JP7190864B2 - 歯ぐきケア用具 - Google Patents

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Description

本発明は、歯ぐきケア用具に関する。
一般に、マッサージ用の歯ぐきケア用具は、棒状のハンドル部と、その一端に設けられたブラシ成形体とからなる。歯ぐきケア用具のハンドル部には、使用性の面から、歯ブラシと同様に硬質材料が用いられている。しかし、軟組織である歯ぐきに接触するブラシ成形体の材質としては、主に弾性材料が用いられている。
このような物性の異なる材料を組み合わせた歯ぐきケア用具の製造方法としては、一体成形、糊付け、組み立ての3パターンが考えられる。一体成形は、コストが高くなるため製品化が困難である。糊付けは、手間がかかるため生産性が悪くなる。そのため、歯ぐきケア用具は、ハンドル部とブラシ成形体をそれぞれ作製し、それらを組み立てることが前提となっている。
例えば、ハンドル部の先端に設けられたブラシ固定部がブラシ成形体内に差し込まれて、前記ブラシ成形体が前記ハンドル部の先端に取り付けられるマッサージ用の歯ぐきケア用具が提案されている(特許文献1、2)。
特開2015-211750号公報 特開2010-51795号公報
特許文献1、2のような歯ぐきケア用具は、使用中にブラシ成形体がハンドル部から抜け、誤飲による窒息等が生じる可能性がある。また、ブラシ成形体の後端部でヘッド部の基部との隙間が生じやすく、該隙間に水が浸入して菌が繁殖したり、汚れが溜まったりするため、衛生面が劣っている。また、ブラシ成形体の装着時や使用時にかかる負荷によってブラシ成形体が型崩れすることがある。
本発明は、組み立てが容易で、ブラシ成形体がハンドル部から抜けにくく、ブラシ成形体の後端部でヘッド部の基部との隙間が生じにくく、ブラシ成形体が型崩れしにくいマッサージ用の歯ぐきケア用具を提供することを目的とする。
本発明は、以下の構成を有する。
[1]硬質樹脂からなる棒状のハンドル体と、軟質樹脂からなるブラシ成形体とを備え、
前記軟質樹脂は、ショアA硬度が20~80であり、
前記ハンドル体は、ハンドル部と、前記ハンドル部の先端に設けられ、前記ブラシ成形体内に差し込まれて前記ブラシ成形体が被せられる、前記ハンドル部の長さ方向に延びるヘッド部とを備え、
前記ブラシ成形体は、前記長さ方向に延び、前記ヘッド部が差し込まれる差し込み孔を有し、
前記ヘッド部には、前記長さ方向と交差する方向に突出する凸部が1個以上設けられている、マッサージ用の歯ぐきケア用具。
[2]前記ブラシ成形体の内側に前記凸部に対応する凹部が設けられ、前記ブラシ成形体が前記ヘッド部に被せられた状態で前記凸部が前記凹部に嵌まり込む、[1]に記載の歯ぐきケア用具。
[3]前記ヘッド部が、基部と、前記基部の先端に設けられ、前記長さ方向と直交する方向に拡幅された拡幅部とを備え、前記拡幅部の表面に前記凸部が設けられ、
正面視における前記拡幅部の最大幅(ただし、前記最大幅は前記拡幅部の前記凸部を含まない部分で算出される。)Wmax(mm)と前記基部の幅W(mm)との比Wmax/Wが1.6~3.4である、[1]又は[2]に記載の歯ぐきケア用具。
[4]前記ヘッド部に前記凸部が2個以上設けられ、前記凸部の高さが0.3~1.0mmであり、隣り合う前記凸部同士の間隔が2.0~5.0mmである、[1]~[3]のいずれかに記載の歯ぐきケア用具。
[5]前記ヘッド部に被せられた状態の前記ブラシ成形体の後端の外径と、前記ハンドル部の先端の外径が同じである、[1]~[4]のいずれかに記載の歯ぐきケア用具。
[6]前記基部の長さ方向の長さが3.0~8.0mmである、[3]~[5]のいずれかに記載の歯ぐきケア用具。
本発明によれば、組み立てが容易で、ブラシ成形体がハンドル部から抜けにくく、ブラシ成形体の後端部でヘッド部の基部との隙間が生じにくく、ブラシ成形体が型崩れしにくいマッサージ用の歯ぐきケア用具を提供できる。
本発明の歯ぐきケア用具の一例を示した正面図である。 図1の歯ぐきケア用具のハンドル体を示した正面図である。 図1の歯ぐきケア用具のハンドル体を示した側面図である。 図2のハンドル体のヘッド部周辺を拡大した拡大正面図である。 図1の歯ぐきケア用具のブラシ成形体を示した正面図である。 図1の歯ぐきケア用具のブラシ成形体を示した斜視図である。 図5のブラシ成形体のI-I断面図である。 ブラシ成形体をハンドル部のヘッド部に取り付けた状態を示した断面図である。
本発明の歯ぐきケア用具は、歯ぐきのマッサージ用のケア用具である。
以下、本発明の歯ぐきケア用具の一例を示して説明する。なお、以下の説明において例示される図の寸法等は一例であって、本発明はそれらに必ずしも限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲で適宜変更して実施することが可能である。
本実施形態の歯ぐきケア用具1は、図1に示すように、棒状のハンドル体10と、ブラシ成形体20とを備えている。ハンドル体10とブラシ成形体20とは別々の部材であり、ブラシ成形体20はハンドル体10に着脱自在に取り付けられるようになっている。
本発明では、ハンドル体にブラシ成形体を取り付けた状態において、ブラシ成形体の複数の突起部からなるブラシ部が配置される側の面を正面、その反対側の面を背面とする。
