JP2019065111A - エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料 - Google Patents

エポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料 Download PDF

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Kyoko Tamaru
響子 田丸
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惇一 青木
宏明 坂田
Hiroaki Sakata
宏明 坂田
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Takashi Ochi
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Abstract

【課題】粘度制御によりハニカム成形性、プロセス適応性、タック性に優れ、さらに吸湿後高温環境下での圧縮強度に優れる炭素繊維強化複合材料を与える、エポキシ樹脂組成物を提供する。【解決手段】少なくとも次の構成要素[A]〜[E]を含むエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂の総量100質量部に対して構成要素[A]を10〜40質量部と、構成要素[B]を10〜30質量部を含み、さらに歪速度3.14rad/sで測定した70℃粘度が250Pa・s以下、歪速度0.05rad/sで測定した140℃粘度が2.0Pa・s以上であり、歪速度3.14rad/sで測定した30℃貯蔵弾性率が60kPa以下であるエポキシ樹脂組成物。[A]:2つ以上のナフタレン骨格と2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂[B]:1つのナフタレン骨格と2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂[C]:3つ以上のエポキシ基を有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂[D]:ポリエーテルスルホン[E]:芳香族アミン系硬化剤【選択図】なし

Description

本発明は、炭素繊維強化複合材料に好適に用いられるエポキシ樹脂組成物に関する。より詳しくは、粘弾性制御によりハニカム成形性、プロセス適応性、タック性に優れ、さらに吸湿後高温環境下での圧縮強度に優れる炭素繊維強化複合材料を与える、エポキシ樹脂組成物に関する。
近年、炭素繊維強化複合材料(以下複合材料と略すことがある)は、その高い比強度、比弾性率を生かし、航空機、自動車、スポーツ用具、釣り用具、風力発電用ブレード、パソコン筐体等の多岐にわたる用途へ利用が拡大している。これら構造体の形状は複雑な形態であることも多く、シート状でしなやかさと薄肉化しつつ材料の等方性を出すことができることができる、炭素繊維強化繊維織物プリプレグを積層して用いられることが多い。
このプリプレグに用いられる樹脂組成物としては、機械特性、耐熱性、プロセス上の取り扱い性に優れる熱硬化性樹脂、中でもエポキシ樹脂が広く用いられている。近年、航空機や自動車といった構造体として用いられる用途向けは、軽量化に向けて求められる機械特性はさらに高まっている。重要特性である圧縮強度や引張強度の更なる高強度化、さらには吸湿後高温環境下での物性維持も要求される。複合材料の圧縮強度の向上には、エポキシ樹脂組成物の硬化物(以下硬化物と略すことがある)の弾性率が高いこと、つまり架橋密度の向上が有効であることがわかっている。一方で、複合材料の引張強度は、基材となる炭素繊維の引張強度の向上の他、硬化物の架橋密度を低くすることも有効である。そのため、複合材料の圧縮強度と引張強度の両立は非常に難しい課題であった。
複合材料の圧縮強度と引張強度を両立させるためには、硬化物の架橋密度を低く保ちながら分子鎖間の相互作用部位を導入し、分子鎖の運動を抑制することで、弾性率を向上させることが有効と考えられる。さらに、吸湿後高温環境下での機械特性を維持させるには、分子鎖の内部を疎水的な環境とし、吸水性を下げることが効果的であり、芳香族系の剛直骨格の導入が有効である。これら効果を有する化合物として、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂が挙げられる。
また、軽量化の観点から広く用いられる、ハニカムサンドイッチ構造への適応性も重要となる。炭素繊維織物プリプレグがハニカムサンドイッチ構造に用いられる場合、ハニカムコアとプリプレグの間に接着フィルムを挟み成形する。このとき樹脂粘度が低いと、成形時の圧力により、樹脂の一部が接着フィルムと共に、ハニカムコア内に落下する現象が起こる(樹脂フロー)。その結果、プリプレグとハニカムコア界面の接着フィルム量が十分ではなく、接着不良を起こすことがある。さらに樹脂フローが起こると、プリプレグ内の樹脂量も減少するため、成形品の表面にピット(くぼみ)ができるなど、材料の品位低下にも繋がる。
