JP2015163678A - 水性顔料組成物、捺染方法及びインクジェット捺染方法 - Google Patents
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Abstract
Description
また特許文献4,5では、ポリエーテルポリオールを構成成分の1つとするポリウレタン樹脂を使用したインクジェット記録用捺染インクが、耐擦性、ドライクリーニング性、および吐出安定性に優れることが記載されている。
本発明で使用する顔料は特に限定はなく、通常、スクリーン記録用インクや水性インクジェット記録用インクの顔料として使用されているものを着色剤として使用できる。具体的には、水や水溶性有機溶剤に分散可能な公知の無機顔料や有機顔料が使用できる。無機顔料としては例えば、酸化チタン、酸化鉄、コンタクト法、ファーネス法、サーマル法等の公知の方法によって製造されたカーボンブラック等がある。また、有機顔料としては、アゾ顔料(アゾレーキ、不溶性アゾ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料などを含む)、多環式顔料(例えば、フタロシアニン顔料、ペリレン顔料、ペリノン顔料、アントラキノン顔料、キナクリドン顔料、ジオキサジン顔料、チオインジゴ顔料、イソインドリノン顔料、キノフラロン顔料など)、染料キレート(例えば、塩基性染料型キレート、酸性染料型キレートなど)、ニトロ顔料、ニトロソ顔料、アニリンブラックなどを使用することができる。
イエローインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントイエロー1、2、12、13、14、16、17、73、74、75、83、93、95、97、98、109、110、114、120、128、129、138、150、151、154、155、174、180、185等が挙げられる。
マゼンタインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド5、7、12、48(Ca)、48(Mn)、57(Ca)、57:1、112、122、123、146、168、176、184、185、202、209、等が挙げられる。
シアンインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントブルー1、2、3、15、15:3、 15:4、16、22、60、63、66等が挙げられる。
レッドインクに使用される顔料の具体例としては、C.I.ピグメントレッド17,49:2,112,149,177,178,179,188,254,255及び264からなる群から選ばれる1種又は2種以上が好適に用いられる。
粒子径の測定は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)又は走査型電子顕微鏡(SEM)を使用して測定した値を採用することができる。
本発明で使用する水溶性溶媒及び/または水は、従来よりインクジェット記録用水性インクの調製に用いられているものをいずれも使用できる。
水溶性溶媒としては、例えば、1価又は多価のアルコール類、アミド類、ケトン類、ケトアルコール類、環状エーテル類、グリコール類、多価アルコールの低級アルキルエーテル類、ポリアルキレングリコール類、グリセリン、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のポリオール類、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、テトラエチレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコールアルキルエーテル類,エチレングリコールモノフェニルエーテル、エチレングリコールモノベンジルエーテル等の多価アルコールアリールエーテル類および多価アルコールアラルキルエーテル類、2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン、ε−カプロラクタム等のラクタム類、1,3−ジメチルイミダゾリジノンアセトン、N−メチルー2−ピロリドン、m−ブチロラクトン、グリセリンのポリオキシアルキレン付加物、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジメチルスルホキシド、ジアセトンアルコール、ジメチルホルムアミド、プロピレングリコールモノメチルエーテルなどである。これらは、単独で用いても、又は2種以上を併用してもよい。
