以下、図面を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、図中、同一または相当部分については同一の参照符号を付して説明を繰り返さない。
まず、図1を参照して、本実施形態の搬送装置100を備える画像形成装置200の構成を説明する。図1は、搬送装置100を備える画像形成装置200の模式図である。搬送装置100は、搬送対象物としてシートSを搬送する。画像形成装置200は、シートSに画像を形成する。画像形成装置200は、例えば、プリンター、コピー機または複合機である。画像形成装置200は、ファクシミリ機能を有してもよい。ここでは、画像形成装置200は電子写真方式である。
搬送装置100は、搬送ローラー110と、制御部120と、予測部130とを備える。搬送ローラー110は、シートSを搬送する。搬送ローラー110は、設定された搬送パラメーターにしたがってシートSを搬送する。
搬送ローラー110は、回転ローラーを含む。回転ローラーは、回転軸を中心に回転する。典型的には、搬送ローラー110は、一対の回転ローラーを含む。一対の回転ローラーは、互いに対向して回転軸を中心に回転する。一例では、一対の回転ローラーのうちの一方は他方に従動して回転する。シートSは、回転する一対の回転ローラーの間に進入し、回転ローラーによって付勢されて回転ローラーから押し出される。
搬送装置100は、搬送ローラー110を複数含む。搬送装置100において、複数の搬送ローラー110によってシートSの搬送路が形成される。例えば、シートSは、普通紙、再生紙、薄紙、厚紙、コート紙またはOHP(Overhead Projector)シートである。
制御部120は、搬送ローラー110を制御する。例えば、制御部120は、搬送ローラー110の回転するタイミングおよび回転数を制御する。また、制御部120は、シートSの搬送速度、および、連続して搬送されるシートSの間隔を制御する。
制御部120は、演算素子を含む。演算素子は、プロセッサーを含む。一例では、プロセッサーは、中央処理演算機(CPU)を含む。プロセッサーは、特定用途集積回路(ASIC)を含んでもよい。
予測部130は、搬送ローラー110の測定結果を予測する。例えば、予測部130は、搬送ローラー110の直径を直接的に測定することなく、搬送ローラー110の直径を予測する。
あるいは、予測部130は、シートSの搬送結果を予測する。例えば、予測部130は、搬送されるシートSの遅延率およびシートSの遅延時間の少なくとも一方を予測する。
搬送装置100は、記憶部122をさらに備える。記憶部122は、記憶素子を含む。記憶部122は、半導体メモリーのようなメモリーを備えてもよい。記憶部122は、半導体メモリーのような主記憶素子と、半導体メモリーおよび/またはハードディスクドライブのような補助記憶素子とを含む。記憶部122は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
記憶部122は、種々のデータを記憶する。例えば、記憶部122は、制御プログラムを記憶する。制御部120は、制御プログラムを実行することによって、搬送装置100の動作を制御する。詳細には、制御部120のプロセッサーは、記憶部122の記憶素子の記憶しているコンピュータープログラムを実行して、搬送装置100の各構成を制御する。例えば、予測部130は、制御部120がコンピュータープログラムを実行することによって具現化される。
例えば、コンピュータープログラムは、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体に記憶される。非一時的コンピューター読取可能記憶媒体は、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)、CD-ROM、磁気テープ、磁気ディスクまたは光データ記憶装置を含む。
記憶部122は、搬送装置100における搬送パラメーターの過去の設定を記憶する。例えば、搬送パラメーターは、少なくとも、搬送装置100内の温度、シートSの搬送速度、シートSの種類、および、シートSの搬送回数についての過去の設定を含む。また、搬送パラメーターは、シートSの硬さ、および、シートSに対する搬送ローラー110の圧力についての過去の設定をさらに含んでもよい。
記憶部122には、搬送パラメーターの過去の設定と、搬送パラメーターの過去の設定に対応する搬送ローラー110の測定結果とが記憶されてもよい。搬送ローラー110は、搬送装置100の駆動時に搬送装置100の内部に配置された測定部材で測定されてもよい。あるいは、搬送ローラー110は、搬送装置100の停止時に外部の測定部材で測定されてもよい。
例えば、記憶部122には、搬送パラメーターの過去の設定とともに、搬送パラメーターの過去の設定に対応した搬送ローラー110の直径の測定結果が記憶される。搬送ローラー110の直径は、搬送装置100の駆動を中断した上で、定期的に測定されてもよい。または、搬送ローラー110の直径は、搬送装置100または画像形成装置200の不具合発生時に測定されてもよい。あるいは、搬送ローラー110の直径は、搬送装置100または画像形成装置200のユニット交換時に測定されてもよい。
記憶部122には、搬送パラメーターの過去の設定と、搬送パラメーターの過去の設定に対応する搬送ローラー110によるシートSの搬送結果が記憶されてもよい。例えば、記憶部122には、搬送パラメーターの過去の設定とともに、搬送パラメーターの過去の設定に対応した、シートSの遅延率および遅延時間が記憶されてもよい。
例えば、予測部130は、記憶部122に記憶されたデータに基づいて、搬送ローラー110の測定結果またはシートSの搬送結果を予測する。具体的には、予測部130は、記憶部122に記憶された搬送パラメーターの過去の設定、搬送パラメーターの過去の設定に対応する搬送ローラー110の測定結果またはシートSの搬送結果に基づいて、搬送ローラー110がシートSを搬送するための搬送パラメーターの現在の設定から、搬送ローラー110の測定結果またはシートSの搬送結果を予測する。
