JP7189704B2 - 帯電防止剤とその利用 - Google Patents
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すなわち、本発明の帯電防止剤は、ジグリセリン脂肪酸エステルである成分(A)、脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物脂肪酸エステルである成分(B)、グリセリン脂肪酸エステルである成分(C)及び脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物である成分(D)を含み、前記成分(A)がジグリセリン脂肪酸モノエステルである成分(A-1)と、ジグリセリンと2以上の脂肪酸とのエステルである成分(A-2)とを含み、前記成分(A-1)と前記成分(A-2)との重量比(A-1/A-2)が80/20~20/80であり、前記成分(A)がジグリセリンラウリン酸エステルを含み、前記成分(A)に占めるジグリセリンラウリン酸エステルの重量割合が40重量%以上であり、前記成分(A)を20~70重量%、前記成分(B)を10~50重量%、前記成分(C)を5~50重量%、前記成分(D)を1~20重量%の比率で含んでなる。
樹脂組成物に占める前記帯電防止剤の重量割合が0.01~30重量%であると好ましい。
前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンであると好ましい。
本発明のフィルムは、上記ポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなる。
本発明の積層フィルムは、上記帯電防止性フィルムと別の基材フィルムとが接着されてなる。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、接着剤によって帯電防止性能が低下せず、長期間に渡り帯電防止効果に優れる。
本発明のフィルムは、接着剤による帯電防止性能が低下せず、長期間に渡り帯電防止効果に優れる。
本発明の帯電防止剤は、ジグリセリン脂肪酸エステルである成分(A)、脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物脂肪酸エステルである成分(B)、グリセリン脂肪酸エステルである成分(C)及び脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物である成分(D)を含み、前記成分(A)がジグリセリン脂肪酸モノエステルである成分(A-1)と、ジグリセリンと2以上の脂肪酸とのエステルである成分(A-2)とを含み、前記成分(A-1)と前記成分(A-2)との重量比(A-1/A-2)が80/20~20/80である。
一般的に練り込み型帯電防止剤を使用したフィルムはラミネートされた際に帯電防止性能が減衰する傾向にあるが、成分(A)は本発明においてフィルムの帯電防止性発現に寄与する成分と、フィルムがラミネートされた際の帯電防止性の減衰の抑制に寄与する成分が複合したものである。
成分(A)は、ジグリセリン脂肪酸エステルである。
ジグリセリン脂肪酸エステルを構成する脂肪酸としては、例えば、酪酸、吉草酸、カプロン酸、ヘプチル酸、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミチン酸、マルガリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、モンタン酸、及びメリシン酸などの飽和脂肪酸;クロトン酸、ミリストレイン酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸、リノール酸、α-リノレン酸、エレオステアリン酸、ステアリドン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、イワシ酸、及びドコサヘキサエン酸などの不飽和脂肪酸が挙げられる。
中でも、本願効果を奏する観点から、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸が好ましく、ラウリン酸が特に好ましい。
成分(A-1)は主に帯電防止性の発揮に寄与する成分である。成分(A-1)は、ジグリセリン脂肪酸モノエステルである。
成分(A-1)としては、ジグリセリン脂肪酸モノラウレート、ジグリセリン脂肪酸モノステアレート、ジグリセリン脂肪酸モノオレエートが挙げられ、なかでも、本願効果を発揮する観点から、ジグリセリン脂肪酸モノラウレートが好ましい。
