JP3149623B2 - ターボチャージャの構造 - Google Patents

ターボチャージャの構造

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JP3149623B2 JP10567393A JP10567393A JP3149623B2 JP 3149623 B2 JP3149623 B2 JP 3149623B2 JP 10567393 A JP10567393 A JP 10567393A JP 10567393 A JP10567393 A JP 10567393A JP 3149623 B2 JP3149623 B2 JP 3149623B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はターボチャージャの構造
に係り、特に内燃機関の排気通路中に配設され、排気ガ
スの排圧を利用して吸入空気を過給するターボチャージ
ャの構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、内燃機関の出力を向上する機
構としてターボチャージャが知られている。ここで、タ
ーボチャージャとは、内燃機関から排出される排気ガス
を駆動源として吸気マニホールド内に昇圧空気を供給す
る過給器である。
【0003】その構造としては、例えば実開昭62−1
46号公報に開示されているように、排気ガスの流通に
よって回転するタービン、タービンと連結して回転する
インペラを備え、その回転により空気圧を高めるコンプ
レッサ、及びそれらを適当に保持すると共に吸入空気の
通路と排気ガスの通路とを形成するハウジングからなる
ものが知られている。
【0004】この場合、ターボチャージャを備える内燃
機関においては、エアクリーナから吸気通路に流入した
空気は先ずコンプレッサへ流入し、ここで昇圧された後
各燃焼室へ通じる吸気マニホールドを通って内燃機関へ
供給される。そして、各燃焼室から排気マニホールドへ
排出された排気ガスは、その後ターボチャージャへ流入
され、タービンを回転させた後通常の排気通路へと排出
されることになる。
【0005】ところで、ターボチャージャの能力を適切
に発揮するためには、上記したガスの流通通路が適切な
シール性を維持して形成されることが要求される。吸気
系のシール性が確保できていない場合には、内燃機関に
供給される空気が適切に昇圧せず、また、排気系のシー
ル性が確保できていない場合には、適切にタービンを駆
動することができないからである。
【0006】この際、吸気通路及び吸気マニホールドと
コンプレッサとの連結部については、内部を流通するガ
スが常温の空気であり、熱変形等の影響が小さいことか
らさほど問題はない。これに対して、排気マニホールド
とターボチャージャとの連結部、及びターボチャージャ
と排気通路との連結部については問題がある。
【0007】かかる連結部については高温の排気ガスに
直接さらされることになり、熱変形の影響を大きく受
け、また、これらの連結部におけるシール不良は、ター
ボチャージャの能力低下のみでなく、浄化前の排気ガス
の大気放出による排気エミッションの悪化の原因ともな
るからである。
【0008】このため、上記公報記載のターボチャージ
ャを含めて従来のターボチャージャにおいては、排気マ
ニホールド及び排気通路との連結部に、それぞれ高剛性
の排気ガス導入側フランジと排気ガス排出側フランジと
を設け、走行時の振動や熱変形によりシール性が影響さ
れない程度に十分な強度を有する連結部を形成すること
としている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記したタ
ーボチャージャを車載用内燃機関に装着して用いる場合
は、軽量化にも配慮する必要がある。特に近年では、燃
費や運動性能の向上に対する要求から、車両の搭載する
構成部品についてはできる限りの軽量化が要求され、上
記従来のターボチャージャについても許容される限りの
軽量化が図られている。
【0010】従って、例えば上記公報に記載される従来
のターボチャージャについては、ハウジングの肉厚もタ
ービンの保持に必要な強度が確保し得る最小限の厚さに
設定され、また排気ガス導入側フランジ及び排気ガス排
出側フランジについても、要求される剛性を確保し得る
最小限の肉厚に設定されている。