ハンドル体10は、図2~4に示すように、棒状のハンドル部11と、ハンドル部の11の先端に設けられた、ハンドル部11の長さ方向に延びるヘッド部12とを備えている。歯ぐきケア用具1では、ハンドル体10のヘッド部12を後述のブラシ成形体20内に差し込むことで、ヘッド部12にブラシ成形体20を被せて取り付けるようになっている。
この例のハンドル部11の正面視形状は、図2に示すように、先端から後端に向かって一定の幅で延び、その後に徐々に幅が広くなった後に狭くなるように曲線的に変化し、後端部が略円形状になっている。ハンドル部11の側面視形状は、図3に示すように、先端から後端に向かって、長さ方向の中央部の幅広の部分で背面側にS字状に反り、ハンドル部11の先端寄りの部分と後端寄りの部分は略平行になっている。これにより、奥歯の歯ぐきをマッサージする際にヘッド部12が届きやすくなる。また、ハンドル部11が適度に撓むため、ヘッド部12との境目の強度を確保することができる。
ハンドル部11の長さ方向に直交する方向に切断した断面形状は、略楕円状になっている。
なお、本発明において、ハンドル部の形状は、この例の形状には限定されず、強度、操作性、意匠性等を考慮して適宜設定できる。
ハンドル部11の寸法は、特に限定されず、適宜設定できる。例えば、ハンドル部11の長さは、100~200mmとすることができる。
本発明において、ヘッド部は、ブラシ成形体を取り付けた状態においてブラシ成形体で被覆される部分である。ヘッド部の後端は、ハンドル体にブラシ成形体が取り付けられた状態における、ブラシ成形体の後端に対応する位置である。
ヘッド部12は、図2~4に示すように、ハンドル部11の先端から長さ方向に延びる棒状の基部13と、基部13の先端に設けられ、長手方向に直交する幅方向に拡幅された板状の拡幅部14とを備えている。拡幅部14の表面には、長さ方向に直交する方向に全周にわたって突出した凸部15が設けられている。すなわち、拡幅部14の表面には、長さ方向に直交する方向に突出した環状の凸部15が、長さ方向に間隔を空けて複数設けられている。
基部13は、ハンドル部11の先端と拡幅部14の後端とを繋ぐ部分である。この例の基部13と拡幅部14の接続部分における正面視での縁形状は、後端から先端に向かう方向において、曲率中心が途中で拡幅部の縁に対して外側から内側に逆転するS字の曲線状に広がっている。基部13の先端は、正面視での基部13と拡幅部14の接続部分の縁形状において、後端から先端に向かって、曲率中心が拡幅部の縁に対して外側から内側に逆転する地点である。基部13の後端は、ヘッド部12の後端であり、ハンドル体10にブラシ成形体20が取り付けられた状態における、ブラシ成形体20の後端に対応する位置である。
この例では、基部13の後端の外径φは、ハンドル部11の先端の外径φよりも小さくなっている。これにより、ハンドル体10におけるハンドル部11とヘッド部12の境界部分には、全周にわたって段差が形成されている。
ハンドル部11の先端の外径φに対するヘッド部12の基部13の後端の外径φの比φ/φは、0.5~0.9が好ましく、0.65~0.75がより好ましい。比φ/φが前記範囲の下限値以上であれば、ハンドル体10の耐折強度が充分に高くなる。比φ/φが前記範囲の上限値以下であれば、ブラシ成形体20による基部13への締め付けが確保され、ハンドル部から抜けにくくなる。これは、ブラシ成形体20の後端部とハンドル部の先端の境界に起こる“ずれ”に対して特に効果があり、ブラシ成形体20と基部13との隙間に水などが浸入して衛生面が劣ることを抑制する。
なお、ハンドル部11の先端の外径φは、ハンドル部11の長さ方向に直交する方向の断面形状が円以外の場合は、その断面形状の外接円の直径を意味するものとする。また、ハンドル部11の先端の角部が丸みを帯びている場合、ハンドル部11の先端の外径φは、ハンドル部の後端から先端に向けて、その丸みを帯びた角部の付け根部分の外径を意味するものとする。
また、基部13の後端の外径φは、基部13の長さ方向に直交する方向の断面形状が円以外の場合は、その断面形状の外接円の直径を意味するものとする。
ハンドル部11の先端の外径φは、4.0~6.0mmが好ましく、4.5~5.5mmがより好ましい。ハンドル部11の先端の外径φが前記範囲の下限値以上であれば、ハンドル体10の耐折強度が充分となる。ハンドル部11の先端の外径φが前記範囲の上限値以下であれば、口腔内での操作性が良好になる。
基部13の後端の外径φは、3.0~4.0が好ましく、3.2~3.6がより好ましい。基部13の後端の外径φが前記範囲の下限値以上であれば、ハンドル体10の耐折強度が充分となる。基部13の後端の外径φが前記範囲の上限値以下であれば、ブラシ成形体20をヘッド部12に取り付けやすく、また、口腔内での操作性が良好になる。
この例のハンドル部11の先端の角部11aは、丸みを帯びた状態になっている。
ハンドル部11の先端の角部11aの円弧の曲率半径は、0.5~1.5mmが好ましく、0.7~1.3mmがより好ましい。角部11aの円弧の曲率半径が前記範囲の下限値以上であれば、ハンドル部11の先端とヘッド部12の基部13との境界部分における耐折強度が充分となる。角部11aの円弧の曲率半径が前記範囲の上限値以下であれば、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、またブラシ成形体20とハンドル部11との境界面に対し、ブラシ成形体20の後端部のズレが生じにくくなる。
