JP7193141B2 - 溶解ケースを備えた縦保持型めっき装置 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば円板形を呈した半導体基板(ウエハ)などの被処理品に対し、その片面にめっきを施すにあたって好適に使用することのできるめっき装置に関する。
今般、めっき装置として、半導体基板などの円板形をした被処理品の片面にめっき膜を形成するに際して、めっき膜の平面度や平滑度、膜厚などを高精度、高品質に保てるようにすることを目指して種々の装置開発が進められている。
この種のめっき装置のなかには、被処理品の板面大きさよりも少し小さな装着口が一つの側壁に貫通形成された処理槽を備えたものがある(例えば、特許文献1等参照)。側壁の装着口は槽内外を連通しているが、めっき処理時にはこの装着口の開口縁部へ被処理品の外周部を押し付け、これによって装着口を閉鎖できるようにしてある。また、処理槽内部には、装着口を介して被処理品の片面が臨む状態になるので、この状態で処理槽へ処理液を注入して被処理品の片面にめっきを施すようにするというものである。
このようなめっき装置は、被処理品をその板面が縦方向になるように立てた状態に保持させて処理する方式であることから、本明細書ではこの方式のめっき装置を「縦保持型めっき装置」と言う。
ところで、一般的なめっき処理システムとして、処理槽とは別に溶解槽を設置して、これら処理槽と溶解槽との間で処理液を循環させるように構成されたものは周知である。溶解槽は、めっき側の金属を溶解させて処理液の濃度調整を行うため、処理槽内の処理液は常に濃度一定に安定する点で優れている。しかしながら、このようなめっきシステムでは溶解槽の設置により配管経路が長くなり、設備が大きくなり設置占有面積も広大化するという問題があった。
そこでこれらを解消する目的のもと、縦保持型めっき装置では、処理槽内に、めっき側の金属として、不溶解電極を用いる方式が多用されていた(特許文献1もこの方式である)。
特許第3285006号公報
縦保持型めっき装置では、めっき処理後に得られる製品の特性上、めっき膜に気泡や老廃物等が付着していることを徹底的に嫌うという宿命的な事情が付きまとう。しかしながら、不溶解電極の場合はガスの発生率が高く、その結果、めっき処理が進行すれば処理槽内で気泡や老廃物等が多量に発生する。
従来の縦保持型めっき装置では、気泡や老廃物等への対策が何ら採られていなかったため、被処理品に気泡や老廃物等が付着することは避けられなかったものと推察する。当然に、気泡や老廃物等が付着した部位から製品(集積回路チップ等)を切り出すことは不適であるため、それだけ被処理品の歩留まりは低下する。
なお、被処理品に形成されるめっきの膜厚が、外周寄りほど肉厚になり中央ほど肉薄になったり、反対に外周寄りほど肉薄で中央ほど肉厚になったりすることもあって、めっきの膜厚を均一にすることが難しいということがあった。このようなめっきの膜厚が不均等となる現象も、被処理品の歩留まりを低下させる大きな要因となっていた。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであって、半導体基板等の被処理品をめっき処理するに際して、気泡や老廃物等の付着を徹底的に防止して平面度や平滑度を飛躍的に高めることができ、まためっき膜厚の均一化を可能にすることにより、被処理品の歩留まりを極限まで高めることができる溶解ケースを備えた縦保持型めっき装置を提供することを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明は次の手段を講じた。
即ち、本発明に係る溶解ケースを備えた縦保持型めっき装置は、底体とこの底体を取り囲んで立ち上がる槽壁とを有して槽内に処理液を貯留可能にする槽本体を有しており、前記槽本体の前記槽壁には、板状を呈する被処理品の板面外周部と輪状に当接する開口縁部を形成しつつ当該開口縁部の内側に槽内外間を貫通させる装着口が設けられており、前記槽本体の槽内には、めっき側金属の小片を入れる透液性の溶解ケースが設けられていることを特徴とする。
前記溶解ケースは、透液性を有する素材によりケース外壁が形成されたケース本体と、前記ケース本体の前記ケース外壁を外側から包み込んで前記ケース本体内に入れられためっき側金属から発生する老廃物を不通過とさせる濾材により形成された被覆体と、を有したものとするのがよい。
前記槽本体の槽内には前記溶解ケースを支持する支持台が設けられており、前記支持台には前記溶解ケースの内部と前記槽本体の槽外とを唯一の直通関係で連通させる排液通路が設けられたものとするのがよい。