特許文献1や特許文献2では、高弾性率をねらいナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂を用いた樹脂組成物が開示されている。また、特許文献3の方法では、ナフタレン型エポキシ樹脂を用いて高弾性率、高耐熱なエポキシ樹脂組成物を得ている。さらに、特許文献4の方法では、ハニカムサンドイッチ構造への適用を目的として、ナフタレン型エポキシ樹脂を含む高粘度の樹脂組成物により樹脂フローを抑制している。
特開2010−100834号公報 特開2014−167102号公報 特開2012−136568号公報 国際公開第WO2017/038880号
特許文献1や特許文献2の方法では、樹脂組成物が接着フィルムのゲル化温度域(140〜150℃)で低粘度であり、樹脂フローが発生し易く、ハニカムサンドイッチ構造への適応には制限がある場合がある。樹脂フローを抑制する手法として、140〜150℃での樹脂粘度を高くすることが考えられ、このような粘度調整にはポリエーテルスルホンなど熱可塑性樹脂の添加が一般的に用いられる。しかし、この手法では、低温域(70℃以下)での樹脂粘度も同時に上昇するため、樹脂調製後の樹脂抜き出し性(プロセス適応性)が悪化する場合がある。さらに、室温での貯蔵弾性率も増加するため、タック性が低下する場合がある。
また、特許文献3の方法では、熱可塑性樹脂の添加量が多いため、70℃での粘度、および室温での貯蔵弾性率が高くなる。そのため、プロセス適応性やタック性が低くなってしまう。また、熱可塑性樹脂の添加量を減少させた場合には、140〜150℃での樹脂粘度が低下し、樹脂フローが起こり易くなるため、ハニカムサンドイッチ構造への適用には制限があるという課題があった。
さらに、特許文献4の方法では、ナフタレン型エポキシ樹脂は70℃付近に軟化点を持つため、70℃以下の温度域では急激に増粘する。そのため、140〜150℃での樹脂粘度が高いと、同時に70℃での粘度、および室温での貯蔵弾性率が高くなり、プロセス適応性やタック性を確保することはできない場合があった。このように、ハニカム成形性(樹脂フローの抑制)とプロセス適応性・タック性を両立することは非常に困難な課題であった。
そこで本発明は、ハニカム成形性、プロセス適応性、タック性に優れ、かつ炭素繊維強化複合材料として、吸湿後高温環境下で高い圧縮強度を有するエポキシ樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題について鋭意検討し、エポキシ樹脂成分として、特定のエポキシ樹脂成分を特定範囲で混合させることにより粘弾性制御を行い、かかる課題を解決できることを明らかとし、本発明に達した。
すなわち、本発明のエポキシ樹脂組成物は、少なくとも次の構成要素[A]〜[E]を含むエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂の総量100質量部に対して構成要素[A]を10〜40質量部と、構成要素[B]を10〜30質量部を含み、さらに歪速度3.14rad/sで測定した70℃粘度が250Pa・s以下、歪速度0.05rad/sで測定した140℃粘度が2.0Pa・s以上であり、歪速度3.14rad/sで測定した30℃貯蔵弾性率が60kPa以下であるエポキシ樹脂組成物。
[A]:2つ以上のナフタレン骨格と2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂
[B]:1つのナフタレン骨格と2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂
[C]:3つ以上のエポキシ基を有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂
[D]:ポリエーテルスルホン
[E]:芳香族アミン系硬化剤
また、本発明のプリプレグは、前記エポキシ樹脂組成物を強化繊維に含浸させてなるプリプレグであり、強化繊維は織物の形態である基材でもよい。さらに、本発明の繊維強化複合材料は、前記プリプレグを硬化させてなる繊維強化複合材料である。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、粘弾性制御により優れたハニカム成形性とプロセス適応性・タック性を両立した。さらに、ナフタレン骨格の疎水性により、吸湿後高温環境下での高い圧縮強度を発現することができる。
実施例において樹脂フローがある部分のパネルの断面写真である。 実施例において樹脂フローがない部分のパネルの断面写真である。
以下、本発明のエポキシ樹脂組成物、プリプレグおよび炭素繊維強化複合材料について詳細に説明する。