【0011】しかしながら、上記従来のターボチャージ
ャは、排気ガス導入側フランジと排気ガス排出側フラン
ジとを別個独立に備え、それぞれのフランジに独立して
強度を確保させる構成である。言い換えれば、これらの
フランジを別個独立の構造としているが故に各フランジ
の肉厚を厚くせざるを得ないものである。
【0012】つまり、これらのフランジが互いに連結し
て他方を補強する構成を採用すれば、それにより強度が
確保される分、各フランジ部の薄肉化を図ることが可能
となり、ターボチャージャのより一層の軽量化が実現さ
れることになる。
【0013】本発明は、上述の点に鑑みてなされたもの
であり、排気ガス導入側フランジと排気ガス排出側フラ
ンジとを連結することにより各フランジ部の強度を確保
し、フランジ部の薄肉化を可能とすることにより軽量化
を実現し得るターボチャージャの構造を提供することを
目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記の目的は、渦状の排
気ガス通路を構成するスクロール部の排気ガス導入口に
配設される排気ガス導入側フランジと、前記スクロール
とを連結するリブを設けると共に、前記排気ガス導入
側フランジの肉厚を、前記リブの連結された部分では他
の部分より薄肉化したターボチャージャの構造により達
成される。
【0015】
【0016】
【0017】
【作用】本発明に係るターボチャージャの構造におい
て、前記スクロール部と前記排気ガス導入側フランジと
の間を連結するリブを備える。このため、前記排気ガス
導入側フランジの前記リブとの連結部は、このリブによ
って補強される。従って、前記リブとの連結は、他の部
分に比べて大きな強度が確保されており、十分に強度を
確保したままで前記排気ガス導入側フランジを部分的に
薄肉化することができる
【0018】
【0019】ところで、前記排気ガス導入側フランジと
前記排気ガス排出側フランジとは、互いに連接して他方
のフランジを補強する場合は、前記排気ガス導入口及び
前記排気ガス排出口にそれぞれ別個独立に設けられたフ
ランジと同等の強度が、より薄肉の部材により確保でき
る。また、前記排気ガス導入側フランジと前記排気ガス
排出側フランジとが連接される場合、前記排出側フラン
ジの端部は必然的に前記排気ガス導入口側まで拡大され
る。従って、前記排気ガス排出側フランジの、前記排気
ガス導入側フランジとの連接部周辺は、前記排気ガス排
出口から大きく前記排気ガス導入口側へオフセットした
位置となる。
【0020】従って、前記ウェストゲートポートは、前
記排気ガス排出口、すなわち前記スクロール部の中心部
から大きく離間した位置に配設されることになり、排気
ガスのバイパス通路が前記スクロール部から大きく離間
した位置に形成されることになる。この結果、前記ウェ
ストゲートポートの存在に起因する気流の乱れがスクロ
ール部の内部に与える影響が抑制されることになる。
【0021】
【実施例】図1は、本発明の一実施例であるターボチャ
ージャの構造の要部を表す側面図(同図(A)及び正面
図(同図(B))を示す。以下、同図を参照してターボ
チャージャ1の構成、及びその特有の効果について詳細
に説明するが、それに先立って、ターボチャージャの一
般的な使用態様について説明する。
【0022】図2は、普及版のターボチャージャ10を
内燃機関30に装着した際の構成図(同図(A))及び
ターボチャージャ10の内部構造を表す正面断面図(同
図(B))を示す。
【0023】各図に示すように、ターボチャージャ10
は、タービンハウジング11及びコンプレッサハウジン
グ12とを備えている。タービンハウジング11は、そ
の内部に回転軸13を中心として回転するタービン14
を備えると共に、回転軸13を中心としてタービン14
の外周側から中心へ向かう渦状の排気ガス流通経路15
を形成するスクロール部16を備えている。
【0024】また、コンプレッサハウジング12は、そ
の内部にタービン14の回転軸13に連結して回転する
インペラ17を備えると共に、その中心部に空気導入口
18を、その側部に空気排出口19を備えている。つま
り、インペラ17が回転すると、空気導入口18から空
気が取り込まれ、空気排出口19から適当に昇圧された
空気が排出されるものである。
【0025】ところで、コンプレッサハウジング12の
空気導入口18は、図示されないエアフロメータ、エア
