JP7185441B2 - 電気コネクタ - Google Patents

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Description

本発明は、電気コネクタに関し、特に、シールド付き多心ケーブルが結線される電気コネクタに関する。
例えば、DVD機器、AVアンプ、デジタルハイビジョンテレビ、パーソナルコンピューター等の種々の電子機器において、ケーブルを介して信号線同士を電気接続するために、シールド付き多心ケーブル用電気コネクタが使用される。このようなシールド付き多心ケーブル用電気コネクタの技術として、例えば、特許文献1(特開2011-60425号公報)に記載される技術などが挙げられる。特許文献1に記載された電気コネクタは、複数の電線が編組で被覆され、その編組がシースで被覆された多心シールドケーブルの端末に取り付けられるシールドコネクタである。
特開2011-60425号公報
ところで、前記のような電気コネクタの技術について、本発明者が検討した結果、以下のようなことが明らかとなった。
例えば、同じ電気コネクタであっても、多心ケーブルの心線の本数が常に同じとは限らない。すべてのピンを使用する場合もあれば、その一部のピンのみを使用する場合もある。このような場合、心線の本数の変更に応じてケーブルの外径サイズも変化する。また、ケーブル自体の太さも使用するケーブルに応じて変わる場合がある。したがって、ケーブルの心線数や太さが変更になっても、確実に結線できる電気コネクタが必要となってくる。
また、現場において、電気コネクタとケーブルを接続する結線作業を行う場合もある。このような場合、種々の太さのケーブルに対応した電気コネクタが必要となり、また、結線の品質・信頼性及び作業効率性の向上も必要である。すなわち、ケーブル全体の太さが変化しても、電気コネクタにケーブルが確実に固定され、ケーブルに引っ張り応力が加わったとしても容易に外れないようにする必要があり、現場で簡単に結線作業ができるような電気コネクタが必要である。
また、シールド付き多心ケーブルの場合、ケーブルの心線数の変更に伴い、外部導体(編組)の外径も変化する。そして、外部導体の外径が変更になっても、確実にシールド接続される電気コネクタが必要である。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、本発明の1つの目的は、シールド付き多心ケーブル用の電気コネクタにおいて、ケーブルの太さが変化した場合であっても、確実に容易に結線が行える技術を提供することにある。
本発明の前記並びにその他の目的と新規な特徴は、本明細書の記述及び添付図面から明らかになるであろう。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を簡単に説明すれば、次のとおりである。
すなわち、本発明による電気コネクタは、ケーブルが結線される電気コネクタであって、複数の端子を保持するハウジングと、前記ハウジングの少なくとも一部を覆うように、前記ハウジングの外側に設けられる導電性のシェルと、前記シェルの少なくとも一部を覆うように、前記シェルの外側に設けられる絶縁性の第1のカバーと、回転軸を介して、前記第1のカバーと連結され、回動可能な絶縁性の第2のカバーと、を備え、前記第1のカバーは、ケーブル側に第1の係止片を有し、前記第2のカバーは、前記第1の係止片と係合するための第2の係止片を有し、前記第1の係止片及び前記第2の係止片のうち少なくとも一方は、前記回転軸を中心とする円の円周方向に沿って配置された複数の係止片を含み、前記第1の係止片及び前記第2の係止片は、前記第1の係止片と前記第2の係止片が近づく方向に移動可能であり、前記第1の係止片と前記第2の係止片とが係合した状態では離れる方向の移動を規制する構造となっており、前記シェルは、ケーブル側に、前記ケーブルの外部導体を両側から挟み込んで前記外部導体と接触するための第1の接触片及び第2の接触片を有し、前記第2の接触片は、前記第2のカバー側に位置し、前記第2のカバーの内壁面と当接して、前記ケーブルの中心軸方向に変形可能であるものである。
また、前記第1の係止片及び前記第2の係止片は、それぞれ、先端部が外側に向いた鋸歯状の形状を有する。
