JP7196447B2 - 連続式雰囲気熱処理炉 - Google Patents

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Description

この発明は、水素濃度の高い雰囲気下で被熱物を連続的に熱処理する連続式雰囲気熱処理炉に関する。
炭素鋼材の熱処理に際しては、目的に応じて様々なガスが用いられる。例えば、水素ガスはその高い熱伝達力により、熱処理時間を大幅に短縮することができる。このような水素ガスを用いる処理炉としては、従来、水素ベル炉が知られている(例えば、下記特許文献1参照)。
しかしながら水素ベル炉は、バッチ炉であるため毎回炉内が外気に解放され、その度に多量の水素置換が必要であった。加えて水素濃度の高い雰囲気下での熱処理においては、少量の水分が伴なった場合でも被熱物としての鋼材に脱炭が生じるため、熱処理前に被熱物の水分除去を十分に行う必要があった。また、被熱物の表面に酸化スケールがあれば、これが水素により還元され水分が生じることから、熱処理前には徹底した酸洗を実施し、酸洗後速やかに熱処理を実施する必要があった。
特開2002-294335号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、装入される被熱物の表面に酸化スケールが残存している場合であっても、水素濃度が高い雰囲気下での脱炭を抑制し熱処理を行うことできる連続式雰囲気熱処理炉を提供することを目的としてなされたものである。
而して本発明は、被熱物としての鋼材を熱処理する連続式雰囲気熱処理炉であって、
前記鋼材を搬送する搬送手段と、
室内の真空パージが行なわれる入口側パージ室と、
該入口側パージ室に隣接る熱処理室と、
該熱処理室に隣接し、室内の真空パージが行なわれる出口側パージ室と、を備え、
前記熱処理室は、前記鋼材が最初に収容される還元処理ゾーンと、該還元処理ゾーンに続く熱処理ゾーンとに区画され、
該熱処理ゾーンは、前記鋼材が熱処理される時の雰囲気を、60体積%以上の水素ガスと、0.01体積%以下の水蒸気と、1.0体積%以下の酸化性ガスと、残部としての窒素ガスまたはアルゴンガスとするための雰囲気制御手段を備え、また前記熱処理ゾーンの内部は前記鋼材の搬送方向に沿って複数のゾーンに区画されて、それぞれのゾーンに温度制御のための加熱手段が設けられており、
前記還元処理ゾーンには、前記被熱物表面の酸化物を還元する還元ガス導入手段が接続されていることを特徴とする。
本発明の連続式雰囲気熱処理炉は、水素濃度の高い(水素ガスを60体積%以上含有する)雰囲気下で被熱物を熱処理する連続式の熱処理炉である。本発明では、熱処理室の前後に入口側パージ室および出口側パージ室を設けて、外気の熱処理室内への侵入を防止している。
更に本発明は、熱処理室を、被熱物が最初に収容される還元処理ゾーンと、これに続く熱処理ゾーンとに区画し、還元処理ゾーンに還元ガス導入手段を接続したものである。このようにすることで、熱処理室に装入された被熱物の表面に酸化スケールが残存していた場合であっても、還元処理ゾーンにて酸化スケールは還元され、後段の熱処理ゾーンには、酸化スケールが除去された被熱物が送られるため、熱処理ゾーンでの被熱物の脱炭を良好に抑制することができる。
ここで本発明では、被熱物からの酸化スケールおよび水分の除去が可能で、且つ脱浸炭が起きない温度、具体的には300℃以上680℃以下に、還元処理ゾーンの室内温度を制御できる温度制御手段を設けておくことが望ましい。
また本発明では、前記還元処理ゾーンに、ガス中に含まれる水分を除去する水分除去手段を更に接続しておくことができる。
還元処理ゾーンでは、被熱物表面の酸化物が還元されるときの反応により水分が生成される。この結果、雰囲気中の水分(水蒸気)濃度が増大する。還元処理ゾーンに還元ガスを供給し続けて、排ガスとともに水分を系外に排出することで、雰囲気中の水分濃度の上昇を抑えることも可能であるが、ガス中に含まれる水分を除去する水分除去手段を別途設けて、水分を除去したのちガスを再び還元処理ゾーンに戻すように構成すれば、還元処理ゾーンでのガス使用量を削減することができる。
