JP7184137B2 - 画像形成装置、画像形成方法、及びインク - Google Patents
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Description
以下、本発明の実施の形態について説明する。
図1を参照して、本発明の一実施の形態に係る画像形成装置について説明する。
図1に示す画像形成装置1は、記録媒体2にインクを付与することで記録媒体2に画像を形成する装置である。画像形成装置1は、給紙手段3と、インク付与手段(第一のインク付与手段)4と、巻き取り手段5と、を備える。
なお、図1に示した例では、記録媒体としてロール紙を用いた場合を示したが、本実施の形態にかかる画像形成装置では、これ以外の記録媒体を用いてもよい。
このように、ロール紙以外の記録媒体を用いる場合は記録媒体を巻き取る必要がないので、図1に示した巻き取り手段5は省略することができる。
なお、画像形成装置1は、上記手段に限らず、必要に応じて他の手段を含んでいてもよい。
次に、本実施の形態で用いられるインクおよび記録媒体に形成された画像に加わる圧力について詳細に説明する。
まず、従来のインクの問題点について説明する。
本発明で課題とする耐ブロッキング性および耐摺擦性は、画像および記録媒体の間における定着性と関係する。一例として、従来のインク中に樹脂粒子を添加することで、定着性を向上させることができるが、定着性を向上させることができる樹脂は粘弾性が高く、上記樹脂を添加することにより対数減衰率の最大値が大きくなってしまう。
次に対数減衰率について詳細に説明する。
本実施の形態にかかる画像形成装置で用いられるインクは、当該インクを用いて形成されたインク膜を剛体振り子試験により60℃の条件で測定した際の対数減衰率が7200秒以下において最大値をとり、且つ最大値が0.300以下である性質を有する。
このように対数減衰率の最大値が、0.300以下であると、インクを用いて形成された画像のべたつきが抑制され、ブロッキングの発生を抑制できる。
対数減衰率の測定方法においては、剛体振り子型物性試験器(装置名:RPT-3000W、株式会社エー・アンド・デイ製)を用いる。アルミ基盤上にインクを40μL滴下し、厚み100μmコート用の専属塗布冶具(PCT-100)にて厚み100μmのインク膜を塗る。得られたインク膜を15秒以内に冷熱ブロック(CHB-100)と共に設置し、シリンダーエッジ(RBP-040)と振り子(FRB-100)をセットする。また、FRB-100専属重り2つを振り子最下部にセットする。測定温度は常温(25℃)から60℃まで5℃/minで昇温させ、それ以降は60℃にて保温し続ける。常温(25℃)の時点を測定開始時間として、対数減衰率を時間に対しプロットを6秒ごとに取る。得られたプロットを平滑化し、その最大値を算出し、対数減衰率の最大値とする。なお、対数減衰率の最大値は、タック力(べたつき)の指標とすることができる。
平滑化後の対数減衰率(D’(n))は、n番目プロットの対数減衰率をD(n)と定義した場合、以下のようにして求めることができる。
D’(n)={D(n-2)+D(n-1)+D(n)+D(n+1)+D(n+2)}/5
D’(1)=D(1)
D’(2)={D(1)+D(2)}/2
[加圧手段及び加圧工程により画像に加わる圧力]
以下、第一のインクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明する。なお、本明細書において単に「インク」と記載した場合は「第一のインク」を意味する。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、インクの浸透性を向上させることができる。
前記一般式(1)中のR1としては、水素原子、炭素数1以上10以下のアルキル基であり、水素原子、メチル基が好ましい。
前記一般式(1)中のR2としては、炭素数1以上10以下のアルキル基であり、メチル基、エチル基が好ましい。
前記一般式(1)中のR3としては、炭素数1以上10以下のアルキル基であり、メチル基、エチル基、ブチル基が好ましい。
前記一般式(1)中のnとしては、1以上5以下の整数であり、2以上3以下の整数が好ましい。
インク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレンアクリル系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂、ポリロタキサン系樹脂などが挙げられる
前記ウレタン樹脂粒子は、ポリウレタンからなり、前記ポリウレタンは、イソシアネート基を複数有するイソシアネート化合物と、水酸基を複数有したポリオール化合物をウレタン結合させたものである。それぞれイソシアネート化合物やポリオール化合物はそれ自身が高分子化合物でもよい。