本発明におけるエポキシ樹脂[A](構成要素[A]のことをエポキシ樹脂[A]ということがある)は、2つ以上のナフタレン骨格と2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂である。2つ以上のナフタレン骨格を有する分子構造を導入することで、剛性が高まり、高い樹脂弾性率や耐熱性が得られる。さらにナフタレン骨格の疎水性により、吸湿後高温環境下においても高い力学特性が維持される。
エポキシ樹脂[A]の市販品としては“エピクロン(登録商標)”HP−4770(DIC(株)製)が挙げられる。
エポキシ樹脂[A]の含有量は、エポキシ樹脂の総量100質量部に対し10〜40質量部とすることで、室温〜70℃付近でプロセス適応やタックに適正な粘弾性となる。
本発明に用いるエポキシ樹脂[B](構成要素[B]のことをエポキシ樹脂[B]ということがある)は、
1つのナフタレン骨格と2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂[B]の含有効果は以下の通りである。エポキシ樹脂[A]の軟化点は72℃であり、これが本マトリックス樹脂系の70℃粘度が高くなる要因の一つである。これに対し、エポキシ樹脂[A]に類似し、単体では低粘度となるエポキシ樹脂[B]を組み合わせると、ナフタレン骨格を有するエポキシ樹脂[A]/[B]の会合により、会合状態の規則性を崩すことで見かけの軟化点を低下させ、70℃粘度の低下を可能とすることができる。一方、140℃付近では軟化点より充分高温のため、エポキシ樹脂[B]を含有させることによる粘度への影響はほとんどないと考えられる。そのため、低温での低粘度と高温での高粘度の両立が可能となり、ハニカム成形性とプロセス適応性・タック性の両方を同時に達成できる。エポキシ樹脂[B]を含有せず、樹脂フロー抑制のために140℃以上の粘度を増加させることを目的として、ポリエーテルスルホン等の熱可塑性樹脂含有量を増加させた場合、70℃以下の粘度および貯蔵弾性率も大きく上昇するため、プロセス適応性およびタック性は大きく損なわれる。また、エポキシ樹脂[B]もエポキシ樹脂[A]と同様、疎水性のナフタレン骨格を持つため、吸湿後高温環境下での力学特性は、エポキシ樹脂[A]と同程度の高い特性を得ることができる。
[B]の市販品としては、“エピクロン(登録商標)”HP−4032、“エピクロン(登録商標)”HP−4032D、“エピクロン(登録商標)”HP−4032SS(以上DIC(株)製)等を例示できる。
エポキシ樹脂[B]の含有量は、エポキシ樹脂総量100質量部に対し10〜30質量部である。エポキシ樹脂[B]が10質量部以上含まれることで、樹脂調製後の樹脂抜き出し作業が容易(プロセス適応性が良好)であり、室温でのタック性も良好となる。30質量部以下であれば樹脂フローが起こらずハニカム成形性が良好となる。
さらに、エポキシ樹脂[B]の含有量はエポキシ樹脂[A]と[B]の総量に対して、20〜50質量%が好ましい。エポキシ樹脂[B]の含有量が20質量%以上であると、70℃以下での樹脂粘度の低下効果が大きく、50質量%以下であると140℃付近での樹脂粘度が高く維持される。
本発明に用いるエポキシ樹脂[C](構成要素[C]のことをエポキシ樹脂[C]ということがある)は、分子内に3個以上のグリシジル基を有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂である。分子内のグリシジル基は3個または4個であると複合材料の機械的特性や耐熱性のバランスが取れるため好ましい。[C]としては、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、ジアミノジフェニルエーテル、キシレンジアミン、アミノフェノールや、それらの構造異性体、ハロゲンや炭素数3以下のアルキル置換基を有する誘導体を前駆体とし、グリシジル化したものが好ましく用いられる。より具体的には、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、キシレンジアミンのグリシジル化合物、トリグリシジルアミノフェノール、テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホン、テトラグリシジルジアミノジフェニルエーテルなどが挙げられる。