搬送装置100は、温度測定部140をさらに備える。温度測定部140は、搬送装置100内の温度を測定する。例えば、温度測定部140は、サーミスターを含む。サーミスターは、電気抵抗の変化によって温度を検知する。
搬送装置100は、センサー142をさらに備える。センサー142は、搬送ローラー110によって搬送されるシートSを検知する。
例えば、予測部130は、搬送ローラー110の寿命を予測する。予測部130は、搬送ローラー110の寿命を直接的に予測してもよい。あるいは、予測部130は、搬送ローラー110の寿命を間接的に予測してもよい。
例えば、搬送装置100の温度、搬送速度、平滑度、硬さ、搬送枚数および圧力は、搬送ローラー110の寿命に大きく影響する。搬送ローラー110は、大きく摩耗すると、搬送ローラー110による搬送対象物の搬送に不具合が生じ、搬送ローラー110は寿命を迎える。搬送ローラー110の摩耗の程度が、温度、搬送速度、平滑度、硬さ、搬送枚数および圧力に応じて、変化するためである。典型的には、搬送装置100に装着時に搬送ローラー110の直径が30mmであった場合、搬送ローラー110が、直径が29.5mmにまで摩耗すると、搬送対象物の搬送に不具合が生じることがある。
具体的には、搬送装置100の温度が低いほど、搬送ローラー110に起因する不具体が発生しやすい。温度が低いと、搬送ローラー110が硬くなり、搬送ローラー110に対するシートSの摩擦が大きくなるためである。
また、シートSの搬送速度が速いほど、搬送ローラー110に起因する不具体が発生しやすい。搬送速度が速いと、搬送ローラー110に対するシートSの摩耗しやすくなるためである。
典型的には、画像形成装置200におけるシートの搬送速度は、ユーザーの印刷設定に応じて設定される。例えば、普通紙印刷モードにおいて搬送速度は400mm/sに設定され、厚紙印刷モードにおいて搬送速度は普通紙印刷モードの半分の200mm/sに設定される。この場合、普通紙印刷モードは、厚紙印刷モードよりも摩耗しやすい。
また、シートSが滑りやすいほど、搬送ローラー110に起因する不具体が発生しやすい。シートSの平滑度が高い場合、搬送ローラー110は摩耗しやすいためである。
また、シートSが硬いほど、搬送ローラー110に起因する不具体が発生しやすい。シートSが硬い場合、搬送ローラー110は摩耗しやすいためである。
また、シートSの搬送枚数が多いほど、搬送ローラー110に起因する不具体が発生しやすい。シートSの搬送枚数が多い場合、搬送ローラー110は摩耗しやすいためである。
また、シートSに対する搬送ローラー110の圧力が高いほど、搬送ローラー110に起因する不具体が発生しやすい。シートSに対する搬送ローラー110の圧力が高い場合、搬送ローラー110は摩耗しやすいためである。なお、典型的には、同じ搬送装置100において、シートSに対する搬送ローラー110の圧力の設定は変更されない。シートSに対する搬送ローラー110の圧力は、異なるモデルの搬送装置および/または画像形成装置ごとに異なる。
上述したように、予測部130は、搬送ローラー110の直径を予測してもよい。あるいは、予測部130は、搬送ローラー110によるシートSの遅延率および遅延時間を予測してもよい。
画像形成装置200は、搬送装置100に加えて、給送部210と、画像形成部220と、装置制御部230とを備える。給送部210は、シートSを収容し、シートSを給送する。画像形成部220は、搬送装置100によって搬送されるシートSに画像を形成する。装置制御部230は、給送部210および画像形成部220を制御する。
給送部210は、カセット212と、給送ローラー214とを備える。カセット212は、複数枚のシートSを収容する。給送ローラー214は、カセット212に収容されたシートSを給送する。給送ローラー214は、カセット212に収容された複数枚のシートSのうち最上面に位置するシートSを1枚ずつ給送する。ここでは、給送部210は、複数のカセット212を備え、複数のカセット212ごとに給送ローラー214が設置されている。
搬送装置100は、画像形成部220にシートSを搬送する。詳細には、搬送装置100は、給送部210によって給送されたシートSを1枚ずつ画像形成部220に供給する。
搬送装置100は、画像形成部220を経由して、給送部210から排出部までシートSを搬送する。シートSは、給送部210から、搬送装置100を介して画像形成部220を経由して排出される。
センサー142は、第1センサー142aおよび第2センサー142bを含む。第1センサー142aは、給送ローラー214の下流に位置する。また、第1センサー142aは、最上流の搬送ローラー110の下流に位置する。第2センサー142bは、複数の搬送ローラー110のうちの画像形成部220の直前の搬送ローラー110の上流に位置する。
第1センサー142aは、シートSを検知する。第1センサー142aは、給送ローラー214によって給送されたシートSを検知する。第1センサー142aは、搬送されるシートSの先端が第1センサー142aの検出位置に達すると、シートSを検出する。第1センサー142aは、シートSと接触することなくシートSを検知してもよい。例えば、第1センサー142aはフォトセンサーを含む。あるいは、第1センサー142aは、シートSと接触または衝突してシートSを検知してもよい。例えば、第1センサー142aはアクチュエーターを含む。
第2センサー142bは、シートSを検知する。第2センサー142bは、搬送ローラー110によって搬送されたシートSを検知する。第2センサー142bは、搬送されるシートSの先端が第2センサー142bの検出位置に達すると、シートSを検出する。第2センサー142bは、シートSと接触することなくシートSを検知してもよい。例えば、第2センサー142bはフォトセンサーを含む。あるいは、第2センサー142bは、シートSと接触または衝突してシートSを検知してもよい。例えば、第2センサー142bは、アクチュエーターを含む。
