以下、図面を参照しながら、各実施形態を説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に示すように、本実施形態のEGR弁装置1は、エンジン91を有する車両に搭載され、エンジン91およびそのエンジン91の周辺機器などを含むエンジンシステム90の一部を構成する。そして、EGR弁装置1は、そのエンジンシステム90において、エンジン91の排気の一部であるEGRガスが通るEGR通路950の開閉およびそのEGR通路950の開度調整を行う。従って、本実施形態のEGR弁装置1は、気体(具体的には、EGRガス)である流体の流量を増減する流体制御弁である。
本実施形態のEGR弁装置1を含むエンジンシステム90は、エンジン91、吸気系92、排気系93、過給器94、および排気還流系95などを備えている。エンジン91は、シリンダ911内にピストン912を収容して燃焼室910を形成する。エンジン91は、そのエンジン91の内部に形成された燃焼室910で燃料を燃焼させる内燃機関である。
吸気系92は、外気からエンジン91に空気を供給する。吸気系92は、吸気管921、吸気マニホールド922、エアクリーナ923、インタークーラ924、およびスロットル925などを有している。以下、エンジン91に供給される空気を吸入空気とも呼ぶ。
吸気管921は、燃焼室910に吸入空気を導くための配管であり、吸気通路920を形成している。吸気管921の一端は、外気に開放され、吸気管921の他端は、吸気マニホールド922に接続されている。吸気マニホールド922は、吸気管921の他端とエンジン91とに接続されている。吸気マニホールド922は、シリンダ911の数と同数の通路に分岐する構造を有する。エアクリーナ923は、大気から取り込んだ新気としての空気から異物を除去する。インタークーラ924は、過給器94のコンプレッサ941により圧縮されて昇温した吸入空気を冷却する。スロットル925は、エンジン91の吸気量を調整する。スロットル925は、電子制御ユニット96と電気的に接続されている。以下では、電子制御ユニット96をECU96とも呼ぶ。
排気系93は、エンジン91が排出する排気を外気へ放出する。排気系93は、排気管931、排気マニホールド932、および排気浄化ユニット933などを有している。排気管931は、エンジン91の排気を大気に導くための配管であり、排気通路930を形成している。排気マニホールド932は、排気管931の一端とエンジン91とに接続している。排気マニホールド932は、シリンダ911の数と同数の通路が合流する構造を有する。排気浄化ユニット933は、排気管931に設けられている。排気浄化ユニット933は、排気に含まれる炭化水素を分解したり、微粒子状物質を捕捉したりする。
過給器94は、排気のエネルギーを利用して吸気管921内で吸入空気を圧縮し、燃焼室910に加圧した吸入空気を過給する。過給器94は、コンプレッサ941、タービン942、およびシャフト943を有している。コンプレッサ941は、吸気通路920においてエアクリーナ923とインタークーラ924との間に配置されている。コンプレッサ941は、吸入空気を圧縮可能である。タービン942は、排気通路930において排気マニホールド932と排気浄化ユニット933との間に配置されている。タービン942は、排気のエネルギーにより回転駆動される。シャフト943は、コンプレッサ941とタービン942とを連結している。コンプレッサ941とタービン942とは、シャフト943により同期して回転する。
排気還流系95は、タービン942を通過した後の排気の一部を吸気通路920に還流する。そして、排気還流系95は、その還流された排気をEGRガスとして、エアクリーナ923を経て吸気通路920に流れる空気に混合する。そのEGRガスが混合された空気は、吸気通路920から吸気マニホールド922を介して燃焼室910に供給される。排気還流系95は、EGR管951、EGRクーラ952、およびEGR弁装置1を備えている。
EGR管951は、排気管931のうち排気浄化ユニット933の下流側の部位と、吸気管921のうちコンプレッサ941の上流側かつエアクリーナ923の下流側の部位とを接続する。EGR管951は、タービン942を通過した後の排気の一部であるEGRガスをコンプレッサ941による圧縮前の空気に還流するEGR通路950を形成している。EGRクーラ952は、EGR管951に設けられている。EGRクーラ952は、EGR通路950を通るEGRガスを冷却する。
EGR弁装置1は、EGR管951と吸気管921とが接続されている箇所に設けられている。詳細には、吸気管921のうちEGR弁装置1に対する上流側を構成する上流側吸気管921aと、吸気管921のうちEGR弁装置1に対する下流側を構成する下流側吸気管921bと、EGR管951とがそれぞれ、EGR弁装置1に接続されている。そして、上流側吸気管921aは、吸気通路920のうち上流側吸気管921aに属する上流側吸気通路920aを形成し、下流側吸気管921bは、吸気通路920のうち下流側吸気管921bに属する下流側吸気通路920bを形成している。
EGR弁装置1はECU96に電気的に接続されており、EGR通路950を通じて吸気通路920に流入するEGRガスの流量を、ECU96からの制御信号に従って増減する。
ECU96は、演算部としてのCPU、ならびに、記憶部としてのRAM、ROM等を有するマイクロコンピュータ等から構成されている。そのRAM、ROM等は、非遷移的実体的記憶媒体である。ECU96は、エンジンシステム90を搭載する車両や装置の駆動状況、当該車両や装置を操作する操作者の操作内容に応じて、スロットル925やEGR弁装置1の作動を制御する。
