[0032]本開示は、グローサのためのシューパッドに関連する、さらには1つまたは複数のシューパッドを有する車両軌道に関連する、デバイス、組立体、および方法を説明する。いくつかの実施例では、車両軌道が、金属グローサなどの、複数の相互接続されるグローサを有することができる。グローサが、閉じた軌道を画定するために機械的に一体に接続され得る。グローサの間のジョイントが、隣接するグローサを基準としてグローサが移動するのを可能にすることができ、例えば、車両軌道の回転時に隣接するグローサの間の角度をグローサが変更するのを可能にすることができる。これにより、車両軌道が柔軟性を有することおよび楕円形状を維持することを可能にすることができる。
[0033]車両軌道のグローサが、車両軌道のトラクションを増大させるために地表面に係合されるように構成される1つまたは複数の突出部を画定することができる。いくつかの事例では、グローサのこれらの突出部または他の部分が、地表面にダメージを与えること、または金属車両軌道上に設置される車両に比較的荒い乗り心地を提供すること、などの可能性がある。いくつかのこのような例では、1つまたは複数のシューパッドが車両の軌道の1つまたは複数のグローサの地面接触面に取り付けられ得、それにより、地表面に対しての悪影響を最小にするのを補助すること、金属車両軌道上に設置される車両に滑らかな乗り心地を提供すること、などを行う。
[0034]いくつかのシューパッドがグローサにボルト留めされ得るかまたはグローサ上にクリップ留めされ得る。例えば、ボルトオンのシューパッドがグローサを通してボルト留めされるように構成され得る。いくつかのこのような実施例では、シューパッドが、グローサによって画定される対応する複数のアパーチャ(例えば、貫通孔)を通るように挿入されるように構成される複数のボルトを有することができる。グローサの製造業者はこのようなシューパッドと共に使用するようにグローサを設計していない可能性があり、したがって、製造業者によって形成された元のグローサが、シューパッドの取り付けのボルトを受けるように構成される対応する複数のアパーチャを画定しない可能性がある。したがって、複数のボルトを介してボルトオンのシューパッドを取り付けることを目的としてグローサが修正される必要がある可能性がある。これは時間がかかる可能性があり、また費用が増す可能性がある。こうすることで、アフターマーケットのシューパッド(例えば、グローサの製造後またはグローサを有する車両軌道の製造後にグローサに取り付けられるように構成されるシューパッド)などの、いくつかのボルトオンのシューパッドが多種多様な種類のグローサと共に使用されることが困難および/またはコスト高となる可能性がある。その理由は、ボルトオンのシューパッドが、特定の構成のアパーチャを画定する具体的な種類のグローサに取り付けられるように構成されている可能性があるからである。
[0035]クリップオンのシューパッドが、締まり嵌めを介してグローサに固定されるように構成され得る。例えば、シューパッドが、シューパッドをグローサに取り付けることを目的としてグローサの内側に係合されるように構成されるクリップまたはチャンネルを有することができる。クリップオンのシューパッドが、シューパッドをグローサに固定するためのボルトまたは別の接続機構を使用することなく、締まり嵌めのみを介してグローサに取り付けられ得る。シューパッドとグローサとの間の締まり嵌めが弱まる可能性があり、その結果、クリップオンのシューパッドがグローサから緩む可能性があり、これが、車両軌道の性能に悪影響を与える可能性がある(例えば、車両軌道の安定性を低下させる可能性がある)。加えて、クリップオンのシューパッドとグローサとの間の締まり嵌めが弱まることにより、例えばシューパッドの地表面が摩滅する前といったように、シューパッドが過度に早期に交換される可能性がある。
[0036]上述のボルトオンのシューパッドまたはクリップオンのシューパッドとは対照的に、本明細書で説明されるシューパッドは、グローサ自体の中に存在するボルトアパーチャを必要とすることなく、グローサに堅固に取り付けられるように構成され、それにより多様な種類のグローサの上にシューパッドを追加設置することが可能となり得る。加えて、グローサに係合されるがグローサを通って延在しないボルトが、グローサに対してシューパッドを固着するのを補助するのに使用され得、それにより、比較的荒い表面条件で車両軌道を使用する場合でも、シューパッドとグローサとの間の緊密な嵌合を長時間にわたって維持するのを補助することができる。
[0037]本明細書で説明されるシューパッドは、各々、グローサの外側(例えば、地面接触面)を覆うように構成される。シューパッドがブラケットを使用してグローサに固定され得る。いくつかの実施例では、1つまたは複数のボルトがシューパッドをグローサに固定するのに使用されてもよい。ブラケットが、シューパッドの中に挿入されてグローサの内側に接触するように構成され得、1つまたは複数のボルトがシューパッドのボルトアパーチャおよびブラケットのボルトアパーチャを通るように挿入されるように構成され得る。いくつかの実施例では、ボルトが、例えば金属グローサ自体の中に存在するボルトアパーチャを必要とすることなく、金属グローサを通って延在せずに金属グローサの外側に接触して係合され得る。こうすることで、本明細書で説明されるシューパッドが、グローサ内に存在するボルトアパーチャを必要とすることなく、グローサに堅固に取り付けられ得、長時間にわたってこの固定的な取り付けを維持することができる。さらに、ボルトオンのまたはクリップオンのシューパッドと比較して、シューパッドが多くの異なる種類のグローサの上に追加設置されることが可能となり得たり、長い有用寿命を有することができたり、製造が安価になり得たり、または製造に要する時間が短くなり得たりする。
[0038]いくつかの実施例では、本明細書で説明されるシューパッドが、スロットと、スロットに連通される第1のボルトアパーチャとを画定する。シューパッドがグローサの外側の上に配置され得、ブラケットの第1のアームがシューパッドのスロットの中に挿入され得る。ブラケットの第2のアームが、シューパッドをグローサに取り付けることを目的としてグローサの内側に接触するように構成され得る。ブラケットの第1のアームが、シューパッドのスロットの中に第1のアームが挿入されるときに、第1のボルトアパーチャに実質的に位置合わせされるように構成される第2のボルトアパーチャを画定することができ、ボルトが、シューパッドをグローサに固定することを目的としてグローサの表面に係合されるために(グローサの厚さを通って延在することなく)第1および第2のボルトアパーチャを通るように挿入され得る。こうすることで、本明細書で説明されるシューパッドが、1つまたは複数の予め形成される孔をグローサ内に存在させるのを必要とすることなくグローサに取り付けられることが可能となり得、同時にグローサとの比較的緊密な嵌合を実現する。いくつかの実施例では、車両軌道を形成する複数の相互接続されるグローサの各グローサがそれぞれのシューパッドによって覆われてよく、それにより、車両軌道上に設置される車両に滑らかな乗り心地を提供したりまたは地表面にダメージを与えるのを防止するのを補助したりする。
[0039]図1が、複数のグローサ12および複数のシューパッド14(説明を簡単にするために図1には複数のシューパッド14のうちの1つのシューパッドのみが示される)を有する例示の車両軌道10の一部分の斜視図である。車両軌道10が、例えば、無限軌道ボディを画定することができるか、あるいは1つまたは複数の駆動スプロケットホイール(図示せず)によって駆動されるように構成される連続する軌道を画定することができる。駆動スプロケットホイールが、例えば、車両の駆動システムの一部分であってよい。駆動システムが、第1の駆動スプロケットホイールとは反対の車両軌道10の端部の上に配置される駆動スプロケットホイールなどの、1つまたは複数の他の駆動スプロケットホイールをさらに有することができる。通常は駆動モータによって作動される駆動スプロケットホイールが車両軌道10に係合されて車両軌道10を回転させる。車両軌道10が回転して地表面に係合されると、車両軌道10をその上に設置しているところの車両が、車両軌道10の回転方向に応じて、前方または後方に移動する。他の実施例では、他の駆動機構が車両軌道10を駆動するのに使用され得る。車両軌道10が、限定しないが、土木工事車両(例えば、スキッドステアローダー)または農業車両(例えば、トラクター)などの、産業用車両と共に使用され得る。
