JP7196586B2 - コンクリート又はモルタルの養生方法 - Google Patents

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Description

本発明は、コンクリート又はモルタルを給熱しつつ養生するための、コンクリート又はモルタルの養生方法に関する。
一般に、打設後のコンクリート又はモルタルは、硬化と所望の強度発現を促すよう、所定の期間にわたって養生を行う。養生を行う際には、少なくとも適切な温度と湿潤状態の保持が求められるため、コンクリート又はモルタルを打設した後、その打設面を養生シートで被覆することが一般に知られている。
例えば、特許文献1に開示されているコンクリート養生シートは、面状発熱体と断熱体を積層させて耐水性の優れたシートで被覆したものであり、コンクリートを被覆することにより、水密状態でコンクリート表面全体を均一に加熱する。これにより、寒冷地等でコンクリートを現場打設した場合であっても、蒸気や電熱線等を用いることなく容易に硬化及び強度発現に適した温度を保持することができる。
実公昭49-12441号公報
しかし、特許文献1のコンクリート養生シートは、例えば、寒中コンクリートの凍結防止や普通コンクリートにおける強度発現の促進を考慮しているため、打設後のコンクリートに対して給熱する面状発熱体の発熱可能温度は40℃程度に設計されている。したがって、近年需要が高まっている超高強度を実現するコンクリート又はモルタルの給熱養生にこの面状発熱体を適用して給熱を行っても、適した温度までコンクリート又はモルタル温度を上昇させることができない。
また、面状発熱体により、超高強度を実現するコンクリート又はモルタルに対して60℃を超えるような高温の給熱が可能になった場合であっても、高温に晒されたその表面は乾燥しやすい状態となる。したがって、上述するようなコンクリート養生シートでは、適切な湿潤状態を保持することが困難である。
このように、超高強度を実現するコンクリート又はモルタルを、高温で給熱しつつ湿潤状態を保持しながら養生することが容易ではないため、その多くが給熱養生に適した設備を有する工場等で製造されるプレキャスト部材にとどまっている。
本発明は、かかる課題に鑑みなされたものであって、その主な目的は、打設したコンクリート又はモルタルにおいて、ひび割れ等を生じさせることなく所望の強度を確実に発現させることの可能な、コンクリート又はモルタルの養生方法を提供することである。
かかる目的を達成するため本発明のコンクリート又はモルタルの養生方法は、打設後のコンクリート又はモルタルを前養生した後、前記コンクリート又はモルタルの少なくとも一面を給熱養生層で被覆し、前記給熱養生層により給熱して養生するコンクリート又はモルタルの養生方法であって、前記給熱養生層は、保水機能を有する湿潤マットと、温度調整機能を有する給熱マットを積層するとともに、防水シートが前記湿潤マットと前記給熱マットの間で前記湿潤マットを被覆するように配置されてなり、前記湿潤マットを、前記コンクリート又はモルタルに接して配置することを特徴とする。
また、本発明のコンクリート又はモルタルの養生方法は、前記給熱養生層が断熱マットを含み、前記湿潤マット、前記給熱マット、前記断熱マットの順に積層することが好ましい。
本発明のコンクリート又はモルタルの養生方法によれば、湿潤マットおよび給熱マット、必要に応じてさらに断熱マットを備えた給熱養生層でコンクリート又はモルタルの少なくとも一面を被覆し、給熱マットを用いて給熱しつつ、被覆した表面を湿潤マットで保水した水分によって湿潤状態に保持する。これにより、コンクリート又はモルタル温度が上昇した場合にも、その表面に湿潤状態を保持させることができるため、ひび割れ等を生じさせることなく、所望の強度を確実に発現させることが可能となる。
このように、給熱養生に適した設備を有する工場等の環境でなくても、施工現場等において、打設後のコンクリート又はモルタルに給熱養生を実施できるため、超高強度を実現するコンクリート又はモルタルのような、給熱養生を必要とするコンクリート又はモルタルを現場施工することが可能となる。また、給熱養生層で被覆できれば、その大きさや形状等に制約がなく設計の自由度も高まることから、給熱養生を必要とするコンクリート又はモルタルの活用範囲を大幅に拡大することが可能となる。
本発明のコンクリート又はモルタルの養生方法によれば、給熱温度が60℃を超えるような高温であっても、湿潤マットに保水された水分の逸散を防水シートにより防止して、コンクリート又はモルタルの表面における湿潤状態を確実に保持することが可能となる。