図2~図4に示すように、EGR弁装置1は、弁体20が弁軸心Cvまわりに回転することによって流体の通路の開度を増減するロータリー式の弁装置である。EGR弁装置1は、吸気通路920に対するEGR通路950の開度を増減可能である。なお、本実施形態の説明では、弁軸心Cvの軸方向Daを弁軸方向Daとも称し、弁軸心Cvの径方向を弁径方向とも称し、弁軸心Cvを中心とした周方向を弁周方向とも称する。
EGR弁装置1は、弁ハウジング10と、弁体20と、回転軸22と、弁座部材30と、ハウジングカバーとしてのボトムカバー40と、ギヤカバー50と、モータ54と、ギヤ機構56とを備えている。なお、図2および図3では、ギヤ機構56を表示するために、ギヤカバー50の一部分が仮想的に切り欠かれた図示とされている。また、図4も図3に合わせて、これと同様の図示とされている。
弁ハウジング10とボトムカバー40とギヤカバー50は一体となってEGR弁装置1の外殻を構成している。この弁ハウジング10とボトムカバー40とギヤカバー50は、回転しない非回転部材である。
弁ハウジング10は、弁室形成部101と、上流側吸気接続部102と、下流側吸気接続部103と、EGR管接続部104と、モータ収容部105とを備えている。弁ハウジング10は、例えばアルミニウム合金などの金属材料で構成されている。弁ハウジング10は、図4に示すように、ボトムカバー40と比較して格段に体格の大きい部品として構成されている。
図1~図4に示すように、弁ハウジング10の上流側吸気接続部102には上流側吸気管921aが接続されている。上流側吸気接続部102の内部には吸気入口ポートとしての吸気入口孔102aが形成され、その吸気入口孔102aには上流側吸気通路920aが接続されている。詳細に言うと、その吸気入口孔102aには、上流側吸気通路920aを介してエアクリーナ923が接続されている。従って、吸気入口孔102aには、エアクリーナ923を通った吸入空気(詳細には、新気)が上流側吸気通路920aから矢印Aiで示すように流入する。
下流側吸気接続部103には下流側吸気管921bが接続されている。下流側吸気接続部103の内部には出口ポートとしての出口孔103aが形成され、その出口孔103aには下流側吸気通路920bが接続されている。従って、出口孔103aから吸入空気は下流側吸気通路920bへ矢印Ao(図5参照)で示すように流出し、その下流側吸気通路920bの途中に設けられた過給器94のコンプレッサ941へと流れる。
EGR管接続部104にはEGR管951が接続されている。EGR管接続部104の内部にはEGR入口ポートとしてのEGR入口孔104aが形成され、そのEGR入口孔104aにはEGR通路950が接続されている。従って、EGR入口孔104aには、EGRガスがEGR通路950から矢印Eiで示すように流入する。
図4および図5に示すように、弁室形成部101の内部には弁室11が形成されており、弁室形成部101内には弁体20が収容されている。詳細には、弁体20は、弁ハウジング10に対し弁軸心Cvまわりに回転可能とされて弁室11に配置されている。
弁室11は、吸気入口孔102aと出口孔103aとEGR入口孔104aとのそれぞれに接続されている。そして、その吸気入口孔102aと出口孔103aとEGR入口孔104aのそれぞれは直接には接続されておらず、弁室11を介して互いに接続されている。
また、吸気入口孔102aと出口孔103aとEGR入口孔104aは何れも、弁径方向を向いた孔として設けられ、弁周方向に並んで弁室11の周囲に配置されている。例えば、吸気入口孔102aと弁室11と出口孔103aは、その吸気入口孔102a、弁室11、出口孔103aの順で直列に連結され、弁軸心Cvに垂直な一線分に沿って並ぶように配置されている。例えば、吸気入口孔102aは出口孔103aと同軸上に配置されている。この吸気入口孔102aと弁室11と出口孔103aは、吸気通路920(図1参照)の一部として機能する。
また、弁ハウジング10内においてEGRガスがEGR入口孔104aから弁室11へ流通可能となっている場合には、そのEGRガスは、EGR入口孔104aから弁室11を介して出口孔103aへ流れる。従って、そのEGR入口孔104aと弁室11と出口孔103aは全体として、EGRガスが流通するガス通路10cとなっている。例えば図5に示すように、そのガス通路10cは、弁軸方向Daに沿った方向視では鋭角に曲がった通路になるように形成されている。
また、EGRガスがEGR入口孔104aから弁室11へ流通可能となっている場合、その弁室11に流入したEGRガスは、吸気入口孔102aから弁室11に流入した新気と混合されて出口孔103aから下流側吸気通路920b(図1参照)へ流れる。従って、吸気入口孔102aから弁室11へ流れる新気は、EGRガスを基準として見れば、そのEGRガスに混合される混合流体であると言える。
図4に示すように、弁ハウジング10には、弁軸方向Daの一方側を向いて開口したハウジング開口106が形成されている。このハウジング開口106は、ガス通路10cの一部である弁室11に対して弁軸方向Daの一方側に設けられ、その弁室11に連結している。
図4および図5に示すように、弁体20は、弁ハウジング10に対し弁軸心Cvまわりに相対回転可能とされている。弁体20は、その弁軸心Cvまわりに回転することにより、EGR入口孔104aの開度を増減する。言い換えると、弁体20は、弁軸心Cvまわりに回転することにより、EGR入口孔104aを含むガス通路10cの開度を増減する。EGR入口孔104aの開度は、そのEGR入口孔104aに接続されるEGR通路950の開度に該当する。
