JP7188247B2 - 鞍乗型車両のフットレスト取付構造 - Google Patents

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Description

本発明は、鞍乗型車両のフットレスト取付構造に関する。
自動二輪車などの鞍乗型車両の車体を構成する材質として、軽量で強度に優れる繊維強化樹脂が着目されている。例えば、特許文献1には、乗車用シートを支持するリヤフレーム(シートレール)を、繊維強化樹脂により形成することが記載されている。
特許第6134387号公報
鞍乗型車両の側部には、乗員が足を乗せるフットレストが設けられる。例えば、運転者の後方に同乗者が乗車可能な鞍乗型車両で、後席の乗員が足を乗せるための後席用のフットレストを備える場合、フットレストブラケットがシートレールに取り付けられ、フットレストブラケットを介して、フットレストが車両側方に突出するように支持される。
鞍乗型車両が転倒した場合には、構造上、側方に突出するフットレストが地面に接触しやすい。すると、フットレストに対して側方から強い衝撃荷重が加わり、フットレストブラケットを経由してシートレールに衝撃荷重が伝達される。
繊維強化樹脂の特性として、外部から衝撃を受けたときに、表面上は損傷が無いにもかかわらず、積層された繊維間での剥離など、内部の損傷が生じて強度が低下することがある。鞍乗型車両のシートレールを繊維強化樹脂で形成した場合、車両の転倒が繰り返されて上記のようなフットレストからシートレールへの衝撃荷重の入力が度重なると、シートレールの内部の損傷が蓄積され、強度が低下するおそれがある。
特許文献1の鞍乗型車両は、後席への乗車を想定しておらず、後席乗員用のフットレストの構造は記載されていない。そのため、繊維強化樹脂で形成されたシートレールに対してダメージを及ぼしにくいフットレストの取付構造についての検討が求められていた。
本発明は係る点に鑑みてなされたものであり、鞍乗型車両における繊維強化樹脂製のシートレールの強度低下が生じにくいフットレストの取付構造を提供することを目的とする。
本発明は、繊維強化樹脂からなるシートレールにフットレストを取り付ける鞍乗型車両のフットレスト取付構造において、フットレストを支持するフットレストブラケットと、締結部材によってフットレストブラケットと締結される被締結部材と、シートレールとの間に被締結部材を挟持し、接合部によってシートレールに接合される固定部材と、を有することを特徴とする。
本発明のフットレスト取付構造によれば、被締結部材をシートレールに直接に接合せず、シートレールと固定部材によって被締結部材を挟持することで、接合部での衝撃吸収性が高くなり、鞍乗型車両における繊維強化樹脂製のシートレールの強度低下を抑制できる。
本実施の形態の鞍乗型車両のシートレールを示す斜視図である。 図1のII-II線に沿うフットレスト取付構造の断面図である。 通常状態のフットレスト取付構造の要部を示す斜視図である。 フットレストに側方からの荷重が加わった状態のフットレスト取付構造の要部を示す斜視図である。 フットレスト取付構造の第1の変形例を示す斜視図である。 図5から固定部材及び被締結部材を除いた状態を示す斜視図である。 フットレスト取付構造の第2の変形例を示す斜視図である。 フットレスト取付構造の第3の変形例を示す斜視図である。 フットレスト取付構造の第4の変形例を示す斜視図である。 フットレスト取付構造の第5の変形例を示す斜視図である。
以下、本実施の形態について添付図面を参照して説明する。本実施の形態は、鞍乗型車両である自動二輪車における、後席乗員用のフットレストの取付構造に適用したものである。以下の説明における各方向(前後、左右、上下)は、自動二輪車に乗車した乗員から見た方向を意味する。また、各図面に示す方向は、自動二輪車が傾かずに直立した状態のものである。
図1に示すシートレール10は、自動二輪車の車体の一部を構成するものである。自動二輪車は、エンジン(図示略)などを支持するフロントフレーム(図示略)を備え、フロントフレームの後部にシートレール10が連結されている。自動二輪車の完成状態では、シートレール10の下方に後輪が位置する。
