JP7185161B2 - フルオロポリマーの製造方法 - Google Patents

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Description

本開示は、フルオロポリマーの製造方法に関する。
フルオロポリマーの製造方法としては、乳化重合法や懸濁重合法、溶液重合法が知られている。これらの重合方法では重合媒体としてフッ素系溶媒が使用されている。
特許文献1では、炭素、フッ素、少なくとも1個の水素原子、少なくとも水素原子と同数のフッ素原子を含有し、2個を超えない隣接する-CH-基を含有し、どの一級炭素も水素原子を持たず、-CFOCH原子団を除いて、メチル基(-CH)を含有するべきでない溶媒をフルオロモノマーと接触させることを含んで成る重合方法が提案されている。
特許文献2では、重合媒体中における重合によって含フッ素重合体を製造するにあたり、重合媒体として、F(CFOCH、F(CFOC、(CFCFOCH、F(CFOCH等の(ペルフルオロアルキル)アルキルエーテルを用いることを特徴とする含フッ素重合体の製造方法が提案されている。
特許文献3では、重合媒体の中でフッ素モノマーをラジカル重合する含フッ素重合体の製造方法において、重合媒体として、CFCHOCFCHF、CHFCFCHOCFCHF、CFCFCHOCFCHF等のヒドロフルオロアルキルエーテルを用いることを特徴とする含フッ素重合体の製造方法が提案されている。
特表平7-504224号公報 特開平11-92507号公報 特開2005-29704号公報
本開示では、高分子量のフルオロポリマーを製造することができ、環境に与える負荷も小さいフルオロポリマーの製造方法を提供することを目的とする。
本開示によれば、溶媒中でフルオロモノマーを重合することによりフルオロポリマーを製造するフルオロポリマーの製造方法であって、前記溶媒が、
一般式:R-O-R
(式中、Rは部分フッ素化アルキル基を示し、Rは、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示す。)で表される含フッ素エーテル化合物(1)を含有し、前記溶媒において、
一般式:R-CF=CF-R-O-R
(式中、Rは、H、F、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、Rは、単結合、部分フッ素化アルキレン基または完全フッ素化アルキレン基を示す。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量が、含フッ素エーテル化合物(1)の含有量に対して、1.00質量%以下である製造方法が提供される。
本開示の製造方法において、含フッ素エーテル化合物(1)が、
一般式:X-Rf-CFH-Rf-O-R
(式中、Xは、H、F、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、RfおよびRfは、同一又は異なって、単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。ただし、RfおよびRfの双方が単結合になることはない。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素エーテル化合物(1-1)であることが好ましい。
本開示の製造方法において、含フッ素オレフィン化合物(2)が、
一般式:X-Rf-CF=CF-Rf21-O-R
(式中、X、RfおよびRは、前記に同じである。Rf21は単結合またはRfよりも炭素数が1つ少ない完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-1-1)、または、
一般式:X-Rf11-CF=CF-Rf-O-R
(式中、X、RfおよびRは、前記に同じである。Rf11は単結合またはRfよりも炭素数が1つ少ない完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-1-2)であることが好ましい。
本開示の製造方法において、含フッ素エーテル化合物(1)が、
一般式:X-Rf-CFH-CF-O-R
(式中、Xは、H、F、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、Rfは単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素エーテル化合物(1-2)であることが好ましい。
本開示の製造方法において、含フッ素オレフィン化合物(2)が、
一般式:X-Rf-CF=CF-O-R
(式中、X、RfおよびRは、前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-2-1)、または、
一般式:X-Rf11-CF=CF-CF-O-R
(式中、XおよびRは、前記に同じである。Rf11は単結合またはRfよりも炭素数が1つ少ない完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-2-2)であることが好ましい。
本開示の製造方法において、含フッ素エーテル化合物(1)が、
一般式:F-CF-CFH-CF-O-R
(式中、Rは、前記に同じである。)で表される含フッ素エーテル化合物(1-3)であることが好ましい。
本開示の製造方法において、含フッ素オレフィン化合物(2)が、
一般式:F-CF-CF=CF-O-R
(式中、Rは、前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-3-1)、または、
一般式:F-CF=CF-CF-O-R
(式中、Rは、前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-3-2)であることが好ましい。
本開示の製造方法において、前記溶媒が、水をさらに含有することが好ましい。
本開示の製造方法において、前記フルオロモノマーが、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンおよびビニリデンフルオライドからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の製造方法において、前記フルオロポリマーが、フッ素樹脂であることが好ましい。
本開示の製造方法において、前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド共重合体およびクロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
本開示の製造方法において、含フッ素エーテル化合物(1)の存在下、含フッ素オレフィン化合物(2)と、ハロゲン化剤および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(3)との反応により、含フッ素オレフィン化合物(2)をハロゲン付加物および酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(4)に変換させて、含フッ素エーテル化合物(1)および化合物(4)を含有する組成物を得て、得られた前記組成物から化合物(4)を分離することにより、前記溶媒を調製することが好ましい。
本開示によれば、高分子量のフルオロポリマーを製造することができ、環境に与える負荷も小さいフルオロポリマーの製造方法を提供することができる。
以下、本開示の具体的な実施形態について詳細に説明するが、本開示は、以下の実施形態に限定されるものではない。
フルオロモノマーを重合する際に用いられるフッ素系溶媒のうち、ハイドロフルオロエーテル(HFE)およびハイドロフルオロカーボン(HFC)は、地球温暖化係数(GWP:Global Warming Potential)及びオゾン層破壊係数(ODP:Ozone Depletion Potential)が小さいことから、パーフルオロカーボン(PFC)やクロロフルオロカーボン(CFC)、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)の代替品として注目されている。
しかしながら、地球温暖化係数が小さいHFEをフルオロモノマーの重合に用いると、得られるフルオロポリマーの分子量を十分に高くできないなど、従来の方法で製造された製品と同等の物性を有するフルオロポリマーが得られないことがある問題が判明した。また、HFEの製造にはフッ素化など特殊な工程を必要とするもの等があり、コストが高くなるといった問題点があった。
本発明者らは、フルオロモノマーを重合する際に、溶媒として比較的安価に製造できるHFEを用いた場合、HFEの製造過程で生じる特定の構造を有する含フッ素オレフィン化合物が、従来の方法で製造された製品と同等の物性を発現させることを阻害することを見出した。さらには、HFE中のこの含フッ素オレフィン化合物を特定量以下まで削減することによって、得られるフルオロポリマーの分子量が高くなることもあわせて見出した。
本開示は、この知見に基づき完成された製造方法に関しており、特定の構造を有する含フッ素オレフィン化合物の含有量が低減された含フッ素エーテル化合物を含有する溶媒を用いることにより、高分子量のフルオロポリマーを製造することができる製造方法であって、環境への負荷も小さい製造方法に関する。
本開示の製造方法においては、フルオロモノマーを重合することによりフルオロポリマーを製造する際に、含フッ素エーテル化合物(1)を含有する溶媒を用いる。
含フッ素エーテル化合物(1)は、
一般式:R-O-R
(式中、Rは部分フッ素化アルキル基を示し、Rは、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示す。)で表される。
このような含フッ素エーテル化合物は、通常、触媒としての塩基性化合物の存在下に、アルコールと含フッ素オレフィンとをカップリング反応させることにより合成される。この反応においては、塩基性化合物が存在することから、生成した含フッ素エーテル化合物からフッ化水素が脱離する副反応が同時に進行しやすく、この副反応によって、たとえば、
一般式:R-CF=CF-R-O-R
(式中、Rは、H、F、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、Rは、単結合、部分フッ素化アルキレン基または完全フッ素化アルキレン基を示す。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2)が副生する。