また、弁体20は、弁軸心Cvまわりに回転することにより、吸気入口孔102aの開度も増減する。吸気入口孔102aの開度は、その吸気入口孔102aに接続される上流側吸気通路920aの開度に該当する。
詳細には、弁体20は、第1回転位置P1と第2回転位置P2との間で往復するように、弁軸心Cvまわりに回転する。その第1回転位置P1は、弁室11に対してEGR入口孔104aを最小開度(具体的には、全閉)にすると共に弁室11に対して吸気入口孔102aを最大開度にする弁体20の回転位置である。一方、第2回転位置P2は、弁室11に対してEGR入口孔104aを最大開度にすると共に弁室11に対して吸気入口孔102aを最小開度にする弁体20の回転位置である。このように弁体20は、吸気入口孔102aとEGR入口孔104aとを開閉する。なお、図5は、第2回転位置P2に位置する弁体20を表している。
具体的に、弁体20は、弁部201と軸連結部202とを有している。その弁部201は、弁体20の回転に伴って吸気入口孔102aまたはEGR入口孔104aに対し弁径方向の内側に位置して対向し、それにより、その対向した側の孔102a、104aを閉じる。例えば、弁部201は、弁軸心Cvに垂直な断面で弁軸心Cvを中心とした略円弧状を成す外周面201aを有すると共に、弁軸方向Daへ延びた形状を成している。
弁体20の軸連結部202は、弁部201と回転軸22との間に設けられ、その弁部201と回転軸22とをつないでいる。軸連結部202は、弁部201のうち弁軸方向Daの他方側の端部から弁径方向の内側へと延設されており、弁軸心Cvと重なる位置にて回転軸22の一端に対し固定されている。
なお、図5では、軸連結部202と回転軸22は、想像線としての二点鎖線で表されている。このことは、図5に相当する他の図でも同様である。
ギヤカバー50は、弁ハウジング10に対し弁軸方向Daの他方側に設けられ、その弁ハウジング10にビス止め等によって固定されている。ギヤカバー50と弁ハウジング10は、そのギヤカバー50と弁ハウジング10との間にギヤ収容空間50aを形成している。そのギヤ収容空間50aには、ギヤ機構56が収容されている。
回転軸22は、弁軸方向Daに延びた略円柱状を成している。回転軸22は、弁室11に対する弁軸方向Daの他方側で弁室形成部101を弁軸方向Daに貫通している。回転軸22は、弁ハウジング10に対し軸受10aを介して、弁軸心Cvを中心として回転可能に支持されている。
回転軸22の一端は、弁室11内に突き出て弁体20に固定されている。また、回転軸22の他端は、ギヤ収容空間50a内に突き出て、ギヤ機構56が有する回転軸ギヤ561に対し相対回転不能に連結されている。従って、その回転軸ギヤ561と回転軸22と弁体20は、弁軸心Cvを中心として一体回転する。なお、弁ハウジング10と回転軸22との間の径方向隙間を通る空気の漏れは、シール材10bによって防止されている。
モータ収容部105の内側には、モータ54が収容されたモータ収容空間105aが形成されている。そのモータ収容空間105aは、弁軸方向Daの一方側の一端では塞がれているが、弁軸方向Daの他方側の他端ではギヤ収容空間50aに対して開放されている。モータ54のうち固定子などを含む非回転部分はモータ収容空間105aに配置されているが、モータ54の出力軸はギヤ収容空間50aへ突き出ている。そのモータ54の出力軸は、ギヤ機構56が有するモータギヤ562に対し相対回転不能に連結されている。
ギヤ機構56は、モータ54と回転軸22との間で回転伝達を行う。そのために、ギヤ機構56は、回転軸ギヤ561およびモータギヤ562を含み互いに噛み合う複数のギヤを有している。すなわち、ギヤ機構56において回転軸ギヤ561はモータギヤ562に動力伝達可能に連結されている。
従って、モータ54が回転すると、そのモータ54の回転は、ギヤ機構56と回転軸22とを順に介して弁体20へ伝達され、それにより弁体20が回転する。例えば、ギヤ機構56は、モータ54の回転を減速して回転軸22へ伝達する。
弁座部材30は、流体漏れを防止するシール部品として構成されている。すなわち、弁座部材30は、弁体20がEGR入口孔104aを塞ぐ第1回転位置P1にある場合に、EGR入口孔104a内のEGRガスが弁室11へ漏れ出ることを防止する。弁座部材30は、EGR入口孔104aと同心の環形状を成し、EGR入口孔104aに嵌め込まれている。
EGR入口孔104aが開かれている場合、EGRガスはEGR通路950(図1参照)からEGR入口孔104aを通って弁室11へ流れるが、詳しくは、EGR通路950からEGR入口孔104aのうち弁座部材30の内側の空間を通って弁室11へ流れる。
ボトムカバー40は、ハウジング開口106を覆うカバーである。このボトムカバー40は、弁ハウジング10に対し弁軸方向Daの一方側から取り付けられ、ビス止め等によって弁ハウジング10に固定されている。従って、ボトムカバー40は、弁室11に対し弁軸方向Daの一方側に配置されている。
ボトムカバー40はハウジング開口106を塞いでいるが、ハウジング開口106を単純に塞ぐ部品ではなく、ボトムカバー40には、外部流体としてのブローバイガスをガス通路10cへ流す外部流体通路40aが形成されている。この外部流体通路40aは上流端40bと下流端40cとを有している。外部流体通路40aの上流端40bは弁ハウジング10の外部へ開口し、この上流端40bには外部配管88(図1参照)が接続されている。その外部配管88は、弁ハウジング10に対する外部に設けられ、エンジン91からEGR弁装置1へブローバイガスを導く管部材である。