[0040]図1では、車両軌道10の一部分が切り取られており、グローサ12の内側13Aおよび外側13Bを示している。グローサ12の外側13Bが、内側13Aとは反対のグローサ12の側にある。内側13Aが車両軌道10の内周を画定し、車両軌道10を車両の駆動システムに設置するように構成される。図1に示される実施例では、内側13Aが、駆動スプロケットホイールを車両軌道10に位置合わせして係合させるのを補助する2列のガイドラグ18Aおよび18B(総称して「ガイドラグ18」)を有する。具体的には、ガイドラグ18が、駆動スプロケットホイールを受けるようにサイズ決定および成形されるガイドチャンネル20を画定する。各列のガイドラグ18が長手方向において(または、連続する車両軌道の場合は円周方向において)、反対側の列の対応するガイドラグ18に位置合わせされる(例えば、1つのガイドラグ18Aが反対のガイドラグ18Bに位置合わせされる)。しかし、他の実施例では、ガイドラグ18が、反対の列内の対応するガイドラグ18と長手方向において部分的に重なり合うようにまたは反対の列のガイドラグ18と交互になるように配置され得、ここでは、2つのガイドラグ18がグローサ12の内側13Aに沿って等しい長手方向位置を有さない。さらに、いくつかの事例では、グローサ12の内側13Aが、図1に示されるように実質的に中央に配置されるのではなく、グローサ12の縁部の近くにあるガイドラグ18を有することができる。
[0041]グローサ12の内側13Aが、駆動スプロケットホイールの上に車両軌道10が設置されるときに、駆動スプロケットホイールの駆動スプロケット歯に係合されるように構成される複数のリブ16をさらに画定する。駆動スプロケットホイールが回転すると、駆動スプロケット歯がリブ16の間に画定されるアパーチャに係合され、それにより車両軌道10を回転させる。車両軌道10が回転することの結果として、車両軌道10(および、車両軌道10を上に設置している任意の車両)が第1の方向(例えば、前方)に移動する。駆動スプロケットホイールが反対方向に回転させられると、車両軌道10が第1の方向とは反対の第2の方向(例えば、後方)に移動する。
[0042]複数のグローサ12の外側13Bが、車両軌道10または複数のグローサ12の外周(あるいは、非円形の車両軌道10の場合は、周縁部)を画定し、車両の上に車両軌道10が設置されるときに外部表面(例えば、地面)に係合され得るように構成され得、したがって、外側13Bは車両軌道10のおよび/または複数のグローサ12の地面接触面と称され得る。いくつかの実施例では、グローサ12を外部表面に係合させるのをおよび地表面とのトラクションを増大させるのを補助するために、外側13Bが複数のトラクションラグ22を備える。複数のトラクションラグ22が複数のグローサ12の共通の表面から延在することができ、それにより地面接触面を画定する。
[0043]複数のグローサ12が任意適切な材料から作られ得る。いくつかの実施例では、複数のグローサ12が金属または合金から作られる。例えば、グローサ12が、各々、例えば、低炭素鋼(例えば、最大約0.3重量%(炭素)であり、例えばC1022の鋼鉄など)、または中炭素鋼(例えば、最大約0.5重量%(炭素)であり、例えばC1045の鋼鉄など)などの鋼鉄のうちの1つを含むことができる。グローサ12が、チェーンリンクまたは任意適切な接続機構により、相互接続され得、それにより車両軌道10を形成する。図1に示される実施例などの、いくつかの実施例では、接続機構(例えば、チェーンリンク)が、ガイドラグ18、リブ16、および/またはガイドチャンネル20を画定することができる。接続機構が、複数のグローサ12の各グローサを隣接するグローサを基準として移動(枢動)させるのを可能にする。例えば、複数のグローサ12の1つのグローサが隣接するグローサを基準として枢動することができ、それにより隣接するグローサの間の角度を変更し、それにより車両軌道10が柔軟性を有することおよび楕円形状を維持することが可能となる(例えば、連続する車両軌道10の場合)。他の実施例では、複数のグローサ12が、追加または代替の接続機構を使用して相互接続され得、ならびに/あるいはガイドラグ18、リブ16、および/またはガイドチャンネル20が、グローサ12の追加のまたは代替の構造によって画定され得る。
[0044]いくつかの実施例では、車両軌道(例えば、複数のグローサ12を有するがシューパッドを一切有さない車両軌道)が、車両軌道に設置される車両に、比較的荒い乗り心地を提供する可能性があるか、または例えば芝生などの地表面に意図せずにダメージを与える可能性がある。例えば、金属から作られる複数のグローサ12から車両軌道10から形成されるようないくつかの事例では、複数のグローサ12がいくつかの地表面より固い可能性があり、それにより複数のグローサ12が意図されずに地表面を変化させる可能性がある。さらに、金属で作られる複数のグローサ12は、地表面に接触するときに地表面からの衝撃を吸収しない可能性があり、および/または曲がる可能性があり、それにより、地表面が意図されずにダメージを受ける可能性があるがあるか、比較的荒い乗り心地になる可能性があるか、またはその両方の可能性がある。加えて、いくつかの実施例では、トラクションラグ22が連続しない地面接触面を画定することができる。例えば、トラクションラグ22が車両軌道10の外側に沿うように分布される可能性があり、それにより車両軌道10の地面接触面を分断する可能性がある。このように連続しない地面接触面を原因として、トラクションラグ22と、車両軌道10の回転時に地表面に接触するトラクションラグ22の間にある複数のグローサ12の部分と、の間での移行により、車両軌道10上に設置される車両の乗り心地が比較的荒くなる可能性があり(例えば、凸凹になる可能性がある)。したがって、いくつかの実施例では、複数のシューパッド14が外側13B(例えば、トラクションラグ22の地面接触面)の少なくとも一部分を覆うように複数のグローサ12に取り付けられ得、それにより、車両軌道10に設置される車両に滑らかな乗り心地を提供し、および/または地表面に対してダメージを与えるのを防止するのを補助する。いくつかの実施例では、複数のグローサ12の各グローサが複数のシューパッド14のそれぞれのシューパッドによって覆われ得る。
[0045]複数のシューパッド14が、グローサ12より柔らかい材料から形成され得る。例えば、車両軌道10の複数のシューパッド14がポリマーを含むことができる(例えば、ポリマーから形成され得るかまたはポリマーを含む)。いくつかの実施例では、複数のシューパッド14が、ポリウレタン、あるいは天然ゴム、合成ゴム、または別のエラストマ材料などのエラストマ、のうちの一方または両方を含むことができる。適切な合成ゴムの例には、限定しないが、スチレンブタジエンゴムおよびポリブタジエンゴムが含まれる。いくつかの実施例では、複数のシューパッド14が、補強剤、加硫促進剤、オゾン割れ防止剤、酸化防止剤、加硫剤、凝固遅延剤、ゴム用軟化剤、または粘着性付与剤などの、所望の材料特性を達成するのを補助するための他の作用物質または活性剤をさらに含むことができる。複数のシューパッドの正確な組成は、車両軌道10を使用することを意図する具体的な用途を含めた、種々のファクタによって決定され得る。いくつかの実施例では、複数のシューパッド14が、タイプAのショアデュロメータスケール(例えば、ASTM D2240のタイプAのスケール)で約53から約87の範囲内にある硬さを有することができる。例えば、複数のシューパッド14が、タイプAのショアデュロメータスケールで約79から約87の範囲内にある硬さを有することができる。しかし、他の実施例では、複数のシューパッド14が、他の硬さを有するエラストマ材料または他の材料から形成されてもよい。いくつかの実施例では、複数のシューパッド14が、比較的高い伸び特性(elongation)および引張り強度をさらに有することができる。複数のグローサ12に取り付けられる複数のシューパッド14を有する車両軌道10が、グローサ12のみを有する車両軌道と比較して、より良好な車両操縦性能、より良好な乗り心地特性、および/またはより大きいトラクションを提供するのを補助することができる。