成分(A-2)は主にラミネート後の帯電防止性の維持に寄与する成分である。成分(A-2)は、ジグリセリンと2以上の脂肪酸とのエステルである。具体的には、ジグリセリン脂肪酸ジエステル及びジグリセリン脂肪酸トリエステル、ジグリセリン脂肪酸テトラエステルから選ばれる少なくとも1種である。
成分(A-2)を構成する脂肪酸は、1種であってもよく、2種以上であってもよい。
成分(B)は、ポリオレフィン樹脂との相溶性に優れた成分であり、帯電防止剤のポリオレフィン樹脂中での分散状態をコントロールするために使用する。成分(B)は脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物脂肪酸エステルである。
本発明の防曇剤は、上記一般式(1)で示される成分(B-1)と、上記一般式(2)に示される成分(B-2)を含有すると、樹脂相溶性のバランスをとりやすいために好ましい。
成分(B-1)は、脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物モノ脂肪酸エステルであり、上記一般式(1)で示される化合物である。
上記一般式(1)中、R1は、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基またはアルキニル基である。R1の炭素数は8~22である。
アルキル基としては、直鎖であっても分岐であってもよく、本願効果を発揮する観点から、直鎖が好ましい。
R1の炭素数は8~22であり、12~18が好ましく、14~18がより好ましく、16~18がさらに好ましい。炭素数が8未満であると、ポリプロピレン樹脂との相溶性が悪くブリード過多によるべたつきや黄変を引き起こす。一方、炭素数が22を超えると、ブリード抑制効果が強すぎるために帯電防止性を阻害する。
成分(B-2)は、脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物ジ脂肪酸エステルであり、上記一般式(2)に示される化合物である。
上記一般式(2)中、R3は、アルキル基、アルケニル基、アルカジエニル基またはアルキニル基である。R3の炭素数は8~22である。
アルキル基としては、直鎖であっても分岐であってもよく、本願効果を発揮する観点から、直鎖が好ましい。
R3の炭素数は8~22であり、12~18が好ましく、14~18がより好ましく、16~18がさらに好ましい。炭素数が8未満であると、ポリプロピレン樹脂との相溶性が悪くブリード過多によるべたつきや黄変を引き起こすことがある。一方、炭素数が22を超えると、ブリード抑制効果が強すぎるために帯電防止性を阻害する。
成分(C)は自身が帯電防止効果を持つのと同時に、本発明に使用される成分のうちで特に帯電防止成分全体の即効的なブリードアウトを促進させる成分であり、グリセリン脂肪酸エステルである。
成分(C)が炭素数8~22の脂肪酸残基を有すると、熱可塑性樹脂との相溶性が良く、透明性が高く、帯電防止性に優れるために好ましい。
成分(C)の脂肪酸残基の炭素数は、好ましくは12~18、さらに好ましくは14~18、特に好ましくは16~18である。炭素数が8未満であると、ポリオレフィン樹脂との相溶性が悪くブリード過多による透明性不良や成形品表面のべたつきを引き起こすことがある。一方、炭素数が22を超えると、即効性を充分に発現できず帯電防止性が不足することがある。
成分(C)の合成法について特に限定は無いが、たとえば、グリセリンと脂肪酸とをエステル化反応させたり、グリセリンエステルに脂肪酸エステルをエステル交換反応させたりする方法が挙げられる。この際、反応比率を調整することで混合物を得ることができる。また、それぞれの反応で得られた組成物について、別個に得られた精製物を混合して使用しても良い。
成分(D)はブリードを補助する成分であり、帯電防止剤の凝集を防止する成分である。成分(D)を含まない場合、短期的には帯電防止剤全体のブリードが遅くなることで帯電防止性が十分に発揮されず、長期的には樹脂組成物の表面で帯電防止性成分の凝集や結晶化が起こり、帯電防止性や透明性の低下が起こる可能性がある。
成分(D)は脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物である。前記成分(D)が上記一般式(3)で示されると樹脂への相溶性や樹脂の透明性の観点から好ましい。
アルキル基としては、直鎖であっても分岐であってもよく、本願効果を発揮する観点から、直鎖が好ましい。
