JP7194992B2 - 転写粘着テープ及び転写具 - Google Patents

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Description

本発明は、手持ち型の転写具によって被転写体に押しつけられることにより、粘着部が被転写体に転写される、感圧式の転写粘着テープ及びこの転写粘着テープを備える転写具に関する。
手持ち型の転写具によって被転写体に押しつけられることにより、粘着部が被転写体に転写される、感圧式の転写粘着テープがある。
このような転写粘着テープは液体のりや固形のりとは異なり、手を汚すことなく簡単に粘着部を被転写体へと転写でき、接着するまでの乾燥時間が不要であり、被転写体である、例えば紙等がしわにならない、といった利点がある。
しかし、このような転写粘着テープを転写具に装着し、被転写体に転写する場合、転写を終了して転写具を被転写体から引き上げた時に、転写粘着テープの粘着部の切れ性(以下、「のり切れ性」と称す)が悪く、被転写体に転写された粘着部と、転写具側の粘着部との間で糸を引く現象が発生し、転写作業に支障をきたすことがある。
そこで、転写粘着テープの粘着部の、のり切れ性を向上させるために、粘着部を、例えば島状の不連続なパターン形状にしているものがある(例えば特許文献1,2参照)。
しかし、粘着部を不連続にすると、基材上での粘着部の面積割合が低下し、転写粘着テープの粘着力が低下する。
更に、転写粘着テープを低温環境下や高速条件下で被転写体に転写すると、不連続な粘着部の一部が基材から剥離せず、基材に残る現象(以下、「未剥離」と称す)が生じやすい。
また、転写粘着テープは、ロール状態であるため、粘着部と一周内側の基材の背面側の剥離層とが接触している。転写粘着テープは、粘着部も基材の剥離層の表面上に設けられているため、基材の粘着部側に剥離性のない一般的な粘着テープと違い、ロール状態から高速で転写粘着テープを巻き出すと、背面側の剥離層に粘着剤が移行(以下、「ブロッキング」と称す)することがある。特に粘着部を不連続なパターン形状にした場合、ブロッキングが生じやすい。
特開2001-192625公報 特許第5234556号公報
従って、本発明は、のり切れ性がよく、未剥離及びブロッキングが発生しにくい転写粘着テープ及び転写具を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様は、以下のものを提供する。
片面に粘着部が設けられたフィルム状の基材をロール状に捲回し、前記粘着部が設けられた前記片面を被転写体に押圧することにより、前記粘着部が前記被転写体に転写される転写粘着テープであって、前記片面の全体の面積に対する、前記粘着部の面積割合が35%から80%であり、前記片面における前記粘着部が設けられていない部分である非粘着部は、前記基材の短手方向の一端から他端及び長手方向の一端から他端に非連続である、転写粘着テープ。
前記粘着部は、複数の主粘着部と、前記主粘着部同士を連結する連結粘着部とを備えることが好ましい。
前記連結粘着部の厚みは、前記主粘着部の厚みより薄いことが好ましい。
前記転写粘着テープの短手方向に、一定の間隔で複数配置された前記主粘着部から成る列が、長手方向に一定の間隔で設けられ、一つの列における前記主粘着部と前記主粘着部との間に、その列に対して長手方向の前後に位置する列の前記主粘着部が配置されていることが好ましい。
前記主粘着部は、略円形であることが好ましい。
複数の前記連結粘着部を備え、前記複数の連結粘着部は、一つの前記主粘着部と、該一つの主粘着部を囲む全ての主粘着部とを一対一で連結することが好ましい。
前記連結粘着部は、前記長手方向及び前記短手方向に対して、斜めに延びて設けられていることが好ましい。
また、本発明の他の態様は、上記の転写粘着テープを備える転写具を提供する。
本発明によれば、のり切れ性がよく、未剥離及びブロッキングが発生しにくい転写粘着テープ及び転写具を提供することができる。
転写粘着テープ1の斜視図である。 転写具10の一例を示した斜視図である。 転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンの第1実施例を示す図である。 転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンの第2実施例を示す図である。 転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンの第3実施例を示す図である。 転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンの第4実施例を示す図である。 転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンの第5実施例を示す図である。 転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンの第1比較例を示す図である。 転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンの第2比較例を示す図である。 転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンの第3比較例を示す図である。 転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンの第4比較例を示す図である。 実施例1-5及び比較例1-4の転写粘着テープ1に対する性能評価の比較結果である。
以下、本発明の実施形態について説明する。図1は転写粘着テープ1の斜視図である。転写粘着テープ1は、両面に剥離層が設けられたプラスチック製の基材2の一面に所定のパターンで粘着部11が積層されているもので、所定幅に裁断されて小巻され、図示するように、いわゆるパンケーキ状の捲回体となっている。
(転写具10)
転写粘着テープ1は、手持ち型の転写具10に装着される。図2は転写具10の一例を示した斜視図である。