前記槽本体の前記装着口が設けられた壁部に対して被処理品を槽外から押し付け及び押し付け状態の被処理品を取り出しする着脱装置を有しており、前記着脱装置は、前記槽本体の前記装着口に向けて押し付けた被処理品を回転させる回転機構を有しているものとするのが一層好適である。
本発明に係る、溶解ケースを備えた縦保持型めっき装置では、半導体基板等の被処理品をめっき処理するに際して、気泡や老廃物等の付着を徹底的に防止して平面度や平滑度を飛躍的に高めることができ、まためっき膜厚の均一化を可能にすることにより、被処理品の歩留まりを極限まで高めることができる。
本発明に係る縦保持型めっき装置の実施形態を示した側断面図である。 本発明に係る縦保持型めっき装置の実施形態を示した平面図である。 溶解ケースを示した側断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1乃至図3は、本発明に係る縦保持型めっき装置1の一実施形態を示している。この縦保持型めっき装置1は、主要部として備える槽本体2の槽内に溶解ケース32が設けられたものである。
また、この縦保持型めっき装置1は、槽本体2に併設される状態で着脱装置3を有している。本実施形態では、これら槽本体2と着脱装置3とが装置フレーム4に支持されたベース5を介して並設されたものを例示してある。
なお、以下では被処理品Wが円板形を呈した半導体基板(ウエハ)である場合について説明する。
まず、槽本体2について説明する。
槽本体2は、底体10とこの底体10を取り囲んで立ち上がる槽壁11とを有して、槽内を処理液Lの貯留用空間としている。底体10を平面四角形とした場合に槽壁11は底体10の4辺に配置された4つの壁部11a~11d(図2参照)を有することになる。なお、底体10の平面形状は特に限定されるものではなく、したがって壁部の枚数も限定されない。
この槽本体2は、槽壁11のうち少なくとも一面の壁部11aを、被処理品Wの着脱を想定する着脱想定面とする。この着脱想定面には槽本体2の内外間を貫通した状態で被処理品W用の装着口15が設けられている。そのため、この装着口15を閉鎖しないと槽内へ処理液Lを貯留することはできない。装着口15の閉鎖には、被処理品Wそのものを使用することになる。
このような事情があるため、装着口15は、被処理品Wの板面大きさよりも少し小さな開口大きさを有するように形成されている。従って、この装着口15に向けて被処理品Wを同心関係となるように押し付けることにより、装着口15の開口縁部に被処理品Wの外周部が輪状に当接して、装着口15からの処理液Lの漏洩を防止し、もって槽本体2内に処理液Lを貯留できることになる。
本実施形態では、前記したように被処理品Wが円板形を呈したものとしているので、装着口15の開口形状も円形としてある。
装着口15が設けられた壁部11aは、重ね合わせ状態にして互いの間が固定される内枠体17及び外枠体18と、これら内枠体17と外枠体18との重合間で挟持状に保持される回転支持体19とを有して形成されている。内枠体17と外枠体18とは、それぞれの枠内開口(開口形状は円形とした)を合致させてある。
これに対して回転支持体19には、内枠体17及び外枠体18の間で合致する互いの枠内開口と連通関係を有するようになるやや小径の中央開口(開口形状は円形とした)が形成されている。要するに、内枠体17、外枠体18及び回転支持体19の三者間にわたって連通する開口が設けられていることになり、この連通する開口によって前記した装着口15が形成されている。
このような装着口15において、回転支持体19の開口縁部には、薄く形成されることで径方向内方へ張り出すような形状を備えた部分が設けられており、この張り出した部分で被処理品Wとの当接部15aを確保するようにしてある。この当接部15aは、垂直面(縦方向面)に沿って面一であり且つ周方向に均等幅の円形リング形を有したものとなっており、被処理品Wの外周部全周に対して均一且つ水密的に面接触するようになっている。
回転支持体19は内枠体17に対して回転自在に保持されている。回転支持体19の回転が円滑に得られるようにするため、本実施形態では、内枠体17と回転支持体19とが面対偶で摺り合わされる界面部分に、ベアリング球20を挟み込む構造を採用している。
具体的には、内枠体17において回転支持体19を向く面と、回転支持体19において内枠体17を向く面との少なくとも一方の面、又は両方の面に、ベアリング球20を嵌め入れ可能な凹部を形成させてある。
