JP7158269B2 - 二次電池用正極活物質及びその製造方法 - Google Patents
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Description
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
LiFeaMnbMcSiO4・・・(B)
(式(B)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物に、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなる二次電池用正極活物質を提供するものである。
リチウム化合物又はナトリウム化合物を含むスラリー水Qに、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合して複合体Qを得る工程(I)、
得られた複合体Q、及び少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Rを水熱反応に付して、複合体Rを得る工程(II)、
得られた複合体R、セルロースナノファイバー及びリグニンを含むスラリー水Sを乾燥して複合体Sを得る工程(III)、並びに
得られた複合体Sを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(IV)
を備える二次電池用正極活物質の製造方法等を提供するものである。
本発明で用いる酸化物は、下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、0≦c≦0.2、及び2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たし、かつa+b≠0を満たす数を示す。)
Li2FedMneNfSiO4・・・(B)
(式(B)中、NはNi、Co、Al、Zn、V又はZrを示す。d、e及びfは、0≦d≦1、0≦e≦1、0≦f<1、及び2d+2e+(Nの価数)×f=2を満たし、かつd+e≠0を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
のいずれかの式で表される。
これらの酸化物は、いずれもオリビン型構造を有しており、少なくとも鉄又はマンガンを含む。上記式(A)又は式(B)で表される酸化物を用いた場合には、リチウムイオン二次電池用正極活物質が得られ、上記式(C)で表される酸化物を用いた場合には、ナトリウムイオン二次電池用正極活物質が得られる。
これらセルロースナノファイバー及びリグニンは、例えば焼成を介することによって、ともに炭化させることが可能な炭素源であり、こうして炭素と化したこれらの炭素源が上記酸化物に担持されて、本発明の二次電池用正極活物質を構成するものである。後述するとおり、これらセルロースナノファイバー及びリグニンは、いずれも固有の特徴的な構造を有しているため、炭化された後においても双方が補い合いながら又は絡み合いながら堅固に酸化物に担持されてなる等、構造的又は物性的に何らかの相互作用を及ぼしあって、特徴的な複合構造を有する炭素になるものと考えられる。しかしながら、如何なる分析方法を用いても、最終生成物である二次電池用正極活物質からは、あくまでも炭素として検出されるにすぎず、その担持の態様や構造等をもって直接的に特定するのは不可能であるため、本発明の二次電池用正極活物質においては、「式(A)、(B)又は(C)で表される酸化物に、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなる」と表現するものである。
本発明で用い得るリグニンとしては、紙パルプ製造プロセスやバイオエタノール製造プロセスなどにおける、セルロース/ヘミセルロース主体の分離工程における脱リグニン反応での副生成物として得られる工業リグニンあれば、特に制限されず、例えば、サンエキス(日本製紙株式会社製)等の市販品を好適に用いることができる。
かかるリグノセルロースナノファイバーの繊維径は、好ましくは30nm~1000nmであり、より好ましくは50nm~500nmであり、例えば、リグノCNF45(モリマシナリー株式会社製)等の市販品を好適に用いることができる。
なお、セルロースナノファイバー由来の炭素の担持量(x)とリグニン由来の炭素の担持量(y)の比((x):(y))は、セルロースナノファイバーの炭素原子換算量とリグニンの炭素原子換算量の比と同義であり、セルロースナノファイバーの配合量とリグニンの配合量から算出して求めることができる。
本発明の二次電池用正極活物質は、このような特徴的な複合構造を有する炭素が、正極活物質の表面全体を被覆すると同時にパッキング密度が増大する状態で酸化物粒子間の導電パスを形成しているため、優れた充放電特性が発現され、かかる炭素の量を有効に減じることも可能になると考えられる。