本開示の製造方法において用いる溶媒は、含フッ素エーテル化合物(1)を含有するものであれば、含フッ素オレフィン化合物(2)を含有するものであってもよいし、含フッ素オレフィン化合物(2)を含有しないものであってもよいが、溶媒が含フッ素オレフィン化合物(2)を含有する場合は、その含有量が、溶媒中の含フッ素エーテル化合物(1)の含有量に対して、1.00質量%以下である溶媒を用いる。本開示の製造方法においては、含フッ素エーテル化合物(1)を含有するとともに、含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量が、含フッ素エーテル化合物(1)の含有量に対して、1.00質量%以下まで低減された溶媒を用いるものであることから、高分子量のフルオロポリマーを製造することができる。
溶媒中の含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量としては、含フッ素エーテル化合物(1)の含有量に対して、1.00質量%以下であり、好ましくは0.10質量%以下であり、さらに好ましくは0.01質量%以下である。溶媒中の含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量の下限値は、含フッ素エーテル化合物(1)の含有量に対して、0質量%であってよいが、0.0001質量%、0.0003質量%または0.0005質量%であってもよい。含フッ素オレフィン化合物(2)が溶媒中に少量含まれていても、含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量が十分に少ない場合には、高分子量のフルオロポリマーを製造することができる。含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量が多すぎると、重合速度の低下や分子量の低下が起こる。
溶媒中の含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量としては、溶媒に対して、0.50質量%以下であり、好ましくは0.05質量%以下であり、さらに好ましくは0.005質量%以下である。溶媒中の含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量の下限値は、溶媒に対して、0質量%であってよいが、0.0001質量%、0.0003質量%または0.0005質量%であってもよい。
溶媒中の含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量は、ガスクロマトグラフィー(GC)により、測定することができる。
含フッ素エーテル化合物(1)を表す一般式:R-O-Rにおいて、Rは部分フッ素化アルキル基を示す。部分フッ素化アルキル基とは、アルキル基を構成する炭素原子に結合した水素原子の一部が、フッ素原子により置換されているが、全部は置換されていないアルキル基である。
の炭素数は、好ましくは1~6であり、より好ましくは2~5であり、さらに好ましくは2~4であり、特に好ましくは3または4であり、最も好ましくは3である。
としては、
一般式:X-Rf-CFH-Rf
(式中、Xは、H、F、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、RfおよびRfは、同一又は異なって、単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。ただし、RfおよびRfの双方が単結合になることはない。)で表される基が好ましく、
一般式:X-Rf-CFH-CF
(式中、Xは、H、F、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、Rfは単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される基がより好ましく、
式:F-CF-CFH-CF-で表される基がさらに好ましい。
は、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示す。非フッ素化アルキル基とは、フッ素原子を含有しないアルキル基である。完全フッ素化アルキル基とは、アルキル基を構成する炭素原子に結合した水素原子の全部がフッ素原子により置換されており、C-H結合を含まないアルキル基である。Rとしては、非フッ素化アルキル基または部分フッ素化アルキル基が好ましい。
の炭素数は、好ましくは1~7であり、より好ましくは1~3であり、さらに好ましくは1である。
としては、炭素数1~7の非フッ素化アルキル基または部分フッ素化アルキル基が好ましく、炭素数1~3の非フッ素化アルキル基または部分フッ素化アルキル基がより好ましく、CHがさらに好ましい。
含フッ素エーテル化合物(1)としては、CFHCFOR、CFCFHCFOR、CFCFCFHCFOR、CFCFCFCFHCFOR、CFCFCFCFCFHCFOR等が例示される(式中、Rは、前記に同じ)。
含フッ素エーテル化合物(1)としては、CFHCFOCHCH、CFHCFOCHCHCH、CFHCFOCHCHCHCH、CFHCFOCHCHCHCHCH、CFHCFOCHCHCHCHCHCH、CFHCFOCHCHCHCHCHCHCH、CFHCFOCHCF、CFHCFOCHCFCF、CFHCFOCHCFCFCF、CFHCFOCHCFCFCFCF、CFHCFOCHCFCFCFCFCF、CFHCFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCFHCFOCH、CFCFHCFOCHCH、CFCFHCFOCHCHCH、CFCFHCFOCHCHCHCH、CFCFHCFOCHCHCHCHCH、CFCFHCFOCHCHCHCHCHCH、CFCFHCFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCFHCFOCHCF、CFCFHCFOCHCFCF、CFCFHCFOCHCFCFCF、CFCFHCFOCHCFCFCFCF、CFCFHCFOCHCFCFCFCFCF、CFCFHCFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCFCFHCFOCH、CFCFCFHCFOCHCH、CFCFCFHCFOCHCHCH、CFCFCFHCFOCHCHCHCH、CFCFCFHCFOCHCHCHCHCH、CFCFCFHCFOCHCHCHCHCHCH、CFCFCFHCFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCFCFHCFOCHCF、CFCFCFHCFOCHCFCF、CFCFCFHCFOCHCFCFCF、CFCFCFHCFOCHCFCFCFCF、CFCFCFHCFOCHCFCFCFCFCF、CFCFCFHCFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCFCFCFHCFOCH、CFCFCFCFHCFOCHCH、CFCFCFCFHCFOCHCHCH、CFCFCFCFHCFOCHCHCHCH、CFCFCFCFHCFOCHCHCHCHCH、CFCFCFCFHCFOCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCFHCFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCFHCFOCHCF、CFCFCFCFHCFOCHCFCF、CFCFCFCFHCFOCHCFCFCF、CFCFCFCFHCFOCHCFCFCFCF、CFCFCFCFHCFOCHCFCFCFCFCF、CFCFCFCFHCFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCFCFCFCFHCFOCH、CFCFCFCFCFHCFOCHCH、CFCFCFCFCFHCFOCHCHCH、CFCFCFCFCFHCFOCHCHCHCH、CFCFCFCFCFHCFOCHCHCHCHCH、CFCFCFCFCFHCFOCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCFCFHCFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCFCFHCFOCHCF、CFCFCFCFCFHCFOCHCFCF、CFCFCFCFCFHCFOCHCFCFCF、CFCFCFCFCFHCFOCHCFCFCFCF、CFCFCFCFCFHCFOCHCFCFCFCFCF、および、CFCFCFCFCFHCFOCHCFCFCFCFCFCFからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
含フッ素オレフィン化合物(2)を表す一般式:R-CF=CF-R-O-Rにおいて、Rは、H、F、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示す。
の部分フッ素化アルキル基および完全フッ素化アルキル基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1である。Rとしては、H、FまたはCFが好ましい。
は、単結合、部分フッ素化アルキレン基または完全フッ素化アルキレン基を示す。
の部分フッ素化アルキレン基および完全フッ素化アルキレン基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1である。Rとしては、単結合またはCFが好ましい。
含フッ素オレフィン化合物(2)としては、CF=CFCFOR、CFCF=CFOR、CFCF=CFCFOR、CFCFCF=CFOR、CFCFCF=CFCFOR、CFCFCFCF=CFOR、CFCFCFCF=CFCFOR、CFCFCFCFCF=CFOR(式中、Rは、前記に同じである。)等が例示される。