また本発明では、前記還元処理ゾーンの前記被熱物を300℃以上680℃以下の温度に急速加熱する急速加熱手段を備えておくことができる。
被熱物は略室温の状態で還元処理ゾーンに装入されるため、所定の還元処理温度にまで被熱物を急速加熱することで還元処理に要する時間を短くすることができる。
また本発明では、前記還元処理ゾーンを、前記熱処理ゾーンよりも低圧にすることができる。このようにすることで、水分を含んだ還元処理ゾーンのガスが熱処理ゾーンに流入することを良好に防止することができる。
本発明の一実施形態の連続式雰囲気熱処理炉を示した図である。 図1の入口側パージ室および還元処理ゾーンをその周辺部とともに拡大して示した図である。 図1の還元処理ゾーンの断面図である。 図1の出口側パージ室および急速冷却室をその周辺部とともに拡大して示した図である。 図1の急速冷却室の断面図である。
次に本発明の一実施形態の連続式雰囲気熱処理炉を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、Wは線材をコイル状に巻回した被熱物としての線材コイル、10は線材コイルWを焼鈍処理する連続式雰囲気熱処理炉である。
連続式雰囲気熱処理炉10は、図中左端の装入テーブル12と、図中右端の抽出テーブル14との間に、入口側パージ室18、熱処理室20、出口側パージ室24、急速冷却室26が配置されている。
連続式雰囲気熱処理炉10を構成する各室には、それぞれ独立駆動する搬送手段としてのローラ群32、33,34,35,36が配設され、線材コイルWはトレイ38(図2参照)上に載置された状態で、ローラ群32~36によって順次図中右方向に搬送され、連続的に焼鈍処理が行われる。
搬送方向に長く延びた熱処理室20は、水素濃度の高い還元性雰囲気中で線材コイルWの熱処理(焼鈍)を行うものである。熱処理室20の雰囲気は、60体積%以上の水素ガスと、0.01体積%以下の水蒸気と、1.0体積%以下の酸化性ガスと、残部が窒素ガスまたはアルゴンガスとされている。
この熱処理室20は、線材コイルWが最初に収容される還元処理ゾーン21と、還元処理ゾーン21に続く熱処理ゾーン22とに区画されている。
43は、熱処理ゾーン22の長手方向略中央の位置に接続されたガス供給管で、水素ガスもしくは水素を含む混合ガスを熱処理ゾーン22に供給する。ガス供給管43上には流量制御弁52が設けられている。流量制御弁52はH2濃度センサ51の信号に基づいてその開度が調節され、熱処理ゾーン22の水素ガス濃度が維持されている。そして熱処理ゾーン22の雰囲気ガスは、熱処理ゾーン22内の圧力差に基づいて図中左向き(すなわち熱処理ゾーン22の前側)に向かうガス流れと、図中右向き(すなわち熱処理ゾーン22の後側)に向かうガス流れとを生ぜしめる。これにより外気が内部に侵入するのを防止している。
熱処理ゾーン22は、前側(搬送方向上流側)の開口22aが仕切扉44によって閉塞可能とされている。仕切扉44はワイヤーを介してプーリ46aに懸吊され、プーリ46aの回転により昇降する。仕切扉44が閉じることで、熱処理ゾーン22は隣接する還元処理ゾーン21と実質的に区画されることとなる。
熱処理ゾーン22の後側(搬送方向下流側)の開口22bは、断熱扉45により閉塞可能とされている。断熱扉45はワイヤーを介してプーリ46bに懸吊され、プーリ46bの回転により昇降する。
熱処理ゾーン22には、加熱手段としてのラジアントチューブバーナ40および天井ファン42が搬送方向に沿って複数設けられている。熱処理ゾーン22内は、搬送方向に沿っておおよそ昇温、均熱、徐冷の各ゾーンに区画され、各ゾーンでは所定の温度設定となるようラジアントチューブバーナ40の出力が制御されている。