得られた複合体Q、及び少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Rを水熱反応に付して、複合体Rを得る工程(II)、
得られた複合体R、セルロースナノファイバー及びリグニンを含むスラリー水Sを乾燥して複合体Sを得る工程(III)、並びに
得られた複合体Sを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(IV)
を備える。
なお、スラリー水Qを撹拌する際、さらにスラリー水Qの沸点温度以下に冷却するのが好ましい。具体的には、80℃以下に冷却するのが好ましく、20℃~60℃に冷却するのがより好ましい。
また、窒素をパージする際、反応を良好に進行させる観点から、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合した後のスラリー水Qを撹拌するのが好ましい。このときの撹拌速度は、好ましくは200rpm~700rpmであり、より好ましくは250rpm~600rpmである。
これら金属(M、N又はQ)塩を用いる場合、鉄化合物、マンガン化合物、及び金属(M、N又はQ)塩の合計添加量は、上記工程(I)において得られた水溶液中のリン酸又はケイ酸1モルに対し、好ましくは0.99モル~1.01モルであり、より好ましくは0.995モル~1.005モルである。
得られた複合体Rは、上記式(A)~(C)で表される酸化物であり、ろ過後、水で洗浄することによりこれを単離できる。
得られた複合体T、及び少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Uを水熱反応に付して、複合体Uを得る工程(II')、
得られた複合体U及びリグニンを含むスラリー水Vを乾燥して複合体Vを得る工程(III')、並びに
得られた複合体Vを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(IV')
を備える。
なお、ここで用いるセルロースナノファイバーは、上記二次電池用正極活物質(H)の製造方法において用いるものと同様である。
なお、ここで用いるリグニンは、上記二次電池用正極活物質(H)の製造方法において用いるものと同様である。
得られたスラリー水Yを乾燥して、複合体Yを得る工程(II'')、並びに
得られた複合体Yを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(III'')
を備える。
上記酸化物は、上記二次電池用正極活物質(H)又は上記二次電池用正極活物質(H')の製造方法のように、合成反応に付して得られるものであり、かかる合成反応に付す方法としては、固相法(焼成法、溶融-アニール法)と湿式法(水熱法)に大別されるがいずれの方法であってもよく、さらに合成反応に付した後に粉砕又は分級してもよい。なかでも、粒径が小さく、かつ粒度が揃った酸化物が得られる観点から、水熱反応に付すことにより得られる酸化物であるのが好ましい。
なお、水熱反応に付して上記酸化物を得る方法は、具体的には、上記二次電池用正極活物質(H)又は上記二次電池用正極活物質(H')の製造方法において、セルロースナノファイバー及びリグニン、又はリグノセルロースナノファイバーを用いないこと以外、上記工程(I)~(II)を経ることにより複合体Rを得る方法、或いは上記工程(I')~(II')を経ることにより複合体Uを得る方法と同様である。
スラリー水Wにおける酸化物の含有量は、水100質量部に対し、好ましくは10質量部~400質量部であり、より好ましくは30質量部~210質量部である。
セルロースナノファイバー、リグニン及びリグノセルロースナノファイバーとしては、上記二次電池用正極活物質(H)又は(H')の製造方法において用いるものと同様のものを用いることができる。
なお、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素の合計担持量は、得られた正極活物質を元に、炭素・硫黄分析装置(EMIA-220V2、株式会社堀場製作所製)を使用した非分散赤外吸収法によって定量した。また、セルロースナノファイバー由来の炭素の担持量(x)とリグニン由来の炭素の担持量(y)の比((x):(y))は、各々セルロースナノファイバー、リグニン又はリグノセルロースナノファイバー(成分比から)の炭素原子換算量を元に算出した。
Li2CO3 7.39g、Mn(CH3COO)2・4H2O 19.61g、Fe (CH3COO)2 3.48g、NH4H2PO4 11.50g、及びエタノール50gを混合した後、遊星型ボールミルを用いて、400rpmで6時間混合粉砕を行った。次いで、得られたスラリー水を、80℃で3時間温風乾燥して、複合体を得た。得られた複合体を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、700℃で6時間焼成して、酸化物a(LiFe0.2Mn0.8PO4、平均粒径2μm)を得た。