本発明のコンクリート又はモルタルの養生方法は、前記コンクリート又はモルタルにおける前記給熱養生層で被覆した一面に対向する他の面を、別の給熱養生層で被覆することが好ましい。
本発明のコンクリート又はモルタルの養生方法によれば、給熱養生の対象となるコンクリート又はモルタルの部材厚さや幅が大きい場合であっても、その中心部まで確実に給熱することが可能となる。
本発明によれば、打設したコンクリート又はモルタルの少なくとも一面を、湿潤マットおよび給熱マットを備える給熱養生層で被覆することにより、給熱マットを用いて給熱を行いつつ、湿潤マットで被覆した表面における湿潤状態を保持でき、コンクリート又はモルタルにおいて適切な湿潤状態を保持させ、ひび割れ等を生じさせることなく所望の強度を確実に発現させることが可能となる。
本実施の形態におけるコンクリートの表面に給熱養生層を形成した様子を示す図である。 本実施の形態における給熱マットの詳細を示す図である。 本実施の形態におけるコンクリートの養生方法を示す図である。 本実施の形態における給熱マット及びコンクリートの温度の推移を示す図である。 本実施の形態におけるコンクリートの上下面に給熱養生層を形成した、コンクリートの養生方法を示す図である。 本実施の形態におけるコンクリートの養生方法を採用したコンクリートの材齢期間72時間の一軸圧縮試験の結果を示す図である。 封緘養生を実施したコンクリートの材齢期間72時間の一軸圧縮試験の結果を示す図である。
本発明は、給熱養生を必要とするコンクリート又はモルタルを現場打ちで製造する際に好適な、コンクリート又はモルタルの養生方法である。
コンクリート又はモルタルの養生方法として、本実施の形態では、建設現場にて打設した超高強度コンクリート(以下、コンクリートCという)を給熱養生する場合を事例に挙げ、以下に詳細を図1~図7を参照しつつ説明する。これに先立ち、養生に用いる給熱養生層1について説明する。
≪給熱養生層≫
図1で示すように、給熱養生層1は、コンクリートCの上面を湿潤マット2で直接被覆したうえで、湿潤マット2に対して防水シート3、給熱マット4、断熱マット5、および防護シート6の順に積層配置することにより形成されている。したがって、防護シート6が、最も外気に触れる側に位置する。
湿潤マット2は、保水機能を有するとともに、保水した状態で変形することのない保形性能を有する不織布等のマット材もしくはシート材よりなり、保水した水分によりコンクリートCの表面に水膜を形成して湿潤状態を形成するものである。
防水シート3は、不透水性および耐熱性を有するシート材よりなり、湿潤マット2で保水した水分が蒸発するなどして、コンクリートCの表面に乾燥状態を作り出すことを防止するために用いる。
給熱マット4は、コンクリートCが所望の温度に達するまで給熱するとともに、給熱により上昇したコンクリート温度を安定的に保持するべく用いるものであり、その構造は、図2(a)で示すように、面状発熱体41と、面状発熱体41に接続される電気ケーブル42と、面状発熱体41に積層される断熱シート43と、これら面状発熱体41と断熱シート43とを内包する遮水材44により構成されている。
面状発熱体41は、全面が均一にムラなく発熱し、かつ発熱温度が60℃を超えるものであればいずれの面状部材を採用してもよいが、本実施の形態では、株式会社クラレ製の導電繊維であるCNTEC(登録商標)を用いた導電性布材411を採用している。CNTEC(登録商標)は、カーボンナノチューブで有機繊維をコーティングしたものである。また、導電性布材411は、導電繊維を用いた折り曲げ自在な柔軟性を有する編織物である。
導電性布材411には、図2(b)の平面図で示すように、帯状の電極412が付加されるとともに、温度を調整するサーモスタット413が備えられており、電気ケーブル42を介して電極412に通電すると、導電繊維1本1本に電気が通り導電性布材411の全体が均一に発熱する。このような構成の導電性布材411は、60℃~80℃を超える温度まで発熱することが可能であり、一方の面には断熱シート43が配置されている。
断熱シート43は、発泡ポリエチレン等の断熱材料よりなるシート材であり、面状発熱体41における一方の面側からの放熱を防止するものである。また、遮水材44は、例えば不透水性のビニールシート等を袋状に形成したものであり、面状発熱体41と断熱シート43の水濡れを防止する。
