JP6555828B2 - 燃料インジェクタのためのコネクタ組立体 - Google Patents

Description

本発明は、燃料インジェクタのための電気コネクタ組立体と、当該電気コネクタ組立体を具備する燃料インジェクタとに関する。

燃料インジェクタは、その本体に配置されているアクチュエータを備えており、導線が、インジェクタ本体のアキシアル方向ボアの内部において上方に延在している。ボアは、ザグリ穴であり、導線は、電気コネクタに電気的に接続されるために、本体の壁に配置されているシールを貫通して突出している。コネクタは、プラスチック製の本体と金属製の電気接点とを有しており、電気接点は、一方の端部においてアクチュエータの導線に接続されており、他方の端部において相補的なコネクタを受容するように構成されている。また、燃料インジェクタは、低圧時に燃料が制御弁から低圧リザーバーに向かって流れるバックリーケージ流れチャネルを備えている。燃料インジェクタは、インジェクタ本体からラジアル方向に延在している出口パイプを備えている。特定の燃料インジェクタでは、燃料インジェクタのアキシアル方向ボアが、導線を含んでおり、バックリーケージチャネルの一部分とされ、利用時に、燃料が導線を濡らす。

燃料インジェクタの製造及び組立は、例えば出口パイプのザグリ穴の製造やインジェクタ本体に対するコネクタの固定や電気接点に対する導線の電気的接続のような、多くの問題を抱えている。

従って、本発明の目的は、上述の問題を少なくとも部分的に解決するコネクタ組立体及び完全な燃料インジェクタを提供することである。

上述の目的及び他の目的並びに特徴及び利点を実現するために、本発明は、第１の軸線に沿って延在している燃料インジェクタの電気コネクタ組立体であって、電気コネクタ組立体が、内部空間を形成している外壁と内壁とを具備する本体を有しており、内壁が、電気コネクタ組立体を、燃料インジェクタの本体と相互的に係合して固定されるように構成されている第１の部分と、他の電気コネクタを受容するように構成されている第２の部分とに分割しており、コネクタ組立体が、本体の第１の部分の内部空間の内部に突出している内側先端から、本体の第２の部分の外部空間の内部に突出している外側先端に至るまで、第２の軸線に沿って内壁を貫通して延在している、少なくとも１つの電気接点を備えており、外側先端が、他の電気コネクタの電気接点を相補的に係合した状態で受容するように構成されている、電気コネクタ組立体を提供する。

コネクタ組立体が、利用時に燃料が本体の第１の部分の内部空間に流入し、且つ、電気接点を濡らすように、燃料インジェクタのバックリーケージ復帰導管と流通するように構成されている。

本体の第１の部分の内部空間が、略円筒状に形成されており、燃料インジェクタの本体を反対側に位置する上側先端に係合するように構成されている下側先端から、第１の軸線に沿って延在している。略円筒状に形成された内部空間が、上側先端及び下側先端の両方において開口しており、電気コネクタ組立体が、上側先端を密閉するように構成されている密閉カバーを備えている。

電気コネクタ組立体が、密閉カバーと一体化された出口パイプを備えており、出口パイプが、燃料インジェクタの内部バックリーケージチャネルと連通するように構成されている。代替的には、出口パイプが密閉カバーと一体化されている。

内壁を貫通して延在している電気接点の中央部分が、円筒状又は錐状に形成されている。

電気コネクタ組立体が、第１の部分及び第２の部分の内部空間及び外部空間が互いから密閉されるように、電気接点の中央部分と内壁との間に配置されている密閉手段を備えている。

電気接点の内側先端が、中央部分に一体化されており、第１の導電性材料から作られており、外側先端が、中央部分とは別体とされ、中央部分に固定されており、第２の導電性材料から作られている。

代替的な実施例では、電気接点の内側先端及び外側先端が共に、中央部分に一体化されており、第１の導電性材料から作られている。

第１の導電性材料が、銅及び亜鉛を含んでいないか、又は銅及び亜鉛を含んでいない被膜でコーティングされている。

電気コネクタ組立体が、電気接点をコネクタ本体に対して所定位置に維持するように構成されているロック手段を備えている。

ロック手段が、電気接点が第２の軸線を中心として回転することを防止するための第１の手段と、電気接点が第２の軸線に沿って並進移動することを防止するための第２の手段とを備えている。

ロック手段が、例えば溝のような電気接点の一部分と例えばフォーク状の形体や切欠部のような密閉カバーの一部分との相補的な係合部とされる。

ロック手段が、保持部に相互的に係合する電気接点のサブアセンブリを備えており、サブアセンブリが、コネクタ本体にオーバーモールド成形されている。

電気コネクタ組立体が、コネクタ組立体をインジェクタ本体に固定するように構成されているコネクタロック手段を備えている。

一の実施例では、ロック手段が、本体に固定されている少なくとも１つの金属製インサートを備えており、金属製インサートが、下側先端の周囲においてコネクタ本体から軸線方向に突出している。

少なくとも１つの金属製インサートが、コネクタ本体にオーバーモールド成形されているか、コネクタ本体の外周に接着されているか、又は円状のカラーによってコネクタ本体の周囲に固定されている。