ヘッド部12の基部13の長さ方向の長さは、3.0~8.0mmが好ましく、5.0~7.0mmがより好ましい。基部13の長さが前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ成形体20によるヘッド部12の締め付けが充分となるため、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、またブラシ成形体20とハンドル部11の境界、即ち基部13の後端部との間に隙間が生じにくくなる。基部13の長さが前記範囲の上限値以下であれば、ハンドル体10の耐折強度が充分となる。また、ブラシ成形体20をヘッド部12に取り付けやすくなる。
ヘッド部12の拡幅部14の正面視形状は、楕円状になっている。なお、拡幅部の正面視形状は、楕円状には限定されず、適宜設定できる。
正面視におけるヘッド部12の拡幅部14の最大幅Wmaxは、5.0~10.0mmが好ましく、6.5~8.5mmがより好ましい。拡幅部14の最大幅Wmaxが前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ成形体20との接触面積が多くなり、かつ、基部13との幅方向における長さの差が多くなるため、ブラシ成形体20がヘッド部12から抜けにくくなり、またブラシ成形体20の後端部でヘッド部12の基部13との間に隙間が生じにくくなる。拡幅部14の最大幅Wmaxが前記範囲の上限値以下であれば、ヘッド部12及びブラシ成形体20が大きくなり過ぎないため、口腔内での操作性が良好になる。また、ヘッド部12をブラシ成形体20に差し込む際の作業性が良好になる。
なお、ヘッド部の拡幅部の最大幅Wmaxとは、正面視で凸部を除いて拡幅部における最も幅広い部分の幅を意味する。即ち、最大幅Wmaxは拡幅部の凸部を含まない部分で算出される。
正面視における拡幅部14の最大幅Wmaxと基部13の幅W(mm)との比Wmax/Wは、1.6~3.4が好ましく、2.0~3.0がより好ましい。比Wmax/Wが前記範囲の下限値以上であれば、基部13との幅方向における長さの差が多くなるため、ブラシ成形体20がヘッド部12から抜けにくくなり、またブラシ成形体20の後端部において基部13との間に隙間が生じにくくなる。比Wmax/Wが前記範囲の上限値以下であれば、ヘッド部12及びブラシ成形体20が大きくなり過ぎないため、口腔内での操作性が良好になる。また、基部13が小さくなり過ぎないため、基部13におけるブラシ成形体20の締め付けが保たれ、抜けにくくなる。
基部13の長さ方向において幅が変化している場合、基部13の幅Wは、基部13の幅の最小値を意味するものとする。
ヘッド部12の拡幅部14の最大厚みは、2.5~4.0mmが好ましく、2.8~3.5mmがより好ましい。拡幅部14の最大厚みが前記範囲の下限値以上であれば、ヘッド部12の耐折強度に優れる。拡幅部14の最大厚みが前記範囲の上限値以下であれば、ヘッド部12及びブラシ成形体20が大きくなり過ぎないため、口腔内での操作性が良好になる。また、ヘッド部12をブラシ成形体20に差し込む際の作業性が良好になる。
なお、ヘッド部の拡幅部の最大厚みとは、拡幅部における凸部15を除いた最も肉厚な部分の厚みを意味する。即ち、最大厚みは拡幅部の凸部を含まない部分で算出される。
この例では、ヘッド部12の拡幅部14に5個の凸部15が設けられているが、凸部15の数は5個には限定されず、1個でもよい。
凸部15の数は、2~8個が好ましく、4~6個がより好ましい。凸部15の数が前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ成形体20の突起部23の形状、配列において、使用時の局所的な負荷による型崩れがしづらくなる。また、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、またブラシ成形体20の後端部でヘッド部12の基部13との間に隙間が生じにくくなる。凸部15の数が前記範囲の上限値以下であれば、ヘッド部12をブラシ成形体20に差し込む際の作業性が良好になる。
凸部15の高さは、0.3~1.0mmが好ましく、0.4~0.7mmがより好ましい。凸部15の高さが前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、またブラシ成形体20の後端部でヘッド部12の基部13との間に隙間が生じにくくなる。凸部15の高さが前記範囲の上限値以下であれば、ヘッド部12及びブラシ成形体20が大きくなり過ぎないため、口腔内での操作性が良好になる。また、ヘッド部12をブラシ成形体20に差し込む際の作業性が良好になる。
なお、凸部の高さとは、凸部の根元から先端までの距離である。拡幅部の表面が湾曲している場合、凸部における先端側と後端側の付け根同士を直線で結んだときの前記直線と凸部の先端との距離を凸部の高さとする。