本発明は、ポリオール(a1)としてポリカルボン酸とポリオールを反応させて得られるポリエステルポリオール(a1−1)と、アニオン性基、カチオン性基、ポリオキシエチレン基またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基である親水性基を有するポリオールと、ポリイソシアネート(a2)とを反応させて得られるウレタン樹脂を使用する。(以下本ウレタン樹脂を「ウレタン樹脂(A)」と称す)
前記親水性基としては、一般にアニオン性基やカチオン性基、ノニオン性基といわれるものを使用することができるが、なかでもアニオン性基やカチオン性基を使用することが好ましい。
前記3級アミノ基の一部又は全てを中和する際に使用することができる酸としては、例えば、蟻酸、酢酸等を使用することができる。また、前記3級アミノ基の一部又は全てを4級化する際に使用することができる4級化剤としては、例えば、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸等のジアルキル硫酸類を使用することができる。
前記官能基[X]としては、前記親水性基として使用可能なカルボキシル基やカルボキシレート基等が挙げられる。前記カルボキシル基等は、水性媒体(C)中においてウレタン樹脂(A)の水分散安定性に寄与し、それらが架橋反応する際には、前記官能基[X]としても作用し、前記架橋剤(F)の一部架橋反応しうる。
前記官能基[X]としてカルボキシル基等を使用する場合、前記ウレタン樹脂(A)としては、2〜50の酸価を有するものであることが好ましく、5〜40の酸価を有するものを使用することが、洗濯堅牢性、摩擦堅牢性を向上するうえで好ましい。なお、本発明で言う酸価は、前記ウレタン樹脂(A)の製造に使用したカルボキシル基含有ポリオール等の酸基含有化合物の使用量に基づいて算出した理論値である。
前記ポリオール(a1)としては、前記ウレタン樹脂(A)にポリエステル構造を付与する観点からポリエステルポリオール(a1−1)を使用し、かつ、前記ウレタン樹脂(A)に親水性基を付与する観点から親水性基を有するポリオールを使用する。
なお前記ポリエステルポリオール(a1−1)は、同一種(ここで同一種とは、原料となるポリカルボン酸やポリオールの種類や分子量等のパラメータが同一であることを示す)のポリエステルポリオールを1種のみ使用してもよいし、異なる種(ここで「異なる種」とは、原料となるポリカルボン酸やポリオールの種類が異なったり、分子量等のパラメータが異なることを示す)ポリエステルポリオールを複数種使用してもよく特に限定されない。
なお、異なるポリエステルポリオールを複数種使用する場合の芳香族環式濃度は、使用するポリエステルポリオール全種類の総全量に対して、芳香族環式濃度を算出すればよい。
前記カルボキシル基含有ポリオールとしては、例えば2,2’−ジメチロールプロピオン酸、2,2’−ジメチロールブタン酸、2,2’−ジメチロール酪酸、2,2’−ジメチロール吉草酸や、それらとジカルボン酸とを反応して得られるカルボキシル基含有ポリエステルポリオール等を使用することができる。なかでも2,2’−ジメチロールプロピオン酸を使用することが好ましい。
前記アニオン性基を中和する際に使用可能な塩基性化合物としては、例えばアンモニア、トリエチルアミン、モルホリン、モノエタノールアミン、ジエチルエタノールアミン等の沸点が200℃以上の有機アミンや、NaOH、KOH、LiOH等を含む金属水酸化物等を使用することができる。前記塩基性化合物は、得られるコーティング剤の水分散安定性を向上させる観点から、塩基性化合物/アニオン性基=0.5〜3.0(モル比)となる範囲で使用することが好ましく、0.5〜2.0(モル比)となる範囲で使用することがより好ましい。
前記カチオン性基は、その一部または全部が、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、コハク酸、グルタル酸、酒石酸、アジピン酸等の酸性化合物で中和されていることが好ましい。
また、前記カチオン性基としての3級アミノ基は、その一部または全部が4級化されていることが好ましい。前記4級化剤としては、例えばジメチル硫酸、ジエチル硫酸、メチルクロライド、エチルクロライド等を使用することができ、ジメチル硫酸を使用することが好ましい。
前記その他のポリオールとしては、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、シクロヘキサンジメタノール等の比較的低分子量のポリオールを使用することができる。