[0046]図2Aが、図1の車両軌道10のグローサ12に取り付けられるシューパッド14を有する例示の組立体30の斜視図である。図2Bが例示の組立体30の上面図である。組立体30が図1の車両軌道10の一部分であってよい。例えば、グローサ12Aが、複数のグローサ12の複数のグローサのうちの1つのグローサの例であってよく、シューパッド14Aが、複数のシューパッド14の複数のシューパッドのうちの1つのシューパッドの例であってよい。いくつかの実施例では、複数のグローサの各グローサがグローサ12Aのように構成され得、複数のシューパッド14の各シューパッドがシューパッド14Aと同様に構成され得る。したがって、以下の図の記述は特定のグローサ12Aおよび特定のシューパッド14Aを説明するものであるが、この記述が、車両軌道10の複数のグローサ12の他のグローサおよび/または複数のシューパッド14の他のシューパッドにも適用され得ることを理解されたい。
[0047]図2Aおよび2Bの実施例では、単一のシューパッド14Aが単一のグローサ12Aを覆う。いくかのこのような実施例では、シューパッド14Aが、グローサ12Aに対してのシューパッド14Aの他の比未満での車両軌道の移動を妨害することができる(例えば、グローサに対してのシューパッドの1:1の比を有する車両軌道10が、シューパッド14Aを有さないグローサ12Aを有する車両軌道と同じ形でまたは実質的に同じ形で移動することが可能となり得る)。しかし、他の実施例では、2つ以上のシューパッド14Aが単一のグローサ12Aを覆うように構成され得るか、または単一のシューパッド14Aが2つ以上のグローサ12Aを覆うように構成され得る。
[0048]図2Aで見ることができるように、グローサ12Aがトラクションラグ22Aおよび22B(まとめて、「トラクションラグ22」)を画定する。いくつかの実施例では、シューパッド14Aの一部分が、グローサ12Aに対してシューパッド14Aが取り付けられるときに、トラクションラグ22の間に配置されるようにおよび/またはトラクションラグ22を覆うように構成される。こうすることで、トラクションラグ22ではなくシューパッド14Aが組立体30の地面接触面を画定し、それにより、グローサ12Aを覆うシューパッド14Aを有さない車両軌道と比較して、組立体30を有する車両軌道10上に設置される車両に滑らかな乗り心地を提供することができ、および/または地表面に対して車両軌道がダメージを与えるのを防止するのを補助することができる。図2Aおよび2Bの実施例では、シューパッド14Aの底部分44がトラクションラグ22Aおよび22Bの間にある。いくつかの実施例では、シューパッド14Aが、トラクションラグ22Aおよび22Bの間に比較的緊密な嵌合を形成することができる。したがって、いくつかの事例では、シューパッド14Aの形状(または、底部分44などのシューパッド14Aの一部分の形状)が、グローサ12Aの外部表面13Bの形状に対応するように構成され得る。こうすることで、シューパッド14Aがトラクションラグ22の間で摺動したりまたは他の形で移動したりすることができないようになり、それによりグローサ12Aに対してシューパッド14Aが比較的堅固に固定された状態を維持するのを補助することができる。
[0049]いくつかの事例では、シューパッド14Aが、1つまたは複数のトラクションラグ22を覆うように構成される1つまたは複数の突起部36A、36Bを有する。例えば、突起部36Aが、トラクションラグ22Aの外側を覆うように構成され、突起部36Bがトラクションラグ22Bの外側を覆うように構成される。突起部36A、36Bが、トラクションラグ22の外部表面が地表面に接触するのを防止するのを補助することができる。いくつかの事例では、トラクションラグ22を覆う1つまたは複数の突起部36A、36Bを有するシューパッド14Aを備える組立体30を有する車両軌道10の回転時、トラクションラグ22が露出されにくくなり得、および/または地表面に接触しにくくなり得る。
[0050]他の実施例では、シューパッド14Aが、トラクションラグ22を覆うように構成される1つまたは複数の突起部36A、36Bを有さなくてよい。しかし、それでも、シューパッド14Aが、車両軌道10のための主要な地面接触面を画定するように構成され得る。例えば、シューパッド14Aが、グローサ12Aに取り付けられるとき、トラクションラグ22より高くてよい(例えば、図2Aに示されるz軸に沿ってグローサ12Aの外側13Bからシューパッド14Aの頂部表面32までで測定される)(単に説明を容易にするために直交するx-y-z軸が図2A~図4Bに示される)。言い換えると、シューパッド14Aが第1の高さを画定することができ(例えば、z軸に沿って測定する)、グローサ12A(例えば、トラクションラグ22を有するグローサ12Aの外側13B)が第1の高さより小さい第2の高さを画定することができる(例えば、z軸に沿って外側13Bからトラクションラグ22の地面接触面までで測定される)。したがって、トラクションラグ22がシューパッド14A程度には延在しなくてよく、その結果、車両軌道10が地表面上で回転するときにシューパッド14Aが軌道ラグ22より先にまたは軌道ラグ22の代わりに地表面に接触することができる。
[0051]いくつかの実施例では、シューパッド14Aが、比較的平坦な頂部表面32、テーパ状の側部表面34A、34B、および/またはテーパ状の縁部46A、46Bを有することができる。比較的平坦な頂部表面32を有するシューパッド14Aがシューパッド14Aの比較的安定する地面接触面を提供することができる。例えば、より大きい平坦な頂部表面32が、より小さい平坦な頂部表面および/または非平坦な頂部表面と比較してより滑らかな乗り心地を車両に提供することができる。その理由は、より大きい平坦な頂部表面32は、シューパッド14Aおよびグローサ12Aを有する車両軌道10上に設置される車両のためのより大きい地面接触面を提供することができるからである。他の実施例では、頂部表面32が湾曲していてよい(例えば、x-y平面を基準として)(x-y平面において平坦ではない)。いくつかのこのような実施例では、湾曲している頂部表面32が比較的漸進的に湾曲していてよく、それにより、急激に湾曲する頂部表面と比較して、より大きい地面接触面を形成することができ、および/または車両軌道10の安定性を向上させることができる。
[0052]テーパ状の側部表面34A、34Bが、それぞれの側部表面37A、37Bと頂部表面32との間に漸進的な角度の変化を実現し、それにより組立体30を有する車両に対してシューパッド14Aが滑らかな乗り心地を提供するのを補助することができる。例えば、シューパッド14Aを有する車両軌道10が回転すると、テーパ状の側部表面34A、34Bが、シューパッド14Aの頂部表面32および側部表面37A、37Bなどの多様な表面に唐突に接触する場合よりも滑らかにシューパッド14Aが地表面に沿って移動するのを可能にすることができる。例えば、第1のテーパ状の側部34Aが車両軌道10の回転時に最初に地表面に接触することができ、第1のテーパ状の側部表面34Aが、車両軌道10の回転時に、頂部表面32と側部表面37Aとの間の段差のある表面または急激に形状が変形する表面と比較して、より漸進的に地表面に接触することができる。同様に、第2のテーパ状の側部表面34Bが、側部表面37Bから平坦な頂部表面32までの滑らかな移行を可能にすることができる。
[0053]テーパ状の縁部46A、46Bが車両軌道10および/またはシューパッド14Aに対しての応力を低減することができる。いくつかのこのような実施例では、テーパ状の縁部46A、46Bが、車両軌道10の旋回時の、シューパッド14Aおよび/または車両軌道10に対しての角部応力(corner stress)を低減することができる。例えば、車両軌道10の旋回を原因として湾曲するかまたは他の形で変形するようなシューパッド14とは異なり、シューパッド14Aが車両軌道10の旋回時にテーパ状の縁部46A、46Bに漸進的に接触することができる。他の実施例では、テーパ状の縁部46A、46Bが他の手法で車両軌道10および/またはシューパッド14Aに対しての応力を低減することができる。加えてまたは別法として、テーパ状の縁部46A、46Bを有するシューパッド14Aが、その上で車両軌道10が移動しているところの地表面に対してダメージを与えにくくなり得る。