クリーナ等に通じる吸気通路21に連通している。一
方、コンプレッサハウジング12の空気排出口19に
は、アクセルペダルに連動して回動するスロットルバル
ブ22を備えるスロットルボディ23を介して吸気マニ
ホールド24が連通している。
【0026】ここで、内燃機関20は6気筒の内燃機関
であり、吸気マニホールド24は、6本の通路に分岐し
て内燃機関20を構成する各気筒♯1〜♯6の吸気ポー
トに連通している。また、これら各気筒♯1〜♯6の排
気ポートには、排気マニホールド25が連通され、6本
の通路が集合してスクロール部16の排気ガス導入口1
6aへと連通している。そして、スクロール部16の中
心に設けられた排気ガス排出口16bには、図示されな
い触媒装置等に通じる排気通路26が連通される。
【0027】かかる構成によれば、内燃機関20の運転
中において排出される排気ガスは、排気マニホールドか
らタービンハウジング11に導かれ、スクロール部16
を流通した後排気通路25へ流出されることになる。従
って、内燃機関20から排出される排気ガスの圧力に応
じてタービン14が回転され、その回転力に応じてコン
プレッサハウジング12内の空気圧が昇圧されることに
なる。
【0028】一方、内燃機関20から排出される排気ガ
スの圧力は、内燃機関20の負荷が高い程大きく、アイ
ドリング状態等、高出力が要求されていない状況下では
小さい。つまり、運転者がより大きな出力を欲してスロ
ットルバルブ23の開度を大きくすると、それに応じて
コンプレッサハウジング12の空気排出口19から排出
される空気の圧力(以下、過給圧と称す)も高くなる。
【0029】そして、この過給圧が高いほど、単位時間
当たりに吸気マニホールド24を介して内燃機関20に
供給される空気量が増加することになり、内燃機関20
からはより一層大きな出力が取り出されることになる。
【0030】ところで、上記したようにターボチャージ
ャ10は、内燃機関20から排出される排気ガスの圧力
が大きいほどより有効に動作する特性を有している。言
い換えれば、ターボチャージャ10の過給圧は内燃機関
20の運転状態によって大きく変動する特性を有してい
る。
【0031】従って、ターボチャージャが単に上記した
機能を備えるだけのものであるとすれば、その過給能力
は、内燃機関20に最大負荷が加わった時にのみ最大に
発揮することができ、それ以外の状況下では十分にその
能力を発揮させることができないことになる。ターボチ
ャージャ10で発生される最大過給圧が吸気系の許容圧
力以下となるように能力を設定する必要があるからであ
る。
【0032】このような制限が課されるとすれば、ター
ボチャージャ10を備える内燃機関20は、著しく応答
性が悪く、また扱い難いものとなる。そこで、一般にタ
ーボチャージャを用いて吸入空気の過給を行う場合は、
過給圧が許容水準を越えるのを防止する機構を設けて比
較的低負荷の状態からターボチャージャ10の能力をフ
ルに活用する構成が採られている。
【0033】例えば図2においては、アクチュエータ3
0、シャフト31、リンク機構32、ウェストゲートバ
ルブ33、及びスクロール部16と排気通路26とを連
通し、その導通がウェストゲートバルブ33に制御され
るウェストゲートポート34によりかかる機構が実現さ
れている。
【0034】ここで、図2(B)に示すように、アクチ
ュエータ30は、シャフト31が連結されると共に、ア
クチュエータ30の内部空間を正圧室30aと大気室3
0bとに区分するダイアフラム30cと、ダイアフラム
30cを大気室30b側から正圧室30a側へ付勢する
スプリング30dとで構成される。そして、正圧室30
aには、コンプレッサハウジング12内の過給圧を導く
正圧通路35が連通されている。
【0035】一方、シャフト31に連結されるリンク機
構32は、ウェストゲートバルブ33に連結しており、
シャフト31が図2(B)中左方に付勢されるとウェス
トゲートバルブ33を、ウェストゲートポート34を閉
塞する方向に押圧し、反対にシャフト31が図2(B)
中、右方に変位すると、ウェストゲートポート34を開
口させるように作用する。
【0036】つまり、図2(B)に示す機構によれば、
ダイアフラム30cがスプリング30dの付勢力により
正圧室30a側に保持できる程度にコンプレッサハウジ
ング12内の過給圧が小さい間はウェストゲートポート