R6の炭素数は8~22であり、12~18が特に好ましい。炭素数が8未満であると、表面に過剰ブリードし、成型品のべたつきの原因となる。一方、炭素数が22を超えると、ブリード速度が遅すぎるために帯電防止効果や凝集防止効果を発揮しなくなる。
q及びrはオキシエチレン基の平均付加モル数を示す。q及びrは0以上であり、q+rは2~3を満足する数である。
また、単位重量当りの有効成分を高めるという観点から、帯電防止剤に占める成分(A)、成分(B)、成分(C)及び成分(D)の合計の重量割合は、好ましくは80~100重量%、より好ましくは85~95重量%である。
本発明のポリオレフィン系樹脂組成物は、ポリオレフィン系樹脂と、上記の帯電防止剤とを含むものである。
ポリオレフィン系樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ポリプロピレン、低密度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン-プロピレン共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-無水マレイン酸共重合体、プロピレン-無水マレイン酸共重合体等を挙げることができる。ポリオレフィン系樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、本発明の効果が顕著に発揮されるという観点からポリオレフィン系樹脂が、ポリプロピレンであることが好ましい。
ポリオレフィン系樹脂組成物に占める帯電防止剤の重量割合(以下、「帯電防止剤濃度」ということがある)は、樹脂組成物がマスターバッチであるか成形材料であるかによっても変動し、特に限定されるものではないが、好ましくは0.01~30重量%である。
また、ポリオレフィン系樹脂と帯電防止剤との配合比については、特に限定されないが、本発明の効果が顕著に発揮されるという観点から、ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して、本発明の帯電防止剤0.015~45重量部を配合することが好ましい。
以下、ポリオレフィン系樹脂組成物がマスターバッチの場合と、成形材料の場合とに分けて、それぞれの製造方法等を説明する。
マスターバッチは成形品の製造工程における中間原料であり、着色剤や樹脂性能改質剤等の添加剤を高濃度に含有した樹脂組成物である。樹脂ペレットにマスターバッチを混合すると、添加剤を含まない樹脂ペレットに添加剤を単独で混合するよりも、ハンドリング性良く混合することができる。また、マスターバッチを使用することにより、低濃度の添加剤であっても分散性良く樹脂中に均一に混合することが可能となる。
本発明において、成形材料とは、それ自体が成形加工されて、フィルム・シート等の最終製品となるものを意味する。
ポリオレフィン系樹脂組成物が成形材料である場合、帯電防止剤濃度は、好ましくは0.01~10重量%であり、より好ましくは0.03~5重量%である。帯電防止剤濃度が0.01重量%未満であると、十分な帯電防止性能が発揮されないことがある。一方、帯電防止剤濃度が10重量%を超えると、さらなる帯電防止性能の向上が認められないうえに、ポリオレフィン系樹脂の持つ透明性が損なわれることがある。
上記(2)の方法において、マスターバッチに含まれる樹脂及び溶融混練で用いる熱可塑性樹脂のうち、少なくとも一方がポリオレフィン系樹脂を含有していればよく、双方の樹脂が必ずしも同じ種類の樹脂である必要はないが、両者の分散均一性を向上するため、マスターバッチに含まれる樹脂と熱可塑性樹脂とが相溶性を有していることが好ましく、マスターバッチの嵩比重と熱可塑性樹脂の嵩比重とが概略一致しているとさらに好ましい。
本発明の成形体は、上記のポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなるものである。成形体としては、たとえば、インフレーションフィルムや2軸延伸フィルム等のフィルム、シート、射出成形品、ブロー成形品など様々な形状の成形加工品が挙げられる。これらの中でも、本発明の効果が最も顕著に発揮されるという観点から、成形体がフィルムであると特に好ましい。フィルムの厚みは、特に限定されないが、好ましくは1~500μmである。
成形体の製造方法としては、例えば、前記成形材料を加熱溶融した状態で、射出成形、ブロー成形、押出成形、熱成形(2軸延伸加工等)する方法等を挙げることができ、成形材料を成形する同様の方法であってもよい。