転写具10は、左右1対の筐体部材からなる筐体3内に、転写粘着テープ1を巻装した供給リール4と、転写粘着テープ1の粘着部11を被転写面に転写する転写ヘッド5と、転写後の転写粘着テープ1を巻き取る巻取リール6とを備える。
転写ヘッド5を被転写面に押圧した状態で、転写具10を後方に引くことにより、供給リール4から引出される転写粘着テープ1の粘着部11が、基材2から剥離しながら被転写体へ転写される。そして、粘着部11が転写された後の転写粘着テープ1は巻取リール6に捲回される。
(転写粘着テープ1の製造方法)
転写粘着テープ1は以下のように製造される。
まず、広幅・長尺の基材2の両面に剥離層を形成する。
次に、剥離層が形成された基材2の表面に粘着剤塗工液を所定パターンに塗布して乾燥させる。
次いで、粘着剤塗工液が乾燥して粘着剤が塗布された状態の基材2をロール状に巻き取って原反を作製する。
そして、原反を巻出し裁断しつつ紙又はプラスチックからなるコアに小巻することでパンケーキ状の転写粘着テープ1が製造される。
以下、この製造方法についてより詳細に説明する。
(基材2)
基材2としては、プラスチックフィルムが用いられる。プラスチックフィルムとしては、ポリエチレンテレフタレート、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンナフタレート等が用いられる。これら基材の厚さは、3~50μmであることが好ましく、5~38μmであることがより好ましい。実施形態ではプラスチックフィルムであるが、グラシン紙等の紙を用いることもできる。
(剥離層形成)
この基材2の粘着部側の面及び反対側の面の両面に剥離層を形成する。剥離層形成用の剥離剤としては、シリコーン系剥離剤、フッ素系剥離剤等を使用できるが、コスト及び剥離性能の安定性の観点から、シリコーン系剥離剤を用いることが好ましい。
シリコーン系剥離剤の中でも、硬化反応性の高い付加反応型シリコーン系剥離剤がより好ましい。
付加反応型シリコーン系剥離剤としては、例えば、分子中にアルケニル基を含有するポリオルガノシロキサン、及び分子中に官能基としてヒドロシリル基を含有するポリオルガノシロキサンを必須成分とするシリコーン系剥離剤が挙げられる。前記シリコーン系剥離剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
剥離層を形成する場合は、剥離剤を必要に応じて、シクロヘキサン、ヘキサン、ヘプタン等の炭化水素系溶剤やトルエン、キシレン等の芳香族系溶剤等の有機溶剤、又は水で希釈した後、必要に応じて硬化触媒を添加・混合することで、剥離層塗工液を得ることができる。
硬化触媒としては、特に限定されないが、例えば、白金系触媒を挙げることができる。剥離層塗工液中には、必要に応じて、剥離コントロール剤、ブロッキング防止剤、密着性向上剤、ゲル化防止剤等の公知の各種助剤を、必要に応じて適宜配合することができる。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用すればよい。
剥離層は、剥離剤を用いて調製した剥離層塗工液を、基材2の粘着部側の面及び反対側の面に塗布して乾燥させ、シリコーン系剥離剤を架橋させることにより形成される。
剥離層塗工液としては、粘着部側の面に塗布する剥離層塗工液(粘着部側剥離層塗工液)及び反対側の面に塗布される剥離層塗工液(背面側剥離層塗工液)が調製される。粘着部側剥離層塗工液は、背面側剥離層塗工液よりも、粘着剤に対する剥離強度が大きくなるように調製される。
具体的には、一例として、厚さ12μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(E5001、東洋紡(株)製)を基材2として用い、その基材2の表面に、粘着部側剥離層(重剥離面)塗工液及び背面側剥離層(軽剥離面)塗工液を、それぞれグラビアコーターを用いて乾燥後重量が0.4g/mになるよう塗布した後、乾燥し、紙管に巻き取る。
なお、剥離剤の塗工は、グラビアコーターに限らず、バーコーター、ロールコーター等を適宜使用でき、乾燥・硬化方法は、熱、紫外線照射、電子線照射等を使用できる。
剥離剤の塗布量は、粘着部側及び背面側、共に乾燥重量で0.1~0.6g/m程度とするのが好ましい。剥離層の厚みは0.1~0.6μm程度であることが好ましい。
(粘着部11形成)
次に、剥離層が形成された基材2における粘着部側剥離層が形成された側の面(重剥離面)に粘着剤塗工液を所定パターンに塗布して乾燥することにより粘着部11を形成する。
粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤、シリコーン系粘着剤、ウレタン系粘着剤、ポリエステル系粘着剤等を用いることができる。
これらの粘着剤の中でも、塗工適性に優れる観点より、アクリル系粘着剤を用いることが特に好ましい。アクリル系粘着剤としては、各種アクリル酸エステルモノマーと必要に応じて配合される共重合性のモノマーとの共重合によって得られるアクリル系共重合体を主成分とするものが好適に用いられる。
アクリル系共重合体の市販品としては、日本カーバイド工業(株)製「ニッセツ」、トーヨーケム(株)製「オリバイン」、東亞合成(株)製「アロンタック」、サイデン化学(株)製「サイビノール」、綜研化学(株)製「SKダイン」、日本触媒(株)製「アクリセット」、ライオンスペシャリティケミカルズ(株)製「バインゾール」、昭和電工(株)製「ビニロール」等を挙げることができる。
また、アクリル系粘着剤は、そのまま使用することもできるが、好ましくは、硬化剤が添加される。硬化剤としては、例えば、公知のエポキシ系架橋剤、イソシアネート系架橋剤、シリコーン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、アジリジン系架橋剤、シラン系架橋剤、アルキルエーテル化メラミン系架橋剤、金属キレート系架橋剤等を挙げることができる。前記硬化剤は単独で、又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記粘着剤には、必要に応じて、粘着付与剤、レベリング剤、架橋助剤、架橋遅延剤、可塑剤、軟化剤、充填剤(フィラー)、帯電防止剤、老化防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等の、粘着剤組成物の分野において一般的な各種の添加剤を適宜配合することができる。このような各種添加剤については、従来公知のものを常法により使用すればよい。
