以下、本発明の一実施形態について、図面を適宜参照しつつ説明する。
図1は、本実施形態に係る作業機1の全体構成を示す概略側面図である。図2は、作業機1の概略平面図である。本実施形態では、作業機1としてホイールローダが例示されている。
図1、図2に示すように、本実施形態のホイールローダは、アーティキュレート式の作業機1であり、該作業機1の機体2は前部機体2Aと後部機体2Bとから構成されている。前部機体2Aには、左の前輪3L及び右の前輪3Rが設けられている。前輪3Lは、前部機体2Aの左方に設けられ、前輪3Rは、前部機体2Aの右方に設けられている。後部機体2Bには、左の後輪4L及び右の後輪4Rが設けられている。後輪4Lは、後部機体2Bの左方に設けられ、後輪4Rは、後部機体2Bの右方に設けられている。後部機体2Bには、オペレータ(運転者)が着座する運転席(座席)13が設けられている。運転席13は、後輪4Lと後輪4Rとの間に配置され、機体2における機体幅方向K2の中央部に設けられている。
本実施形態においては、運転席13に着座したオペレータの前側(図1、図2の矢印A1方向)を前方、オペレータの後側(図1、図2の矢印A2方向)を後方、オペレータの左側(図1の手前側、図2の矢印B1方向)を左方、オペレータの右側(図1の奥側、図2の矢印B2方向)を右方として説明する。
また、前後方向K1に直交する方向である水平方向を機体幅方向K2(図2参照)として説明する。機体2の幅方向の中央部から右部、或いは、左部へ向かう方向を機体外方として説明する。言い換えれば、機体外方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心から離れる方向のことである。機体外方とは反対の方向を、機体内方として説明する。言い換えれば、機体内方とは、機体幅方向K2であって機体2の幅方向の中心に近づく方向である。
図1、図2に示すように、後部機体2Bの前端側には機体連結部材5が前後方向K1に延びる第1軸心X1回りに所定範囲回転自在に設けられ、この機体連結部材5に前部機体2Aの後端側が上下方向に延びる第2軸心(縦軸心)Z1回りに機体幅方向K2に揺動自在に連結されている。
前記機体連結部材5と前部機体2Aとにわたって油圧シリンダからなるステアリングシリンダ6が設けられている。このステアリングシリンダ6を伸縮させることにより、後部機体2Bに対して前部機体2Aが機体幅方向K2に揺動して作業機1が左及び右に旋回可能とされている。
後部機体2Bには、運転席13を包囲する運転席保護装置としてのキャビン14が設けられている。キャビン14の室内には、ステアリングシリンダ6を操作するステアリング15(ステアリングホイール)と、作業装置7を操縦する操縦レバー16とが設けられている。ステアリング15は、運転席13の前方に配置され、操縦レバー16は、運転席13の側方(右側方)に配置されている。
なお、後部機体2Bには、原動機が搭載される。原動機は、ディーゼルエンジンである。なお、原動機は、ガソリンエンジン、LPGエンジン又は電動モータであってもよいし、エンジン及び電動モータを有するハイブリッド型であってもよい。また、運転席保護装置としては、キャノピであってもよい。
図1、図2に示すように、前部機体2Aには、作業装置7(フロント作業装置)が設けられている。この作業装置7は、前部機体2A(機体2)に上下揺動可能に支持されたリフトアーム8を有する。リフトアーム8は、機体幅方向K2に間隔をあけて配置された左の第1アーム8L及び右の第2アーム8Rを有する。第1アーム8Lは、基端側(後端側)が前部機体2Aの左側に立設された支持フレーム(第1支持フレーム)10Lの上部に機体幅方向K2に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。したがって、第1アーム8Lは上下揺動可能である。第2アーム8Rは、基端側が前部機体2Aの右側に立設された支持フレーム(第2支持フレーム)10Rの上部に機体幅方向K2に延伸する軸心回りに回転自在に支持されている。したがって、第2アーム8Rも上下揺動可能である。
図5に示すように、第1アーム8L及び第2アーム8Rは、機体幅方向K2に間隔をあけて且つ該間隔が前方に行くに従って漸次広がるように設けられている。これにより、運転席13に着座したオペレータの左斜め前方及び右斜め前方の視界性が向上する。また、後述する第1ピン40L及び第2ピン40Rの状態(連結状態又は解除状態)の確認をする場合に、体をあまり動かすことなく行える。即ち、第1ピン40L及び第2ピン40Rの状態確認の容易性を高めることができる。また、前輪3L及び前輪3Rの確認も容易に行える。これにより、前輪3L及び前輪3Rを見ながらの作業も容易に行える。また、作業具9の機体外方側の部分を見ながらの作業も行える。例えば、作業具9としてパレットフォークを取り付けた場合に、パレットフォークの爪先を見ながら作業することも可能である。
図5に示すように、第1アーム8L及び第2アーム8Rは、リフトアーム8の長手方向の中途部に設けられた連結パイプ26によって連結されている。図7に示すように、連結パイプ26は、断面形状が、リフトアーム8の長手方向に長い楕円形に形成されている。本実施形態では、連結パイプ26の断面形状は、2つの平坦面の両側を円弧で結んだ小判型形状(円の一部を平坦状に切り欠いた形状)である。連結パイプ26を楕円形にすることにより、十分な強度を確保するとともに、運転席13に着座したオペレータが前方を見る際における視界性(前方視界)を向上させることができる。
図1に示すように、第1アーム8Lの長手方向の中途部と第1支持フレーム10Lの上下方向の中途部とにわたってリフトシリンダ11Lが設けられている。第2アーム8Rの長手方向の中途部と第2支持フレーム10Rの上下方向の中途部とにわたってリフトシリンダ11Rが設けられている。リフトシリンダ11L及びリフトシリンダ11Rは、複動型の油圧シリンダによって構成されている。リフトシリンダ11L及びリフトシリンダ11Rを伸縮させることによりリフトアーム8が(第1アーム8L及び第2アーム8Rが同時に)上下に揺動する。
図4に示すように、作業装置7は、リフトアーム8の前部に着脱可能に装着される作業具9を有する。作業具9は、標準装備としてバケットが装着され、バケットの代わりに、パレットフォーク、マニアフォーク等の作業具(アタッチメント)や、スイーパー、モアー、ブレーカ等の油圧アクチュエータを有する作業具(油圧アタッチメント)を取り付け可能である。作業具9の背面下部は、リフトアーム8の先端側(前端側)に連結され且つ枢支される。
図1に示すように、作業機1は、作業具9を駆動する作業具シリンダ12を有する。作業具シリンダ12は、複動型の油圧シリンダによって構成されている。また、連結パイプ26には、ブラケット部材27が固定され、ブラケット部材27には、揺動リンク28の上下方向の中途部が枢支されている。揺動リンク28の上部には、作業具シリンダ12の一端が連結される。作業具シリンダ12の他端は、第1支持フレーム10Lと第2支持フレーム10Rとを連結する連結部材29に設けられたブラケット部材30に枢支されている。揺動リンク28の下部には、連動リンク31の後部が枢支されている。連動リンク31の前部は、作業具9の背面上部に枢支(係合)される。作業具シリンダ12を伸縮させることにより、揺動リンク28が揺動すると共に連動リンク31が前後移動する。これにより、作業具9がリフトアーム8との連結点を中心に上下に揺動する。つまり、作業機1は、リフトアーム8に対して作業具9を揺動させるリンク機構(揺動リンク28、連動リンク31)を備えている。
図3、図4に示すように、作業具(バケット)9の背面には、機体幅方向K2に間隔をあけて設けられた第1固定板34L及び第2固定板34Rが設けられている。第1固定板34L及び第2固定板34Rは、上下方向に延びている。第1固定板34L及び第2固定板34Rは、上部にフック部34aを有し、下部に挿通穴34bを有する。
前輪3Lは、第1支持フレーム10Lより前方で且つ第1アーム8Lより左方に設けられている。また、前輪3Lは、作業具9の左部の後方に位置する。前輪3Rは、第2支持フレーム10Rより前方で且つ第2アーム8Rより右方に設けられている。また、前輪3Rは、作業具9の右部の後方に位置する。
<前照灯>
図1~図3、図5に示すように、作業機1は、前照灯(照明灯)33L,33Rを備えている。前照灯33L,33Rは、前部機体2A(機体2)の前方を照らすライトである。詳しくは、前照灯33Lは、前部機体2Aの左前方を照らすライトである。前照灯33Rは、前部機体2Aの右前方を照らすライトである。
前照灯33Lは、第1支持フレーム10Lの上部の左側に配置されている。前照灯33Rは、第2支持フレーム10Rの上部の右側に配置されている。前照灯33Lは、左の前輪3Lの上後方を覆う左フェンダ17Lの上方に位置している。前照灯33Rは、右の前輪3Rの上後方を覆う右フェンダ17Rの上方に位置している。左フェンダ17Lは、第1支持フレーム10Lの下部に取り付けられている。右フェンダ17Rは、第2支持フレーム10Rの下部に取り付けられている。
図1~図3、図5に示すように、作業機1は、前照灯33L,33Rを支持フレーム10L,10Rの外側面(機体外方側の側面)に取り付ける取付部材200L,200Rを備えている。取付部材200Lは、前照灯33Lを第1支持フレーム10Lの外側面(左側面)に取り付ける。取付部材200Rは、前照灯33Rを第2支持フレーム10Rの外側面(右側面)に取り付ける。
取付部材200Lと取付部材200Rとは、前部機体2Aの機体幅方向中心を挟んで対称に配置されている。これにより、前照灯33Lと前照灯33Rとは、前部機体2Aの機体幅方向中心を挟んで対称に配置されている。
