JP7188136B2 - プリプレグ、及び繊維強化複合樹脂成形体 - Google Patents
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Description
一方、成形サイクルを向上する為には、100~140℃程度の比較的低温で、数分間から数十分間程度の短時間で成形できることが求められている。
[1] 下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含むエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂の総質量に対して、前記成分(B)の含有量が5~13質量%である、エポキシ樹脂組成物。
成分(A):オキサゾリドン型エポキシ樹脂
成分(B):軟化点が75~160℃であるビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は軟化点が75~160℃であるビスフェノールF型エポキシ樹脂
成分(C):25℃での粘度が1~160ポイズのエポキシ樹脂
成分(D):フェニルジメチルウレア
[2] 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂の総質量に対して、前記成分(A)と前記成分(B)の合計含有量が40~70質量%である、[1]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[3] 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂の総質量に対して、前記成分(A)の含有量が30~60質量%である、[1]又は[2]に記載のエポキシ樹脂組成物。
[4] 前記成分(C)はトリグリシジル-p-アミノフェノール型エポキシ樹脂を含む[1]~[3]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
[5] さらに下記成分(E)を含む[1]~[4]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物。
成分(E):前記成分(A)、前記成分(B)、前記成分(C)、及び前記成分(D)の混合物に可溶な平均分子量が5,000~200,000の熱可塑性樹脂
[6] [1]~[5]のいずれか1項に記載のエポキシ樹脂組成物と、強化繊維と、を含むプリプレグ。
[7] 前記強化繊維が炭素繊維である、[6]に記載のプリプレグ。
[8] [6]又は[7]に記載のプリプレグの2枚以上が積層された積層体の硬化物である、繊維強化複合樹脂成形体。
本発明の繊維強化複合樹脂成形体は、曲げ弾性率、曲げ強度、破断歪等の機械物性に優れる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、及び下記成分(D)を含むエポキシ樹脂組成物であって、前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂の総質量に対して、前記成分(B)の含有量が5~13質量%である。
成分(A):オキサゾリドン型エポキシ樹脂
成分(B):軟化点が75~160℃であるビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は軟化点が75~160℃であるビスフェノールF型エポキシ樹脂
成分(C):25℃での粘度が1~160ポイズのエポキシ樹脂
成分(D):フェニルジメチルウレア
以下、本実施形態のエポキシ樹脂組成物に含まれる各成分について詳細に説明を行う。
成分(A)は、オキサゾリドン型エポキシ樹脂である。
オキサゾリドン型エポキシ樹脂は、オキサゾリドン環構造を有するエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂組成物が成分(A)を含むことで、前記エポキシ樹脂組成物を含むプリプレグの常温での作業性が良好となる。また、エポキシ樹脂組成物の硬化物(以下、「樹脂硬化物」ともいう。)の耐熱性、破断歪、及び強化繊維との接着性が高まり、耐熱性及び破断歪に優れる繊維強化複合樹脂成形体が得られる。
なお、本明細書において「常温」とは、30℃を意味する。