含フッ素オレフィン化合物(2)としては、CF=CFCFOCH、CF=CFCFOCHCH、CF=CFCFOCHCHCH、CF=CFCFOCHCHCHCH、CF=CFCFOCHCHCHCHCH、CF=CFCFOCHCHCHCHCHCH、CF=CFCFOCHCHCHCHCHCHCH、CF=CFCFOCHCF、CF=CFCFOCHCFCF、CF=CFCFOCHCFCFCF、CF=CFCFOCHCFCFCFCF、CF=CFCFOCHCFCFCFCFCF、CF=CFCFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCF=CFOCH、CFCF=CFOCHCH、CFCF=CFOCHCHCH、CFCF=CFOCHCHCHCH、CFCF=CFOCHCHCHCHCH、CFCF=CFOCHCHCHCHCHCH、CFCF=CFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCF=CFOCHCF、CFCF=CFOCHCFCF、CFCF=CFOCHCFCFCF、CFCF=CFOCHCFCFCFCF、CFCF=CFOCHCFCFCFCFCF、CFCF=CFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCF=CFCFOCH、CFCF=CFCFOCHCH、CFCF=CFCFOCHCHCH、CFCF=CFCFOCHCHCHCH、CFCF=CFCFOCHCHCHCHCH、CFCF=CFCFOCHCHCHCHCHCH、CFCF=CFCFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCF=CFCFOCHCF、CFCF=CFCFOCHCFCF、CFCF=CFCFOCHCFCFCF、CFCF=CFCFOCHCFCFCFCF、CFCF=CFCFOCHCFCFCFCFCF、CFCF=CFCFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCFCF=CFOCH、CFCFCF=CFOCHCH、CFCFCF=CFOCHCHCH、CFCFCF=CFOCHCHCHCH、CFCFCF=CFOCHCHCHCHCH、CFCFCF=CFOCHCHCHCHCHCH、CFCFCF=CFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCFCF=CFOCHCF、CFCFCF=CFOCHCFCF、CFCFCF=CFOCHCFCFCF、CFCFCF=CFOCHCFCFCFCF、CFCFCF=CFOCHCFCFCFCFCF、CFCFCF=CFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCFCF=CFCFOCH、CFCFCF=CFCFOCHCH、CFCFCF=CFCFOCHCHCH、CFCFCF=CFCFOCHCHCHCH、CFCFCF=CFCFOCHCHCHCHCH、CFCFCF=CFCFOCHCHCHCHCHCH、CFCFCF=CFCFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCFCF=CFCFOCHCF、CFCFCF=CFCFOCHCFCF、CFCFCF=CFCFOCHCFCFCF、CFCFCF=CFCFOCHCFCFCFCF、CFCFCF=CFCFOCHCFCFCFCFCF、CFCFCF=CFCFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCFCFCF=CFOCH、CFCFCFCF=CFOCHCH、CFCFCFCF=CFOCHCHCH、CFCFCFCF=CFOCHCHCHCH、CFCFCFCF=CFOCHCHCHCHCH、CFCFCFCF=CFOCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCF=CFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCF=CFOCHCF、CFCFCFCF=CFOCHCFCF、CFCFCFCF=CFOCHCFCFCF、CFCFCFCF=CFOCHCFCFCFCF、CFCFCFCF=CFOCHCFCFCFCFCF、CFCFCFCF=CFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCFCFCF=CFCFOCH、CFCFCFCF=CFCFOCHCH、CFCFCFCF=CFCFOCHCHCH、CFCFCFCF=CFCFOCHCHCHCH、CFCFCFCF=CFCFOCHCHCHCHCH、CF
CFCFCF=CFCFOCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCF=CFCFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCF=CFCFOCHCF、CFCFCFCF=CFCFOCHCFCF、CFCFCFCF=CFCFOCHCFCFCF、CFCFCFCF=CFCFOCHCFCFCFCF、CFCFCFCF=CFCFOCHCFCFCFCFCF、CFCFCFCF=CFCFOCHCFCFCFCFCFCF、CFCFCFCFCF=CFOCH、CFCFCFCFCF=CFOCHCH、CFCFCFCFCF=CFOCHCHCH、CFCFCFCFCF=CFOCHCHCHCH、CFCFCFCFCF=CFOCHCHCHCHCH、CFCFCFCFCF=CFOCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCFCF=CFOCHCHCHCHCHCHCH、CFCFCFCFCF=CFOCHCF、CFCFCFCFCF=CFOCHCFCF、CFCFCFCFCF=CFOCHCFCFCF、CFCFCFCFCF=CFOCHCFCFCFCF、CFCFCFCFCF=CFOCHCFCFCFCFCF、CFCFCFCFCF=CFOCHCFCFCFCFCFCFからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。
本開示の一実施形態においては、含フッ素エーテル化合物(1)として、
一般式:X-Rf-CFH-Rf-O-R
(式中、Xは、H、F、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、RfおよびRfは、同一又は異なって、単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。ただし、RfおよびRfの双方が単結合になることはない。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素エーテル化合物(1-1)を含有する溶媒を用いる。
Xは、H、F、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示す。Xの非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基および完全フッ素化アルキル基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1である。Xとしては、HまたはFが好ましく、Fがより好ましい。
Rfは、単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。Rfの完全フッ素化アルキレン基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1または2であり、さらに好ましくは1である。Rfとしては、単結合、-CF-または-CFCF-が好ましく、-CF-がより好ましい。
Rfは、単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。Rfの完全フッ素化アルキレン基の炭素数は、好ましくは1~4であり、より好ましくは1である。Rfとしては、単結合または-CF-が好ましい。
溶媒が含フッ素エーテル化合物(1-1)を含有する場合、含フッ素オレフィン化合物(2)としては、
一般式:X-Rf-CF=CF-Rf21-O-R
(式中、X、RfおよびRは、前記に同じである。Rf21は単結合またはRfよりも炭素数が1つ少ない完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-1-1)、または、
一般式:X-Rf11-CF=CF-Rf-O-R
(式中、X、RfおよびRは、前記に同じである。Rf11は単結合またはRfよりも炭素数が1つ少ない完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-1-2)が好ましい。
含フッ素オレフィン化合物(2-1-1)および含フッ素オレフィン化合物(2-1-2)は、通常、含フッ素エーテル化合物(1-1)に対して、塩基性化合物が作用して、含フッ素エーテル化合物(1-1)からフッ化水素が脱離することにより、生成する。
本開示の一実施形態においては、含フッ素エーテル化合物(1)として、
一般式:X-Rf-CFH-CF-O-R
(式中、Xは、H、F、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、Rfは単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素エーテル化合物(1-2)を含有する溶媒を用いる。
溶媒が含フッ素エーテル化合物(1-2)を含有する場合、含フッ素オレフィン化合物(2)としては、
一般式:X-Rf-CF=CF-O-R
(式中、X、RfおよびRは、前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-2-1)、または、
一般式:X-Rf11-CF=CF-CF-O-R
(式中、XおよびRは、前記に同じである。Rf11は単結合またはRfよりも炭素数が1つ少ない完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-2-2)が好ましい。
含フッ素オレフィン化合物(2-2-1)および含フッ素オレフィン化合物(2-2-2)は、通常、含フッ素エーテル化合物(1-2)に対して、塩基性化合物が作用して、含フッ素エーテル化合物(1-2)からフッ化水素が脱離することにより、生成する。
本開示の一実施形態においては、含フッ素エーテル化合物(1)として、
一般式:F-CF-CFH-CF-O-R
(式中、Rは、前記に同じである。)で表される含フッ素エーテル化合物(1-3)を含有する溶媒を用いる。
溶媒が含フッ素エーテル化合物(1-3)を含有する場合、含フッ素オレフィン化合物(2)としては、
一般式:F-CF-CF=CF-O-R
(式中、Rは、前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-3-1)、または、
一般式:F-CF=CF-CF-O-R
(式中、Rは、前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-3-2)が好ましい。
含フッ素オレフィン化合物(2-3-1)および含フッ素オレフィン化合物(2-3-2)は、通常、含フッ素エーテル化合物(1-3)に対して、塩基性化合物が作用して、含フッ素エーテル化合物(1-3)からフッ化水素が脱離することにより、生成する。