搬送ローラー110は、レジストローラー110rを含む。レジストローラー110rは、第2センサー142bの下流に位置する。レジストローラー110rは、画像形成部220にシートSを搬送するタイミングを調整する。レジストローラー110rは、シートSの搬送を一旦停止し、画像形成部220の所定のタイミングに合わせて画像形成部220にシートSを搬送する。
トナーコンテナCa~Cdは画像形成装置200に装着される。トナーコンテナCa~Cdの各々は画像形成装置200に対して着脱自在である。トナーコンテナCa~Cdのそれぞれには異なる色のトナーが収容される。トナーコンテナCa~Cdのトナーは画像形成部220に供給される。画像形成部220は、トナーコンテナCa~Cdから供給されたトナーを用いて画像を形成する。
例えば、トナーコンテナCaは、イエロー色のトナーを収容し、画像形成部220にイエロー色のトナーを供給する。トナーコンテナCbは、マゼンタ色のトナーを収容し、画像形成部220にマゼンタ色のトナーを供給する。トナーコンテナCcは、シアン色のトナーを収容し、画像形成部220にシアン色のトナーを供給する。トナーコンテナCdは、ブラック色のトナーを収容し、画像形成部220にブラック色のトナーを供給する。
画像形成部220は、トナーコンテナCa~Cdに収容されたトナーを用いて、画像データに基づく画像をシートSに形成する。ここでは、画像形成部220は、露光部221、感光体ドラム222a、帯電部222b、現像部222c、1次転写ローラー222d、クリーニング部222e、中間転写ベルト223、2次転写ローラー224、および、定着部225を含む。
感光体ドラム222a、帯電部222b、現像部222c、1次転写ローラー222dおよびクリーニング部222eは、トナーコンテナCa~Cdのそれぞれに対応して設けられる。複数の感光体ドラム222aは、中間転写ベルト223の外表面に当接し、中間転写ベルト223の回転方向に沿って配置される。複数の1次転写ローラー222dは、複数の感光体ドラム222aに対応して設けられる。複数の1次転写ローラー222dは、中間転写ベルト223を介して、複数の感光体ドラム222aに対向する。
帯電部222bは感光体ドラム222aの周面を帯電する。露光部221は、画像データに基づく光を感光体ドラム222aの各々に照射し、感光体ドラム222aの周面には静電潜像が形成される。現像部222cは、静電潜像にトナーを付着させて静電潜像を現像し、感光体ドラム222aの周面にトナー像を形成する。したがって、感光体ドラム222aはトナー像を担持する。1次転写ローラー222dは、感光体ドラム222aに形成されたトナー像を中間転写ベルト223の外表面に転写する。クリーニング部222eは、感光体ドラム222aの周面に残留しているトナーを除去する。
トナーコンテナCaに対応する感光体ドラム222aは、静電潜像に基づきイエロー色のトナー像を形成し、トナーコンテナCbに対応する感光体ドラム222aは、静電潜像に基づきマゼンタ色のトナー像を形成する。トナーコンテナCcに対応する感光体ドラム222aは、静電潜像に基づきシアン色のトナー像を形成し、トナーコンテナCdに対応する感光体ドラム222aは、静電潜像に基づきブラック色のトナー像を形成する。
中間転写ベルト223の外表面には、感光体ドラム222aから複数色のトナー像が重畳して転写され、画像が形成される。このため、中間転写ベルト223は、画像を担持する。2次転写ローラー224は、中間転写ベルト223の外表面に形成された画像をシートSに転写する。
定着部225は、トナー像が転写されたシートSを加熱および加圧することによって、トナー像をシートSに定着させる。定着部225は、加熱ローラー225aおよび加圧ローラー225bを備える。加熱ローラー225aおよび加圧ローラー225bは互いに対向して配置され、定着ニップを形成する。中間転写ベルト223と2次転写ローラー224との間を通過したシートSは、定着ニップを通過することにより所定の定着温度で加熱されながら、加圧される。この結果、トナー像がシートSに定着する。
搬送装置100は、画像形成部220によって画像の形成されたシートSを画像形成装置200の外部に排出する。
装置制御部230は、画像形成装置200の動作を制御する。詳細には、装置制御部230は、給送部210と、画像形成部220と、装置記憶部232とを制御する。
装置制御部230は、演算素子を含む。演算素子は、プロセッサーを含む。一例では、プロセッサーは、中央処理演算機(Central Processing Unit:CPU)を含む。プロセッサーは、特定用途集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)を含んでもよい。
装置記憶部232は、記憶素子を含む。装置記憶部232は、半導体メモリーのようなメモリーを備えてもよい。装置記憶部232は、半導体メモリーのような主記憶素子と、半導体メモリーおよび/またはハードディスクドライブのような補助記憶素子とを含む。装置記憶部232は、リムーバブルメディアを含んでいてもよい。
装置制御部230は、装置記憶部232に情報を記憶する。また、装置制御部230は、装置記憶部232から情報を読み出す。
装置記憶部232は、種々のデータを記憶する。例えば、装置記憶部232は、制御プログラムを記憶する。装置制御部230は、制御プログラムを実行することによって、画像形成装置200の動作を制御する。詳細には、装置制御部230のプロセッサーは、装置記憶部232の記憶素子の記憶しているコンピュータープログラムを実行して、画像形成装置200の各構成(例えば、給送部210および画像形成部220)を制御する。