以下、主に図8~図14に基づいて、取付部材200L,200Rによる前照灯33L,33Rの取り付け構造について説明する。左側の取付部材200Lによる前照灯33Lの取り付け構造と、右側の取付部材200Rによる前照灯33Rの取り付け構造とは、前部機体2Aの機体幅方向中心を挟んで対称形である点以外は同じである。そのため、取付部材200Lによる前照灯33Lの取り付け構造について説明し、取付部材200Rによる前照灯33Rの取り付け構造の説明は省略する。尚、取付部材200L,200Rによる前照灯33L,33Rの取り付け構造には、前照灯33L,33Rに接続されるワイヤハーネスの配策構造を含む。
図8~図14に示すように、取付部材200Lは、基部201と延設部202とを有している。基部201は、平板状の部材であって、ボルト等の取付具203によって第1支持フレーム10Lの外側面(左側面)に取り付けられている。基部201の外面(左面)は、第1支持フレーム10Lの外側面(左側面)と平行に配置されている。図13、図14に示すように、基部201には貫通孔201aが形成されている。
図8~図12等に示すように、延設部202は、基部201の外面(左面)から延設されている。延設部202は、パイプから構成されている。延設部202を構成するパイプ(以下、「パイプ202」ともいう)は、円筒状であって、L字状に屈曲されている。延設部202は、第1部位202aと第2部位202bとを有している。第1部位202aと第2部位202bは、L字状に屈曲された1本のパイプ202の2つの部位である。第1部位202aは、基部201から外側方(機体外方)に延びている。第1部位202aは、第1支持フレーム10Lの外側面に対して前方に傾斜している。詳しくは、第1部位202aは、第1支持フレーム10Lの外側面に対して前方に傾斜して前方且つ外側方(機体外方)に延びている。第1部位202aは、前部機体2Aに対する高さ(上下方向の位置)が一定である。言い換えれば、第1部位202aは、前部機体2Aに対して水平に(上がり下がり無く)延びている。第2部位202bは、第1部位202aから屈曲して上方に向けて延びている。
図12、図13に示すように、延設部202の基端面(第1部位202aの基端面)204は、溶接等によって基部201の外面(左面)に接続されている。図12に示すように、基端面204は、第1部位202aにおけるパイプ202の中心軸CL1に直交する断面S1に対して傾斜している。基端面204は、基部201の外面に当接して接続されている。これにより、延設部202(第1部位202a)は、基部201から第1支持フレーム10Lの外側面に対して傾斜して前方且つ外側方に延設されている。
このように、延設部202の第1部位202aが基部201から第1支持フレーム10Lの外側面に対して傾斜して前方且つ外側方に延設されていることにより、図2に仮想線で示すように、ステアリング15の操作によって後部機体2Bに対して前部機体2Aが縦軸心(第2軸心)回りに揺動した場合でも、前照灯33Lの取り付け用の部材(取付部材200L)と運転席保護装置(キャビン)14との干渉を回避することができる。また、オシレーションによって、後部機体2Bに対して前部機体2Aが前後方向の軸心(第1軸心)回りに揺動した場合でも、前照灯33Lの取り付け用の部材(取付部材200L)と運転席保護装置(キャビン)14との干渉を回避することができる。同様に、前照灯33Rの取り付け用の部材(取付部材200R)と運転席保護装置(キャビン)14との干渉も回避することができる。
また、延設部202は、第1部位202aにおいて前方且つ外側方に延設された後、第2部位202bにおいて上方に向けて延びている。つまり、延設部202は、支持フレーム10L,10Rに近い位置(第1部位202a)では上方に延びず、支持フレーム10L,10Rから離れた位置(第2部位202b)において上方に延びている。そのため、延設部202が運転席13からの斜め左前方又は斜め右前方の視界を遮ることがなく、運転席13に着座したオペレータの前方の視界を広く確保することができる。これにより、リフトアーム8に作業具9を着脱するときにクイックカプラ32のピン(後述する第1ピン40L及び第2ピン40R)の作業具9に対する挿入状態などを運転席13から容易に視認することができる。
延設部202の第2部位202bは、第1部位202aから屈曲して延びており、第1部位202aに対して前方且つ外側方(機体外方)に配置されている。図8~図12に示すように、第2部位202bには、ブラケット205を介して前照灯33Lが取り付けられている。ブラケット205は、屈曲した板状の部材であって、第1取付部205aと第2取付部205bとを有している。
第1取付部205aは、第2部位202bの先端付近に取り付けられている。第1取付部205aには第1取付孔205cが形成されており、この第1取付孔205cに延設部202の第2部位202bの先端付近が挿通されている。第2取付部205bには、前照灯33Lが取り付けられている。第2取付部205bには第2取付孔205dが形成されており、この第2取付孔205dに前照灯33Lの下部から下方に突設された突出部33Laが挿通されて固定されている。
図9、図11、図13に示すように、パイプ202には、前照灯33Lに接続されるワイヤハーネス206が挿通されている。ワイヤハーネス206の一端側は、パイプ202の先端(第2部位202bの先端)から突出し、前照灯33Lに接続されている。図8~図12に示すように、第2部位202bの先端には、シール材207が設けられている。シール材207は、ゴム等の弾性材から構成されており、第2部位202bの先端を液密状態で塞いている。これにより、シール材207は、パイプ202の内部への水の浸入を防ぐことができる。シール材207には、貫通孔207a及びスリット207bが形成されている。貫通孔207aにはワイヤハーネス206が挿通されており、貫通孔207aからワイヤハーネス206の一端側が突出している。シール材207の貫通孔207aから突出したワイヤハーネス206の一端側は、前照灯33Lの後面に設けられたコネクタ208(図11参照)に接続されている。
図8、図10等に示すように、第1支持フレーム10Lは、外側板10L1と内側板10L2と後板10L3とを有している。外側板10L1と内側板10L2とは対向して配置されている。外側板10L1は、機体外方側に配置されている。外側板10L1は、第1支持フレーム10Lの外側面を形成している。内側板10L2は、機体内方側に配置されている。内側板10L2は、第1支持フレーム10Lの内側面を形成している。外側板10L1と内側板10L2との間にリフトアーム(第1アーム8L)の基端側が揺動可能に支持されている。後板10L3は、外側板10L1の後部と内側板10L2の後部とを連結している。取付部材200Lは、第1支持フレーム10Lの外側板10L1の外側面(左側面)に取り付けられている。第2支持フレーム10Rの構成は、第1支持フレーム10Lの構成と前部機体2Aの機体幅方向中心を挟んで対称である。
図9、図11、図13、図14に示すように、第1支持フレーム10Lの外側面には、第1貫通孔10Laが形成されている。第1貫通孔10Laは、外側板10L1を貫通して形成されている。また、図11、図13に示すように、第1支持フレーム10Lの内側面には、第2貫通孔10Lbが形成されている。第2貫通孔10Lbは、内側板10L2を貫通して形成されている。第2貫通孔10Lbは、内側板10L2における第1貫通孔10Laに対応する位置に設けられている。つまり、第1貫通孔10Laと第2貫通孔10Lbとは、側面視にて重なる位置に形成されている。第1貫通孔10La及び第2貫通孔10Lbには、ワイヤハーネス206が挿通されている。
上述したように、延設部202を構成するパイプ202の基端面(第1部位202aの基端面)204は、外側板10L1に接続されている。図14に示すように、パイプ202の基端面204に形成されたパイプ孔204aは、側面視にて第1貫通孔10Laと一部が重なっている。これにより、第1貫通孔10Laは、パイプ202の内部(中空部)と連通している。
図11、図13に示すように、第1貫通孔10La及び第2貫通孔10Lbには、筒体210が装着されている。筒体210は、円筒状のパイプから構成されている。筒体210は、前部機体2Aの幅方向(機体幅方向)に延びている。筒体210は、一端部が第1貫通孔10Laに装着(嵌着)され、他端部が第2貫通孔10Lbに装着(嵌着)されている。これにより、筒体210は、第1支持フレーム10Lの外側板10L1と内側板10L2とに亘って延びて固定されている。また、筒体210の内部孔210aは、延設部202を構成するパイプ202の内部と連通している。
図11、図13に示すように、筒体210の内部孔210aにはワイヤハーネス206が挿通されている。図9、図11、図13に示すように、ワイヤハーネス206は、第1支持フレーム10Lの機体内方側から第2貫通孔10Lbに入り、第2貫通孔10Lbから筒体210の内部孔210aに入って機体外方側に延び、更に第1貫通孔10Laから延設部202を構成するパイプ202の内部(パイプ孔204a)に入って延びた後、シール材207の貫通孔207aから突出して前照灯33Lに接続されている。
このように、ワイヤハーネス206を筒体210及びパイプ202の内部を通して前照灯33Lまで延ばすことによって、ワイヤハーネス206を殆ど外部に露出させることなく配策することが可能となる。これにより、ワイヤハーネス206の保護及び作業機1の外観の向上を達成することができる。