LiOH・H2O 12.72g、水 90gを混合してスラリー水a1を得た。次いで、得られたスラリー水a1を、25℃の温度に保持しながら5分間撹拌しつつ85%のリン酸水溶液 11.53gを35mL/分で滴下し、続いて12時間、400rpmの速度で撹拌することにより、複合体b1を含有するスラリー水c1を得た。かかるスラリー水c1は、リン1モルに対し、2.97モルのリチウムを含有していた。
次いで、得られたスラリー水d1をオートクレーブに投入し、170℃で1時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、0.8MPaであった。生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し、12質量部の水により洗浄してケーキe1を得た。
次いで、得られたスラリー水f1を、-50℃で12時間凍結乾燥して、複合体g1を得た。
得られたリチウムイオン二次電池用正極活物質AのTEM写真を図1に示す。
LiOH・H2O 4.28g、Na4SiO4・nH2O 13.97gに水 40gを加えて混合してスラリー水a2を得た後、スラリー水a2に、FeSO4・7H2O 3.92g、MnSO4・5H2O 7.93g、及びZr(SO4)2・4H2O 0.53gを添加、混合してスラリー水b2を得た。
次いで、スラリー水b2をオートクレーブに投入し、150℃で3時間水熱反応を行った。オートクレーブの圧力は0.4MPaであった。生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し、12質量部の水により洗浄してケーキc2を得た。
得られたケーキc2に、リグノセルロースナノファイバー(同上)10.2g及び水 30gを超音波攪拌機(同上)を用いて1分間撹拌して、スラリー水d2を得た。次に、スラリー水d2を、-50℃で12時間凍結乾燥して、複合体e2を得た。
得られた複合体e2を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、650℃で1時間焼成して、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質B(Li2Fe0.09Mn0.85Zr0.03SiO4、炭素の合計担持量=5.0質量%、セルロースナノファイバー由来の炭素の担持量:リグニン由来の炭素の担持量((x):(y))=70:30)を得た。
リグノセルロースナノファイバー 7.13gの代わりに、セルロースナノファイバー(セリッシュKY-100G、ダイセルファインケム製、繊維径4~100nm、含水量90%)5.0g及びリグニン(東京化成工業社製)0.21gを用いた以外、実施例1と同様にして、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質C(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の合計担持量=1.8質量%、セルロースナノファイバー由来の炭素の担持量:リグニン由来の炭素の担持量((x):(y))=60:40)を得た。
合成例1で得られた酸化物a(LiFe0.2Mn0.8PO4)15.7g、リグノセルロースナノファイバー(同上)0.71g及び水 30gを超音波攪拌機(同上)で1分間撹拌して、全体が均一な白濁度を有するスラリー水a4を得た。
得られたスラリー水a4を、-50℃で12時間凍結乾燥して、複合体b4を得た。
得られた複合体b4を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、650℃で1時間焼成して、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質D(Li2Fe0.09Mn0.85Zr0.03SiO4、炭素の合計担持量=1.8質量%、セルロースナノファイバー由来の炭素の担持量:リグニン由来の炭素の担持量((x):(y))=70:30)を得た。
NaOH 6.00g及び水 90gを混合してスラリー水a5を得た。次いで、得られたスラリー水a5を、25℃の温度に保持しながら5分間撹拌しつつ85%のリン酸水溶液 5.77gを35mL/分で滴下し、続いて12時間、400rpmの速度で撹拌することにより、複合体b5を含有するスラリー水c5を得た。かかるスラリー水c5は、リン1モルに対し、3.00モルのナトリウムを含有していた。
次に、得られたスラリー水c5に対し、窒素ガスをパージして溶存酸素濃度を0.5mg/Lに調整した後、FeSO4・7H2O 1.39g、MnSO4・5H2O 9.64g、MgSO4・7H2O 1.24gを添加して、スラリー水d5を得た。
次いで、得られたスラリー水d5を窒素ガスでパージしたオートクレーブに投入し、200℃で3時間水熱反応を行った。オートクレーブ内の圧力は、1.4MPaであった。生成した結晶をろ過し、次いで結晶1質量部に対し、12質量部の水により洗浄してケーキe5を得た。得られたケーキe5に、リグノセルロースナノファイバー(同上)3.57g及び水 30gを超音波攪拌機(同上)で1分間撹拌して、スラリー水f5を得た。