例えば、コンピュータープログラムは、非一時的コンピューター読取可能記憶媒体に記憶される。非一時的コンピューター読取可能記憶媒体は、ROM、RAM、CD-ROM、磁気テープ、磁気ディスクまたは光データ記憶装置を含む。
画像形成装置200は、表示部240をさらに備えてもよい。表示部240は、種々の画像を表示可能である。表示部240は、液晶ディスプレーを含んでもよい。
画像形成装置200は、入力部250をさらに備えてもよい。入力部250には、ユーザーからの操作が入力される。入力部250は、表示部240と一体的に設けられてもよい。入力部250は、タッチパネルを含む。タッチパネルは、ユーザーの接触を検知することによってユーザーからの入力操作を受け付ける。
入力部250には、シートSを搬送するための搬送パラメーターの設定が入力される。一例では、表示部240には、デフォルトの搬送パラメーターの設定が表示され、ユーザーが入力部250に搬送パラメーターの設定を変更するよう入力することにより、搬送パラメーターの設定が入力される。あるいは、ユーザーが搬送パラメーターの設定を変更せずに、印刷開始ボタンをスタートすることにより、入力部250を介してデフォルトの搬送パラメーターの設定が入力されてもよい。
例えば、入力部250には、シートSの種類を示す情報が入力される。あるいは、入力部250には、シートSの搬送枚数を示す情報が入力される。
画像形成装置200は、音声出力部252をさらに備えてもよい。音声出力部252は、装置制御部230の制御により、ユーザーに音声を出力する。
また、画像形成装置200は、通信部254をさらに備えてもよい。通信部254は、外部サーバーに情報またはデータを送信し、外部サーバーからの情報またはデータを受信する。例えば、通信部254は、記憶部122に記憶されたデータを外部サーバーに送信し、外部サーバーの処理結果を受信してもよい。
画像形成装置200は、読取装置260をさらに備えてもよい。読取装置260は、原稿搬送部262と、読取部264とを含む。原稿搬送部262には、原稿Rが載置される。原稿搬送部262は、原稿Rを読取部264に搬送する。読取部264は、原稿Rに形成された原稿画像を読み取って、原稿画像を示す画像データを生成する。装置制御部230は、読取部264から原稿画像を示す画像データを取得し、装置記憶部232に記憶させる。
装置制御部230は、制御部120と一体的に構成されてもよい。例えば、装置制御部230は、制御部120を含んでもよい。
また、装置記憶部232は、記憶部122と一体的に構成されてもよい。例えば、装置記憶部232は、記憶部122を含んでもよい。
次に、図1および図2を参照して、搬送装置100の構成を説明する。図2は、本実施形態の搬送装置100のブロック図である。
制御部120は、搬送ローラー110を制御する。搬送ローラー110は、制御部120からの信号に基づき、所定のタイミングで回転を開始してシートSを搬送する。また、搬送ローラー110は、制御部120からの信号に基づき、所定の回転速度で回転して所定の搬送速度でシートSを搬送する。
制御部120は、温度測定部140を制御する。温度測定部140は、搬送装置100内の温度を測定する。温度測定部140によって測定された測定結果は、記憶部122に記憶される。制御部120は、温度測定部140の測定結果を常時モニターしてもよく、または、定期的にモニターしてもよい。
制御部120は、センサー142を制御する。センサー142は、搬送中のシートSを検知すると、制御部120に検知信号を送信する。制御部120は、センサー142の検知結果に基づいて、シートSの有無、シートSの搬送速度およびシートSの搬送枚数のいずれかを検知する。
記憶部122は、搬送パラメーターについての過去の設定を記憶する。搬送パラメーターは、温度測定部140によって測定された温度、シートSの搬送速度、シートSの種類、および、搬送ローラー110によるシートSの搬送回数を含む。また、搬送パラメーターは、シートSの硬さ、および、シートSに対する搬送ローラー110の圧力をさらに含んでもよい。
予測部130は、記憶部122に記憶された搬送パラメーターの過去の設定を教師データとして用いる。予測部130は、搬送パラメーターの過去の設定から、機械学習処理によって測定結果または搬送結果を予測する。
次に、図1~図3を参照して予測部130による予測方法を説明する。図3は、搬送パラメーターの過去の設定と結果とを含む教師データから、搬送パラメーターの現在の設定に対する結果を予測することを説明するための模式的なテーブルである。ここでは、結果は、搬送ローラー110aの測定結果またはシートSの搬送結果を示す。また、ここでは、搬送パラメーターは、パラメーター1、パラメーター2およびパラメーター3である。
例えば、図3の教師データは、パラメーター1、パラメーター2およびパラメーター3の値がそれぞれX1a、X2aおよびX3aであったときに結果がYaであったことを示している。また、パラメーター1、パラメーター2およびパラメーター3の値がそれぞれX1b、X2bおよびX3bであったときに結果がYbであったことを示している。さらに、パラメーター1、パラメーター2およびパラメーター3の値がそれぞれX1c、X2cおよびX3cであったときに結果がYcであったことを示している。
本実施形態の搬送装置100において、予測部130は、パラメーター1、パラメーター2およびパラメーター3の現在の設定値がそれぞれX1r、X2rおよびX3rである場合の結果Yrを予測する。予測部130は、典型的には、教師データに、パラメーター1、パラメーター2およびパラメーター3の値の組み合わせがX1r、X2rおよびX3rであるときの結果がなかった場合でも、過去の教師データに基づいて、パラメーター1、パラメーター2およびパラメーター3の値がそれぞれX1r、X2rおよびX3rである場合の結果Yrを予測する。