図13、図14に示すように、パイプ202の基端面204における内面の下縁部(第1支持フレーム10Lとの接続部におけるパイプ202の内面の下縁部)202cは、第1貫通孔10Laの下縁部10Lcよりも上方に配置されている。また、パイプ202の基端面204における内面の下縁部202cは、筒体210の内面の下縁部210bよりも上方に配置されている。言い換えれば、パイプ孔204aは、第1貫通孔10La及び筒体210の内部孔210aに対して上方にずれている。これにより、筒体210の他端側(第2貫通孔10Lb側)から雨水が浸入した場合であっても、雨水はパイプ(延設部)202内に浸入することがなく、第1貫通孔10Laの下縁部から基部201と第1支持フレーム10Lの外側面との隙間を通って排出される。そのため、雨水が筒体210側からパイプ(延設部)202の内部に浸入することを防ぐことができる。
上述したシール材207によるパイプ202内への水の浸入の防止機能と、パイプ202と第1貫通孔10Laとの上下方向の位置ずれによるパイプ202内への水の浸入の防止機能によって、パイプ202の内部への水の浸入を効果的に防ぐことができる。そのため、パイプ202内に雨水が溜まることによって、パイプ202の腐食の原因になったりワイヤハーネス206に悪影響を及ぼしたりすることを防止できる。
<クイックカプラ>
図5に示すように、前部機体2Aには、コントロールバルブV1が搭載されている。コントロールバルブV1は、作業機1に装備された油圧シリンダや油圧モータ等の油圧アクチュエータを制御する制御弁を集約して構成された油圧機器である。コントロールバルブV1を構成する制御弁は、例えば、リフトシリンダ11を制御するリフト制御弁、作業具シリンダ12を制御する作業具制御弁、作業具9に装備された油圧アクチュエータを制御する予備制御弁38である。予備制御弁38は、詳しくは、油圧アクチュエータが装備された作業具9が装着された場合に、該油圧アクチュエータを制御する制御弁である。
図5、図6に示すように、作業装置7は、リフトアーム8に作業具9を着脱自在に装着するクイックカプラ32を有する。クイックカプラ32は、第1係合ピン(第1係合部)39L、第2係合ピン(第2係合部)39R、第1ピン(連結ピン)40L、第2ピン(連結ピン)40R、カプラシリンダ42、第1プレート(取付プレート)41L及び第2プレート(取付プレート)41Rを有する。
第1係合ピン39Lは、連動リンク31の前部の左側に設けられ、第2係合ピン39Rは、連動リンク31の前部の右側に設けられている。詳しくは、連動リンク31の前部には、機体幅方向K2に延伸する支持筒43が設けられ、この支持筒43に、ロッド部材35が挿通されて固定されている。支持筒43は、取付プレート41L,41Rに取り付けられ且つロッド部材35を支持している。ロッド部材35の左端に第1係合ピン(係合部)39Lが一体形成されている。第1係合ピン39Lは、ロッド部材35より径小に形成され、第1固定板34Lのフック部34aに下方から係合可能である。また、第2係合ピン(係合部)39Rは、ロッド部材35の右端に一体形成されている。第2係合ピン39Rは、ロッド部材35より径小に形成され、第2固定板34Rのフック部34aに下方から係合可能である。
第1ピン40Lは、第1アーム8Lの前部(先端側)に設けた軸受ボス19Lに機体幅方向K2に移動可能に設けられている。第1ピン40Lは、第1固定板34Lの挿通穴34b(図3参照)に挿通可能である。該挿通穴34bに第1ピン40Lが挿通することで作業具9と第1アーム8Lとが連結される。
図6に示すように、第2ピン40Rは、第2アーム8Rの前部(先端側)に設けた軸受ボス19Rに機体幅方向K2に移動可能に設けられている。第2ピン40Rは、第2固定板34Rの挿通穴34bに挿通可能である。該挿通穴34bに第2ピン40Rが挿通することで作業具9と第2アーム8Rとが連結される。
カプラシリンダ42は、第1ピン40L及び第2ピン40Rを駆動する装置である。カプラシリンダ42は、シリンダチューブ42Aを有する。シリンダチューブ42Aは、第1アーム8Lと第2アーム8Rの前部間(軸受ボス19Lと軸受ボス19Rの間)に機体幅方向K2に延伸して配置されている。
シリンダチューブ42Aの一端側(左端側)に第1ピン40Lが機体幅方向K2に移動可能(出退移動可能)に設けられている。詳しくは、第1ピン40Lは、シリンダチューブ42Aから突出する方向(左方)と、シリンダチューブ42A内へ後退する方向(右方)とに移動可能に設けられている。シリンダチューブ42A内の左側には、第1ピン40Lが連結された第1ピストン42Lが設けられている。第1ピストン42Lによって第1ピン40Lが駆動される。したがって、第1ピン40Lは、カプラシリンダ42のロッドを構成している。なお、カプラシリンダ42のロッドと第1ピン40Lとは、別体であってもよい。
図6に示すように、シリンダチューブ42Aの他端側(右端側)に第2ピン40Rが機体幅方向K2に移動可能(出退移動可能)に設けられている。詳しくは、第2ピン40Rは、シリンダチューブ42Aから突出する方向(右方)と、シリンダチューブ42A内へ後退する方向(左方)とに移動可能に設けられている。シリンダチューブ42A内の右側には、第2ピン40Rが連結された第2ピストン42Rが設けられている。第2ピストン42Rによって第2ピン40Rが駆動される。したがって、第2ピン40Rは、カプラシリンダ42のロッドを構成している。なお、カプラシリンダ42のロッドと第2ピン40Rとは、別体であってもよい。
以上のように、カプラシリンダ42は、一対のロッドがシリンダチューブ42Aから同時に出退移動可能な両ロッドタイプの油圧シリンダによって形成されている。
図6に示すように、第1プレート41Lは、第1係合ピン39L側と第1ピン40L側とを連結している。詳しくは、第1プレート41Lの上部は、ロッド部材35の左部に取り付けられている。第1プレート41Lの下部は、シリンダチューブ42Aの左部に取り付けられている。第1プレート41Lは、ロッド部材35及びシリンダチューブ42Aを介して第1係合ピン39Lと第1ピン40Lとを連結している。
第2プレート41Rは、第2係合ピン39R側と第2ピン40R側とを連結している。詳しくは、第2プレート41Rの上部は、ロッド部材35の右部に取り付けられている。第2プレート41Rの下部は、シリンダチューブ42Aの右部に取り付けられている。第2プレート41Rは、ロッド部材35及びシリンダチューブ42Aを介して第2係合ピン39Rと第2ピン40Rとを連結している。
クイックカプラ32に作業具9を装着するには、先ず、第1係合ピン39Lを第1固定板34Lのフック部34aに下方から係合すると共に第2係合ピン39Rを第2固定板34Rのフック部34aに下方から係合する。この状態から、リフトアーム8を上方移動させると、作業具9が吊り上げられて、第1係合ピン39L及び第2係合ピン39R回りに作業具9の下部側が後方移動する。作業具9は、リフトアーム8に設けられたストッパ部材48に当接することにより、位置決めされる。この状態で第1ピン40L及び第2ピン40Rを突出方向に移動させると、第1ピン40Lが第1固定板34Lの挿通穴34bに挿通すると共に第2ピン40Rが第2固定板34Rの挿通穴34bに挿通する。これにより、クイックカプラ32(リフトアーム8)に作業具9が装着される。
図15に示すように、第1プレート41Lの下部の内側(機体内方側)には、第1接続部材49Lが取り付けられている。第1接続部材49Lは、第1入力部材50Lと第1出力部材51Lとを有する。第1接続部材49Lには、第1油圧管路52Lが接続される。図5に示すように、第1油圧管路52Lは、予備制御弁38(コントロールバルブV1)から第1アーム8Lの前部へ第1アーム8Lに沿って配策されている。第1油圧管路52Lは、第1配管53L、第2配管54L及び第3配管55Lを有する。なお、第1油圧管路52Lは、油圧継手等の配管の接続に必要な他の部材を含む。
第1配管53Lは、第1アーム8Lの内側(機体内方側)に取り付けられている。第1配管53Lは、鋼管によって形成され、連結パイプ26の下側を通過させて配策されている(図7参照)。これにより、運転席13に着座したオペレータの前方の視界性を良好にすることができる。第2配管54Lは、予備制御弁38と第1配管53Lとを接続する。図6に示すように、第3配管55Lは、第1配管53Lと第1入力部材50Lとを接続する。第2配管54L及び第3配管55Lは、油圧ホースによって構成されている。図15に示すように、第3配管55Lを構成する油圧ホースの一端側には口金220が設けられている。
図15に示すように、第1入力部材50Lは、第3配管55Lを構成する油圧ホースの一端部が接続される。つまり、第1入力部材50Lは、第3配管55Lを構成する油圧ホースの一端部が接続される接続体である。第1入力部材(接続体)50Lは、スイベルジョイントから構成されている。第1入力部材50Lは、第1回動部50Laと第1支軸50Lbとを有している。第1支軸50Lbは、第1出力部材51Lに固定されており、第1プレート41Lに対して不動である。第1回動部50Laは、第1支軸50Lb回りに回動可能である。これにより、第1回動部50Laは、クイックカプラ32の第1プレート41Lに対して相対的に回動可能である。
図15に示すように、第1出力部材51Lは、作動油を取出し可能な第1取出部56Lを有する。第1取出部56Lは、作業具9に装備された油圧アクチュエータに油圧ホース等を介して接続される。また、第1出力部材51Lは、第1出力部57Lを有する。第1出力部57Lは、作動油を出力可能である。図6に示すように、第1出力部57Lは、カプラシリンダ42における第1ピストン42L及び第2ピストン42Rのヘッド側に接続部材60を介して接続されている。ヘッド側とは、第1ピン40L、第2ピン40Rが連結されている側とは反対側である。本実施形態の場合、シリンダチューブ42Aの中央側(第1ピン40Lと第2ピン40Rとの間)である。したがって、第1油圧管路52Lからの作動油が、第1出力部57Lから接続部材60を介してカプラシリンダ42のヘッド側に供給されることで、第1ピストン42L及び第2ピストン42Rが機体外方に移動して第1ピン40L及び第2ピン40Rを挿通穴34bに挿通させることができる。なお、第1ピン40L及び第2ピン40Rを後退させるときは、シリンダチューブ42Aにおける第1ピストン42Lと第2ピストン42Rとの間から接続部材60及び第1出力部57Lを介して作動油が抜けるようになっている。