34は閉塞された状態となる。一方、過給圧が所定水準
を越えると、ダイアフラム30cが大気室30b側へ変
位するのに伴ってウェストゲートポート34が開口され
る。
【0037】そして、正圧室30aに供給される圧力が
大きいほどウェストゲートポート34が大きく開口さ
れ、その開度に応じて排気ガスが排気ガス通路15をバ
イパスして排気通路26へ流出する。この結果、タービ
ン14の回転力が抑制され、コンプレッサハウジング1
2内の圧力が抑制されることになり、内燃機関20へ向
かう過給圧は適切な水準に維持されることになる。
【0038】従って、内燃機関10の常用領域において
十分な過給圧が発揮されるような設定が施されていると
すれば、内燃機関20が常用領域で運転されている状態
で、ターボチャージャ10の能力を十分に発揮させるこ
とができ、また高負荷時においては、タービン14をバ
イパスして排気ガスを流通させることにより、やはり適
切な過給圧を維持することが可能となる。
【0039】ところで、かかる構成のターボチャージャ
10を構成するにあたっては、タービンハウジング11
と排気マニホールド25及び排気通路26との連結を高
剛性の構造とする必要がある。内燃機関20から排出さ
れる排気ガスが高温であることから、これらの連結部
は、熱変形等に対抗し得るものでなければならないから
である。
【0040】このため、従来のターボチャージャ20に
おいては、図3に示す如き構造のタービンハウジング1
1が採用されていた。すなわち、図3に示すようにター
ビンハウジング11は、排気マニホールド25との連結
部及び排気通路26と連結される排気ガス排出口16a
周りに、それぞれ高剛性の排気ガス導入側フランジ11
aと排気ガス排出側フランジ11bとを備える構成が採
用されていた。
【0041】また、このようなタービンハウジング11
を構成する場合に、流通抵抗の小さい渦状排気ガス流通
通路15を実現するためには、排気ガス導入側フランジ
11aに対してスクロール部16を偏心して形成するこ
とが有効である。しかし、そのような偏心構造を採用す
る場合には、スクロール部16と排気ガス導入側フラン
ジ11aとの強度バランスに偏りが生じないように配慮
する必要がある。
【0042】強度のバランスに偏りがあると、強度のな
い部分に種々の応力が集中し、耐久性上の問題が生じる
ことがあるからである。このため、一般には、スクロー
ル部16を偏心して設ける場合、図3に示すようにスク
ロール部16と排気ガス導入側フランジ11aとの間
に、補強用のリブ11cを設ける構成が一般に採用され
ている。
【0043】これにより、図3に示すタービンハウジン
グ11については、排気マニホールド25との連結部、
及び排気通路26との連結部において熱変形等の影響に
かかわらず適切なシール性を確保でき、また、タービン
ハウジング11の強度も、耐久性上何ら問題のない水準
に維持することが可能とされていた。
【0044】ところで、図3に示すタービンハウジング
11の構造は、各連結部に要求される強度を、それぞれ
排気ガス導入側フランジ11aと排気ガス排出側フラン
ジ11bとが別個独立に確保する構成である。更に、排
気ガス導入側フランジ11aの強度とは無関係にリブ1
1cを設けてスクロール部16の強度向上を図ったもの
である。
【0045】つまり、各構成部分に要求される強度をそ
れぞれ独立に考慮して必要な強度の向上を図ったに過ぎ
ず、各部材同士による相互補強についての可能性や、過
剰強度の部分の存在については考慮されていないもので
あった。このため、排気ガス導入側フランジ11aも排
気ガス排出側フランジ11bも、共にその肉厚は一律に
(図3中、肉厚t1 )確保されており、車両構成部品に
要求される特性上最も重要な項目の一つである軽量化の
観点からは、必ずしも最適化されたものではなかった。
【0046】図1に示す本実施例のターボチャージャの
タービンハウジング1は、このように従来見過ごされて
いた点に着目したもので、要求される強度を確保しつつ
効果的に軽量化を施したものである。
【0047】つまり、図1に示すタービンハウジング1
においては、内部に渦状の排気ガス通路を有するスクロ
ール部2の排気ガス導入口2aに設けた排気ガス導入口
側フランジ3と、スクロール部2の中心に位置する排気
ガス排出口2bを囲んで設けた排気ガス排出側フランジ