[0054]他の実施例では、シューパッド14Aが、実質的に平坦な頂部表面32、テーパ状の側部表面34A、34B、および/またはテーパ状の縁部46A、46Bを有さなくてよい。例えば、シューパッド14Aの1つまたは複数の部分が、車両軌道10の用途、車両軌道10の所望される性能特性、車両軌道を上に設置されるところの車両の種類、などに基づいて設計され得る。したがって、シューパッド14Aが、特定の要求に適合するのに適する任意の形状を画定することができる。さらに、いくつかの実施例では、シューパッド14Aまたは複数のシューパッド14がトレッドパターンを画定することができる。例えば、シューパッド14Aが、頂部表面32から突出する1つまたは複数のトラクションラグを有することができる。いくつかのこのような実施例では、トレッドパターンがシューパッド14Aまたは複数のシューパッド14が地表面を十分にグリップするのを補助することができる。
[0055]図2Aおよび2Bの実施例では、シューパッド14Aが1つまたは複数のブラケット40A、40Bを使用してグローサ12Aに取り付けられる。2つのブラケット40A、40Bが図に示されるが、他の実施例では、シューパッド14Aが1つのブラケット40Aまたは40Bのみまたは3つ以上のブラケット(例えば、シューパッド14Aの両端部にある複数のブラケット)を使用してグローサに取り付けられてもよい。複数のブラケットのシューパッド14Aの同じ端部上で使用される場合、各ブラケットが、シューパッド14Aによって画定される同じスロットの異なる部分で受けられるように構成され得るかまたはシューパッド14Aによって画定されるそれぞれの別個のスロットで受けられるように構成され得る。いくつかの事例では、シューパッド14Aのそれぞれのボルトアパーチャ38A~38D内に嵌め込まれるように構成される1つまたは複数のボルト42A~42Dが、シューパッド14Aをグローサ12Aに固定するのにも使用され得る。1つまたは複数の例示のブラケット40A、40B、1つまたは複数の例示のボルト42A~42D、1つまたは複数の例示のボルトアパーチャ38A~38D、およびグローサ12Aに対してのシューパッド14Aの取り付けの例、の詳細を図3~図4Bに関連させて説明する。
[0056]図3が、図2Aおよび図2Bの組立体30の一部分の例示の分解図である。シューパッド14Aが、第1の縁部43Aと、第1の縁部43Aの反対側にある第2の縁部43Bとを画定する。いくつかの実施例では、シューパッド14Aがグローサ12Aに取り付けられるとき、第1の縁部43Aが第1のグローサ縁部47Aに位置合わせされ得るかまたは実質的に位置合わせされ得、第2の縁部43Aが第2のグローサ縁部47Bに位置合わせされ得るかまたは実質的に位置合わせされ得る。こうすることで、第1の縁部43から第2の縁部43Bまで延在するシューパッド14Aの幅が、第1のグローサ縁部47Aから第2のグローサ縁部47Bまで延在するグローサ12Aの幅と同じであってよいかまたは実質的に同じであってよい。これらの幅はy軸に沿って測定される。さらに、シューパッド14Aが、車両軌道10の移動時にグローサ12Aに地表面を接触させないように地面接触面を画定することができる。
[0057]一部の状況では、グローサ12Aとほぼ同じ幅であるシューパッド14Aが、グローサ12Aより狭いかまたは広いシューパッドよりも安定し得る。例えば、グローサ12Aより細いシューパッド(つまり、狭い)により、比較的不安定である可能性がある平坦ではない地面接触面を画定する車両軌道が得られる可能性がある。加えてまたは別法として、シューパッドによって覆われないグローサ12Aの複数の部分が地表面に接触することができる可能性があり、それにより、車両軌道10の地面接触面の連続性を分断して車両軌道10の安定性に悪影響を与える可能性がある。別の例として、グローサ12Aより広いシューパッドがグローサ12Aの周りで湾曲することが可能となり得(グローサ12Aの幅を通過して延在するシューパッドの部分)、それによりグローサ12Aを有する車両が地表面に沿って移動するときに不安定になる可能性がある。例えば、グローサの周りで湾曲する可能性がある部分がグローサまたは車両軌道10の別の構造によって支持されない可能性があり、それにより、車両軌道10を設置しているところの車両の安定性を低下させる可能性がある。
[0058]図3~図4Bに示される実施例では、グローサ12Aの反対側にあるそれぞれの縁部43A、43Bのところに配置される2つのブラケット40A、40Bを使用して、シューパッド14Aがグローサ12Aに取り付けられる。ブラケット40Aをシューパッド14Aに係合させるために、シューパッド14Aが第1の縁部43A上に第1のスロット52Aを画定し、スロット52Aがブラケット40Aの第1のアーム54Aを受けるように構成される。第1のスロット52Aが、第1のブラケット40Aの第1のアーム54Aを受けるための任意適切な幅を有することができる(例えば、y軸に沿って第1の縁部43Aから測定される)。いくつかの実施例では、第1のスロット52Aが、第1のブラケット40Aを第1のスロット52Aの中に完全に挿入するときにシューパッド14Aの第1の縁部43Aに当接させるのに十分な幅を有することができる。いくつかの実施例では、第1のスロット52Aの幅が約40mmから約130mmであってよく、これは、約49.2mmから約95.8mまたは約45mmから約130mmなどである。他の実施例では、第1のスロット52Aが別の幅を有することができる。例えば、いくつかの事例では、第1のスロット52Aがシューパッド14Aの全幅を通って延在することができる。こうすることで、第1のスロット52Aおよび第2のスロット52B(図4Aに示される)が、シューパッド14Aのそれぞれの反対側の端部で第1のブラケット40Aおよび第2のブラケット40Bを受けるように構成される細長いアパーチャを画定する単一の連続するスロットであってよい。
[0059]第1のスロット52Aの幅と同様に、第1のスロット52Aが、第1のブラケット40Aの第1のアーム54Aを受けるための任意適切な長さを画定することができる(例えば、x軸に沿って測定される)。いくつかの事例では、x軸方向が、シューパッド14Aおよびグローサ12Aを有する車両軌道10の実質的な長手方向(または、円周方向)であってよい。いくつかの実施例では、第1のスロット52Aの長さが約50mmから約150mmであり、約70mmから約120mmまたは約51mmから約105mmなどである。いくつかの実施例では、第1のスロット52Aの長さがシューパッド14Aの長さの約67%であってよい(例えば、x軸に沿って、第1の側部表面37Aから第2の側部表面37Bまで)。他の実施例では、第1のスロット52Aが別の長さを画定してもよい。いくつかの事例では、第1のスロット52Aの長さが複数のグローサ12の接続機構のピッチ(例えば、複数のグローサ12を接続するように構成される隣接するチェーンリンクの中心の間の距離)によって決定され得る。ピッチがより幅広であることにより、より幅広のスロット長さが得られる。例えば、約135mmのチェーンリンクピッチを有する車両軌道10が、約94mmの長さを有する第1のスロット52Aを有するシューパッド14Aを有することができ、約171mmのチェーンリンクピッチを有する車両軌道10が約109mmの長さを有する第1のスロット52Aを有するシューパッド14Aを有することができる。他の実施例では、135mmまたは171mmのチェーンリンクピッチを有する車両軌道が、他の長さを有する第1のスロットを有するシューパッドを有することができる。
[0060]第1のスロット52Aがシューパッド14Aに沿う任意適切な位置を有することができる。いくつかの事例では、第1のスロット52Aがシューパッド14Aの第1の縁部43Aの長さに沿って中央に配置され得、それによりシューパッド14Aの長さに沿って第1のブラケット40Aを中央に配置するのを、およびシューパッド14Aをグローサ12Aに固定することを目的として一様に分布する固定力を適用するのを補助するのを可能にすることができる。さらに、いくつかの実施例では、第1のスロット52Aの長さが、シューパッド14Aの長さの大部分を横断して延在してよい(例えば、シューパッド14Aの長さの51%から約90%)。いくつかのこのような実施例では、第1のスロット52Aの長さがシューパッド14Aの長さの大部分より小さい場合の実施例と比較して、シューパッド14Aがグローサ12Aにより堅固に取り付けられ得る。例えば、第1のブラケット40Aが第1のスロット52Aの中に挿入されてシューパッド14Aのより大きい部分に係合されることにより、シューパッド14Aがグローサ12Aにより堅固に取り付けられ得る。こうすることで、シューパッド14Aが経時的にグローサ12から脱着したりまたはグローサ12を基準として他の形で移動したりしにくくなり得る。