図18に示すように、第2プレート41Rの下部の内側(機体内方側)には、第2接続部材49Rが取り付けられている。第2接続部材49Rは、第2入力部材50Rと第2出力部材51Rとを有する。第2接続部材49Rには、第2油圧管路52Rが接続される。図5に示すように、第2油圧管路52Rは、予備制御弁38(コントロールバルブV1)から第2アーム8Rの前部へ第2アーム8Rに沿って配策されている。第2油圧管路52Rは、第4配管53R、第5配管54R及び第6配管55Rを有する。なお、第2油圧管路52Rも、油圧継手等の配管の接続に必要な他の部材を含む。
第4配管53Rは、第2アーム8Rの内側(機体内方側)に取り付けられている。第4配管53Rは、鋼管によって形成され、連結パイプ26の下側を通過させて配策されている(図7参照)。これによって、運転席13に着座したオペレータの前方の視界性を良好にすることができる。第5配管54Rは、予備制御弁38と第4配管53Rとを接続する。図6に示すように、第6配管55Rは、第4配管53Rと第2入力部材50Rとを接続する。第5配管54R及び第6配管55Rは、油圧ホースによって構成されている。図18に示すように、第6配管55Rを構成する油圧ホースの一端側には口金221が設けられている。
図18に示すように、第2入力部材50Rは、第6配管55Rを構成する油圧ホースの一端部が接続される。つまり、第2入力部材50Rは、第6配管55Rを構成する油圧ホースの一端部が接続される接続体である。第2入力部材(接続体)50Rは、スイベルジョイントから構成されている。第2入力部材50Rは、第2回動部50Raと第2支軸50Rbとを有している。第2支軸50Rbは、第2出力部材51Rに固定されており、第2プレート41Rに対して不動である。第2回動部50Raは、第2支軸50Rb回りに回動可能である。これにより、第2回動部50Raは、クイックカプラ32の第2プレート41Rに対して相対的に回動可能である。
第2出力部材51Rは、作動油を取出し可能な第2取出部56Rを有する。第2取出部56Rは、作業具9に装備された油圧アクチュエータに油圧ホース等を介して接続される。また、第2出力部材51Rは、第2出力部57Rを有する。第2出力部57Rは、作動油をロック解除弁61へ出力可能である。
ロック解除弁61は、第2プレート41Rの下部の内側に取り付けられている。ロック解除弁61は、第2出力部材51Rの近傍に設けられている。ロック解除弁61は、ソレノイド弁(電磁弁)によって構成されている。ロック解除弁61には、通電用のワイヤハーネス222が接続されている。ロック解除弁61は、カプラシリンダ42を作動させる(作動油の給排を行う)本体弁61Aと、本体弁61Aを制御するソレノイド部61Bとを有する。
本体弁61Aは、接続部材62を介して第2出力部材51Rの第2出力部57Rに接続されている。また、本体弁61Aは、カプラシリンダ42における第1ピストン42L及び第2ピストン42Rのロッド側に接続部材63を介して接続されている。ロッド側とは、第1ピン40L、第2ピン40Rが連結されている側である。本実施形態では、シリンダチューブ42Aの一端側及び他端側である。第2油圧管路52Rからの作動油が、本体弁61Aから接続部材63を介してカプラシリンダ42のロッド側に供給されると、第1ピストン42L及び第2ピストン42Rが機体内方に移動して第1ピン40L及び第2ピン40Rが挿通穴34bから抜脱する。これにより、第1ピン40L及び第2ピン40Rによるリフトアーム8と作業具9との連結が解除される。なお、第1ピン40L及び第2ピン40Rを突出させるときは、シリンダチューブ42Aのロッド側から接続部材63、本体弁61A及び第2出力部57Rを介して作動油が抜けるようになっている。ロック解除弁61は、例えば、操縦レバー16のグリップに設けられたスイッチによって操作される。
図18~図20に示すように、ソレノイド部61Bは、カバー部材64によって覆われている。カバー部材64は、ボルト等の着脱可能な取付具223によって第2プレート41Rに取り付けられている。
尚、ロック解除弁61を第2プレート41Rに取り付けてもよい。この場合、カバー部材64も第2プレート41Rに取り付けられる。
上述した作業機1は、第3配管55Lを構成する油圧ホースの一端部が接続される接続体である第1入力部材50Lが、第1回動部50Laを有するスイベルジョイントから構成されている。また、第6配管55Rを構成する油圧ホースの一端部が接続される接続体である第2入力部材50Rが、第2回動部50Raを有するスイベルジョイントから構成されている。そのため、リフトアーム8が揺動したときに、第1回動部50La及び第2回動部50Raが回動することによって、第3配管55L及び第6配管55Rを構成する油圧ホースの移動(回動)が許容され、油圧ホースに過度の引張力等が作用することが防がれる。
しかし、油圧ホースが移動(回動)することによって他の部材と接触すると、油圧ホースが摩耗する虞がある。そこで、作業機1は、回動部(第1回動部50La、第2回動部50Ra)と共に回動する油圧ホースの回動範囲を規制する規制部材を備えている。規制部材は、第1規制部材224Lと第2規制部材224Rとを含む。
第1規制部材224Lは、第1回動部50Laの回動に伴って第3配管55Lを構成する油圧ホースが移動(回動)し、他の部材と接触して摩耗することを防止するための部材である。図15、図16に示すように、第1規制部材224Lは、支持ブラケット(第1支持ブラケット)225Lに支持されている。第1支持ブラケット225Lは、取付部225Laと支持部225Lbとを有している。取付部225Laは、第1出力部材51Lにボルト等の取付具226により取り付けられている。支持部225Lbは、取付部225Laから屈曲して第3配管55L側に向けて延びている。支持部225Lbは、第1規制部材224Lを支持している。
第1規制部材224Lは、L字状に屈曲された円柱状の棒体から構成されている。第1規制部材224Lは、後部位224Laと前部位224Lbとを有している。後部位224Laは、溶接等により第1支持ブラケット225Lの支持部225Lbに固定されている。後部位224Laは、機体幅方向K2と直交する方向(支持筒43と直交する方向)であって第1プレート41Lと平行方向に延びている。前部位224Lbは、後部位224Laから屈曲して、機体幅方向K2(支持筒43と平行方向)であって第1プレート41Lと直交する方向に延びている。
図17に示すように、前部位224Lbは、第1回動部50Laの中心(回動中心)C1を通る支持筒43の外周面の接線L1よりも、第3配管55Lに近い側に配置されている。尚、第1回動部50Laの中心C1を通る支持筒43の外周面の接線は2本あるが、接線L1は第3配管55Lに近い側の接線である。
また、図15、図16に示すように、前部位224Lbは、機体幅方向K2において、基端部が第3配管55Lを構成する油圧ホースよりも機体外方側に位置し、先端部が第3配管55Lを構成する油圧ホースよりも機体内方側に位置している。
図17に仮想線で示すように、第3配管55Lを構成する油圧ホースが回動した場合、当該油圧ホースが第1規制部材224Lに当たることにより回動範囲が規制される。より詳しくは、第3配管55Lを構成する油圧ホースが第1回動部50Laと共に回動した場合、当該油圧ホースの口金220が第1規制部材224Lに当たることにより、リフトアーム8に対して作業具9を揺動させるリンク機構の前部(連動リンク31の前部)側(支持筒43側)への回動範囲が規制される。これにより、第3配管55Lを構成する油圧ホースが、リフトアーム8に対して作業具9を揺動させるリンク機構の前部(支持筒43等)に接触して摩耗することが防がれる。
第2規制部材224Rは、第2回動部50Raの回動に伴って第6配管55Rを構成する油圧ホースが移動(回動)し、他の部材と接触して摩耗することを防止するための部材である。図18、図19に示すように、第2規制部材224Rは、支持ブラケット(第2支持ブラケット)225Rに支持されている。第2支持ブラケット225Rは、取付部225Raと支持部225Rbとを有している。取付部225Raは、第2出力部材51Rにボルト等の取付具227により取り付けられている。支持部225Rbは、取付部225Raから屈曲して第6配管55R側に向けて延びている。支持部225Rbは、第2規制部材224Rを支持している。
第2規制部材224Rは、円柱状の棒体から構成されている。第2規制部材224Rは、溶接等により第2支持ブラケット225Rの支持部225Rbに固定されている。第2規制部材224Rは、機体幅方向K2(支持筒43と平行方向)であって第2プレート41Rと直交する方向に延びている。
図20に示すように、第2規制部材224Rは、第2回動部50Raの中心(回動中心)C2を通る支持筒43の外周面の接線L2よりも、第6配管55Rに近い側に配置されている。尚、第2回動部50Raの中心C2を通る支持筒43の外周面の接線は2本あるが、接線L2は第6配管55Rに近い側の接線である。
また、図18、図19に示すように、第2規制部材224Rは、機体幅方向K2において、基端部が第6配管55Rを構成する油圧ホースよりも機体外方側に位置し、先端部が第6配管55Rを構成する油圧ホースよりも機体内方側に位置している。