その一方で、外部流体通路40aの下流端40cは、ガス通路10cの一部である弁室11に対して開口している。すなわち、外部流体通路40aは、下流端40cにてガス通路10cへ開放されている。
ここで、上記のブローバイガスとは、図1に示すエンジン91のクランクケース913内に漏れ出た気体であり、ブローバイガスには燃料蒸気等が含まれている。そのブローバイガスを吸気系92へ戻すために、エンジン91には圧力調整弁914が取り付けられ、その圧力調整弁914は、外部配管88を介してEGR弁装置1に接続されている。
そして、圧力調整弁914は、クランクケース913内のガス圧力が所定の設定圧を超えると開弁するようになっている。圧力調整弁914が開弁すると、クランクケース913内のブローバイガスは、圧力調整弁914から外部配管88を介して、EGR弁装置1の弁ハウジング10内に形成されたガス通路10c(図5参照)へ流れる。
なお、上記の外部流体とは、EGRガスおよび新気以外の流体であって、弁ハウジング10の外から弁ハウジング10内へ導入される流体である。外部流体は、弁体20によって開閉されない通路(例えば、外部流体通路40a)を通って弁ハウジング10の外から弁ハウジング10内へ導入される。
図4に示すように、ボトムカバー40は、弁ハウジング10に固定された第1カバー構成部41と、その第1カバー構成部41に固定された第2カバー構成部42とを有している。すなわち、第2カバー構成部42は弁ハウジング10に直接固定されておらず、第1カバー構成部41を介して弁ハウジング10に固定されていることになる。弁ハウジング10と第1カバー構成部41との間、および、第1カバー構成部41と第2カバー構成部42との間はそれぞれ、空気が漏れ出ないように気密に連結されている。
図4および図6に示すように、第1カバー構成部41は、カバー本体部411と嵌込み部412と導入管部413とを有している。そのカバー本体部411は、弁軸心Cvに垂直な略平板状に形成され、ハウジング開口106を覆う蓋として機能している。カバー本体部411と嵌込み部412は一体成形されており、例えば樹脂製の単一部品として構成されている。例えば、ボトムカバー40は、弁ハウジング10に対し、このカバー本体部411にて固定されている。なお、図6において、カバー本体部411と嵌込み部412は斜視図で示されているが、導入管部413は斜視図で示されていない。
嵌込み部412は、カバー本体部411から弁軸方向Daの他方側へ突き出た筒状に形成されている。
導入管部413は、例えば金属製または樹脂製のパイプとして構成されている。導入管部413は、カバー本体部411に形成された貫通孔411aに嵌め入れられ、カバー本体部411から弁軸方向Daの一方側へ突き出ている。導入管部413は、例えば貫通孔411aへの圧入等によってカバー本体部411に固定されている。この導入管部413内には、外部流体通路40aの一部を構成する導入管路413aが形成されている。その導入管路413aは、弁軸方向Daの一方側に設けられた一端と、弁軸方向Daの他方側に設けられた他端とを有し、その導入管路413aの一端は外部流体通路40aの上流端40bとなっている。
この導入管部413には外部配管88(図1参照)が連結固定され、それにより、外部配管88の下流端が外部流体通路40aの上流端40bに接続されている。
図4および図7に示すように、ボトムカバー40の第2カバー構成部42は、円盤部421と下流管部422とを有している。その円盤部421は、一軸心としての円盤軸心C1を中心とした円盤状を成している。その円盤軸心C1は、弁軸心Cvに対して傾いていてもよいが、本実施形態では、その弁軸心Cvと平行になっている。詳細には、円盤軸心C1は弁軸心Cvに一致している。なお、図7において、円盤部421と下流管部422は共に斜視図で示されている。
図4、図7、図8に示すように、第1カバー構成部41の嵌込み部412は、この円盤部421の周りを囲んでおり、その嵌込み部412の内側には円盤部421が嵌め込まれている。例えば嵌込み部412に対し円盤部421が固定されており、これにより、第2カバー構成部42は、第1カバー構成部41に対して固定されている。
円盤部421は、その円盤部421の表面のうち弁軸方向Daの一方側に設けられた一面421bと、弁軸方向Daの他方側に設けられた他面421cとを有している。
第2カバー構成部42の下流管部422は、円盤軸心C1の軸方向に延びた筒状のパイプとして構成されている。下流管部422は、円盤部421に形成された貫通孔421aに嵌め入れられ、円盤部421から弁軸方向Daの他方側へ突き出ている。
詳細に言うと、その円盤部421の他面421cのうちの大部分はガス通路10cに面しているので、その他面421cのうちガス通路10cに面した部分は、ガス通路10cの内壁面となっている。そして、下流管部422は、そのガス通路10cの内壁面としての他面421cに対しガス通路10cの内側へ突き出るように形成されている。
例えば、下流管部422は、貫通孔421aへの圧入等によって円盤部421に固定されている。従って、円盤部421に対する下流管部422の圧入深さを調整することにより、円盤部421の他面421cに対する下流管部422の突出し量Hpを調整して下流管部422を円盤部421に固定することが可能である。