前記ポリウレタンに用いられるイソシアネート基を複数有するイソシアネート化合物は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、二官能イソシアネート化合物、三官能イソシアネート化合物、四官能イソシアネート化合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール化合物としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、1,6-ヘキサンジオール等);アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等);脂環式ジオール(1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等);ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等);上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物;4,4’-ジヒドロキシビフェニル類(3,3’-ジフルオロ-4,4’-ジヒドロキシビフェニル等);ビス(ヒドロキシフェニル)アルカン類(ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)メタン、1-フェニル-1,1-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)エタン、2,2-ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2-ビス(3,5-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)プロパン(別名:テトラフルオロビスフェノールA)、2,2-ビス(3-ヒドロキシフェニル)-1,1,1,3,3,3-ヘキサフルオロプロパン);ビス(4-ヒドロキシフェニル)エーテル類(ビス(3-フルオロ-4-ヒドロキシフェニル)エーテル等);前記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ポリオール化合物としては、化合物両末端に水酸基を有していることが合成上好ましい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記水酸基を有さないエーテル化合物の含有量(質量%)との質量比(エーテル化合物/ウレタン樹脂粒子)としては、0.40以上1.60以下が好ましく、0.60以上1.40以下がより好ましく、0.80以上1.20以下が特に好ましい。前記質量比(エーテル化合物/ウレタン樹脂粒子)が、0.40以上1.60以下であると、対数減衰率の最大値を0.300以下、かつ前記対数減衰率の最大値になる時間を7,200秒間以下とすることが容易となる。
色材としては銅フタロシアニン顔料を使用できる。
フタロシアニン顔料は平面分子であり、分子結晶を取り易い。分子結晶を取るためには溶媒を分子間から排除する力が働き、結晶外に押し出される。乾きやすい表面に溶媒が押し出されることで乾燥性が向上し、対数減衰率が上がりにくくなる。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合してインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
インクにおける水の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、インクの乾燥性及び吐出信頼性の点から、10質量%以上90質量%以下が好ましく、20質量%~60質量%がより好ましい。
インクには、必要に応じて、界面活性剤、消泡剤、防腐防黴剤、防錆剤、pH調整剤等を加えても良い。
界面活性剤としては、シリコーン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤のいずれも使用可能である。
シリコーン系界面活性剤には特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができる。中でも高pHでも分解しないものが好ましく、例えば、側鎖変性ポリジメチルシロキサン、両末端変性ポリジメチルシロキサン、片末端変性ポリジメチルシロキサン、側鎖両末端変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられ、変性基としてポリオキシエチレン基、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレン基を有するものが、水系界面活性剤として良好な性質を示すので特に好ましい。また、前記シリコーン系界面活性剤として、ポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤を用いることもでき、例えば、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルシロキサンのSi部側鎖に導入した化合物等が挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸化合物、パーフルオロアルキルカルボン酸化合物、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物が、起泡性が小さいので特に好ましい。前記パーフルオロアルキルスルホン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルスルホン酸、パーフルオロアルキルスルホン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルカルボン酸化合物としては、例えば、パーフルオロアルキルカルボン酸、パーフルオロアルキルカルボン酸塩等が挙げられる。