端537Bと第1ハウジング521Uとの間に第1間隙CRE511が形成されている点で、第3実施形態の吸気装置310と異なる。吸気装置510は、接続管521の第1ハウジング521U側を基端531Aとする第1仕切板531を備えている。吸気装置510では、第2仕切板537の末端539と第1仕切板531の上流端532との間には、第2間隙CRE512が形成されている。吸気装置510では、第1仕切板531の先端531Bと第2ハウジング521Dとの間には、第3間隙CRE513が形成されている。
すなわち、吸気装置510では、スロットルバルブ13を開弁させるときに吸気の流れが比較的遅い第2管内領域ARA52に、仕切板を挟む内周側の流路と外周側の流路とが連通する間隙であり、最もスロットルボディ12側の間隙である第1間隙CRE511が形成されるように、第1及び第2仕切板531,537が配置されている。
図13は、吸気装置610を示している。図13では、直線C21で表される仮想面によって分けられる第1弁体415U側の領域を第1管内領域ARA61と表示して、第2弁体415D側の領域を第2管内領域ARA62と表示している。吸気装置610では、第2仕切板637が接続管621の第1ハウジング621Uに接続されている。第1仕切板631が第2ハウジング621Dに接続されている。吸気装置610では、第2仕切板637と第1ハウジング621Uとの間に第1間隙CRE611が形成されている。第2仕切板637と第1仕切板631との間には、第2間隙CRE612が形成されている。第1仕切板631と第2ハウジング621Dとの間には、第3間隙CRE613が形成されている。
すなわち、吸気装置610では、スロットルバルブ413を開弁させるときに吸気の流れが比較的遅い第2管内領域ARA62に、仕切板を挟む内周側の流路と外周側の流路とが連通する間隙であり、最もスロットルボディ412側の間隙である第1間隙CRE611が形成されるように、第1及び第2仕切板631,637が配置されている。
吸気装置510及び吸気装置610においても、上記第3実施形態の吸気装置310と同様の効果を奏することができる。
・上記第3実施形態は、第1仕切板331と第2仕切板337とを備えている。仕切板は、必ずしも二つなくてもよい。
たとえば、図14に示す吸気装置710のように一つの仕切板725を備える場合であっても、スロットルバルブ13を開弁させるときに第1管内領域ARA71と比較的して吸気の流れが遅い第2管内領域ARA72に間隙CRE71が位置するように仕切板725を配置することによって、第3実施形態のように上流範囲において吸気の流れを整流する効果を奏することができる。なお、この場合、仕切板725の末端は、接続管の直進部に配置されている。吸気装置710でも、第1管内領域ARA71における上流範囲では、仕切板725によって、接続管内の流路が内周側の流路と外周側の流路とに分けられている。
吸気装置710ではスロットルバルブ13を採用しているが、一つの仕切板を備える吸気装置にスロットルバルブ413を採用することもできる。この場合にも、スロットルバルブ413を開弁させるときに比較的吸気の流れが遅い領域に間隙が位置するように仕切板を配置することによって、吸気装置710と同様の効果を奏することができる。
・上記第3実施形態は、第1仕切板331と第2仕切板337とを備えている。吸気装置としては、仕切板を三つ以上備えていてもよい。たとえば、第1仕切板がさらに切り欠かれた形状をしており、当該切り欠かれた空間を埋めるように第3仕切板が配置されていてもよい。
・上記第3実施形態では、第1管内領域ARA31に第1間隙CRE311が位置するように第1及び第2仕切板331,337を配置している。第1間隙CRE311の位置は、第1管内領域ARA31に限られるものではない。第1管内領域ARA31の上流範囲RNGにおいて、第2仕切板337によって接続管321内の流路が内周側の流路と外周側の流路とに分けられているのであればよいため、第1間隙CRE311が直線C21上に位置するように第1及び第2仕切板331,337を配置することもできる。
・上記第3実施形態では、スロットルバルブとしてバタフライバルブを採用している。スロットルバルブとしては、スライドバルブを採用することもできる。
図15及び図16には、吸気装置910を示している。図15及び図16には、吸気装置910に採用されるスライドバルブの一例として、スロットルボディ912に収容されているスライドバルブ913を示している。吸気装置910は、接続管921に仕切板925を備えている。仕切板925の末端は、接続管の直進部に配置されている。
図15及び図16には、接続管921の中心軸を示す直線C21を図示している。スライドバルブ913の弁体914は、吸気の流路を閉塞可能な板状である。弁体914は、直線C21と直交する方向に移動可能である。図15には、スライドバルブ913が開弁する場合に弁体914が移動する方向を示す矢印を図示している。弁体914には、弁孔915が形成されている。スライドバルブ913の弁体914が移動して弁孔915が流路内に移動すると、弁孔915によって流路が連通される。