また、前記第1の係止片と前記第1のカバーとの間には連結部分が設けられ、前記第1の係止片及び前記第2の係止片は、それぞれ、X-Z平面内で先端部が外側に向いた鋸歯状の形状を有する。
また、前記第2の接触片は、前記シェルから延長し、前記回転軸に近接する部分がへこんだ形状を有する。
また、前記第1の接触片及び前記第2の接触片は、それぞれ、前記外部導体の外周円の接線に沿った接触面を有し、前記接触面は、前記第1の接触片及び前記第2の接触片の端部を折り曲げることにより形成されている。
また、前記第1のカバー及び前記第2のカバーは、それぞれ、ケーブル側に、前記ケーブルの外部絶縁体に食い込んで前記ケーブルを固定するための突起を内壁面上に有する。
本願において開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果を簡単に説明すれば、以下のとおりである。
(1)心線数に応じてケーブルの太さが変化しても、同じ電気コネクタで結線が確実・容易に行える。
(2)ケーブルの太さが異なる種々のケーブルに対応した電気コネクタの提供が可能になる。
(3)現場での電気コネクタとケーブルの結線作業が確実・容易になる。
本発明の一実施の形態による電気コネクタの構成を示す全体斜視図である。 図1に示す電気コネクタからカバー、可動カバー及び操作部を取り除いた状態を示す斜視図である。 図1に示す電気コネクタからカバー、可動カバー、操作部及びケーブルを取り除いた状態を示す斜視図である。 図1に示す電気コネクタからケーブルを取り除いて可動カバーを開けた状態を示す斜視図である。 大径ケーブルを結線する場合の可動カバーの位置関係を示す図(ケーブル及びコネクタの一部を省略)であり、(a)は平面図、(b)はD-D切断面における断面図、(c)はE-E切断面における断面図、(d)はF-F切断面における断面図である。 中径ケーブルを結線する場合の可動カバーの位置関係を示す図(ケーブル及びコネクタの一部を省略)であり、(a)は平面図、(b)はD-D切断面における断面図、(c)はE-E切断面における断面図、(d)はF-F切断面における断面図である。 小径ケーブルを結線する場合の可動カバーの位置関係を示す図(ケーブル及びコネクタの一部を省略)であり、(a)は平面図、(b)はD-D切断面における断面図、(c)はE-E切断面における断面図、(d)はF-F切断面における断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、実施の形態を説明するための全図において、同一部材には原則として同一の符号を付し、その繰り返しの説明は省略する。
以下の実施の形態においては便宜上その必要があるときは、複数のセクションまたは実施の形態に分割して説明するが、特に明示した場合を除き、それらは互いに無関係なものではなく、一方は他方の一部または全部の変形例、詳細、補足説明等の関係にある。また、以下の実施の形態において、要素の数等(個数、数値、量、範囲等を含む)に言及する場合、特に明示した場合および原理的に明らかに特定の数に限定される場合等を除き、その特定の数に限定されるものではなく、特定の数以上でも以下でもよい。
図1は、本発明の一実施の形態による電気コネクタの構成を示す全体斜視図、図2は、図1に示す電気コネクタからカバー、可動カバー及び操作部を取り除いた状態を示す斜視図、図3は、図1に示す電気コネクタからカバー、可動カバー、操作部及びケーブルを取り除いた状態を示す斜視図、図4は、図1に示す電気コネクタからケーブルを取り除いて可動カバーを開けた状態を示す斜視図である。
まず、図1~図4により、本発明の一実施の形態による電気コネクタの構成の一例を説明する。図1に示すように、本実施形態の電気コネクタ1は、シールド付き多心ケーブル2が結線されるケーブルコネクタであり、複数の端子10と、端子10が固定されるハウジング20と、ハウジング20の外部を覆う筒状の導電性のシェル30と、シェル30の外部の少なくとも一部を覆うように、シェル30の外側に設けられる絶縁性のカバー40,50(第1のカバー)と、回転軸63を介してカバー50と連結される絶縁性の可動カバー60(第2のカバー)と、絶縁性の操作部70とを備える。