前記パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物としては、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの硫酸エステル塩、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマーの塩等が挙げられる。これらフッ素系界面活性剤における塩の対イオンとしては、Li、Na、K、NH4、NH3CH2CH2OH、NH2(CH2CH2OH)2、NH(CH2CH2OH)3等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、例えばラウリルアミノプロピオン酸塩、ラウリルジメチルベタイン、ステアリルジメチルベタイン、ラウリルジヒドロキシエチルベタインなどが挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンプロピレンブロックポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、アセチレンアルコールのエチレンオキサイド付加物などが挙げられる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル酢酸塩、ドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテルサルフェートの塩、などが挙げられる。
これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
このような界面活性剤としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。市販品としては、例えば、ビックケミー株式会社、信越化学工業株式会社、東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社、日本エマルジョン株式会社、共栄社化学などから入手できる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、一般式(S-1)式で表わされる、ポリアルキレンオキシド構造をジメチルポリシロキサンのSi部側鎖に導入したものなどが挙げられる。
上記のポリエーテル変性シリコーン系界面活性剤としては、市販品を用いることができ、例えば、KF-618、KF-642、KF-643(信越化学工業株式会社)、EMALEX-SS-5602、SS-1906EX(日本エマルジョン株式会社)、FZ-2105、FZ-2118、FZ-2154、FZ-2161、FZ-2162、FZ-2163、FZ-2164(東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社)、BYK-33、BYK-387(ビックケミー株式会社)、TSF4440、TSF4452、TSF4453(東芝シリコン株式会社)などが挙げられる。
フッ素系界面活性剤としては、パーフルオロアルキルリン酸エステル化合物、パーフルオロアルキルエチレンオキサイド付加物、及びパーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物などが挙げられる。 これらの中でも、パーフルオロアルキルエーテル基を側鎖に有するポリオキシアルキレンエーテルポリマー化合物は起泡性が少ないため好ましく、特に一般式(F-1)及び一般式(F-2)で表わされるフッ素系界面活性剤が好ましい。
一般式(F-2)
CnF2n+1-CH2CH(OH)CH2-O-(CH2CH2O)a-Y
上記一般式(F-2)で表される化合物において、YはH、又はCmF2m+1でmは1~6の整数、又はCH2CH(OH)CH2-CmF2m+1でmは4~6の整数、又はCpH2p+1でpは1~19の整数である。nは1~6の整数である。aは4~14の整数である。
上記のフッ素系界面活性剤としては市販品を使用してもよい。 この市販品としては、例えば、サーフロンS-111、S-112、S-113、S-121、S-131、S-132、S-141、S-145(いずれも、旭硝子株式会社製);フルラードFC-93、FC-95、FC-98、FC-129、FC-135、FC-170C、FC-430、FC-431(いずれも、住友スリーエム株式会社製);メガファックF-470、F-1405、F-474(いずれも、大日本インキ化学工業株式会社製);ゾニール(Zonyl)TBS、FSP、FSA、FSN-100、FSN、FSO-100、FSO、FS-300、UR、キャプストーンFS-30、FS-31、FS-3100、FS-34、FS-35(いずれも、Chemours社製);FT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW(いずれも、株式会社ネオス社製)、ポリフォックスPF-136A,PF-156A、PF-151N、PF-154、PF-159(オムノバ社製)、ユニダインDSN-403N(ダイキン工業株式会社製)などが挙げられ、これらの中でも、良好な印字品質、特に発色性、紙に対する浸透性、濡れ性、均染性が著しく向上する点から、Chemours社製のFS-3100、FS-34、FS-300、株式会社ネオス製のFT-110、FT-250、FT-251、FT-400S、FT-150、FT-400SW、オムノバ社製のポリフォックスPF-151N及びダイキン工業株式会社製のユニダインDSN-403Nが特に好ましい。