この下流管部422内には、外部流体通路40aの一部を構成する下流管路422aが形成されている。その下流管路422aは、弁軸方向Daの一方側に設けられた一端と、弁軸方向Daの他方側に設けられた他端とを有し、その下流管路422aの他端は外部流体通路40aの下流端40cとなっている。従って、下流管部422は、ガス通路10cに対して開口した通路開口部となっている。そして、下流管部422は円盤部421に固定されているので、下流管部422に形成された下流端40cも円盤部421に対して固定されている。
下流管部422は、円盤部421の周縁421dよりも径方向内側で且つ円盤軸心C1に対し偏心した位置に設けられている。言い換えると、その下流管部422には外部流体通路40aの下流端40cが形成されているので、その下流端40cが、円盤部421の周縁421dよりも径方向内側で且つ円盤軸心C1に対し偏心した位置に設けられている。
下流管部422は、例えば、ガス通路10cのうち下流管部422が配置された部位にて得られるガス通路10cの通路横断面SGにおいてその通路横断面SGのうちの中央部分に向かって開口している。そのガス通路10cの通路横断面SGとは、具体的に言えば、図5に示された断面位置Snで切断して得られ且つガス通路10cの軸方向(すなわち、図5では出口孔103aの軸方向)に沿った方向視で示されるガス通路10cの断面である。そして、その通路横断面SGのうちの中央部分とは、平面的に拡がる通路横断面SGの重心位置としての中心点だけに限定されるのではなく、その通路横断面SGの周縁部分よりも内側で通路横断面SGの中心点およびその周辺を含んだ範囲を意味する。
また、図5に示すように、弁体20は、上述したように、第1回転位置P1と第2回転位置P2との間で往復するように回転するので、その第1回転位置P1から第2回転位置P2までが弁体20の作動範囲となっている。下流管部422は、弁体20がその作動範囲内の何れの回転位置にあっても外部流体通路40aの下流端40cを閉じないように配置されている。本実施形態では、弁体20が何れの回転位置にあっても下流端40cの開度は変わらず全開のままである。
また、外部流体通路40aの下流端40cは、吸気入口孔102aとEGR入口孔104aとのそれぞれに対し流体流れ下流側に配置されている。そして、その下流端40cは、弁軸心Cvに対し出口孔103a側へずれて配置されている。例えば、外部流体通路40aの下流端40cは、出口孔103aの軸方向に沿った方向視で、その出口孔103aが占める範囲内に入っている。
図4に示すように、第2カバー構成部42の円盤部421は、第1カバー構成部41のカバー本体部411に対して弁軸方向Daに隙間をあけて第1カバー構成部41に固定されている。そのため、第1カバー構成部41と第2カバー構成部42は、外部流体通路40aの上流端40bと下流端40cとをつなぐ中間通路40dを、第1カバー構成部41と第2カバー構成部42との間に形成している。詳細には、その中間通路40dは、導入管路413aの他端と下流管路422aの一端とをつないでおり、外部流体通路40aに含まれている。従って、導入管路413aと中間通路40dと下流管路422aは、外部流体通路40aの上流側から、導入管路413a、中間通路40d、下流管路422aの順に直列に連結されている。
上述したように、本実施形態によれば、図4および図5に示すように、EGR弁装置1は、弁ハウジング10に固定されその弁ハウジング10のハウジング開口106を覆うボトムカバー40を備えている。そして、そのボトムカバー40には、ガス通路10cに開口しブローバイガスをガス通路10cへ流す外部流体通路40aが形成されている。
従って、ボトムカバー40の構成を相互に異ならせることで、ガス通路10cに対し外部流体通路40aが開口する開口位置(言い換えると、外部流体通路40aの下流端40cの位置)が相互に異なる複数のバリエーションに対応することが可能である。すなわち、その複数のバリエーションに応じて、弁ハウジング10の種類を増やす必要がない。そのため、EGR弁装置1を、その複数のバリエーションに容易に対応させることが可能である。このようにして、弁ハウジング10内のガス通路10cのうちブローバイガスが導入される位置が相互に異なる複数の車種に対し、弁ハウジング10の部品共通化を図り、その複数の車種の何れに対してもEGR弁装置1を容易に対応させることが可能である。
また、本実施形態によれば、ボトムカバー40は、外部流体通路40aの下流端40cが形成された下流管部422を有している。そして、その下流管部422は、例えば、ガス通路10cのうち下流管部422が配置された部位にて得られるガス通路10cの通路横断面SGにおいてその通路横断面SGのうちの中央部分に向かって開口している。
従って、そのガス通路10cの通路横断面SGのうち中央部分ではなく例えば周縁部分に向かって下流管部422が開口している場合と比較して、ブローバイガスがEGRガスに対してよく混ざる。その結果として、ブローバイガスにEGRガスの熱が伝わりやすく、例えばブローバイガスに混合している水分が氷結している場合に、その氷結が解除されやすいというメリットがある。
また、本実施形態によれば、ボトムカバー40において、第1カバー構成部41と第2カバー構成部42は、外部流体通路40aの上流端40bと下流端40cとをつなぐ中間通路40dを、第1カバー構成部41と第2カバー構成部42との間に形成している。従って、ボトムカバー40が例えば一部品構成である場合と比較して多数のバリエーションに対応することが容易である。
そして、導入管部413の配置を変えることなく、下流管部422の配置を設定変更することが可能である。すなわち、下流管部422の配置の設定変更に伴って、EGR弁装置1に対する外部配管88の接続位置を変える必要がない。
