JP7182409B2 - 取付け構造及び取付け方法 - Google Patents
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Description
また、筐体の側面や正面には、筐体内のPTC半導体や制御板などにハーネスを連通するための貫通穴が設けられ、その貫通穴を介してハーネスが挿入されて取り付けられる。このとき、ハーネスの外周に嵌合部品を設け、その嵌合部品を貫通穴に嵌め込みネジ止めすることで、ハーネスを貫通穴に取り付ける共に取付け部をシールする。ここで、嵌合部品は、貫通穴に嵌合する嵌合本体部と、嵌合本体部と一体になって貫通穴外周の筐体外面に当接するフランジ部とを有する。
本発明は、上記のような点に着目してなされたもので、ハーネスや管体等の挿入体を貫通穴に取り付ける取付け部のシール性をより向上可能な取付け構造及び取付け方法を提供することを目的とする。
以下の本実施形態では、液体加熱ヒータ装置の筐体へのハーネスの取付け構造を例にして説明する。ただし、本発明の適用は、液体加熱ヒータ装置の筐体に限定されず、筐体開口部に気密性が要求される筐体であれば適用可能である。また、挿入体としては、開口部を介して筐体内に差し込まれる部品であれば、ハーネスに限定されない。本発明は、パイプなどの管体の筐体への取付けであっても適用することができる。
本実施形態の液体加熱ヒータ装置は、図1に示すような外観形状からなる。
<筐体1>
液体加熱ヒータ装置の筐体1は、図1に示すように、下側の筐体本体部1A(第1ケーシング体)と、上側の蓋部1B(第2ケーシング体)とから構成される。筐体1は、筐体本体部1Aに上側から蓋部1Bを重ねてネジ止めされて接合される。図1中符号Kがその接合ラインである。このとき、筐体本体部1Aの上方を向いている合わせ面2に、シール材を介して蓋部1Bの合わせ面を重ねる。シール材としては、シール性向上の観点から、液状ガスケットを使用することが好ましい。液状ガスケットは、筐体本体部1Aの合わせ面2に沿って合わせ面2全周に塗布されて使用される。
筐体本体部1A内には、従来と同様に、発熱体としてのPTC半導体、制御基板などの部品が収納される。
筐体本体部1Aは、図2に示すように、側面に熱媒体の導入口3及び導出口4が形成されている。導入口3及び導出口4には、不図示の熱媒体循環回路用の管路が連通されて、熱媒体としての液体が循環する。
本実施形態の筐体本体部1Aの正面には、図2、図3に示すように、ハーネス取付け用の貫通穴5、6、7が3つ開口していて、それぞれ、図1(a)のように、嵌合部品つきハーネスが取り付けられる。図2(b)中、一番右側は、電源用のハーネスであり、ハーネスと嵌合部品が一体に形成されている。
フランジ部11は、嵌合本体部10の一端部側に一体に設けられている。本実施形態のフランジ部11は、図4(b)に示すように、略楕円形状などの異形形状となっていると共に、ねじ穴11aが開口している。筐体1の表面のうち、フランジ部11が当接する領域を筐体側当接面21とも記載する。また、その筐体側当接面21に当接するフランジ部11の面をフランジ面11Aとも記載する。
各貫通穴5、6、7は、図3、図6に示すように、フランジ部11側の開口端の角部が面取りされることで面取り部5a、6a、7aが形成されている。面取り部5a、6a、7aは、図3、図6に示すように、貫通穴5、6、7の開口端で最大径となるテーパ状の傾斜面(断面円錐台形状)となっている。ここで、面取り部5a、6a、7aは、Oリング12が当接する貫通穴5、6、7側のシール面よりも開口端側に形成されて、Oリング12のシール面と干渉していない。