[0061]シューパッド14Aが、地面接触面に係合されるように構成される外側と、グローサ12Aに係合されるように構成される内側とを画定する。いくつかの実施例では、頂部表面32および/またはテーパ状の側部表面34A、34Bがシューパッド14Aの外側を画定し、底部分44A、44Bおよび/またはチャンネル45がシューパッド14Aの内側を画定する。第1のスロット52Aが外側から任意適切な距離であってよい(例えば、図3に示されるz軸方向に沿ってシューパッド14Aの外側から測定される)。いくつかの実施例では、第1のスロット52Aが、シューパッド14Aの外側と内側との間のほぼ中央に配置され得る(例えば、製造公差によって許容される程度で中央に配置されるかまたはほぼ中央に配置され、これは、1または2センチメートルなど中央配置の範囲内にある)。他の実施例では、第1のスロット52Aが外部表面から約10mmから約50mmであってよく(例えば、z軸に沿って測定される)、外部表面から約21mmから約29mmなどであるか(例えば、z軸に沿って)、または外部表面から約26mmから約29mmである。いずれの実施例でも、第1のスロット52Aが、第1のブラケット40Aとシューパッド14Aとの間に十分な接触面積を提供するようにシューパッド14Aの外部表面を基準として配置され得、それにより第1のブラケット40Aとシューパッド14Aとの間での嵌合を容易にし、それによりシューパッド14Aを基準としてブラケット40Aが安定して配置されるようになる。ブラケット40Aの位置が安定することにより、車両軌道10の使用中にブラケット40Aがシューパッド14Aを基準として定位置に留まることが可能となる。第1のスロット52Aの幅および長さと同様に、シューパッド14Aの外側からの距離が第1のブラケット40Aの構成によって決定され得る。
[0062]いくつかの実施例では、第1のスロット52Aに対しての開口部が、加えてまたは別法として、第1のテーパ状の縁部46Aの下方でシューパッド14の第1の縁部43A上に配置され得、それにより、スロット52Aの中にブラケット40Aの第1のアーム54Aが完全に挿入されるときにブラケット40Aにインターフェース接続されるシューパッド14Aの第1の縁部43Aの表面積を増大させることができる。スロット52Aの中にブラケット40Aが挿入されるときにブラケット40Aにインターフェース接続されるシューパッド14Aの表面積を増大させることにより、シューパッド14Aを基準としたブラケット40Aの安定性を向上させるのを補助することができる。
[0063]シューパッド14Aが、図2Aおよび2Bに関連して説明したように、グローサ12Aに取り付けられるように構成される。例えば、シューパッド14Aの内側がグローサ12Aの外側13Bに接触するように構成され、その結果、シューパッド14Aの外側が、グローサ12に対してシューパッド14Aが取り付けられるときに、地表面に接触するように構成される。上で考察したように、いくつかの実施例では、グローサ12Aがトラクションラグを有することができる。例えば、いくつかの実施例では、図3に示されるように、グローサ12Aが外側13B上に3つのトラクションラグ22A~22Cを有する。他の実施例では、グローサ12Aが任意の数のトラクションラグを有することができ、例えば、1つのトラクションラグ、2つのトラクションラグ、または4つ以上のトラクションを有することができる。シューパッド14Aが、グローサ12Aの例えばトラクションラグ22A~22Cなどのトラクションラグを覆うように構成され得、その結果、グローサ12Aにシューパッド14Aが取り付けられるとき、覆われたトラクションラグが地表面に接触しない。図3の実施例では、突起部36Aおよび36Bがトラクションラグ22Aおよび22Bを覆うように構成され(図2Aおよび図2Bに見られるように)、チャンネル45がトラクションラグ22Cを覆うように構成される。
[0064]図2Aおよび図2Bに関連して説明される実施例などの、いくつかの実施例では、シューパッド14Aの底部分44が、トラクションラグ22Aおよび22Bとの締まり嵌めを形成するように構成される。図3に見られるように、シューパッド14Aがさらに、トラクションラグ22Cとの締まり嵌めを形成するに構成される。他の実施例では、シューパッド14Aが、任意の数のトラクションラグとの締まり嵌めを形成するように構成され得る。さらに、いくつかの実施例では、シューパッド14Aが、すべてのトラクションラグまたは任意のトラクションラグとの締まり嵌めを形成しないように構成される。代わりに、シューパッド14Aが、トラクションラグの間に嵌め込まれるようにまたはトラクションラグの周りに他の形で嵌め込まれるように構成され得る。図3の実施例では、シューパッド14Aの底部分44が、トラクションラグ22Aおよび22Cの間に嵌め込まれるように構成される第1の底部分44A、トラクションラグ22Bおよび22Cの間に嵌め込まれるように構成される第2の底部分44Bを含み、例えばそれによりトラクションラグ22A~22Cとの締まり嵌めを形成する。底部分44がさらに、グローサ12Aに対してシューパッド14Aが取り付けられるときに、トラクションラグ22Cを受けるように構成されるチャンネル45を画定する。いくつかの実施例では、第1の底部分44A、第2の底部分44B、またはチャンネル45、のうちの少なくとも1つの形状が、グローサ12Aの外側13Bの形状に対応し、それによりシューパッド14Aがグローサ12Aの外側13Bと対合するのを可能にする。例えば、チャンネル45の形状がトラクションラグ22Cの形状に対応することができる。さらに、シューパッド14Aが、グローサ12A上の意図される位置に留まりやすくなり得るか、グローサ12Aに堅固に取り付けられた状態を維持しやすくなり得るか、またはグローサ12A上により容易に装着されやすくなり得るか、またはこれらの組み合わせになることができる。
[0065]いくつかの実施例では、シューパッド14Aが第1のブラケット40Aを使用してグローサ12Aに固定される。第1のブラケット40Aが第1のアーム54Aおよび第2のアーム56Aを有する。第1のアーム54Aがシューパッド14Aの第1のスロット52Aの中に挿入されるように構成される。図3の実施例では、第1のアーム54Aがボルトアパーチャ60Aおよび60Bを画定する。他の実施例では、第1のアーム54Aが単一のボルトアパーチャ60Aまたは60Bを画定することができるか、または第1のアーム54Aが3つ以上のボルトアパーチャ60A、60Bを画定することができる。第1のスロット52Aの中に第1のアーム54Aが完全に挿入されるとき、第1のアーム54Aによって画定されるボルトアパーチャ60A、60Bがシューパッド14Aによって画定されるボルトアパーチャ38A、38Bに実質的に位置合わせされ得、例えばその結果、アーム54A、56Aの間のシューパッド14Aの部分がシューパッド14Aの第1の縁部43Aに接触する。いくつかの実施例では、第1のアーム54Aが、少なくとも、シューパッド14Aによって画定されるスロット52Aに連通されるボルトアパーチャ38A,38Bの数である、ボルトアパーチャ60A、60Bを有することができる。例えば、第1のアーム54Aが、2つのボルトアパーチャ60A、60Bまたは3つ以上のボルトアパーチャ60A、60Bを有することができる。さらに、ボルト42A、42Bまたは別の接続機構が、シューパッド14Aをグローサ12Aに固定するために、シューパッド14Aのボルトアパーチャ38A、38bおよび第1のブラケット40Aの第1のアーム54Aの対応するボルトアパーチャ60A、60Bを通るように挿入され得る。