前記ポリアミンとしては、例えば、エチレンジアミン、1,2−プロパンジアミン、1,6−ヘキサメチレンジアミン、ピペラジン、2,5−ジメチルピペラジン、イソホロンジアミン、4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、3,3’−ジメチル−4,4’−ジシクロヘキシルメタンジアミン、1,4−シクロヘキサンジアミン等のジアミン類、N−ヒドロキシメチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシエチルアミノエチルアミン、N−ヒドロキシプロピルアミノプロピルアミン、N−エチルアミノエチルアミン、N−メチルアミノプロピルアミン、ジエチレントリアミン、ジプロピレントリアミン、トリエチレンテトラミン、ヒドラジン、N,N’−ジメチルヒドラジン、1,6−ヘキサメチレンビスヒドラジン、コハク酸ジヒドラジッド、アジピン酸ジヒドラジド、グルタル酸ジヒドラジド、セバシン酸ジヒドラジド、イソフタル酸ジヒドラジド、β−セミカルバジドプロピオン酸ヒドラジド、3−セミカルバジッド−プロピル−カルバジン酸エステル、セミカルバジッド−3−セミカルバジドメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサンを使用することができる。
堅牢性は前述の通り使用するウレタン樹脂の分子量が寄与し、高い分子量であるほど高い堅牢性を与えるが、この他に、バインダーの使用量も堅牢性に寄与する。従って、より高い堅牢性を得るためには、バインダーの使用量は多いほうが好ましく、本発明のウレタン樹脂においては、例えば1:1〜8:1であると、より高い堅牢性を与える。但し高分子量のバインダー樹脂の過剰な使用は、高粘度化につながるため、インクジェット記録用インクに適用する場合は、粘度とのバランスを考慮してバインダーの使用量を決定することが好ましい。
本発明の水性顔料組成物は、前記顔料の高濃度水分散液(顔料ペースト)を作成し、それを水溶性溶媒及び/または水で希釈し、前記ウレタン樹脂(A)、必要に応じてその他の添加剤を添加して調製することができる。
前記顔料分散剤としては水性樹脂がよく、好ましい例としては、ポリビニルアルコール類、ポリビニルピロリドン類、アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのアクリル系樹脂、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−α−メチルスチレン−アクリル酸−アクリル酸エステル共重合体などのスチレン−アクリル樹脂、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−無水マレイン酸共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、及び該水性樹脂の塩が挙げられる。
前記共重合体の塩を形成するための化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムなどの水酸化アルカリ金属類、およびジエチルアミン、アンモニア、エチルアミン、トリエチルアミン、プロピルアミン、イソプロピルアミン、ジプロピルアミン、ブチルアミン、イソブチルアミン、トリエタノールアミン、ジエタノールアミン、アミノメチルプロパノール、モルホリンなどが挙げられる。これらの塩を形成するための化合物の使用量は、前記共重合体の中和当量以上であることが好ましい。
また市販品を使用することも勿論可能である。市販品としては、味の素ファインテクノ(株)製品)のアジスパーPBシリーズ、ビックケミー・ジャパン(株)のDisperbykシリーズ、BYK−シリーズ、チバ・スペシャリティー・ケミカルズ社製のEFKAシリーズ等を使用できる。
(1)顔料分散剤及び水を含有する水性媒体に、顔料を添加した後、攪拌・分散装置を用いて顔料を該水性媒体中に分散させることにより、顔料ペーストを調製する方法。
(2)顔料、及び顔料分散剤を2本ロール、ミキサー等の混練機を用いて混練し、得られた混練物を、水を含む水性媒体中に添加し、攪拌・分散装置を用いて顔料ペーストを調製する方法。
(3)メチルエチルケトン、テトラヒドロフラン等のような水と相溶性を有する有機溶剤中に顔料分散剤を溶解して得られた溶液に顔料を添加した後、攪拌・分散装置を用いて顔料を有機溶液中に分散させ、次いで水性媒体を用いて転相乳化させた後、前記有機溶剤を留去し顔料ペーストを調製する方法。
また、攪拌・分散装置としても特に限定されることなく、例えば、超音波ホモジナイザー、高圧ホモジナイザー、ペイントシェーカー、ボールミル、ロールミル、サンドミル、サンドグラインダー、ダイノーミル、ディスパーマット、SCミル、ナノマイザー等を挙げられる。これらのうちの1つを単独で用いてもよく、2種類以上装置を組み合わせて用いてもよい。