これらイソシアネート化合物は1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂の具体例としては、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型、ビスフェノールS型、テトラメチルビスフェノールA型、テトラメチルビスフェノールF型、テトラメチルビスフェノールAD型、テトラメチルビスフェノールS型、テトラブロモビスフェノールA型、ビフェニル型等の2価フェノール類由来のエポキシ樹脂;1,1,1-トリス(4-ヒドロキシフェニル)メタン、1,1,1-(4-ヒドロキシフェニル)エタン、4,4-〔1-〔4-〔1-(4-ヒドロキシフェニル)-1-メチルエチル〕フェニル〕エチリデン〕ビスフェノール等のトリス(グリシジルオキシフェニル)アルカン類等に由来するエポキシ樹脂;フェノールノボラック型、クレゾールノボラック型、ビスフェノールAノボラック型等のノボラック由来のエポキシ樹脂等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
これらエポキシ樹脂は1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
エポキシ樹脂としては、成分(A)の粘度が過度に上昇するのを抑制できる観点から、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂が好ましい。
成分(A)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
成分(B)は、軟化点が75~160℃であるビスフェノールA型エポキシ樹脂及び/又は軟化点が75~160℃であるビスフェノールF型エポキシ樹脂である。エポキシ樹脂組成物が成分(B)を含むことで、樹脂硬化物の破断歪を高める。
軟化点は、例えば、JIS K7234規格、環球法に準拠して測定することができる。
成分(B)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
成分(C)は、25℃での粘度が1~160ポイズ(以下、「P」ともいう。)のエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂組成物が、成分(C)を含むことにより、当該エポキシ樹脂組成物の未硬化時の粘弾性を調整して作業性を高める。
なお、エポキシ樹脂の25℃での粘度は、例えば、EKO INSTRUMENTS社製の粘度計MARSにより測定することができる。
成分(C)は1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの中でも、本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、成分(C)として、トリグリシジル-p-アミノフェノール型エポキシ樹脂を含むことが好ましい。トリグリシジル-p-アミノフェノール型エポキシ樹脂を含むエポキシ樹脂組成物の樹脂硬化物は、曲げ強度、曲げ弾性率が優れる。
成分(D)は、フェニルジメチルウレア(PDMU)である。
エポキシ樹脂組成物が成分(D)を含むことで、エポキシ樹脂組成物の速硬化性が向上し、低温でも短時間に硬化が完了するプリプレグが得られる。加えて、樹脂硬化物の破断歪の低下を抑制できる。
成分(E)は、前記成分(A)、前記成分(B)、前記成分(C)、及び前記成分(D)の混合物に可溶な平均分子量が5,000~200,000の熱可塑性樹脂である。
本明細書において、平均分子量は、「重量平均分子量」を意味する。「重量平均分子量」は、ゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC法)により測定されるポリスチレン換算値を意味する。
なお前記成分(E)が前記成分(A)、前記成分(B)、前記成分(C)、及び前記成分(D)の混合物に溶解しているか否かは、目視により確認することができる。具体的には、成分(E)と前記混合物を混ぜ合わせて得られた樹脂混合物中に固形分が確認されず、均一になっていることを目視で観察することにより、前記成分(E)が前記混合物に溶解していることを確認することができる。
ポリビニルホルマール樹脂の市販品としては、例えば、ビニレック(登録商標)のK(平均分子量:59,000)、L(平均分子量:66,000)、H(平均分子量:73,000)、E(平均分子量:126,000)(いずれも商品名、JNC株式会社製)等が挙げられるが、これらに限定されない。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は硬化剤を含有していることが好ましい。
硬化剤としては、アミン型硬化剤が好ましい。アミン型硬化剤は、粒子状の熱活性型の潜在性硬化剤であり、他の成分と組み合わせることにより、比較的低温での硬化が可能となる。また、アミン型硬化剤は分散性に優れるため、硬化反応の速度が速まる。