この例のように凸部15が2個以上存在する場合、隣り合う凸部15の間隔は、2.0~5.0mmが好ましく、3.0~4.0mmがより好ましい。隣り合う凸部15の間隔が前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ成形体20が抜けようとする動きに対して各々の凸部15が充分に引っ掛かりやすくなるため、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、またブラシ成形体20の後端部でヘッド部12の基部13との間に隙間が生じにくくなる。隣り合う凸部15の間隔が前記範囲の上限値以下であれば、ヘッド部12に取り付けたブラシ成形体20の形状がヘッド部12の形状に容易に追従し、隣り合う凸部15の間がブラシ成形体20で埋められて隙間が生じにくくなり、ブラシ成形体20の突起部23の形状、配列において、使用時の局所的な負荷による型崩れがしづらくなる。また、ブラシ成形体20が抜けにくくなる。なお、隣り合う凸部15の間隔とは、凸部の頂部同士で算出するものとする(縁間距離ではない)。
最も後端側に配置される凸部15の後端側の部分は、基部13の先端側の部分と重なっていることが好ましい。すなわち、最も後端側に配置される凸部15は、拡幅部14から基部13までまたがるように設けられていることが好ましい。
ハンドル部11の先端から最も後端側の凸部15までの距離dは、3.0~8.0mmが好ましく、5.0~7.0mmがより好ましい。距離dが前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、またブラシ成形体20とヘッド部12の間に隙間が生じにくくなる。距離dが前記範囲の上限値以下であれば、ハンドル体10の耐折強度を確保しやすい。なお、ハンドル部11の先端から最も後端側の凸部15までの距離とは、ハンドル部11の先端から該凸部の根元の後端側の付け根までの距離のことである。
凸部15の長さ方向に直交する方向に切断したときの断面形状は、特に限定されず、半円状、矩形状を例示できる。なかでも、凸部15の断面形状は、半円状が好ましい。これにより凸部根元での応力集中が緩和され、ハンドル体10の耐折強度が低下しにくく、またブラシ成形体20の着脱時にブラシ成形体20が破損することを抑制しやすい。
本発明では、ヘッド部12の拡幅部14の表面に凸部15を環状に設ける態様には限定されない。例えば、ヘッド部12の拡幅部14の正面側や背面側において幅方向に突条に設けられていてもよい。また、ヘッド部12の拡幅部14の表面に、円柱状、角柱状等の複数の凸部が設けられていてもよい。また、ヘッド部12の拡幅部14の表面に突条の凸部15が螺旋状に設けられていてもよい。
凸部15が複数設けられている場合、形状が異なる凸部15が混在していてもよい。
ハンドル体10は、硬質樹脂からなる。
硬質樹脂としては、一例として、曲げ弾性率(JIS K7171)が1000MPa以上2200MPa以下である樹脂を例示できる。具体的には、例えば、ポリプロピレン樹脂(PP)、ポリアセタール樹脂(POM)、ポリスチレン樹脂(PS)、ポリエチレンテレフタレート樹脂(PET)、ポリブチレンテレフタレート樹脂(PBT)、アクリロニトリルブタジエンスチレン樹脂(ABS)、ポレアリレート樹脂(PAR)、ポリカーボネート樹脂(PC)、アクリロニトリルスチレン樹脂(AS)を例示できる。これらの中でも、コスト面を考慮すると汎用樹脂であるPPが好ましい。
ブラシ成形体20は、図5~7に示すように、正面視形状が楕円状の本体部21と、本体部21の後端から延びる管状部22と、本体部21の正面に設けられた複数の突起部23からなるブラシ部24と、を備えている。
ブラシ成形体20は、内部に長さ方向に延びる差し込み孔26を有し、管状部22の後端に差し込み孔26の開口部である差込口22aが形成されている。図8に示すように、ハンドル体10のヘッド部12を差込口22aからブラシ成形体20の差し込み孔26に差し込むことで、図1に示すように、ハンドル体10のヘッド部12にブラシ成形体20を被せて取り付けることができる。
突起部23は、先端部が丸みを帯びた柱状である。
ブラシ部24における突起部23の高さ(毛丈)は、3.0~7.0mmが好ましく、4.0~6.0mmがより好ましい。突起部23の高さが前記範囲の下限値以上であれば、突起部が硬くなりすぎず、使用感が良好になる。また、薬剤と併用してマッサージをする際に、薬剤のブラシ部での保持機能が向上する。突起部23の高さが前記範囲の上限値以下であれば、突起部23が過度に撓みにくくなり、充分なマッサージ実感が得られやすい。さらに、薬剤が泡立つことを抑制しやすいため、口腔内での有効成分の滞留性が向上する。
突起部23の太さは、0.5~2.0mmが好ましく、0.7~1.5mmがより好ましい。突起部23の太さが前記範囲の下限値以上であれば、突起部23が過度に撓むことを抑制しやすく、充分なマッサージ実感が得られやすい。突起部23の太さが前記範囲の上限値以下であれば、突起部23が撓みやすくなり、使用感が良好になる。
なお、突起部の太さとは、突起部の直径を意味し、突起部の長さ方向に直交する断面の形状が円以外の場合は、その断面形状の外接円の直径を意味するものとする。突起部の太さが高さ方向において変化する場合、突起部の太さは、突起部の基端の太さを意味するものとする。