なお、内枠体17又は回転支持体19の一方の面のみに凹部を設ける場合は、周方向に3箇所以上設けるか、又は装着口15の開口縁部に沿った円環状の周溝21として形成すればよい。また、内枠体17及び回転支持体19の両方の面に同径の周溝21を形成することも可能であって、この場合には各周溝21の溝内にベアリング球20の約半球分が没する深さとするのがよい。
本実施形態では、内枠体17及び回転支持体19の両方の面に周溝21を形成した例であり、溝方向に沿って多数のベアリング球20が連接状態となるようにして両周溝21間に挟持させてある。
ところで、内枠体17が回転支持体19を回転自在に保持させる構造部分(本実施形態においてベアリング球20を挟み込んだ部分)では、本来ならば、槽本体2内の処理液Lが漏洩しない構造とする必要がある。場合によっては、そもそもベアリング球20の挟み込み構造などの簡潔構造ではなく、回転支持構造自体に他の複雑な漏洩防止構造を備えたものを採用するのがよい。
しかし、本発明では複雑な漏洩防止構造は採らず、あえて処理液Lの漏洩を許容させるような簡潔構造(ベアリング球20の挟み込み構造)を選択し、そのうえで漏洩した処理液Lを利用して被処理品Wへの給電効率を高められるように工夫している。
具体的には、回転支持体19を導電性素材により形成するか、又は絶縁素材により形成したうえで被処理品Wの当接部15aと回転支持体19の外周面との間の導電を適宜の導電材によって確保する構造を採用してある。そして、外枠体18における枠内開口の内周面と、この内周面に対向するようになる回転支持体19の槽外方向を向く外周面との周間を利用して、被処理品W側をカソードに保持させるための導通接点25を設けてある。
また、漏洩した処理液Lを回収するための漏出液受け部27を槽本体2の外部側に設けてある。この漏出液受け部27は、槽本体2の槽外へ漏洩した処理液Lをこの漏出液受け部27へ導く途中に、導通接点25が含まれるような配置とする。
換言すれば、槽本体2における処理液Lの漏洩を許容する構造部分と漏出液受け部27との間であって、処理液Lと接触するような位置に、導通接点25を設けてあると言うことができる。
具体的には、外枠体18の下端位置に下方へ通り抜けるドレン孔28を形成し、このドレン孔28の下方に漏出液受け部27を配置してある。漏出液受け部27は、回収した処理液Lを貯留する構造としてもよいし、処理液Lを槽本体2へ回帰させるための循環経路など(図示略)に対して送り出す構造としてもよい。
従って、内枠体17が回転支持体19を回転自在に保持させる構造部分(ベアリング球20を挟み込んだ部分)を介して槽本体2の槽内から漏洩する処理液Lは、その一部が回転支持体19の槽外方向を向く外周面へと導かれ、導通接点25の摺接部分を潤して(液中給電状態となって)給電率を高めるという効果が得られる。
なお、槽本体2の槽内には溶解ケース32が立設されている。図例では筒形を呈したものとし、また使用数を3つとしているが、槽本体2の容量に応じて溶解ケース32の使用数は増減できるものである。勿論、溶解ケース32の容量(内径や高さ、形状など)についても任意に変更できるものであり、場合によっては溶解ケース32を1つだけ設けるようなことも可能である。
この溶解ケース32は、透液性を有する素材によりケース外壁が形成されたケース本体32aと、このケース本体32aのケース外壁を外側から包み込んだ被覆体32bとを有している。
ケース本体32aのケース外壁は、例えばチタン等を素材として形成され、アミ構造、多孔構造、スリット格子構造などを備えたものとなっている。
被覆体32bは、ケース本体32a内に入れられためっき側金属から発生する老廃物を不通過とさせる濾材(例えば、老廃物を通さない目開きの濾布)によって形成されている。
溶解ケース32にニッケル、銅、金、銀、パラジウムなどのめっき側金属の小片33を入れておき、これら溶解ケース32の上端側からアノード液(例えば硫酸など)を供給することで、各溶解ケース32の側面から槽本体2の槽内へ処理液L(硫酸銅など)を供給することができる。
このようにして槽本体2に供給される処理液Lは、溶解ケース32の被覆体32bにより不純物や老廃物などが除去されていると共に、金属の小片33により、めっきの目的や小片33の材質、質量、電流密度などのめっき条件に応じて濃度調整されていることは言うまでもない。
槽本体2の槽壁11には、一部の壁部(図例では壁部11cとした)に、処理液Lの貯留量を制限するためのオーバーフロー部35が設けられている。このオーバーフロー部35を設けることで、処理液Lの液面付近の汚損した老廃物を積極的に槽本体2の槽内から排出できるという利点もある。