図2は、熱処理ゾーン22の上流側に設けられた入口側パージ室18および還元処理ゾーン21を拡大して示した図である。
装入テーブル12に隣接する入口側パージ室18は、還元性雰囲気の熱処理室20内に外気が侵入するのを防止するためのものである。入口側パージ室18は、図2に示すように前後の開口66a,66bを閉塞し得る気密扉67a,67bが設けられている。気密扉67a,67bは、それぞれワイヤーを介してプーリ68a,68bに懸吊され、プーリ68a,68bの回転により昇降する。
この入口側パージ室18には、真空ポンプ71に接続された脱気用の配管70および
図示を省略したN2供給装置に接続されたN2ガス供給用の配管73がそれぞれ接続されている。
入口側パージ室18の次に位置する還元処理ゾーン21では、線材コイルWの表面に、酸洗で除去できなかった酸化スケールが残っていた場合、これを還元する。
入口側パージ室18と対向する還元処理ゾーン21の前側開口74aには、これを閉塞し得る断熱扉75aが設けられている。この断熱扉75aは、ワイヤーを介してプーリ76aに懸吊され、プーリ76aの回転により昇降する。なお、入口側パージ室18と還元処理ゾーン21との間には、外部と気密に遮断された区画室77が形成されており、入口側パージ室18の後側開口66bおよび還元処理ゾーン21の前側開口74aが開いた際に、外気が室内へ進入するのを防止している。プーリ68bおよび気密扉67b、プーリ76aおよび断熱扉75aは、この区画室77中に収容されている。
一方、還元処理ゾーン21の後側の開口74bは、前述の仕切扉44により閉塞可能とされている。
図2に示すように還元処理ゾーン21は、ガス導入管79により熱処理ゾーン22と接続されており、熱処理ゾーン22内の水素濃度の高い還元性ガスが還元処理ゾーン21に供給可能とされている。このガス導入管79が本発明の還元ガス導入手段に相当する。
還元処理ゾーン21には圧力センサ56が設けられており、圧力センサ56の信号に基づいてガス導入管79上の流量制御弁57の開度が制御され、還元処理ゾーン21のガス圧が所定範囲内で維持される。このときの還元処理ゾーン21のガス圧は、熱処理ゾーン22のガス圧よりも低圧である。
また還元処理ゾーン21には、循環配管58を介してリファイニング装置59が接続されている。リファイニング装置59には、除湿装置62のほか送風機60が内蔵されており、還元処理ゾーン21のガスが循環配管58を介してリファイニング装置59へと流通するガス循環路が形成される。
そして、還元処理ゾーン21の水分を含んだガスは、リファイニング装置59内の除湿装置62に送られその水分が除去される。その後、露点を低下させたガスが循環配管58の戻し管58bを通じて還元処理ゾーン21に戻される。
図3は、線材コイルWの搬送方向と直交する方向での還元処理ゾーン21の断面図で、室内に線材コイルWが装入された状態を示している。
同図において、84は線材コイルWの上端近傍に配置される蓋部、87は還元処理ゾーン21のガスを加熱する加熱手段としてのラジアントチューブバーナ、88は線材コイルWにガスを吹き込むガス循環装置である。
蓋部84は、還元処理ゾーン21の上壁を上下方向に貫通する軸体85の先端に取り付けられ、線材コイルWの上端を閉塞するように、線材コイルWに被せられている。蓋部84は軸体85を介してプーリ86(図2参照)に連結されて、上下方向に昇降可能とされている。このため本例では、線材コイルWの上端と蓋部84との隙間sを適宜調整することが可能である。
ガス循環装置88は、ダクト90と、ダクト90内部に収容された循環ファン92と、循環ファン92を回転駆動させる駆動モータ93を備えている。ダクト90は同図で示すように折れ曲がり形状をなし、その一端部には線材コイルWの直下において上向きに開口したガス吹出口90aが形成されている。一方、ダクト90の他端部には下向きのガス吸込口90bが形成されている。循環ファン92は、このガス吸込口90bの直上位置に配置されている。