シートレール10は、繊維強化樹脂で形成されており、左右方向に間隔を空けて配された一対の側壁11と、一対の側壁11を接続するクロス部12、13及び14とを有している。それぞれの側壁11の前端には、フロントフレームに連結されるフレーム連結部15が設けられている。一対の側壁11は、フレーム連結部15を有する前端から後上方へ向けて延びており、前方寄りの部分がクロス部12で接続され、後端がクロス部14で接続されている。クロス部13は、クロス部14よりもやや前方の位置で一対の側壁11を接続している。
シートレール10における一対の側壁11の上部には、乗員が着座するシート(図示略)が取り付けられる。シートは、運転者用の前席部と、同乗者用の後席部とで構成される。シートレール10の左右の側壁11の側部には、後席に着座した乗員が足を乗せるためのフットレスト20が設けられる。以下、フットレスト20の取付構造について説明する。なお、シートレール10には左右一対のフットレスト20が設けられており、以下では車両左側のフットレスト20の取付構造を代表して説明する。以下の説明では、左右方向のうち左側を車外側、右側を車内側とする。
図2は、シートレール10に対するフットレスト20の取付構造を断面視したものである。シートレール10の側壁11は、上下方向の幅よりも左右方向の幅の方が小さい板状の断面形状を有しており、側壁11を左右方向に貫通する貫通孔21が形成されている。貫通孔21は、左右方向(水平)に延びる取付中心線CXを中心とする円形状断面の孔である。つまり、貫通孔21の内周面は、取付中心線CXと平行に延びる円筒面である。
フットレスト20は、被締結部材22、固定部材23、フットレストブラケット24、締結部材25、接合部26を介して、シートレール10の側壁11に対して取り付けられる。
被締結部材22は、フランジ付きのナットであり、第1挿入部30とフランジ31と第2挿入部32とを同軸上に有し、ネジ孔33が軸方向に貫通している。被締結部材22の両端に位置する第1挿入部30と第2挿入部32の外周面は、取付中心線CXを中心とする円筒面である。被締結部材22の中間に位置するフランジ31は、第1挿入部30及び第2挿入部32よりも外径が大きい。第1挿入部30は、シートレール10の貫通孔21に対してガタつくことなく嵌め込まれる外径の大きさを有している。
固定部材23は、円板状の当付部35と、当付部35の周縁から延びる円錐状の脚部36と、を有している。当付部35の中央には、円形の挿入孔37が貫通形成されている。脚部36の先端には、環状の被接合部38が形成されている。当付部35と被接合部38は、取付中心線CXに対して垂直な壁部である。脚部36は当付部35から被接合部38に向けて徐々に外径を大きくしており、被接合部38は当付部35よりも外径が大きい。
固定部材23の被接合部38は、被締結部材22のフランジ31の周囲を、隙間39を空けて囲む大きさを有している。固定部材23の挿入孔37に対して、被締結部材22の第2挿入部32を嵌め込むことにより、取付中心線CXを中心とする径方向への被締結部材22と固定部材23の相対的な移動が規制される。第2挿入部32の厚みと当付部35の厚みは略同じであり、第2挿入部32を挿入孔37に嵌め込んだ状態で、第2挿入部32の端部は、当付部35の車外側の面と略面一になる。
フットレストブラケット24は、固定部材23の当付部35に当接する板状の締結部40と、締結部40から斜め下方に延びる接続部41と、を有している。締結部40の中央には、ネジ挿通孔42が左右方向へ貫通形成されている。接続部41の先端部分にフットレスト20が取り付けられる。フットレスト20は、接続部41に対して固定されていてもよいし、接続部41に対する収納動作(回動など)が可能な可倒式であってもよい。
締結部材25は、被締結部材22に対して螺合可能なボルトであり、外周面上に雄ネジが形成される軸部45と、軸部45の一端に位置する頭部46と、を有している。頭部46は軸部45よりも径が大きい。軸部45は、フットレストブラケット24のネジ挿通孔42を貫通可能である。ネジ挿通孔42を貫通した軸部45上の雄ネジは、被締結部材22のネジ孔33に螺合される。
以上の各部材は、シートレール10に対して次のように取り付けられる。側壁11の貫通孔21に対して、被締結部材22の第1挿入部30を車外側から車内側へ向けて挿入する。被締結部材22は、フランジ31が側壁11の側面に当て付く位置まで挿入される。固定部材23は、被接合部38を車内側に向けて、脚部36が被締結部材22を覆うように取り付けられる。挿入孔37に第2挿入部32を挿入させ、当付部35がフランジ31の車外側の面に当て付くようにする。この状態で、被締結部材22の第2挿入部32の端部と、固定部材23の当付部35が、略面一の関係になる。
