JP7191353B1 - 減速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】キャリアピンを安定的に支持しキャリアピンの撓みを抑制可能な減速機を提供する。【解決手段】偏心揺動型の減速機1であって、回転軸Oを中心に入力回転数で回転する入力回転体10と、回転軸Oから偏心した回転軸を有し、入力回転体10と一体的に回転する偏心カム15と、円環形状を有し外周面に外歯を備え偏心揺動する外歯歯車30と、一端を偏心カム15の外周面に取付けられた軸受25に接し、他端を外歯歯車30の内周面に接し、偏心カム15の動きを外歯歯車30に伝達する伝達棒50と、外歯と内接噛合する内歯歯車90と、キャリアピン80と、キャリアピン80の両端部及び/又は中間部に配置されキャリアピン80と連結する出力フランジ60と、出力フランジ60と連結し、回転軸Oを中心に出力回転数で回転する筒状の出力回転体100と、を備える。【選択図】図1

Description

本発明は、減速機に関する。
内歯歯車と、揺動しながら内歯歯車に内接噛合する外歯歯車とを備え、内歯歯車と外歯歯車との相対回転成分を、外歯歯車を貫通するキャリアピンを介して出力軸に取り出す偏心揺動型減速機が広く知られている。偏心揺動型減速機は、従来から多くの改良がなされており、これまでにも小型化及び高強度を実現するための取り組み、さらにはキャリアピンに働く回転モーメントによる撓みを抑制するための取り組みなどがなされている。
偏心揺動型減速機の小型化及び高強度を実現するための取り組みについては、第1,第2外歯歯車にそれぞれ対応した第1,第2内歯歯車を設け、さらに各外歯歯車の歯山に回転成分を取り出す穴を設けることで小型化及び高強度を実現する方法がある(例えば特許文献1参照)。
偏心揺動型減速機のキャリアピンに働く回転モーメントによる撓みの抑制については、第1,第2外歯歯車の間に円環状のキャリアを配置し、当該キャリアを入力シャフトに対して回転自在に取付けられた軸受で支持し、当該キャリアでキャリアピンを支持することでキャリアピンに作用するモーメントを抑制した偏心揺動型減速機がある(例えば特許文献2参照)。
特開2020-128759号公報 特開2017-214947号公報
減速機の小型化、キャリアピンに働く回転モーメントによる撓み抑制の取り組みは、特許文献1及び特許文献2に記載の減速機のほか、他の減速機でもなされている。また減速比を大きくすることができる、高回転トルクを得ることができる、脈動のない減速機などの開発も従来から継続して行われているが、さらなる改善が期待されている。
本発明の目的は、キャリアピンを安定的に支持しキャリアピンの撓みを抑制可能な減速機を提供することである。
本発明は、偏心揺動型の減速機であって、回転軸Oを中心に入力回転数Rで回転する入力回転体と、回転軸Oから偏心した回転軸OEを有し、前記入力回転体と一体的に回転する偏心カムと、円環形状を有し外周面に外歯を備え偏心揺動する外歯歯車と、一端を前記偏心カムの外周面に取付けられた軸受に接し、他端を前記外歯歯車の内周面に接し、前記偏心カムの動きを前記外歯歯車に伝達する伝達棒と、前記外歯と内接噛合する内歯歯車と、軸方向に延び前記外歯歯車に設けられたピン孔に挿通されるキャリアピンと、前記キャリアピンの両端部及び/又は中間部に配置され前記キャリアピンと連結する出力フランジと、前記出力フランジと連結し、回転軸Oを中心に出力回転数Rで回転する筒状の出力回転体と、を備え、前記入力回転体及び前記軸受は、前記出力回転体の内側に挿通配置され、前記出力回転体は、前記伝達棒が挿通する挿通孔を備えることを特徴とする減速機である。
本発明に係る減速機において、前記出力フランジは、円環形状を有し、内周面にスプラインを有し、前記出力回転体は、外周面に前記出力フランジのスプラインと噛み合うスプラインを備え、前記出力フランジが前記出力回転体の外側に挿通配置され、前記スプラインを介して前記出力フランジと前記出力回転体とが連結されることを特徴とする。