ガス循環装置88では、循環ファン92を回転させることで、ガス吸込口90bを通じてダクト90内に吸引したガスを、ダクト90のガス吹出口90aから上向きに吹き出す。ここで、ガス吹出口90aの直上に位置するトレイ38の中央には、板厚方向に貫通する貫通穴38aが形成されており、上向きのガスは、貫通穴38aを通過した後に線材コイルWの内径穴Waに送られる。
このとき、線材コイルWの上端近傍には、線材コイルWを被うように蓋部84が配置されているため、線材コイルWの内径穴Wa内に吹き込まれたガスは、内径穴Wa上端部からの流出が阻止され、線材コイルWを構成する線材の隙間を通って、矢印で示すように内径側から外径側に流通することとなる。このようなガス流れを実現させることで、線材コイルWの内外および上下間の温度差を最小に保ちながら、線材コイルWは短時間で所定の還元処理温度にまで加熱される。
すなわち本例では、蓋部84とガス循環装置88が本発明の急速加熱手段を構成する。
なお、94はダクト90内を流通するガスの温度を検出する温度センサである。本例では、温度センサ94と接続された制御部(図示省略)により、温度センサ94で検出されたガスの温度が、予め設定された目標雰囲気温度(還元処理温度である)と一致するように、ラジアントチューブバーナ87の燃焼が適宜調整される。すなわち本例では、温度センサ94、制御部、およびラジアントチューブバーナ87が本発明の温度制御手段を構成し、この温度制御手段により還元処理ゾーン21が300~680℃の温度で保持される。
図4は、熱処理ゾーン22の下流側に設けられた出口側パージ室24および急速冷却室26を拡大して示した図である。出口側パージ室24は、還元性雰囲気の熱処理ゾーン22内に外気が侵入するのを防止するためのものである。出口側パージ室24は、図4に示すように前後の開口96a,96bを閉塞し得る気密扉97a,97bが設けられている。気密扉97a,97bは、それぞれワイヤーを介してプーリ98a,98bに懸吊され、プーリ98a,98bの回転により昇降する。この出口側パージ室24には、真空ポンプ99に接続された脱気用の配管100および図示を省略したN2供給装置に接続されたN2ガス供給用の配管101がそれぞれ接続されている。
なお、熱処理ゾーン22と出口側パージ室24との間には、外部と気密に遮断された区画室102が形成されており、熱処理ゾーン22の後側開口22b、出口側パージ室24の前側開口96aが開いた際に、外気が室内へ進入するのを防止している。
次の急速冷却室26は、線材コイルWを、大気下で急速冷却するためのものである。急速冷却室26には、前後の開口105a,105bを閉塞し得る開閉扉106a,106bが設けられている。これら開閉扉106a,106bは、ワイヤーを介してそれぞれプーリ107a,107bに懸吊され、プーリ107a,107bの回転により昇降する。
図5は、線材コイルWの搬送方向と直交する方向での急速冷却室26の断面図で、室内に線材コイルWが装入された状態を示している。同図において、110は線材コイルWの上端近傍に配置される蓋部、114は線材コイルWの内径穴Waへ冷風(大気)を吹き込むブロア装置である。115は側壁上部に形成されたガス排出用の配管である。
この急速冷却室26の構成は、還元処理ゾーン21と基本的に同じである。蓋部110は、急速冷却室26の上壁を上下方向に貫通する軸体111の先端に取り付けられ、線材コイルWの上端を閉塞するように、線材コイルWに被せられている。また、ブロア装置114のガス吹出口114aは、線材コイルWの直下に配置されている。
このように構成された本例の急速冷却室26では、加熱されていない大気が冷却用ガスとして、ガス吸込口114bから取り込まれ、線材コイルWの内径穴Waへと送り込まれる。この冷却用ガスが、線材コイルWを構成する線材の隙間を通って、矢印で示すように内径側から外径側に流通することで線材コイルWが急冷される。なお、冷却に用いられたガスは、ガス排出用の配管115を通じて室外に排出される。