[0066]第1のブラケット40Aの第2のアーム56Aが、スロット52Aの中に第1のアーム54Aが挿入されるときに、グローサ12Aの内側13Aに接触するように構成される。したがって、第1のブラケット40Aが(例えば、シューパッド14Aの第1のスロット52Aを通して)外側13bから内側13Aまでグローサ12Aを包み込み、それにより、グローサ12A自体にアパーチャ(例えば、ボルト42A~42Dを挿入するときに通過させるための)を有させることを一切必要することなくシューパッド14Aをグローサ12Aに取り付ける。第1のブラケット40Aがグローサ12Aを包み込んでグローサ12Aおよびシューパッド14Aを一体に保持するときの手法に少なくとも部分的に起因して、第1のブラケット40Aが車両軌道10の使用中に長時間にわたってシューパッド14Aがグローサ12Aに堅固に固定された状態を維持するのを可能にすることができ、それによりシューパッド14Aがいくつかの他の種類のシューパッド(例えば、ボルトオンのシューパッドおよび/またはクリップオンのシューパッド)より長い有用寿命を有するのを可能にすることができる。加えてまたは別法として、第1のブラケット40Aがシューパッド14Aおよび/またはグローサ12Aに永久的に取り付けられないことを理由として、シューパッド14Aが別のシューパッドに容易に交換され得る。
[0067]第1のブラケット40Aの幅(例えば、第1の縁部43Aから第2の縁部43Bまで延在するy軸方向に沿って測定される)、長さ(例えば、x軸に沿って測定される)、および高さ(例えば、z軸方向において第1のアーム54Aから第2のアーム56Aまでで測定される)が、第1のスロット52Aのサイズまたはロケーションなどの、シューパッド14Aの構成、グローサ12Aの構成、または車両軌道10の意図される使用などによって決定され得る。したがって、第1のブラケット40Aが、特定の要求に適合するための任意適切な形状、サイズ、または構成を有することができる。
[0068]第1のブラケット40Aが任意適切な材料を含むことができる。いくつかの実施例では、第1のブラケット40Aが金属または合金を含む。例えば、第1のブラケット40Aが、鋼鉄、低炭素鋼、または中炭素鋼、のうちの少なくとも1つを含むことができる。いくつかの実施例では、第1のブラケット40Aが、グローサ12Aと等しい金属または合金から作られ得る。
[0069]いくつかの実施例では、1つまたは複数のボルト42A~42Dが、シューパッド14Aおよびグローサ12Aを基準として定位置でブラケット40A、40Bを保持するのを補助するのに使用され得る。例えば、シューパッド14Aが、それぞれのボルト42A~42Dを受けるように構成される1または複数のボルトアパーチャ38A~38Dを画定することができる。ボルトアパーチャ38A~38Dがスロット52A、52Bに連通され得、その結果、ブラケット40A、40Bがそれぞれのスロット52A、52Bの中に完全に挿入されるとき、ボルトアパーチャ38A~38Dの中に挿入されるボルト42A~42Dがそれぞれのブラケット40A、40Bの第1のアーム54A、54Bに係合され、それにより各ブラケット40A、40Bの第1のアーム54A、54Bおよび第2のアーム56A、56Bを圧縮することができる。
[0070]図3の実施例では、シューパッド14Aが、第1のスロット52Aに連通される2つのボルトアパーチャ38A、38Bを画定する。他の実施例では、シューパッド14Aが、第1のスロット52Aに連通される1つのボルトアパーチャまたは3つ以上のボルトアパーチャを画定することもできる。いくつかの実施例では、ボルトアパーチャ38A、38Bがシューパッド14Aの外側から第1のスロット52Aまでまたは第1のスロット52Aを通過するように延在する。例えば、ボルトアパーチャ38A、38Bが頂部表面32から第1のスロット52Aまで延在することができるが、またはボルトアパーチャ38A、38Bが頂部表面32から第1のスロット52Aを通過するように延在することができる(例えば、シューパッド14Aの底部分44に近づくかまたは底部分44の中まで)。ボルトアパーチャ38A、38Bが、シューパッド14Aによって画定されるボルトアパーチャ38A、38Bおよび第1のブラケット40Aの第1のアーム54A上にあるボルトアパーチャ60A、60Bを通るようにボルト42A、42Bまたは別の取り付け機構を挿入するのを可能にすることができ、それにより第1のブラケット40Aをシューパッド14Aおよびグローサ12Aを基準とした定置で固定する。ボルト42A~42Dに関連する追加の詳細を図4Aおよび図4Bに関連させて説明する。
[0071]ボルト42A、42Bを使用してシューパッド14Aおよびグローサ12Aに対して第1のブラケット40Aが固定される実施例では、ボルト42A、42Bがねじ付きボルトを含むことができる。いくつかのこのような実施例では、シューパッド14Aが、ボルト42A、42Bに係合されるように構成されるねじ付き挿入具58A、58Bを有することができる。例えば、ねじ付き挿入具58A、58Bが、ねじ付きボルト42A、42Bとのねじ接続を形成することができる。しかし、他の実施例では、別個のねじ付き挿入具58A、58Bを有するのではなく、シューパッド14A自体がボルト42A、42Bをねじ込まれるように構成されるねじ部を画定することができる。ねじ付き挿入具58A~58Dに関連する追加の詳細を図4Aおよび図4Bに関連させて説明する。
[0072]図3は主として、第1のスロット52A、第1のブラケット40A、第1の縁部43A、第1のボルトアパーチャ38A、38B、第2のボルトアパーチャ60A、60B,ボルト42A、42B、およびねじ付き挿入具58A、58B(例えば、シューパッド14Aおよびグローサ12Aの、組立体30の半体)に関連して説明されるが、シューパッド14Aおよびグローサ12Aを有する組立体は、第1の半体と実質的に同様の第2の半体も有することができる。例えば、シューパッド14Aが、第2のスロット52Bおよび第1のボルトアパーチャ38C、38Dを画定することができ、組立体30が、第2のボルトアパーチャ60C、60Dを画定する第2のブラケット40B、ボルト42C、42D、およびねじ付き挿入具58C、58Dを有することができ、これらは、第1のスロット52A、第1のボルトアパーチャ38A、38B、第2のボルトアパーチャ60A、60B、第1のブラケット40A、ボルト42A、42B、およびねじ付き挿入具58A、58B、にそれぞれ関連して説明したものと同じであってよいかまたは実質的に同じであってよい。いくつかの実施例では、第1のスロット52A、第1のブラケット40A、第1の縁部43A、第1のボルトアパーチャ38A、38B、第2のボルトアパーチャ60A、60B、ボルト42A、42B,およびねじ付き挿入具58A、58B、ならびに第2のスロット52A、第2のブラケット40B、第1のボルトアパーチャ38C、38D、第2のボルトアパーチャ60C、60D、ボルト42C、42D、およびねじ付き挿入具58C、58D、のいずれも有する組立体は、第1のスロット52A、第1のブラケット40A、第1の縁部43A、第1のボルトアパーチャ38A、38B、第2のボルトアパーチャ60A、60B、ボルト42A、42B,およびねじ付き挿入具58A、58Bのみ、または第2のスロット52B、第2のブラケット40B、第1のボルトアパーチャ38C、38D、第2のボルトアパーチャ60C、60D、ボルト42C、42D、およびねじ付き挿入具58C、58Dのみを有する組立体と比較して、シューパッド14Aをグローサ12Aより堅固に取り付けるのを可能にすることができる。例えば、それぞれのブラケット40A、40Bによりいずれもグローサ12Aに取り付けられた状態であるシューパッド14Aの2つの反対側にある縁部43A、43Bが、ブラケット40Aまたは40Bを用いてグローサ12Aに取り付けられた状態である1つの縁部43Aまたは43Bのみを有する組立体30と比較して、グローサ12A上の意図される位置により留まりやすくなり得る。いずれの場合も、組立体が、第1のスロット52A、第2のスロット52B、第1のブラケット40A、第2のブラケット40B、第1のボルトアパーチャ38A~38D、第2のボルトアパーチャ60A~60D、ボルト42A~42D、および/またはねじ付き挿入具58A~58D、のうちの一部またはすべてを有することができる。