固定部材23の被接合部38は、シートレール10に対して、接合部26によって接合される。接合部26は、接着や溶着によってシートレール10に接合する部位である。固定部材23は金属製あるいは樹脂製である。接着は、固定部材23が金属製と樹脂製のいずれの場合にも適用可能である。溶着は、固定部材23が樹脂製の場合に適用可能である。接着の場合、接合部26は接着剤により形成される。接着剤としては、構造用接着剤として用いられる高剛性、高強度のものよりも柔軟性が高く、運動エネルギーの吸収効率に優れるタイプを使用することが好ましい。溶着の場合、接合部26は、溶融した固定部材23の一部により形成される。
被締結部材22のフランジ31が側壁11の車外側の面に当て付き、固定部材23の当付部35がフランジ31の車外側の面に当て付いた状態で、側壁11の車外側の面と被接合部38とのクリアランスを埋めるように接合部26が設けられる。接合部26は、接着や溶着で固定部材23をシートレール10に接合させた状態で、ある程度の弾性変形が可能な性質を有する。接合部26は貫通孔21を囲む環状の領域に形成されており、接合部26のうち、取付中心線CXよりも下側に位置する部分を下側接合部26D、取付中心線CXよりも上側に位置する部分を上側接合部26Uとする。
接合部26を介して固定部材23をシートレール10に接合させた状態で、固定部材23の当付部35とシートレール10の側壁11との間に、被締結部材22のフランジ31が挟持される。被締結部材22は、シートレール10に対して直接には接合されておらず、シートレール10と固定部材23による挟持によって、取付中心線CXに沿う方向(左右方向)での位置が定まり、貫通孔21への第1挿入部30の挿入によって、取付中心線CXと垂直な方向(上下方向や前後方向)での位置が定まっている。
固定部材23の脚部36は、当付部35から被接合部38に向けて径を大きくする裾広がり形状である。そして、被接合部38及び接合部26と、被締結部材22のフランジ31との間には、隙間39が設けられている。接合部26での接合時に、接合部材(接着剤や溶融部)の一部が接合面の外側(被接合部38の外周側や内周側)に漏出する場合がある。このような場合に、隙間39が存在することによって、漏出した接合部材が被締結部材22に付着することを防止できる。
フットレストブラケット24の締結部40を、固定部材23の当付部35の車外側の面に当て付け、フットレストブラケット24のネジ挿通孔42が被締結部材22のネジ孔33に連通するように位置を定める。そして、締結部材25の軸部45を、車外側から車内側へ向けてネジ挿通孔42に挿入し、軸部45の雄ネジをネジ孔33に螺合させる。締結部材25は、締結部40の車外側の面に対して頭部46が当て付くまで挿入させることが可能である。この挿入規制状態で締結部材25に所定の締め付けトルクを与えると、被締結部材22のフランジ31と締結部材25の頭部46との間に、固定部材23の当付部35とフットレストブラケット24の締結部40が挟まれて固定される状態になる。
以上のようにして各部材が組み付けられて、フットレスト取付構造が完成する。図2に示す組み付け完了状態では、固定部材23が、接合部26を介してシートレール10(側壁11)に接合される。被締結部材22は、固定部材23の当付部35と側壁11との間にフランジ31が挟まれて左右方向への移動が規制される。また、被締結部材22における第1挿入部30の外周面が側壁11における貫通孔21の内周面に対向しており、取付中心線CXを中心とする径方向(上下方向、前後方向など)への被締結部材22の移動が規制される。そして、フットレストブラケット24の締結部40が、固定部材23の当付部35と締結部材25の頭部46との間に挟まれて締め付けられることで、フットレストブラケット24がシートレール10に対して各方向への移動を規制された固定状態になる。つまり、シートレール10に対して、フットレスト20が固定される。
図2に示すように、左右方向(水平方向)に延びる取付中心線CXが締結部材25の中心を通っており、締結部材25と被締結部材22と固定部材23が取付中心線CXを中心とする同心状に配置されている。フットレスト20は、取付中心線CXに対して下方にオフセットした位置にある。取付中心線CXを境界にして、上側の領域を上側領域UA、下側の領域を下側領域DAと定義する。