消泡剤としては、特に制限はなく、例えば、シリコーン系消泡剤、ポリエーテル系消泡剤、脂肪酸エステル系消泡剤などが挙げられる。これらは、1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、破泡効果に優れる点から、シリコーン系消泡剤が好ましい。
防腐防黴剤としては、特に制限はなく、例えば、1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オンなどが挙げられる。
防錆剤としては、特に制限はなく、例えば、酸性亜硫酸塩、チオ硫酸ナトリウムなどが挙げられる。
pH調整剤としては、pHを7以上に調整することが可能であれば、特に制限はなく、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン等のアミンなどが挙げられる。
インクの25℃での粘度は、印字濃度や文字品位が向上し、また、良好な吐出性が得られる点から、5mPa・s以上30mPa・s以下が好ましく、5mPa・s以上25mPa・s以下がより好ましい。ここで、粘度は、例えば回転式粘度計(東機産業社製RE-80L)を使用することができる。測定条件としては、25℃で、標準コーンローター(1°34’×R24)、サンプル液量1.2mL、回転数50rpm、3分間で測定可能である。
インクの表面張力としては、記録媒体上で好適にインクがレベリングされ、インクの乾燥時間が短縮される点から、25℃で、35mN/m以下が好ましく、32mN/m以下がより好ましい。
インクのpHとしては、接液する金属部材の腐食防止の観点から、7~12が好ましく、8~11がより好ましい。
以下、第二のインクに用いる有機溶剤、水、色材、樹脂、添加剤等について説明するが、説明が無い成分は上記第一のインクと同様である。なお、第二のインクは、第一のインクと同一でも異なってもよい。
本発明に使用する有機溶剤としては特に制限されず、水溶性有機溶剤を用いることができる。例えば、多価アルコール類、多価アルコールアルキルエーテル類や多価アルコールアリールエーテル類などのエーテル類、含窒素複素環化合物、アミド類、アミン類、含硫黄化合物類が挙げられる。
水溶性有機溶剤の具体例としては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2-プロパンジオール、1,3-プロパンジオール、1,2-ブタンジオール、1,3-ブタンジオール、1,4-ブタンジオール、2,3-ブタンジオール、3-メチル-1,3-ブタンジオール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,2-ペンタンジオール、1,3-ペンタンジオール、1,4-ペンタンジオール、2,4-ペンタンジオール、1,5-ペンタンジオール、1,2-ヘキサンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,3-ヘキサンジオール、2,5-ヘキサンジオール、1,5-ヘキサンジオール、グリセリン、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、エチル-1,2,4-ブタントリオール、1,2,3-ブタントリオール、2,2,4-トリメチル-1,3-ペンタンジオール、ペトリオール等の多価アルコール類、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類、エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類、2-ピロリドン、N-メチル-2-ピロリドン、N-ヒドロキシエチル-2-ピロリドン、1,3-ジメチル-2-イミダゾリジノン、ε-カプロラクタム、γ-ブチロラクトン等の含窒素複素環化合物、ホルムアミド、N-メチルホルムアミド、N,N-ジメチルホルムアミド、3-メトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド、3-ブトキシ-N,N-ジメチルプロピオンアミド等のアミド類、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエチルアミン等のアミン類、ジメチルスルホキシド、スルホラン、チオジエタノール等の含硫黄化合物、プロピレンカーボネート、炭酸エチレン等が挙げられる。
湿潤剤として機能するだけでなく、良好な乾燥性を得られることから、沸点が250℃以下の有機溶剤を用いることが好ましい。
グリコールエーテル化合物の具体例としては、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類;エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類などが挙げられる。
炭素数8以上のポリオール化合物、及びグリコールエーテル化合物は、記録媒体として紙を用いた場合に、第二のインクの浸透性を向上させることができる。