4とが連接され、互いに他方を補強する構造を採用して
いる。
【0048】かかる構成は、それぞれのフランジが独立
に設けられている場合に比べて明らかに強度上有利であ
る。タービンハウジング1内を高温の排気ガスが流通す
る際に、タービンハウジング1が熱変形を起こしたとし
ても、排気ガス導入側フランジ3と排気ガス排出側フラ
ンジ4とが互いに独立に変位することがなく、それらが
別個独立に設けられている場合に比べて各構成部分の変
位量が抑制されるからである。
【0049】このため、各フランジ部3,4と排気マニ
ホールド及び排気通路との連結部において確実なガスシ
ール性を確保し、かつ十分な耐久性を確保し得る肉厚
を、従来構造のフランジ11a,11b(肉厚t1 )に
比べて薄くすることが可能である。
【0050】更に、本実施例においては、排気ガス導入
側フランジ3に対して偏心して形成されたスクロール部
2の強度バランスを確保するため設けられたリブ5の影
響をも考慮して、排気ガス導入側フランジ3の肉厚を決
定している。
【0051】つまり、排気ガス導入側フランジ3におい
ては、排気ガス導入口2aを挟んで一方の側(図1
(B)中、左側)にはリブ5が連結され、他方の側(図
1(B)中、右側)には何らそれに代わる補強部材は存
在しない。従って、その肉厚が同等であれば、明らかに
リブ5を備える側の強度が他方に勝ることになる。従っ
て、リブ5の備える側については、他方に比べて薄肉化
を図ることが可能であり、かかる処理を施した場合に
は、より一層の軽量化が実現できる。
【0052】そこで、本実施例のタービンハウジング1
においては、図1(B)に示すように、リブ5を備える
側の肉厚を、他方の肉厚t2 に比べて薄いt3 に設定し
ている。つまり、本実施例のタービンハウジング1は、
従来のタービンハウジング11に比べて2重の軽量化が
図られていることになる。
【0053】ところで、上記したようにターボチャージ
ャを用いて内燃機関に空気を過給するシステムにおいて
は、過剰な過給圧が発生しないようにウェストゲートバ
ルブによる排気ガスのバイパス機構を設けることが一般
的である。
【0054】ところが、かかる機構を実現するために
は、スクロール部内に形成される排気ガス通路の途中に
ウェストゲートポートやウェストゲートバルブ、または
ウェストゲートバルブを駆動するリンク機構等を適宜配
置する必要がある。これらの部材は、排気ガスの流通と
いう観点からは好ましいものではなく、ウェストゲート
バルブが閉じていても、スクロール部内に流入する排気
ガスの流れを乱す作用を有する。
【0055】このような排気ガスの気流の乱れは、特に
内燃機関から排出される排気ガスが少量である場合、す
なわち内燃機関が低負荷運転を行っている時に問題とな
る。低負荷運転時においては、タービンへ供給される排
気ガスがこれらの部材の影響を大きく受け、適切な動作
を確保できない事態が生じるからである。
【0056】ところで、かかる排気ガスの気流の乱れに
よる影響は、排気ガスのバイパス機構を構成する各部材
がスクロール部の中心に近い位置に配置されているほど
大きなものとなる。排気ガスの気流に乱れが生じる位置
がスクロール部の中心に近いほど、その気流がタービン
に到達した際に残留している気流の乱れが大きいものと
なるからである。
【0057】一方、このバイパス機構を構成するにあた
っては、ウェストゲートポートを排気ガス排出側フラン
ジの内部へ開口することが前提となる。かかる構成によ
れば、スクロール部と排気ガス排出側フランジとを貫通
する穴を設けるだけでウェストゲートポートを構成する
ことができ、特別にバイパス通路を設けることなく安価
に構成できるからである。
【0058】このため、従来のターボチャージャの構
造、すなわち図3に示す如く排気ガス排出側フランジが
排気ガス導入側フランジとが別個独立に設けられている
タービンハウジングを用いる構造においては、必然的に
ウェストゲートポート34がスクロール部16の中心に
近い位置となり、排気ガスの気流の乱れは大きな問題で
あった。
【0059】これに対して、図1に示すように本実施例
のターボチャージャの構造においては、タービンハウジ
ング1に設けられる排気ガス排出側フランジ4が、排気
ガス導入口2a側へ拡張された状態に構成されるもので
ある。従って、ウェストゲートポート6を、図1(B)
