JP7195915B2 - 二次電池用正極活物質及びその製造方法 - Google Patents
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Description
さらに、リチウムは希少有価物質であることから、リチウムイオン二次電池に代えてナトリウムを用いたナトリウムイオン二次電池等についても種々検討されている。例えば、特許文献2には、オリビン型構造を有するリン酸遷移金属ナトリウムを含む正極活物質が開示されている。
このように、リチウムイオン二次電池においても、また特許文献2にも記載されるナトリウムイオン二次電池についても、優れたサイクル特性を有効かつ充分に発現することが強く望まれている。
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
LiFeaMnbMcSiO4・・・(B)
(式(B)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物に、炭素、窒素及び硫黄を含有する植物性タンパク質由来の粒子が担持してなる二次電池用正極活物質を提供するものである。
リチウム化合物又はナトリウム化合物を含むスラリー水Qに、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合して複合体Qを得る工程(I)、
得られた複合体Q、及び少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Rを水熱反応に付して、複合体Rを得る工程(II)、
得られた複合体R、植物性タンパク質を含むスラリー水Sを乾燥して複合体Sを得る工程(III)、並びに
得られた複合体Sを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(IV)
を備える二次電池用正極活物質の製造方法等を提供するものである。
本発明で用いる酸化物は、下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦0.2、及び2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たし、かつa+b≠0を満たす数を示す。)
Li2FedMneNfSiO4・・・(B)
(式(B)中、NはNi、Co、Al、Zn、V又はZrを示す。d、e及びfは、0≦d≦1、0≦e≦1、0≦f<1、及び2d+2e+(Nの価数)×f=2を満たし、かつd+e≠0を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
のいずれかの式で表される。
これらの酸化物は、いずれもオリビン型構造を有しており、少なくとも鉄又はマンガンを含む。上記式(A)又は式(B)で表される酸化物を用いた場合には、リチウムイオン二次電池用正極活物質が得られ、上記式(C)で表される酸化物を用いた場合には、ナトリウムイオン二次電池用正極活物質が得られる。
本発明において用いる植物性タンパク質としては、具体的には、大豆たんぱくやおから等の大豆由来の植物性タンパク質、又は小麦たんぱく等の麦由来の植物性タンパク質が好ましい。これら植物性タンパク質として、市販品や豆腐の製造において発生する産業廃棄物を用いてもよい。
なお、二次電池用正極活物質中での、植物性タンパク質由来の粒子における炭素の含有量は、炭素・硫黄分析装置を用いた測定により求めることができ、また、植物性タンパク質の炭素原子換算量を算出し、その値を二次電池用正極活物質中の炭素原子換算量に換算して求めることもできる。
なお、二次電池用正極活物質中での、植物性タンパク質由来の粒子における窒素の含有量は、窒素分析装置を用いた測定により求めることができる。また、植物性タンパク質の窒素原子換算量を算出し、その値を二次電池用正極活物質中の窒素原子換算量に換算して求めることもできる。
なお、二次電池用正極活物質中での、植物性タンパク質由来の粒子における硫黄の含有量は、炭素・硫黄分析装置を用いた測定により求めることができる。また、植物性タンパク質の硫黄原子換算量を算出し、その値を二次電池用正極活物質中の硫黄原子換算量に換算して求めることもできる。
本発明の二次電池用正極活物質は、このような特徴的な構造を有する炭素が、散在する窒素及び硫黄とともに、正極活物質のパッキング密度が増大する状態で酸化物粒子間の導電パスを形成しているため、優れた充放電特性が発現されると考えられる。
得られた複合体Q、及び少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Rを水熱反応に付して、複合体Rを得る工程(II)、
得られた複合体R及び植物性タンパク質を含むスラリー水Sを乾燥して複合体Sを得る工程(III)、並びに
得られた複合体Sを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(IV)
を備える。
なお、スラリー水Qを撹拌する際、さらにスラリー水Qの沸点温度以下に冷却するのが好ましい。具体的には、80℃以下に冷却するのが好ましく、20℃~60℃に冷却するのがより好ましい。
また、窒素をパージする際、反応を良好に進行させる観点から、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合した後のスラリー水Qを撹拌するのが好ましい。このときの撹拌速度は、好ましくは200rpm~700rpmであり、より好ましくは250rpm~600rpmである。