色材としては特に限定されず、顔料、染料を使用可能である。
顔料としては、無機顔料又は有機顔料を使用することができる。これらは、1種単独で用いても良く、2種以上を併用しても良い。また、混晶を使用しても良い。
顔料としては、例えば、ブラック顔料、イエロー顔料、マゼンダ顔料、シアン顔料、白色顔料、緑色顔料、橙色顔料、金色や銀色などの光沢色顔料やメタリック顔料などを用いることができる。
無機顔料として、酸化チタン、酸化鉄、炭酸カルシウム、硫酸バリウム、水酸化アルミニウム、バリウムイエロー、カドミウムレッド、クロムイエローに加え、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法などの公知の方法によって製造されたカーボンブラックを使用することができる。
また、有機顔料としては、アゾ顔料、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、インジゴ顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフタロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用できる。これらの顔料のうち、溶媒と親和性の良いものが好ましく用いられる。その他、樹脂中空粒子、無機中空粒子の使用も可能である。
顔料の具体例として、黒色用としては、ファーネスブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等のカーボンブラック(C.I.ピグメントブラック7)類、または銅、鉄(C.I.ピグメントブラック11)、酸化チタン等の金属類、アニリンブラック(C.I.ピグメントブラック1)等の有機顔料があげられる。
さらに、カラー用としては、C.I.ピグメントイエロー1、3、12、13、14、17、24、34、35、37、42(黄色酸化鉄)、53、55、74、81、83、95、97、98、100、101、104、108、109、110、117、120、138、150、153、155、180、185、213、C.I.ピグメントオレンジ5、13、16、17、36、43、51、C.I.ピグメントレッド1、2、3、5、17、22、23、31、38、48:2、48:2(パーマネントレッド2B(Ca))、48:3、48:4、49:1、52:2、53:1、57:1(ブリリアントカーミン6B)、60:1、63:1、63:2、64:1、81、83、88、101(べんがら)、104、105、106、108(カドミウムレッド)、112、114、122(キナクリドンマゼンタ)、123、146、149、166、168、170、172、177、178、179、184、185、190、193、202、207、208、209、213、219、224、254、264、C.I.ピグメントバイオレット1(ローダミンレーキ)、3、5:1、16、19、23、38、C.I.ピグメントブルー1、2、15(フタロシアニンブルー)、15:1、15:2、15:3、15:4(フタロシアニンブルー)、16、17:1、56、60、63、C.I.ピグメントグリーン1、4、7、8、10、17、18、36、等がある。
染料としては、特に限定されることなく、酸性染料、直接染料、反応性染料、及び塩基性染料が使用可能であり、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
前記染料として、例えば、C.I.アシッドイエロー 17,23,42,44,79,142、C.I.アシッドレッド 52,80,82,249,254,289、C.I.アシッドブルー 9,45,249、C.I.アシッドブラック 1,2,24,94、C.I.フードブラック 1,2、C.I.ダイレクトイエロー 1,12,24,33,50,55,58,86,132,142,144,173、C.I.ダイレクトレッド 1,4,9,80,81,225,227、C.I.ダイレクトブルー 1,2,15,71,86,87,98,165,199,202、C.I.ダイレクドブラック 19,38,51,71,154,168,171,195、C.I.リアクティブレッド 14,32,55,79,249、C.I.リアクティブブラック 3,4,35が挙げられる。
顔料に親水性官能基を導入して自己分散性顔料とする方法としては、例えば、顔料(例えばカーボン)にスルホン基やカルボキシル基等の官能基を付加することで、水中に分散可能とする方法が挙げられる。
顔料の表面を樹脂で被覆して分散させる方法としては、顔料をマイクロカプセルに包含させ、水中に分散可能とする方法が挙げられる。これは、樹脂被覆顔料と言い換えることができる。この場合、第二のインクに配合される顔料はすべて樹脂に被覆されている必要はなく、本発明の効果が損なわれない範囲において、被覆されない顔料や、部分的に被覆された顔料が第二のインク中に分散していてもよい。
分散剤を用いて分散させる方法としては、界面活性剤に代表される、公知の低分子型の分散剤、高分子型の分散剤を用いて分散する方法が挙げられる。
分散剤としては、顔料に応じて例えば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等を使用することが可能である。