含フッ素エーテル化合物(1)の沸点は、重合が円滑に進行し、高分子量のフルオロポリマーを製造することができ、重合後のフルオロポリマーと含フッ素エーテル化合物(1)の分離を円滑に行えることから、好ましくは0~150℃であり、より好ましくは10~100℃であり、さらに好ましくは20~90℃であり、特に好ましくは25~80℃である。
本開示の製造方法において用いる溶媒は、含フッ素エーテル化合物(1)とともに、含フッ素エーテル化合物(1)以外の溶媒を含有してもよい。他の溶媒としては、水、アルコール、ケトン、エステル、炭化水素化合物などのフッ素非含有有機溶媒、含フッ素エーテル化合物(1)以外のフッ素含有有機溶媒などが挙げられる。
溶媒中の含フッ素エーテル化合物(1)の含有量としては、溶媒に対して、好ましくは10~100質量%であり、より好ましくは20質量%以上であり、さらに好ましくは25質量%以上であり、より好ましくは80質量%以下であり、さらに好ましくは75質量%以下である。
溶媒の反応系への添加方法は、特に限定されず、重合開始前に重合に用いる反応器に溶媒を添加してもよいし、重合開始剤などの重合に用いる原料を溶媒に溶解させ、組成物を調製した後、調製した原料および溶媒を含有する組成物を反応器に添加してもよい。溶媒は、重合溶媒として用いてもよいし、開始剤溶媒として用いてもよい。
本開示の製造方法においては、溶媒中でフルオロモノマーを重合することによりフルオロポリマーを製造する。フルオロモノマーは、好適には、含フッ素オレフィン化合物(2)、含フッ素オレフィン化合物(2-1-1)、含フッ素オレフィン化合物(2-1-2)、含フッ素オレフィン化合物(2-2-1)、含フッ素オレフィン化合物(2-2-2)、含フッ素オレフィン化合物(2-3-1)または含フッ素オレフィン化合物(2-3-2)とは異なる。
フルオロモノマーとしては、フルオロオレフィン、好ましくは炭素原子2~10個を有するフルオロオレフィン;環式のフッ素化されたモノマー;式CQ=CQOR又はCQ=CQOROR(Qは、H又はFであり、R及びRは、水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されている炭素数1~8のアルキル基であり、Rは、水素原子の一部又は全てがフッ素原子で置換されている炭素数1~8のアルキレン基である。)で表されるフッ素化アルキルビニルエーテル;ニトリル基を有するフッ素含有オレフィン;ニトリル基を有するフッ素含有ビニルエーテル等が挙げられる。
フルオロモノマーとして、より具体的には、テトラフルオロエチレン〔TFE〕、ヘキサフルオロプロピレン〔HFP〕、クロロトリフルオロエチレン〔CTFE〕、フッ化ビニル〔VF〕、フッ化ビニリデン〔VdF〕、トリフルオロエチレン、ヘキサフルオロイソブチレン、CH=CZ(CF(式中、ZはH又はF、ZはH、F又はCl、nは1~10の整数である。)で表される単量体、CF=CF-ORf(式中、Rfは、炭素数1~8のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)〔PAVE〕、CF=CF-O-CH-Rf(式中、Rfは、炭素数1~5のパーフルオロアルキル基)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体、パーフルオロ-2,2-ジメチル-1,3-ジオキソール〔PDD〕、および、パーフルオロ-2-メチレン-4-メチル-1,3-ジオキソラン〔PMD〕からなる群より選択される少なくとも1種が好ましい。
CH=CZ(CFで表される単量体としては、CH=CFCF、CH=CH-C、CH=CH-C13、CH=CF-CHなどが挙げられる。
CF=CF-ORfで表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)としては、CF=CF-OCF、CF=CF-OCFCFおよびCF=CF-OCFCFCFが挙げられる。
本開示の製造方法においては、重合が円滑に進行し、分子量が一層高いフルオロポリマーを製造することができることから、フルオロモノマーとして、少なくとも、テトラフルオロエチレン、クロロトリフルオロエチレンおよびビニリデンフルオライドからなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。
フルオロモノマーに加えて、フッ素非含有モノマーを重合してもよい。フッ素非含有モノマーとしては、フルオロモノマーと反応性を有する炭化水素系モノマー等が挙げられる。炭化水素系モノマーとしては、たとえば、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソブチレン等のアルケン類;エチルビニルエーテル、プロピルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、イソブチルビニルエーテル、シクロヘキシルビニルエーテル等のアルキルビニルエーテル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、n-酪酸ビニル、イソ酪酸ビニル、吉草酸ビニル、ピバリン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリル酸ビニル、カプリン酸ビニル、バーサチック酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ミリスチン酸ビニル、パルミチン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、安息香酸ビニル、パラ-t-ブチル安息香酸ビニル、シクロヘキサンカルボン酸ビニル、モノクロル酢酸ビニル、アジピン酸ビニル、アクリル酸ビニル、メタクリル酸ビニル、クロトン酸ビニル、ソルビン酸ビニル、桂皮酸ビニル、ウンデシレン酸ビニル、ヒドロキシ酢酸ビニル、ヒドロキシプロピオン酸ビニル、ヒドロキシ酪酸ビニル、ヒドロキシ吉草酸ビニル、ヒドロキシイソ酪酸ビニル、ヒドロキシシクロヘキサンカルボン酸ビニル等のビニルエステル類;エチルアリルエーテル、プロピルアリルエーテル、ブチルアリルエーテル、イソブチルアリルエーテル、シクロヘキシルアリルエーテル等のアルキルアリルエーテル類;エチルアリルエステル、プロピルアリルエステル、ブチルアリルエステル、イソブチルアリルエステル、シクロヘキシルアリルエステル等のアルキルアリルエステル類が挙げられる。
フッ素非含有モノマーとしては、また、官能基含有炭化水素系モノマーであってもよい。上記官能基含有炭化水素系モノマーとしては、たとえば、
ヒドロキシエチルビニルエーテル、ヒドロキシプロピルビニルエーテル、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ヒドロキシイソブチルビニルエーテル、ヒドロキシシクロヘキシルビニルエーテル等のヒドロキシアルキルビニルエーテル類;
グリシジルビニルエーテル、グリシジルアリルエーテル等のグリシジル基を有するフッ素非含有モノマー;
アミノアルキルビニルエーテル、アミノアルキルアリルエーテル等のアミノ基を有するフッ素非含有モノマー;
(メタ)アクリルアミド、メチロールアクリルアミド等のアミド基を有するフッ素非含有モノマー;
臭素含有オレフィン、ヨウ素含有オレフィン、臭素含有ビニルエーテル、ヨウ素含有ビニルエーテル;
ニトリル基を有するフッ素非含有モノマー;
イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物等の不飽和ジカルボン酸およびその無水物;
ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
メチリデンマロン酸ジメチル等のアルキリデンマロン酸エステル;
ビニルカルボキシメチルエーテル、ビニルカルボキシエチルエーテル等のビニルカルボキシアルキルエーテル;
2-カルボキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルメタクリレート等のカルボキシアルキル(メタ)アクリレート;
アクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリロイルオキシプロピルコハク酸、メタクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリロイルオキシエチルフタル酸、メタクリロイルオキシエチルフタル酸等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルジカルボン酸エステル;
マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル;
一般式:R1112C=CR13-R14-COOY11
(式中、R11~R13は、独立に、水素原子または炭素数1~8の炭化水素基を表す。R14は、単結合または炭素数1~8の炭化水素基を表す。Y11は、無機カチオンおよび/または有機カチオンを表す。)で表される単量体(11);
等が挙げられる。
11は、無機カチオンおよび/または有機カチオンを表す。無機カチオンとしては、H、Li、Na、K、Mg、Ca、Al、Fe等のカチオンが挙げられる。有機カチオンとしては、NH、NH15、NH15 、NHR15 、NR15 (R15は、独立に、炭素数1~4のアルキル基を表す。)等のカチオンが挙げられる。Y11としては、H、Li、Na、K、Mg、Ca、Al、NHが好ましく、H、Li、Na、K、Mg、Al、NHがより好ましく、H、Li、Al、NHがさらに好ましく、Hが特に好ましい。なお、無機カチオンおよび有機カチオンの具体例は、便宜上、符号および価数を省略して記載している。
11~R13は、独立に、水素原子または炭素数1~8の炭化水素基を表す。上記炭化水素基は、1価の炭化水素基である。上記炭化水素基の炭素数は4以下が好ましい。上記炭化水素基としては、上記炭素数のアルキル基、アルケニル基、アルキニル基等が挙げられ、メチル基またはエチル基が好ましい。R11およびR12は、独立に、水素原子、メチル基またはエチル基であることが好ましく、R13は、水素原子またはメチル基であることが好ましい。
14は、単結合または炭素数1~8の炭化水素基を表す。上記炭化水素基は、2価の炭化水素基である。上記炭化水素基の炭素数は4以下が好ましい。上記炭化水素基としては、上記炭素数のアルキレン基、アルケニレン基等が挙げられ、なかでも、メチレン基、エチレン基、エチリデン基、プロピリデン基およびイソプロピリデン基からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、メチレン基がより好ましい。