次に、線材コイルWが装入された際の連続式雰囲気熱処理炉10の各部の動作について説明する。まず、線材コイルWが入口側パージ室18内に装入され、気密扉67aを閉じた後、入口側パージ室18内の圧力を減圧手段70,71を用いて減圧し、室内の大気を室外に放出する。入口側パージ室18における真空引きが完了した後、入口側パージ室18内に配管73を通じてN2ガスを供給し、常圧まで復圧する。
その後、入口側パージ室18の出側の気密扉67bおよび還元処理ゾーン21の入側の断熱扉75aを開いて、ローラ群32,33を駆動させ、線材コイルWを還元処理ゾーン21内に移送し、気密扉67bおよび断熱扉75aを閉じる。
還元処理ゾーン21は、ガス導入管79による還元性ガスの供給により還元性雰囲気下とされており、線材コイルWが所定の還元処理温度(例えば600℃)にまで急速加熱され、その後かかる還元処理温度で保持されると、線材コイルW表面に付着していた水分は気化され、また線材コイルW表面に残存していた酸化スケールは還元ガスにより還元される。この結果、雰囲気ガス中に含まれることとなる水分(水蒸気)は、リファイニング装置59により順次除去される。また、還元反応により雰囲気ガス中の水素の一部が消費され、ガス圧が低下した場合には配管79を通じて還元ガスが還元処理ゾーン21に供給される。
その後、還元処理ゾーン21と熱処理ゾーン22との間に設けられた仕切扉44を開いて、ローラ群33,34を駆動させ、水分および酸化スケールが取り除かれた線材コイルWを熱処理ゾーン22に移送する。この状態で還元処理ゾーン21と熱処理ゾーン22とが開口を通じて連通した状態となるが、本例では還元処理ゾーン21が熱処理ゾーン22よりも低圧であるため、水分濃度の高い還元処理ゾーン21のガスの熱処理ゾーン22への流入は抑制される。
線材コイルWを熱処理ゾーン22に移送した後、仕切扉44を閉じる。その後、線材コイルWは熱処理ゾーン22を移動しながら焼鈍処理される。線材コイルWが熱処理ゾーン22の出口側に到ると、熱処理ゾーン22の断熱扉45および出口側パージ室24の気密扉97aを開いて、ローラ群34,35を駆動させ、線材コイルWを出口側パージ室24内に移送する。
気密扉97aを閉じた後、出口側パージ室24内の圧力を減圧手段99,100によって減圧し、室内の還元性ガスを室外に放出する。出口側パージ室24における真空引きが完了した後、出口側パージ室24内にN2を供給して、常圧にまで復圧する。
その後、出口側パージ室24の出側の気密扉97bおよび急速冷却室26の入側の開閉扉106aを開いて、ローラ群35,36を駆動させ、線材コイルWを急速冷却室26内に移送し、気密扉97bおよび開閉扉106aを閉じる。
急速冷却室26内では、加熱されていない大気を冷却用ガスとして用いて線材コイルWを急冷する。そして冷却後、開閉扉106bを開いて線材コイルWを抽出テーブル14に移送すれば、線材コイルWの熱処理に関する一連の動作が完了する。
以上のように本実施形態の連続式雰囲気熱処理炉10は、熱処理室20を、線材コイルWが最初に収容される還元処理ゾーン21と、これに続く熱処理ゾーン22とに区画し、還元処理ゾーン21に還元ガス導入手段としてのガス導入管79を接続したものである。このようにすることで、熱処理室20に装入された線材コイルWの表面に酸化スケールが残存していた場合であっても、還元処理ゾーン21にて酸化スケールは還元され、後段の熱処理ゾーン22には、酸化スケールが除去された線材コイルWが送られるため、熱処理ゾーン22での線材コイルWの脱炭を良好に抑制することができる。
ここで本実施形態では、還元処理ゾーン21を300℃~680℃の温度に制御することで線材コイルWからの酸化スケールおよび水分の除去を可能とするとともに、線材コイルWで脱浸炭が生じるのを防止している。