ブラシ部24における突起部23の密度は、0.2~0.8本/mmが好ましく、0.4~0.6本/mmがより好ましい。突起部23の密度が前記範囲の下限値以上であれば、疎毛感が抑えられ、マッサージ実感が良好になり、また薬剤の保持機能が向上する。突起部23の密度が前記範囲の上限値以下であれば、刺激が強くなりすぎず、使用感が良好になる。また薬剤の保持機能が高くなりすぎず、口腔内全体に薬剤を行き渡らせることが容易になる。さらに、薬剤が泡立つことを抑制しやすいため、口腔内での有効成分の滞留性が向上する。なお、密度の算出は、ブラシ部の総突起数を、最も外周に配置される隣接した突起部同士の最外郭の接線を結んで形成される面積(mm)で除したものとする。
ブラシ成形体20をヘッド部12に被せた状態において、ブラシ成形体20における本体部21の背面からブラシ部24の先端までの距離Dは、5.5~15.0mmが好ましく、7.5~12.5mmがより好ましい。距離Dが前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ部24の各突起部23の高さを確保しやすいため、マッサージ時の刺激が強くなりすぎず、使用感が良好になる。また、本体部21の背面にヘッド部12の凸部15の形状が浮き出にくく、本体部21の背面に凹凸が生じにくいため、使用感が良好になる。また、ブラシ成形体20をハンドル体10のヘッド部12に被せる際にブラシ成形体20が破損することを抑制しやすい。距離Dが前記範囲の上限値以下であれば、ブラシ成形体20が長軸方向に長くなりすぎないので、口腔内での操作性が良好になる。
ブラシ成形体20の本体部21の正面から背面に向かう方向の肉厚は、0.7~3.5mmが好ましい。
ブラシ成形体20の本体部21の内側に凹部25を含まない部分の正面から背面に向かう方向の肉厚(突起部23の根元から本体部21の内面までの距離)は0.7~1.2mmが好ましい。前記肉厚を前記範囲にすることで、組み立て効率が向上し、また形崩れを抑止することができる。
ブラシ成形体20の本体部21の先端部及び幅方向の端部、すなわちブラシ成形体20をヘッド部12に取り付けた状態の正面視でヘッド部12が存在していない部分の正面から背面に向かう方向の肉厚は、2.5~3.5mmが好ましい。前記肉厚を前記範囲にすることで、口腔内の操作性を確保しつつ、口腔内の当たり心地(クッション性)を向上させることができる。
ブラシ成形体20がヘッド部12から抜けにくくなり、ブラシ成形体20とヘッド部12の間に隙間が生じにくくなる点から、ヘッド部12に被せられていない状態のブラシ成形体20の管状部22の後端の内径φは、ヘッド部12の基部13の後端の外径φよりも小さいことが好ましい。なお、基部13の断面、差込口22aの形状が円以外の場合は、外接円の外径で算出するものとする。
ヘッド部12の基部13の後端の外径φと、ヘッド部12に被せられていない状態のブラシ成形体20の管状部22の後端の内径φとの差φ-φは、0.2~0.5mmが好ましく、0.35~0.45mmがより好ましい。差φ-φが前記範囲の下限値以上であればブラシ成形体20によるヘッド部12の締め付けが充分になるため、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、またブラシ成形体20とヘッド部12の間に隙間が生じにくくなる。差φ-φが前記範囲の上限値以下であれば、ヘッド部12をブラシ成形体20に差し込む際の作業性が良好になる。
ブラシ成形体20の本体部21の内側には、ヘッド部12の凸部15に対応する凹部25が環状に形成されている。ブラシ成形体20がヘッド部12に被せられた状態においては、ヘッド部12の凸部15がブラシ成形体20の内側に形成された凹部に嵌まり込む。このように、ブラシ成形体20をヘッド部12に被せた状態でヘッド部12の凸部15とブラシ成形体20の凹部25が嵌合することで、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、ブラシ成形体20とヘッド部12の間に隙間が生じにくくなる。また、ヘッド部12に被せたブラシ成形体20が型崩れしにくくなるため、使用感がより良好になる。
ブラシ成形体20をヘッド部12に被せていない状態において、凹部25の深さは、0.3~1.0mmが好ましく、0.4~0.7mmがより好ましい。凹部25の深さが前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、またブラシ成形体20とヘッド部12の間に隙間が生じにくくなる。凹部25の深さが前記範囲の上限値以下であれば、ブラシ成形体20が大きくなり過ぎないため、口腔内での操作性が良好になる。
凹部25の深さは、凸部15の高さに対応していることが好ましい。なお、本発明の効果を損なわない範囲であれば、凹部25の深さは凸部15の高さに対応していなくてもよい。なお、凹部の深さとは、凹部の開口縁から最底部までの距離である。拡幅部の表面が湾曲している場合、凹部における先端側と後端側の開口縁同士を直線で結んだときの前記直線と凹部の最底部との距離を凹部の深さとする。
凹部25が2個以上存在する場合、隣り合う凹部25の間隔は、2.0~5.0mmが好ましく、3.0~4.0mmがより好ましい。隣り合う凹部25の間隔が前記範囲内であれば、ブラシ成形体20が抜けにくく、またブラシ成形体20の後端部でヘッド部12の基部13との間に隙間が生じにくくなる。なお、隣り合う凹部25の間隔とは、凹部の最底部同士で算出するものとする(縁間距離ではない)。