本実施形態の搬送装置100において、予測部130は、搬送パラメーターの値X1r、X2rおよびX3rから結果Yrを予測するために予測式を導出することが好ましい。予測式は、結果Ya~Ycに対応する搬送パラメーターの値X1a~X3a、X1b~X3b、X1c~X3cから導出できる。この場合、搬送パラメーターの値X1a~X3a、X1b~X3b、X1c~X3cおよび結果Ya~Ycは、教師データとして用いられる。例えば、予測部130は、搬送パラメーターの値X1a~X3a、X1b~X3b、X1c~X3cおよび結果Ya~Ycを教師データとして用いて機械学習処理によって予測式を導出してもよい。
なお、図3では、教師データとしての搬送パラメーターは3つであったが、本実施形態はこれに限定されない。教師データとして4以上の搬送パラメーターを用いることが好ましい。また、搬送パラメーターは、結果と関連性の強い項目であることが好ましい。例えば、搬送パラメーターは、温度、搬送速度、平滑度、硬さ、搬送枚数および圧力の少なくとも1つを含むことが好ましい。
また、図3では、教師データのデータ数は3つであったが、本実施形態はこれに限定されない。教師データのデータ数は、4以上であってもよい。例えば、教師データのデータ数は、10以上であってもよく、100以上であってもよく、1000以上であってもよい。
なお、教師データのデータ数が多い場合、教師データを学習データとテストデータに分離して予測式を導出してもよい。学習データは、予測式の推定に用いられ、テストデータは、推定した予想式の検証に用いられる。また、教師データのデータ数が多い場合、学習データおよびテストデータは教師データからランダムに分離されてもよい。
また、教師データまたは学習データを用いて機械学習処理を行う場合、教師データまたは学習データは正規化されることが好ましい。例えば、正規化処理は、Z-scoreを用いて行われる。
制御部120は、予測部130の予測結果に基づいてユーザーに警告してもよい。例えば、結果Yrが当初の予想と大きく異なる場合、制御部120は、予測部130の予測結果に基づいてユーザーに警告してもよい。一例では、制御部120は、表示部240が搬送ローラー110の寿命を長くするために必要な変更を促す画面を表示するように表示部240を制御する。この場合、表示部240は、複数の搬送パラメーターのうちユーザーによって変更可能な搬送パラメーターに関連する情報を示す画面を表示する。
例えば、表示部240は、画像形成装置200内の温度の変更を促す情報を表示する。一例では、表示部240によって表示される警告は、画像形成装置200の設置された空間の空調の変更要請および/または画像形成装置200の設置場所の移動要請を含んでもよい。
あるいは、表示部240は、シートSの種類の変更を促す情報を表示する。一例では、表示部240によって表示される警告は、シートSの変更要請を含んでもよい。
また、制御部120は、音声出力部252が搬送ローラー110の寿命を長くするために必要な変更を促す情報を音声で警告するように音声出力部252を制御する。例えば、音声出力部252は、画像形成装置200内の温度の変更を促す情報を音声で警告する。あるいは、音声出力部252は、シートSの種類の変更を促す情報を音声で警告する。
また、制御部120は、通信部254を介してユーザーの情報処理端末(図示せず)に警告を示す情報を送信してもよい。あるいは、制御部120は、通信部254を介して警告を示す情報を画像形成装置200の管理者または管理会社に送信してもよい。
制御部120は、予測部130によって前に予測した結果と、予測部130によって今回予測した結果とを比較し、比較した結果に基づいてユーザーに警告してもよい。例えば、制御部120は、予測部130によって今回予測した結果が予測部130によって前に予測した結果と大きく異なる場合、ユーザーに警告してもよい。一例では、搬送枚数に対して、予測部130によって今回の予測結果が以前の予測結果と大きく異なる場合、制御部120は、ユーザーに警告するように表示部240および/または音声出力部252を制御する。
制御部120は、複数の搬送パラメーターのうち、過去の設定とは大きく異なる設定の搬送パラメーターについて警告してもよい。例えば、直前にシートSの種類が変更された結果、予測結果が大きく変化した場合、制御部120は、シートSの種類を元に戻すようにユーザーに警告してもよい。また、画像形成装置200はメディアセンサーによってシートSの種類を検知し、予測結果が大きく変化した場合、制御部120は、シートSの種類を元に戻すようにユーザーに警告してもよい。
上述したように、警告は、このままでは寿命が短くなる可能性があることをユーザーに伝える。ユーザーは、警告に基づいて寿命が長くなるように環境および/またはシートSの種類を変更すべきか否かを判断できる。例えば、ユーザーが寿命を長くすることを優先する場合、警告に基づいて環境および/またはシートSの種類を変更することにより、搬送ローラー110の寿命を長くできる。一方、ユーザーが、寿命よりも既存の環境およびシートSの種類を維持することを優先する場合は、警告にかかわらず、同一の環境下で搬送および画像形成が継続されてもよい。
あるいは、ユーザーは、予測結果が大きく変化した場合、自動的に寿命を長くするために必要な設定変更を行うように事前に承認してもよい。このようにユーザーが承認した場合、制御部120は、予測結果の変化に基づいて、搬送パラメーターの現在の設定を自動的に変更してもよい。
なお、教師データとして、搬送装置100および/または画像形成装置200の開発において収集されたデータを用いてもよい。または、教師データは、搬送装置100および/または画像形成装置200の駆動中に収集されてもよい。または、教師データは、同様の構成を有する他の搬送装置および/または画像形成装置の駆動中に収集されたデータを含んでもよい。あるいは、教師データは、開発において収集されたデータ、駆動中に収集されたデータおよび/または他の搬送装置および/または画像形成装置の駆動中に収集されたデータを含んでもよい。