図20に仮想線で示すように、第6配管55Rを構成する油圧ホースが回動した場合、当該油圧ホースが第2規制部材224Rに当たることにより回動範囲が規制される。より詳しくは、第6配管55Rを構成する油圧ホースが第2回動部50Raと共に回動した場合、当該油圧ホースの口金221が第2規制部材224Rに当たることにより、リフトアーム8に対して作業具9を揺動させるリンク機構の前部(連動リンク31の前部)側(支持筒43側)への回動範囲が規制される。これにより、第6配管55Rを構成する油圧ホースが、リフトアーム8に対して作業具9を揺動させるリンク機構の前部(支持筒43等)に接触して摩耗することが防がれる。
また、作業機1は、ロック解除弁61に接続されたワイヤハーネス222を保持する保持機構を備えている。図18、図19に示すように、保持機構は、第1保持部材231と第2保持部材232とを有している。第1保持部材231は、ワイヤハーネス222の第1中途部222aを保持する。第2保持部材232は、ワイヤハーネス222の第2中途部222bを保持する。第2中途部222bは、ワイヤハーネス222に沿う方向において第1中途部222aよりもロック解除弁61に近い側にある。
第1保持部材231は、第2支持ブラケット225Rに支持されている。第2支持ブラケット225Rは、取付部225Raから斜め上方に延びる延出部225Rcを有しており、当該延出部225Rcに第1保持部材231が支持されている。第1保持部材231は、ワイヤハーネス222の外周面を挟むことによってワイヤハーネス222を支持している。第1保持部材231とソレノイド部61Bとは、第2入力部材50Rを挟んで互いに反対側に配置されている。
第2保持部材232は、ソレノイド部61Bを覆うカバー部材64に設けられている。図18~図20に示すように、カバー部材64は、第1壁64a、第2壁64b、第3壁64c、第4壁64d、第5壁64eを有している。第1壁64aは、第2プレート41Rと対向して配置されている。第1壁64aと第2プレート41Rとの間にソレノイド部61Bが配置されている。第1壁64aは長方形と三角形とを組み合わせた五角形に形成されている。第2壁64b、第3壁64c、第4壁64d、第5壁64eは、第1壁64aの5つの辺から夫々屈曲して第2プレート41R側に向けて延設されている。第2壁64bは、本体弁61Aとソレノイド部61Bとの間に配置されている。第3壁64cは、ソレノイド部61Bの第2出力部材51R側と反対側に配置されている。第4壁64d及び第5壁64eは、ソレノイド部61Bの第2壁64b側と反対側(支持筒43側)に配置されている。第4壁64dと第5壁64eは、第2壁64bと反対側に向けて凸である山形状に形成されている。第4壁64dと第5壁64eは、支持筒43に近づくにつれて互いに接近している。第4壁64dは、油圧ホース(第6配管55R)側に位置している。第5壁64eは、油圧ホース(第6配管55R)側と反対側に位置している。カバー部材64の第2プレート41R側及び入力部材50R側は開放されている。
図18~図20に示すように、第2保持部材232は、グロメットから構成されている。第2保持部材232を構成するグロメットは、円錐台状の本体部232aと、本体部232aから突出する筒状部232bとを有している。本体部232aには、筒状部232bの内孔と連通する貫通孔が形成されている。ワイヤハーネス222の第2中途部222bは、第2保持部材232の本体部232aの貫通孔及び筒状部232bの内孔に挿通されて保持されている。
第2保持部材232は、カバー部材64の第4壁64dに取り付けられている。第4壁64dは、ソレノイド部61Bからのワイヤハーネス222の延出方向に対して傾斜する傾斜壁である。図20に示すように、第4壁(傾斜壁)64dの傾斜に沿って延びる延長線L3は、第1保持部材231とソレノイド部61Bとの間を通っている。
ワイヤハーネス222は、操縦レバー16のグリップに設けられたスイッチ等から延設され、第1中途部222aが第1保持部材231に保持された後、第2保持部材232に保持されてカバー部材64の第4壁64dを通過し、カバー部材64の内部でソレノイド部61Bのコネクタ65(図18参照)に接続されている。また、図示していないが、ワイヤハーネス222は、結束バンド等の結束具により油圧ホース(第6配管55R)と結束されている。結束位置は、操縦レバー16のグリップに設けられたスイッチ等と第1保持部材231との間の中途部である。
上述したように、ワイヤハーネス222の中途部が2つの保持部材(第1保持部材231、第2保持部材232)で保持されることによって、リフトアーム8が揺動したときにワイヤハーネス222が動いて他の部材と接触して摩耗することを防止できる。また、ワイヤハーネス222をカバー部材64の第4壁(傾斜壁)64dを通過させて配策することによって、ソレノイド部61Bのコネクタ65からカバー部材64の外部に至る部分において、ワイヤハーネス222の曲げの曲率半径を大きくすることができる(図18参照)。これにより、ワイヤハーネス222に過度な曲げ応力が加わることを防止できる。
<機体連結部材>
図21に示すように、後部機体2Bは、機体フレーム71と、この機体フレーム71に搭載されたフロアフレーム72とを有する。機体フレーム71は、後輪4L及び後輪4Rによって走行可能に支持される。機体フレーム71の前部に、機体連結部材5が取り付けられている。
図21、図22に示すように、機体フレーム71は、第1側部フレーム93L、第2側部フレーム93R、前部フレーム94を有している。第1側部フレーム93Lは、後部機体2Bの左部に設けられて前後方向に延びている。第2側部フレーム93Rは、後部機体2Bの右部に設けられて前後方向に延びている。前部フレーム94は、機体幅方向に延びており、第1側部フレーム93Lの前部と第2側部フレーム93Rの前部とを連結している。
図23、図24に示すように、前部フレーム94は、第1フレーム材941と第2フレーム材942とを有している。第1フレーム材941は、上板941aと下板941bと前板941cとを有している。上板941aと下板941bとは、上下方向に間隔をあけて互いに平行に配置されている。前板941cは、上板941aの前部と下板941bの前部とを繋いでいる。第2フレーム材942は、第1フレーム材941の後部に接続されている。第2フレーム材942の上部は、上板941aの後部に接続されている。第2フレーム材942の下部は、下板941bの後部に接続されている。前部フレーム94には、機体連結部材5が取り付けられている。
図22に示すように、後部機体2Bの前部には、前後方向に延びる円筒部240が設けられている。図23~図25に示すように、円筒部240は、前部フレーム94に取り付けられている。円筒部240の前部は、前板941cに形成された貫通孔941dから前方に突出している。円筒部240の後部は、第2フレーム材942に形成された貫通孔942aから後方に突出している。円筒部240は、2つの貫通孔941d,942aに嵌め入れられて固定されている。
図22に示すように、前部機体2Aの後部には、機体連結部材5に対して連結される連結板250が設けられている。連結板250は、前部機体2Aの後部から後方に向けて延出されている。連結板250は、上部連結板250Aと下部連結板250Bとを含む。上部連結板250Aと下部連結板250Bとは、上下方向に間隔をあけて平行に配置されている。図24に示すように、上部連結板250Aには第1孔250aが形成されており、下部連結板250Bには第2孔250bが形成されている。第1孔250aと第2孔250bとは上下方向に重なる位置に配置されている。
図22~図26に示すように、機体連結部材5は、上下方向に延びる軸心(第2軸心)Z1を有する連結軸251を有している。連結軸251は、連結板250の第1孔250aと第2孔250bに挿通されて前部機体2Aに連結される。図24~図26に示すように、機体連結部材5は、前後方向に延びる軸心(第1軸心)X1を有するセンターシャフト252を有している。後部機体2Bは、前部機体2Aに対して連結軸251の軸心回りに左方又は右方への揺動が可能である。また、後部機体2Bは、前部機体2Aに対してセンターシャフト252の軸心回りの揺動(オシレーション)が可能である。
図25に示すように、機体連結部材5は、第1支持部260と第2支持部270とを有している。第1支持部260は、後部機体2Bに対してセンターシャフト252を第1軸心X1回りに回動可能に支持している。第2支持部270は、連結軸251に対してセンターシャフト252を第2軸心Z1回りに回動可能に支持している。
図24~図26に示すように、センターシャフト252は、横軸部252aと縦軸部252bとを有している。横軸部252aは、段付き円柱状に形成され、センターシャフト252の後部において前後方向に延びている。縦軸部252bは、略円筒状の中空軸に形成されており、センターシャフト252の前部において上下方向に延びている。横軸部252aと縦軸部252bとは一体に形成されている。縦軸部252bの外周面には、ステアリングシリンダ6の先端部をピンを介して回動可能に枢支する枢支部241が突設されている。
図25、図26に示すように、第1支持部260は、前支持部261と後支持部262とを含む。前支持部261は、後部機体2Bの円筒部240に対してセンターシャフト252の横軸部252aの前部を回転可能に支持している。後支持部262は、後部機体2Bの円筒部240に対してセンターシャフト252の横軸部252aの後部を回転可能に支持している。
前支持部261は、ブッシュ263を含む。図24、図25に示すように、ブッシュ263は円筒状の部材である。ブッシュ263は、後部機体2Bの円筒部240の内周面とセンターシャフト252の横軸部252aの外周面との間に介装されている。ブッシュ263は、横軸部252aの前部を円筒部240に対して回転可能に支持する軸受として機能する。ブッシュ263としては、例えば、DUブッシュ(商品名)と呼ばれる金属筒の内周面をPTFEの層で覆ったものが使用される。