エポキシ樹脂[C]の市販品としては次のものが例示される。テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンの市販品としては、“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(住友化学(株)製)や、“アラルダイト(登録商標)”MY720、“アラルダイト(登録商標)”MY721、“アラルダイト(登録商標)”MY9512、“アラルダイト(登録商標)”MY9612、“アラルダイト(登録商標)”MY9634、“アラルダイト(登録商標)”MY9663(以上ハンツマンアドバンストマテリアルズ社製)などが挙げられる。キシレンジアミンのグリシジル化合物の市販品としてはTETRAD−X(三菱瓦斯化学(株)製)が挙げられる。トリグリシジルアミノフェノールの市販品としては、p−アミノフェノールを前駆体としてもつ“アラルダイト(登録商標)”MY0500、“アラルダイト(登録商標)”MY0510(以上ハンツマンアドバンストマテリアルズ社製)や“jER(登録商標)”630(三菱化学(株)製)、m−アミノフェノールを前駆体としてもつ“アラルダイト(登録商標)”MY0600、“アラルダイト(登録商標)”MY0610(以上ハンツマンアドバンストマテリアルズ社製)などが挙げられる。テトラグリシジルジアミノジフェニルスルホンの市販品としてはTGDDS(小西化学(株)製)が挙げられる。
エポキシ樹脂[C]は、これらの中から選ばれる2種類以上の異なるエポキシ樹脂を含有させても良い。
エポキシ樹脂[C]の含有量は、機械特性を高いレベルでバランスさせるため、エポキシ樹脂の総量に対し20〜80質量部が好ましく、より好ましくは40〜80質量部である。
構成要素[D]の市販品として、 “スミカエクセル(登録商標)”PES5003P(住友化学(株)製)や、“Virantage(登録商標)”VW10700(Solvay Advanced Polymers社製)、 “スミカエクセル(登録商標)”PES7600P(住友化学(株)製)などが挙げられる。
構成要素[D]の含有量は、エポキシ樹脂組成物の総量に対して5〜10質量%であることで、ハニカム成形性とプロセス適応性・タック性に優れ、好ましい。
本発明に用いる芳香族アミン系硬化剤[E]は、耐熱性、および機械特性の観点から、分子内に1〜4個のフェニル基を有することが好ましい。芳香族アミン系硬化剤の具体例をあげると、メタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、メタキシリレンジアミン、(p−フェニレンメチレン)ジアニリンやこれらのアルキル置換体などの各種誘導体やアミノ基の位置の異なる異性体などが挙げられる。これらの硬化剤は単独もしくは2種類以上を併用することができる。中でも、組成物により耐熱性を与える面からジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホンが望ましい。
芳香族アミン系硬化剤の市販品としては、セイカキュアS(和歌山精化工業(株)製)、MDA−220(三井化学(株)製)、“jERキュア(登録商標)”(三菱化学(株)製)、および3,3’−DAS(三井化学ファイン(株)製)、“Lonzacure(登録商標)”M−DEA(Lonza(株)製)、“Lonzacure(登録商標)”M−DIPA(Lonza(株)製)、“Lonzacure(登録商標)”M−MIPA(Lonza(株)製)および“Lonzacure(登録商標)”DETDA 80(Lonza(株)製)などが挙げられる。
芳香族アミン系硬化剤[E]の添加量は、エポキシ樹脂との組み合わせにより異なる。エポキシ樹脂のエポキシ基に対する芳香族アミン系硬化剤[E]の活性水素量の比が0.6〜1.4とすることで、硬化を十分に進めるとともに、過剰な硬化剤による機械特性への悪影響を低減することができるため好ましく、より好ましくは0.65〜1.4である。
本発明のエポキシ樹脂組成物の流動性の指標として、樹脂の粘弾性測定を行う場合、樹脂流動性との相関を考慮する工程や現象に対応した歪速度での測定が重要である。特に本発明のエポキシ樹脂組成物は、長鎖の構成要素[D]を5〜10質量%含有するため、非ニュートン性が強く発現する。そのため、各工程・現象に対応した歪速度での樹脂粘弾性の議論がより重要となる。樹脂調製後の樹脂抜き出し作業に対応する歪速度は10〜10rad/s程度と考えられるため、測定歪速度を3.14rad/sに設定し、20℃から150℃まで1.5℃/分昇温での測定を行う。この方法で測定した、70℃での樹脂粘度が、250Pa・s以下であると、樹脂調製後の樹脂が抜き出しやすく樹脂収率も確保できるため、プロセス適応性が良好となる。
また、樹脂フローが起こるハニカム成形時は静置状態にあり、プリプレグの樹脂が接着フィルム上へ流れ、接着フィルムと共にハニカムコア内に落下する。この現象に対応する歪速度範囲は10−3〜10であるため、歪速度を0.05rad/sにして上記と同様の方法で測定を行う。この測定での140℃粘度が2.0Pa・s以上であると、ハニカム成形時に樹脂フローが起きず、接着良好となる。
タック性に関しては、被着体表面の微細凹凸部への接触面積が影響するため、樹脂の貯蔵弾性率が低いと接触面積が増加し、タック性が向上する。接着/剥離過程に対応する歪速度範囲は10〜10rad/s程度と考えられるため、歪速度3.14rad/sでの測定により評価した。この測定で得られた30℃での貯蔵弾性率が60kPa以下であると、プリプレグのタック性が優れ、プリプレグ/金属やプリプレグ同士の貼り付き性が良好となる。