粘着部11の厚さは特に制限されないが、接着性及びコストの観点から3~40μm程度であることが好ましい。
粘着部形成用の粘着剤塗工液(以下、「粘着部形成用塗工液」)は、例えば、アクリル共重合体からなる粘着剤A(オリバインBPS1109、トーヨーケム(株)製)100重量部と、テルペンフェノール樹脂(Sylvares TP95、アリゾナケミカル(株)製、軟化点95℃)10重量部と、イソシアネート系架橋剤(コロネートL、東ソー(株)製)2重量部と、トルエン30重量部とを混合することで得られる。
この粘着部形成用塗工液を、基材2の粘着部側剥離層(重剥離面)上にグラビアコーターで塗布した後、乾燥し、所定パターンの粘着部11を形成した後、紙管に巻き取り、転写粘着テープ1の原反を作成する。
なお、グラビアコーターは、グラビア版となる表面にパターンに応じた凹部が設けられたローラーに塗工液を塗布し、余分な部分をブレードで掻き落とし、もう一つのローラーとの間に挟まれた基材に塗工液を転写する方法である。
グラビアコーターによる塗工以外にも、スクリーン塗工やオフセット塗工などの方法でも可能である。
(スリット加工)
このように得られた原反を、粘着部11の背面側剥離層への移行(ブロッキング)が起こらない速度にて繰り出しつつ、例えば、8.4mm幅に切断し、16m長を直径20mmの紙管に巻き付けパンケーキ状の転写粘着テープ1を作製する。
(転写粘着テープ1)
図3は、このように製造された実施形態の転写粘着テープ1の第1実施例の転写面拡大図である。転写粘着テープ1の片面である転写面には、粘着部11と、粘着部11が設けられていない部分である非粘着部12とが設けられている。
実施形態の転写粘着テープ1は、以下の特徴を有する。
(1)粘着部の面積割合
転写粘着テープ1は、基材2における粘着部11が塗布されている片面(転写面)に粘着部11と非粘着部12とを有する。そして転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は35%から80%である。転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は、40%から80%であることが好ましく、50%から80%であることがより好ましい。
(2)非粘着部12の非連続性
非粘着部12は転写粘着テープの長手方向及び短手方向それぞれにおいて分離されている。即ち、非粘着部12は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続である。
更に、実施形態の転写粘着テープ1は、以下の特徴を有する。
(3)粘着部11は、主粘着部111と、一つの主粘着部111と他の主粘着部111とを連結する連結粘着部112と、を備え、主粘着部111及び連結粘着部112が所定パターンで形成されている。
(4)連結粘着部112の厚みは、主粘着部111の厚みより薄い。
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、一定の間隔で複数配置された主粘着部111から成る列が、長手方向に一定の間隔で設けられ、一つの列における主粘着部11と主粘着部111との間に、その列に対して長手方向の前後に位置する列の主粘着部111が配置されている。
即ち、短手方向に延びる一つの列内の主粘着部111の中心と、その一つの列と長手方向に隣り合う他の列内のそれぞれの主粘着部111の中心とが、長手方向において同一直線上に並ばないように交互に配置されている。
以下、実施形態の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンとしての第1実施例から第5実施例と、実施形態の転写粘着テープ1に対する比較例である第1比較例から第4比較例について説明する。
(第1実施例)
図3は、第1実施例の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンを示す図である。第1実施例の転写粘着テープ1の特徴は以下である。
(1)転写粘着テープ1の転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は77.0%である。なお、本明細書において、粘着部11の面積割合は、繰り返しの基となる(最少)所定パターンの面積割合を測定することによって求めた。
(2)非粘着部12は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続である。
(3)粘着部11は、主粘着部111と、一つの主粘着部111と他の主粘着部111とを連結する連結粘着部112とが所定パターンで形成されている。非粘着部12は、連結粘着部112によって分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続となっている。
連結粘着部112は更に、一つの主粘着部111の周囲に配置された6つの主粘着部111のうちの異なる列の4つの主粘着部111に延びる直線状の第1連結粘着部112aと、短手方向の同じ列の2つの主粘着部111に延びる直線状の第2連結粘着部112bとを備える。
複数の連結粘着部112は、一つの主粘着部111と、その一つの主粘着部111を囲む全ての主粘着部111とを一対一で連結している。すなわち、第1実施例では、一つの主粘着部111は、6つの主粘着部111に囲まれており、連結粘着部112は、一つの主粘着部111から、その主粘着部111を囲む6つの主粘着部111へ個々に合計6本延びている。
第1連結粘着部112a及び第2連結粘着部112bは、転写粘着テープ1の長手方向と短手方向のいずれとも平行でなく、それらの方向に対して傾いて延びている。
第2連結粘着部112bは、連結する2つ主粘着部111の両方の接線方向に延びている。一つの主粘着部111から延びる2つの第2連結粘着部112bは、非平行である。