そして、本実施形態では、図7に示す模式図のように、面取り部5a、6a、7aによって、貫通穴5、6、7、筐体側当接面21、嵌合本体部10の外周面10a、及びフランジ部11のフランジ面11Aの4面の合わせ部(フランジ部11の付け根側)に、断面くさび状の空間が貫通穴5、6、7の周方向全周に円環状に形成されている。その断面くさび状で円環状に形成された空間が、環状通路22を形成する(図7参照)。
そして、注入用連通路24が、筐体1正面側の壁部20内を貫通し、注入口23と面取り部5a、6a、7aとを連通するように形成されている。なお、面取り部5a、6a、7aは、筐体1表面近傍に形成されているため、上面視で注入用連通路24の下端開口部の一部が面取り部5a、6a、7aと重なるように形成している。
上方から筐体本体部1Aの合わせ面2に液状ガスケットを塗布し、上側から蓋部1Bを重ねネジ止めして接合する。この作業と並行して、上方に向いている注入口23から液状ガスケット30を注入する。このとき、筐体本体部1Aの合わせ面2への液状ガスケット30の塗布も、注入口23への液状ガスケット30の注入も上方から行うため、筐体本体部1Aの姿勢を変更する処理を行うことなく液状ガスケット30の塗布・充填作業を行うことが出来る。
なお、環状通路22内に液状ガスケット30が充填された状態では、注入用連通路及び開放通路26にも液状ガスケット30が充填された状態となる。
ここで、フランジ部11を筐体1にネジ止めするため、フランジ部11の形状が異形となって、貫通穴5、6、7からのフランジの張出量が異なる。このため、開放通路26の長さが等しくない。
また、開放通路26を形成する溝をフランジ部11に設けても良い。
以上のように本実施形態によれば、簡易な手段で液状ガスケット30によるシールを確実に実現できるため、貫通穴5、6、7へのハーネス8や管体の取り付けのシール性を向上させることができる。
1A 筐体本体部(第1ケーシング体)
1B 蓋部(第2ケーシング体)
2 合わせ面
5、6、7 貫通穴
5a、6a、7a 面取り部
8 ハーネス(挿入体)
9 嵌合部品
10 嵌合本体部
10a 外周面
11 フランジ部
11A フランジ面
12 Oリング
21 筐体側当接面
22 環状通路
23 注入口
24 注入用連通路
25 溝
26 開放通路
30 液状ガスケット
Claims (14)
- 筐体に設けられた貫通穴に遊挿されることで外部から筐体内に挿入される挿入体を、上記貫通穴に取り付ける取付け構造であって、
上記挿入体の外周に設けられると共に、上記貫通穴に嵌合されて上記挿入体と上記貫通穴内面との隙間を塞ぐ嵌合本体部、及び上記貫通穴の開口端外周面である筐体側当接面に当接するフランジ面を有するフランジ部を備える嵌合部品と、
上記筐体側当接面と上記フランジ部との間に上記貫通穴の周方向に沿って無端環状に形成された環状通路と、
上記筐体の外面に形成された注入口と、
上記筐体の壁部内に形成されて上記注入口と上記環状通路とを連通する注入用連通路と、
一端部が上記環状通路に連通して、上記一端部から上記筐体側当接面に沿って上記貫通穴から離れる方向に延在し、他端部が外部に開放された1つ以上の開放通路と、
上記環状通路、上記注入用連通路及び上記開放通路に充填された液状ガスケットと、
を備えることを特徴とする取付け構造。 - 上記環状通路は、上記貫通穴、上記筐体側当接面、上記嵌合本体部の外周面、及び上記フランジ部の上記フランジ面の4面の合わせ部に形成したことを特徴とする請求項1に記載した取付け構造。
- 上記環状通路は、上記貫通穴の開口端の角部を周方向全周に亘って面取りした面取り部で形成されて、上記フランジ部から離れるほど、上記貫通穴径方向での隙間が小さくなる断面楔形の空間となっていることを特徴とする請求項2に記載した取付け構造。