槽本体2における槽内の底体10上には、給排機能を備えた支持台37が設けられており、この支持台37上に溶解ケース32が支持されている。この支持台37には、溶解ケース32の下端部に向けた排液通路39と、槽本体2の槽内外間を直通で繋げる噴出通路40と、前記した漏出液受け部27とが形成されている。
排液通路39は、溶解ケース32の下端部に形成された小径の排液孔42と、槽本体2の槽外とを唯一の直通関係で連通させるようになっており、溶解ケース32のケース内で発生した老廃物(めっき側金属の小片33から出た老廃物)については、槽本体2の槽内へ一切漏れ出させることなく、槽本体2の槽外へと排出できるようになっている。
要するに、溶解ケース32内で生じた老廃物により槽本体2の槽内環境(もちろん、被処理品Wの被めっき面を含む)が汚染されることは、実質上、略防止できると言うことができる。殊に、めっき後に槽本体2から被処理品Wを取り出すに際して、予め槽本体2から処理液Lを除去するときには、この除去する処理液Lに老廃物が混合してしまうのを防止するうえで極めて有益となっている。
噴出通路40は、槽本体2の槽外から供給されるカソード液(アノード液と同様に硫酸などを用いることが可能)を、装着口15内で槽内へ向けて押し付け保持された被処理品W(めっきする面)に沿わせながら、可及的に近い位置で供給できるようになっている。この噴出通路40は、槽本体2に向けて開口する開口径を径小に絞って複数並べて設けることができる。このようにすることで、カソード液の供給流れを、勢いを持ったカーテン状の噴流とすることができる。
なお、噴出通路40から供給されるカソード液を一層効率よく被処理品Wに接しさせるために、溶解ケース32と被処理品Wとの間を区画するように整流板(図示略)を設けてもよい。
次に、着脱装置3について説明する。
着脱装置3は、槽本体2の着脱想定面(装着口15の開口縁部)に被処理品Wを押し付けたり、押し付け状態の被処理品Wを取り出したりするためのものであって、被処理品Wの保持機構45と、この保持機構45を槽本体2に対して近接離反させる方向で移動させる移動機構46と、この移動機構46に対して保持機構45を回転させる回転機構47とを有している。
保持機構45は、被処理品Wの板面大きさとほぼ同じ大きさの円盤形を呈する保持体50を有している。この保持体50は、円盤形の中心軸が水平方向へ向くように横向きに保持されている。保持体50の中央部には被処理品Wの板面大きさよりも一回り径小となる凹部が形成されており、したがって保持する被処理品Wとは、円盤形の正面側外周部のみによって当接し、それ以外の正面部分とは非接触状態を保持できるようになっている。
保持体50の正面側外周部(被処理品Wと当接する部位)には、周方向に所定間隔をおいて複数の吸引孔51が形成されており、各吸引孔51が円盤形の中心位置で後方(槽本体2とは逆向きとなる方向:図1の右方)へ連通され、適宜の吸引装置(図示略)と接続されている。したがって、この吸引装置を動作させることで、保持体50の正面に被処理品Wを吸着保持させることができる。
なお、保持体50の正面側外周部に並ぶ全ての吸引孔51に対し、それらの開口部を繋ぐように、保持体50の正面側外周部に沿って周溝(図示略)を形成することで、各吸引孔51を連通状態にさせるとよい。
この保持体50の外周部には、少なくとも1箇所で径方向外方へ突出するようにして回り止め片53が設けられている。この回り止め片53と係合する相手側の係合部55が、槽本体2の回転支持体19に設けられている。
回転機構47は例えばディスクモーターなどにより形成されており、モーター本体47aにより回転駆動される回転駆動体47aに対し、前記した保持機構45の保持体50が取り付けられている。勿論、ディスクモーターの使用が限定されるものではなく、スペース的に余裕がある場合には一般的なモーターを用いることもできる。
回転機構47による保持体50(被処理品W)の回転速度は、被処理品Wが半導体基板である場合にあっては技術常識としてその外径が所定範囲に収まるものであることから、この外径との相関から、例えば2~3rpm程度とするのが好適とされる。
2rpmより低速であると、被処理品Wに対する気泡や老廃物等の付着を防止する作用が乏しくなり、まためっきの膜厚を均一にする効果も低くなる。また3rpmよりも高速であると、却ってめっきの膜厚にムラが生じるおそれがある。
但し、この回転数に関しては、前記した噴出通路40から供給されるカソード液の有無や、カソード液の供給を噴流とするか否か等との相関によるものなので、カソード液の供給に関する条件が異なる場合には、必ずしも回転数に制限が付されるものではない。