後支持部262は、第1球面滑り軸受264を含む。第1球面滑り軸受264は、横軸部252aの後部を円筒部240に対して回転可能に支持している。第1球面滑り軸受264は、第1内輪264aと第1外輪264bとを有している。第1内輪264aは、凸状球面の滑り面を有し、センターシャフト252の横軸部252aの外周面に取り付けられている。第1外輪264bは、凹状球面の滑り面を有し、後部機体2Bの円筒部240の内周面に取り付けられている。
センターシャフト252は、前支持部261と後支持部262によって支持されることによって、後部機体2Bの円筒部240に対して第1軸心X1回りに回動可能となっている。センターシャフト252に加わるラジアル荷重は、前支持部261のブッシュ263と後支持部262の第1球面滑り軸受264とで分担して支持される。
図24~図26に示すように、後部機体2Bの円筒部240には、アウタプレート280が固定されている。アウタプレート280は、円環形のプレートである。アウタプレート280は、第1外輪264bの端面(後端面)に当接した状態で、円筒部240の端面(後端面)に固定されている。円筒部240に対するアウタプレート280の固定は、円筒部240の後端面に形成されたねじ孔に対して、アウタプレート280に挿通したボルトBL1のねじ軸を螺合することにより行われる。第1外輪264bは、ボルトBL1の締結力によってアウタプレート280により押圧されることで円筒部240に対して固定される。尚、アウタプレート280を第1外輪264bの後端面に確実に当接させるために、円筒部240の後端面が第1外輪264bの後端面に対して前方に位置していることが好ましい。
センターシャフト252には、インナプレート281が固定されている。インナプレート281は、円形のプレートである。インナプレート281は、アウタプレート280の内側に配置されている。インナプレート281は、第1内輪264aの端面(後端面)に当接した状態で、センターシャフト252の端面(後端面)に固定されている。センターシャフト252に対するインナプレート281の固定は、センターシャフト252の横軸部252aの後端面に形成されたねじ孔に対して、インナプレート281に挿通したボルトBL2のねじ軸を螺合することにより行われる。第1内輪264aは、ボルトBL2の締結力によってインナプレート281により押圧されることでセンターシャフト252に対して固定される。尚、インナプレート281を第1内輪264aの後端面に確実に当接させるために、センターシャフト252の横軸部252aの後端面が第1内輪264aの後端面に対して前方に位置していることが好ましい。
上述したように、アウタプレート280によって第1外輪264bが円筒部240に対して固定され、インナプレート281によって第1内輪264aがセンターシャフト252に対して固定される。これにより、第1内輪264aをセンターシャフト252に対してしまり嵌めで圧入する作業及び第1外輪264bを円筒部240に対してしまり嵌めで圧入する作業が不要となり、円筒部240とセンターシャフト252と第1球面滑り軸受264の組み付け作業が容易となる。また、寸法公差のばらつきによって第1内輪264aに対してセンターシャフト252が滑る虞がなく、滑りを防ぐためのセンターシャフト252の焼き入れ処理が不要となる。また、センターシャフト252にスラスト荷重が作用したときに、第1球面滑り軸受264でスラスト荷重を受け止めることができ、センターシャフト252が円筒部240から抜けることを防止できる。
図25、図26に示すように、インナプレート281には、潤滑剤(グリス等)を供給するための給脂孔281aが形成されている。給脂孔281aは、インナプレート281を貫通し、センターシャフト252の横軸部252aの後部に形成された給脂路252cと繋がっている。給脂路252cは、横軸部252aの外周面にまで至っている。これにより、給脂孔281aから給脂路252cを介して第1球面滑り軸受264に対して潤滑剤(グリス等)を供給することができる。給脂孔281aは、非給脂時には蓋材253によって塞がれる。
図25に示すように、インナプレート281の外周面には溝281bが形成されており、この溝281bにOリング282が嵌め入れられている。Oリング282の外周面は、アウタプレート280の内周面に当接している。これにより、インナプレート281とアウタプレート280との間から給脂孔281aから供給した潤滑剤が漏れることがない。また、Oリング282は、溝281bに嵌め入れられてインナプレート281とアウタプレート280との間に挟まれているため、給脂時に脱落する虞が無い。
図25に示すように、第2支持部270は、上支持部271と下支持部272とを含む。上支持部271は、連結軸251の上部に対してセンターシャフト252を回動可能に支持している。下支持部272は、連結軸251の下部に対してセンターシャフト252を回動可能に支持している。上支持部271は、第1ブッシュ273を含む。下支持部272は、第2ブッシュ274を含む。
図24に示すように、第1ブッシュ273は円筒状の部材である。図25に示すように、第1ブッシュ273は、連結軸251の上部の外周面とセンターシャフト252の縦軸部252bの上部の内周面との間に介装されている。第1ブッシュ273は、センターシャフト252の縦軸部252bの上部を連結軸251に対して回転可能に支持する軸受として機能する。
図24に示すように、第2ブッシュ274は円筒状の部材である。図25に示すように、第2ブッシュ274は、連結軸251の下部の外周面とセンターシャフト252の縦軸部252bの下部の内周面との間に介装されている。第2ブッシュ274は、センターシャフト252の縦軸部252bの下部を連結軸251に対して回転可能に支持する軸受として機能する。
センターシャフト252は、上支持部271と下支持部272によって支持されることによって、連結軸251に対して第2軸心Z1回りに回動可能となっている。センターシャフト252に加わるラジアル荷重は、第1ブッシュ273と第2ブッシュ274とで分担して支持される。
第1ブッシュ273及び第2ブッシュ274としては、例えば、DUブッシュ(商品名)と呼ばれる金属筒の内周面をPTFEの層で覆ったものが使用される。第1ブッシュ273と第2ブッシュ274とは、上下方向に間隔をあけて配置されている。第1ブッシュ273と第2ブッシュ274との間には、円筒状のスペーサ268が介装されている。
連結軸251は、第1ブッシュ273、第2ブッシュ274、スペーサ268を貫通している。連結軸251の上部は、センターシャフト252の縦軸部252bの上端から突出し、上部連結板250Aの第1孔250aを貫通している。第1孔250aには、第1筒状体275が嵌め入れられている。第1筒状体275は、下部に第1鍔部275aを有している。第1鍔部275aは、第1ブッシュ273の上端面に当接している。第1鍔部275aと上部連結板250Aとの間には、第1環状体276が介装されている。第1鍔部275aの外側であって且つ第1環状体276と縦軸部252bの上端面との間には、円環状の第1シール材282が介装されている。連結軸251の上端部には、連結軸251の回転を防止する回り止め板279が嵌合されている。回り止め板279は、上部連結板250AにボルトBL3により固定されている。
連結軸251の下部は、センターシャフト252の縦軸部252bの下端から突出し、下部連結板250Bの第2孔250bを貫通している。第2孔250bには、第2筒状体277が嵌め入れられている。第2筒状体277は、上部に第2鍔部277aを有している。第2鍔部277aは、第2ブッシュ274の下端面に当接している。第2鍔部277aと下部連結板250Bとの間には、第2環状体278が介装されている。第2鍔部277aの外側であって且つ第2環状体278と縦軸部252bの下端面との間には、円環状の第2シール材283が介装されている。
第1筒状体275の第1鍔部275aが第1ブッシュ273の上端面に当接し、第2筒状体277の第2鍔部277aが第2ブッシュ274の下端面に当接していることによって、センターシャフト252にスラスト荷重が作用したときにスラスト荷重を受け止めることができ、センターシャフト252が連結軸251から抜けることを防止できる。
上述したように、作業機1は、機体連結部材5が第1球面滑り軸受264を含む第1支持部260によってセンターシャフト252を支持している。第1球面滑り軸受264は、アウタプレート280及びインナプレート281によって、第1外輪264bが円筒部240に対して固定され、第1内輪264aがセンターシャフト252に対して固定された状態で、凸状曲面の滑り面と凹状曲面の滑り面とが相対的に滑り移動する。そのため、第1支持部260における上下方向(ラジアル方向)と前後方向(スラスト方向)の両方のガタツキを低減することができる。これにより、前部機体2Aと後部機体2Bとの間に生じるガタツキを低減することができる。
尚、上述した実施形態(第一実施形態)では、前支持部261にブッシュ263を使用し、後支持部262に第1球面滑り軸受264を使用しているが、前支持部261にブッシュ263に代えて球面滑り軸受を使用してもよい。つまり、前支持部261と後支持部262の両方に球面滑り軸受を使用してもよい。
図27は、機体連結部材5の別の実施形態(第二実施形態)を示す断面図である。
第二実施形態は、上述した実施形態(第一実施形態)の機体連結部材5の構造と第2支持部270の構成のみが異なっており、第1支持部260の構成は同じである。以下、第二実施形態の機体連結部材5の第2支持部270の構成について説明する。