また本実施形態では、還元処理ゾーン21に、ガス中に含まれる水分を除去するリファイニング装置59が接続され、リファイニング装置59で水分を除去したのちガスを再び還元処理ゾーン21に戻すように構成されており、還元処理ゾーン21でのガス使用量を削減することができる。
また本実施形態では、還元処理ゾーン21の線材コイルWを急速加熱する急速加熱手段を備えており、還元処理に要する時間を短くすることができる。
また本実施形態では、還元処理ゾーン21を、熱処理ゾーン22よりも低圧にすることで、水分を含んだ還元処理ゾーン21のガスが熱処理ゾーン22に流入するのを良好に防止することができる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれらはあくまでも一例示であり、本発明は、その趣旨を逸脱しない範囲において様々変更を加えた形態で実施可能である。
10 連続式雰囲気熱処理炉
18 入口側パージ室
20 熱処理室
21 還元処理ゾーン
22 熱処理ゾーン
24 出口側パージ室
32,33,34,35,36 ローラ群(搬送手段)
59 リファイニング装置(水分除去手段)
79 ガス導入管(還元ガス導入手段)
84 蓋部
87 ラジアントチューブバーナ(温度制御手段)
88 ガス循環装置
94 温度センサ(温度制御手段)
W 線材コイル(被熱物)
Wa 内径穴

Claims (6)

  1. 被熱物としての鋼材を熱処理する連続式雰囲気熱処理炉であって、
    前記鋼材を搬送する搬送手段と、
    室内の真空パージが行なわれる入口側パージ室と、
    該入口側パージ室に隣接る熱処理室と、
    該熱処理室に隣接し、室内の真空パージが行なわれる出口側パージ室と、を備え、
    前記熱処理室は、前記鋼材が最初に収容される還元処理ゾーンと、該還元処理ゾーンに続く熱処理ゾーンとに区画され、
    該熱処理ゾーンは、前記鋼材が熱処理される時の雰囲気を、60体積%以上の水素ガスと、0.01体積%以下の水蒸気と、1.0体積%以下の酸化性ガスと、残部としての窒素ガスまたはアルゴンガスとするための雰囲気制御手段を備え、また前記熱処理ゾーンの内部は前記鋼材の搬送方向に沿って複数のゾーンに区画されて、それぞれのゾーンに温度制御のための加熱手段が設けられており、
    前記還元処理ゾーンには、前記被熱物表面の酸化物を還元する還元ガス導入手段が接続されていることを特徴とする連続式雰囲気熱処理炉。
  2. 前記還元処理ゾーンには、ガス中に含まれる水分を除去する水分除去手段が更に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の連続式雰囲気熱処理炉。
  3. 前記還元処理ゾーンの室内温度を300℃以上680℃以下に保持する温度制御手段を有することを特徴とする請求項1,2の何れかに記載の連続式雰囲気熱処理炉。
  4. 前記鋼材としての線材コイルを熱処理する連続式雰囲気熱処理炉であって、
    前記還元処理ゾーンの前記線材コイルを300℃以上680℃以下の温度に急速加熱する急速加熱手段として、前記線材コイルの上端に被せられる蓋部と、前記線材コイルの直下から前記線材コイルの内径穴にガスを送り込むガス循環装置を備えることを特徴とする請求項3に記載の連続式雰囲気熱処理炉。
  5. 前記還元処理ゾーンと前記熱処理ゾーンとの間に設けられた開口を閉塞可能とする仕切扉と、前記鋼材が熱処理される時の前記還元処理ゾーンの圧力を前記熱処理ゾーンよりも低圧とするための圧力制御手段と、を更に備えていることを特徴とする請求項1~4の何れかに記載の連続式雰囲気熱処理炉。
  6. 前記出口側パージ室の搬送方向下流側に隣接して設けられた冷却室を更に備えていることを特徴とする請求項1~5の何れかに記載の連続式雰囲気熱処理炉。
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