アミン型硬化剤は1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
アミン型硬化剤としては、プリプレグの保存性に優れる観点から、ジシアンジアミドが特に好ましい。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は任意成分を含有していてもよい。任意成分としては、成分(A)、成分(B)、成分(C)以外のエポキシ樹脂、成分(E)以外の熱可塑性樹脂、添加剤などが挙げられる。
添加剤としては、例えば、エポキシ樹脂の硬化促進剤、無機質充填材、内部離型剤、有機顔料、無機顔料などが挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物の製造方法は、特に限定されないが、例えば、上述した各成分を混合する方法が挙げられる。
各成分の混合方法としては、三本ロールミル、プラネタリミキサー、ニーダー、ホモジナイザー、ホモディスパー等の混合機を用いる方法が挙げられる。
本実施形態のエポキシ樹脂組成物は、例えば、後述するように、強化繊維の集合体に含浸させてプリプレグの製造に用いることができる。他にも、本実施形態のエポキシ樹脂組成物を離型紙等に塗布して硬化することで、エポキシ樹脂組成物のフィルムを得ることができる。
以上説明した本発明のエポキシ樹脂組成物は、上述した成分(A)、成分(B)、成分(C)、成分(D)、必要に応じて成分(E)、硬化剤、任意成分を含む。本発明のエポキシ樹脂組成物を用いれば、低温、短時間で硬化可能であり、破断歪と、曲げ強度及び曲げ弾性率に優れたプリプレグ及び繊維強化複合樹脂成形体を得ることができる。具体的には、140℃、30分間で硬化して得たエポキシ樹脂組成物の硬化物の曲げ強度が170MPa以上、曲げ弾性率が3.6GPa以上、破断歪が8%以上であるものが好ましい。
本発明の1つの態様において、「低温」とは、100~140℃の温度のことを意味する。また、「短時間」とは、30分以下のことを意味する。
本発明のエポキシ樹脂組成物の成形品の実施形態の一つとしては、フィルムが挙げられる。このフィルムはプリプレグを製造するための中間材料として、また、基材に貼り付けた後、硬化させることによって、表面保護フィルム又は、接着フィルムとしても有用である。
また、その使用方法は、これに限定されないが、本発明のエポキシ樹脂組成物を離型紙等の基材の表面に塗布することが好ましい。得られた塗布層は、未硬化のまま別の基材に張り付けて硬化させることで、フィルムとして使用してもよく、前記塗布層自体を硬化させることで、フィルムとして使用してもよい。
本実施形態のプリプレグは、上述のエポキシ樹脂組成物と、強化繊維と、を含む。
より具体的には、本実施形態のプリプレグは、上述のエポキシ樹脂組成物が強化繊維の集合体に含浸されたものである。
強化繊維は、プリプレグ中で強化繊維基材(強化繊維の集合体)として存在し、シート状であることが好ましい。
強化繊維は、強化繊維が単一方向に配列したものであってもよく、ランダム方向に配列したものであってもよい。
強化繊維の形態としては強化繊維の織物、強化繊維の不織布、強化繊維の長繊維が単一方向に引き揃えられたシート、ノンクリンプファブリック等が挙げられる。強化繊維は、比強度や比弾性率が高い繊維強化複合材料を成形することができるという観点からは、長繊維が単一方向に引き揃えられた強化繊維の束からなるシートであることが好ましく、取り扱いが容易であるという観点からは、強化繊維の織物であることが好ましい。
炭素繊維束における炭素繊維の本数は、1,000~70,000本が好ましい。
プリプレグは、例えば、上述のエポキシ樹脂組成物を強化繊維の集合体に含浸させることで得られる。このようにして得られるプリプレグは、エポキシ樹脂組成物が強化繊維の集合体に含浸されたものである。
エポキシ樹脂組成物を強化繊維の集合体に含浸させる方法としては、公知の方法でよく、例えば、エポキシ樹脂組成物をメチルエチルケトン、メタノール等の溶媒に溶解して、低粘度化してから、強化繊維の集合体に含浸させるウェット法;エポキシ樹脂組成物を加熱により低粘度化してから、強化繊維の集合体に含浸させるホットメルト法(ドライ法)等が挙げられるが、これらに限定されない。
ホットメルト法には、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接、強化繊維の集合体に含浸させる方法と、一旦エポキシ樹脂組成物を離型紙等の基材の表面に塗布してフィルムを作製しておき、次いで強化繊維の集合体の両側又は片側から前記フィルムを重ね、加熱加圧することにより強化繊維の集合体に樹脂を含浸させる方法がある。離型紙等の基材の表面に塗布して得られる塗布層は、未硬化のままでホットメルト法に用いてもよいし、塗布層を硬化させた後にホットメルト法に用いてもよい。