そして、上記の給熱マット4に積層される断熱マット5は、例えば気泡緩衝材や発泡ポリエチレン等、一般に断熱材料として採用されているシート材やマット材であればいずれを採用してもよい。また、防護シート6は、上述した湿潤マット2、防水シート3、給熱マット4および断熱マット5を保護し、ひいてはコンクリートCを保護するものであり、耐候性および耐久性に優れたシート材であればいずれでもよく、例えば防炎シートや保温シートが好適である。
なお、上記の給熱養生層1において、施工状況や天候等に鑑み、湿潤マット2のみでコンクリートCの表面乾燥を防止できる場合には、湿潤マット2と給熱マット4の間に湿潤マット2を被覆するように配置される防水シート3を、適宜省略してもよい。
≪コンクリート又はモルタルの養生方法≫
以下に、コンクリート又はモルタルの養生方法について説明する。なお、本実施の形態では、橋梁を構築するべく現場搬入されたプレキャスト造の床版コンクリート部材(以下、PC床版という)を、現場打ちのコンクリートCを介して接合する際、コンクリートCの養生に防水シート3を省略した給熱養生層1を採用する場合を事例に挙げる。また、防水シート3を省略した給熱養生層1を用いてコンクリートCの養生を行った際の、温度推移および一軸圧縮試験結果を、併せて示す。
まず、図3(a)で示すように、複数のPC床版9を、プレキャスト部材製造工場等から現場に搬入し、所定の位置に隣り合わせて据え付ける。このとき、コンクリートCの打設空間を確保するよう、互いに間隔を設けておく。次に、PC床版9の下面側からコンクリートCの打設空間を塞ぐように、隣り合うPC床版9に跨って型枠7を設置する。
型枠7は、せき板71と、その裏面に取り付けた断熱材72とより構成され、断熱材72は、外気温が型枠7に及ぼす影響を低減できる断熱材料であれば、いずれの材料のものを採用してもよい。また、せき板71と断熱材72は別体でなくてもよく、両者の機能を一体に備えた断熱型枠を、型枠7に採用してもよい。
また、PC床版9の下面側で型枠7を支持する支持架台8は、架台本体81と、一端がPC床版9に固着され、他端に架台本体81が連結されているアンカーボルト82とにより構成されている。なお、支持架台8の構成は、型枠7及び型枠7上に打設される硬化前のコンクリートCの重量を支持可能な構成であれば、いずれを採用してもよい。また、本実施の形態では、支持架台8と型枠7との間に防護シート6を敷設しているが、防護シート6は必ずしも設けなくてもよい。
型枠7の設置作業が終了した後、型枠7と隣り合うPC床版9とにより囲まれた空間に、コンクリートCを打設する。打設作業が終了した後、給熱養生を実施する前に、前養生を実施する。前養生は、打設直後のコンクリートに急激な加熱を行うと、ひび割れを生じ強度不足を招くおそれがあるため、これらを防止するべく所定時間放置することをいう。なお、前養生に要する時間は、コンクリートCの配合や外気温等の施工条件を考慮し、適宜決定すればよい。
前養生の期間が終了した後、図3(b)で示すように、隣り合うPC床版9に跨って、コンクリートCの打設面全面を覆うようにして、給熱養生層1を形成する。つまり、コンクリートCの打設面に接するように湿潤マット2を敷設し、その上面に、コンクリートCの打設領域を含むようにして給熱マット4を設置する。そして、給熱マット4の上面に、断熱マット5および防護シート6を積層する。このとき、給熱マット4は、断熱シート43が配置されていない側の面をコンクリートCに向けて設置する。
この後、電気ケーブル42を介して面状発熱体41を構成する導電性布材411に付加した電極412に通電し、導電性布材411を発熱させる。これにより、給熱マット4よりコンクリートCに対して給熱が行われ、コンクリートCは、給熱養生に適した温度までコンクリート温度が上昇し、またその温度が保持される。
図4に、コンクリートCの打設後における、外気温、コンクリートCの上面温度と下面温度、及び給熱マット4の下面温度に係る温度推移を表したグラフを示す。
本実施の形態では、外気温約10℃の環境下において、打設後のコンクリートCを約20時間にわたって前養生した後、コンクリートCの打設面を給熱養生層1で被覆し、コンクリートCの温度を50~60℃程度に保持しつつ養生することを目標に、給熱マット4による給熱を行った。また、給熱マット4の温度調整は、面状発熱体41に備えたサーモスタット413を用いて行った。
図4をみると、給熱開始直後から数時間にわたって給熱マット4の発熱温度に不安定な期間が生じるものの徐々に安定し、72℃程度~82℃程度の約10℃程度の温度幅でコンクリートCに安定した給熱を行っている様子がわかる。また、給熱マット4による給熱により、コンクリートCの温度が上昇し、給熱養生層1で被覆されている上面(打設面)では、コンクリート温度が約50~55℃に維持されている様子も見て取れる。