ブラシ成形体20の内側に形成される凹部25の数は、ヘッド部12に設けられる凸部15の数に対応していることが好ましい。なお、ブラシ成形体20の内側に形成される凹部25の数は、ヘッド部12に設けられる凸部15の数に対応していなくてもよい。例えば、凹部25の数は、ヘッド部12に設けられた凸部15の数よりも少なくてもよい。
凹部25の長さ方向に直交する方向に切断したときの断面形状は、特に限定されず、半円状、矩形状を例示できる。凹部25の断面形状は、凸部15の断面形状に対応していることが好ましい。なお、凹部25の断面形状は、凸部15の断面形状に対応していなくてもよい。
ブラシ成形体20における最も後端側の凹部25の後端側の開口縁と差込口22aとの距離dは、3.0~8.0mmが好ましく、5.0~7.0mmがより好ましい。距離dが前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ成形体20が抜けにくくなり、またブラシ成形体20とヘッド部12の間に隙間が生じにくくなる。距離dが前記範囲の上限値以下であれば、ハンドル体10の耐折強度を確保しやすい。
ヘッド部12に被せられた状態のブラシ成形体20の管状部22の後端の外径φと、ハンドル部11の先端の外径φは、同じであることが好ましい。これにより、ヘッド部12にブラシ成形体20を被せた状態において、ブラシ成形体20の後端とハンドル部11の先端との境界部分で、ブラシ成形体20の管状部22の外面とハンドル部11の外面に段差がなくなる。そのため、口腔内における操作時にブラシ成形体20の管状部22が引っ掛かって捲れることが抑制される。
この例では、ブラシ成形体20の管状部22の厚みを、ハンドル体10におけるハンドル部11の先端とヘッド部12の基部13の後端との段差分とすることで、外径φと外径φを同じにできる。
軟質樹脂のショアA硬度は、20~80であり、40~60が好ましい。軟質樹脂のショアA硬度が前記範囲の下限値以上であれば、ブラシ成形体がヘッド部から抜けにくくなり、またブラシ成形体とヘッド部との間に隙間ができにくい。また、充分なマッサージ実感が得られやすい。軟質樹脂のショアA硬度が前記上限値以下であれば、使用感が良好である。また、ヘッド部12に取り付けたブラシ成形体20の形状がヘッド部12の形状に容易に追従しやすくなるため、ブラシ成形体20とヘッド部12の間に隙間が生じにくく、ブラシ成形体20が抜けにくくなる。また、ブラシ成形体20をハンドル体10のヘッド部12に容易に取り付けることができる。
また、軟質樹脂のショアA硬度が前記範囲内であれば、ブラシ成形体20をハンドル体10のヘッド部12に取り付けたときに型崩れしにくく、使用時の局所的な負荷においても型崩れがしづらくなり、使用感が良好になる。
なお、ショアA硬度は、JIS K6253に準拠して測定される硬度を意味する。
ブラシ成形体20を構成する軟質樹脂としては、特に限定されず、シリコンゴムを例示できる。シリコンゴムとしては、天然ゴムや合成ゴムと同様にロール作業で可塑化させて形成されるミラブル型、例えば、ビニルメチルシリコンゴム、フェニルメチルシリコンゴム、フルオロシリコンゴムを例示できる。この他にも、低粘度の液状で、室温又は加熱により硬化してゴム形状となる液状シリコン、例えば、縮合型シリコン、不可型シリコンを例示できる。この他に熱可塑性エラストマーを用いることができる。熱可塑性エラストマーとしては、例えば、スチレン系、塩化ビニル系、オレフィン系、ウレタン系、ポリエステル系、ニトリル系、ポリアミド系、フッ素系、塩素化ポリエチレン系、塩素化エチレンコポリマー架橋体アロイ系、エステルハロゲン系ポリマー系等が挙げられる。これらの中でも、ビニルメチルシリコンゴム、スチレン系エラストマーが、柔軟性を付与でき、薬剤や劣化に耐性があることから好ましい。また、柔軟性等を向上させるため可塑剤を添加してもよい。
スチレン系エラストマーとしては、スチレン-ブタジエン-スチレンブロック共重合体、スチレン-イソプレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレン-エチレン/プロピレン-スチレンブロック共重合体、部分水添スチレン-エチレン/ブチレン-スチレンブロック共重合体、スチレン(エチレン-エチレン/プロピレン)-スチレンブロック共重合体等が挙げられる。
本発明の歯ぐきケア用具の製造方法は、特に限定されない。例えば、ハンドル体とブラシ成形体をそれぞれ射出成形により製造する方法を例示できる。
以上説明したように、本発明の歯ぐきケア用具においては、ハンドル体のヘッド部に1個以上の凸部が設けられ、かつブラシ成形体が特定のショアA硬度の軟質樹脂からなる。これにより、ヘッド部にブラシ成形体が取り付けられた状態において、ブラシ成形体がヘッド部をしっかりと締め付け、ブラシ成形体の内側に凸部が引っ掛かった状態となる。そのため、使用時にブラシ成形体が予期せずヘッド部から抜け、誤飲等が生じることを抑制できる。
また、本発明の歯ぐきケア用具では、異なる材質のハンドル体とブラシ成形体を組み合わせるが、ブラシ成形体を形成する軟質樹脂のショアA硬度が特定の範囲に制御されているため、ブラシ成形体とヘッド部の間に隙間が生じにくく、衛生面にも優れている。