教師データは、学習データとテストデータとに分けてもよい。例えば、教師データは、学習データとテストデータとにランダムに分けてもよい。
なお、図3には、搬送パラメーターとして3つのパラメーターを用いたテーブルを示したが、搬送パラメーターの数は3に限定されない。搬送パラメーターの数は2以上であればよい。ただし、典型的には、搬送パラメーターの数が多いほど、予測部130による予測の精度を向上できる。
例えば、搬送パラメーターとして、結果に関連するパラメーターを用いることが好ましい。例えば、搬送ローラー110の直径または搬送ローラー110による搬送結果を予測する場合、搬送パラメーターとして、平均温度、平均速度、平均平滑度および搬送枚数を用いることが好ましい。
次に、図1、図2および図4を参照して、搬送パラメーターとして、平均温度、平均速度、平均平滑度、平均ヤング率、搬送枚数および圧力を用いる実施形態を説明する。図4は、教師データの一例を示すテーブルである。ここでは、教師データにおける搬送パラメーターは、平均温度、平均速度、平均平滑度、平均ヤング率、搬送枚数および圧力である。
平均温度の単位は、℃である。平均温度は、シートSを搬送するタイミングにおいて温度測定部140において測定された温度を参照して合計の搬送枚数における平均温度を演算することで求められる。
平均速度の単位は、mm/秒である。平均速度は、シートSを搬送するタイミングにおいて搬送速度情報を参照して合計の搬送枚数における平均搬送速度を演算することで求められる。
平均平滑度の単位は、秒である。平滑度は、ベック平滑度を示す。ベック平滑度は、シート表面の平均的な凹凸を示す。平均平滑度は、シートSを搬送するタイミングにおいて指定されたシートの種類を参照して合計の搬送枚数における平均平滑度を演算することで求められる。
典型的には、新聞用紙(密度43g/m2)の平滑度は、約40秒から約50秒であり、上質紙(密度64g/m2)の平滑度は、約50秒から約100秒である。また、微塗工紙(密度64g/m2)の平滑度は、約500秒から約1000秒であり、軽量コート紙A(密度364g/m2)の平滑度は、約1000秒から約2500秒である。さらに、コート紙A(密度2127.9g/m2)の平滑度は、約2000秒から約5000秒であり、アート紙A(密度1127.9g/m2)の平滑度は、約3000秒から約8000秒である。
平均ヤング率の単位は、MPaである。平均ヤング率は、シートSを搬送するタイミングにおいて指定されたシートSのヤング率を参照して合計の搬送枚数における平均ヤング率を演算することで求められる。
搬送枚数の単位は、枚数である。搬送枚数は、シートSを搬送するタイミングごとにカウントする。
圧力の単位はNである。ここで、圧力は、搬送ローラー110によるシートSへの圧力を示す。典型的には、圧力は、画像形成装置200の構成に応じて異なって設定される。
以下に、6個の搬送パラメーターを用いた機械学習処理による予測式の導出を説明する。予測式は、予測関数fθを用いて求められる。ここでは、7個のパラメーターθ0~θ6を用いた予測関数fθを利用する。予測関数fθは以下のように表される。
ここで、x1~x6は、入力データである。x1~x6には、教師データまたは学習データが入力される。また、θ0~θ6は、パラメーターである。θ0~θ6は、教師データまたは学習データを用いて機械学習によって求められる。
機械学習処理では、損失関数E(θ)が最小になるようにパラメーターθ0~θ6が求められる。最小二乗法を用いる場合、損失関数E(θ)は、以下のように表される。ここで、yは、入力データである。yには、教師データまたは学習データが入力される。
損失関数E(θ)が最小となるようにパラメーターθ0~θ6を変化する。パラメーターθ0~θ6は、最急降下法により、以下のパラメーター更新式を用いて求められる。
ここで、jは、搬送パラメーターの数である1~6を示す。以上のようにして、パラメーターθ0~θ6を求める。この結果、予測関数fθにパラメーターθ0~θ6が入力された予測式が導出される。予測式に、搬送パラメーターの現在の設定としてx1~x6を入力すると、予測結果が得られる。
なお、上述したように、予測結果が急激に変化した場合、ユーザーに警告することが好ましい。例えば、搬送ローラー110の直径が急激に変化した場合、ユーザーに警告する。一例では、搬送ローラー110の直径が0.3mm以上変化した場合、警告を出す。
なお、予測関数fθは、搬送ローラー110がシートSを搬送するごとに随時更新されなくてもよい。例えば、予測関数fθは、出荷前に予め決定されることが好ましい。ただし、予測関数fθは、出荷後に駆動された搬送に基づいて定期的に更新されてもよい。
なお、図4に示したテーブルでは、搬送パラメーターとして、平均温度、平均速度、平均平滑度、平均ヤング率、搬送枚数および圧力を用いたが、本実施形態はこれに限定されない。搬送パラメーターは、上記のうちの一部を省略してもよい。
次に、図5を参照して、搬送パラメーターとして、平均温度、平均速度、平均平滑度および搬送枚数を用いる実施形態を説明する。図5は、教師データの一例を示すテーブルである。ここでは、教師データにおける搬送パラメーターは、平均温度、平均速度、平均平滑度および搬送枚数である。
図5のテーブルでは、図4のテーブルと比べて、搬送パラメーターから、平均ヤング率および圧力が省略されている。平均ヤング率は、平均平滑度と同様の傾向を示すと考えられる。また、上述したように、圧力は、画像形成装置200の構成が同じであれば、一定であることが多い。このため、搬送パラメーターの数を減らすことで、機械学習処理における演算量を低減してもよい。
なお、図1~図3を参照した上述の説明では、発明の説明が過度に複雑になることを避けるために、搬送装置100の記憶部122が教師データを記憶し、予測部130が、記憶部122の教師データを用いて測定結果および/または搬送結果を予測したが、本実施形態はこれに限定されない。