また、本実施形態によれば、第2カバー構成部42は、一軸心としての円盤軸心C1を中心とした円盤状の円盤部421を有し、第1カバー構成部41は、円盤部421の周りを囲みその円盤部421が嵌め込まれた嵌込み部412を有している。そして、外部流体通路40aの下流端40cは第2カバー構成部42に形成され、円盤軸心C1に対し偏心した位置に設けられている。
従って、図5の矢印Apで示すように、円盤軸心C1まわりに下流管部422を配置変更することが容易である。例えば、二点鎖線Paで示した位置に下流管部422が配置されるように第2カバー構成部42を固定することもできれば、二点鎖線Pbで示した位置に下流管部422が配置されるように第2カバー構成部42を固定することもできる。そのため、ブローバイガスがEGRガスに対して効率的に混合される位置に下流管部422を設置することが可能である。
例えば、ブローバイガスに混合している水分が氷結しやすいときに常用されるEGR入口孔104aの常用開度は、エンジン91の機種に応じて異なるものである。従って、エンジン91の複数機種に対して、ボトムカバー40の各構成部品の共通化を図りつつ、ブローバイガスに混合している水分が氷結している場合にその氷結をEGRガスの熱で効率良く解除することができる。
また、本実施形態によれば、外部流体通路40aの下流端40cが設けられた下流管部422は、ガス通路10cの内壁面としての他面421cに対しガス通路10cの内側へ突き出るように形成されている。従って、ガス通路10cの内壁面から離れた位置、すなわち、その内壁面上と比較してEGRガスがより高温になる位置に、ブローバイガスを吹き出す外部流体通路40aの下流端40cを配置することが可能である。そのため、下流管部422が例えばガス通路10cの内壁面から突き出ていない場合と比較して、ブローバイガスに混合している水分が氷結している場合にその氷結がEGRガスの熱によって解除されやすい。
また、本実施形態によれば、第2カバー構成部42は、円盤部421の他面421cに対する下流管部422の突出し量Hp(図4参照)を調整して下流管部422を円盤部421に固定することが可能な構成となっている。従って、第2カバー構成部42がそうなっていない場合と比較して、EGR弁装置1の多数のバリエーションに対応することが容易である。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について説明する。本実施形態では、前述の第1実施形態と異なる点を主として説明する。また、前述の実施形態と同一または均等な部分については省略または簡略化して説明する。このことは後述の実施形態の説明においても同様である。
図9および図10に示すように、ボトムカバー40は、弁ハウジング10に固定された第1カバー構成部41と、その第1カバー構成部41に固定された第2カバー構成部42とを有している。すなわち、第2カバー構成部42は弁ハウジング10に直接固定されておらず、第1カバー構成部41を介して弁ハウジング10に固定されている。この点では、本実施形態は第1実施形態と同様であるが、本実施形態の第1カバー構成部41の構成と第2カバー構成部42の構成はそれぞれ、第1実施形態に対して異なっている。なお、図9は、図10のIX-IX断面を示している。
具体的には、図9~図11に示すように、第2カバー構成部42は、一軸心としての円盤軸心C1を中心とした円盤状のサブプレートである円盤部421と、その円盤部421を貫通した通路形成部423とを有している。本実施形態の円盤部421は、ボトムカバー40内での配置については第1実施形態と異なるが、部品単体としては第1実施形態と同様で円盤状である。なお、図11において、第1カバー構成部41と円盤部421は斜視図で示されているが、通路形成部423は斜視図で示されていない。
本実施形態において円盤部421の一面421bは、EGR弁装置1の外部へ露出している。すなわち、円盤部421の一面421bは、EGR弁装置1の外側表面の一部を構成している。
また、円盤部421の他面421cは、第1実施形態と同様に、その殆どの部分でガス通路10c(図5参照)に面している。従って、その他面421cのうちガス通路10cに面した部分は、ガス通路10cの内壁面となっている。
本実施形態の通路形成部423は、例えば金属製または樹脂製のパイプとして構成されている。通路形成部423は、円盤部421に形成された貫通孔421aに嵌め入れられ、円盤部421から弁軸方向Daの一方側と他方側との両方へ突き出ている。通路形成部423は、例えば貫通孔421aへの圧入等によって円盤部421に固定されている。
この通路形成部423内には、外部流体通路40aの全部が形成されている。従って、通路形成部423における弁軸方向Daの一方側の端には外部流体通路40aの上流端40bが形成され、弁軸方向Daの他方側の端には外部流体通路40aの下流端40cが形成されている。通路形成部423は円盤部421に固定されているので、この下流端40cも円盤部421に対して固定されている。
このような構成から、本実施形態の通路形成部423は、第1実施形態の導入管部413と下流管部422とを機能的に合わせたものとなっている。すなわち、通路形成部423は、第1実施形態の導入管部413と同様の役割を果たす上流側通路部423bと、第1実施形態の下流管部422と同様の役割を果たす下流側通路部423cとを有している。