本発明に係る減速機は、複数枚の前記外歯歯車と、複数枚の前記出力フランジとを備え、前記出力フランジが、複数枚の前記外歯歯車の両端及び中間部に配列されてなり、前記出力回転体に設けられた前記挿通孔及び前記スプラインは、それぞれ軸方向に見て前記外歯歯車及び前記出力フランジと同じ位置に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る減速機は、複数枚の前記外歯歯車と、前記外歯歯車と同数又は前記外歯歯車と同数+1枚の前記出力フランジとを備え、前記外歯歯車と前記出力フランジとが軸方向に交互に配列されてなり、前記出力回転体に設けられた前記挿通孔及び前記スプラインは、それぞれ軸方向に見て前記外歯歯車及び前記出力フランジと同じ位置に設けられていることを特徴とする。
本発明に係る減速機において、前記内歯歯車は、ケーシングの内周面に外ピンが配列され形成されていることを特徴とする。
本発明に係る減速機において、前記出力フランジは、周方向に複数の貫通孔を有し、前記貫通孔にブッシュが嵌め込まれ、前記キャリアピンが前記ブッシュに嵌め込まれ、前記キャリアピンと前記出力フランジとが連結されることを特徴とする。
本発明によれば、キャリアピンを安定的に支持しキャリアピンの撓みを抑制可能な減速機を提供することができる。
本発明の第1実施形態の減速機1の縦断面図である。 本発明の第1実施形態の減速機1の横断面図である。 本発明の第1実施形態の減速機1の横断面図である。 本発明の第1実施形態の減速機1の横断面図である。 本発明の第1実施形態の減速機1の横断面図である。 本発明の第1実施形態の減速機1の分解構成図である。 本発明の第1実施形態の減速機1の分解構成図である。 本発明の第1実施形態の減速機1の分解構成図である。 本発明の減速機の出力フランジ60の配列を説明するための模式図である。
図1は、本発明の第1実施形態の減速機1の縦断面図である。図2~図5は、本発明の第1実施形態の減速機1を図1の切断線A-A,切断線B-B,切断線C-C,切断線D-Dで切断した横断面図である。図6~図8は、本発明の第1実施形態の減速機1の分解構成図である。図6~図8においては、構成部品の一部を省略している。
本実施形態において、回転軸Oの長手方向を軸線方向、回転軸Oに直交する方向を径方向、回転軸Oを中心とする円弧方向を周方向、図1を正面に見て図1の上下左右をそれぞれ上方向、下方向、左方向、右方向とする。軸線方向、径方向、周方向には、実質的に同視できる略軸線方向、略径方向、略周方向が含まれる。
本発明の第1実施形態の減速機1は、偏心揺動型の減速機であり、入力回転体10と、複数の偏心カム15と、複数の外歯歯車30と、複数の伝達棒50と、複数の出力フランジ60と、複数のキャリアピン80と、内歯歯車90と、出力回転体100とを主な構成要素として備える。
入力回転体10は、モーターの出力軸等と連結され、回転軸Oを中心に入力回転数Rで回転する。本実施形態の入力回転体10は、左右に延びる円柱状の本体11を備え、左側端部にフランジ部12を備える。入力回転体10は、本実施形態に限定されるものではなく、本体11が円筒形状を有しモーターの出力軸等を嵌め込み可能なものであってもよい。
偏心カム15は、入力回転体10の本体外周面13に挿通し固定され、入力回転体10と一体的に回転し、軸受25及び伝達棒50を介して外歯歯車30を揺動回転させる。偏心カム15の数は、外歯歯車30の数と同数であり、本実施形態では第1~第3偏心カム15が、左から右に向かって順に間隔を開け配置されている。偏心カム15の数は、3つに限定されるものでなく、外歯歯車30に数に対応し1つ又は2つ、または4つ以上であってもよい。
第1~第3偏心カム15は、それぞれ回転軸OからΔEだけ偏心した回転軸Oに平行な第1回転軸OE、第2回転軸OE、第3回転軸OEを中心とする円筒状の外周面を有する。偏心カム15の偏心位相は、360°/偏心カム15の数を基本とし、本実施形態では、偏心カム15の数が3であるから偏心位相が120°となる(図2~図4参照)。偏心カム15の偏心位相は、回転時の振動を抑制するために均等配分を基本とするが、減速比と偏心カム15の数との関係で等分とならない場合もある。