成形材料と成形体の製造は、連続して行なってもよく、たとえば、前記マスターバッチと熱可塑性樹脂を押出成形機で溶融混練、ついで、Tダイ、インフレーションダイ等によりフィルムに加工する方法が挙げられる。
これら成形体の用途としては、食品等の包装材、電線被覆材、ハウス・トンネル等の農業用資材、玩具・文具等の雑貨・日用品、壁紙等の建材等が挙げられる。
本発明のフィルムは単体でも使用できるが、基材フィルム、あるいは基材樹脂と組み合わせて積層フィルムとすることでより好適に使用できる。本発明の積層フィルムとしては、少なくとも、上記のポリオレフィン系樹脂組成物から形成された層(以下、「帯電防止層」ということがある)を有するものであれば、その他の構成は特に制限されないが、該帯電防止層を表面層として有するものが好ましい。なお、表面層とは、積層フィルムの最外層を意味する。積層フィルムの好ましい態様として、以下の(a)、(b)、(c)等が挙げられる。
(a)本発明のフィルムと、基材フィルムとを、ポリウレタン系接着剤又はポリエーテル系接着剤によってドライラミネートしてなる、積層フィルム。
(b)本発明のポリオレフィン系樹脂組成物を、基材フィルム上に押出ラミネートしてなる、積層フィルム。
(c)本発明のポリオレフィン系樹脂組成物と、基材熱可塑性樹脂組成物とを、共押出してなる、積層フィルム。
このような積層フィルムもまた、本発明の一つである。
ドライラミネートフィルムは、少なくとも2枚以上の異種又は同種のフィルムを、接着剤を介して貼り合わせることで製造される積層フィルムである。図4は、本発明のドライラミネートフィルムの一例を示す断面図である。ドライラミネートフィルム10は、帯電防止層3と基材層6とが、接着層5を介して積層された構造を有している。ドライラミネートフィルムに使用される接着剤としては主にポリウレタン系接着剤、ポリエーテル系接着剤など、いずれも市販のものを適宜使用できる。
押出ラミネートフィルムは基材フィルムに対して溶融樹脂を押出しながら接着することで製造される積層フィルムである。押出ラミネートフィルムでは通常、フィルム同士の接着性を向上するためにアンカーコート剤が使用される。アンカーコート剤を使用した場合積層フィルムの構成は図4と同様となる。押出ラミネートフィルムに使用される基材フィルムはドライラミネートフィルムと同様のものが使用できる。
従来の帯電防止剤を使用した場合、帯電防止成分がアンカーコート接着層へ吸着されることで帯電防止性能が損なわれる問題が存在する。
しかし、本発明の帯電防止剤を使用した場合、成分(A-1)と(A-2)の重量割合が特定の範囲にある成分(A)に対して成分(B)、成分(C)及び成分(D)を併用することで帯電防止剤が親水性の高いアンカーコート接着層への吸着が抑制されるため効果的に利用できる。帯電防止剤の水酸基価(OHv)とケン化価(Sv)との比率(OHv/Sv)が1.8~2.4の範囲内にあると、帯電防止剤のブリードのバランスが保たれるため特に好ましい。アンカーコート剤はポリウレタン系接着剤、ポリエーテル系接着剤が存在し、いずれも市販のものを適宜使用できる。
共押出フィルムは溶融樹脂と溶融基材樹脂を同時に押出し、接着することで製造される積層フィルムである。図5は本発明の共押出フィルムの一例を示す断面図である。共押出フィルム11は、帯電防止層3と親水性基材層7とが直接接着して積層された構造を有している。共押出フィルムについてもドライラミネートフィルムと同様の基材樹脂を用いることができる。
従来の帯電防止剤では帯電防止剤を含む熱可塑性樹脂に対して親水性の高い異なる熱可塑性樹脂を基材樹脂として共押出した際、帯電防止成分が基材樹脂層へ吸着されることで帯電防止性能が損なわれる問題が存在する。
本発明の帯電防止剤を使用した場合、成分(A-1)を含む成分(A)に対して成分(B)、成分(C)及び成分(D)を併用することで親水性基材層への吸着が抑制されるため、効果的に利用できる。帯電防止剤の水酸基価(OHv)とケン化価(Sv)との比率(OHv/Sv)が1.8~2.4の範囲内にあると、帯電防止剤のブリードのバランスが保たれるため特に好ましい。基材樹脂としては、たとえばポリエステルやポリビニルアルコール、ポリアミドが適宜使用できる。
防曇剤の水酸基価(OHv)を医薬部外品原料規格水酸基価測定法によって測定する。
(ケン化価)
防曇剤のケン化価(Sv)を医薬部外品原料規格ケン化価測定法によって測定する。
なお、上記測定法は本願出願時に規定された測定法とする。
ポリオレフィン系樹脂組成物の成形によって作製したフィルムを40℃で1日間、及び40℃で7日間保管する。