竹本油脂社製RT-100(ノニオン系界面活性剤)や、ナフタレンスルホン酸Naホルマリン縮合物も、分散剤として好適に使用できる。
分散剤は1種を単独で用いても、2種以上を併用してもよい。
顔料に、水や有機溶剤などの材料を混合して第二のインクを得ることが可能である。また、顔料と、その他水や分散剤などを混合して顔料分散体としたものに、水や有機溶剤などの材料を混合して第二のインクを製造することも可能である。
前記顔料分散体は、水、顔料、顔料分散剤、必要に応じてその他の成分を混合、分散し、粒径を調整して得られる。分散は分散機を用いると良い。
顔料分散体における顔料の粒径については特に制限はないが、顔料の分散安定性が良好となり、吐出安定性、画像濃度などの画像品質も高くなる点から、最大個数換算で最大頻度が20nm以上500nm以下が好ましく、20nm以上150nm以下がより好ましい。顔料の粒径は、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
前記顔料分散体における顔料の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、良好な吐出安定性が得られ、また、画像濃度を高める点から、0.1質量%以上50質量%以下が好ましく、0.1質量%以上30質量%以下がより好ましい。
前記顔料分散体は、必要に応じて、フィルター、遠心分離装置などで粗大粒子をろ過し、脱気することが好ましい。
第二のインク中に含有する樹脂の種類としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル系樹脂、酢酸ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ブタジエン系樹脂、スチレン-ブタジエン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、アクリルスチレン系樹脂、アクリルシリコーン系樹脂などが挙げられる。
これらの樹脂からなる樹脂粒子を用いても良い。樹脂粒子を、水を分散媒として分散した樹脂エマルションの状態で、色材や有機溶剤などの材料と混合して第二のインクを得ることが可能である。前記樹脂粒子としては、適宜合成したものを使用してもよいし、市販品を使用してもよい。また、これらは、1種を単独で用いても、2種類以上の樹脂粒子を組み合わせて用いてもよい。
前記体積平均粒径は、例えば、粒度分析装置(ナノトラック Wave-UT151、マイクロトラック・ベル株式会社製)を用いて測定することができる。
記録に用いる記録媒体としては、特に限定されないが、普通紙、光沢紙、特殊紙、布、フィルム、OHPシート、汎用印刷紙等が挙げられる。
-支持体-
前記紙としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができ、例えば、木材パルプ、古紙パルプなどが用いられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記古紙パルプは、一般的に、以下の4工程の組合せから製造することができる。
(1)離解は、古紙をパルパーにて機械力と薬品で処理して繊維状にほぐし、印刷インキを繊維より剥離する。
(2)除塵は、古紙に含まれる異物(プラスチックなど)及びゴミをスクリーン、クリーナー等により除去する。
(3)脱墨は、繊維より界面活性剤を用いて剥離された印刷インキをフローテーション法、又は洗浄法で系外に除去する。
(4)漂白は、酸化作用や還元作用を用いて、繊維の白色度を高める。
前記古紙パルプを混合する場合、全パルプ中の古紙パルプの混合比率は、画像形成後のカール対策から40%以下が好ましい。
前記支持体に使用される内添填料としては、例えば、白色顔料として従来公知の顔料が用いられる。
前記塗工層は、顔料及びバインダー(結着剤)を含有してなり、更に必要に応じて、界面活性剤、その他の成分を含有してなる。なお、本発明において塗工層とは、上記の通り顔料及びバインダー(結着剤)を含有していればよく、実際に塗工されて設けられたものか否か等の形成方法は問わないものを意味する。
前記顔料としては、無機顔料、もしくは無機顔料と有機顔料を併用したものを用いることができる。
前記バインダーとしては、水性樹脂を使用するのが好ましい。
前記水性樹脂としては、水溶性樹脂及び水分散性樹脂の少なくともいずれかを好適に用いられる。
前記非イオン界面活性剤のHLB(親水性/親油性比)としては、4以上15以下が好ましく、7以上13以下がより好ましい。
前記対数減衰率の最大値、及び前記対数減衰率が最大値をとる時間は、剛体振り子型物性試験器(装置名:RPT-3000W、株式会社エー・アンド・デイ製)を用いて測定した。
具体的には、アルミ基盤上にインクを40μL滴下し、厚み100μmコート用の専属塗布冶具(PCT-100)にて厚み100μmのインク膜を塗った。得られたインク膜を15秒以内に冷熱ブロック(CHB-100)と共に設置し、シリンダーエッジ(RBP-040)と振り子(FRB-100)をセットした。また、FRB-100専属重り2つを振り子最下部にセットした。測定温度は常温(25℃)から60℃まで5℃/minで昇温させ、それ以降は60℃にて保温し続けた。常温(25℃)の時点を測定開始時間として、対数減衰率を時間に対しプロットを6秒ごとに取った。得られたプロットを平滑化し、その最大値を算出し、対数減衰率の最大値とした。なお、対数減衰率が最大値をとる時間とは、測定開始から対数減衰率が最大値となるまでの時間とした。