また、軟質樹脂で形成されたブラシ成形体は、凸部を設けたヘッド部に被せる際や、使用時における局所的な圧力負荷により、伸びて型崩れしやすい傾向がある。しかし、ブラシ成形体を形成する軟質樹脂のショアA硬度が特定の範囲に制御されていることで、ブラシ成形体の型崩れを抑制でき、優れた使用感が得られる。
また、本発明の歯ぐきケア用具は、ブラシ成形体を形成する軟質樹脂のショアA硬度が特定の範囲に制御されているため、組み立てが容易である。
なお、本発明の歯ぐきケア用具は、前記した歯ぐきケア用具1には限定されない。例えば、ハンドル体のヘッド部に設けられる凸部の数は5個でなくてもよい。また、凸部はヘッド部の長さ方向に交差する方向であればよく、長さ方向に直交する方向でなくてもよい。
ヘッド部の拡幅部は板状でなくてもよく、棒状等であってもよい。
ブラシ成形体の本体部の正面視形状は、楕円でなくてもよい。
本発明の歯ぐきケア用具は、ブラシ成形体の内側に凹部が形成されていないものであってもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は以下の記載によっては限定されない。
[実施例1]
射出成形によってハンドル体とブラシ成形体を成形し、図1~8に例示した歯ぐきケア用具1を作製した。
ブラシ成形体を形成する軟質樹脂としては、ショアA硬度が50のシリコンゴム(商品名「Si5211CPIN2」、錦城護謨社製)を使用した。
ブラシ成形体においては、ブラシ部の突起部の密度を0.5本/mm、突起部の高さを5.0mm、突起部の太さを1.0mm、本体部の背面からブラシ部の先端までの距離Dを10.0mm、凹部の数を5個、最も後端側の凹部と差込口との距離dを6.0mm、隣り合う凹部の間隔を3.5mm、凹部の深さを0.5mm、ヘッド部に被せられていない状態の管状部の後端の内径φを3.0mm、ヘッド部に被せられた状態の管状部の後端の外径φを5.0mmとした。
ハンドル体を形成する硬質樹脂としては、曲げ弾性率が1350MPaのポリプロピレン(商品名「J-750HP」、プライムポリマー社製)を使用した。
ハンドル体においては、正面視における拡幅部の最大幅Wmaxを7.5mm、最大厚みを3.0mm、凸部の数を5個、ハンドル部の先端から最も後端側の凸部までの距離dを6.0mm、隣り合う凸部の間隔を3.5mm、凸部の高さを0.5mm、基部の後端の外径φを3.4mm、基部の長さを6.0mm、基部の幅Wを3.4mm、ハンドル部の先端の外径φを5.0mm、ハンドル部の先端の角部の曲率半径を1.0mmとした。
[実施例2~9、比較例2、3]
条件を表1に示すとおりに変更した以外は、実施例1と同様にして歯ぐきケア用具を得た。
[比較例1]
ブラシ成形体を硬質樹脂であるポリプロピレン(商品名「J-2021GR」、プライムポリマー社製、曲げ弾性率:950MPa)で形成した以外は、実施例1と同様にして歯ぐきケア用具を得た。
[比較例4]
ハンドル体のヘッド部に凸部を設けず、ブラシ成形体の内側に凹部を設けなかった以外は、実施例1と同様にして歯ぐきケア用具を得た。
[評価方法]
各例で得た歯ぐきケア用具を以下の評価方法により評価した。
(組み立て効率)
ハンドル体のヘッド部をブラシ成形体の差込口から差し込み、ブラシ成形体をハンドル体のヘッド部に被せる際の組み立て効率を評価した。評価は、15名のパネラーによる差し込み開始から差し込み完了までの平均時間を算出し、以下の判定基準に従って評価した。
◎:平均時間が5秒以内。
〇:平均時間が5秒超、10秒以内。
△:平均時間が10秒超。
×:ハンドル体のヘッド部をブラシ成形体に差し込むことができない。
(ブラシ成形体の抜け強度)
5本のブラシ成形体をハンドル体のヘッド部に被せた状態で、ブラシ成形体が垂直になるように固定し、ヘッド部先端から3mmの位置を冶具で挟み、オートグラフ AGS-X(島津製作所社製)を用いて20mm/minで上方向に引張り、ブラシ成形体が抜ける際の最大強度を測定した。ブラシ成形体の抜け強度を以下の基準に従って評価した。
◎:5本全てが15N以上。
〇:5本中、10N以上15N未満が1~2本(10N未満は0本)。
△:5本中、10N以上15N未満が3~5本(10N未満は0本)。
×:5本中1本以上が10N未満。
(ブラシ成形体後端部と基部の間の隙間の生じにくさ)
5本のブラシ成形体をハンドル体のヘッド部に被せた状態で、ブラシ成形体が上方かつ垂直になるようにハンドル部を固定し、ヘッド部先端から3mmの位置を冶具で挟み、オートグラフ AGS-X(島津製作所社製)を用いて20mm/minで上方向に引張った。横軸に距離[mm]、縦軸に応力[N]をとり、得られた波形の最初のピークまでの原点からの近似直線の傾きを測定し、ブラシ成形体後端部と基部の間の隙間の生じにくさ(ブラシ成形体の後端部のハンドル部の先端からのズレの生じにくさ)を以下の基準に従って評価した。
◎:5本全ての波形の傾きが4.5以上。
〇:5本中、3.0以上4.5未満が1~2本(3.0未満はゼロ)。
△:5本中、2.0以上3.0未満が1~2本(2.0未満はゼロ)。
×:5本中、1本以上が2.0未満。
(ハンドル体の耐折強度)
5本のブラシ成形体を被せない状態で、ヘッド部が鉛直に下向きになるように、ハンドル部先端からヘッド部方向に1mmの位置から鉛直下方部を固定し、アイゾット試験機DG-IB(東洋精機社製)を用いて1Jのハンマーでハンドル部に衝撃を加えた際の、破壊に要した吸収エネルギーを測定し、ハンドル体の耐折強度を以下の基準に従って評価した。