シールド付き多心ケーブル2は、図1及び図2に示すように、各端子10に電気的に接続される複数の心線(図示せず)と、複数の心線の外側を覆い、シェル30に電気的に接続される編組3(外部導体)と、編組3の外側を覆う絶縁体の外被4(外部絶縁体)とを備える。
複数の端子10は、相手側コネクタ(図示せず)との嵌合時に、相手側コネクタの各端子と接触して電気的に接続されるものであり、導電性の金属で形成される。複数の端子10は、図1では、上下にそれぞれ5個ずつ合計10個の端子が示されているが、端子数は、この数に限定されるものではなく、コネクタの種類により変更される。
ハウジング20は、樹脂等の絶縁部材で形成され、複数の端子10が固定される溝・孔などを備えている。また、ハウジング20は、相手側コネクタと嵌合するための嵌合凹部21を備えている。
シェル30は、ハウジング20の外側を覆い、図2及び図3によく示されているように、嵌合側(X2方向)に設けられて相手側コネクタと嵌合する嵌合部31と、本体シェル32と、ケーブル側(X1方向)に設けられた下部接触片33(第1の接触片)及び上部接触片34(第2の接触片)と、本体シェル32の側方(Y12方向)両側に設けられた2つの操作弾性片35とを備えている。シェル30は、金属板を打ち抜き、折り曲げ加工することによって形成される。下部接触片33及び上部接触片34は、ケーブル2の編組3を両側(上下方向Z12)から挟み込んで編組3と接触して電気的に接続するためのものであり、弾性を有する。また、上部接触片34は、可動カバー60の内壁面と当接して押し下げられるように、ケーブル2の中心軸方向(Z2方向)に変形可能である。
下部接触片33は、カバー40側(Z2方向)に設けられ、カバー40と編組3との間に位置する。下部接触片33は、シェル30と一体的に形成され、シェル30からケーブル側(X1方向)に延長し、横方向両側(Y12方向)向かってに分離し、上側(Z1方向)に向かって曲面を持って(ハート状に)折り曲げられた形状となっている。また、その折り曲げ部分には、左右2つのスリット84が設けられ、これにより下部接触片33の弾性が調節される。図3によく示されているように、下部接触片33は、その先端部に、編組3の外周円の接線に沿った左右2つの接触面36を有し、接触面36は、下部接触片33の端部を折り曲げることにより形成されており、嵌合方向(X12方向)に沿って設けられている。接触面36があることにより、編組3表面との接触面積が広くなり、編組3表面への下部接触片33の食い込みが防止されるので、電気的接続が確実になり、編組3の破壊が防止される。
上部接触片34は、可動カバー60側(Z1方向)に設けられ、可動カバー60と編組3との間に位置する。上部接触片34は、シェル30と一体的に形成され、シェル30からケーブル側に延長し、回転軸63に近接する中間部分85がへこみ、さらに延長して二股に分かれて、屈曲面83でケーブルの中心軸方向(Z2方向)に折り曲げられ、さらに、シェル30側方向(X2方向)に折り曲げられた形状となっている。また、折り曲げ部分(屈曲面83)から先には、スリット82が設けられ、スリット82の寸法を変えることにより上部接触片34の弾性を調節することができる。また、上部接触片34は、その先端部に、編組3の外周円の接線に沿った左右2つの接触面37を有し、接触面37は、上部接触片34の端部を折り曲げることにより形成されており、ケーブル2の円周方向に沿って設けられている。接触面37があることにより、編組3表面との接触面積が広くなり、編組3表面への上部接触片34の食い込みが防止されるので、電気的接続が確実になり、編組3の破壊が防止される。また、本体シェル32と上部接触片34の接合部の両側に2つの切り欠き部81が設けられ、この長さを変えることにより上部接触片34の弾性を調節することができる。
下部接触片33の接触面36と上部接触片34の接触面37とは、嵌合方向(X12方向)に沿って形成され、上下方向(Z12方向)おいて対向するように配置されている。図5~7に示されているように、接触面37の上下方向(Z12方向)における位置は、ケーブルの太さに応じて変化する。しかし、図5(c)、図6(c)、図7(c)のいずれでも、嵌合方向(X12方向)において、接触面37は接触面36の範囲内に位置している。このような構成によって、太さの異なるどのようなケーブルでも、接触面37と接触面36とでケーブル2の編組3(外部導体)を確実に保持して、電気的接続を確実にすることができる。