なお、前記平滑化後の対数減衰率(D’(n))は、n番目プロットの対数減衰率をD(n)と定義した場合、以下のようにして求めることができる。
D’(n)={D(n-2)+D(n-1)+D(n)+D(n+1)+D(n+2)}/5
D’(1)=D(1)
D’(2)={D(1)+D(2)}/2
冷却管、撹拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、1,6-ヘキサンジオール、及び1,6-ヘキサン二酸をOH/COOH=1.5となるように、チタンテトライソプロポキシド(1,000ppm(1質量%)対樹脂成分)とともに投入した。その後、4時間程度で200℃まで昇温した。次いで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。その後、さらに、1,334Pa~2,000Pa(10mmHg~15mmHg)の減圧下で5時間反応させ、中間体ポリエステルを得た。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステルとイソホロンジイソシアネートをモル比2.0で投入し、酢酸エチルにて48質量%となるように希釈後、100℃で5時間反応させた。その後、大量の水を加え、脱溶を行い、固形分濃度が10質量%であるポリウレタン樹脂粒子分散液1を得た。
上記で説明したポリウレタン樹脂粒子分散液1の調製において、1,6-ヘキサンジオールを1,4-ブタンジオールに変更した以外は、ポリウレタン樹脂粒子分散液1の調製と同様にして、固形分濃度が10質量%であるポリウレタン樹脂粒子分散液2を得た。
上記で説明したポリウレタン樹脂粒子分散液1の調製において、1,6-ヘキサンジオールを1,4-ブタンジオールに変更し、且つ1,6-ヘキサン二酸を1,4-ブタン二酸に変更した以外は、ポリウレタン樹脂粒子分散液1の調製と同様にして、固形分濃度が10質量%であるポリウレタン樹脂粒子分散液3を得た。
銅フタロシアニン顔料(商品名:ピグメントブルー15:3、大日精化工業株式会社製)5.0質量%、トリプロピレングリコールモノブチルエーテル(ダウ・ケミカル日本株式会社製)4.0質量%、トリエチレングリコールジメチルエーテル(ダウ・ケミカル日本株式会社製)5.0質量%、1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール)(関東化学株式会社製)25.0質量%、ポリウレタン樹脂粒子分散液1(固形分濃度:10質量%)50.0質量%、及び合計が100質量%となるように超純水を残量添加して、撹拌及び混合してインク1を得た。
インク1の調製において、下記表1~3に示す組成に変更した以外は、インク1の調製と同様にして、インク2~21を得た。
・シアン顔料:大日精化工業株式会社製、商品名:ピグメントブルー15:3
・マゼンタ顔料:大日精化工業株式会社製、商品名:ピグメントレッド122
・イエロー顔料:大日精化工業株式会社製、商品名:ピグメントイエロー154
・トリプロピレングリコールモノブチルエーテル:ダウ・ケミカル日本株式会社製
・トリエチレングリコールジメチルエーテル:ダウ・ケミカル日本株式会社製
・ジエチレングリコールエチルメチルエーテル:ダウ・ケミカル日本株式会社製
・ジプロピレングリコールジメチルエーテル:ダウ・ケミカル日本株式会社製
・トリプロピレングリコールジメチルエーテル:ダウ・ケミカル日本株式会社製
・1,2-プロパンジオール(プロピレングリコール):関東化学株式会社製
[画像の形成]
得られたインク1~21を用いて、インクジェットプリンティングシステム(RICOH Pro VC60000、株式会社リコー製)により、記録媒体の両面に画像を記録し、画像の評価を行った。前記記録媒体としては、下記表4に示すようにLAG90(Stora Enso社製、紙幅520.7mm)、Magno Plus Silk(Sappi Global社製)、又はMagno Gloss(Sappi Global社製)のロール紙をセットし、1,200dpiの解像度にてベタ画像を記録した。巻き取り装置は、Rewinding module RW6(Hunkeler社製)を用いて、下記表4及び5に示すような圧力となるように巻取り、「耐ブロッキング性」、「耐摺擦性」、及び「光沢性」を評価した。なお、「耐ブロッキング性」のみ、温度40℃、湿度50%の環境下に24時間置いた後で評価した。次に、一度記録が終了した後、すぐに再度紙をセットし、第一のインクを第二のインク(ブラックインク)に変えて、1,200dpiの解像度にてベタ画像の記録を行い、「第二のインク付与時の位置ズレ」を評価した。なお、巻取り圧力は、装置名:I-SCAN5027(ニッタ株式会社製)を用いて測定した。結果を下記表4及び5に示す。
目視にて、記録画像同士の張り付き具合と画像の転写(オフセット)の様子を確認し、下記評価基準に基づいて、「耐ブロッキング性」を評価した。品質的にランク7以上が良好であり、特にランク10が良好である。また、ランク3以下は著しく品質を落とす。
〔評価基準〕