隣り合う偏心カム15の間にはカラー20が取り付けられている。カラー20は、偏心カム15を位置決めするとともに、出力フランジ60を配置するためのスペースを設けるための部材である。カラー20は、円筒形状を有し、入力回転体10の外周面13であって隣り合う偏心カム15の間、本実施形態では第1偏心カム15と第2偏心カム15との間、第2偏心カム15と第3偏心カム15との間、さらに第3偏心カム15の右隣りに取り付けられている。
軸受25は、各偏心カム15の外周面に取付けられ、伝達棒50を介して連結する外歯歯車30を回転自在に支持する。本実施形態の軸受25は、ボールベアリングである。
外歯歯車30は、円環状の部材であり、軸受25及び伝達棒50を介して偏心カム15と回転自在に連結する。外歯歯車30は、内周面32が円形であり、外周面には外歯36が設けられている。外歯36は、外周面に周方向に等間隔で複数個N設けられ、隣り合う外歯36の間は、外ピン92が嵌り込む凹部38となっている。
また外歯歯車30は、周方向に等間隔でキャリアピン80に対応した数のピン孔40を備える。本実施形態では、21個のピン孔40を備える。ピン孔40は、ピン孔40の直径Dが、D=d+2ΔEであり、軸方向に貫通する。ここでdはキャリアピン80の直径、ΔEは偏心カム15の偏心量である。
本実施形態では、同一形状、同一寸法からなる第1~第3外歯歯車30が取り付けられている。図2中のMは、左に位置する第1外歯歯車(第1段目外歯歯車)30の噛み合い位置、図3中のMは、中央に位置する第2外歯歯車(第2段目外歯歯車)30の噛み合い位置、図3中のMは、右に位置する第3外歯歯車(第3段目外歯歯車)30の噛み合い位置を示す。本実施形態の減速機1は、3枚の外歯歯車30を備えるが、外歯歯車30の数は、3枚に限定されるものではなく1枚又は2枚、あるいは4枚以上であってもよい。
伝達棒50は、偏心カム15の動きを外歯歯車30に伝達するための部材であり、各偏心カム15及び各外歯歯車30に対応し、本実施形態では第1~第3伝達棒50を備える。第1~第3伝達棒50は、それぞれ複数個の略長方体形状の棒部材52で構成され、本実施形態では、第1~第3伝達棒50は、いずれも12本の棒部材52で構成されている。伝達棒50を構成する棒部材52の数は、12本に限定されるものではないが、偏心カム15の動きを外歯歯車30に安定的に伝達するにはある程度の数は必要である。
各棒部材52は、一端54が軸受25の外周面に、他端56が外歯歯車30の内周面32に接するように、放射状に配置される。棒部材52の軸受25の外周面と接する面は、軸受25の外周面と同じ曲率の曲面を有し、外歯歯車30の内周面32と接する面は、外歯歯車30の内周面32と同じ曲率の曲面を有し、それぞれ隙間なく接する。
出力フランジ60は、キャリアピン80と連結し、キャリアピン80を介して伝達される動力を出力回転体100に伝達する円環状の部材である。出力フランジ60は、軸方向に見て隣り合う外歯歯車30の間、及び左右両端の外歯歯車30の外側に配置される。このため出力フランジ60の数は、基本的に外歯歯車30の数+1となる。本実施形態では、外歯歯車30が第1~第3外歯歯車30で構成されるため、出力フランジは4枚であり、第1~第4出力フランジ60からなる。
出力フランジ60は、外径が外歯歯車30の外径よりも小さく、内周面に複数のキー及びキー溝からなるスプライン(スプライン穴)63を備え、当該スプライン63を介して出力回転体100と連結し、動力を出力回転体100に伝達する。出力フランジ60には、円周方向に等間隔でキャリアピン80に対応した数のピン孔65が設けられている。本実施形態では、21個のピン孔65を備える。ピン孔65は、出力フランジ60を軸方向に貫通し、ピン孔65には円筒状のブッシュ70が嵌め込まれる。