これら金属(M、N又はQ)塩を用いる場合、鉄化合物、マンガン化合物、及び金属(M、N又はQ)塩の合計添加量は、上記工程(I)において得られた水溶液中のリン酸又はケイ酸1モルに対し、好ましくは0.99モル~1.01モルであり、より好ましくは0.995モル~1.005モルである。
得られた複合体Rは、上記式(A)~(C)で表される酸化物であり、ろ過後、水で洗浄することによりこれを単離できる。
得られた複合体T、及び少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Uを水熱反応に付して、複合体Uを得る工程(II')、
得られた複合体Uを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(III')
を備える。
なお、ここで用い得る植物性タンパク質は、上記二次電池用正極活物質(H)の製造方法において用いるものと同様である。
得られたスラリー水Vを乾燥して、複合体Vを得る工程(II'')、並びに
得られた複合体Vを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(III'')
を備える。
上記酸化物は、上記二次電池用正極活物質(H)又は上記二次電池用正極活物質(H')の製造方法のように、合成反応に付して得られるものであり、かかる合成反応に付す方法としては、固相法(焼成法、溶融-アニール法)と湿式法(水熱法)に大別されるがいずれの方法であってもよく、さらに合成反応に付した後に粉砕又は分級してもよい。なかでも、粒径が小さく、かつ粒度が揃った酸化物が得られる観点から、水熱反応に付すことにより得られる酸化物であるのが好ましい。
なお、水熱反応に付して上記酸化物を得る方法は、具体的には、上記二次電池用正極活物質(H)又は上記二次電池用正極活物質(H')の製造方法において、植物性タンパク質を用いないこと以外、上記工程(I)~(II)を経ることにより複合体Rを得る方法、或いは上記工程(I')~(II')を経ることにより複合体Uを得る方法と同様である。
スラリー水Vにおける酸化物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは10質量部~400質量部であり、より好ましくは30質量部~210質量部である。
用い得る植物性タンパク質は、上記二次電池用正極活物質(H)又は(H')の製造方法と同様である。
なお、植物性タンパク質由来の粒子の炭素含有量(植物性タンパク質が炭化されてなる炭素量)は、炭素・硫黄分析装置(EMIA-220V2、株式会社堀場製作所製)を使用した非分散赤外吸収法によって定量した。
[試験体1]
Li2CO3 7.39g、Mn(CH3COO)2・4H2O 19.61g、Fe (CH3COO)2 3.48g、NH4H2PO4 11.50g、及びエタノール50gを混合した後、遊星型ボールミルを用いて、400rpmで6時間混合粉砕を行った。次いで、得られたスラリー水を、80℃で3時間温風乾燥して、複合体を得た。得られた複合体を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、700℃で6時間焼成して、酸化物a(LiFe0.2Mn0.8PO4、平均粒径2μm)を得た。
[試験体2]
セルロースナノファイバー 500g(セリッシュFD-200L、ダイセルファインケム株式会社製)を、49%硫酸5000gに投入した後、当該硫酸スラリーを6時間攪拌した。攪拌後の硫酸スラリーを10倍希釈し、ろ過した後、水による洗浄を行い、含水率80質量%のセルロースナノクリスタル(CNC)を得た。
LiOH・H2O 12.72g、水 90gを混合してスラリー水a1を得た。次いで、得られたスラリー水a1を、25℃の温度に保持しながら5分間撹拌しつつ85%のリン酸水溶液 11.53gを35mL/分で滴下し、続いて12時間、400rpmの速度で撹拌することにより、複合体b1を含有するスラリー水c1を得た。かかるスラリー水c1は、リン1モルに対し、2.97モルのリチウムを含有していた。
次いで、得られたスラリー水d1をオートクレーブに投入し、170℃で1時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、0.8MPaであった。生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し、12質量部の水により洗浄してケーキe1を得た。
次いで、得られたスラリー水f1を、-50℃で12時間凍結乾燥して、複合体g1を得た。
得られたリチウムイオン二次電池用正極活物質AのTEM像を図1に、STEM像及び元素分布を図2に示す。
LiOH・H2O 4.28g、Na4SiO4・nH2O 13.97gに水 40gを加えて混合してスラリー水a2を得た後、スラリー水a2に、FeSO4・7H2O 3.92g、MnSO4・5H2O 7.93g、及びZr(SO4)2・4H2O 0.53gを添加、混合してスラリー水b2を得た。
次いで、スラリー水b2をオートクレーブに投入し、150℃で3時間水熱反応を行った。オートクレーブの圧力は0.4MPaであった。生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し、12質量部の水により洗浄してケーキc2を得た。
得られたケーキc2に、植物性タンパク質(同上)1.13g及び水 30gを超音波攪拌機(同上)を用いて1分間撹拌して、スラリー水d2を得た。次に、スラリー水d2を、-50℃で12時間凍結乾燥して、複合体e2を得た。