第2支持部270は、第2球面滑り軸受265を含む。つまり、第二実施形態の機体連結部材5は、第1支持部260が第1球面滑り軸受264を含み、第2支持部270が第2球面滑り軸受265を含んでいる。従って、第二実施形態の機体連結部材5のセンターシャフト252は、前後方向に延びる軸心(第1軸心)X1を有する横軸部252aと、上下方向に延びる軸心(第2軸心)Z1を有する縦軸部252bの両方が、球面滑り軸受(第1球面滑り軸受264、第2球面滑り軸受265)によって支持されている。
第2球面滑り軸受265は、センターシャフト252の縦軸部252bを連結軸251に対して回転可能に支持している。第2球面滑り軸受265は、第2内輪265aと第2外輪265bとを有している。第2内輪265aは、凸状球面の滑り面を有し、連結軸251の外周面に取り付けられている。第2外輪265bは、凹状球面の滑り面を有し、センターシャフト252の縦軸部252bの内周面に取り付けられている。第2内輪265aは、しまり嵌めによって連結軸251に圧入されている。第2外輪265bは、しまり嵌めによって縦軸部252bに圧入されている。
第2球面滑り軸受265は、上部軸受266と下部軸受267とを含む。上部軸受266は、連結軸251の上部に取り付けられている。下部軸受267は、連結軸251の下部に取り付けられている。具体的には、上部軸受266は、第2内輪265aが連結軸251の上部の外周面に取り付けられ、第2外輪265bが縦軸部252bの上部の内周面に取り付けられている。下部軸受267は、第2内輪265aが連結軸251の下部の外周面に取り付けられ、第2外輪265bが縦軸部252bの下部の内周面に取り付けられている。
第2支持部270は、上支持部271が上部軸受266を含み、下支持部272が下部軸受267を含む。上部軸受266と下部軸受267とは、上下方向に間隔をあけて配置されている。上部軸受266と下部軸受267との間には、円筒状のスペーサ269が介装されている。
連結軸251は、上部軸受266、下部軸受267、スペーサ269に挿通されている。連結軸251の上部は、センターシャフト252の縦軸部252bの上端から突出し、上部連結板250Aの第1孔250aを貫通している。第1孔250aには、第1筒状体275が嵌め入れられている。第1筒状体275は、下部に第1鍔部275aを有している。第1鍔部275aは、上部軸受266の上端面に当接しているが、縦軸部252bの上端面には当接していない。第1鍔部275aと上部連結板250Aとの間には、第1環状体276が介装されている。連結軸251の上端部には回り止め板279が嵌められており、回り止め板はボルトBL3により上部連結板250Aに固定されている。
連結軸251の下部は、センターシャフト252の縦軸部252bの下端から突出し、下部連結板250Bの第2孔250bを貫通している。第2孔250bには、第2筒状体277が嵌め入れられている。第2筒状体277は、上部に第2鍔部277aを有している。第2鍔部277aは、下部軸受267の下端面に当接しているが、縦軸部252bの下端面には当接していない。第2鍔部277aと下部連結板250Bとの間には、第2環状体278が介装されている。
第1筒状体275の第1鍔部275aが上部軸受266の上端面に当接し、第2筒状体277の第2鍔部277aが下部軸受267の上端面に当接していることによって、センターシャフト252にスラスト荷重が作用したときに上部軸受266及び下部軸受267によりスラスト荷重を受け止めることができ、センターシャフト252が連結軸251から抜けることを防止できる。
センターシャフト252は、上部軸受266を含む上支持部271と下部軸受267を含む下支持部272によって支持されることによって、連結軸251に対して第2軸心Z1回りに回動可能となっている。センターシャフト252に加わるラジアル荷重は、上部軸受266と下部軸受267とで分担して支持される。
上述した第二実施形態の機体連結部材5は、第2球面滑り軸受265を含む第2支持部270によってセンターシャフト252を支持している。第2球面滑り軸受265は、第2内輪265aがしまり嵌めによって連結軸251に圧入され、第2外輪265bがしまり嵌めによって縦軸部252bに圧入された状態で、凸状曲面の滑り面と凹状曲面の滑り面とが相対的に滑り移動する。そのため、第2支持部270において、ラジアル方向(前後方向)とスラスト方向(上下方向)の両方のガタツキを低減することができる。また、後部機体2Bが常に連結軸251に対して曲げモーメントを発生させており、この曲げモーメントを第2球面滑り軸受265が受け持って球面で支持するため、スラスト方向のガタツキが発生しにくい。加えて、第二実施形態の機体連結部材5は、上述した第一実施形態と同様に、第1球面滑り軸受264を含む第1支持部260によってセンターシャフト252を支持している。そのため、第1支持部260においても、上下方向(ラジアル方向)と前後方向(スラスト方向)の両方のガタツキを低減することができる。その結果、前部機体2Aと後部機体2Bとの間に生じるガタツキをより確実に低減することができる。
尚、第二実施形態において、第1支持部260と第2支持部270のいずれか一方を球面滑り軸受とし、他方をDUブッシュ(商品名)等のブッシュとしてもよい。具体的には、第1支持部260を第1球面滑り軸受264として第2支持部270を第2ブッシュ274としてもよいし、第2支持部270を第2球面滑り軸受265として第1支持部260を第1ブッシュ273としてもよい。
上記実施形態の作業機1は、以下の効果を奏する。
作業機1は、作業具9が装着されるリフトアーム8と、リフトアーム8を揺動可能に支持する支持フレーム10L,10Rと、照明灯(前照灯)33L,33Rと、照明灯33L,33Rを支持フレーム10L,10Rの外側面に取り付ける取付部材200L,200Rと、を備え、取付部材200L,200Rは、前記外側面に取り付けられる基部201と、基部201から外側方に延びる第1部位202aと第1部位202aの延設端から上方に向けて延びる第2部位202bとを有するパイプにより構成された延設部202とを有し、第2部位202bに照明灯33L,33Rが取り付けられており、支持フレーム10L,10Rの外側面には、前記パイプの中空部と連通する貫通孔10Laが形成されており、支持フレーム10L,10Rとの接続部における前記パイプの内面の下縁部202cは、貫通孔10Laの下縁部10Lcよりも上方に配置されている。
上記の構成によれば、パイプ(延設部202)内に雨水等が溜まることを抑制し、内部に溜まった雨水等によって取付部材200L,200Rが腐食することを抑制できる。また、取付部材200L,200Rの第2部位202bと支持フレーム10L,10Rとの間のスペースを介してリフトアーム8の前部を視認することができる。
また、照明灯33L,33Rに接続されるワイヤハーネス206を備え、ワイヤハーネス206は、前記パイプ及び貫通孔10Laに挿通されている。
この構成によれば、ワイヤハーネス206の周囲が延設部202を構成するパイプによって覆われるため、ワイヤハーネス206を外力や雨等から保護することができる。また、ワイヤハーネス206をパイプ202内に挿通させることにより視界性を向上させることができる。
また、支持フレーム10L,10Rは、前記外側面を形成する外側板10L1と外側板10L1に対向配置された内側板10L2とを有し、内側板10L2における外側板10L1に設けられた貫通孔10Laに対向する位置に第2貫通孔10Lbが設けられており、貫通孔10La及び第2貫通孔10Lbには、パイプ202の内部と連通する内部孔210aを有し且つ外側板10L1と内側板10L2とにわたって延びる筒体210が装着されており、筒体210の内部孔210aには、ワイヤハーネス206が挿通されており、パイプ202の内面の下縁部202cは、筒体210の内面の下縁部210bよりも上方に配置されている。
上記の構成によれば、パイプ202内に雨水が溜まることによって、パイプ202の腐食の原因になったりワイヤハーネス206に悪影響を及ぼしたりすることを防止できる。
また、第2部位202bの先端には、パイプ202内部への水の浸入を防ぐシール材207が設けられている。
上記の構成によれば、第2部位202bの先端からパイプ202の内部に水が浸入することを防止できる。
また、運転席13及び運転席保護装置14が搭載された後部機体2Bと、後部機体2Bの前部に上下方向に延びる軸心回りに揺動可能に連結された前部機体2Aとを備え、第1部位202aは、基部201から前記外側面に対して前方に傾斜して前方且つ外側方に延びている。
上記の構成によれば、後部機体2Bに対して前部機体2Aを揺動させた場合でも取付部材200L,200Rと運転席保護装置14とが干渉することを抑制できる。
また、パイプ(延設部202)は、基部201に接続された基端面204を有し、基端面204は第1部位202aにおけるパイプ202の中心軸CL1に直交する断面S1に対して傾斜している。
上記の構成によれば、後部機体2Bに対して前部機体2Aを揺動させた場合でも取付部材200L,200Rと運転席保護装置14とが干渉することを抑制できる。
また、作業機1は、機体2と、機体2に上下揺動可能に装着されたリフトアーム8と、リフトアーム8の前部に装着される作業具9と、リフトアーム8と作業具9とを連結する連結ピン40L,40Rと、前記連結の解除及び前記連結を行うべく連結ピン40L,40Rを移動させるカプラシリンダ42と、を有するクイックカプラ32と、カプラシリンダ42に供給される作動油を供給する油圧ホース55L,55Rと、クイックカプラ32に対して相対的に回動可能な回動部50La,50Raを有し、回動部50La,50Raに油圧ホース55L,55Rの一端側が接続される接続体50L,50Rと、回動部50La,50Raと共に回動する油圧ホース55L,55Rの回動範囲を規制する規制部材224L,224Rと、を備えている。