さらに、歪速度3.14rad/sでの粘度測定で得られた、70℃と140℃の点を結んだ直線の傾きが−4.0以上−1.0以下の範囲であると、温度−粘度曲線の勾配は緩やかであり、ハニカム成形性およびプロセス適応性に優れ、好ましい。
本発明のエポキシ樹脂組成物は、炭素繊維と組み合わせて炭素繊維強化複合材料として用いることができる。炭素繊維としては、既知の炭素繊維であれば、いずれのものでも用いることができるが、ストランド引張試験におけるストランド強度が3000MPa以上7500MPa以下であり、かつ弾性率が200GPa以上450GPa以下であるものが好ましく用いられる。なお、ストランド引張試験とは、束状の炭素繊維に下記組成のマトリックス樹脂を含浸させ、130℃の温度で35分間硬化させた後、JIS R7601(1986)に基づいて行う試験をいう。
・3’,4’−エポキシシクロヘキシルメチル−3,4−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート(例えば、セロキサイド2021P、株式会社ダイセル社製):100質量部
・3フッ化ホウ素モノエチルアミン(例えば、ステラケミファ株式会社製):3質量部
・アセトン(例えば、和光純薬工業株式会社製):4質量部。
炭素繊維のフィラメント数は1000〜100000本が好ましく、より好ましくは、3000〜50000本である。炭素繊維フィラメント数が1000未満であると、プリプレグ化する際の作業が繁雑となり、100000本より多いとフィラメント間に樹脂を含浸させることが困難になり含浸不良が起きることがある。
炭素繊維の形態は、連続繊維を一方向に配列させて用いることや、平織り、朱子織、綾織などの織物の形態で用いることが好ましく、かかる炭素繊維により層を形成されるものであることが好ましい。取り扱い性や賦形性の観点からは、織物の形態であることがより好ましい。ここで連続繊維とは平均10mm以上の長さを有する繊維を示す。
本発明のエポキシ樹脂組成物を繊維強化複合材料として用いる場合、事前に繊維基材に樹脂を含浸させたプリプレグとし、それを後述の方法で成形して使用しても良い。
本発明のプリプレグとは、連続した炭素繊維を一方向に並べシート状にしたものや炭素繊維織物などの炭素繊維から成る基材にエポキシ樹脂組成物を含浸させたもの、もしくは炭素繊維基材の少なくとも片方の表面にエポキシ樹脂組成物からなる樹脂層を配置したもの、またはエポキシ樹脂組成物の一部を含浸させ、残りの部分を少なくとも片方の表面に配置したものである。含浸もしくは配置した時点でのエポキシ樹脂組成物が流動性を有することは、所定の形に成形する際に作業性が向上するため好ましい。
プリプレグは以下に説明するウェット法、ホットメルト法などにより製造することができる。ウェット法とは、強化繊維基材をエポキシ樹脂組成物と溶媒からなる溶液に浸漬した後、引き上げ、オーブン等を用いて溶媒を蒸発させる方法であり、ホットメルト法とは、加熱により低粘度化したエポキシ樹脂組成物を直接強化繊維に含浸させる方法、または一旦エポキシ樹脂組成物を離型紙やフィルム等の上にコーティングし薄膜化したものを作製しておき、次いで強化繊維からなる層の両側または片側から前記エポキシ樹脂組成物の薄膜を重ね、加熱加圧することにより強化繊維に転写しエポキシ樹脂組成物を含浸させる方法である。ホットメルト法によれば、プリプレグ中に残留する溶媒が実質上皆無となるため好ましい。
プリプレグの単位面積あたりの炭素繊維質量が70〜1000g/mであることが好ましい。かかる炭素繊維質量が70g/m未満では、炭素繊維強化複合材料成形の際に、所定の厚みを得るために積層枚数を多くする必要があり、作業が繁雑になることがある。一方で、炭素繊維質量が1000g/mを超えると、プリプレグのドレープ性が悪くなる傾向にある。また、プリプレグ中の炭素繊維含有率は、好ましくは30〜90質量%であり、より好ましくは35〜85質量%であり、さらに好ましくは40〜80質量%である。炭素繊維含有率が30質量%以上であれば、炭素繊維強化複合材料の特徴である高い比強度や比弾性率が有効に活用でき、90質量%以下であれば、均一な成形物が得やすくなるため好ましい。
繊維基材として炭素繊維織物を使用する場合、炭素繊維織物の経糸、緯糸の交絡部に生じる目隙部はプリプレグを製造した時点で5%以下であることが好ましい。織物プリプレグの裏面側から、光を当てながら織物プリプレグの表面を実体顕微鏡で写真撮影する。織糸部分は黒く、目隙部分は白く、織物の透過光パターンが撮影される。画像処理により全体の面積S1と、白い部分(目隙部分)の面積S2としたときに、S2/S1により目隙部の割合を計測することができる。