通信部254は、記憶部122の教師データを外部サーバーに送信し、外部サーバーによって処理された結果を受信してもよい。この場合、予測部130は、外部サーバーによって処理された結果を予測結果として用いてもよい。あるいは、通信部254が外部サーバーから予測式を含むファームウェアを示す信号を受信することで、ファームウェアの更新が行われた後、予測部130は、更新された予測式を用いて結果を予測してもよい。
また、教師データは、必ずしも搬送装置100の結果でなくてもよい。教師データは、搬送装置100と同種の構成を有する別の搬送装置の結果であってもよい。あるいは、教師データは、搬送装置100の結果と搬送装置100と同種の構成を有する別の搬送装置の結果との両方を含んでもよい。
図1および図2を参照した上述の説明では、温度測定部140が搬送装置100内の温度を測定する一方で、搬送装置100の温度は調整されなかったが、本実施形態はこれに限定されない。搬送装置100は、搬送ローラー110の温度を調整するための加熱部材または冷却部材を備えてもよい。
次に、図6および図7を参照して、本実施形態の搬送装置100を備える画像形成装置200を説明する。図6は、本実施形態の搬送装置100を備える画像形成装置200を説明するための模式図である。図7は、本実施形態の搬送装置100のブロック図である。図6に示した画像形成装置200は、ヒーター112、ファン144およびカセットヒーター216をさらに備える点を除き、図1を参照して上述した画像形成装置と同様である。また、図7に示した搬送装置100は、制御部120がヒーター112およびファン144を制御する点を除き、図2を参照して上述した搬送装置と同様である。このため、冗長を避ける目的で重複する記載を省略する。
本実施形態の搬送装置100は、ヒーター112およびファン144をさらに備える。ヒーター112は、搬送ローラー110の内部に埋め込まれている。ヒーター112が搬送ローラー110を加熱することにより、搬送ローラー110の温度を上昇できる。このため、ヒーター112により、搬送ローラー110の摩耗を低減できる。
また、ファン144は、搬送装置100の搬送路を冷却する。ファン144により、搬送装置100内の温度を低下できる。このため、ファン144による搬送ローラー110の冷却を停止することにより、搬送ローラー110の摩耗を低減できる。
給送部210は、カセットヒーター216をさらに含む。カセットヒーター216は、カセット212内のシートSを加熱してシートSに吸収された水分を除去する。カセットヒーター216は、最大サイズ(例えばA4サイズ)のシートSの下方全域を覆うように配置される。また、カセット212には、カセット212に収納されているシートSのサイズを検知するサイズ検知部が設けられてもよい。
次に、図1、図2、図6~図8を参照して本実施形態の搬送装置100における機械学習処理を説明する。図8は、本実施形態の搬送装置100における機械学習処理を説明するためのフローチャートである。機械学習処理により、予測結果を得るための予測式を導出できる。なお、機械学習処理による予測式の導出は、予測部130によって行われてもよい。あるいは、機械学習処理による予測式の導出は外部サーバーによって行われ、予測部130は、外部サーバーにおいて導出された予測式に基づいて、予測結果を得てもよい。
機械学習処理を開始すると、まず、ステップS802において、教師データを学習データおよびテストデータに分離する。教師データは、ランダムに、学習データおよびテストデータに分離されることが好ましい。
ステップS804において、学習データを正規化する。例えば、正規化は、Z-Scoreを用いて行う。例えば、元データxを正規化処理した正規化後データZは、Z=(x-平均値)/標準偏差で表される。
ステップS806において、パラメーターθをランダムに初期化する。これにより、初期化状態の予測式が得られる。
ステップS808において、パラメーターθを更新する。例えば、パラメーターθは最急降下法を用いて更新される。
ステップS810において、学習データに基づき誤差を計算する。例えば、予測式の計算結果と過去の測定結果または搬送結果とを比較して誤差を計算する。
ステップS812において、学習回数が一定数以上で、損失関数E(θ)が収束したかを判定する。学習回数が一定数以上、および、損失関数E(θ)の収束のいずれかを満たさない場合(ステップS812のNo)、処理は、ステップS808に戻る。
一方、学習回数が一定数以上であり、かつ、損失関数E(θ)が収束した場合(ステップS812のYes)、予想式が推定される。処理は、ステップS814に進む。
ステップS814において、テストデータを正規化する。典型的には、テストデータの正規化は、ステップS804における学習データの正規化と同じ手法で行われる。処理は、ステップS816に進む。
ステップS816においてテスト評価の結果が充分か否かを判定する。テスト評価の結果が充分でない場合(ステップS816のNo)、処理は、ステップS802に戻る。一方、テスト評価の結果が充分である場合(ステップS816のYes)、予想式が検証され、機械学習処理は終了する。以上により、機械学習処理を充分に行うことができ、最適なパラメーターθの検証された予想式を導出できる。
次に、図1、図2、図6、図7および図9を参照して本実施形態の搬送装置100における設定変更処理を説明する。図9は、本実施形態の搬送装置100における設定変更処理を説明するためのフローチャートである。
例えば、設定変更処理は、搬送ローラー110によるシートSの搬送の指示が入力に伴い開始する。まず、ステップS902において、機械学習処理で求められた予測式を用いて予測結果を求める。例えば、画像形成装置200において、入力部250に画像形成の指示が入力されると、シートSの搬送を開始する。例えば、シートSの搬送の開始前に、予測部130は、予測式を用いて、搬送パラメーターの設定に従って搬送ローラー110の測定結果および搬送結果を予測する。