前記顔料ペーストを作成した後、適宜希釈し必要に応じた添加剤を添加して、目的に応じた水性顔料組成物を得る。得た水性顔料組成物は捺染剤として使用することができる。前記水性顔料組成物の形態は着色したい繊維に応じて浸染、捺染など好ましい処理方法に合わせて任意に選択される。例えば用途が、捺染用に適したスクリーン記録用インクでは、添加剤として、防腐剤、粘度調整剤、pH調整剤、キレート化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、難燃剤、架橋剤等を使用し、最終的な顔料濃度は1〜10質量%の範囲が好ましい。このような場合、前記添加剤は、前記のバインダー樹脂と一緒に添加することが好ましい。
両性界面活性剤の好ましい例としては、ラウリルジメチルアミノ酢酸ベタイン、2−アルキル−N−カルボキシメチル−N−ヒドロキシエチルイミダゾリニウムベタイン、ヤシ油脂肪酸アミドプロピルジメチルアミノ酢酸ベタイン、ポリオクチルポリアミノエチルグリシンその他イミダゾリン誘導体などが挙げられる。
本発明の製造方法で得た水性顔料組成物を捺染剤として使用する際は、紙等の汎用の被着体はもちろん、布帛、人工皮革、天然皮革等に対しても印字することができる。特に布帛に対しての印捺に特に優れる。
本発明で使用する布帛は、繊維で構成される媒体であることが好ましく、織物の他不織布でもよい。素材は綿、絹、羊毛、麻、ナイロン、ポリエステル、ポリウレタン、レーヨン等の任意の天然・合成繊維からなる布帛を用いることができる。
(合成例1)
温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、アジピン酸69.7質量部、ブタンジオール49.8質量部及びジブチル錫オキサイド0.05質量部を仕込み180〜230℃24時間エステル化した後、酸価が1以下になるまで230℃で24時間重縮合反応を行い、脂肪族ポリエステルポリオール(1)〔酸価0.3、水酸基価56.1、芳香族環式濃度0mol/Kg〕を得た。
温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応器中で窒素ガスを導入しながら、イソフタル酸42.1質量部、セバシン酸21.4質量部、アジピン酸9.3質量部、エチレングリコール7.7質量部、ネオペンチルグリコール25.8質量部、ブタンジオール11.2質量部、及びジブチル錫オキサイド0.05質量部を仕込み180〜230℃24時間エステル化した後、酸価が1以下になるまで230℃で24時間重縮合反応を行い、芳香族ポリエステルポリオール(2)〔酸価0.3、水酸基価56.1、芳香族環式濃度2.53mol/kg〕を得た。
温度計、窒素ガス導入管、攪拌機を備えた反応容器中で窒素ガスを導入しながら、イソフタル酸33.0部、テレフタル酸33.0部、ブタンジオール23.5部、ネオペンチルグリコール27.2部及びジブチル錫オキサイド0.04部を仕込み180〜230℃で酸価が1以下になるまで230℃で24時間重縮合反応を行い、芳香族ポリエステルポリオール(1)〔酸価0.2、水酸基価112.2、芳香族環式濃度3.98mol/Kg〕を得た。
PES−1:合成例1で得たポリエステルポリオール
PES−2:合成例2で得たポリエステルポリオール
PES−3:合成例3で得たポリエステルポリオール
※1:合成したPES−1〜PES−3に含まれる芳香族環式濃度である。
(製造例1)
反応容器に合成例1で得られた脂肪族ポリエステルポリオール(1)100質量部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン94.1質量部を加え、攪拌し均一に混合した。次に、2,2−ジメチロールプロピオン酸8.8質量部、1,4−ブタンジオール4.2質量部を加え、次いでトリレンジイソシアネート28.1質量部、ジブチル錫ジラウレート0.08質量部を加えて、80℃で12時間反応させ、ウレタン化工程を実施した。イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認し、ノルマルブタノール0.4質量部を加え、さらに2時間反応させた後、50℃まで冷却し、親水性基を有するウレタン樹脂の不揮発分60質量%溶液を得た。
その後、50℃まで冷却し、トリエチルアミン6.7質量部及び水710質量部を加え、減圧下、40℃〜60℃の温度下でメチルエチルケトンを除去し、水を加えて濃度調節を行うことによって、前記ウレタン樹脂が水性媒体中に分散された不揮発分23質量%の樹脂組成物を得た。
反応容器に合成例2で得られた芳香族ポリエステルポリオール(2)100質量部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン94.1質量部を加え、攪拌し均一に混合した。次に、2,2−ジメチロールプロピオン酸8.8質量部、1,4−ブタンジオール4.2質量部を加え、次いでトリレンジイソシアネート28.1質量部、ジブチル錫ジラウレート0.08質量部を加えて、80℃で12時間反応させ、ウレタン化工程を実施した。イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認し、ノルマルブタノール0.4質量部を加え、さらに2時間反応させた後、50℃まで冷却し、親水性基を有するウレタン樹脂の不揮発分60質量%溶液を得た。