上述のプリプレグを積層した後、その積層体に圧力を付与しながら樹脂を加熱硬化させる方法等により、本発明の炭素繊維強化複合材料が作製される。ここで、熱および圧力を付与する方法には、プレス成形法、オートクレーブ成形法、バッギング成形法、ラッピングテープ法、内圧成形法等が挙げられる。ラッピングテープ法は、マンドレル等の芯金にプリプレグを捲回して、炭素繊維強化複合材料製の管状体を成形する方法であり、ゴルフシャフト、釣り竿等の棒状体を作製する際に好適な方法である。より具体的には、マンドレルにプリプレグを捲回し、プリプレグの固定および圧力付与のため、プリプレグの外側に熱可塑性樹脂フィルムからなるラッピングテープを捲回し、オーブン中で樹脂を加熱硬化させた後、芯金を抜き取って管状体を得る方法である。また、内圧成形法は、熱可塑性樹脂製のチューブ等の内圧付与体にプリプレグを捲回したプリフォームを金型中にセットし、次いで内圧付与体に高圧の気体を導入して圧力を付与すると同時に金型を加熱せしめ、成形する方法である。本方法は、ゴルフシャフト、バット、テニスやバドミントン等のラケットのような複雑形状の物を成形する際に好ましく用いられる。
本発明の炭素繊維強化複合材料をオートクレーブやオーブン内で成形する場合の硬化温度、時間としては、選択した硬化剤や硬化触媒の種類と量により最適な温度、時間が異なるが、130℃以上の耐熱性が必要な用途では、120〜220℃の温度で、0.5〜8時間かけて硬化させることが好ましい。昇温速度は、0.1〜10℃/分昇温が好ましく用いられる。昇温速度が0.1℃/分未満では、目標とする硬化温度までの到達時間が非常に長くなり作業性が低下することがある。また、昇温速度が10℃/分を超えると、気流や内部発熱の影響で強化繊維各所での温度差が生じてしまうため、均一な硬化物が得られなくなることがある。
本発明の炭素繊維強化複合材料を成形する際は、加減圧は必須ではないが、必要に応じて加減圧してもよい。加減圧することで、表面の品位向上や、内部ボイドの抑制、硬化時に接着させる金属やプラスチック、繊維強化複合材料製の部品との密着性向上などの効果が得られる場合がある。
本発明の炭素繊維強化複合材料は、航空機構造部材、風車羽根、自動車外板およびICトレイやノートパソコンの筐体(ハウジング)などのコンピューター用途さらにはゴルフシャフトやテニスラケットなどスポーツ用途に好ましく用いられる。
以下、本発明を実施例により、さらに詳細に説明する。各種物性の測定は次の方法により行った。特に断りのない限り、温度23℃、相対湿度50%の環境で測定した。
構成要素[A]
・“エピクロン(登録商標)”HP−4770(ビスナフタレン型エポキシ、DIC(株)製、エポキシ当量:205、軟化温度:72℃)。
構成要素[B]
・“エピクロン(登録商標)”HP−4032SS(ナフタレン型エポキシ、DIC(株)製、エポキシ当量:143)。
構成要素[C]
・“スミエポキシ(登録商標)”ELM434(テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、住友化学(株)製、エポキシ当量120)
・“ARALDITE(登録商標)”(登録商標)MY0510(トリグリシジル−p−アミノフェノール、ハンツマンアドバンストマテリアルズ社製、エポキシ当量:100)
・“ARALDITE(登録商標)”登録商標)MY0600(トリグリシジル−m−アミノフェノール、ハンツマンアドバンストマテリアルズ社製、エポキシ当量:105)。
構成要素[D]
・“スミカエクセル(登録商標)”PES5003P(ポリエーテルスルホン、住友化学(株)製、Tg=225℃)。
構成要素[E]
・3,3’−DAS(3,3’−ジアミノジフェニルスルホン、三井化学ファイン(株)製、活性水素当量:62)
・セイカキュアS(4,4’−ジアミノジフェニルスルホン、和歌山精化工業(株)製、活性水素当量:62)。
その他のエポキシ樹脂
・“jER(登録商標)”825(ビスフェノールA型エポキシ、三菱化学(株)製、エポキシ当量:175)。
(1)エポキシ樹脂組成物の調製、およびプロセス適応性評価
ニーダー中に、構成要素[A]のエポキシ樹脂、構成要素[B]のエポキシ樹脂、構成要素[C]のエポキシ樹脂、構成要素[D]のポリエーテルスルホンを加熱しつつ混練し、構成要素[D]を溶解させ透明な粘稠液を得た。この液に、構成要素[E]の硬化剤を添加混練し、エポキシ樹脂組成物を得た。ニーダーを横にして樹脂を抜き出す際に、ニーダー内部の壁や混練用の羽に樹脂が一部付着したままとなる。全エポキシ樹脂組成物の仕込量に対して、抜き出した樹脂量が90質量%以上である場合、樹脂収率が良好であるためプロセス適応性について合格とした。各実施例、比較例の成分含有比は表1〜3に示すとおりであった。
(2)エポキシ樹脂組成物の粘弾性測定