接続管921内の流路は、仕切板925と交差する仮想面によって二つの領域に分けられている。接続管921において、スライドバルブ913の開弁時に弁孔915が流路内に移動してくる側を第1管内領域ARA91としている。第1管内領域ARA91は、直線C21に対して、スライドバルブ913を全閉状態から開弁させるときに、スライドバルブ913よりも上流側の流路と下流側の流路とが連通し始める側の領域である。接続管921において、第1管内領域ARA91に対して直線C21を挟んだ他方の領域を第2管内領域ARA92としている。第2管内領域ARA92は、スライドバルブ913が開弁し始めたときには吸気が通過しにくい領域である。また、第2管内領域ARA92は、スライドバルブ913を閉弁する直前において吸気が通過しにくい領域でもある。図15及び図16において、第1管内領域ARA91と第2管内領域ARA92とを分ける仮想面を表す直線は、直線C21と一致している。
仕切板925は、第1管内領域ARA91側を基端925Aとして接続管921の内壁に接続されている。仕切板925の先端925Bは、第2管内領域ARA92に位置している。このため、吸気装置910でも、第1管内領域ARA91における上流範囲では、仕切板925によって、接続管内の流路が内周側の流路と外周側の流路とに分けられている。仕切板925の先端925Bと接続管921の内壁との間には、間隙CRE91が形成されている。すなわち、吸気装置910は、スライドバルブ913が開弁し始めたときには吸気が通過しにくい第2管内領域ARA92に、仕切板925を挟む内周側の流路と外周側の流路とが連通する間隙CRE91を配置している。これによって、間隙CRE91があるものの、仕切板によって得られる吸気の乱れを抑制する効果が小さくなることを抑制できる。
図16には、スライドバルブ913が全開にされた状態を示している。図16に示すように、スライドバルブ913は、全開状態であっても、弁孔915の径D15が流路の内径よりも小さい。すなわち、スライドバルブ913は、全開状態であっても、弁体914の一部が接続管921の流路内に突出している。このため、スライドバルブ913は、当該スライドバルブ913を全開状態にしたとき、弁体914によって接続管921内の流路が遮られる領域と、弁体914によって接続管921内の流路が遮られない領域と、を有している。弁体914によって接続管921内の流路が遮られない領域とは、弁体914に開口している弁孔915によって接続管921内の流路が連通される領域のことである。図16において、接続管921内における当該領域間の境界を境界面として、境界面を吸気の流路に沿って仕切板925におけるスライドバルブ913側の端部に投影したとする。図16には、境界面を投影した投影線に沿って直線C21の軸線方向に伸ばした仮想線L15を示している。仮想線L15は、間隙CRE91と直線C21との間に位置している。仕切板925の基端925Aから先端925Bまでの長さは、基端925Aと先端925Bとを結ぶ方向における基端925Aから仮想線L15までの長さよりも長くなっている。基端925Aから仮想線L15までの長さは、図16に示す弁孔915の径D15と等しい。すなわち、仮想線L15は、仕切板925と交差している。換言すれば、仕切板925は、弁孔915によって接続管921内の流路が連通される領域において、接続管921内の流路を内周側の流路と外周側の流路とに分けている。このため、吸気装置910では、仕切板925と接続管921の内壁との間に間隙CRE91が形成されているものの、スライドバルブ913を通過した吸気を仕切板925によって内周側の流路と外周側の流路とに分けることができる。
・図15及び図16に示す上記構成では、一つの仕切板925を備える吸気装置910にスライドバルブ913を採用している。スライドバルブ913は、第3実施形態の吸気装置310のように二つの仕切板を備える吸気装置に適用することもできる。また、三つ以上の仕切板を備える吸気装置に適用することもできる。この場合においても、第1管内領域における上流範囲では、仕切板925によって、接続管内の流路が内周側の流路と外周側の流路とに分けられるようにするとよい。さらに、最もスロットルボディ側に形成される間隙と直線C21との間に仮想線L15が位置するように仕切板を配置するとよい。これによって、図15及び図16に示す上記構成と同様の効果を奏することができる。
その他、上記各実施形態に共通して変更可能な要素としては次のようなものがある。
・上記第1実施形態では、スロットルバルブ13の回動軸14の投影線14Aと仕切板25の上流端部26とが直交するようにスロットルバルブ13と仕切板25とを配置している。上記各実施形態におけるスロットルバルブと仕切板との配置態様としては、これに限られるものではない。回動軸14の投影線14Aと上流端部26とが交差しているのであれば、回動軸14の投影線14Aと上流端部26とが一致したり平行であったりする場合と比較して、弁体15が上流側に開いている部分を通過した吸気の流れと弁体15が下流側に開いている部分を通過した吸気の流れとの双方が、仕切板25によって区画される内周側の流路28と外周側の流路29とに流入しやすくなる。すなわち、回動軸14の投影線14Aと上流端部26とが交差しているのであれば、弁体15が上流側に開いている部分を通過した吸気の流れと弁体15が下流側に開いている部分を通過した吸気の流れとの違いが接続管21を流れる間に緩和されてサージタンクに導入されるようになる効果を奏することができる。