キャリアピン80は、円柱状の複数のピンで構成され、第1~第3外歯歯車30のピン孔40を挿通し、第1~第4出力フランジ60のピン孔65に嵌め込まれたブッシュ70に掛け渡すように取り付けられる。本実施形態におけるキャリアピン80の数は、21本である。ブッシュ70に挿通されたキャリアピン80の外周面82は、ブッシュ70の内周面に摺動自在に接する。第1~第4出力フランジ60に架け渡すように取り付けられたキャリアピン80は、回転軸Oに平行である。
内歯歯車90は、円筒状のケーシング本体121の内周面に周方向に等間隔で複数個Nの外ピン92が取り付けられ形成されている。隣り合う外ピン(内歯)92の間は、外歯36が嵌り込む凹部94となっている。外ピンの数Nは、外歯36の数Nに比較して1つ多い。
出力回転体100は、円筒状の本体101と、本体101の左右端に位置する左フランジ105と、右フランジ110とを有する。本体101の内径は、第1~第3偏心カム15及び軸受25が取り付けられた入力回転体10の外径よりも大きく、本体101の外径は、外歯歯車30の内周面32の直径及び出力フランジ60の内周面の直径よりも小さい。
本体101は、軸方向に3カ所、間隔をあけ第1~第3伝達棒50が挿通する第1~第3挿通孔104を備える。第1~第3挿通孔104は、それぞれ周方向に等間隔に複数個、本実施形態では30°ピッチで12個の挿通孔104が設けられている。また本体101の外周面102には、第1~第4出力フランジ60の各スプライン63が噛合う第1~第4スプライン103が設けられている。第1~第3挿通孔104と第1~第4スプライン103とは軸方向に交互に配列されている。
左フランジ105は、本体101と一体的に形成され、右フランジ部110は、本体101の右端にボルト止めされる。左フランジ105の右内側には軸受115が嵌る内段差部106が、左フランジ105の外側には軸受130が嵌る外段差部108が設けられている。右フランジ110の左内側には軸受116が嵌る内段差部111が、右フランジ110の外側には軸受131が嵌る外段差部113が設けられている。本実施形態の軸受115,116,130,131は、ボールベアリングである。
ケーシング120は、円筒状の本体121と、本体121の両端部を塞ぐ左蓋124と、右蓋127とで構成される。左蓋124は、本体121の左端にボルト止めされ、右蓋127は、本体121の右端にボルト止めされる。本体121の内径は、外歯歯車30の外径よりも大きく、円筒状の内周面に外ピン92が取り付けられ内歯歯車90が形成されている。
左蓋124及び右蓋127は、円環状の部材であり、内径は、出力回転体100の外径よりも大きい。左蓋124の内側には軸受130が嵌る段差部125が、右蓋127の内側には軸受131が嵌る段差部128が設けられている。
減速機1の組立て要領を説明する。但し、減速機1の組立て要領は、以下の組立て要領に限定されるものではない。入力回転体10の本体11に軸方向の左から右に向けて軸受115、第1偏心カム15、第1カラー20、第2偏心カム15、第2カラー20、第3偏心カム15、第3カラー20、軸受116の順に配列された入力回転体10を、出力回転体100の本体101に挿入する。
入力回転体10に取付けられた軸受115が、入力回転体10のフランジ部12の右側面14に接するとともに、出力回転体100の左フランジ104の内段差部106に嵌ることで入力回転体10と出力回転体100との位置が決まる。
入力回転体10を挿入した出力回転体100を、左フランジ105を下にして起立させた状態で、出力回転体100の本体101の左フランジ105の外段差部108に軸受130を嵌め込み、続いてブッシュ70が取り付けられた第1出力フランジ60を、スプライン63が出力回転体100の第1スプライン103に嵌り込むように本体101に挿通し取り付ける。
次に、第1挿通孔104に棒部材52を挿通し、その後、内周面32に棒部材52が位置するように第1外歯歯車30を出力回転体100の本体101に挿通する。以降順次、同じ要領で第2出力フランジ60、第2伝達棒50、第2外歯歯車30、第3出力フランジ60、第3伝達棒50、第3外歯歯車30、第4出力フランジ60を挿通し取り付ける。