次いで、得られたスラリー水f5を、-50℃で12時間凍結乾燥して、複合体g5を得た。得られた複合体g5を、アルゴン水素雰囲気下(水素濃度3%)、700℃で1時間焼成して、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなるナトリウムイオン二次電池用正極活物質E(NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、炭素の合計担持量=1.7質量%、セルロースナノファイバー由来の炭素の担持量:リグニン由来の炭素の担持量((x):(y))=70:30)を得た。
リグノセルロースナノファイバーの代わりにセルロースナノファイバー(セリッシュKY-100G、ダイセルファインケム製、繊維径4~100nm、含水量90%)7.13gを用いた以外、実施例1と同様にしてセルロースナノファイバー由来の炭素のみが担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質F(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の担持量=1.8質量%)を得た。
得られたリチウムイオン二次電池用正極活物質FのTEM写真を図2に示す。
リグノセルロースナノファイバーの代わりにリグニン(東京化成工業社製)0.71gを用いた以外、実施例1と同様にしてリグニン由来の炭素のみが担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質G(LiFe0.2Mn0.8PO4、炭素の担持量=1.8質量%)を得た。
リグノセルロースナノファイバーの代わりにセルロースナノファイバー(同上)10.2gを用いた以外、実施例2と同様にしてセルロースナノファイバー由来の炭素のみが担持してなるリチウムイオン二次電池用正極活物質H(Li2Fe0.09Mn0.85Zr0.03SiO4、炭素の担持量=5.0質量%)を得た。
リグノセルロースナノファイバーの代わりにセルロースナノファイバー(同上)3.57gを用いた以外、実施例5と同様にしてセルロースナノファイバー由来の炭素のみが担持してなるナトリウムイオン二次電池用正極活物質I(NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4、炭素の担持量=1.7質量%)を得た。
実施例1~5及び比較例1~4で得られた正極活物質を用い、リチウムイオン二次電池又はナトリウムイオン二次電池の正極を作製した。具体的には、得られた正極活物質、ケッチェンブラック、ポリフッ化ビニリデンを重量比75:15:10の配合割合で混合し、これにN-メチル-2-ピロリドンを加えて充分混練し、正極スラリーを調製した。正極スラリーを厚さ20μmのアルミニウム箔からなる集電体に塗工機を用いて塗布し、80℃で12時間の真空乾燥を行った。その後、φ14mmの円盤状に打ち抜いてハンドプレスを用いて16MPaで2分間プレスし、正極とした。
次いで、上記の正極を用いてコイン型二次電池を構築した。負極には、φ15mmに打ち抜いたリチウム箔を用いた。電解液には、エチレンカーボネート及びエチルメチルカーボネートを体積比1:1の割合で混合した混合溶媒に、LiPF6(リチウムイオン二次電池の場合)もしくはNaPF6(ナトリウムイオン二次電池の場合)を1mol/Lの濃度で溶解したものを用いた。セパレータには、ポリプロピレンを用いた。これらの電池部品を露点が-50℃以下の雰囲気で常法により組み込み収容し、コイン型二次電池(CR-2032)を製造した。
LiFe0.2Mn0.8PO4を用いたリチウムイオン電池は、充電条件を電流0.1CA(17mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を10CA(1700mA/g)、終止電圧2.0Vの定電流放電として、10CAにおける放電容量を求めた。
Li2Fe0.09Mn0.85Zr0.03SiO4を用いたリチウムイオン電池では、充電条件を電流0.1CA(33mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を10CA(3300mA/g)、終止電圧1.5Vの定電流放電として、10CAにおける放電容量を求めた。
NaFe0.1Mn0.8Mg0.1PO4を用いたナトリウムイオン電池では、充電条件を電流0.1CA(15.4mA/g)、電圧4.5Vの定電流定電圧充電とし、放電条件を10CA(1540mA/g)、終止電圧2.0Vの定電流放電として、10CAにおける放電容量を求めた。
得られた放電容量の結果を表1に示す。
Claims (7)
- 下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