単量体(11)としては、(メタ)アクリル酸およびその塩、ビニル酢酸(3-ブテン酸)およびその塩、3-ペンテン酸およびその塩、4-ペンテン酸およびその塩、3-ヘキセン酸およびその塩、4-ヘプテン酸およびその塩、ならびに、5-ヘキセン酸およびその塩からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、3-ブテン酸およびその塩、ならびに、4-ペンテン酸およびその塩からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましい。
本開示の製造方法において、重合の形態は特に限定されず、溶液重合、懸濁重合、乳化重合などであってよい。高分子量のフルオロポリマーを円滑に製造できる観点からは、懸濁重合が好ましい。懸濁重合においては、溶媒として、含フッ素エーテル化合物(1)および水を含有する溶媒を用いることができる。
本開示の製造方法において、フルオロモノマーの重合を、重合開始剤、連鎖移動剤、界面活性剤、ラジカル捕捉剤などの存在下に行ってもよい。
重合開始剤としては、油溶性ラジカル重合開始剤、または水溶性ラジカル重合開始剤を使用できる。
油溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の油溶性の過酸化物であってよく、たとえば、
ジノルマルプロピルパーオキシジカーボネート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジsec-ブチルパーオキシジカーボネート、ジー2-エトキシエチルパーオキシジカーボネートなどのジアルキルパーオキシカーボネート類;
t-ブチルパーオキシイソブチレート、t-ブチルパーオキシピバレートなどのパーオキシエステル類;
ジt-ブチルパーオキサイドなどのジアルキルパーオキサイド類;
ジ[フルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類;
などが代表的なものとしてあげられる。
ジ[フルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類としては、[(RfCOO)-](Rfは、パーフルオロアルキル基、ω-ハイドロパーフルオロアルキル基またはフルオロクロロアルキル基)で表されるジアシルパーオキサイドが挙げられる。
ジ[フルオロ(またはフルオロクロロ)アシル]パーオキサイド類としては、たとえば、ジ(ω-ハイドロ-ドデカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω-ハイドロ-テトラデカフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(ω-ハイドロ-ヘキサデカフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロパレリル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロヘプタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(パーフルオロノナノイル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-ヘキサフルオロブチリル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-デカフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(ω-クロロ-テトラデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ω-ハイドロ-ドデカフルオロヘプタノイル-ω-ハイドロヘキサデカフルオロノナノイル-パーオキサイド、ω-クロロ-ヘキサフルオロブチリル-ω-クロロ-デカフルオロヘキサノイル-パーオキサイド、ω-ハイドロドデカフルオロヘプタノイル-パーフルオロブチリル-パーオキサイド、ジ(ジクロロペンタフルオロブタノイル)パーオキサイド、ジ(トリクロロオクタフルオロヘキサノイル)パーオキサイド、ジ(テトラクロロウンデカフルオロオクタノイル)パーオキサイド、ジ(ペンタクロロテトラデカフルオロデカノイル)パーオキサイド、ジ(ウンデカクロロトリアコンタフルオロドコサノイル)パーオキサイドなどが挙げられる。
水溶性ラジカル重合開始剤としては、公知の水溶性過酸化物であってよく、たとえば、過硫酸、過ホウ酸、過塩素酸、過リン酸、過炭酸などのアンモニウム塩、カリウム塩、ナトリウム塩、ジコハク酸パーオキサイド、ジグルタル酸パーオキサイドなどの有機過酸化物、t-ブチルパーマレート、t-ブチルハイドロパーオキサイドなどが挙げられる。サルファイト類のような還元剤を過酸化物に組み合わせて使用してもよく、その使用量は過酸化物に対して0.1~20倍であってよい。
界面活性剤としては、公知の界面活性剤が使用でき、たとえば、非イオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、カチオン性界面活性剤などが使用できる。なかでも、含フッ素アニオン性界面活性剤が好ましく、エーテル結合性酸素を含んでもよい(すなわち、炭素原子間に酸素原子が挿入されていてもよい)、炭素数4~20の直鎖または分岐した含フッ素アニオン性界面活性剤がより好ましい。界面活性剤の添加量(対重合水)は、好ましくは50~5000ppmである。
連鎖移動剤としては、たとえば、エタン、イソペンタン、n-ヘキサン、シクロヘキサンなどの炭化水素類;トルエン、キシレンなどの芳香族類;アセトンなどのケトン類;酢酸エチル、酢酸ブチルなどの酢酸エステル類;メタノール、エタノールなどのアルコール類;メチルメルカプタンなどのメルカプタン類;四塩化炭素、クロロホルム、塩化メチレン、塩化メチル等のハロゲン化炭化水素などが挙げられる。連鎖移動剤の添加量は、用いる化合物の連鎖移動定数の大きさにより変わりうるが、通常重合溶媒に対して0.01~20質量%の範囲で使用される。
重合温度は、好ましくは10~95℃であり、より好ましくは20℃以上であり、より好ましくは90℃以下である。
重合圧力は、好ましくは0.05~4.0MPaGであり、より好ましくは0.1MPaG以上であり、より好ましくは3.0MPaG以下である。
本開示の製造方法において、重合は、重合反応器に、フルオロモノマーを仕込み、反応器の内容物を撹拌し、そして反応器を所定の重合温度に保持し、次に重合開始剤を加え、重合反応を開始することにより行うことができる。重合反応開始前に、必要に応じて、溶媒、添加剤等を反応器に仕込んでもよい。重合反応開始後に、目的に応じて、溶媒、フルオロモノマー、重合開始剤、連鎖移動剤等を追加添加してもよい。
懸濁重合によりフルオロポリマーを製造する場合には、通常、フルオロポリマーのスラリーが得られるので、反応器からスラリーを回収し、所望により、洗浄、乾燥などの後処理をすることによって、フルオロポリマーの粉体を得ることができる。
フルオロポリマーを溶媒から回収した後、残った溶媒を回収し、再利用することができる。ろ過、精製などの方法により、回収した溶媒を処理してもよい。回収した溶媒は、たとえば、フルオロモノマーを重合するための溶媒として利用することができ、本開示の製造方法において用いる溶媒としても利用することができる。
このようにして、本開示の製造方法を用いることによって、フルオロポリマーを製造することができる。本開示の製造方法により得られるフルオロポリマーは、好適にはフッ素樹脂である。
本開示において、フッ素樹脂とは、部分結晶性フルオロポリマーであり、フッ素ゴムではなく、フルオロプラスチックスである。フッ素樹脂は、融点を有し、熱可塑性を有するが、溶融加工性であっても、非溶融加工性であってもよい。
本開示において、溶融加工性とは、押出機および射出成形機などの従来の加工機器を用いて、ポリマーを溶融して加工することが可能であることを意味する。従って、溶融加工性のフッ素樹脂は、後述する測定方法により測定されるメルトフローレートが0.01~500g/10分であることが通常である。
本開示の製造方法によれば、高分子量のフルオロポリマーを製造することができる。フルオロポリマーが溶融加工性フッ素樹脂である場合は、フルオロポリマーのメルトフローレートを測定することによって、フルオロポリマーの分子量をおおよそ把握することができる。フルオロポリマーのメルトフローレートが低いほど、フルオロポリマーの分子量は高くなる。
本開示の製造方法により得られるフルオロポリマー(フッ素樹脂)のメルトフローレート(MFR)としては、好ましくは80g/10分以下であり、より好ましくは60g/10分以下であり、さらに好ましくは50g/10分以下である。このように、本開示の製造方法の利点を十分に享受できることから、フルオロポリマーとしては、溶融加工性フッ素樹脂が好ましい。
本開示において、MFRは、ASTM D1238に従って、メルトインデクサー(東洋精機社製)を用いて、フルオロポリマーの種類によって定められた測定温度(例えば、PFAやFEPの場合は372℃、ETFEの場合は297℃)、荷重(例えば、PFA、FEP、ETFEの場合は49N)において内径2mm、長さ8mmのノズルから10分間あたりに流出するポリマーの質量(g/10分)として得られる値である。
本開示の製造方法により得られるフルオロポリマーの融点としては、好ましくは110~330℃であり、より好ましくは120~320℃である。
本開示において、融点は、示差走査熱量計〔DSC〕を用いて、フルオロポリマーを10℃/分の速度で昇温したときの融解熱曲線における極大値に対応する温度である。
溶融加工性のフッ素樹脂としては、TFE/PAVE共重合体〔PFA〕、TFE/HFP共重合体〔FEP〕、エチレン〔Et〕/TFE共重合体〔ETFE〕、Et/TFE/HFP共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン〔PCTFE〕、TFE/VdF共重合体、CTFE/TFE共重合体、Et/CTFE共重合体、および、PVFなどが挙げられる。