(4)粘着部パターンは、主粘着部111、第1連結粘着部112a、第2連結粘着部112bに対応した凹部パターンが設けられたグラビアコーターにより、粘着部形成用塗工液を剥離層が設けられた基材2に塗布し、乾燥することにより形成される。
乾燥後の主粘着部111の厚みは約35μmで、第1連結粘着部112aの厚みは約6μmで、第2連結粘着部112bの厚みは約3μmであり、連結粘着部112の厚みは主粘着部111の厚みより薄い。
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、中心の間隔2.0mmで一列に並ぶようにして、直径1.9mmの円形の主粘着部111が複数配置されている。短手方向に延びる一つの列内の主粘着部111の中心と、その一つの列と長手方向に隣り合う他の列内の主粘着部111の中心との間隔は2.00mmで、長手方向の前後の列で中心が同一直線上に並ばないように交互に配置されている。
(第2実施例)
図4は、第2実施例の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンを示す図である。第2実施例の転写粘着テープ1の特徴は以下である。
(1)転写粘着テープ1の転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は58.5%である。
(2)非粘着部12は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続である。
(3)粘着部11は、主粘着部111と、一つの主粘着部111と他の主粘着部111とを連結する連結粘着部112とが所定パターンで形成されている。非粘着部12は、連結粘着部112によって分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続となっている。
連結粘着部112は、一つの主粘着部111の周囲に配置された6つの主粘着部111のうちの異なる列の4つの主粘着部111に直線状に延びる。
連結粘着部112は、転写粘着テープ1の長手方向と短手方向のいずれとも平行でなく、それらの方向に対して傾いて延びている。
(4)粘着部パターンは、主粘着部111用、連結粘着部112に対応した凹部パターンが設けられたグラビアコーターにより、粘着部形成用塗工液を剥離層が設けられた基材2に塗布し、乾燥することにより形成される。
乾燥後の主粘着部111の厚みは約35μmで、連結粘着部112の厚みは約6μmであり、連結粘着部112の厚みは主粘着部111の厚みより薄い。
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、中心の間隔2.05mmで一列に並ぶようにして、直径1.90mmの円形の主粘着部111が複数配置されている。短手方向に延びる一つの列内の主粘着部111の中心と、その一つの列と長手方向に隣り合う他の列内の主粘着部111の中心との間隔は2.50mmで、長手方向の前後の列の主粘着部111の中心が、同一直線上に並ばないように交互に配置されている。
(第3実施例)
図5は、第3実施例の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンを示す図である。第3実施例の転写粘着テープ1の特徴は以下である。
(1)転写粘着テープ1の転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は54.8%である。
(2)非粘着部12は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続である。
(3)粘着部11は、主粘着部111と、一つの主粘着部111と他の主粘着部111とを連結する連結粘着部112とが所定パターンで形成されている。非粘着部12は、連結粘着部112によって分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続となっている。
連結粘着部112はさらに、一つの主粘着部111の周囲に配置された6つの主粘着部111のうちの異なる列の2つの主粘着部111に延びる直線状の第1連結粘着部112aと、同じ列の2つの主粘着部111に延びる直線状の第2連結粘着部112bとを備える。
第1連結粘着部112a及び第2連結粘着部112bは、転写粘着テープ1の長手方向と短手方向のいずれとも平行でなく、それらの方向に対して傾いて延びている。
第2連結粘着部112bは、連結する2つ主粘着部111の両方の接線方向に延びている。一つの主粘着部111から延びる2つの第2連結粘着部112bは、非平行である。
(4)粘着部パターンは、主粘着部111、第1連結粘着部112a、第2連結粘着部112bに対応した凹部パターンが設けられたグラビアコーターにより、粘着部形成用塗工液を剥離層が設けられた基材2に塗布することにより形成される。
乾燥後の主粘着部111の厚みは約35μmで、第1連結粘着部112aの厚みは約6μmで、第2連結粘着部112bの厚みは約3μmであり、連結粘着部112の厚みは主粘着部111の厚みより薄い
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、中心の間隔2.2mmで一列に並ぶようにして、直径1.9mmの円形の主粘着部111が複数配置されている。短手方向に延びる一つの列内の主粘着部111の中心と、その一つの列と長手方向に隣り合う他の列内の主粘着部111の中心との間隔は2.5mmで、長手方向の前後の列の主粘着部111の中心が、同一直線上に並ばないように交互に配置されている。
(第4実施例)
図6は、第4実施例の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンを示す図である。第4実施例の転写粘着テープ1の特徴は以下である。
(1)転写粘着テープ1の転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は57.6%である。
(2)非粘着部12は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続である。