なお、各部材の組み付けの順序は、適宜選択可能である。例えば、被締結部材22と固定部材23とフットレストブラケット24と締結部材25を、先に組み立ててユニット化してから、貫通孔21への第1挿入部30の挿入と、接合部26による被接合部38の接合を行うことができる。あるいは、被締結部材22の組み付け(貫通孔21への第1挿入部30の挿入)、固定部材23の組み付け(接合部26による接合)、フットレストブラケット24の組み付け(締結部材25による締結)、という順で取り付け作業を行うことも可能である。
以上のようにしてシートレール10に対して取り付けられたフットレストブラケット24は、接続部41を斜め下方に向けており、フットレストブラケット24の先端から車外側へ向けて概ね水平にフットレスト20が延びる。このように支持されたフットレスト20に対して、後席に着座した乗員が足を乗せると、図2に矢印F1で示すように、上方から下方へ向けての荷重が入力される。フットレスト20へ入力された荷重F1は、フットレストブラケット24及び締結部材25を介して被締結部材22に伝わる。そして、被締結部材22の第1挿入部30が貫通孔21の内周面に当て付くことで、荷重F1が受けられる。特に、貫通孔21のうち、取付中心線CXよりも下方に位置する下半領域が、荷重F1による力を受ける部分になる。繊維強化樹脂からなるシートレール10は、このような貫通孔21の内周面に対する圧縮方向の荷重に対して極めて高い強度を有しており、積層された繊維の剥離などは生じない。
また、フットレスト20へ荷重F1が入力されると、第2挿入部32と挿入孔37を介して被締結部材22に嵌合している固定部材23にも力が伝わり、シートレール10の側壁11に対して固定部材23が下方へ移動しようとする。すると、接合部26によって接合された固定部材23(被接合部38)とシートレール10(側壁11)の間に、上下へのせん断方向の荷重が作用する。接着や溶着による接合は、このようなせん断力には強く、接合面を引き離すような剥離力には弱い性質がある。そのため、固定部材23とシートレール10の間に作用するせん断方向の荷重に対しては、接合部26による接合で十分な強度を確保でき、固定部材23とシートレール10の接合を確実に維持させることができる。
このように、本実施の形態によるフットレスト20の取付構造は、日常的な使用によって後席の乗員からフットレスト20へ入力される踏み込み荷重に対する、優れた耐荷重性能を有している。
図3は、側方からの荷重が加わっていない通常状態での接合部26を示したものである。接合部26は、下側接合部26Dから上側接合部26Uにかけて全体が略均一な厚みを有している。
自動二輪車が転倒してフットレスト20が地面に接触した場合、地面からフットレスト20に対して、図2に矢印F2で示す側方からの衝撃荷重が入力される。すると、フットレストブラケット24及び固定部材23を傾かせようとする力(図2中の時計方向へのモーメント)が働く。より具体的には、フットレスト20に側方からの荷重F2が加わると、取付中心線CXを境界として分けられる上下方向の2つの領域のうち、フットレスト20が位置する下側領域DAでは、フットレストブラケット24が固定部材23を車内側へ向けて押し込む。すると、固定部材23と側壁11を接合させている接合部26の下側接合部26Dに対して、側壁11に押し付ける圧縮力が作用する。接合部26は弾性変形可能であるため、圧縮力を受けると、図4に示すように下側接合部26Dを圧縮変形させる。
一方、フットレスト20に側方からの荷重F2が入力すると、取付中心線CXを境界として分けられる上下方向の2つの領域のうち、フットレスト20が位置する側とは反対の上側領域UAでは、固定部材23をシートレール10から車外側へ離れさせようとする力が働く。すなわち、接合部26のうち上側接合部26Uに対して剥離方向の荷重が加わる。上述のように、接着や溶着による接合は、剥離方向の荷重には弱い性質があるため、フットレスト20への荷重F2が非常に大きい場合には、フットレスト20の取付構造のうち、上側接合部26Uにおける剥離が最初に生じる。
以上のように、本実施の形態のフットレスト取付構造によれば、フットレスト20に側方からの衝撃が加わったときに、接合部26が弾性変形することでエネルギーを吸収できるため、シートレール10に伝わる衝撃荷重を軽減できる。接合部26は、被締結部材22をシートレール10との間に挟み込む固定部材23を接合の対象としているため、接合面積や変形量の設定の自由度が高く、被締結部材22を直接にシートレール10に接合させる構成に比して、接合部26の変形量を大きくしてエネルギー吸収性能を高めることができる。