具体的には、上流側通路部423bは、通路形成部423のうち円盤部421の一面421bから弁軸方向Daの一方側へ突き出た部分として構成され、その上流側通路部423bには、外部流体通路40aの上流端40bが形成されている。そのため、上流側通路部423bは外部配管88(図1参照)に接続され、それにより、外部流体通路40aの上流端40bが外部配管88の下流端に接続されている。
また、下流側通路部423cは、通路形成部423のうち円盤部421の他面421cから弁軸方向Daの他方側へ突き出た部分として構成され、その下流側通路部423cには、外部流体通路40aの下流端40cが形成されている。すなわち、下流側通路部423cは、ガス通路10cの内壁面としての他面421cに対しガス通路10cの内側へ突き出るように形成され、外部流体通路40aの下流端40cにてガス通路10cに開口している。そして、下流側通路部423cは、外部流体通路40aの下流端40cが形成されガス通路10cに対して開口した通路開口部に対応する。
例えば本実施形態では、円盤部421の貫通孔421aに対する通路形成部423の差込み量を任意に調整して、その通路形成部423を円盤部421に固定することができる。すなわち、その通路形成部423の差込み量を調整することにより、円盤部421の他面421cに対する下流側通路部423cの突出し量Hpを調整して通路形成部423を円盤部421に固定することが可能である。なお、通路形成部423は、下流側通路部423cの突出し量Hpが所定の上限値を超えないようにその突出し量Hpを制限するストッパー423dを有している。
第1カバー構成部41は弁軸心Cvに垂直な略平板状に形成され、第1カバー構成部41と第2カバー構成部42とが一体となって、ハウジング開口106を覆う蓋として機能している。第1カバー構成部41は、弁軸方向Daに第1カバー構成部41を貫通した円盤嵌入孔414aが形成された嵌込み部414を有している。
この嵌込み部414は円盤部421の周りを囲んでおり、その嵌込み部414の円盤嵌入孔414aには円盤部421が嵌め込まれている。例えば円盤部421が嵌込み部414に対し円盤嵌入孔414aへの圧入等によって固定されており、これにより、第2カバー構成部42は、第1カバー構成部41に対して固定されている。なお、図4の中間通路40dは、図9に示すように、本実施形態では形成されていない。
このような第1カバー構成部41および第2カバー構成部42の構成により、第1実施形態と比較して本実施形態では、弁軸方向Daにおいて、ボトムカバー40をよりコンパクトな形状にすることが可能である。
また、図9および図12に示すように、例えば、弁軸方向Daに沿った方向視において、ガス通路10cに対する外部流体通路40aの下流端40cの相対位置は、本実施形態でも、第1実施形態と同じまたは略同じになっている。従って、下流側通路部423cは、例えば、ガス通路10cのうち下流側通路部423cが配置された部位にて得られるガス通路10cの通路横断面SGにおいてその通路横断面SGのうちの中央部分に向かって開口している。
図9、図10、図12に示すように、第2カバー構成部42の下流側通路部423cは、円盤部421の周縁421dよりも径方向内側で且つ円盤軸心C1に対し偏心した位置に設けられている。言い換えると、その下流側通路部423cには外部流体通路40aの下流端40cが形成されているので、その下流端40cが、円盤部421の周縁421dよりも径方向内側で且つ円盤軸心C1に対し偏心した位置に設けられている。従って、第1実施形態と同様に、円盤軸心C1まわりに外部流体通路40aの下流端40cを配置変更することが容易である。そのため、ブローバイガスがEGRガスに対して効率的に混合される位置に外部流体通路40aの下流端40cを設置することが可能である。
また、円盤軸心C1は、弁軸心Cvに対し弁ハウジング10の出口孔103a側へずれて配置されている。なお、図10および図12の二点鎖線Lvは、弁部201の外周面201aを弁軸心Cvまわりに1回転させたと仮定した場合における外周面201aの軌跡を示している。
以上説明したことを除き、本実施形態は第1実施形態と同様である。そして、本実施形態では、前述の第1実施形態と共通の構成から奏される効果を第1実施形態と同様に得ることができる。
(他の実施形態)
(1)上述の各実施形態において、ボトムカバー40は、ビス止め等によって弁ハウジング10に固定されているが、弁ハウジング10に対するボトムカバー40の固定方法に限定はない。例えば、ボトムカバー40は、圧入、溶接、またはスナップフィットなどによって弁ハウジング10に固定されていても差し支えない。
(2)上述の第1実施形態では、ボトムカバー40の導入管部413は、カバー本体部411に対し例えば圧入等によって固定されているが、カバー本体部411に対する導入管部413の固定方法に限定はない。例えば、その固定方法は、溶接または溶着などであっても差し支えない。
(3)上述の第1実施形態では、ボトムカバー40の下流管部422は、円盤部421に対し例えば圧入等によって固定されているが、円盤部421に対する下流管部422の固定方法に限定はない。例えば、その固定方法は、溶接または溶着などであっても差し支えない。
(4)上述の第1実施形態では図4に示すように、第1カバー構成部41は、カバー本体部411と嵌込み部412とからなる部品と、導入管部413としての部品との二部品構成であるが、これは一例である。例えば、カバー本体部411と嵌込み部412と導入管部413とが、樹脂製または金属製の単一成形部品として構成されていても差し支えない。
(5)上述の第1実施形態では図4に示すように、第2カバー構成部42は、円盤部421としての部品と、下流管部422としての部品との二部品構成であるが、これは一例である。例えば、円盤部421と下流管部422とが、樹脂製または金属製の単一成形部品として構成されていても差し支えない。