に示すように排気ガス導入側フランジ3との連接部近傍
に設ける構成とすれば、その位置をスクロール部2の中
心から大きく離間することが可能となる。
【0060】このため、本実施例のターボチャジャの構
造を採用する場合には、排気ガスのバイパス機構が設け
られていることに起因する排気ガスの気流の乱れがター
ビンの回転に与える影響を抑制することが可能となる。
この結果、ウェストゲートバルブが開弁した際、及び内
燃機関の低負荷時における排気ガスの気流の乱れに対す
るターボチャージャの効率特性が、従来構造のターボチ
ャージャに比べて大きく改善され、ひいては内燃機関の
運転特性が改善されることになる。
【0061】ところで、ターボチャージャのタービン
は、高温のタービンハウジング内で極めて高速で回転す
るものである。このため、その回転軸の軸受けには、図
4に示すように、潤滑油の介在により潤滑作用と冷却作
用とを発揮し得るフローティングベアリング40が用い
られる。尚、図4(A)は、本実施例のターボチャージ
ャの内部構造を表す側面断面図で、図4(B)は、要部
の拡大図を示している。
【0062】ここで、フローティングベアリング40と
は、貫通穴40aを有する筒状の部材で、その内周面が
タービン41の回転軸41aとの摺動面となる部材であ
る。そして、貫通穴41aには、潤滑油が流通する油路
42が連通しており、摺動面には適宜潤滑油が供給され
る構成である。
【0063】このため、回転軸41aとフローティング
ベアリング40の内周面との間には適当な膜厚の潤滑油
膜が形成されることになり、それらが金属接触すること
がなく、また、順次供給される潤滑油によって適当な冷
却効果が確保されることから、適切に焼き付きを防止す
るものである。
【0064】尚、フローティングベアリング40は、回
転軸41aの外周に装着されるスペーサ43との関係で
位置決めされ、その配設位置の下部には、潤滑油を捕獲
するサブドレン室44及びメインドレン室45が設けら
れている。そして、油路42及びフローティングベアリ
ング40を流通してきた潤滑油は、これらのドレン室4
4,45で捕獲された後再び循環経路へ戻され、潤滑油
の閉ループが形成される。
【0065】ところで、このような湿式の軸受けを用い
る場合は、不当に多量の潤滑油が排気ガスの流通通路へ
と流出しないように配慮する必要がある。かかる流出
は、潤滑油の消費量の観点から好ましくないばかりでな
く、排気ガスと共に潤滑油が大気中に放出されることを
意味するからである。
【0066】そこで、本実施例においては、図4に示す
ように回転軸41aの外周に形成されるクリアランスを
リングシール46で閉塞し、また回転軸41aの外周に
オイルスリンガ47を形成し、更にフローティングベア
リング40からタービン41側に所定の間隔をもってス
ナップリング48を設ける構成としている。
【0067】ここで、上記したリングシール46は、排
気ガスが流通する空間と潤滑油が流通する空間とを事実
上分離する作用を発揮する。従って、本実施例のターボ
チャージャの構造によれば、タービン41側に高圧の排
気ガスが供給されても、その排気ガスが回転軸41aに
沿ってメインドレン45側へ流入することはない。
【0068】また、オイルスリンガ47は、回転軸41
aを伝ってくる潤滑油をせき止めると共に、回転軸45
の遠心力により潤滑油をメインドレン室45へ向けて飛
散させることにより、多量の潤滑油がリングシール46
側へ流れるのを防止する作用を発揮する。
【0069】スナップリング48は、フローティングベ
アリング40からオイルスリンガ47側へ流出する潤滑
油を適量に制御する部材である。オイルスリンガ47へ
向かう潤滑油が過剰であると適切なオイルシール性が維
持できず、また、過少であると、リングシール46部に
潤滑油が到達せず、リングシール46と回転軸41aと
の摺動部が過熱状態となることを考慮したものである。
【0070】ところで、スナップリング48は、ベアリ
ング支持部49に設けられたリング溝49aに嵌合され
るCリング状の部材であり、回転軸41aの外周面との
間には、所定のクリアランスが設けられている。
【0071】つまり、フローティングべアリング40と
回転軸41aとの界面から流出した潤滑油のうち回転軸
41aの外周を沿って進行するものについては、スナッ
プリング48を越えてオイルスリンガ47側へ流出する