その後、50℃まで冷却し、トリエチルアミン6.7質量部及び水710質量部を加え、減圧下、40℃〜60℃の温度下でメチルエチルケトンを除去し、水を加えて濃度調節を行うことによって、前記ウレタン樹脂が水性媒体中に分散された不揮発分23質量%の樹脂組成物を得た。
反応容器に合成例3で得られた芳香族ポリエステルポリオール(3)100質量部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン91.0質量部を加え、攪拌し均一に混合した。次に、2,2−ジメチロールプロピオン酸8.1質量部を加え、次いでトリレンジイソシアネート28.4質量部、ジブチル錫ジラウレート0.08質量部を加えて、80℃で12時間反応させ、ウレタン化工程を実施した。イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認し、ノルマルブタノール0.4質量部を加え、さらに2時間反応させた後、50℃まで冷却し、親水性基を有するウレタン樹脂の不揮発分60質量%溶液を得た。
その後、50℃まで冷却し、25%アンモニア水溶液を4.1質量部及び水質量部を加え、減圧下、40℃〜60℃の温度下でメチルエチルケトンを除去し、水710質量部を加えて濃度調節を行うことによって、前記ウレタン樹脂が水性媒体中に分散された不揮発分23質量%の樹脂組成物を得た。
反応容器に合成例1で得られた脂肪族ポリエステルポリオール(1)50質量部と反応容器に合成例2で得られた芳香族ポリエステルポリオール(2)50質量部を減圧下100℃で脱水し、その後80℃まで冷却後、メチルエチルケトン94.1質量部を加え、攪拌し均一に混合した。次に、2,2−ジメチロールプロピオン酸8.8質量部、1,4−ブタンジオール4.2質量部を加え、次いでトリレンジイソシアネート28.1質量部、ジブチル錫ジラウレート0.08質量部を加えて、80℃で12時間反応させ、ウレタン化工程を実施した。イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認し、ノルマルブタノール0.4質量部を加え、さらに2時間反応させた後、50℃まで冷却し、親水性基を有するウレタン樹脂の不揮発分60質量%溶液を得た。
その後、50℃まで冷却し、トリエチルアミン6.7質量部及び水710質量部を加え、減圧下、40℃〜60℃の温度下でメチルエチルケトンを除去し、水を加えて濃度調節を行うことによって、前記ウレタン樹脂が水性媒体中に分散された不揮発分23質量%の樹脂組成物を得た。
撹拌機、還流冷却管、温度計及び窒素吹き込み管を備えた4ツ口フラスコに、窒素気流下、ポリオキシテトラメチレングリコール(重量平均分子量:2,000)100質量部、2.2’−ジメチロールプロピオン酸8.8質量部、1,4−ブタンジオール4.2質量部を加え、均一に混合した後、トリレンジイソシアネート28.1質量部を加え、次いでジブチル錫ジラウレート0.1質量部を加え、80℃で約12時間反応させ、ウレタン化工程を実施した。イソシアネート値が0.1%以下になったのを確認し、ノルマルブタノール0.4質量部を加え、さらに2時間反応させた後、50℃まで冷却し、親水性基を有するウレタン樹脂の不揮発分60質量%溶液を得た。
その後、50℃まで冷却し、トリエチルアミン6.7質量部及び水710質量部を加え、減圧下、40℃〜60℃の温度下でメチルエチルケトンを除去し、水を加えて濃度調節を行うことによって、前記ウレタン樹脂が水性媒体中に分散された不揮発分23質量%の樹脂組成物を得た。
PUD−1:製造例1で得たウレタン樹脂
PUD−2:製造例2で得たウレタン樹脂
PUD−3:製造例3で得たウレタン樹脂
PUD−4:製造例4で得たウレタン樹脂
PUD−5:製造例5で得たウレタン樹脂
※2:使用するポリエステルポリオール全量中に含まれる芳香族環式濃度である。
スチレン−マレイン酸ハーフエステル((株)岐阜セラック製造所製の製品名「DSS−25」、酸価:116mgKOH/g、重量平均分子量:42,000、SP:11.0)15部、水酸化カリウム1.57部(スチレン−マレイン酸ハーフエステル中の酸性基の総量に対して0.90当量に相当する量)及び水83.43部を、撹拌機を用いて、70℃で混合撹拌することにより、半透明の樹脂分散液を得た。前記樹脂分散液80部及び銅フタロシアニン顔料(DIC社製の製品名FASTOGEN BLUE 5327 WET)20部(固形分換算)を混合撹拌し、この混合物に0.3mmφセラミックビーズ500部を加えた後、6筒式サンドグラインダーで6時間摩砕した。摩砕終了後、セラミックビーズを分離して、ミルベースを得た。上記で得たミルベースを、出力600Wで超音波ホモジナイザーを用いて、3時間細分化処理して、顔料ペーストを得た。