エポキシ樹脂組成物の粘弾性は、動的粘弾性装置ARES−G2(ティー・エイ・インスツルメント社製)を用いて測定した。上下部測定冶具に直径40mmの平板のパラレルプレートを用い、上部と下部の冶具間距離が1mmとなるように該エポキシ樹脂組成物をセット後、歪速度3.14rad/sで測定した。20℃から150℃まで速度1.5℃/分で昇温し、70℃の粘度および30℃の貯蔵弾性率を読み取った。さらに、測定して得られた粘度−温度曲線において、70℃と140℃の点を結んだ直線の傾きを算出した。
また、上記方法にて歪速度を0.05rad/sにて測定を行い、140℃での粘度を読み取った。
(3)樹脂硬化物の作製方法
未硬化の樹脂組成物を真空中で脱泡した後、2mm厚の“テフロン(登録商標)”製のスペーサーを用い、厚み2mmになるよう設定したモールド中で、180℃の温度で2時間硬化させ、樹脂硬化物を得た。
(4)樹脂硬化物の曲げ試験
上記(3)で得られた厚み2mmの樹脂硬化物を幅10±0.1mm、長さ60±1mmでカットし、試験片を得た。インストロン万能試験機(インストロン社製)を用いJIS−K7171(1994)に従い、スパン32mmの3点曲げを実施し、弾性率を測定した。測定数はN=6とし、その平均値を求めた。
(5)吸湿後樹脂硬化物の121℃での曲げ試験
上記(4)に示す寸法に作成した試験片を98℃の恒温槽に20時間浸漬後、(4)に示すインストロン万能試験機(インストロン社製)に設置した恒温槽を121℃に設定し、3分間槽内の環境に保持した後、(4)と同様の測定条件で弾性率を測定した。このときの弾性率が2.9GPa以上であると、繊維強化複合材料として高い圧縮強度を有するため、合格とした。
(6)樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)
上記(3)で得られた厚み2mmの樹脂硬化物を幅12.7±0.1mm、長さ45±1mmでカットし、試験片を得た。この試験片を動的粘弾性装置ARES−G2を用い、昇温速度5℃/minで昇温し、歪速度6.28rad/sのねじりモードで貯蔵弾性率の測定を行った。このときの貯蔵弾性率のオンセット温度をTgとした。
(7)吸湿後樹脂硬化物のガラス転移温度(Tg)
上記(6)と同様の大きさにカットして得られた樹脂硬化物の試験片を、98℃の高温槽に48時間浸漬後、(6)と同様の測定条件でTgを算出した。
(8)織物プリプレグの作製
上記(1)で調製したエポキシ樹脂組成物を離型紙上にコーティングし、所定の樹脂目付の樹脂フィルムを作製した。この樹脂フィルムをプリプレグ作製機にセットし、強化繊維織物の両面から重ね、加熱加圧して熱硬化性樹脂組成物を含浸させ、繊維目付193g/m、樹脂含有率が38質量%の織物プリプレグを作製した。なお、強化繊維織物は“トレカ(登録商標)”T400H−3K(繊維数3000本、引張強度4410MPa、引張弾性率250MPa、引張伸度1.8%)からなる平織織物を用いた。
(9)織物プリプレグのタック測定、およびタック性評価
タックテスター(ピクマ製)を用い、上記(8)で作製した織物プリプレグのタック測定を行った。ステンレス製の押付治具(400g)を30mm/minの速度で押付け、50秒間保持し、30mm/minで引き剥がしたときに、押付治具にかかった最大荷重を読み取った。この方法にて測定した値が9.8N以上であると、プリプレグ/金属の貼り付き性が良好であるため、タック性について合格とした。
(10)ハニカムサンドイッチパネルの作製、およびハニカム成形性評価
織物プリプレグの経糸方向を揃え12枚(ハニカムコアの上部)及び4枚(ハニカムコアの下部)をそれぞれ積層し、接着フィルム(FM300K、Cytec社製)を用いてハニカムコア(HRH−10−1/8−3.0、Hexcel社製)の上下にプリプレグを接着させ、オートクレーブ中で温度180℃、圧力3.0MPaで2時間加熱加圧して硬化し、横18cm×縦23cmのハニカムサンドイッチパネルを作製した。この方法にて作製したハニカムサンドイッチパネルをカットし、パネルの断面を目視確認した。図1に樹脂フローのある部分を、図2に樹脂フローのない部分を示す。断面のハニカムコアのセルを20箇所確認し、樹脂フローが見られなかったものを、ハニカム成形性について合格とした。
<実施例1〜11>
実施例1〜11では、表1、2に記載の構成要素[A]、[B]、[C]、[D]、[E]を用い、上記(1)に記載の方法で樹脂調製し、70℃での樹脂抜き出し作業を行った結果、全エポキシ樹脂組成物の仕込量に対して、90質量%以上の高い樹脂収率が得られた。また、吸湿後樹脂硬化物について、上記(4)に記載の方法で121℃の弾性率を測定した結果、いずれも優れた値を示した。タック性については、上記(9)に記載の方法でタック測定を行った結果、いずれも9.8N以上であり、優れたタック性を示すことを確認した。さらに上記(10)に記載の方法で、ハニカムサンドイッチパネルを作製した結果、樹脂フローがなく優れたハニカム成形性であることを確認した。実施例1から4では、構成要素[A]の含有量が10質量部から40質量部となることで、吸湿後樹脂硬化物の121℃での弾性率が増加し、好ましい傾向を示した。