続いてキャリアピン80を、第1~第3外歯歯車30のピン孔40に挿通させるとともに、第1~第4出力フランジ60に取り付けられたブッシュ70に嵌り込むように取り付ける。最後に出力回転体100の右フランジ110の外段差部113に軸受131を嵌めた右フランジ110を本体101に固定する。これにより入力回転体10、第1~第3外歯歯車30、第1~第3連結棒50、第1~第4出力フランジ60、キャリアピン80及び出力回転体100が連結される。
入力回転体10が連結された出力回転体100に対し、以下の要領でケーシング120を取り付ける。段差部125に軸受130が嵌るように左蓋124を取り付ける。続いて外ピン92が第1~第3外歯歯車30と噛み合うようにケーシング本体121を取り付け、最後に段差部128に軸受131が嵌るように右蓋127を取り付ける。
以上からなる減速機1は、出力回転体100が、第1~第3偏心カム15及び軸受25が取り付けられた入力回転体10を覆うように配置され、左右に配置された軸受115、116を介して入力回転体10と回転自在に連結される。出力回転体100に対し、第1~第3外歯歯車30及び第1~第4出力フランジ60は、出力回転体100の径方向の外側に位置し、さらに第1~第3外歯歯車30及び第1~第4出力フランジ60の径方向の外側にケーシング120が位置し、出力回転体100は、軸受130、131を介してケーシング120に対して回転自在に連結される。
減速機1は、左右の軸受115、116が所定の位置に取り付けられることで入力回転体10と出力回転体100との軸方向及び径方向の位置が決まり、左右の軸受130、131が所定の位置に取り付けられることで出力回転体100とケーシング120の軸方向及び径方向の位置が決まる。
これにより図1に示されるように偏心カム15、軸受25、連結棒50及び外歯歯車30が回転軸Oに直交する同一直線上に配列され、カラー20、出力回転体100のスプライン103、出力フランジ60が回転軸Oに直交する同一直線上に配列される。換言すれば軸方向に見て偏心カム15、軸受25、連結棒50及び外歯歯車30が同じ位置にあり、カラー20、出力回転体100のスプライン103及び出力フランジ60が同じ位置にある。
減速機の動作は、次の通りである。入力回転体100が回転数Rで回転すると、入力回転体10に固定されている第1~第3偏心カム15が入力回転体10と一体的に回転する。各偏心カム15は、回転軸Oに対してΔEだけ偏心しているため各伝達棒50と接する各外歯歯車30は、内歯歯車90に噛み合いながら揺動回転する。このとき内歯である外ピン92の数Nが外歯36の数Nよりも多いため、外歯歯車30が1回揺動回転すると外ピン92に噛合う外歯36の位置が歯数差(N-N)の分だけずれる(自転する)。本実施形態では、外ピン92の数Nが42、外歯36の数Nが41である。
これにより入力回転体10の回転数Rに対して各外歯歯車30は、入力回転体10の回転方向とは逆方向に(N-N)/Nの割合で回転する。つまり減速機1の減速比はN/(N-N)となる。
外歯歯車30が自転すると、当該動力が外歯歯車30のピン孔40に挿通されたキャリアピン80に伝達される。キャリアピン80は、ブッシュ70を介して第1~第4出力フランジ60と連結し、さらに第1~第4出力フランジ60は、スプライン63、103を介して出力回転体100と連結するので、キャリアピン80に伝達された動力は、最終的に出力回転体100に伝達される。この結果、出力回転体100の回転数Rは、入力回転体10の回転数Rに(N-N)/Nを乗じた値となる。
減速機1の作用、効果は以下の通りである。本実施形態の減速機1は、出力フランジ60が軸方向に各外歯歯車30を挟むように複数枚配列され、キャリアピン80を回転自在に支持する。このようにキャリアピン80を軸方向の複数個所で支持することで、キャリアピン80が安定的に支持され、キャリアピン80に作用する回転モーメントによる撓みを抑えることができる。
このような構造の減速機1は、キャリアピン80の撓みを抑えることができるので、従来の減速機に比較してキャリアピン80及び各部材をコンパクトにし、減速機1を小型化することができる。