被締結部材22の周囲に隙間39(図2)を設けて、接合部26を形成する接着剤や溶融部が被締結部材22に付着しないようにしているため、接合部26の変形量が被締結部材22による制限を受けて小さくなるおそれがない。
また、接合部26は、シートレール10の側壁11の車外側の面に対して固定部材23の被接合部38を接合させている。そのため、通常の使用で乗員からフットレスト20に下方への踏み込み荷重が加わると、せん断力が接合部26に加わり、接合部26はせん断力への耐性が高いので十分な強度を確保できる。
さらに、シートレール10の貫通孔21に被締結部材22の第1挿入部30を嵌め込んで、貫通孔21の内周面によって上下方向の荷重を受けるようにしているため、通常の使用でフットレスト20に加わる下方への踏み込み荷重に対して、より優れた強度を得ることができる。
第1挿入部30と貫通孔21は、左右方向への被締結部材22の変位を制限しない構造であるため、フットレスト20に対して側方からの衝撃荷重が加わったときには、被締結部材22が固定部材23の左右方向への動きを制約することがなく、固定部材23を介して接合部26を十分に弾性変形させることができる。
従って、通常の使用ではフットレスト20の十分な支持強度を確保できると共に、転倒時などでフットレスト20に側方からの衝撃荷重が加わった場合にも、強度低下を引き起こすようなダメージがシートレール10に及ぶことを抑制できる。
図5及び図6に、フットレスト取付構造の第1の変形例を示す。この変形例では、図6に示すように、接合部26のうち、上側接合部26Uの方が下側接合部26Dよりも面積が大きい。より詳しくは、上側接合部26Uの方が、下側接合部26Dよりも、貫通孔21を中心とした径方向における幅が大きい。接合部26の形状に対応して、固定部材23の被接合部38は、上側接合部26Uと同じ大きさ及び形状の上側被接合部38Uと、下側接合部26Dと同じ大きさ及び形状の下側被接合部38Dとを有している(図5参照)。つまり、取付中心線CX(図2参照)を境界とした上下方向の2つの領域のうち、フットレスト20が位置する下側領域DAよりも、フットレスト20とは反対側に位置する上側領域UAの方が、固定部材23とシートレール10の接合面積が大きい。
先に説明したように、自動二輪車の転倒などでフットレスト20に側方から大きな荷重が加わると、フットレスト20が位置する下側領域DAでは、下側接合部26Dに対して圧縮方向の荷重が働き、フットレスト20とは反対側に位置する上側領域UAでは、上側接合部26Uに対して剥離方向の荷重が働く。一般に、接着や溶着による接合は、剥離力に弱く、圧縮力に強い性質を有している。そのため、下側領域DAよりも上側領域UAの接合面積を大きく設定することで、剥離の力が加わる上側領域UAにおいて高い接合強度を確保することができる。
図7に、フットレスト取付構造の第2の変形例を示す。この変形例では、上側接合部26Uと下側接合部26Dの間に、接合部26が存在しない非接合領域50が形成されている。つまり、接合部26における上側接合部26Uと下側接合部26Dが分離されて非連続な構造になっている。転倒などでフットレスト20に側方から大きな荷重が加わると、上側接合部26Uは剥離方向の力によってシートレール10から引き剥がされようとするので破断しやすい。一方、下側接合部26Dは、シートレール10に対して押し付けられるので、破断は生じにくい。非接合領域50を設けて上側接合部26Uと下側接合部26Dを分離させることで、上側接合部26Uが破断した際に、亀裂が下側接合部26Dまで進展することを抑止でき、所定の接合強度を維持できる。
また、非接合領域50が設定されている上下方向の中央付近は、上側領域UAで剥離方向に働く荷重と下側領域DAで圧縮方向に働く荷重の境界であり、上側接合部26Uの上端付近や下側接合部26Dの下端付近と比較して、加わる荷重が小さい。そのため、特に大きな力が加わる部分にのみ接合部26(上側接合部26U、下側接合部26D)を設け、加わる力が相対的に小さい部分には接合部26を設けない(非接合領域50を形成する)ことで、十分な接合強度を確保しながら、接合部26の軽量化を図ることができる。具体的には、接合手段として接着剤を用いた場合に、接着剤の使用量を減らして重量の増加を抑えることができる。