(6)上述の第2実施形態では図11に示すように、通路形成部423は、例えば円盤部421に対し貫通孔421aへの圧入等によって固定されているが、円盤部421に対する通路形成部423の固定方法に限定はない。例えば、その固定方法は、溶接または溶着などであっても差し支えない。また、嵌込み部414に対する円盤部421の固定方法についても同様であり、その固定方法は、溶接または溶着などであっても差し支えない。
(7)上述の各実施形態では例えば図8および図10に示すように、ガス通路10c(図5参照)に対する外部流体通路40aの下流端40cの開口形状は円形であるが、その開口形状に限定はない。例えば図13および図14に示すように、その下流端40cは、ガス通路10cに対し開口した長穴として形成されていても差し支えない。このようにすれば、その下流端40cが円形穴として形成されている場合と比較して、下流端40cから吹き出るブローバイガスがガス通路10c内で拡散されやすく、EGRガスに対してブローバイガスを混合するという効果を高めやすい。なお、上記の長穴とは、一方向の開口幅とその一方向に垂直な他方向の開口幅とが異なる穴である。従って、図13に示すように楕円形の穴、および、図14に示すように円弧と直線で囲まれた形状の穴は何れも、長穴の一例である。
また、ガス通路10cに対し外部流体通路40aの下流端40cが開口する開口数は、1つに限らず、図15に示すように複数であっても差し支えない。別言すれば、外部流体通路40aの下流端40cは、ガス通路10cに対し開口した複数の穴として形成されていても差し支えない。このようにすれば、その下流端40cが単一穴として形成されている場合と比較して、下流端40cから吹き出るブローバイガスがガス通路10c内で拡散されやすく、EGRガスに対してブローバイガスを混合するという効果を高めやすい。図15の例では、第2カバー構成部42は、下流管部422を、外部流体通路40aの下流端40cと同数有している。
(8)上述の第1実施形態では図4に示すように、ボトムカバー40が有する導入管部413は、直線的に延びたパイプであるが、これは一例である。例えば図16に示すように導入管部413は、曲がったパイプであっても差し支えない。このことは第2実施形態でも同様であり、通路形成部423(図11参照)は、直線的に延びたパイプに限らず、曲がったパイプであっても差し支えない。
(9)上述の第1実施形態では図4に示すように、ボトムカバー40の下流管部422は、ガス通路10cの内壁面としての他面421cに対しガス通路10cの内側へ突き出るように形成されているが、これは一例である。例えば、その下流管部422がガス通路10cの内壁面から突き出ていないことも想定できる。このことは、第2実施形態の通路形成部423(図9参照)についても同様である。
(10)上述の各実施形態では例えば図4に示すように、EGR弁装置1は、弁体20が回転するロータリー式の弁装置であるが、バタフライ式の弁装置であってもよいし、弁体20が球状になっているボールバルブであってもよい。或いは、EGR弁装置1は、弁体20が回転せずに移動するスライド式の弁装置であってもよい。
(11)上述の各実施形態では図5および図12に示すように、EGR弁装置1は三方弁として構成されているが、これは一例である。例えば、EGR弁装置1は、二方弁として構成されていても差し支えない。その場合、二方弁であるEGR弁装置1には、吸気入口孔102aは設けられず、EGR入口孔104aと出口孔103aとが設けられる。そして、その出口孔103aは、図1の吸気通路920のうちエアクリーナ923と過給器94のコンプレッサ941との間に接続される。
(12)上述の第2実施形態では図9に示すように、第1カバー構成部41と円盤部421は、互いに接合されることで、ハウジング開口106を覆う略平板状の蓋になっているが、これは一例である。例えば、通路形成部423の固定位置を調整することが不要であれば、第1カバー構成部41と円盤部421は単一の部品として成形されていても差し支えない。
(13)上述の第2実施形態では図11に示すように、第2カバー構成部42は、円盤部421としての部品と、通路形成部423としての部品との二部品構成であるが、これは一例である。例えば、円盤部421と通路形成部423とが、樹脂製または金属製の単一成形部品として構成されていても差し支えない。
(14)上述の各実施形態では図1に示すように、EGR弁装置1に導入される外部流体はブローバイガスであるが、その外部流体としては、ブローバイガスに限らず種々の流体を想定できる。
(15)なお、本発明は、上述の実施形態に限定されることなく、種々変形して実施することができる。また、上記各実施形態において、実施形態を構成する要素は、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに必須であると考えられる場合等を除き、必ずしも必須のものではないことは言うまでもない。
また、上記各実施形態において、実施形態の構成要素の個数、数値、量、範囲等の数値が言及されている場合、特に必須であると明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではない。また、上記各実施形態において、構成要素等の材質、形状、位置関係等に言及するときは、特に明示した場合および原理的に特定の材質、形状、位置関係等に限定される場合等を除き、その材質、形状、位置関係等に限定されるものではない。