さらに、コンクリートCの下面(型枠7に接する面)側においても、コンクリート温度が約45℃程度を維持していることから、少なくともコンクリートCの上面(打設面)側を給熱することにより、コンクリートCの給熱養生を実施することが可能であるといえる。
なお、コンクリートCの打設高さが大きい場合には、図5で示すように、コンクリートCを挟んだ両面に給熱養生層1を形成するとよい。施工手順としては、PC床版9の下面側からコンクリートCの打設空間を塞ぐように、隣り合うPC床版9に跨って型枠7を設置した後、打設空間にコンクリートCを打設する。打設作業が終了した後、前養生を実施し、前養生の期間が終了した時点で型枠を一旦撤去する。
この後、コンクリートCの下面に給熱養生層1を設置するとともに、これらを支持するようにして、先に使用した型枠7を再度設置する。このとき給熱養生層1は、コンクリートCが湿潤マット2に接するとともに、防護シート6が型枠7のせき板71側に位置するように形成する。併せて、コンクリートCの上面にも給熱養生層1を設置し、給熱マット4による給熱を開始する。
こうすると、コンクリートCは打設高さ方向の両面から一対の給熱養生層1より給熱されるため、打設高さが高い場合にも内方まで効率よくコンクリート温度が上昇し、かつその温度を保持することができる。
図6に、上述した養生方法を採用したコンクリートCについて実施した、一軸圧縮試験の結果を示す。一軸圧縮試験に用いる試験体は、上面のみを給熱養生層1で被覆し給熱養生を実施したケースについて3体と、試験体を挟んだ上下両面を給熱養生層1で被覆し給熱養生を実施したケースについて3体の合計6体を用意した。
そして、コンクリートCの上面にのみ給熱養生層1を設けて給熱養生を実施したケースの材齢期間は、前養生約20時間、給熱養生期間約46時間、給熱養生終了後の養生期間6時間の、合計72時間である。また、コンクリートCの上面および下面の両者に給熱養生層1を設けて給熱養生を実施したケースの材齢期間は、前養生期間、給熱養生終了後の養生期間は上面のみのケースと同じであるが、給熱養生期間が約22時間と短い。なお、外気温は約10℃であり、養生は、発熱温度が70℃~80℃程度の給熱養生層1からコンクリートCに対して給熱を行った。
また、比較例として、超高強度コンクリートの配合及および外気温が、上記の給熱養生を実施した試験体と同条件のもと、常温で封緘養生を実施した試験体を3本用意し、材齢期間72時間後に、一軸圧縮試験を実施した。図7に、封緘養生を実施した試験体の一軸圧縮試験の結果を示す。
図6を見ると、試験体の上面のみに給熱養生層1を形成し給熱養生を実施したケース、および試験体を挟んで両面を給熱養生層1で被覆し給熱養生を実施したケースの何れの場合についても、平均で170N/mm2程度の圧縮強度を発現しており、圧縮強度の特性値が150N/mm2以上と定められている超高強度繊維補強コンクリートと同等の圧縮強度を満足している。(「超高強度繊維補強コンクリートの設計・施工指針(案):土木学会」)
一方、図7を見ると、材齢期間72時間の圧縮強度は平均で70N/mm2程度にとどまっており、給熱養生層1を形成して給熱養生を実施した場合と比較して、強度発現の速度が大幅に遅れている様子がわかる。
このように、防水シート3を省略した給熱養生層1により給熱養生を行った試験体は、材齢期間72時間で十分な圧縮強度を発現していることから、70℃~80℃程度の発熱温度を有する給熱マット4を介してコンクリートCに給熱を行った場合にも、試験体の表面は、湿潤マット2によって湿潤状態が保持され、試験体内において水和反応が適切に継続されている様子が見て取れる。
上記のとおり、給熱養生層1を用いた養生方法によれば、給熱養生に適した設備を有する工場等の環境でなくても、施工現場等において、打設後のコンクリートCに給熱養生を実施することが可能となる。また、給熱養生層1で被覆できれば、その大きさや形状等に制約がなく設計の自由度も高まることから、給熱養生を必要とするコンクリートCの活用範囲を大幅に拡大することが可能となる。
さらに、上記の一軸圧縮試験は、防水シート3を省略した給熱養生層1によりコンクリートCを養生した結果であるから、図1で示すような、給熱養生層1に湿潤マット2を被覆するように配置する防水シート3を採用すれば、コンクリーとCの表面はより安定して湿潤状態を保持できるため、ひび割れ等を生じさせることなく所望の強度を確実に発現させることが可能となる。