操作弾性片35は、本体シェル32の両側面から嵌合方向(X2方向)へ延びた2つの弾性片であり、相手側コネクタと嵌合する際のロック及びロック解除に使用される。操作弾性片35の嵌合側(X2方向)先端部分には、両側に弾性的に突き出た2つのロック突部38が設けられており、ロック突部38が、シェル30の嵌合部31の両側面に形成されたロック孔39から突き出る構造になっている。相手側コネクタとの嵌合時に、ロック突部38が、相手側コネクタのロック孔(図示せず)に引っ掛かり、ロックされる。また、相手側コネクタとの嵌合を解除するためにロックを解除するには、操作部70を両側から押し込むと、連動して2つの操作弾性片35が内側に変形し、2つのロック突部38が、ロック孔39の内側に引っ込み、相手側コネクタのロック孔との引っ掛かりが解除され、ロックが解除される。
図4~図7によく示されるように、カバー40は、ケーブル側(X1方向)に、ケーブル2の外被4に食い込んでケーブル2を固定するための複数の突起42を内壁面上に有する。本実施形態では、可動カバー60の突起62と対向する位置に、2個×2個の突起42が設けられているが、これに限定されるものではなく、突起42の個数はいくつであってもよい。また、カバー40のケーブル側(X1方向)には、両側2つの係止片41(第1の係止片)が設けられ、係止片41は、先端部が外側(Z2方向)に向いた鋸歯状の形状を有する。
可動カバー60は、可動カバー60と一体的に形成された回転軸63を備え(図5~図7参照)、回転軸63がカバー50の溝(軸受け51)に嵌め込まれ、回転軸63を中心にして回転可能にカバー50と連結される。
図4~図7によく示されるように、可動カバー60は、ケーブル側(X1方向)に、ケーブル2の外被4に食い込んでケーブル2を固定するための突起62を内壁面上に有する。本実施形態では、カバー40の突起42と対向する位置に、2個×2個の突起62が設けられているが、これに限定されるものではなく、突起62の個数はいくつであってもよい。
また、可動カバー60は、係止片41と係合するための係止片61(第2の係止片)を両側にそれぞれ3つ備え、3×2個の係止片61は、先端部が外側(Z1方向)に向いた鋸歯状の形状を有する。3×2個の係止片61は、回転軸63を中心とする円の円周方向に沿って配置されることが望ましい。係止片41及び係止片61は、ラチェット機構を構成し、係止片41と係止片61が近づく方向に移動可能であるが、係止片41と係止片61とが係合した状態では離れる方向への移動が規制される構造となっている。
係止片41とカバー40とが連結される連結部分43は弾性を有し、係止片41と係止片61とが係合する際に、X-Z平面で嵌合側(X2側)へ弾性変形する。これにより、ラチェット機構を可能としている。また、連結部分43の太さを調整することで、係止片41の変位のしやすさを調整することも可能である。連結部分43が太すぎると撓みにくくなり係止片61との係合が困難になる。逆に、連結部分43が細すぎると容易に撓みやすくなり係止片61との係合は容易になるが、係止片41と係止片61との係合が離れやすくなる。
なお、本実施の形態では、3段階の調節が可能なように、両側にそれぞれ、係止片41が1つ、係止片61が3つの構成が示されているが、この構成に限定されるものではなく、係止片41が1つ、係止片61が複数(2つ以上)の構成であってもよく、係止片41が複数(2つ以上)、係止片61が1つの構成であってもよく、係止片41及び係止片61がともに複数(2つ以上)の構成であってもよい。
次に、図5~図7により、本実施形態の電気コネクタについて、ケーブルの太さが異なる場合の結線方法を説明する。図5~図7は、それぞれ、可動カバーの位置関係を示す図(ケーブル及びコネクタの一部を省略)であり、(a)は平面図、(b)はD-D切断面における断面図、(c)はE-E切断面における断面図、(d)はF-F切断面における断面図であり、図5は大径ケーブルを結線する場合、図6は中径ケーブルを結線する場合、図7は小径ケーブルを結線する場合を示している。