20℃、45%RHにコントロールされた恒温、恒湿室において、超絶縁計(東亜電波工業(株)製;SM-8310型)を使用してフィルム片の表面固有抵抗率を測定する。表面固有抵抗率1×1014Ω/□以下(1000×1011Ω/□以下)で帯電防止性能合格とした。
ポリオレフィン系樹脂組成物の成形によって作製したフィルムを、製膜後40℃で30日間保管後に、色差・濁度測定器(日本電色工業製;COH-300A)を使用してフィルムのΔHaze(フィルム表面をエタノールで軽く洗い流す前後のHaze値の差)を測定する。
ポリオレフィン系樹脂組成物の成型によって作製されたフィルムを、ポリウレタン系接着剤を用いて別の熱可塑性樹脂フィルムにドライラミネートした後、上記帯電防止性評価と同様に得られたラミネートフィルム片の表面固有抵抗率を測定する。
表面固有抵抗率1×1014Ω/□以下(1000×1011Ω/□以下)で帯電防止性合格とした。
ポリウレタン系ラミネート用接着剤(三洋化成工業製;ポリボンドAY-651)を主剤:硬化剤:酢酸エチル(溶剤)=100重量部:15重量部:190重量部の割合で調製し、別のポリプロピレンフィルムにバーコーターを用いて塗布量3g/m2で塗布した後、60℃にて1分間乾燥し、溶剤を揮発させる。作製したポリプロピレンフィルムを接着面に貼り合わせ、60℃に保温したローラーで圧着し、40℃にて2日間保管したものを養生直後とした。さらに40℃にて7日間保管した。
Tダイより押出しされた樹脂組成物を1軸延伸することで厚さ20μメートルのフィルムを作製し、得られたフィルムについて帯電防止性・透明性を測定した。また、前述した方法でドライラミネートしたフィルムについても、帯電防止面の表面固有抵抗率を測定した。その結果を表2、3に示す。
一方、成分(A)~(D)のいずれかが含まれていない場合(比較例1~4)、(A-1/A-2)が80/20~20/80の範囲にない場合(比較例5,6)については、本願の課題が解決できていない。
2:疎水基
3:帯電防止層
4:親水層
5:接着層
6:基材層
7:親水性基材層
10:ドライラミネートフィルム
11:共押出フィルム
Claims (8)
- ジグリセリン脂肪酸エステルである成分(A)、脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物脂肪酸エステルである成分(B)、グリセリン脂肪酸エステルである成分(C)及び脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物である成分(D)を含み、
前記成分(A)がジグリセリン脂肪酸モノエステルである成分(A-1)と、ジグリセリンと2以上の脂肪酸とのエステルである成分(A-2)とを含み、
前記成分(A-1)と前記成分(A-2)との重量比(A-1/A-2)が80/20~20/80であり、前記成分(A)がジグリセリンラウリン酸エステルを含み、前記成分(A)に占めるジグリセリンラウリン酸エステルの重量割合が40重量%以上であり、前記成分(A)を20~70重量%、前記成分(B)を10~50重量%、前記成分(C)を5~50重量%、前記成分(D)を1~20重量%の比率で含んでなる、帯電防止剤。 - 前記成分(B)が、下記一般式(1)で示される脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物モノ脂肪酸エステルである成分(B-1)と、下記一般式(2)で示される脂肪族アミンエチレンオキサイド付加物ジ脂肪酸エステルである成分(B-2)とを含み、前記成分(B-1)と前記成分(B-2)との重量比(B-1/B-2)が50/50~90/10である、請求項1に記載の帯電防止剤。
- 水酸基価(OHv)とケン化価(Sv)との比率(OHv/Sv)が1.8~2.4の範囲にある、請求項1又は2に記載の帯電防止剤。
- ポリオレフィン系樹脂と、請求項1又は2に記載の帯電防止剤とを含む、ポリオレフィン系樹脂組成物。
- 樹脂組成物に占める前記帯電防止剤の重量割合が0.01~30重量%である、請求項4に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
- 前記ポリオレフィン系樹脂がポリプロピレンである、請求項4又は5に記載のポリオレフィン系樹脂組成物。
- 請求項4~6のいずれかに記載のポリオレフィン系樹脂組成物を成形してなる、フィルム。
- 請求項7に記載の帯電防止性フィルムと別の基材フィルムとが接着されてなる、少なくとも2層以上の積層フィルム。
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