固定部材23における被接合部38の形状は、上記のような略円形(円環形状)ではなく、異なる形状にすることもできる。図8に示すフットレスト取付構造の第3の変形例は、固定部材23が矩形状の被接合部38を備えている。被接合部38に対応して、接合部26も矩形状の範囲で固定部材23をシートレール10に接合させている。このように、必要な接合強度を得ることができれば、接合部分の形状は制限されない。
被接合部38をさらに異なる形状にすることも可能である。例えば、被接合部38を三角形にしてもよい。この場合、上側領域UAの方が下側領域DAよりも被接合部38の面積が広くなるような向きに設定することが好ましい。これにより、第1の変形例(図5、図6)と同様に、上側領域UAの方が下側領域DAよりも接合面積が大きくなり、剥離の力が加わる上側領域UAにおいて高い接合強度を確保することができる。
固定部材23だけでなく、被締結部材22の形状を異ならせることも可能である。図9に示すフットレスト取付構造の第4の変形例では、被締結部材22の第1挿入部30のうち一部の外面形状を、取付中心線CXを中心とする円筒形状ではなく、車外側から車内側へ進むにつれて外径が小さくなるテーパ面51としている。シートレール10の貫通孔21の一部は、テーパ面51に対応するテーパ面52になっている。テーパ面51及びテーパ面52は、取付中心線CXを中心とする円錐面や、取付中心線CXに対して傾斜する平面状の傾斜面などとすることができる。
貫通孔21への被締結部材22の嵌め込み部分にテーパ面51、52のような形状を設けることで、フットレスト20へ側方から荷重が加わる場合に、取付中心線CXに対して傾いた方向の荷重が入力されても、第1挿入部30が貫通孔21内に引っかかりにくくなる。
図9の構成では、テーパ面51及びテーパ面52は、上側領域UAにのみ形成されている。下側領域DAでは、上記実施の形態と同様に、第1挿入部30と貫通孔21が取付中心線CXを中心とする円筒形状になっている。この形状設定は、次のような理由によるものである。
日常的な使用によって後席の乗員からフットレスト20へ入力される踏み込み荷重により、被締結部材22の第1挿入部30が、シートレール10の貫通孔21の内周面に対して下方へ押し付けられる。ここで、仮に下側領域DAにおいて、上下方向への傾斜成分を含む面(水平方向に延びていない面)で第1挿入部30と貫通孔21を接触させると、当該接触部分において、下方への踏み込み荷重から、左右方向へ被締結部材22をスライドさせようとする分力が発生する。特に、車内側から車外側に進むにつれて下方に傾くような傾斜面であると、下方へ向けて踏み込み荷重が加わった際に、被締結部材22を車外側へ押し出すような分力を生じる。この分力は、固定部材23の被接合部38をシートレール10の側壁11から剥離させる方向に働くので、接合部26での接合強度の低下を招くおそれがある。これに対し、図9に示す構成のように、下側領域DAにおいて、取付中心線CXと平行な面(水平方向に延びる面)で第1挿入部30と貫通孔21を接触させれば、上記のような分力を生じないので、下方へ向けての荷重入力に対して強固な構造となる。
なお、下側領域DAにおける第1挿入部30と貫通孔21の接触面は、取付中心線CXを中心とする円筒形状には限られない。例えば、取付中心線CXと平行な平面を介して、貫通孔21が第1挿入部30を下方から支持するような構成にすることも可能である。従って、貫通孔21を、多角形の内面形状を持つ角孔とし、第1挿入部30を、多角形の外面形状を持つ角筒として構成することも可能である。
図10に示すフットレスト取付構造の第5の変形例では、被締結部材22に、ネジ孔ではないネジ挿通孔53が貫通形成されている。そして、被締結部材22とは別に設けたナット54にネジ孔55が形成されている。ナット54の外径は、シートレール10の貫通孔21の内径よりも小さい。フットレスト20を取り付ける際には、締結部材25の軸部45を、フットレストブラケット24のネジ挿通孔42と被締結部材22のネジ挿通孔53を貫通させた上で、ナット54のネジ孔55に螺合させる。締結部材25を締め込むことによって、ナット54が第1挿入部30の端部を押し込んで、被締結部材22が締結される。
被締結部材22とは別体のナット54を用いた締結構造は、被締結部材22に対して締結部材25を直接に螺合させる上記実施の形態と同様の効果を得ることができる。