移動機構46は、例えば流体圧シリンダやロッドレスシリンダ、或いは巻掛け伝動手段等を電動駆動させる機構56などにより、移動台57をガイドレール58に沿ってスライドさせるような構造とすればよい(図例はエアシリンダを用い場合とした)。
言うまでもなく、移動機構46によって保持機構45や回転機構47が移動する際に、保持機構45によって保持される被処理品Wの中心高さや、回転機構47の回転中心高さなどは、槽本体2における装着口15の中心高さや、回転支持体19の回転中心高さと一致したものとされている。
そのため、保持機構45によって保持される被処理品Wは、移動機構46の移動によって槽本体2における装着口15の開口縁部へ押し付けられ、且つ回転機構47によって回転されるときに、回転支持体19の回転中心と同心回転することになる。
またこのとき、保持機構45の保持体50に設けられた回り止め片53が回転支持体19の係合部55と係合しているため、回転機構47によって保持体50に付与される回転力が直接、回転支持体19に伝えられ、保持体50と回転支持体19とによって挟持状に保持された被処理品W共々、一体回転することになる。
すなわち、このようにして被処理品Wが回転するときに、被処理品Wは何物に対しても相対的な回転擦れを起こすことはなく、すり傷などが生じるおそれはない。
次に、本発明に係る縦保持型めっき装置1の稼働状況を説明する。
はじめに、槽本体2は槽内に処理液Lが貯留されていない空の状態にする。そして移動機構46は保持機構45を槽本体2から離した位置で停止させ、回転機構47は保持機構45の保持体50を非回転とさせる。
この状態で機械動作又は人為操作により、保持機構45の保持体50へ被処理品Wを吸着保持させる。回転機構47を非回転状態のまま、移動機構46が保持機構45及び回転機構47を槽本体2へ向けて進行させ、被処理品Wを装着口15の開口縁部へ押し付ける。
次に、この状態で槽本体2の槽内(溶解ケース32の上端部)へアノード液を供給する。アノード液が槽本体2のオーバーフロー部35から溢れるようになった後、回転機構47を駆動させて被処理品Wに回転を付与する。
同時に、槽本体2の槽内に噴出通路40を介してカソード液を供給して、アノード液と導通接点25との間に電流を印加し、被処理品Wに対してめっき処理を施す。
噴出通路40から噴出するカソード液は、槽本体2の槽内に貯留された処理液Lを撹拌する作用をも奏するため、処理液Lが濃度一定に安定されるという利点にも繋がる。
めっき処理中において被処理品Wは回転を続けるので、被処理品Wに対して気泡や老廃物等は付着することがない。もとより、溶解ケース32内で発生する老廃物はケース外へ漏れ出すことがない状態に管理されているため、槽本体2の槽内環境として老廃物が殆ど存在しない状態に保持されており、この点からも、被処理品Wに付着する老廃物は略ゼロと言えるレベルになる。また、被処理品Wの回転は、付着するめっき膜の膜厚を均一にする効果もある。
めっきが終了した段階で回転機構47を停止させ、槽本体2から処理液Lを全て排出する。
その後、移動機構46を動作させて保持機構45及び回転機構47を槽本体2から離れる方向へ移動させ、その後、保持機構45から被処理品Wを取り出すことで表面処理工程の1サイクルが完了する。
以上詳説したところから明らかなように、本発明に係る、溶解ケース32を備えた縦保持型めっき装置1は、被処理品Wに対する気泡や老廃物等の付着を徹底的に防止することができるため、めっき膜の平面度や平滑度を飛躍的に高めることができる。また、めっき膜厚の均一化を可能になるため、被処理品Wの歩留まりを極限まで高めることができる。
加えて、本発明に係る縦保持型めっき装置1によりめっきされた被処理品Wは、めっき膜の平面度や平滑度、めっき膜厚などに関して高品質を有するものであり、半導体製造等の業界における製品安定化や製品開発にとって寄与するところ大である。
また、被処理品Wをカソードにするための導通接点25の摺接部分を処理液Lにより潤して(液中給電状態として)給電率を高めるようにすることで、アノードとカソードとの間に印加する電流密度を高めることができる(40~50A/dm2とすることも可)。これにより、処理効率(時間短縮化や低コスト化等)を高め、且つ処理品質を更に一層高めることができるという効果が得られる。
ところで、本発明は、前記した実施形態に限定されるものではなく、実施の形態に応じて適宜変更可能である。