(3)粘着部11は、主粘着部111と、一つの主粘着部111と他の主粘着部111とを連結する連結粘着部112とが所定パターンで形成されている。非粘着部12は、連結粘着部112によって分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続となっている。
連結粘着部112は更に、一つの主粘着部111の短手方向の両側の主粘着部111に延びる直線状の短手方向連結粘着部112dと、一つの主粘着部111から長手方向の両側の一つ列を超えた次の列の主粘着部111に延びる直線状の長手方向連結粘着部112cとを備える。
短手方向連結粘着部112dは、転写粘着テープ1の短手方向に平行に延び、長手方向連結粘着部112cは、転写粘着テープ1の長手方向に平行に延びている。
(4)粘着部パターンは、主粘着部111、短手方向連結粘着部112dと長手方向連結粘着部112cに対応した凹部パターンが設けられたグラビアコーターにより、粘着部形成用塗工液を剥離層が設けられた基材2に塗布することにより形成される。
乾燥後の主粘着部111の厚みは約35μmで、短手方向連結粘着部112d及び長手方向連結粘着部112cの厚みは約6μmであり、短手方向連結粘着部112d及び長手方向連結粘着部112cの厚みは主粘着部111の厚みより薄い。
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、中心の間隔2.2mmで一列に並ぶようにして、直径1.9mmの円形の主粘着部111が複数配置されている。短手方向に延びる一つの列内の主粘着部111の中心と、その一つの列と長手方向に隣り合う他の列内の主粘着部111の中心との間隔は2.5mmで、長手方向の前後の列の主粘着部111の中心が、同一直線上に並ばないように交互に配置されている。
(第5実施例)
図7は、第5実施例の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンを示す図である。第5実施例の転写粘着テープ1の特徴は以下である。
(1)転写粘着テープ1の転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は50.8%である。
(2)非粘着部12は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続である。
(3)粘着部11は、主粘着部111と、一つの主粘着部111と他の主粘着部111とを連結する連結粘着部112とが所定パターンで形成されている。非粘着部12は、連結粘着部112によって分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続となっている。
連結粘着部112は更に、一つの主粘着部111の短手方向の両側の主粘着部111に延びる直線状の短手方向連結粘着部112dと、一つの主粘着部111から長手方向の両側の一つ列を超えた列の主粘着部111に延びる直線状の長手方向連結粘着部112cとを備える。
短手方向連結粘着部112dは、転写粘着テープ1の短手方向に平行に延び、長手方向連結粘着部112cは、転写粘着テープ1の長手方向に平行に延びている。
(4)粘着部パターンは、主粘着部111、短手方向連結粘着部112d、長手方向連結粘着部112cに対応した凹部パターンが設けられたグラビアコーターにより、粘着部形成用塗工液を剥離層が設けられた基材2に塗布することにより形成される。
乾燥後の主粘着部111の厚みは約35μmで、短手方向連結粘着部112d及び長手方向連結粘着部112cの厚みは約6μmであり、短手方向連結粘着部112d及び長手方向連結粘着部112cの厚みは主粘着部111の厚みより薄い。
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、中心の間隔2.20mmで一列に並ぶようにして一辺が1.45mmの四角形の主粘着部111が複数配置されている。短手方向に延びる一つの列内の主粘着部111の中心と、その一つの列と長手方向に隣り合う他の列内の主粘着部111の中心との間隔は2.20mmで、長手方向の前後の列の主粘着部111の中心が、同一直線上に並ばないように交互に配置されている。
(第1比較例)
図8は、第1比較例の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンを示す図である。第1比較例の転写粘着テープ1の特徴は以下である。なお、比較例と実施例とにおいて、同一の構成要件には同一の符号を用いて説明する。
(1)転写粘着テープ1の転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は57.1%であり、実施形態の範囲である。
(2)しかし、非粘着部12は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に連続している点が実施形態と異なる。
(3)粘着部11は所定パターンで形成されているが、一つの粘着部11と他の粘着部11とを連結する連結粘着部を備えない点も実施形態と異なる。
(4)粘着部パターンは、粘着部11に対応した凹部パターンが設けられたグラビアコーターにより、粘着部形成用塗工液を剥離層が設けられた基材2に塗布することにより形成される。乾燥後の粘着部11の厚みは約35μmである。
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、中心の間隔2.2mmで一列に並ぶようにして、直径2.0mmの円形の粘着部11が複数配置されている。粘着部11は、短手方向に延びる一つの列内の粘着部11の中心と、その一つの列と長手方向に隣り合う他の列内のそれぞれの粘着部11の中心との間隔が2.50mmで、長手方向の前後の列の主粘着部111の中心が、同一直線上に並ばないように交互に配置されている。
(第2比較例)
図9は、第2比較例の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンを示す図である。第2比較例の転写粘着テープ1の特徴は以下である。
(1)転写粘着テープ1の転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は86.6%であり、実施形態の範囲外である。