LiFeaMnbMcSiO4・・・(B)
(式(B)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物に、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなる二次電池用正極活物質。 - セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素の合計担持量が、0.3~20質量%である請求項1に記載の二次電池用正極活物質。
- セルロースナノファイバー由来の炭素の担持量(x)とリグニン由来の炭素の担持量(y)の比((x):(y))が、95:5~30:70である請求項1又は2に記載の二次電池用正極活物質。
- 下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
LiFeaMnbMcSiO4・・・(B)
(式(B)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物に、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなる二次電池用正極活物質の製造方法であって、
リチウム化合物又はナトリウム化合物を含むスラリー水Qに、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合して複合体Qを得る工程(I)、
得られた複合体Q、及び少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Rを水熱反応に付して、複合体Rを得る工程(II)、
得られた複合体R、セルロースナノファイバー及びリグニンを含むスラリー水Sを乾燥して複合体Sを得る工程(III)、並びに
得られた複合体Sを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(IV)
を備える二次電池用正極活物質の製造方法。 - 下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
LiFeaMnbMcSiO4・・・(B)
(式(B)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物に、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなる二次電池用正極活物質の製造方法であって、
リチウム化合物又はナトリウム化合物と、セルロースナノファイバーを含むスラリー水Tに、リン酸化合物又はケイ酸化合物を混合して複合体Tを得る工程(I')、
得られた複合体T、及び少なくとも鉄化合物又はマンガン化合物を含む金属塩を含有するスラリー水Uを水熱反応に付して、複合体Uを得る工程(II')、
得られた複合体U及びリグニンを含むスラリー水Vを乾燥して複合体Vを得る工程(III')、並びに
得られた複合体Vを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(IV')
を備える二次電池用正極活物質の製造方法。 - 下記式(A)、(B)又は(C):
LiFeaMnbMcPO4・・・(A)
(式(A)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
LiFeaMnbMcSiO4・・・(B)
(式(B)中、MはMg、Ca、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。a、b及びcは、0≦a≦1、0≦b≦1、及び0≦c≦0.3を満たし、a及びbは同時に0ではなく、かつ2a+2b+(Mの価数)×c=2を満たす数を示す。)
NaFegMnhQiPO4・・・(C)
(式(C)中、QはMg、Ca、Co、Sr、Y、Zr、Mo、Ba、Pb、Bi、La、Ce、Nd又はGdを示す。g、h及びiは、0≦g≦1、0≦h≦1、0≦i<1、及び2g+2h+(Qの価数)×i=2を満たし、かつg+h≠0を満たす数を示す。)
で表される酸化物に、セルロースナノファイバー由来の炭素及びリグニン由来の炭素が担持してなる二次電池用正極活物質の製造方法であって、
上記式(A)、(B)又は(C)で表される酸化物を含むスラリー水Wと、セルロースナノファイバー及びリグニンを含むスラリー水Xを混合して、スラリー水Yを得る工程(I'')、
得られたスラリー水Yを乾燥して、複合体Yを得る工程(II'')、並びに
得られた複合体Yを還元雰囲気又は不活性雰囲気中において焼成する工程(III'')
を備える二次電池用正極活物質の製造方法。 - セルロースナノファイバー及びリグニンとして、リグノセルロースナノファイバーを用いることを特徴とする、請求項4~6のいずれか1項に記載の二次電池用正極活物質の製造方法。
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