例えば、回転機構47は、ディスクモーター等によって一軸駆動方式にすることは限定されない。例えば、保持体50の外周面にリングギヤを設け、このリングギヤに減速機を介すか又は介さないで外付けモーターによる回転駆動を付与するような構造としてもよい。
溶解ケース32は箱型などに形成することも可能である。
槽本体2において、装着口15を一面の壁部11aに対して設けることが限定されるものではなく、二面以上の壁部にも装着口15を設けることができる。この場合、各装着口15に対応させて保持気孔45、回転機構47及び移動機構46を設ければよい。
保持機構45の保持体50は、円盤形とすることが限定されるものではなく、四角盤状や多角形の盤状のものなど、他の形状を採用してもよい。
本発明において対象とする被処理品Wについては、板状であり、1サイクルのめっき処理のなかで片面をめっきするものであれば、半導体基板(ウエハ)に限定されるものではない。
また、めっき側金属の小片33については、図1では球形のものを図示したが、板状や板状を巻いたもの、円柱形、角柱形、不定形などの塊状のものとしてもよい。
1 縦保持型めっき装置
2 槽本体
3 着脱装置
4 装置フレーム
5 ベース
10 底体
11 槽壁
11a~11d 壁部
15 装着口
15a 当接部
17 内枠体
18 外枠体
19 回転支持体
20 ベアリング球
21 周溝
25 導通接点
27 漏出液受け部
28 ドレン孔
32 溶解ケース
32a ケース本体
32b 被覆体
33 小片
35 オーバーフロー部
37 支持台
39 排液通路
40 噴出通路
42 排液孔
45 保持機構
46 移動機構
47 回転機構
47a モーター本体
47a 回転駆動体
50 保持体
51 吸引孔
53 回り止め片
55 係合部
56 機構
57 移動台
58 ガイドレール
L 処理液
W 被処理品

Claims (4)

  1. 一面の壁部(11a)を、被処理品(W)の装着により閉鎖される装着口(15)を形成した着脱想定面としていて、内部に処理液(L)を貯留可能槽本体(2)と、被処理品(W)を保持して槽本体(2)の外側から装着口(15)に押し付ける着脱装置(3)とを有する縦保持型めっき装置であって、
    前記槽本体(2)の槽内には、めっき側金属の小片(33)が入れられておりかつアノード液が上端側から供給され側面及び下部から流出可能な透液性の溶解ケース(32)が、装着口(15)に対面して配置されており、
    前記槽本体(2)の底には、溶解ケース(32)と装着口(15)との間で装着口(15)に近接して被処理品(W)に沿ってカソード液を上向き噴出供給する噴出通路(40)が設けられていることを特徴とする溶解ケースを備えた縦保持型めっき装置。
  2. 前記槽本体(2)の着脱想定面には、重ね合わせ状態に固定される内枠体(17)及び外枠体(18)と、これら内枠体(17)と外枠体(18)との重合間で回転可能に保持された回転支持体(19)とが設けられ、この回転支持体(19)に装着口(15)となる中央開口と、この中央開口の開口縁部であって被処理品(W)が押し付けられる当接部(15a)とが形成されており、
    前記着脱装置(3)は、被処理品(W)を先端に保持する保持体(50)と、この保持体(50)を回転支持体(19)に向けて移動して被処理品(W)を回転支持体(19)の当接部(15a)に押し付ける移動機構(46)と、回転支持体(19)に押し付けた保持体(50)を回転支持体(19)とともに回転させる回転機構(47)とが設けられていることを特徴とする請求項1に記載の溶解ケースを備えた縦保持型めっき装置。
  3. 前記噴出通路(40)は、カソード液を被処理品(W)に沿ってカーテン状に噴出するべく、装着口(15)に近接して複数並べて設けられていることを特徴とする請求項1又は2に記載の溶解ケースを備えた縦保持型めっき装置。
  4. 前記溶解ケース(32)は、透液性を有する素材によりケース外壁が形成されたケース本体(32a)と、ケース本体(32a)を外側から包み込んでアノード液を側方へ流出させるが老廃物は不通過とさせる濾材により形成された被覆体(32b)とで形成されており、
    前記溶解ケース(32)は装着口(15)に対面して複数並べて設けられ、複数の溶解ケース(32)を支持する支持台(37)には溶解ケース(32)の下部からアノード液を排出する排液通路(39)が設けられていることを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の溶解ケースを備えた縦保持型めっき装置。
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