PFAは、TFE単位およびPAVE単位を含有する共重合体である。PFAとしては、特に限定されないが、TFE単位とPAVE単位とのモル比(TFE単位/PAVE単位)が70/30以上99.5/0.5未満である共重合体が好ましい。より好ましいモル比は、70/30以上99.2/0.8以下であり、更に好ましいモル比は、80/20以上99/1以下である。TFE単位が少なすぎると機械物性が低下する傾向があり、多すぎると融点が高くなりすぎ成形性が低下する傾向がある。上記PFAは、TFE及びPAVEと共重合可能な単量体に由来する単量体単位が0.1~10モル%であり、TFE単位及びPAVE単位が合計で90~99.9モル%である共重合体であることも好ましい。TFE及びPAVEと共重合可能な単量体としては、HFP、CZ=CZ(CF(式中、Z、Z及びZは、同一若しくは異なって、水素原子又はフッ素原子を表し、Zは、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表し、nは2~10の整数を表す。)で表されるビニル単量体、及び、CF=CF-OCH-Rf(式中、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるアルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸等が挙げられる。
FEPは、TFE単位およびHFP単位を含有する共重合体である。FEPとしては、特に限定されないが、TFE単位とHFP単位とのモル比(TFE単位/HFP単位)が70/30以上95/5未満である共重合体が好ましい。より好ましいモル比は、70/30以上92/8以下であり、更に好ましいモル比は、80/20以上91/9以下である。TFE単位が少なすぎると機械物性が低下する傾向があり、多すぎると融点が高くなりすぎ成形性が低下する傾向がある。上記FEPは、TFE及びHFPと共重合可能な単量体に由来する単量体単位が0.1~10モル%であり、TFE単位及びHFP単位が合計で90~99.9モル%である共重合体であることも好ましい。TFE及びHFPと共重合可能な単量体としては、PAVE、アルキルパーフルオロビニルエーテル誘導体等が挙げられる。
ETFEは、エチレン単位およびTFE単位を含有する共重合体である。ETFEとしては、TFE単位とエチレン単位とのモル比(TFE単位/エチレン単位)が20/80以上90/10以下である共重合体が好ましい。より好ましいモル比は37/63以上85/15以下であり、更に好ましいモル比は38/62以上80/20以下である。ETFEは、TFE、エチレン、並びに、TFEおよびエチレンと共重合可能な単量体からなる共重合体であってもよい。共重合可能な単量体としては、下記式
CH=CXRf、CF=CFRf、CF=CFORf、CH=C(Rf
(式中、Xは水素原子又はフッ素原子、Rfはエーテル結合を含んでいてもよいフルオロアルキル基を表す。)で表される単量体が挙げられ、なかでも、CF=CFRf、CF=CFORf及びCH=CXRfで表される含フッ素ビニルモノマーが好ましく、HFP、CF=CF-ORf(式中、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)及びRfが炭素数1~8のフルオロアルキル基であるCH=CXRfで表される含フッ素ビニルモノマーがより好ましい。また、TFE及びエチレンと共重合可能な単量体としては、イタコン酸、無水イタコン酸、5-ノルボルネン-2,3-ジカルボン酸無水物、マレイン酸無水物等の脂肪族不飽和カルボン酸であってもよい。TFEおよびエチレンと共重合可能な単量体は、含フッ素重合体に対して0.1~23モル%が好ましく、0.1~15モル%がより好ましく、0.2~6モル%が特に好ましい。
ETFEは、Et/TFE/HFP共重合体であることも好ましい形態の一つであり、さらに他のフルオロモノマー(HFPを除く)、あるいは、非フッ素化モノマーに基づく重合単位を有するものであってもよい。他のフルオロモノマーおよび非フッ素化モノマーは、ポリマー全体の10モル%以下であることが好ましく、5モル%以下であることがより好ましい。Et単位:TFE単位:HFP単位:その他のフルオロモノマーおよび非フッ素化モノマーに基づく単量体単位のモル比は、30~81:3~49:10~30:0.5~10であることが好ましい。
VdF/TFE共重合体は、VdF単位およびTFE単位を含有する共重合体である。上記共重合体において、VdF単位およびTFE単位の含有割合としては、VdF単位/TFE単位のモル比で、好ましくは5/95~95/5であり、より好ましくは10/90~95/5であり、さらに好ましくは20/80~90/10である。
VdF/TFE共重合体は、さらに、エチレン性不飽和単量体(但し、VdFおよびTFEを除く。)の重合単位を含むことが好ましい。上記エチレン性不飽和単量体の重合単位の含有量としては、全重合単位に対して0~50モル%であってよく、0~40モル%であってよく、0~30モル%であってよく、0~15モル%であってよい。
上記エチレン性不飽和単量体としては、VdFおよびTFEと共重合可能な単量体であれば特に制限されないが、下記の化合物からなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
式:CX =CX(CF
(式中、Xは、同一または異なって、H、FまたはClを表し、nは0~8の整数を表す。但し、VdFおよびTFEを除く。)で表される単量体;
式:CF=CF-ORf
(式中、Rfは炭素数1~3のアルキル基または炭素数1~3のフルオロアルキル基を表す。)で表される単量体;
ヒドロキシエチルアクリレート、2-ヒドロキシプロピルアクリレート等のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート;
メチリデンマロン酸ジメチル等のアルキリデンマロン酸エステル;
ビニルカルボキシメチルエーテル、ビニルカルボキシエチルエーテル等のビニルカルボキシアルキルエーテル;
2-カルボキシエチルアクリレート、2-カルボキシエチルメタクリレート等のカルボキシアルキル(メタ)アクリレート;
アクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリロイルオキシプロピルコハク酸、メタクリロイルオキシエチルコハク酸、アクリロイルオキシエチルフタル酸、メタクリロイルオキシエチルフタル酸等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルジカルボン酸エステル;
マレイン酸モノメチルエステル、マレイン酸モノエチルエステル、シトラコン酸モノメチルエステル、シトラコン酸モノエチルエステル等の不飽和二塩基酸のモノエステル;
一般式:R1112C=CR13-R14-COOY11
(式中、R11~R13は、独立に、水素原子または炭素数1~8の炭化水素基を表す。R14は、単結合または炭素数1~8の炭化水素基を表す。Y11は、無機カチオンおよび/または有機カチオンを表す。)で表される単量体(11)。
単量体(11)については、上述したとおりである。
CTFE/TFE共重合体は、CTFE単位およびTFE単位を含有する共重合体である。CTFE単位の含有量は、好ましくは10~90モル%、より好ましくは15~60モル%、さらに好ましくは18~40モル%である。
CTFE/TFE共重合体は、CTFE、TFE、ならびに、CTFEおよびTFEと共重合可能な単量体からなる共重合体であってもよい。共重合可能な単量体としては、下記式
CH=CXRf、CF=CFRf、CF=CFORf、CH=C(Rf
(式中、Xは水素原子又はフッ素原子、Rfはエーテル結合を含んでいてもよいフルオロアルキル基を表す。)で表される単量体が挙げられ、なかでも、CF=CFRf、CF=CFORf及びCH=CXRfで表される含フッ素ビニルモノマーが好ましく、HFP、CF=CF-ORf(式中、Rfは炭素数1~5のパーフルオロアルキル基を表す。)で表されるパーフルオロ(アルキルビニルエーテル)及びRfが炭素数1~8のフルオロアルキル基であるCH=CXRfで表される含フッ素ビニルモノマーがより好ましい。
本開示の製造方法は、含フッ素エーテル化合物(1)の存在下、含フッ素オレフィン化合物(2)と、ハロゲン化剤および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(3)との反応により、含フッ素オレフィン化合物(2)をハロゲン付加物および酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(4)に変換させて、含フッ素エーテル化合物(1)および化合物(4)を含有する組成物を得る工程、および、得られた組成物から化合物(4)を分離することにより、溶媒を調製する工程を備えることも好ましい。
ハロゲン化剤としては、塩素化剤(塩素原子を有する試薬)及び臭素化剤(臭素原子を有する試薬)の少なくとも一方が好ましい。
塩素化剤としては、塩素ガス;次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩;亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩;塩素酸ナトリウム等の塩素酸塩;塩素を含むハロゲン間化合物等が挙げられる。塩素を含むハロゲン間化合物としては、一フッ化塩素等が挙げられる。これらの塩素化剤の中でも、塩素ガス又は次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。塩素化剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
臭素化剤としては、臭素;臭素酸カリウム等の臭素酸塩;臭素を含むハロゲン間化合物等が挙げられる。臭素を含むハロゲン間化合物としては、一フッ化臭素等が挙げられる。これらの臭素化剤の中でも、臭素が好ましい。臭素化剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
酸化剤としては、過酸化水素水;酸素;次亜塩素酸ナトリウム等の次亜塩素酸塩;亜塩素酸ナトリウム等の亜塩素酸塩;塩素酸ナトリウム等の塩素酸塩;臭化ナトリウム、臭化カリウム等の臭素酸塩等が挙げられる。酸化剤は、それぞれ単独で、又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
含フッ素エーテル化合物(1)の存在下での、含フッ素オレフィン化合物(2)と、化合物(3)との反応により、含フッ素オレフィン化合物(2)にハロゲンが付加されハロゲン付加物が生成するか、含フッ素オレフィン化合物(2)が酸化されて酸化物が生成する。この結果、含フッ素エーテル化合物(1)ならびにハロゲン付加物および酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(4)を含有する組成物が得られる。
次に、得られた組成物から化合物(4)を分離することにより、得られた組成物から化合物(4)を除去して、含フッ素エーテル化合物(1)を高い純度で含有する溶媒を調製する。