ホットメルト法によれば、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上存在しないため好ましい。
本実施形態の繊維強化複合樹脂成形体は、上述したプリプレグの2枚以上が積層された積層体の硬化物である。すなわち、本実施形態の繊維強化複合樹脂成形体は、プリプレグに含まれるエポキシ樹脂組成物の硬化物と、強化繊維と、を含む。
繊維強化複合樹脂成形体は、例えば、上述のプリプレグを2枚以上積層した後、得られた積層体に圧力を付与しながら、エポキシ樹脂組成物を加熱硬化させる方法等により成形して得られる。
本実施形態の繊維強化複合樹脂成形体は、機械特性、難燃性、耐熱性、電磁波遮蔽性等に優れることから、強化繊維として炭素繊維を含むことが好ましい。
本方法は、ゴルフシャフト、バット、テニスやバドミントン等のラケットのような複雑な形状物を成形する際に好ましく用いられる。
(成分(A))
オキサゾリドン型エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、品名:エポトートYD-952)
ビスフェノールA型エポキシ樹脂(軟化点:78℃、三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER1002)
ビスフェノールF型エポキシ樹脂(軟化点:87℃、三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER4005)
なお、軟化点は、JIS K7234規格、環球法に準拠して測定した。
トリグリシジル-p-アミノフェノール型エポキシ樹脂(日鉄ケミカル&マテリアル株式会社製、商品名:エポトートYH-523、25℃での粘度:5~10P)
ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(三菱ケミカル株式会社製、商品名:jER807、25℃での粘度:30~45P)
3-フェニル-1,1-ジメチルウレア(保土ヶ谷化学工業株式会社製、商品名:オミキュア94)
ポリビニルホルマール樹脂(JNC株式会社製、商品名:ビニレックE、平均分子量:126,000)
ジシアンジアミド(活性水素当量21g/eq、エアープロダクツ株式会社製、商品名:DICYANEX 1400F)
ノボラック型エポキシ樹脂(DIC株式会社製、商品名:EPICLON N-775)
HR:三菱ケミカル株式会社製、商品名「パイロフィルHR40」
<硬化樹脂板の製造>
表1、2に示す配合に従い、以下のようにしてエポキシ樹脂組成物を調製した。
なお、表1、2中、「YD-952」は「オキサゾリドン型エポキシ樹脂(エポトートYD-952)」、「jER1002」は「ビスフェノールA型エポキシ樹脂(jER1002)」、「jER4005」は「ビスフェノールF型エポキシ樹脂(jER4005)」、「YH-523」は「トリグリシジル-p-アミノフェノール型エポキシ樹脂(エポトートYH-523)」、「jER807」は「ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂(jER807)」、「オミキュア94」は「3-フェニル-1,1-ジメチルウレア(オミキュア94)」、「ビニレックE」は「ポリビニルホルマール樹脂(ビニレックE)」、「1400F」は「ジシアンジアミド(DICYANEX 1400F)」、「N775」は「ノボラック型エポキシ樹脂(EPICLON N-775)」である。
まず、成分(C)のjER807及び成分(E)をフラスコに計量し、オイルバスを用いて160℃に加熱し、溶解混合した。その後100℃程度まで冷却したところで成分(A)と成分(B)と成分(C)のYH-523を加えて溶解混合した。次に、得られたエポキシ樹脂主剤を60℃に冷却した後に、成分(D)と硬化剤を計量して添加し均一に分散させたものを加え混合し、エポキシ樹脂組成物を得た。なお比較例5においては、任意成分のN775は、成分(C)のYH-523を添加するタイミングで同時に添加した。
ついで、このエポキシ樹脂組成物を厚さ2mmテフロン(登録商標)スペーサーと共にガラス板で挟んでキャストし、140℃で30分間加熱硬化させることにより硬化樹脂板を得た。
得られた硬化樹脂板について、後述する測定および評価を行った。結果を表1、2に示す。