[0073]図4Aが、グローサ12Aに取り付けられたシューパッド14Aの図2A~図3の例示の組立体30を示す概略断面図であり、この断面図が組立体30の幅に沿うものであり(例えば、y軸に沿う)、グローサ12Aに取り付けられたシューパッド14Aを示している。図4Bが、図4Aの例示の組立体30の一部分の拡大断面図である。図4Aで見ることができるように、第1のブラケット40Aおよび第2のブラケット40Bの第1のアーム54A、54Bが、それぞれ、シューパッド14Aのそれぞれのスロット52A、52Bの中に挿入され、第1のブラケット40Aおよび第2のブラケット40Bの第2のアーム56A、56Bが、それぞれ、グローサ12Aの内側13Aに接触する。シューパッド14Aとグローサ12Aを基準として第1のブラケット40Aおよび第2のブラケット40Bを定位置で保持するのを、および/またはシューパッド14Aをグローサ12Aに固定するのを補助するために、ボルト42A~42Dが、シューパッド14Aのそれぞれの第1のボルトアパーチャ38A~38Dおよびブラケット40A、40Bのそれぞれの第2のボルトアパーチャ60A~60Dを通るように挿入される。
[0074]いくつかの実施例では、ボルト42A~42Dが、シューパッド14Aのそれぞれの第1のボルトアパーチャ38A~38Dおよびブラケット40A、40Bのそれぞれの第2のボルトアパーチャ60A~60Dを通るようにボルト42A~42Dが挿入されるときに、グローサ12Aの外側13Bに係合されるように構成される。例えば、いくつかの実施例では、ボルト42A~42Dの各々が、第1のボルトアパーチャ38A~38Dよび第2のボルトアパーチャ60A~60Dを通るように挿入されるときにグローサ12Aの外側13Bにそれぞれ係合されるボルト42C、42Bの先端部分62A、62Bとして例えば図4Aに示されるような、先端部分を有することができる。しかし、ボルト42A~42Dは、図4Aに示される実施例では、グローサ12Aの厚さを通ってまたはグローサ12A内の所定のボルトアパーチャを通って延在しない。例えば、代わりに、例えば先端部62A、62Bなどのボルト42A~42Dの先端部分が、グローサ12Aの外側13Bを通って延在せずにグローサ12Aの外側13Bに「埋め込まれ」得る。こうすることで、ボルト42A~42Dが、グローサ12A内に存在するボルトアパーチャを必要とすることなく、シューパッド14Aおよびグローサ12Aを基準としてブラケット40A、40Bを定位置で固定するのを補助することができる。ボルト42A~42Dの先端部は、例えば、比較的尖っていてもまたは比較的丸みを有していてもよいが、いずれの実施例でも、グローサ12Aの外側に力を適用するように構成される。
[0075]例えば、外側13Bに係合されるように構成されるボルト42A~42Dが、各ブラケット40A、40Bの第1のアーム54A、54Bおよび第2のアーム56A、56Bを互いの方に圧縮することができ、それによりブラケット40A、40Bが変位するのを防止するのを補助することができ、さらにはグローサ12A上でシューパッド14Aを保持するのを補助することができる。図4Bで見ることができるように、ボルト42Bが第1のアーム54Aを矢印Aの方向に押し、さらに、第1のアーム54Aがボルト42Bのヘッド64Aを矢印Bの方向に押圧することができる。矢印AおよびBの方向のこのような力が、ブラケット40Aの第2のアーム56Aによりグローサ12Aの内側13Aを矢印Cの方向に押圧することができる。さらに、第1のアーム54Aおよび第2のアーム56Aが互いの方に圧縮され得、シューパッド14Aが、グローサ12Aに、ボルト42A~42Dを受けるように構成されるアパーチャを有させるのを必要とすることなく、クリップオンのシューパッドなどのいくつかの他のシューパッドと比較してより長時間にわたってグローサ12Aに堅固に取り付けられた状態を維持することができる。
[0076]ボルト42A~42Dが任意適切な材料を含むことができる。いくつかの実施例では、ボルト42A~42Dが、例えば、鋼鉄または高合金鋼などの、金属または合金を含むことができる。例えば、いくつかの実施例では、ボルト42A~42Dが、グレード8の合金鋼(例えば、AISI4140)またはクラス12.9の鋼鉄(例えば、ASTM F568M)を含むことができる。
[0077]さらに、ボルト42A~42Dは、特定の要求に適合するような任意適切なサイズ(例えば、直径および高さ)を有することができる。いくつかの実施例では、ボルト42A~42Dが、約20mmから約50mmの高さを有することができ、これは、約25mmから約39mmなどである(例えば、z軸に沿ってボルト42A~42Dのヘッド64A、64Bから先端部分62A、62Bまでで測定される)。いくつかの実施例では、ボルト42A~42Dの高さがシューパッド14Aの高さより小さくてよい。こうすることで、第1のボルトアパーチャ38A~38Dおよび第2のボルトアパーチャ60A~60Dを通るようにボルト42A~42Dが挿入されるとき、ボルト42A~42Dのヘッド64A、64Bがシューパッド14A内(例えば、第1のボルトアパーチャ38A~38D内)に存在することができ、シューパッド14の頂部表面32から突出しなくてよい。さらに、ボルト42A~42Dが、緩みにくくなること、地表面に接触しにくくなること、またはダメージを受けにくくなること、などが可能となる。さらに、ボルト42A~42Dの高さにより、第1のアーム54A、54Bおよび第2のアーム56A、56Bが互いの方に圧縮され得、それによりシューパッド14Aおよびグローサ12Aを基準としてブラケット40A、40Bを定位置で保持するのを補助することができる。
[0078]いくつかの実施例では、ボルト42A~42Dが先端部分を有することができる。ボルト42B、42Cの先端部分62A、62Bがそれぞれ図4Aに示されており、ボルト42Bの先端部分62Aが図4Bに示されている。先端部分62A、62Bのこの構成はボルト42A~42Dの先端部分を表すものである。先端部分62A、62Bがグローサ12Aの外側13Bに係合されるように構成される。先端部分62A、62Bの各々が、0mmから約5mmより大きい高さHTを有することができ、これは、約0.10mmから約3mm、約0.10mmから約1.5mm、または約1.3mmから約2.0mmなどである。いくつかの実施例では、最大1.5mmの先端部分62A、62Bが外側13Bに埋め込まれるように構成され得る。図4Bの実施例では、先端部分62Aの全高HTが金属グローサ12Aの外側13Bに係合される(例えば、埋め込まれる)。他の実施例では、全高HT未満の部分が外側13Bに係合されてもよい。他の実施例では、先端部分62Aの高さHTのすべてが金属グローサ12Aの外側13Bに係合されない(例えば、埋め込まれない)。いくつかの実施例では、グローサ12Aの外側13Bに係合される先端部分62Aの量が、グローサ12Aを形成する材料によって決定され得る。他の実施例では、ボルト42A、42Bが先端部分62A、62Bを有さなくてよい(例えば、比較的平坦な端部であってよい)。いくつかのこのような実施例では、平坦な端部が、金属グローサ12Aの外側13Bに係合される(例えば、接触するように)ように構成され得る。いずれの場合も、先端部分62A、62Bまたは平坦な端部がグローサ12Aの外側13Bに係合されるとき、ボルト42A~42Dが第1のアーム54A、54Bおよび第2のアーム56A、56Bを互いの方に圧縮することができ、それにより、シューパッド14Aおよびグローサ12Aを基準としてブラケット40A、40Bを定位置で保持することができる。また、外側13Bに係合される先端部分62A、62Bまたは平坦な端部は外側13Bを横断するように平行移動しにくくなり得(例えば、x軸またはy軸の方向において)、それによりブラケット40A、40Bを定位置で保持するのをさらに補助することができる。
[0079]いくつかの実施例では、ボルト42A~42Dがねじ付きボルトを含むことができる。いくつかのこのような実施例では、組立体30が、ボルト42A~42Dとのねじ接続を形成するように構成され得るねじ付き挿入具58A~58Dをさらに有することができる。例えば、ボルト42A~42Dまたはねじ挿入具58A~58Dのうちの一方が雌ねじを有することができ、ボルト42A~42Dまたはねじ付き挿入具58A~58Dのうちのもう一方が雄ねじを有することができる。図4Bで見ることができるように、ボルト42Bが雄ねじ66を有することができ、ねじ付き挿入具58Bが、雄ねじ66とのねじ接続を形成するように構成される雌ねじ68を有する。いくつかの事例では、ボルト42A~42Dとねじ付き挿入具58A~58Dとの間のねじ接続が、ボルト42A~42Dおよび/またはブラケット40A、40Bが経時的に緩むのを防止するのを補助することができ、それによりグローサ12に取り付けられたシューパッド14Aの有用寿命を延ばすことができる。