以上に説明したように、本発明を適用した鞍乗型車両のフットレスト取付構造は、車両転倒などでフットレストに大きな衝撃荷重が加わっても、繊維強化樹脂製のシートレールの強度低下を防ぐことができる。
なお、本発明は上記実施の形態や各変形例に限定されず、種々変更して実施することが可能である。上記実施の形態において、添付図面に図示されている構成や制御等については、これに限定されず、本発明の効果を発揮する範囲内で適宜変更することが可能である。その他、本発明の目的の範囲を逸脱しない限りにおいて適宜変更して実施することが可能である。
例えば、固定部材23の脚部36を円錐以外の形状(角型のボックス状など)にすることも可能である。
上記実施の形態のように締結部材25をボルトにすると、組み立てや分解の作業性が良く、修理の際に各部品(特に被締結部材22)にダメージを与えずに分解できるので好ましい。しかし、締結部材25を、ネジによる螺合ではなく、圧入などで被締結部材22に締結させることも可能である。
フットレスト20とフットレストブラケット24を一体的に形成してもよい。
上記実施の形態は、固定部材23の被接合部38を接合させるシートレール10側の形状を、シンプルな平面状に設定している。これにより、接合部26の精度管理を行いやすく、確実な接合を実現しやすい。しかし、接着や溶着による接合は、接合対象がある程度複雑な部分であっても形状に追随させて固定することができるので、シートレールの平面以外の部分を接合対象として選択することも可能である。
以上説明したように、本発明は、車両転倒などでフットレストに大きな衝撃荷重が加わっても、繊維強化樹脂製のシートレールの強度に影響が及びにくいという効果を有し、特に、車体の軽量化が求められる鞍乗型車両に有用である。
10 :シートレール
11 :側壁
20 :フットレスト
21 :貫通孔
22 :被締結部材
23 :固定部材
24 :フットレストブラケット
25 :締結部材
26 :接合部
26D :下側接合部
26U :上側接合部
30 :第1挿入部
31 :フランジ
32 :第2挿入部
33 :ネジ孔
35 :当付部
36 :脚部
37 :挿入孔
38 :被接合部
38D :下側被接合部
38U :上側被接合部
39 :隙間
40 :締結部
41 :接続部
42 :ネジ挿通孔
50 :非接合領域
51 :テーパ面
52 :テーパ面
54 :ナット
CX :取付中心線
DA :下側領域
UA :上側領域

Claims (7)

  1. 繊維強化樹脂からなるシートレールにフットレストを取り付ける鞍乗型車両のフットレスト取付構造において、
    前記フットレストを支持するフットレストブラケットと、
    締結部材によって前記フットレストブラケットと締結される被締結部材と、
    前記シートレールとの間に前記被締結部材を挟持し、接合部によって前記シートレールに接合される固定部材と、
    を有することを特徴とする鞍乗型車両のフットレスト取付構造。
  2. 前記接合部は弾性変形可能であることを特徴とする請求項1に記載の鞍乗型車両のフットレスト取付構造。
  3. 前記シートレールは貫通孔を有し、前記被締結部材は前記貫通孔に嵌め込まれていることを特徴とする請求項1又は2に記載の鞍乗型車両のフットレスト取付構造。
  4. 前記接合部は、前記貫通孔を囲む領域に設けられることを特徴とする請求項3に記載の鞍乗型車両のフットレスト取付構造。
  5. 前記接合部と前記被締結部材との間に隙間が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のフットレスト取付構造。
  6. 前記フットレストは、前記締結部材の中心を通る取付中心線に対して下方に位置しており、前記取付中心線の下側よりも上側の方が、前記接合部の面積が大きいことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のフットレスト取付構造。
  7. 前記接合部は、上側に位置する上側接合部と、下側に位置する下側接合部とからなり、
    前記上側接合部と前記下側接合部の間に、前記固定部材が前記シートレールに接合しない非接合領域を有することを特徴とする請求項1から6のいずれか1項に記載の鞍乗型車両のフットレスト取付構造。
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