未硬化の実施例5、6、又は比較例5のエポキシ樹脂組成物を、コンマコーター(株式会社ヒラノテクシード製、「M-500」)でフィルム状にし、樹脂目付け16.7g/m2のレジンフィルムを作製した。このレジンフィルムを、炭素繊維を引き揃えて得られた、繊維目付100g/m2の炭素繊維シートの両面に張り合わせ、加熱ロールで含浸させて、繊維目付133.4g/m2、樹脂含有量25質量%の未硬化のプリプレグを得た。
上記で得られた樹脂含有量25質量%の未硬化のプリプレグを300mm×300mmにカットし、繊維方向を揃えて24枚積み重ねて積層体を得た。この積層体をオートクレーブで圧力0.04MPa下で2℃/分で昇温し、圧力0.6MPa下で2℃/分で昇温し、140℃で30分間保持して加熱硬化させて、厚さ2mmの繊維強化複合樹脂成形体を得た。
得られた繊維強化複合樹脂成形体について、下記の測定および評価を行った。結果を表2に示す。
以下の条件で、硬化樹脂板の試験片の三点曲げ強度、曲げ弾性率、及び破断歪を測定した。
・測定機器:INSTRON社製、製品名:INSTRON 5565
・治具:圧子R=3.2mm、サポートR=1.6mm
・サポート間距離(L)と試験片の厚み(d)の比L/d=16の条件
・クロスヘッドスピード2mm/分
・測定環境下:温度23℃、湿度50%RH
・試験片:厚み2mm×長さ60mm×幅8mmの硬化樹脂板
以下の条件で、繊維強化プラスチックの試験片の三点曲げ強度、曲げ弾性率、及び破断歪を測定した。
・測定機器:INSTRON社製、製品名:INSTRON 5565
・治具:圧子R=5.0mm、サポートR=3.2mm
・サポート間距離(L)と試験片の厚み(d)の比L/d=16の条件
・クロスヘッドスピード(分速)=(L2×0.01)/(6×d)
・測定環境下:温度23℃、湿度50%RH
・試験片:厚み2mm×長さ60mm×幅12.7mmの繊維強化複合樹脂成形体
さらに、実施例5、6のエポキシ樹脂組成物を使用して作製した繊維強化複合樹脂成形体は、いずれも曲げ強度が92MPa以上、曲げ弾性率が7.5GPa以上、破断歪が1.2%以上であり、機械物性に優れていた。
成分(B)を含まない比較例5のエポキシ樹脂組成物は、その硬化樹脂板の曲げ強度、破断歪が低かった。
成分(B)の含有量が13質量%超(20質量%)である比較例3のエポキシ樹脂組成物は、その硬化樹脂板の曲げ弾性率が低かった。
成分(B)の含有量が13質量%超(30質量%)である比較例4のエポキシ樹脂組成物は、その硬化樹脂板の曲げ強度、曲げ弾性率が低かった。
Claims (8)
- エポキシ樹脂組成物と、強化繊維と、を含むプリプレグであって、
前記エポキシ樹脂組成物が、下記成分(A)、下記成分(B)、下記成分(C)、下記成分(D)、及びジシアンジアミドを含み、前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂の総質量に対して、前記成分(B)の含有量が5~13質量%である、プリプレグ。
成分(A):オキサゾリドン型エポキシ樹脂
成分(B):軟化点が75~160℃であるビスフェノールF型エポキシ樹脂
成分(C):25℃での粘度が1~160ポイズのエポキシ樹脂
成分(D):フェニルジメチルウレア - 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂の総質量に対して、前記成分(A)と前記成分(B)の合計含有量が40~70質量%である、請求項1に記載のプリプレグ。
- 前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂の総質量に対して、前記成分(A)の含有量が30~60質量%である、請求項1又は2に記載のプリプレグ。
- 前記成分(C)はトリグリシジル-p-アミノフェノール型エポキシ樹脂を含む請求項1~3のいずれか1項に記載のプリプレグ。
- さらに下記成分(E)を含む請求項1~4のいずれか1項に記載のプリプレグ。
成分(E):前記成分(A)、前記成分(B)、前記成分(C)、及び前記成分(D)の混合物に可溶な平均分子量が5,000~200,000の熱可塑性樹脂 - 前記成分(D)の含有量は、前記エポキシ樹脂組成物に含まれる全エポキシ樹脂の100質量部に対して、2~6質量部である、請求項1~5のいずれか1項に記載のプリプレグ。
- 前記強化繊維が炭素繊維である、請求項1~6のいずれか1項に記載のプリプレグ。
- 請求項1~7のいずれか1項に記載のプリプレグの2枚以上が積層された積層体の硬化物である、繊維強化複合樹脂成形体。
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