(2)非粘着部12は分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続である点は実施形態と同様である。
(3)粘着部11は、主粘着部111と、一つの主粘着部111と他の主粘着部111とを連結する連結粘着部112とが所定パターンで形成されている。非粘着部12は、連結粘着部112によって分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続となっている。
連結粘着部112は更に、一つの主粘着部111の短手方向の両側の主粘着部111に延びる直線状の短手方向連結粘着部112dと、一つの主粘着部111から長手方向の両側の一つ列を超えた次の列の主粘着部111に延びる直線状の長手方向連結粘着部112cとを備える。
短手方向連結粘着部112dは、転写粘着テープ1の短手方向に平行に延び、長手方向連結粘着部112cは、転写粘着テープ1の長手方向に平行に延びている。
(4)粘着部パターンは、主粘着部111、短手方向連結粘着部112d、長手方向連結粘着部112cに対応した凹部パターンが設けられたグラビアコーターにより粘着部形成用塗工液を剥離層が設けられた基材2に塗布することにより形成される。
乾燥後の主粘着部111の厚みは約35μmで、短手方向連結粘着部112d及び長手方向連結粘着部112cの厚みは約6μmであり、短手方向連結粘着部112d及び長手方向連結粘着部112cの厚みは主粘着部111の厚みより薄い。
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、中心の間隔2.5mmで一列に並ぶようにして、直径2.3mmの円形の主粘着部111が複数配置されている。短手方向に延びる一つの列内の主粘着部111の中心と、その一つの列と長手方向に隣り合う他の列内の主粘着部111の中心との間隔は2.0mmで、長手方向の前後の列の主粘着部111の中心が、同一直線上に並ばないように交互に配置されている。
(第3比較例)
図10は、第3比較例の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンを示す図である。第3比較例の転写粘着テープ1の特徴は以下である。
(1)転写粘着テープ1の転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は30.7%であり、実施形態の範囲外である。
(2)非粘着部12は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続である点は実施形態と同様である。
(3)粘着部11は、主粘着部111と、一つの主粘着部111と他の主粘着部111とを連結する連結粘着部112とが所定パターンで形成されている。非粘着部12は、連結粘着部112によって分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続となっている。
連結粘着部112は更に、一つの主粘着部111の短手方向の両側の主粘着部111に延びる直線状の短手方向連結粘着部112dと、一つの主粘着部111から長手方向の両側の一つ列を超えた次の列の主粘着部111に延びる直線状の長手方向連結粘着部112cとを備える。
短手方向連結粘着部112dは、転写粘着テープ1の短手方向に平行に延び、長手方向連結粘着部112cは、転写粘着テープ1の長手方向に平行に延びている。
(4)粘着部パターンは、主粘着部111、短手方向連結粘着部112d長手方向連結粘着部112cに対応した凹部パターンが設けられたグラビアコーターにより粘着部形成用塗工液を剥離層が設けられた基材2に塗布することにより形成される。
乾燥後の主粘着部111の厚みは約35μmで、短手方向連結粘着部112d及び長手方向連結粘着部112cの厚みは約6μmであり、短手方向連結粘着部112d及び長手方向連結粘着部112cの厚みは主粘着部111の厚みより薄い。
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、中心の間隔2.20mmで一列に並ぶようにして、直径1.25mmの円形の主粘着部111が複数配置されている。短手方向に延びる一つの列内の主粘着部111の中心と、その一つの列と長手方向に隣り合う他の列内の主粘着部111の中心との間隔は2.50mmで、長手方向の前後の列の主粘着部111の中心が、同一直線上に並ばないように交互に配置されている。
(第4比較例)
図11は、第4比較例の転写粘着テープ1の粘着部11及び非粘着部12の具体的なパターンを示す図である。第4比較例の転写粘着テープ1の特徴は以下である。
(1)転写粘着テープ1の転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は55.6%であり、実施形態の範囲内である。
(2)非粘着部12は、長手方向には非連続であるが、短手方向には一端から他端に連続している点が実施形態と異なる。
(3)粘着部11は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端に延びる所定パターンで形成されている。非粘着部12は、粘着部11によって分離され、長手方向の一端から他端に非連続となっている。
(4)粘着部パターンは、粘着部11に対応した凹部パターンが設けられたグラビアコーターにより粘着部形成用塗工液を剥離層が設けられた基材2に塗布することにより形成される。乾燥後の粘着部11の厚みは約35μmである。
(5)粘着部11は、長手方向の幅2.5mmである。長手方向において隣り合う粘着部11の間には長手方向の長さ(幅)2.00mmの非粘着部12が設けられている。
(性能評価)
次に、上記実施例1-5及び比較例1-4の転写粘着テープ1について、以下の性能を比較した結果について述べる。
<のり切れ性の評価>
パンケーキ状の転写粘着テープ1を、転写具10((株)トンボ鉛筆製、PN-MS)に装填し、粘着部1をPPC(plain paper copy)用紙に転写した後、転写具10を垂直方向へ引き上げ、粘着部11が完全に切れた時の長さ(転写具10を引き上げた距離)を測定した。そして、その長さを基に、以下のように評価した。