・上記第1実施形態では、弁体15が円形のスロットルバルブ13を採用している。スロットルバルブの弁体は、形状が円形であることに限らない。例えば、スロットルバルブの弁体として四角形の弁体を採用することもできる。スロットルバルブ413についてもスロットルバルブ13と同様に形状の変更が可能である。
・上記第1実施形態では、弁体15の中心を通過する位置に回動軸14を備えるスロットルバルブ13を例示しているが、回動軸14が弁体15の中心からずれた位置を通過するように構成されていてもよい。スロットルバルブ413についてもスロットルバルブ13と同様に回動軸414の位置の変更が可能である。
・上記第1実施形態では、スロットルバルブ13の回動軸14の投影線14Aと仕切板25の上流端部26とが接続管21の流路断面における中心において交差するようにスロットルバルブ13と仕切板25とを配置しているが、スロットルバルブと仕切板との位置関係は、これに限られるものではない。たとえば、当該中心からずれた位置において投影線14Aと上流端部26とが交差するようにスロットルバルブ13と仕切板25とを配置してもよい。スロットルバルブ413についてもスロットルバルブ13と同様に仕切板に対する位置の変更が可能である。
・上記第1実施形態では、右バンク91Aを第1バンクとして左バンク91Bを第2バンクとする例を示しているが、複数の気筒を二つのバンクに分けて配列した内燃機関において、左バンク91Bを第1バンクとして、右バンク91Aを第2バンクとして、接続管21とタンク部31との接続部分を基点とした左バンク91B側に接続管21を曲げてもよい。
また、右バンク及び左バンクは、便宜上付した名称であり、内燃機関が車両に搭載される姿勢において、例えば第1バンクが車両前方に位置するバンクであり第2バンクが車両後方に位置するバンクであってもよい。
・上記第1実施形態では、吸気装置10を適用する例としてV型内燃機関を示している。上記各実施形態における吸気装置は、V型内燃機関に限らず、多気筒の内燃機関でありインテークマニホールド及びサージタンクを備えている内燃機関であれば適用することができる。
・上記第1実施形態では、六個の気筒を備える内燃機関を例示しているが、複数の気筒を備えているのであれば、内燃機関の気筒数は任意である。
・上記第1実施形態では、接続管21とタンク部31との接続部分に延伸方向C2に延びる直進部23を有している。上記各実施形態では、直進部23を省略することもできる。すなわち、接続管21から集合部32に流入する吸気の入射角度が、延伸方向C2に対して傾斜した角度となるように接続管21とタンク部31とが接続されていてもよい。
・上記第1実施形態では、接続管21の形状としてU字形状を採用し、接続管21によって構成されている流路によって吸気の流れる方向が180°変更される。上記各実施形態において、接続管が構成する流路が曲がっている接続管の形状は、U字形状に限られるものではない。例えば、吸気の流れる方向が90°変更されるような湾曲形状を採用してもよい。
・上記第1実施形態では、接続管21がなだらかに曲がった湾曲部22を有しているが、上記各実施形態は、湾曲部に替えて接続管が流路を屈曲させる屈曲部を有していてもよい。
・上記第1実施形態では、タンク部31の上壁33に開口している導入部34に接続管21が接続されている。上記各実施形態において、接続管は、タンク部31における延伸方向C2の一端側に接続されているのであれば、例えば集合部32を区画するタンク部31の側壁に接続されていてもよい。
・上記第1実施形態では、接続管21とタンク部31とを一体に成形したサージタンクユニット20を例示したが、サージタンクユニット20を、接続管21を構成する部品とタンク部31を構成する部品とに分け、これらの部品を組み合わせてサージタンクユニット20を構成してもよい。上記第2及び第3実施形態においても同様である。
・上記第1実施形態では、仕切板25の末端部27が延伸方向C2に延びているが、仕切板25におけるタンク部31側の末端部27が必ずしも延伸方向C2に延びていなくてもよい。つまり、上記各実施形態では、仕切板としては、末端部が吸気の流れを乱す形状になっていなければ、吸気の偏りを抑制し、接続管を通過する吸気の流れを整流することができる。
・上記第1実施形態では、接続管21が構成する流路を仕切板25によって内周側の流路28と外周側の流路29の二つの流路に分けている。上記各実施形態において、仕切板によって分ける流路の数は二つに限らない。例えば仕切板を二つ設けて、接続管が構成する流路を、内周側の流路と外周側の流路に加えて、内周側の流路と外周側の流路とに挟まれた中央の流路に分けるようにしてもよい。