図5(a)~(d)に示すように、電気コネクタ1に太いケーブルが結線される場合、図4に示されるような可動カバー60が開いた状態から、可動カバー60を閉じる方向(Z2方向)に回転軸63を中心に回転移動することにより、カバー40の係止片41と可動カバー60の係止片61aが係合し、ケーブル2が固定される。同時に、上部接触片34の屈曲面83が可動カバー60の内壁に当接して押し下げられ、接触面37が編組3の表面に接触してケーブル2の編組3も固定される。このとき、係止片41は外側方向(Z2方向)に向いた斜面を有し、係止片61は外側方向(Z1方向)に向いた斜面を有するため、可動カバー60を閉じる方向のみの移動が可能であり、開く方向への移動が規制される(いわゆる、ラチェット機構)。そして、ケーブルが太いため、係止片41と係止片61aが係合した状態で止まる。また、接触面36と接触面37とでケーブル2の編組3を上下方向(Z12)である両側から挟み込むため、シェル30と編組3との電気的接続を確実にすることできるとともに、接触面36と接触面37とは編組3の軸線方向(X12)に対してほぼ対称の位置に配置されているため、シールド性能を高めることができる。また、突起42及び突起62がケーブル2の上下方向(Z12)である両側から挟み込むように外被4に食い込んでケーブル2が確実に固定される。
図6(a)~(d)に示すように、電気コネクタ1に中くらいの太さのケーブルが結線される場合、図4に示されるような可動カバー60が開いた状態から、可動カバー60を閉じる方向(Z2方向)に回転軸63を中心に回転移動することにより、カバー40の係止片41と可動カバー60の係止片61bが係合し、ケーブル2が固定される。同時に、上部接触片34の屈曲面83が可動カバー60の内壁に当接して押し下げられ、接触面37が編組3の表面に接触してケーブル2の編組3も固定される。このとき、係止片41は外側方向(Z2方向)に向いた斜面を有し、係止片61は外側方向(Z1方向)に向いた斜面を有するため、可動カバー60を閉じる方向のみの移動が可能であり、開く方向への移動が規制される(いわゆる、ラチェット機構)。そして、ケーブルの太さが中くらいであるため、係止片61aは係止片41の山を乗り越えて通過し、係止片41と係止片61bが係合した状態で止まる。また、突起42及び突起62がケーブル2の上下方向(Z12)である両側から挟み込むように外被4に食い込んでケーブル2が確実に固定される。
図7(a)~(d)に示すように、電気コネクタ1に細いケーブルが結線される場合、図4に示されるような可動カバー60が開いた状態から、可動カバー60を閉じる方向(Z2方向)に回転軸63を中心に回転移動することにより、カバー40の係止片41と可動カバー60の係止片61cが係合し、ケーブル2が固定される。同時に、上部接触片34の屈曲面83が可動カバー60の内壁に当接して押し下げられ、接触面37が編組3の表面に接触してケーブル2の編組3も固定される。このとき、係止片41は外側方向(Z2方向)に向いた斜面を有し、係止片61は外側方向(Z1方向)に向いた斜面を有するため、可動カバー60を閉じる方向のみの移動が可能であり、開く方向への移動が規制される(いわゆる、ラチェット機構)。そして、ケーブルが細いため、係止片61a及び係止片61bは係止片41の山を乗り越えて通過し、係止片41と係止片61bが係合した状態で止まる。また、突起42及び突起62がケーブル2の上下方向(Z12)である両側から挟み込むように外被4に食い込んでケーブル2が確実に固定される。
以上説明したように、ケーブルを結線する際、可動カバー60を回転移動することにより、ケーブルの太さに応じて(本実施形態では3段階)、確実にケーブルを固定することができる。すなわち、図5~図7に示すように、ケーブル空間5が、ケーブル2の太さに応じて変化する。なお、本実施形態では、係止片61を両側に3個ずつ設けることにより3段階の調節が可能であるが、係止片61を4つ設けることにより4段階の調節が可能になり、また、係止片61の個数を変えることにより、任意の段階の調節が可能になる。また、係止片41と係止片61の個数を逆に設定しても、同様の効果が得られる。係止片41及び係止片61をそれぞれ複数個並べて配置する際、回転軸63を中止とする円の円周に沿って配置することが望ましい。また、係止片41及び係止片61は、本実施の形態のように、左右両側(Y12方向)に対になるように設けることが望ましい。