前記顔料ペースト(A)の銅フタロシアニン顔料をキナクリドン顔料(DIC社製の製品名Fastogen Super Magenta RG)に変更した以外は、顔料ペースト(A)と同様の方法によって、顔料ペーストを得た。
前記顔料ペースト(A)の銅フタロシアニン顔料をジスアゾ顔料(クラリアント社製の製品名Novoperm Yellow 4G01)に変更した以外は、顔料ペースト(A)と同様の方法によって、顔料ペーストを得た。
前記顔料ペースト(A)の銅フタロシアニン顔料をカーボンブラック(三菱化学社製の製品名#40)に変更した以外は、顔料ペースト(A)と同様の方法によって、顔料ペーストを得た。
前記顔料ペースト(A)の銅フタロシアニン顔料をジケトピロロピロール顔料(BASF社製の製品名IRGAZIN RED L3630)に変更した以外は、顔料ペースト(A)と同様の方法によって、顔料ペーストを得た。
前記顔料ペースト(A)20部と、溶媒(水、水溶性溶媒、油溶性溶媒等)、ウレタン樹脂としてPUD−1 17.4部を添加して、実施例の水性顔料組成物を得た。各水性顔料組成物の組成は別表に示した。各例の添加時に分散攪拌機(特殊機化工業(株)製のTKホモディスパー L)にて十分攪拌した。
上記の実施例及び比較例で得られた水性顔料組成物を用いて、下記の方法により、捺染剤として布帛表面にプリントして、各種評価用布帛を得た。
オートスクリーン捺染機(辻井染機工業株式会社製)を用いてスクリーン印刷法により印字評価を行った。135メッシュのストライプ柄のスクリーンにて、各インキをポリエステル/綿布帛に印捺後、120℃、2分間乾燥させ、150℃、2分間の加熱処理を行った。印捺物を目視した結果いずれも良好な品質であった。
インクジェットプリンター(セイコーエプソン(株)製、MJ−510C)のインクカートリッジに充填し、印字した。各インキをポリエステル/綿布帛に印捺後、120℃、2分間乾燥させ、150℃、2分間の加熱処理を行った。印捺物を目視した結果いずれも良好な品質であった。
スクリーン印刷により得た印捺物について、JIS L 0844:2005のA−4法に準拠して試験を繰り返し30回行った後、JIS L 0801:2004の変退色用グレースケールを用いた視感法の判定基準にしたがって、1級〜5級で等級を判定した。なお、等級は、1級が最も退色が大きく、5級に近づくほど退色が少ない。
スクリーン印刷により得た印捺物について、JIS L 0849:2004に準拠して、学振型摩擦堅牢度試験機を使用して、乾式及び湿式の試験を行った後、JIS L 0801:2004の変退色用グレースケールを用いた視感法の判定基準にしたがって、1級〜 5級で等級を判定した。なお、等級は、1級が最も退色が大きく、5級に近づくほど退色が少ない。
PUD−1:製造例1で得たウレタン樹脂
PUD−2:製造例2で得たウレタン樹脂
PUD−3:製造例3で得たウレタン樹脂
PUD−4:製造例4で得たウレタン樹脂
PUD−5:製造例5で得たウレタン樹脂
Claims (6)
- 顔料と、水溶性溶媒及び/または水と、ポリオール(a1)としてポリカルボン酸とポリオールを反応させて得られるポリエステルポリオール(a1−1)と、アニオン性基、カチオン性基、ポリオキシエチレン基またはポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン基である親水性基を有するポリオールと、ポリイソシアネート(a2)とを反応させて得られるウレタン樹脂とを含有することを特徴とする水性顔料組成物。
- 前記ポリエステルポリオール(a1−1)のポリカルボン酸に芳香族ポリカルボン酸を含むものである請求項1に記載の水性顔料組成物。
- 前記ポリエステルポリオール(a1−1)全量に含まれる芳香族環式濃度が2.5モル/kg以上である請求項1または2に記載の水性顔料組成物。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の水性顔料組成物を使用することを特徴とする捺染剤。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の水性顔料組成物を布帛に印捺することを特徴とする捺染方法。
- 請求項1〜3のいずれかに記載の水性顔料組成物を布帛に印捺することを特徴とするインクジェット捺染方法。
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