得られた複合体e2を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、650℃で1時間焼成して、植物性タンパク質由来の粒子が担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質B(Li2Fe0.09Mn0.85Zr0.03SiO4、炭素の含有量=5.0質量%)を得た。
上記酸化物a(LiFe0.2Mn0.8PO4)15.7g、植物性タンパク質(同上)0.8g及び水 30gを超音波攪拌機(同上)で1分間撹拌して、全体が均一な白濁度を有するスラリー水a3を得た。
得られたスラリー水a3を、-50℃で12時間凍結乾燥して、複合体b3を得た。得られた複合体b3を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、700℃で1時間焼成して、植物性タンパク質由来の粒子が担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質C(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の含有量=1.8質量%)を得た。
NaOH 6.00g及び水 90gを混合してスラリー水a4を得た。次いで、得られたスラリー水a4を、25℃の温度に保持しながら5分間撹拌しつつ85%のリン酸水溶液 5.77gを35mL/分で滴下し、続いて12時間、400rpmの速度で撹拌することにより、複合体b4を含有するスラリー水c4を得た。かかるスラリー水c4は、リン1モルに対し、3.00モルのナトリウムを含有していた。
次に、得られたスラリー水c4に対し、窒素ガスをパージして溶存酸素濃度を0.5mg/Lに調整した後、FeSO4・7H2O 1.39g、MnSO4・5H2O 9.64g、MgSO4・7H2O 1.24gを添加して、スラリー水d4を得た。
次いで、得られたスラリー水d4を窒素ガスでパージしたオートクレーブに投入し、200℃で3時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、1.4MPaであった。生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し、12質量部の水により洗浄してケーキe4を得た。得られたケーキe4に、植物性タンパク質(同上)0.4g及び水 30gを超音波攪拌機(同上)で1分間撹拌して、スラリー水f4を得た。
次いで、得られたスラリー水f4を、-50℃で12時間凍結乾燥して、複合体g4を得た。得られた複合体g4を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、700℃で1時間焼成して、植物性タンパク質由来の粒子が担持してなるナトリウムイオン二次電池用正極活物質D(NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、炭素の含有量=1.7質量%)を得た。
植物性タンパク質 0.8gの代わりに上記セルロースナノクリスタル 0.72gを用いた以外、実施例1と同様にしてセルロースナノクリスタル由来の炭素が担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質E(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の含有量=1.8質量%)を得た。
植物性タンパク質 1.13gの代わりに上記セルロースナノクリスタル 1.02gを用いた以外、実施例2と同様にしてセルロースナノファイバー由来の炭素が担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質F(Li2Fe0.09Mn0.85Zr0.03SiO4、炭素の含有量=5.0質量%)を得た。
植物性タンパク質 0.4gの代わりに上記セルロースナノクリスタル 0.36gを用いた以外、実施例4と同様にしてセルロースナノファイバー由来の炭素が担持してなるナトリウムイオン二次電池用正極活物質G(NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、炭素の含有量=1.7質量%)を得た。
実施例1~4及び比較例1~3で得られた正極活物質を用い、各正極活物質中における窒素の含有量は、酸素・窒素分析装置(堀場製作所社製EMGA-920)、硫黄の含有量は、炭素・硫黄分析装置(堀場製作所社製EMIA-220V2)を用いて測定した。
得られた分析結果を表1に示す。
実施例1~4及び比較例1~3で得られた正極活物質を用い、リチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池の正極を作製した。具体的には、得られた正極活物質、ケッチェンブラック、ポリフッ化ビニリデンを重量比75:15:10の配合割合で混合し、これにN-メチル-2-ピロリドンを加えて充分混練し、正極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体に塗工機を用いて塗布し、80℃で12時間の真空乾燥を行った。その後、φ14mmの円盤状に打ち抜いてハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスし、正極とした。