なお、前述したように、給熱養生層1において、湿潤マット2と給熱マット4の間に敷設される防水シート3は、施工状況や天候等に応じて使用するか否かを適宜選択すればよく、防護シート6についても、天候等の影響を大きく受けることのない環境であれば、必ずしも採用しなくてもよい。
また、断熱マット5も、外気温や給熱マット4の性能に応じて必要性を適宜選択すればよい。例えば、給熱マット4の発熱温度を所望の温度に維持できる程度に外気温が高い場合や、給熱マット4に備えた断熱シート43で発熱温度を維持できる環境にある場合、もしくは環境に作用されることなく発熱温度を所望の温度に維持できる程度に給熱マット4が高性能である場合には、必ずしも給熱養生層1に断熱マット5を使用しなくてもよい。
本発明のコンクリート又はモルタルの養生方法は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
本実施の形態では、超高強度コンクリートであるコンクリートCを給熱養生する場合を事例に挙げたが、必ずしもこれに限定されるものではない。例えば、ジオポリマーコンクリートや超高強度繊維補強コンクリート等のコンクリート、ジオポリマーモルタルや超高強度繊維補強モルタル等のモルタル等、給熱養生が要求されるコンクリート又はモルタルの養生であれば、いずれに採用してもよい。養生を行う場所についても、必ずしも施工場所に限定されるものではなく、工場でプレキャスト部材を製造する際に採用してもよい。
さらに、本実施の形態では、コンクリートCの打設面を給熱養生層1で被覆するケース、及びコンクリートCを挟んだ2面を給熱養生層1で被覆するケースを例示したが、コンクリートCの内方まで効率よく給熱できれば、給熱養生層1で被覆するコンクリートCの表面はいずれの面であっても、また2面以上の複数面であってもよい。
また、コンクリート又はモルタルの養生方法に用いる給熱養生層1は、再利用することも可能である。例えば、同一の現場内でコンクリートCの打設空間が複数存在する場合には、複数の打設空間ごとで、同時期に実施する作業工程を適宜ずらしておく。そして、何れかの打設空間で給熱養生の期間が終了した後に給熱養生層1を撤去し、これを他の打設空間であって前養生が終了した打設空間に移動させて、給熱養生層1を形成すればよい。これにより、複数存在する打設空間に打設されたコンクリートCを、効率よく養生することが可能となる。
さらに、給熱養生層1を用いたコンクリート又はモルタルの養生方法は、施工現場において現場打設した普通セメントを用いたコンクリート又はモルタルの促進養生に採用してもよい。こうすると、早期の段階で硬化及び強度発現を促進することができるため、現場施工における工期短縮および経費削減に大きく貢献することが可能となる。
1 給熱養生層
2 湿潤マット
3 防水シート
4 給熱マット
41 面状発熱体
411 導電性布材
412 電極
413 サーモスタット
42 電気ケーブル
43 断熱シート
44 遮水材
5 断熱マット
6 防護シート
7 型枠
71 せき板
72 断熱材
8 支持架台
81 架台本体
82 アンカーボルト
9 PC床版
C コンクリート(超高強度コンクリート)

Claims (3)

  1. 打設後のコンクリート又はモルタルを前養生した後、
    前記コンクリート又はモルタルの少なくとも一面を給熱養生層で被覆し、前記給熱養生層により給熱して養生するコンクリート又はモルタルの養生方法であって、
    前記給熱養生層は、保水機能を有する湿潤マットと、温度調整機能を有する給熱マットを積層するとともに、防水シートが前記湿潤マットと前記給熱マットの間で前記湿潤マットを被覆するように配置されてなり、
    前記湿潤マットを、前記コンクリート又はモルタルに接して配置することを特徴とするコンクリート又はモルタルの養生方法。
  2. 請求項1に記載のコンクリート又はモルタルの養生方法において、
    前記給熱養生層が断熱マットを含み、前記湿潤マット、前記給熱マット、前記断熱マットの順に積層することを特徴とするコンクリート又はモルタルの養生方法。
  3. 請求項1または2に記載のコンクリート又はモルタルの養生方法において、
    前記コンクリート又はモルタルにおける前記給熱養生層で被覆した一面に対向する他の面を、別の給熱養生層で被覆することを特徴とするコンクリート又はモルタルの養生方法。
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