○:10mm以下
×:10mm以上
<転写性の評価>
パンケーキ状の転写粘着テープ1を、転写具10((株)トンボ鉛筆製、PN-MS)に装填し、温度23℃、湿度60%の環境下において10cm/秒、20cm/秒、30cm/秒の速度でPPC用紙上を走行させ、粘着部11の転写性を観察した。そして、以下のように評価した。
◎:30cm/秒の速度で粘着部11の未剥離による欠けや抜けが無く転写されている
○:20cm/秒の速度で粘着部11の未剥離による欠けや抜けが無く転写されている
△:10cm/秒の速度で粘着部11の未剥離による欠けや抜けが無く転写されている
×:10cm/秒の速度で粘着部11の一部に未剥離による欠けや抜けが生じている
<接着力の評価>
パンケーキ状の転写粘着テープ1を、転写具10((株)トンボ鉛筆製、PN-MS)に装填し、市販の紙製封筒(商品名:ASKULクラフト封筒)に転写したのち封緘し、1Kgのローラーを1往復させることにより圧着させた。これを所定時間経過後に開封し、粘着部11及び紙片(粘着テープを転写した部分)の状態を以下のように評価した。
○:粘着部11が紙片全面を破壊して剥離
△:粘着部11が紙片の一部を破壊して剥離
×:粘着部11と紙片との界面において剥離
<耐ブロッキング性の評価>
転写粘着テープ1の原反を、ラインスピードを10m/分、20m/分、30m/分と変更しながら巻出し、粘着部11の背面側剥離層への移行(ブロッキング)有無を観察した。
◎:30m/分の速度で粘着部11のブロッキングなし
○:20m/分の速度で粘着部11のブロッキングなし
△:10m/分の速度で粘着部11のブロッキングなし
×:10m/分の速度で粘着部11のブロッキングあり
(性能比較)
図12は、上述の実施例1-5及び比較例1-4の転写粘着テープ1に対する以上の性能評価比較結果である。図12は、各実施例及び比較例を粘着部の比率の低い順に並べて示したものである。なお、図12のパターン形状の上に記す(○)(×)は、非粘着部が非連続である(○)、非粘着部が非連続ではない(×)ことを示す。
(1)粘着部の面積割合
上述のように、実施形態の転写粘着テープ1は、転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は35%から80%であり、40%から80%であることが好ましく、50%から80%であることがより好ましい。
粘着部11の面積割合の影響のみ判定するために、比較例3、実施例4、比較例2を比較する。これらは、粘着部11と非粘着部12の形状は略同様であり、粘着部11の面積割合のみ異なり、比較例3と比較例2は、粘着部11の割合が実施形態の範囲外である。
比較例3に示すように、粘着部11の割合が実施形態の範囲より少ない30.7%になると、接着力が弱くなることがわかる。
比較例2に示すように、粘着部11の割合が実施形態の範囲より多い86.6%になると、のり切れ性が悪くなることがわかる。
これに対して、実施例4に示すように、粘着部11の割合が実施形態の範囲である57.6%の場合、接着力及びのり切れ性ともに良好である。
(2)非粘着部12の非連続性
次に、非粘着部12が非連続であるか否かによる転写粘着テープ1の性能の差を評価するために、実施例3、比較例1、実施例4、実施例2、実施例1を比較する。これらはいずれも主粘着部111の形状が円形である。また、転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は、実施例3では54.8%、比較例1は57.1%、実施例4は57.6%、実施例2は58.5%、実施例1は77.0%で、いずれも、転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は、実施形態の35%から80%である。
しかし、実施例4、実施例2、実施例1は、いずれも非粘着部12が連結粘着部112によって分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、又は長手方向の一端から他端に非連続であるが、比較例1は連結粘着部を有さず、非粘着部12は、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に連続している。
比較例1のように、非粘着部12が連続している場合、非粘着部12が非連続の実施例3、実施例4、実施例2、実施例1に対して、転写性、接着力、及び耐ブロッキング性のいずれにおいて劣っていることがわかる。
なお、主粘着部111の形状が円形でない場合においても、非粘着部12が非連続な実施例5と、非粘着部12が連続している比較例4とを比べた場合、比較例4の粘着部の割合は55.6%と、実施例5の50.8%より高いにもかかわらず、比較例4は転写性、耐ブロッキング性、接着力が実施例5よりも劣っている。
このように、非粘着部12の非連続性が、転写粘着テープ1の性能向上に影響する理由については以下のように考えることができる。
非粘着部12が連続していると、粘着部11がそれぞれ独立することになる。そうすると、個々の粘着部11の粘着力や被転写体の表面の状態により、被転写体に粘着部11が接触しても、被転写体に粘着部11が転写されずに基材の転写面に残る(すなわち、未剥離が生じる)可能性が高くなる。
また、捲回された転写粘着テープ1が繰り出される際にも、個々の粘着部11の粘着力や、一周内側の基材2の背面側の剥離層の表面状態により、粘着部11がその内側の剥離層に移行される可能性が高くなる。
さらに、接着力(紙破壊性)についても、粘着部が独立していると、紙片を剥離していく際に、紙の破壊が個々の独立粘着部で生じても粘着部がない部分(非粘着部が連続する部分)で途切れやすくなるため、紙片全面の破壊には至りにくい。
ゆえに、非粘着部12が連続している比較例4及び比較例1においては、実施例に比べて転写性、接着力、耐ブロッキング性が劣っていたと考えられる。
これに対して、非粘着部12が非連続である場合、主粘着部111が連結粘着部112によって連続することになる。