次いで、上記の正極を用いてコイン型二次電池を構築した。負極には、φ15mmに打ち抜いたリチウム箔を用いた。電解液には、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した混合溶媒に、LiPF6(リチウムイオン二次電池の場合)もしくはNaPF6(ナトリウムイオン二次電池の場合)を1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンを用いた。これらの電池部品を露点が-50℃以下の雰囲気で常法により組み込み収容し、コイン型二次電池(CR-2032)を製造した。
LiFe0.2Mn0.8PO4を用いたリチウムイオン電池は、充電条件を電流0.5CA(85mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を0.5CA(85mA/g)、終止電圧2.0Vの定電流放電として、0.5CAにおける放電容量を求めた。
Li2Fe0.09Mn0.85Zr0.03SiO4を用いたリチウムイオン電池では、充電条件を電流0.5CA(165mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を0.5CA(165mA/g)、終止電圧1.5Vの定電流放電として、0.5CAにおける放電容量を求めた。
NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4を用いたナトリウムイオン電池では、充電条件を電流0.5CA(77mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を0.5CA(77mA/g)、終止電圧2.0Vの定電流放電として、0.5CAにおける放電容量を求めた。
さらに、上記充放電条件での20サイクル繰り返し試験を行い、下記式(X)により容量保持率(%)を求めた。
容量保持率(%)=(20サイクル後の放電容量)/(1サイクル後の放電容量)
×100 ・・・(X)
得られた放電容量の結果を表2に示す。
Claims (7)
- 下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0.1≦a≦0.9、0.1≦b≦0.9、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
LiFe d Mn e N f SiO4・・・(B)
(式(B)中、NはNi、Co、Al、Zn、V又はZrを示す。d、e及びfは、0.09≦d≦0.6、0.1≦e≦1、及び0≦f≦0.3を満たし、d及びeは同時に0ではなく、かつ2d+2e+(Nの価数)×f=2を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物に、植物性タンパク質を炭化してなる粒子であって炭素、窒素及び硫黄を含有する植物性タンパク質由来の粒子が担持してなり、かつ植物性タンパク質由来の粒子の炭素の含有量が0.5質量%~7質量%である二次電池用正極活物質の製造方法であって、
リチウム化合物又はナトリウム化合物を含むスラリー水Qに、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合して複合体Qを得る工程(I)、
得られた複合体Q、及び少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Rを水熱反応に付して、複合体Rを得る工程(II)、
得られた複合体R、植物性タンパク質を含むスラリー水Sを超音波により撹拌した後、乾燥して複合体Sを得る工程(III)、並びに
得られた複合体Sを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(IV)
を備える二次電池用正極活物質の製造方法。 - 二次電池用正極活物質において、植物性タンパク質由来の炭素が窒素及び硫黄とともに二次電池用正極活物質粒子表面の一部に存在し、かつ式(A)、(B)又は(C)で表される酸化物粒子により形成されるパッキング構造の粒子間空隙を充填してなる、請求項1に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
- 工程(III)において、超音波による撹拌時間が、0.5分~6分間である、請求項1又は2に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
- 工程(II)において、水熱反応の温度が130℃~180℃であり、かつ圧力が0.3MPa~0.9MPaである、請求項1~3のいずれか1項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
- 二次電池用正極活物質において、植物性タンパク質由来の粒子の窒素の含有量が、二次電池用正極活物質中に0.01質量%~5質量%である、請求項1~4のいずれか1項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
- 二次電池用正極活物質において、植物性タンパク質由来の粒子の硫黄の含有量が、二次電池用正極活物質中に0.01質量%~5質量%である、請求項1~5のいずれか1項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
- 植物性タンパク質が、大豆由来の植物性タンパク質、又は麦由来の植物性タンパク質である、請求項1~6のいずれか1項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
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