分離操作は、好ましくは蒸留(特に好ましくは精留)が採用される。蒸留(特に精留)は多段の理論段数をもつ蒸留塔(特に精留塔)を用いることができ、連続蒸留、バッチ蒸留のいずれを採用しても良い。蒸留(特に精留)を行う圧力は、-0.05MPa以上が好ましく、0.10MPa以下が好ましい。このような圧力範囲内で蒸留(特に精留)する場合、含フッ素エーテル化合物(1)と、化合物(4)と、の沸点差を大きくすることができる(例えば、沸点差を10℃以上つけることができる)ため、分離操作及び分離精度が向上する。
蒸留(特に精留)で使用する蒸留塔(特に精留塔)の理論段数は、好ましくは2段以上であり、好ましくは30段以下である。蒸留(特に精留)で使用する蒸留塔(特に精留塔)の還流比は、好ましくは2以上であり、好ましくは50以下である。蒸留塔(特に精留塔)は、ガラス、ステンレス(SUS)、ハステロイ(HASTALLOY)、インコネル(INCONEL)、モネル(MONEL)等の腐食作用に抵抗性がある材料によって形成されていることが好ましく、SUSによって形成されていることがより好ましい。蒸留塔(特に精留塔)に使用する充填剤としては、ラシヒリング、マクマホンパッキン等が挙げられる。
溶媒は、たとえば、以下の工程(A)および工程(B)をこの順に備える製造方法により好適に調製することができる。
工程(A)
工程(A)は、一般式:R-O-R
(式中、Rは部分フッ素化アルキル基を示し、Rは、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示す。)で表される含フッ素エーテル化合物(1)の存在下、
一般式:R-CF=CF-R-O-R
(式中、Rは、H、F、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、Rは、単結合、部分フッ素化アルキレン基または完全フッ素化アルキレン基を示す。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2)と、ハロゲン化剤および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(3)との反応により、含フッ素オレフィン化合物(2)をハロゲン付加物および酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(4)に変換させて、含フッ素エーテル化合物(1)および化合物(4)を含有する組成物を得る工程である。
工程(B)
工程(B)は、工程(A)で得られた含フッ素エーテル化合物(1)および化合物(4)を含有する組成物から、化合物(4)を分離して、精製された溶媒を得る工程である。
本開示において、含フッ素エーテル化合物(1)は、既知の方法により合成することができる。好ましくは、含フッ素エーテル化合物(1)に対応する一般式:CX=CF(式中、X及びXは、同一又は異なって、フッ素原子、水素原子、部分フッ素化アルキル基、または完全フッ素化アルキル基を示す。)で表される含フッ素原料オレフィン化合物と、対応する一般式:ROH(式中、Rは前記に同じである。)で表されるアルコール化合物とのカップリング反応によって合成する方法があげられる。
上記したカップリング反応においては、触媒を用いて反応の速度を速めたり、反応収率を向上させたりすることができる。
触媒としては、塩基性化合物が好ましい。
塩基性化合物としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどの水酸化物;炭酸カリウム、炭酸ナトリウムなどの炭酸塩;フッ化カリウム、フッ化セシウムなどのフッ化物等が挙げられる。
上記したカップリング反応において、含フッ素オレフィン原料化合物とアルコール化合物から塩基性化合物を用いて対応する含フッ素エーテル化合物(1)を得る場合、反応中に塩基性化合物の存在下、フッ化水素が脱離する形式で対応する含フッ素オレフィン化合物(2)が副生しやすくなる。
以上、実施形態を説明したが、特許請求の範囲の趣旨および範囲から逸脱することなく、形態や詳細の多様な変更が可能なことが理解されるであろう。
つぎに本開示の実施形態について実施例をあげて説明するが、本開示はかかる実施例のみに限定されるものではない。
本開示において、「純度」とは、ガスクロトマトグラフィー(GC)での定量分析による成分比率(質量%)を意味する。本開示において、「還流比」とは、還流液と留出液とのモル流量比(還流液/留出液)を意味する。本開示において記載される圧力は、断りの無い場合は、単位をゲージ圧とするものである。つまり、大気圧=0.0MPaとして表記されている。
実施例の各数値は以下の方法により測定した。
粗体中、組成物中および溶媒中の各成分の含有量
ガスクロマトグラフィー(GC)により測定した。
フルオロポリマーの単量体組成
19F-NMR測定により求めた。
メルトフローレート(MFR)
メルトインデクサー(東洋精機社製)を用いて、ASTM D1238(またはASTM D 3307)に準拠して測定した。
粗体の調製
非特許文献1に記載の方法にしたがって、CFCF=CFとCHOHとを反応させることにより、CFCFHCFOCH、CFCF=CFOCHおよびCF=CFCFOCHを含有する粗体を得た。
同様に、CFCFCF=CFとCHOHとを反応させることにより、CFCFCFHCFOCH、CFCFCF=CFOCHおよびCFCF=CFCFOCHを含有する粗体を得た。
同様に、CFCF=CFとCFCFCHOHとを反応させることにより、CFCFHCFOCHCFCF、CFCF=CFOCHCFCFおよびCF=CFCFOCHCFCFを含有する粗体を得た。
同様に、CFCF=CFとCOHとを反応させることにより、CFCFHCFOC、CFCF=CFOCおよびCF=CFCFOCを含有する粗体を得た。
以下の調製例では、このようにして調製した各粗体を用いた。
調製例1
(塩素ガスを用いた液相での接触反応)
1Lのガラス製容器に、純度94.4質量%のCFCFHCFOCH、純度1.38質量%の含フッ素オレフィン化合物(純度1.28質量%のCFCF=CFOCHおよび純度0.10質量%のCF=CFCFOCH)を含む粗体を300g仕込んだ。次いで、該ガラス製容器を0℃に冷却しながら、塩素ガスを20ml/分で20分間供給し、粗体中の含フッ素オレフィン化合物と、塩素ガスとの接触反応を、液相で、0.0MPaの圧力で行った。その後、10質量%亜硫酸ナトリウム水溶液を25g加えて30分間撹拌し、ヨウ化カリウムデンプン紙で塩素ガスが消失したことを確認してから有機相を分液した。分取した有機相を水洗し、純度95.0質量%のCFCFHCFOCHを含む組成物を246g得た(CFCFHCFOCHの回収率82%)。
(精留塔における精留)
500mLのガラス製容器に、SUS製の充填剤を用いたガラス製の精留塔(理論段数5段)、コンデンサー(コンデンサー内の冷却水の温度:0~5℃)および分留器を備えた装置を用意し、上記で得られたCFCFHCFOCHを含む組成物(246g)のうち220gを当該装置に加えて、全還流状態を1時間維持した。その後、還流比50から分留を開始し、177gの留分を回収した時点で精留を完了した。得られた留分をGCで分析したところ、CFCFHCFOCHの純度が99.9質量%(回収率80%)であり、含フッ素オレフィン化合物の純度が0.01質量%であることを確認した。なお、得られた留分のGC分析では、含フッ素オレフィン化合物の塩素付加物および含フッ素オレフィン化合物の酸化物の存在が確認できなかった。
調製例2
(次亜塩素酸ナトリウムを用いた液相での接触反応)
1Lのガラス製容器に、純度94.4質量%のCFCFCFHCFOCH、純度1.37質量%の含フッ素オレフィン化合物(純度1.27質量%のCFCFCF=CFOCHおよび純度0.10質量%のCFCF=CFCFOCH)を含有する粗体220gと、12質量%次亜塩素酸ナトリウム水溶液64gとを仕込んだ。次いで、室温で18時間撹拌し、粗体中の含フッ素オレフィン化合物と、次亜塩素酸ナトリウムとの接触反応を、液相で、0.0MPaの圧力で行った。その後、10質量%亜硫酸ナトリウム水溶液を15.5g加えて30分間撹拌し、ヨウ化カリウムデンプン紙で次亜塩素酸ナトリウムが消失したことを確認してから有機相を分取した。分取した有機相を水洗し、CFCFCFHCFOCHを含む組成物を183g得た(CFCFCFHCFOCHの回収率:83%)。
(精留塔における精留)
500mLのガラス製容器に、SUS製の充填剤を用いた精留塔(理論段数5段)、コンデンサー(コンデンサー内の冷却水の温度:0℃~5℃)、及び分留器を備えた装置を用意し、上記で得たCFCFCFHCFOCHを含む組成物(183g)のうち90gを加えて全還流状態を1時間維持した。その後、還流比50から分留を開始し、71gの留分を回収した時点で精留を完了した。得られた留分をGCで分析したところ、CFCFCFHCFOCHの純度が99.9質量%(回収率79%)であり、上記含フッ素オレフィン化合物の純度が0.01質量%であることを確認した。なお、得られた留分のGC分析では、含フッ素オレフィン化合物の塩素付加物及び含フッ素オレフィン化合物の酸化物の存在が確認できなかった。
調製例3
塩素ガスまたは次亜塩素酸ナトリウムの添加量、および、反応時間を変更する以外は、調製例1および2と同様にして、構造の異なる含フッ素エーテル化合物を含有する組成物および含フッ素エーテル化合物の含有量(純度)が異なる組成物を得た。
以下の実施例では、調製例1~3において得られた組成物を溶媒として用いた。溶媒(組成物)の主な成分を以下に示す。各成分の含有量は、溶媒の質量に対する含有量(純度)である。
溶媒A
CFCFHCFOCH:99.9質量%
CFCF=CFOCHおよびCF=CFCFOCH:0.01質量%
溶媒B
CFCFHCFOCH:99.7質量%
CFCF=CFOCHおよびCF=CFCFOCH:0.10質量%
溶媒C
CFCFHCFOCH:98.7質量%
CFCF=CFOCHおよびCF=CFCFOCH:0.99質量%
溶媒D
CFCFCFHCFOCH:99.9質量%
CFCFCF=CFOCHおよびCFCF=CFCFOCH:0.01質量%
溶媒E
CFCFHCFOCHCFCF:99.9質量%
CFCF=CFOCHCFCFおよびCF=CFCFOCHCFCF:0.01質量%
溶媒F
CFCFHCFOC:99.9質量%
CFCF=CFOCおよびCF=CFCFOC:0.01質量%
溶媒G
CFCFHCFOCH:97.0質量%
CFCF=CFOCHおよびCF=CFCFOCH:2.50質量%
実施例1