◎:5本の最小値が0.40J/m以上。
〇:5本の最小値が0.20J/m以上0.40J/m未満。
△:5本の最小値が0.13J/m以上0.20J/m未満。
×:5本の最小値が0.13J/m未満。
(口腔内での操作性)
10人のモニターが、各例の歯ぐきケア用具で歯ぐきをマッサージし、その際の口腔内での操作性を以下の基準で評価した。10人のモニターの平均点が、4.2点以上を「◎」、3.0点以上4.2点未満を「○」、2.0以上3.0点未満を「△」、2.0点未満を「×」とした。
5点:「口の中での動かしやすさ」が非常に良い。
4点:「口の中での動かしやすさ」がやや良い。
3点:「口の中での動かしやすさ」がどちらともいえない。
2点:「口の中での動かしやすさ」がやや悪い。
1点:「口の中での動かしやすさ」が非常に悪い。
(ブラシ成形体の型崩れ)
5本のハンドル体とブラシ成形体の組み立て後、使用後のブラシ成形体の外観評価を行い、ブラシ成形体の型崩れを以下の基準で評価した。
4点:組み立て前のブラシ成形体の外観から変化なし。
3点:組み立て前のブラシ成形体の外観とわずかに差がある。
2点:組み立て前のブラシ成形体の外観とやや差がある。
1点:組み立て前のブラシ成形体の外観と明らかに差がある。
5本の平均が4点:◎
5本の平均が3点以上4点未満:○
5本の平均が2点以上3点未満:△
5本の平均が2点未満:×
各例の条件及び評価結果を表1に示す。
Figure 0007190864000001
表1に示すように、ブラシ成形体の軟質樹脂のショアA硬度が特定の範囲内で、ヘッド部に凸部が設けられた実施例1~9の歯ぐきケア用具では、組み立て効率が高いうえ、ブラシ成形体が抜けにくく、ブラシ成形体の後端部においてヘッド部の基部との間に隙間が生じにくかった。また、実施例1~9の歯ぐきケア用具は、ハンドル体が折れにくく、口腔内での操作性に優れ、ブラシ成形体が型崩れしにくかった。
一方、ブラシ成形体を硬質樹脂で形成した比較例1では、ブラシ成形体をハンドル体のヘッド部に取り付けることができなかった。ブラシ成形体を形成する軟質樹脂のショアA硬度が低い比較例2では、ブラシ成形体が抜けやすく、ブラシ成形体の後端部においてヘッド部の基部との間に隙間が生じやすく、またブラシ成形体が型崩れしやすかった。ブラシ成形体を形成する軟質樹脂のショアA硬度が高い比較例3では、ブラシ成形体をハンドル体のヘッド部に取り付けるのが困難であった。ハンドル体のヘッド部に凸部を設けていない比較例4では、ブラシ成形体が抜けやすく、ブラシ成形体の後端部においてヘッド部の基部との間に隙間が生じやすく、またブラシ成形体が型崩れしやすかった。
1…歯ぐきケア用具、10…ハンドル体、11…ハンドル部、11a…角部、12…ヘッド部、13…基部、14…拡幅部、15…凸部、20…ブラシ成形体、21…本体部、22…管状部、22a…差込口、23…突起部、24…ブラシ部、25…凹部、26…差し込み孔。

Claims (5)

  1. 硬質樹脂からなる棒状のハンドル体と、軟質樹脂からなるブラシ成形体とを備え、
    前記軟質樹脂は、ショアA硬度が20~80であり、
    前記ハンドル体は、ハンドル部と、前記ハンドル部の先端に設けられ、前記ブラシ成形体内に差し込まれて前記ブラシ成形体が被せられる、前記ハンドル部の長さ方向に延びるヘッド部とを備え、
    前記ブラシ成形体は、前記長さ方向に延び、前記ヘッド部が差し込まれる差し込み孔を有し、
    前記ヘッド部が、基部と、前記基部の先端に設けられ、前記長さ方向と直交する方向に拡幅された拡幅部とを備え、
    正面視において、前記拡幅部は、前記基部から前記ヘッド部の先端に向かうに従って広がり次いで狭まり、
    前記拡幅部には、正面側及び背面側の少なくとも一方に突出する凸部が1個以上設けられ、
    前記凸部の高さが0.3~1.0mmであり、
    前記凸部の少なくとも一部は、前記ヘッド部における前記ハンドル部寄りに位置し、
    正面視における前記拡幅部の最大幅(ただし、前記最大幅は前記拡幅部の前記凸部を含まない部分で算出される。)Wmax(mm)と前記基部の幅W1(mm)との比Wmax/W1が1.6~3.4であり、
    W1は2.5~5.4mmであり、
    前記ブラシ成形体が前記ヘッド部に被せられた状態で、前記差し込み孔内に位置する前記凸部は、前記ブラシ成形体に食い込んでいる、マッサージ用の歯ぐきケア用具。
  2. 前記ブラシ成形体の内側に前記凸部に対応する凹部が設けられ、前記ブラシ成形体が前記ヘッド部に被せられた状態で前記凸部が前記凹部に嵌まり込む、請求項1に記載の歯ぐきケア用具。
  3. 前記ヘッド部に前記凸部が2個以上設けられ、隣り合う前記凸部同士の間隔が2.0~5.0mmである、請求項1又は2に記載の歯ぐきケア用具。
  4. 前記ヘッド部に被せられた状態の前記ブラシ成形体の後端の外径と、前記ハンドル部の先端の外径が同じである、請求項1~3のいずれか一項に記載の歯ぐきケア用具。
  5. 前記基部の長さ方向の長さが3.0~8.0mmである、請求項1~4のいずれか一項に記載の歯ぐきケア用具。
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