また減速機1は、キャリアピン80の撓みを抑えることができるのでキャリアピン80を長く、かつ細くすることができる。キャリアピン80を長くすれば取り付ける外歯歯車30の枚数を増すことができ、大きな伝達容量が得られる。また外歯歯車30の枚数を増すことで回転バランスがよくなり脈動も抑制される。キャリアピン80の直径dを細くすれば外歯歯車30のピン孔40の直径Dを小さくすることができる。外歯歯車30のピン孔40の直径Dを小さくすることでピン孔40の端から外歯歯車30の外周面までの距離、及び外歯歯車30の内周面32までの距離が長くなる。これにより外歯歯車30の強度が大きくなり、出力トルクを上げることができる。
以上、第1実施形態の減速機1を用いて本発明に係る減速機を説明したが、本発明に係る減速機は、上記実施形態に限定されるものではなく、要旨を変更しない範囲で変更して使用することができる。
図9は、本発明の減速機の出力フランジ60の配列を説明するための模式図である。図9において、本発明の第1実施形態の減速機1と同一の構成には同一の符号を付す。図中、丸付の数字は、出力フランジ60の軸方向の左からの順番を示し、カッコ付の数字は、外歯歯車30の軸方向の左からの順番を示す。
図9(A)は、本発明の第1実施形態の減速機1の出力フランジ60の配列であり、第1~第4出力フランジ60と第1~第3外歯歯車30が一つずつ交互に配列されている。図9(B)は、外歯歯車30が1枚であり、外歯歯車30を挟むように出力フランジ60が配列されている。
図9(C)は、第1~第6出力フランジ60と第1~第6外歯歯車30が一つずつ交互に配列されている。図9(A)では、出力フランジ60の数が、外歯歯車30の数よりも1枚多いため両端部に出力フランジ60が配列されるが、図9(C)では、出力フランジ60の数が、外歯歯車30の数と同数ゆえ右端部には出力フランジ60が配列されない。図9(D)は、8枚の外歯歯車30に対して、出力フランジ60は5枚であり、出力フランジ60は、2つ並んだ外歯歯車30ごとに1の出力フランジ60が配列されている。
本発明の減速機において、出力フランジ60の外歯歯車30に対する配列は、図9(A)、(B)のように出力フランジ60と外歯歯車30とを一つずつ交互に並べ、かつ両端部にも出力フランジ60を配列することを基本とする。一方で、大容量の出力を取り出すために外歯歯車30の数を多くする場合、図9(C)又は図9(D)のように出力フランジ60を配列することで出力フランジ60の枚数を少なくすることができ、結果、減速機の大きさ及び重量を抑えることができる。
本発明の減速機において出力フランジは、図9(A)~(D)に示す配列以外の配列を採用することができるが、キャリアピンとの関係ではキャリアピンの軸方向の両端部及び中間部の複数個所を支持し、キャリアピン80に作用する回転モーメントによる撓みを抑える。ここで中間部は、両端部を除く領域である。
第1実施形態の減速機1では、入力回転体10と、偏心カム15及びカラー20とが別体であり、偏心カム15とカラー20とを入力回転体10の外周面13に挿通、固定し使用するが、入力回転体10と偏心カム15とカラー20とを一体的に形成してもよい。また入力回転体10と偏心カム15とを一体的に形成し、カラー20を省略してもよい。
第1実施形態の減速機1では、棒部材52が長方体形状を有するが、棒部材52は偏心カム15の動きを外歯歯車30に確実に伝達することができればよく、形状は特に限定されるものではない。棒部材52が堅固であれば中空材であってもよい。
第1実施形態の減速機1では、出力フランジ60と出力回転体100との連結手段としてスプライン63,103を用いるが、出力フランジ60から出力回転体100に動力を確実に伝達することができれば連結手段は他であってもよい。また第1実施形態の減速機1では、内歯歯車90をケーシング120と一体的に形成するが、内歯歯車90をケーシング120と分離させ別体としてもよい。
図面を参照しながら好適な減速機について説明したが、当業者であれば、本件明細書を見て、自明な範囲内で種々の変更および修正を容易に想定するであろう。従って、そのような変更及び修正は、請求の範囲から定まる発明の範囲内のものと解釈される。