10:紙同士がくっつき合わず、画像剥がれもなく、視覚的に均一な画像になっている
9 :紙同士がくっつき合わず、画像剥がれはないが、10μm未満の微小な画像抜けがある
8 :紙同士がくっつき合わず、画像剥がれはないが、10μm以上20μm未満の微小な画像抜けがある
7 :紙同士がくっつき合わず、画像剥がれはないが、20μm以上30μm未満の微小な画像抜けがある
3 :紙同士がくっつき合っており、画像が著しく欠ける
1 :紙同士がくっつき合っており、画像が著しく欠け、さらに紙も著しく欠損する
0 :紙同士がくっつき合っており、合一している
得られた各画像について、1.2cm四方に切った紙(LAG90(Stora Enso社製))を用いて画像を20回擦り、反射型カラー分光測色濃度計(X-Rite社製)を用いて紙へのインク付着汚れを測定し、擦った紙の地肌色を差し引いた濃度を算出し、下記評価基準に基づいて、「耐摺擦性」を評価した。なお、許容範囲はA、及びBである。
〔評価基準〕
A:転写濃度が0.05未満
B:転写濃度が0.05以上0.10未満
C:転写濃度が0.10以上
得られた各画像について、光沢計(BYK Gardner社製:Micro-TRI-Gloss 4520)を用いて、60°光沢を測定し、加圧前及び加圧後の「光沢性」を評価した。なお、画像の転写(オフセット)が生じてしまった場合は測定不能のため値なし(表4中では「―」)で表示した。
第二のインクを記録した際の第一のインクとの位置ズレを目視にて確認し、下記評価基準に基づいて、「第二のインク付与時の位置ズレ」を評価した。なお、許容範囲はAである。
〔評価基準〕
A:位置ズレなし
B:位置ズレあり
得られた画像について、促進耐候性試験機(アトラス社製:ウエザオメータCi35AW)を用いて、70℃、50%RH、ブラックパネル温度89℃の環境下にて、屋外太陽光近似のキセノン放射照度0.35W/m2(340nm)で24時間照射し、照射前後の退色、色変化を下記の評価基準で判定した。なお、許容範囲はAである。
〔評価基準〕
A:ほとんど変化がない
B:退色、色変化が大きい
2 記録媒体
3 給紙手段
4 インク付与手段(第一のインク付与手段)
5 加圧手段
Claims (12)
- 記録媒体に第一のインクを付与して画像を形成する第一のインク付与手段を有し、
前記第一のインクは、水、有機溶剤、ウレタン樹脂粒子、及び銅フタロシアニン顔料を含有し、
前記有機溶剤は、水酸基を有さないエーテル化合物を含み、
前記第一のインクは、前記第一のインクを用いて形成されたインク膜を剛体振り子試験により60℃の条件で測定した際の対数減衰率が7200秒以下において最大値をとり、且つ前記最大値が0.300以下である画像形成装置。 - 前記記録媒体は連続紙であり、
更に、前記画像を形成された前記連続紙を巻き取る巻き取り手段を有する請求項1に記載の画像形成装置。 - 更に、前記画像に圧力を加える加圧手段を有する請求項1に記載の画像形成装置。
- 前記圧力は、3.5kg/cm 2 以上16.0kg/cm 2 以下である請求項3に記載の画像形成装置。
- 前記記録媒体は連続紙であり、
前記加圧手段は、前記画像が形成された前記連続紙をロール状に巻くことで、前記画像に前記圧力を加える手段である請求項3又は4に記載の画像形成装置。 - 前記圧力を加えられた前記連続紙に、更に、第二のインクを付与し画像を形成する第二のインク付与手段を有する請求項5に記載の画像形成装置。
- 前記記録媒体は、支持体と、前記支持体の少なくとも一方の面側に設けられた塗工層と、を有し、動的走査吸液計で測定した接触時間100msにおける純水の前記記録媒体への転移量が2~35ml/m2であり、かつ接触時間400msにおける純水の前記記録媒体への転移量が3~40ml/m2である請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記第一のインク全量に対する前記ウレタン樹脂粒子の含有量(質量%)と、前記第一のインク全量に対する前記エーテル化合物の含有量(質量%)との質量比(エーテル化合物/ウレタン樹脂粒子)が、0.40以上1.60以下である請求項1から8のいずれかに記載の画像形成装置。
- 前記第一のインク全量に対する前記エーテル化合物の含有量が2.0質量%以上8.0質量%以下である請求項1から9のいずれかに記載の画像形成装置。
- 記録媒体に第一のインクを付与して画像を形成する第一のインク付与工程を有し、
前記第一のインクは、水、有機溶剤、ウレタン樹脂粒子、及び銅フタロシアニン顔料を含有し、
前記有機溶剤は、水酸基を有さないエーテル化合物を含み、
前記第一のインクは、前記第一のインクを用いて形成されたインク膜を剛体振り子試験により60℃の条件で測定した際の対数減衰率が7200秒以下において最大値をとり、且つ前記最大値が0.300以下である画像形成方法。 - 水、有機溶剤、ウレタン樹脂粒子、及び銅フタロシアニン顔料を含有するインクであって、
前記有機溶剤は、水酸基を有さないエーテル化合物を含み、
前記第一のインクを用いて形成されたインク膜を剛体振り子試験により60℃の条件で測定した際の対数減衰率が7200秒以下において最大値をとり、且つ前記最大値が0.300以下であるインク。
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