撹拌機付きの内容積4Lのオートクレーブに蒸留水1200gを仕込み、充分に窒素置換を行った後、溶媒A1000g、パーフルオロ(プロピルビニルエーテル)(CF=CFOCFCFCF)[PPVE] 150g、メタノール15gを仕込み、系内の温度を35℃に保った。次いで、テトラフルオロエチレン[TFE]を0.86MPaGまで圧入した後、ジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート[NPP]0.16gを投入して重合を開始した。重合の進行とともに系内圧力が低下するので、TFEを連続供給して圧力を一定にし、TFE消費量が200gとなるまで重合を継続した。PPVEは系内濃度が一定となるように適宜追加して合計11gを継続して仕込んだ。重合時間は280分であった。放圧して大気圧に戻した後、得られた反応物を水洗、乾燥して粉末190gを得た。得られたフルオロポリマーのメルトフローレート(MFR)(372℃)は、15g/10分であった。得られたフルオロポリマーの各単量体単位の含有率(モル比)はTFE:PPVE=97.9:2.1であった。
実施例2
溶媒Bを用いる以外は実施例1と同様にして、重合を行った。重合時間は290分であった。放圧して大気圧に戻した後、得られた反応物を水洗、乾燥して粉末180gを得た。得られたフルオロポリマーのMFR(372℃)は、55g/10分であった。得られたフルオロポリマーの各単量体の含有率(モル比)はTFE:PPVE=98.0:2.0であった。
実施例3
溶媒Cを用いる以外は実施例1と同様にして、重合を行った。重合時間は300分であった。放圧して大気圧に戻した後、得られた反応物を水洗、乾燥して粉末190gを得た。得られたフルオロポリマーのMFR(372℃)は65g/10分であった。得られたフルオロポリマーの各単量体の含有率(モル比)はTFE:PPVE=97.9:2.1であった。
実施例4
溶媒Dを用いる以外は実施例1と同様にして、重合を行った。重合時間は280分であった。放圧して大気圧に戻した後、得られた反応物を水洗、乾燥して粉末190gを得た。得られたフルオロポリマーのMFR(372℃)は14g/10分であった。得られたフルオロポリマーの各単量体の含有率(モル比)はTFE:PPVE=98.0:2.0であった。
実施例5
溶媒Eを用いる以外は実施例1と同様にして、重合を行った。重合時間は290分であった。放圧して大気圧に戻した後、得られた反応物を水洗、乾燥して粉末190gを得た。得られたフルオロポリマーのMFR(372℃)は25g/10分であった。得られたフルオロポリマーの各単量体の含有率(モル比)はTFE:PPVE=97.9:2.1であった。
実施例6
溶媒Fを用いる以外は実施例1と同様にして、重合を行った。重合時間は300分であった。放圧して大気圧に戻した後、得られた反応物を水洗、乾燥して粉末190gを得た。得られたフルオロポリマーのMFR(372℃)は35g/10分であった。得られたフルオロポリマーの各単量体の含有率(モル比)はTFE:PPVE=97.9:2.1であった。
実施例7
撹拌機付きの内容積4Lのオートクレーブに蒸留水1200gを仕込み、充分に窒素置換を行った後、溶媒A830gを仕込み、系内を35℃に保った。その後、系内圧力が0.78MPaGになるまで、テトラフルオロエチレン[TFE]/エチレン[Et]=82/18モル%の混合ガスを仕込んだ。さらに、パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)5g、シクロヘキサン5gを仕込み、その後にジ-n-プロピルパーオキシジカーボネート[NPP]の3.3gを投入して重合を開始した。重合の進行とともに系内圧力が低下するので、槽内組成が均一になるように混合ガスを連続して供給し、系内圧力を0.78MPaGに保った。パーフルオロ(1,1,5-トリハイドロ-1-ペンテン)についても合計量8gを連続して仕込んで重合を継続した。混合ガスを200g消費するまで重合を行い、この時の重合時間は240分であった。その後、放圧して大気圧に戻し、反応生成物を水洗、乾燥して粉末180gを得た。得られたフルオロポリマーのMFR(297℃)は、30g/10分であった。得られたフルオロポリマーの各単量体の含有率(モル比)はTFE:Et:CH=CF(CFH=54.0:44.5:1.5であった。
比較例1
溶媒Gを用いる以外は実施例1と同様にして、重合を行った。1200分間反応を行ったが、重合はほとんど進行しなかった。放圧して大気圧に戻した後、得られた反応物を水洗、乾燥して粉末20gを得た。得られたフルオロポリマーのMFR(372℃)は1200g/10分であった。得られたフルオロポリマーの各単量体の含有率(モル比)はTFE:PPVE=98.0:2.0であった。
比較例2
溶媒Gを用いる以外は実施例7と同様にして、重合を行った。重合時間は480分であった。放圧して大気圧に戻した後、得られた反応物を水洗、乾燥して粉末190gを得た。得られたフルオロポリマーのMFR(297℃)は150g/10分であった。得られたフルオロポリマーの各単量体の含有率(モル比)はTFE:Et:CCH=CF(CFH=54.0:44.5:1.5であった。

Claims (11)

  1. 溶媒中でフルオロモノマーを重合することによりフルオロポリマーを製造するフルオロポリマーの製造方法であって、前記溶媒が、
    一般式:R-O-R
    (式中、Rは部分フッ素化アルキル基を示し、Rは、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示す。)で表される含フッ素エーテル化合物(1)を含有し、前記溶媒において、
    一般式:R-CF=CF-R-O-R
    (式中、Rは、H、F、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、Rは、単結合、部分フッ素化アルキレン基または完全フッ素化アルキレン基を示す。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2)の含有量が、含フッ素エーテル化合物(1)の含有量に対して、0.10質量%以下であり、
    前記フルオロモノマーが、テトラフルオロエチレンである製造方法。
  2. 含フッ素エーテル化合物(1)が、
    一般式:X-Rf-CFH-Rf-O-R
    (式中、Xは、H、F、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、RfおよびRfは、同一又は異なって、単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。ただし、RfおよびRfの双方が単結合になることはない。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素エーテル化合物(1-1)である請求項1に記載の製造方法。
  3. 含フッ素オレフィン化合物(2)が、
    一般式:X-Rf-CF=CF-Rf21-O-R
    (式中、X、RfおよびRは、前記に同じである。Rf21は単結合またはRfよりも炭素数が1つ少ない完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-1-1)、または、
    一般式:X-Rf11-CF=CF-Rf-O-R
    (式中、X、RfおよびRは、前記に同じである。Rf11は単結合またはRfよりも炭素数が1つ少ない完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-1-2)である
    請求項2に記載の製造方法。
  4. 含フッ素エーテル化合物(1)が、
    一般式:X-Rf-CFH-CF-O-R
    (式中、Xは、H、F、非フッ素化アルキル基、部分フッ素化アルキル基または完全フッ素化アルキル基を示し、Rfは単結合または完全フッ素化アルキレン基を示す。Rは前記に同じである。)で表される含フッ素エーテル化合物(1-2)である請求項1に記載の製造方法。
  5. 含フッ素オレフィン化合物(2)が、
    一般式:X-Rf-CF=CF-O-R
    (式中、X、RfおよびRは、前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-2-1)、または、
    一般式:X-Rf11-CF=CF-CF-O-R
    (式中、XおよびRは、前記に同じである。Rf11は単結合またはRfよりも炭素数が1つ少ない完全フッ素化アルキレン基を示す。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-2-2)である請求項4に記載の製造方法。
  6. 含フッ素エーテル化合物(1)が、
    一般式:F-CF-CFH-CF-O-R
    (式中、Rは、前記に同じである。)で表される含フッ素エーテル化合物(1-3)である請求項1に記載の製造方法。
  7. 含フッ素オレフィン化合物(2)が、
    一般式:F-CF-CF=CF-O-R
    (式中、Rは、前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-3-1)、または、
    一般式:F-CF=CF-CF-O-R
    (式中、Rは、前記に同じである。)で表される含フッ素オレフィン化合物(2-3-2)である請求項6に記載の製造方法。
  8. 前記溶媒が、水をさらに含有する請求項1~7のいずれかに記載の製造方法。
  9. 前記フルオロポリマーが、フッ素樹脂である請求項1~8のいずれかに記載の製造方法。
  10. 前記フルオロポリマーが、テトラフルオロエチレン/パーフルオロ(アルキルビニルエーテル)共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン/テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン/ビニリデンフルオライド共重合体およびクロロトリフルオロエチレン/テトラフルオロエチレン共重合体からなる群より選択される少なくとも1種である請求項1~9のいずれかに記載の製造方法。
  11. 含フッ素エーテル化合物(1)の存在下、含フッ素オレフィン化合物(2)と、ハロゲン化剤および酸化剤からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(3)との反応により、含フッ素オレフィン化合物(2)をハロゲン付加物および酸化物からなる群より選択される少なくとも1種の化合物(4)に変換させて、含フッ素エーテル化合物(1)および化合物(4)を含有する組成物を得て、得られた前記組成物から化合物(4)を分離することにより、前記溶媒を調製する請求項1~10のいずれかに記載の製造方法。
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