そうすると、特定の粘着部において、その接着力が弱かったり、被転写体における転写先の表面状態が転写しにくい状態の部分であったりしたとしても、周囲の粘着部11が被転写体に転写されると、転写された粘着部11から延びる連結粘着部112よって、特定の粘着部11が被転写体側へ引っ張られる。これにより、未剥離が生じにくくなり転写性が向上する。
また、捲回された転写粘着テープ1が繰り出される際にも、特定の粘着部において、その粘着力が高かったり、一周内側の基材2の背面側の表面状態が粘着部の移行しやすい状態(剥離性が不十分な状態)の部分であったりしたとしても、粘着部側剥離層上の粘着部11から延びる連結粘着部112よって、特定の粘着部11が粘着部側剥離層側へ引っ張られる。これにより、粘着部11が背面側の剥離層に移行される現象が発生しにくいので、耐ブロッキング性も向上する。
さらに、接着力(紙破壊性)についても、主粘着部111が連結粘着部112によって連続していると、紙片を剥離していく際に紙の破壊が途切れずに連続しやすいため、接着力も向上する。
特に、実施例1では、複数の連結粘着部112を備え、その複数の連結粘着部112は、一つの主粘着部111と、その一つの主粘着部1112を囲む全ての主粘着部1112とを一対一で連結している。このような関係により、転写性および耐ブロッキング性が、より一層向上する。
以上、実施形態によると、
(1)転写粘着テープ1は、基材2における粘着部11が塗布されている側の面(転写面)に粘着部11と非粘着部12とを有する。
(2)そして、転写面の面積全体に対する、粘着部11の面積割合は35%から80%である。
更に、非粘着部12は、連結粘着部112によって分離され、転写粘着テープ1の短手方向の一端から他端、及び長手方向の一端から他端に非連続である。
ゆえに良好な接着力、のり切れ性、転写性、耐ブロッキング性を有する。
転写粘着テープ1を低温環境下や高速条件下で転写しても、不連続な粘着部11の一部が剥離基材から剥離せずに残る粘着部11の未剥離部が生じにくい。また高速でスリット加工を行った時、粘着部11の背面側の剥離層へのブロッキングが生じにくい。ゆえに製造速度が向上する。
(3)粘着部11は、主粘着部111と、一つの主粘着部111と他の主粘着部111とを連結する連結粘着部112とが所定パターンで形成されている。このように所定パターンで形成されているので、製造が容易である。
(4)連結粘着部112の厚みは、主粘着部111の厚みより薄い。
連結粘着部112は、主粘着部111よりも細いので、同じ厚みにすると、グラビアコーターにおける連結粘着部112を形成するための凹部のアスペクト比が高くなり、凹部の内部まで粘着部形成用塗工液が入りにくくなり、均一な連結粘着部112の製造が困難となる。
また、凹部のアスペクト比が高いと、基材2への転写時においても転写されにくく、不均一に転写されたり、連結粘着部112に切断部分が発生したりする可能性がある。
しかし、実施形態によると、連結粘着部112の厚みは、主粘着部111より薄いので、このような問題が生じにくい。
(5)転写粘着テープ1の短手方向に、一定の間隔で複数配置された主粘着部111からなる列が、長手方向に一定の間隔で設けられている。このように主粘着部111が短手方向に並んでいるので、のり切れを行う際に短手方向に沿って切断されやすく、のり切れ性がよく、転写時に所定の位置で粘着部11を切断できる。
また、一つの列における主粘着部111と主粘着部111との間に、その列に対して長手方向の前後に位置する列の主粘着部111が配置されている。ゆえに、主粘着部111を均等且つ効率的に配置することができる。
(6)連結粘着部112が短手方向に対して平行の場合、グラビアコーターにおいて余分な部分をブレードで掻き落とす際に、連結粘着部112となる部分が掻き落とされてしまう可能性あるが、さらに、実施例3,1のように連結粘着部112を、短手方向に対して、斜めに延びるように設ける場合、ブレードで掻き落とされる可能性が低減し、より確実に連結粘着部112を製造することができる。
1:転写粘着テープ、2:基材、
11:粘着部、
111:主粘着部、
112:連結粘着部、
112:第1連結粘着部、
112b:第2連結粘着部、
112c:長手方向連結粘着部、
112d:短手方向連結粘着部、
12:非粘着部

Claims (8)

  1. 片面に粘着部が設けられたフィルム状の基材をロール状に捲回し、前記粘着部が設けられた前記片面を被転写体に押圧することにより、前記粘着部が前記被転写体に転写される転写粘着テープであって、
    前記片面の全体の面積に対する、前記粘着部の面積割合が35%から80%であり、
    前記片面における前記粘着部が設けられていない部分である非粘着部は、前記基材の短手方向の一端から他端及び長手方向の一端から他端に非連続である、
    転写粘着テープ。
  2. 前記粘着部は、複数の主粘着部と、前記主粘着部同士を連結する連結粘着部とを備える、
    請求項1に記載の転写粘着テープ。
  3. 前記連結粘着部の厚みは、前記主粘着部の厚みより薄い、
    請求項2に記載の転写粘着テープ。
  4. 前記転写粘着テープの短手方向に、一定の間隔で複数配置された前記主粘着部から成る列が、長手方向に一定の間隔で設けられ、
    一つの列における前記主粘着部と前記主粘着部との間に、その列に対して長手方向の前後に位置する列の前記主粘着部が配置されている、
    請求項2又は3に記載の転写粘着テープ。
  5. 前記主粘着部は、略円形である、
    請求項2から4のいずれか1項に記載の転写粘着テープ。
  6. 複数の前記連結粘着部を備え、
    前記複数の連結粘着部は、一つの前記主粘着部と、該一つの主粘着部を囲む全ての主粘着部とを一対一で連結する
    請求項2から5のいずれか1項に記載の転写粘着テープ。
  7. 前記連結粘着部は、前記長手方向及び前記短手方向に対して、斜めに延びて設けられている、
    請求項2から6のいずれか1項に記載の転写粘着テープ。
  8. 請求項1から7のいずれか1項に記載の転写粘着テープを備える転写具。
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