- 上記嵌合本体部と上記貫通穴内周面との間をシールするOリングを備え、上記面取り部は、Oリングによるシール位置よりも上記フランジ部側に形成されていることを特徴とする請求項3に記載した取付け構造。
- 上記開放通路は、上記貫通穴に連続する筐体表面に形成された溝と、その溝と対向する上記フランジ部のフランジ面とから構成され、上記溝は、上記筐体側当接面のうち上記フランジ面と当接する領域よりも外方まで延びていることを特徴とする請求項1~請求項4のいずれか1項に記載した取付け構造。
- 上記開放通路を複数備え、その一つの開放通路は、上記注入用連通路が上記環状通路に連通する位置から一番離れた上記環状通路の位置に一端部を連通することを特徴とする請求項1~請求項5のいずれか1項に記載した取付け構造。
- 上記筐体は、第1ケーシング体と第2ケーシング体とを有し、第1ケーシング体と第2ケーシング体は、対向する合わせ面が液状ガスケットを介して連通してシールされており、
上記注入口は、上記合わせ面の対向方向と同方向に開口することを特徴とする請求項1~請求項6のいずれか1項に記載した取付け構造。 - 上記挿入体は、ハーネス若しくは管体であることを特徴とする請求項1~請求項7のいずれか1項に記載した取付け構造。
- 上記筐体は、液体加熱ヒータ装置の筐体であることを特徴とする請求項1~請求項8のいずれか1項に記載した取付け構造。
- 筐体に設けられた貫通穴に遊挿されることで外部から筐体内に挿入される挿入体を上記貫通穴に取り付ける取付け方法であって、
上記挿入体の外周に設けられると共に、上記貫通穴に嵌合されて上記挿入体と上記貫通穴内面との隙間を塞ぐ嵌合本体部、及び上記貫通穴の開口端外周面である筐体側当接面に当接するフランジ面を有するフランジ部を備える嵌合部品と、
上記筐体側当接面と上記フランジ部との間に上記貫通穴の周方向に沿って無端環状に形成された環状通路と、
上記筐体の外面に形成された注入口と、
上記筐体の壁部内に形成されて上記注入口と上記環状通路とを連通する注入用連通路と、
一端部が上記環状通路に連通して、上記一端部から上記筐体側当接面に沿って上記貫通穴から離れる方向に延在し、他端部が外部に開放された1つ以上の開放通路と、を備え、
上記注入口から上記環状通路に向けて液状ガスケットを注入し、
その際、上記開放通路に流れた液状ガスケットが上記フランジ部の外方にはみ出すことをことで、上記環状通路への液状ガスケットの充填を確認することを特徴とする取付け方法。 - 上記環状通路を、上記貫通穴、上記筐体側当接面、上記嵌合本体部の外周面、及び上記フランジ部のフランジ面の4面の合わせ部に形成することを特徴とする請求項10に記載した取付け方法。
- 上記開放通路を複数備え、その一つの開放通路は、上記注入用連通路が上記環状通路に連通する位置から一番離れた上記環状通路の位置に一端部を連通し、
当該一番離れた上記環状通路からの液状ガスケットの漏れによって、環状通路全周への液状ガスケットの充填を確認することを特徴とする請求項10又は請求項11に記載した取付け方法。 - 上記筐体は、第1ケーシング体と第2ケーシング体とを有し、第1ケーシング体と第2ケーシング体は、対向する合わせ面が液状ガスケットを介して連通してシールされており、
上記注入口は、上記合わせ面の対向方向と同方向に開口するように形成され、
液状ガスケットを対向する上記合わせ面に塗布する際に、上記注入口から上記環状通路に向けて液状ガスケットを注入することを特徴とする請求項10~請求項12のいずれか1項に記載した取付け方法。 - 上記挿入体は、ハーネス若しくは管体であることを特徴とする請求項10~請求項13のいずれか1項に記載した取付け方法。
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