この構成によれば、油圧ホース55L,55Rの回動範囲が規制部材224L,224Rによって規制されるため、油圧ホース55L,55Rがリフトアーム8の揺動に伴って移動(回動)して他の部材と接触して摩耗することを防止できる。
また、油圧ホース55L,55Rの一端側には口金220,221が設けられており、規制部材224L,224Rは、口金220,221に当接することにより油圧ホース55L,55Rの回動範囲を規制する。
この構成によれば、金属製の口金220,221が規制部材224L,224Rに当接することによって油圧ホース55L,55Rの回動範囲を規制するため、油圧ホース55L,55Rが規制部材224L,224Rに当接することによって摩耗することを防止できる。
また、リフトアーム8に対して作業具9を揺動可能に連結するリンク機構(揺動リンク28、連動リンク31)を備え、リンク機構の前部はクイックカプラ32に取り付けられており、規制部材224L,224Rは、油圧ホース55L,55Rのリンク機構の前部側への回動範囲を規制する。
この構成によれば、油圧ホース55L,55Rがリフトアーム8の揺動に伴って移動(回動)して、リンク機構の前部と接触して摩耗することを防止できる。
また、クイックカプラ32に取り付けられ且つ前記連結の解除を行うべくカプラシリンダ42を作動するロック解除弁61と、ロック解除弁61に接続された通電用のワイヤハーネス222と、ワイヤハーネス222の第1中途部222aを保持する第1保持部材231と、規制部材224L,224R及び第1保持部材231を支持する支持ブラケット225L,225Rと、を備えている。
この構成によれば、ワイヤハーネス222の第1中途部222aが第1保持部材231によって保持されるため、リフトアーム8の揺動に伴ってワイヤハーネス222が大きく動くことを防止できる。また、支持ブラケット225L,225Rが規制部材224L,224Rを支持する機能と第1保持部材231を支持する機能とを有するため、規制部材224L,224Rを支持する部材と第1保持部材231を支持する部材とを別々に設ける必要がない。そのため、規制部材224L,224R及び第1保持部材231の取り付けの容易化と部品点数の削減を図ることができる。
また、クイックカプラ32(第2プレート41R)に固定され且つ油圧ホース55Rから供給される作動油をロック解除弁61に出力する出力部材51Rを備え、接続体50Rは、出力部材51Rに取り付けられて回動部50Raが出力部材51Rに対して回動可能であり、支持ブラケット225Rは出力部材51Rに取り付けられている。
この構成によれば、支持ブラケット225Rがクイックカプラ32に固定された出力部材51Rに取り付けられることによって、支持ブラケット225Rを接続体50Rに取り付けた場合に比べて、クイックカプラ32に対するガタツキを小さくすることができる。具体的には、支持ブラケット225Rを接続体50Rに取り付けた場合には、クイックカプラ32に対する出力部材51Rの取り付け公差と、出力部材51Rに対する接続体50Rの取り付け公差の両方に起因するガタツキが生じるが、支持ブラケット225Rを出力部材51Rに取り付けることによって、出力部材51Rに対する接続体50Rの取り付け公差に起因するガタツキを排除することができる。
また、ロック解除弁61は、カプラシリンダ42を作動させる本体弁61Aと、本体弁61Aを制御するソレノイド部61Bとを有し、ソレノイド部61Bはカバー部材64により覆われており、カバー部材64には、ワイヤハーネス222の第2中途部222bが挿通され且つ保持される第2保持部材232が設けられている。
この構成によれば、ワイヤハーネス222の第1中途部222aが第1保持部材231によって保持され、第2中途部222bが第2保持部材232によって保持されるため、リフトアーム8の揺動に伴ってワイヤハーネス222に負担がかかる無理な動きが生じることを防止できる。
また、カバー部材64は、ソレノイド部61Bからのワイヤハーネス222の延出方向に対して傾斜し且つ当該傾斜に沿って延びる延長線L3が第1保持部材231とソレノイド部61Bとの間を通る傾斜壁64dを有し、第2保持部材232は傾斜壁64dに取り付けられている。
この構成によれば、ソレノイド部61Bから第2保持部材232に至るまでのワイヤハーネス222の急激な屈曲を回避することができ、ワイヤハーネス222に過大な曲げ応力が加わることを防止できる。
また、作業具9側に係合される係合部39L,39Rが設けられたロッド部材35を備え、リンク機構(揺動リンク28、連動リンク31)の前部は、取付プレート41L,41Rに取り付けられ且つロッド部材35を支持する支持筒43を含み、規制部材224L,224Rは、油圧ホース55L,55Rの支持筒43側への回動範囲を規制する。
この構成によれば、油圧ホース55L,55Rがリフトアーム8の揺動に伴って移動(回動)して、リンク機構の前部に設けられた支持筒43と接触して摩耗することを防止できる。
また、作業機1は、運転席13が搭載された後部機体2Bと、作業具9が装着される前部機体2Aと、前後方向に延びる第1軸心X1を有するセンターシャフト252と、後部機体2Bに対してセンターシャフト252を第1軸心X1回りに回動可能に支持する第1支持部260と、上下方向に延びる第2軸心Z1を有し且つ前部機体2Aに連結される連結軸251と、連結軸251に対してセンターシャフト252を第2軸心Z1回りに回動可能に支持する第2支持部270と、を備え、第1支持部260は、凸状曲面の滑り面を有し且つセンターシャフト252の外周面に取り付けられる第1内輪264aと、凹状曲面の滑り面を有し且つ後部機体2Bに取り付けられる第1外輪264bとを有する第1球面滑り軸受264を含む。
この構成によれば、後部機体2Bに対してセンターシャフト252を第1軸心X1回りに回動可能に支持する第1支持部260が第1球面滑り軸受264を含むことによって、センターシャフト252の周囲に回動を許容するための隙間を設ける必要が無くなり、当該隙間に起因して生じるガタツキを無くすことができる。その結果、前部機体2Aと後部機体2Bとの間に生じるガタツキを低減することができる。
また、第1内輪264aの端面に当接した状態でセンターシャフト252に固定されるインナプレート281を備えている。
この構成によれば、インナプレート281によって第1内輪264aとセンターシャフト252とを固定することができるため、第1内輪264aをセンターシャフト252に対してしまり嵌めで圧入する作業が不要となり、センターシャフト252と第1球面滑り軸受264の組み付け作業が容易となる。また、寸法公差のばらつきによって第1内輪264aに対してセンターシャフト252が滑る虞がなく、滑りを防ぐためのセンターシャフト252の焼き入れ処理が不要となる。
また、第1外輪264bの端面に当接した状態で後部機体2Bに固定されるアウタプレート280を備えている。
この構成によれば、アウタプレート280によって第1外輪264bと後部機体2Bとを固定することができるため、第1外輪264bを後部機体2Bに対してしまり嵌めで圧入する作業が不要となり、後部機体2Bと第1球面滑り軸受264の組み付け作業が容易となる。
また、後部機体2Bの前部には前後方向に延びる円筒部240が設けられ、第1支持部260は、センターシャフト252の前部の外周面と円筒部240の内周面との間に介装された円筒状のブッシュ263を含み、第1球面すべり軸受264は、センターシャフト252の後部の外周面と円筒部240の内周面との間に介装されている。
この構成によれば、センターシャフト252の前部をブッシュ263で支持することができ、センターシャフト252の後部を第1球面すべり軸受264で支持することができる。そのため、センターシャフト252の前部を簡易な構造で支持することができるとともに、センターシャフト252の後部をガタツキ無く支持することができる。
また、第2支持部270は、凸状曲面の滑り面を有し且つ連結軸251の外周面に取り付けられる第2内輪265aと、凹状曲面の滑り面を有し且つセンターシャフト252に取り付けられた第2外輪265bとを有する第2球面滑り軸受265を含む。
この構成によれば、第1支持部260と第2支持部270の両方において、上下方向(ラジアル方向)と前後方向(スラスト方向)の両方のガタツキを低減することができる。その結果、前部機体2Aと後部機体2Bとの間に生じるガタツキをより確実に低減することができる。
また、第2球面滑り軸受265は、連結軸251の上部に取り付けられる上部軸受266と、連結軸251の下部に取り付けられる下部軸受267とを含み、前部機体2Aの後部には、連結軸251の上部が挿通される第1孔250aと、連結軸251の下部が挿通される第2孔250bとが形成され、連結軸251の外周面と第1孔250aの内周面との間には、上部軸受266の上面に当接する第1鍔部274aを有する第1筒状体274が介装され、連結軸251の外周面と第2孔250bの内周面との間には、下部軸受267の下面に当接する第2鍔部277aを有する第2筒状体277が介装されている。
この構成によれば、第1筒状体275の第1鍔部275aが上部軸受266の上端面に当接し、第2筒状体277の第2鍔部277aが下部軸受267の上端面に当接していることによって、センターシャフト252にスラスト荷重が作用したときに、当該スラスト荷重を上部軸受266と下部軸受267で受け止めることができ、センターシャフト252が連結軸251から抜けることを防止できる。
以上、本発明の一実施形態について説明したが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。