なお、機械学習処理による予測式は、図8を参照して上述したように求められる。予測式は、シートSの搬送の指示が入力された後に求められてもよい。あるいは、予測式は、シートSの搬送の指示の入力に先立って求められてもよい。
ステップS904において、予測結果が急激に変化したか否かを判定する。例えば、予測結果と先の予測結果との差が、閾値よりも大きいか否かを判定する。予測結果が急激に変化しない場合(ステップS904のNo)、処理は、ステップS906に進む。予測結果が急激に変化した場合(ステップS904のYes)、処理は、ステップS908に進む。搬送回数の増加に対して予測値の変化が閾値よりも大きい場合、予測結果が急激に変化したと判定される。
ステップS906において、搬送回数に対して予測結果が乖離しているか否かを判定する。例えば、予測結果と搬送回数に応じた想定値との差が閾値よりも大きいか否かを判定する。搬送回数に対して予測結果が乖離している場合(ステップS906のYes)、処理は、ステップS908に進む。想定値に対して予測結果が乖離していない場合(ステップS906のNo)、搬送装置100の搬送パラメーターの設定を変更することなく設定変更処理を終了する。
ステップS908において、ユーザーに警告する。例えば、表示部240は、搬送ローラー110の寿命を長くするために必要な変更を促す画面を表示する。一例では、表示部240は、画像形成装置200内の温度の変更を促す情報を表示する。あるいは、表示部240は、シートSの種類の変更を促す情報を表示する。その後、処理は、ステップS910に進む。
ステップS910において、制御部120は、ユーザーによって搬送装置100の設定が変更されたか否かを判定する。例えば、入力部250に、搬送装置100の搬送パラメーターの設定の変更に関連する入力がされたか否かを判定する。
ユーザーによって搬送装置100の設定が変更された場合(ステップS910のYes)、処理は、ステップS912に進む。ステップS912において、制御部120は、ユーザーからの入力に従って搬送装置100の設定を変更するとともに、搬送パラメーターの設定を変更する。例えば、画像形成装置200の温度および/またはシートSの種類が変更されたことを設定する。
搬送装置100の設定が変更されなかった場合(ステップS910のNo)、処理は、ステップS914に進む。ステップS914において、搬送装置100の設定が自動的に変更することが許可されているか否かを判定する。搬送装置100の設定が自動的に変更することが許可されていない場合(ステップS914のNo)、搬送装置100の設定を変更することなく設定変更処理を終了する。
搬送装置100の設定が自動的に変更することが許可されている場合(ステップS914のYes)、処理は、ステップS916に進む。ステップS916において、搬送装置100の設定を自動的に変更する。例えば、制御部120は、事前の許可に基づき、シートSの搬送速度を変更する。あるいは、制御部120は、事前の許可に基づき、ヒーター112の駆動開始および/またはファン144の駆動停止をするようにヒーター112および/またはファン144を制御する。以上のようにして、搬送装置100の設定を自動的に変更して設定変更処理を終了する。
なお、図9を参照して上述したように、画像形成装置200における搬送装置100の設定を変更する場合、ユーザーの許可および/またはユーザーの事前の許可を得た上で、搬送装置100の設定を変更することが好ましい。搬送装置100の設定を変更することにより、搬送装置100の不具合の発生(例えば、寿命の到来)を延期できるが、画像形成装置200の動作がユーザーの要望を満たさないことがある。ユーザーの承認を得た上で、搬送装置100の設定を変更することにより、搬送装置100の不具合の発生(例えば、寿命の到来)を延期することが好ましい。
なお、上述した説明では、搬送装置100は、電子写真方式の画像形成装置200の一部として用いられたが、本実施形態はこれに限定されない。搬送装置100は、他の方式の画像形成装置200の一部として用いられてもよい。例えば、搬送装置100は、インクジェット方式の画像形成装置200の一部として用いられてもよい。
また、上述した説明では、搬送装置100は、シートSを搬送し、画像形成装置200の一部として用いられたが、本実施形態はこれに限定されない。搬送装置100は、画像形成装置以外の用途に用いられてもよい。例えば、搬送装置100は、布地を搬送してもよい。一例では、搬送装置100は、捺染に用いられてもよい。あるいは、搬送装置100は、紙幣を搬送してもよい。一例では、搬送装置100は、現金自動預払い機(Automated Teller Machine:ATM)の一部に用いられてもよい。
以上、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明した。但し、本発明は、上記の実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の態様において実施することが可能である。また、上記の実施形態に開示されている複数の構成要素を適宜組み合わせることによって、種々の発明の形成が可能である。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態にわたる構成要素を適宜組み合わせてもよい。図面は、理解しやすくするために、それぞれの構成要素を主体に模式的に示しており、図示された各構成要素の厚さ、長さ、個数、間隔等は、図面作成の都合上から実際とは異なる場合もある。また、上記の実施形態で示す各構成要素の材質、形状、寸法等は一例であって、特に限定されるものではなく、本発明の効果から実質的に逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。