実施例1、5、6、および4、7では、構成要素[B]の含有量が増加し構成要素[C]の含有量が減少することで、樹脂硬化物の弾性率およびガラス転移温度が低下する傾向を示したが、いずれも優れた値であった。実施例1、8、9では、構成要素[C]を低エポキシ当量のエポキシ樹脂に置き換えることで、樹脂硬化物の弾性率が増加し、優れた値を示した。実施例1、10、11では、構成要素[D]が8質量部から16質量部となることで、弾性率、樹脂硬化物のガラス転移温度は下がる傾向を示したが、いずれも優れた値であった。実施例1と12では、構成要素[E]を4,4’−ジアミノジフェニルスルホンに置き換えることで、樹脂硬化物の弾性率が低下しガラス転移温度が向上したが、いずれも優れた特性を示した。
<比較例1〜8>
表3に示すとおり、比較例2では、構成要素[A]を含まないため、実施例1と比べて140℃粘度が低下し、ハニカム成形性が悪化した。また、吸湿後樹脂硬化物の121℃での弾性率も低下した。比較例3は構成要素[A]を45質量部含むことで、実施例1対比70℃粘度および30℃貯蔵弾性率が増加し、プロセス適応性やタック性が低下した。比較例1、4のように構成要素[B]を含まない場合、実施例1に比べて70℃粘度および30℃貯蔵弾性率が増加し、プロセス適応性およびタック性が低下した。また、比較例4は吸湿後樹脂硬化物の121℃での弾性率も低下し、好ましくない結果であった。比較例5は構成要素[B]を35質量部含むことで、実施例1、5、6対比140℃粘度が低下し、ハニカム成形性が悪化した。また、実施例1、5、6および比較例5から、構成要素[B]の含有量が増加することで、樹脂硬化物の弾性率およびガラス転移温度が低下する傾向が見られた。比較例6のように構成要素[C]を含まない場合、実施例7対比70℃粘度および30℃貯蔵弾性率が急増したため、プロセス適応性、タック性について好ましくない結果となった。比較例7のように構成要素[D]を含まない場合、実施例1対比140℃粘度が著しく低下しハニカム成形性が悪化した。比較例8では、実施例1の構成要素[B]の代わりに、構成要素[F]を用いた結果、吸湿後樹脂硬化物の121℃での弾性率が低く、好ましくない結果であった。

Claims (10)

  1. 少なくとも次の構成要素[A]〜[E]を含むエポキシ樹脂組成物であって、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ樹脂の総量100質量部に対して構成要素[A]を10〜40質量部と、構成要素[B]を10〜30質量部を含み、さらに歪速度3.14rad/sで測定した70℃粘度が250Pa・s以下、歪速度0.05rad/sで測定した140℃粘度が2.0Pa・s以上であり、歪速度3.14rad/sで測定した30℃貯蔵弾性率が60kPa以下であるエポキシ樹脂組成物。
    [A]:2つ以上のナフタレン骨格と2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂
    [B]:1つのナフタレン骨格と2つのエポキシ基を有するエポキシ樹脂
    [C]:3つ以上のエポキシ基を有するグリシジルアミン型エポキシ樹脂
    [D]:ポリエーテルスルホン
    [E]:芳香族アミン系硬化剤
  2. 構成要素[B]の含有量が、構成要素[A]と[B]の総量に対して、20〜50質量%である、請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物。
  3. 180℃2時間で硬化させた後、98℃の熱水中に48時間浸漬した樹脂硬化物のガラス転移温度が160℃以上である、請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物。
  4. 構成要素[D]の含有量が、エポキシ樹脂組成物の総量に対して、5〜10質量%である、請求項1〜3のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  5. 昇温速度1.5℃/min、歪速度3.14rad/sで粘度測定を行った粘度−温度曲線において、70℃と140℃の点を結んだ直線の傾きが−4.0以上−1.0以下である、請求項1〜4のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物を炭素繊維に含浸させてなるプリプレグ。
  7. 炭素繊維が織物の形態である請求項6に記載のプリプレグ。
  8. 請求項1〜5のいずれかに記載のエポキシ樹脂組成物の硬化物および炭素繊維を含む炭素繊維強化複合材料。
  9. 炭素繊維が織物の形態である請求項8に記載の炭素繊維強化複合材料。
  10. 請求項6または7に記載のプリプレグを硬化させてなる炭素繊維強化複合材料。
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