[0080]ねじ付き挿入具58A~58Dが任意適切な材料を含むことができる。例えば、ねじ付き挿入具58A~58Dが金属または合金を含むことができる。いくつかのこのような実施例では、ねじ付き挿入具58A~58Dが、鋼鉄、グレード8の合金鋼、または中炭素鋼などを含むことができる。グレード8の合金鋼の例には、例えば、AISI4140などの、中炭素鋼(約0.31重量%(炭素)から約0.60重量%(炭素)の間)が含まれてよい。いくつかの実施例では、グレード8の合金鋼が、約1034メガパスカル(MPa)(約10,543重量キログラム毎平方センチメートル(kgf/cm2)(約150,000ポンド毎平方インチ(psi)))を超える引張り強度を有することができる。他の実施例では、ねじ付き挿入具58A~58Dが別の材料を含むことができる。
[0081]いくつかの実施例では、ねじ付き挿入具58A~58Dがシューパッド14A内に埋設され得る。例えば、ねじ付き挿入具58A~58Dがシューパッド14Aの製造中にシューパッド14A内に埋設され得る。他の実施例では、ねじ付き挿入具58A~58Dが別の手法でシューパッド14A内に配置され得るかまたはシューパッド14Aに取り付けられ得る。一実施例として、シューパッド14Aがねじ付き挿入具58A~58Dの所望のロケーションに対応するアパーチャを有するように形成され得、ねじ付き挿入具58A~58Dが、例えば、摩擦嵌合または接着剤などを介して、アパーチャ内に挿入されて定位置で保持され得る。いくつかの他の実施例では、ねじ付き挿入具58A~58Dを有することに加えてまたはその別法として、シューパッド14A自体が、ボルト42A~42Dとのねじ接続を形成するように構成されるねじ部を有することができる。他の事例では、シューパッド14Aが、ボルト42A~42Dに係合されるように構成されるねじ部以外の機構を有することができるかまたは画定することができる。
[0082]ねじ付き挿入具58A~58Dが、シューパッド14A内に配置されるとき、スロット52A、52Bおよび第1のボルトアパーチャ38A~38Dに連通され得る。こうすることで、ボルト42A~42Dがシューパッド14Aの第1のボルトアパーチャ38A~38Dおよびブラケット40A、40Bの第2のボルトアパーチャ60A~60Dを通るように挿入されるとき、ボルト42A~42Dがねじ付き挿入具58A~58Dの中に挿入されてねじ接続を形成することができる。いくつかの実施例では、ねじ付き挿入具58A~58Dがグローサ12Aの外側13Bの近くに開端部を有し、その結果、ボルト42A~42Dがねじ付き挿入具58A~58Dを通って延在することができる。例えば、ボルト42A~42Dの少なくとも先端部分62A、62Bがねじ付き挿入具58A~58Dから外へ延在することができ、その結果、先端部分62A、62Bがグローサ12Aの外側13Bに係合され得る。この場合、ねじ付き挿入具58A~58Dが、ボルト42A-42Dを受けることおよびボルト42A~42Dをグローサ12Aに係合させるのを可能にすることの両方のために、両端部で開いていてよい。
[0083]いくつかの実施例では、シューパッド14Aが、例えば、図4に示されるような接続用ボルトアパーチャ72などの、追加のアパーチャを画定することができる。このような接続用ボルトアパーチャ72が、接続機構(例えば、チェーンリンク)をグローサ12Aに取り付けるのに使用されるボルトのヘッドを受けるように構成され得る。いくつかの事例では、接続用ボルトアパーチャ72などの追加のアパーチャを有するシューパッド14Aが、シューパッド14Aを、ボルトまたは車両軌道10の他の構成要素を原因として外側13Bから離すのではなく、グローサ12Aの外側13Bと同一平面にするのを可能にすることができる。他の実施例では、シューパッド14Aが、接続機構(例えば、チェーンリンク)をグローサ12Aに取り付けるのに使用されるボルトのヘッドを受けるように構成される接続用ボルトアパーチャ72に加えてまたはその別法として、アパーチャを画定することができる。
[0084]図5が、シューパッドをグローサに取り付ける例示のテクニックを示す流れ図である。図2A~図4Bの組立体30に関連させて図5のテクニックを説明する。しかし、他の実施例では、図5のテクニックが、1つまたは複数のブラケットを使用して他のシューパッドをグローサに取り付けるのにも使用され得る(例えば、図2A~図4Bに関連させて説明したシューパッド14Aおよび/またはグローサ12A以外)。
[0085]図5のテクニックが、シューパッド14Aをグローサ12A上に配置すること(70)を含む。例えば、シューパッド14Aがグローサ12Aの外側13Bの上に配置され得る。いくつかの実施例では、シューパッド14Aの底部分44がグローサ12Aのトラクションラグ22A~22Cの間に締まり嵌めを形成するように構成され得るか、またはより緩い形で、例えば締まり嵌めを形成することなく、トラクションラグ22A~22Cと対合するように構成され得る。グローサ12Aの上に配置されるシューパッド14Aが、シューパッド14Aおよびグローサ12Aを有する車両軌道10の地面接触面を画定することができる。したがって、いくつかの実施例では、図5のテクニックが、複数のシューパッド14Aを複数のグローサ12の上に配置することを含むことができる(例えば、車両軌道10の複数のシューパッド14および複数のグローサ12)。
[0086]シューパッド14Aがグローサ12Aの上に配置されると、第1のブラケット40Aがシューパッド14Aおよびグローサ12Aに取り付けられ得る(72)。例えば、ブラケット40Aの第1のアーム54Aがシューパッド14Aの第1のスロット52Aの中に挿入され得、第2のアーム56Aがグローサ12Aの内側13Aに接触することができる。第1のブラケット40Aをシューパッド14Aおよびグローサ12Aに取り付けることが、シューパッド14Aの第1のボルトアパーチャ38A、38Bを第1のアーム54Aの第2のボルトアパーチャ60A、60Bに位置合わせすることを含むことができ、その結果、第1のボルトアパーチャ38A、38Bおよび第2のボルトアパーチャ60A、60Bが連通される。こうすることで、ボルト42A、42Bが、シューパッド14Aのそれぞれの第1のボルトアパーチャ38A、38Bを通るようにおよびブラケット40Aのそれぞれの第2のボルトアパーチャ38A、38Bを通るように挿入され得る(74)。さらに、シューパッド14Aがグローサ12Aに固定されること、またはブラケット40Aがシューパッド14Aおよびグローサ12Aを基準として意図される位置で保持されること、などが可能となる。いくつかの実施例では、ボルト42A、42Bがねじ付き挿入具58A、58Bにねじ込み式に接続され得る。いくつかのこのような実施例では、ボルト42A、42Bが、約130ニュートン-メートル(Nm)(例えば、約100ft-lb)を超えるトルクを使用してねじ付き挿入具58A、58Bにねじ込み式に接続され得る。例えば、約150Nm(例えば、約110ft-lb)を超えるトルクまたは約163Nm(例えば、約120ft-lb)を超えるトルクを使用して、ねじ付き挿入具58A、58Bにねじ込み式に接続され得る。さらに、いくつかの実施例では、ボルト42A、42Bが、グローサ12Aの外側13Bに係合されるように構成され得る。いくつかのこのような事例では、ボルト42A、42Bが回転させられ得(例えば、ねじ接続を形成するために)、その結果、先端部分62A、62Bのうちの少なくともいくらかの部分が外側13Bに係合される。
[0087]いくつかの実施例では、第2のブラケット40Bがやはりシューパッド14Aおよびグローサ12Aに取り付けられ得る。第2のブラケット40Bがシューパッド14Aおよびグローサ12Aに取り付けられるような実施例では、ボルト42C、42Dが、同様に、シューパッド14Aのそれぞれの第1のボルトアパーチャ38C、38Dを通るようにおよびブラケット40Bのそれぞれの第2のボルトアパーチャ60C、60Dを通るように挿入され得る。さらに、複数のシューパッド14が(例えば、車両軌道10の)複数のグローサ12に取り付けられるような実施例では、複数のブラケット、および任意選択の複数のボルトが、車両軌道10のそれぞれの複数のシューパッド14および複数のグローサ12に取り付けられ得る。
[0088]様々な実施例を説明してきた。これらのおよび他の実施例は以下の特許請求の範囲の範囲内にある。