構成である。そして、その流出量は、フローティングベ
アリング40とスナップリング48との間に形成される
間隔に応じて適宜調節が可能である。
【0072】その間隔を狭めれば、フローティングベア
リング40と回転軸40aとの界面から流出する潤滑油
が、スナップリング48と回転軸41aとの間のクリア
ランス内に流入し易くなり、反対に間隔が広がると、ス
ナップリング48に到達する前に潤滑油は遠心力により
飛散され、上記クリアランス内には流入し難くなるから
である。
【0073】そこで、本実施例においては、上記したよ
うにフローティングベアリング40とスナップリング4
8との間に所定の間隔を設け、リングシール46部にお
ける適切な冷却能力とオイルシール性とを確保すること
としている。このため、本実施例のターボチャージャ構
造によれば、排気ガスが流通する空間と潤滑油が流通す
る空間とを適切に分離することができ、排気通路への潤
滑油の流出を適切に抑制することができる。
【0074】
【発明の効果】上述の如く、請求項1記載の発明によれ
ば、排気ガス導入側フランジとスクロール部とを連結す
るリブが設けられていることにより、そのリブが連結す
る排気ガス導入側フランジの部分では他の部分に比べて
大きな強度を確保することができる。つまり、本発明に
係るターボチャージャの構造によれば、従来の構造を採
用する場合と同様の強度を維持したまま軽量化を図るこ
とが可能となる。
【0075】また、請求項2記載の発明によれば、ター
ボチャージャの排気ガス導入側フランジと排気ガス排出
側フランジとを連接して、互いに他方を補強させること
により、各フランジ部に要求される強度を薄肉のフラン
ジで実現することができ、請求項1記載の構造に比べて
更に高い水準でターボチャージャに要求される強度の確
保と軽量化とを両立することができる。
【0076】更に、請求項3記載の発明によれば、過剰
な過給圧の発生を防止すべく設けられたウェストゲート
ポートの影響による排気ガスの気流の乱れが、従来のタ
ーボチャージャの構造を採用する場合に比べて大きく改
善され、常時ターボチャージャを適切な効率の下に動作
させることを可能とするという特長を有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るターボチャージャの構造の要部で
あるタービンハウジングの一実施例の構成図である。
【図2】ターボチャージャの一般的な使用態様を説明す
るための図である。
【図3】従来のターボチャージャを構成するタービンハ
ウジングの構成図である。
【図4】本実施例のターボチャージャが採用したオイル
シール構造を表す側面断面図である。
【符号の説明】
1 タービンハウジング 2 スクロール部 3 排気ガス導入側フランジ 4 排気ガス排出側フランジ 5 リブ 6 ウェストゲートポート 40 フローティングベアリング 41 タービン 41a 回転軸 46 リングシール 47 オイルスリンガ 48 スナップリング

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 渦状の排気ガス通路を構成するスクロー
    ル部の排気ガス導入口に配設される排気ガス導入側フラ
    ンジと、前記スクロール部とを連結するリブを設けると
    共に、前記排気ガス導入側フランジの肉厚を、前記リブ
    の連結された部分では他の部分より薄肉化したことを特
    徴とするターボチャージャの構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のターボチャージャの構造
    において、 前記排気ガス導入側フランジと、前記スクロール部の中
    心に設けられた排気ガス排出口に配設される排気ガス排
    出側フランジとが連接する一体構成としたことを特徴と
    するターボチャージャの構造。
  3. 【請求項3】 請求項2記載のターボチャージャの構造
    において、 前記スクロール部をバイパスする通路を形成し、ウェス
    トゲートバルブにより導通を制御されるウェストゲート
    ポートを、前記排気ガス排出側フランジの、前記排気ガ
    ス導入側フランジとの連接部付近に開口することを特徴
    とするターボチャージャの構造。
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