1 減速機
10 入力回転体
15 偏心カム
20 カラー
25 軸受
30 外歯歯車
32 外歯歯車内周面
36 外歯
40 ピン孔
50 伝達棒
52 棒部材
54 棒部材の一端
56 棒部材の他端
60 出力フランジ
63 スプライン
65 ピン孔
70 ブッシュ
80 キャリアピン
90 内歯歯車
92 外ピン
100 出力回転体
101 本体
102 本体外周面
103 スプライン
104 挿通孔
120 ケーシング
121 ケーシング本体
122 ケーシング本体内周面
外歯の数
内歯の数
O 回転軸
OE,OE,OE第1回転軸,第2回転軸,第3回転軸
入力回転数
出力回転数

Claims (6)

  1. 偏心揺動型の減速機であって、
    回転軸Oを中心に入力回転数Rで回転する入力回転体と、
    回転軸Oから偏心した回転軸OEを有し、前記入力回転体と一体的に回転する偏心カムと、
    円環形状を有し外周面に外歯を備え偏心揺動する外歯歯車と、
    一端を前記偏心カムの外周面に取付けられた軸受に接し、他端を前記外歯歯車の内周面に接し、前記偏心カムの動きを前記外歯歯車に伝達する伝達棒と、
    前記外歯と内接噛合する内歯歯車と、
    軸方向に延び前記外歯歯車に設けられたピン孔に挿通されるキャリアピンと、
    前記キャリアピンの両端部及び/又は中間部に配置され前記キャリアピンと連結する出力フランジと、
    前記出力フランジと連結し、回転軸Oを中心に出力回転数Rで回転する筒状の出力回転体と、
    を備え、
    前記入力回転体及び前記軸受は、前記出力回転体の内側に挿通配置され、
    前記出力回転体は、前記伝達棒が挿通する挿通孔を備えることを特徴とする減速機。
  2. 前記出力フランジは、円環形状を有し、内周面にスプラインを有し、
    前記出力回転体は、外周面に前記出力フランジのスプラインと噛み合うスプラインを備え、
    前記出力フランジが前記出力回転体の外側に挿通配置され、前記スプラインを介して前記出力フランジと前記出力回転体とが連結されることを特徴とする請求項1に記載の減速機。
  3. 複数枚の前記外歯歯車と、複数枚の前記出力フランジとを備え、
    前記出力フランジが、複数枚の前記外歯歯車の両端及び中間部に配列されてなり、
    前記出力回転体に設けられた前記挿通孔及び前記スプラインは、それぞれ軸方向に見て前記外歯歯車及び前記出力フランジと同じ位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の減速機。
  4. 複数枚の前記外歯歯車と、前記外歯歯車と同数又は前記外歯歯車と同数+1枚の前記出力フランジとを備え、
    前記外歯歯車と前記出力フランジとが軸方向に交互に配列されてなり、
    前記出力回転体に設けられた前記挿通孔及び前記スプラインは、それぞれ軸方向に見て前記外歯歯車及び前記出力フランジと同じ位置に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の減速機。
  5. 前記内歯歯車は、ケーシングの内周面に外ピンが配列され形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の減速機。
  6. 前記出力フランジは、周方向に複数の貫通孔を有し、
    前記貫通孔にブッシュが嵌め込まれ、
    前記キャリアピンが前記ブッシュに嵌め込まれ、前記キャリアピンと前記出力フランジとが連結されることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の減速機。
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JP2020128759A (ja) * 2019-02-07 2020-08-27 キヤノン株式会社 減速機

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