したがって、本実施形態の電気コネクタによれば、心線数に応じてケーブルの太さが変化しても、同じ電気コネクタで結線が確実・容易に行える。また、本実施形態の電気コネクタによれば、ケーブルの太さが異なる種々のケーブルに対応した電気コネクタの提供が可能になる。また、本実施形態の電気コネクタによれば、種々の太さのケーブルについて、現場でのケーブルの結線が容易に行える。
以上、本発明者によってなされた発明をその実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。
本発明は、産業用機器間を連結する通信ケーブル等の種々の電気コネクタに利用することができる。
1 電気コネクタ
2 ケーブル
3 編組(外部導体)
4 外被(外部絶縁体)
5 ケーブル空間
10 端子
20 ハウジング
21 嵌合凹部
30 シェル
31 嵌合部
32 本体シェル
33 下部接触片(第1の接触片)
34 上部接触片(第2の接触片)
35 操作弾性片
36 接触面
37 接触面
38 ロック突部
39 ロック孔
40 カバー(第1のカバー)
41 係止片(第1の係止片)
42 突起
43 連結部分
50 カバー(第1のカバー)
51 軸受け
60 可動カバー(第2のカバー)
61 係止片(第2の係止片)
62 突起
63 回転軸
70 操作部
81 切り欠き部
82 スリット
83 屈曲面
84 スリット
85 中間部分

Claims (6)

  1. ケーブルが結線される電気コネクタであって、
    複数の端子を保持するハウジングと、
    前記ハウジングの少なくとも一部を覆うように、前記ハウジングの外側に設けられる導電性のシェルと、
    前記シェルの少なくとも一部を覆うように、前記シェルの外側に設けられる絶縁性の第1のカバーと、
    回転軸を介して、前記第1のカバーと連結され、回動可能な絶縁性の第2のカバーと、を備え、
    前記第1のカバーは、ケーブル側において、Y方向に離間した一対の第1の係止片を有し、前記ケーブルが前記一対の第1の係止片の間に配置可能であり、
    前記第2のカバーは、前記第1の係止片と係合するためのY方向に離間した一対の第2の係止片を有し、
    前記第1の係止片及び前記第2の係止片のうち少なくとも一方は、前記回転軸を中心とする円の円周方向に沿って配置された複数の係止片を含み、
    記第2の係止片は、前記第1の係止片と前記第2の係止片が近づく方向に移動可能であり、前記第1の係止片と前記第2の係止片とが係合した状態では離れる方向の移動を規制する構造となっており、
    前記シェルは、ケーブル側に、前記ケーブルの外部導体を両側から挟み込んで前記外部導体と接触するための第1の接触片及び第2の接触片を有し、
    前記第2の接触片は、前記第2のカバー側に位置し、前記第2のカバーの内壁面と当接して、前記ケーブルの中心軸方向に変形可能である、電気コネクタ。
  2. 前記第1の係止片及び前記第2の係止片は、それぞれ、先端部が外側に向いた鋸歯状の形状を有する、請求項1に記載の電気コネクタ。
  3. 前記第1の係止片と前記第1のカバーとの間には連結部分が設けられ、
    前記第1の係止片及び前記第2の係止片は、それぞれ、X-Z平面内で先端部が外側に向いた鋸歯状の形状を有する、請求項1に記載の電気コネクタ。
  4. 前記第2の接触片は、前記シェルから延長し、前記回転軸に近接する部分がへこんだ形状を有する、請求項1~3のいずれか1項に記載の電気コネクタ。
  5. 前記第1の接触片及び前記第2の接触片は、それぞれ、前記外部導体の外周円の接線に沿った接触面を有し、前記接触面は、前記第1の接触片及び前記第2の接触片の端部を折り曲げることにより形成されている、請求項1~4のいずれか1項に記載の電気コネクタ。
  6. 前記第1のカバー及び前記第2のカバーは、それぞれ、ケーブル側に、前記ケーブルの外部絶縁体に食い込んで前記ケーブルを固定するための突起を内壁面上に有する、請求項1~5のいずれか1項に記載の電気コネクタ。
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