本発明は、第１の軸線に沿って延在している本体を有している燃料インジェクタであって、アクチュエータが、本体に配置されており、コネクタ組立体が、本体に配置されており、インジェクタ本体が、少なくとも１つの導線がアクチュエータからコネクタ組立体に至るまで延在している、内部ボアを有しており、内部ボアが、利用時に低圧燃料が出口に向かって流れるバックリーケージ復帰チャネルの一部分とされる、燃料インジェクタに拡張される。コネクタ組立体は、上述のコネクタ組立体とされ、コネクタ組立体の第１の部分の内部空間が、利用時に燃料がコネクタ組立体のに内部空間に流入し、且つ、電気接点を濡らすように、インジェクタ本体の内部ボアと流通している。

より具体的には、一の実施例では、出口がコネクタ組立体と一体化されて配置されている。他の実施例では、出口が、コネクタ本体を密閉するように構成されている密閉カバーと一体化されて配置されている。

導線が、電気接点の内側先端にレーザー溶接されている。

インジェクタ本体が、コネクタ本体の相補的なメス型下側先端に係合するオス型円筒状部分を有しており、インジェクタ本体が、環状溝を備えており、金属製インサートの突出部分が、コネクタ組立体が所定位置においてインジェクタ本体に固定されるように、環状溝の内部において湾曲されている。

インジェクタ本体が、コネクタ本体の相補的なメス型下側先端に係合するオス型円筒状部分を有しており、インジェクタ本体が、第１の軸線に対して垂直とされる環状ディスク面を備えており、金属製インサートが、コネクタ組立体が所定位置においてインジェクタ本体に固定されるように、環状ディスク面に溶接されている。

インジェクタ本体が、コネクタ本体の相補的なメス型下側先端に係合するオス型円筒状部分を有しており、コネクタ本体とインジェクタ本体との両方が、相補的な位置合わせされたラジアル方向穴を備えており、ピンが、コネクタ本体が所定位置においてインジェクタ本体に固定されるように、ラジアル方向穴に挿入されている。

本発明は、上述の燃料インジェクタを組み立てるための方法に拡張される。当該方法は、
−長手方向に沿って延在している円筒状の燃料インジェクタ本体であって、本体の先端において開口している内部ボアを有している燃料インジェクタを準備するステップと、
−上述のコネクタ組立体を準備するステップと、
−アクチュエータを本体に配置させるステップであって、導線が、内部ボアの内部において延在していると共に内部ボアの開口部を貫通して延在しているアクチュエータを接続するステップと、
−コネクタ組立体の本体を内部ボアの先端に組み付けるステップと、
−例えば突出している金属製インサートを屈曲させることによって、又はラジアル方向ピンをコネクタ本体及びインジェクタ本体の内部において延在している相補的な穴に挿入することによって、本体を燃料インジェクタ本体に固定するステップと、
−例えば溶接によって電気接点の内側先端をアクチュエータの導線に接続するステップであって、溶接ツールが、コネクタ本体の開いた上側先端を貫通させて係合している、ステップと、
−密閉カバーを上側先端に配置させるステップと、電気接点が、密閉カバーの一部分と電気接点の一部分とが相補的に係合することによって、所定位置にロックされ、密閉カバーが、上側先端を密閉状態で閉じる、ステップと、
を備えている。

本発明について、添付図面を参照しつつ例示的に説明する。

本発明におけるコネクタを具備するインジェクタの軸線方向断面図である。 図１に表わすコネクタ組立体の詳細図である。 図２に表わすコネクタ組立体の電気接点を表わす。 図２に表わすコネクタ組立体の電気接点を表わす。 図２に表わすコネクタ組立体の密閉キャップを表わす。 コネクタ組立体の第２の実施例を表わす。 図６に表わす第２の実施例の上面図である。 コネクタ組立体の他の実施例を表わす。 コネクタ組立体の他の実施例を表わす。 コネクタ組立体をインジェクタに固定することを防止するための代替例である。 コネクタ組立体をインジェクタに固定することを防止するための代替例である。 電気接点をコネクタ本体に固定するためのさらなる代替例である。

以下の説明を単純化すると共に明瞭にするために、図面中の上下方向は任意に選択され、例えば“上方（above）、下（under）、上（over）、下方（below）”のような用語及び表現が用いられる場合があるが、この場合において、本発明を限定する意図はない。

図１を参照すると、燃料インジェクタ１０は、長手方向軸線Ａ１に沿って延在しているインジェクタ本体１２を有している。アクチュエータ１４が、インジェクタ本体１２の上側端部２０に配置されている電気コネクタ組立体１８に向かって上方に延在している導線１６を介して、図示しない制御ユニットに電気的に接続されており、インジェクタ本体１２に固定された状態で配置されている。

また、よく知られているように、燃料インジェクタ１０は、制御弁と、ノズルと、利用の際に燃料を入口からノズルに流すための高圧燃料チャネルとを備えている。このことについては、本発明の核心の一部を形成する訳ではないので、さらに説明することはない。

アクチュエータ１４の上方において、インジェクタ本体１２は、アキシアル方向上方に延在しているボア２２であって、インジェクタ本体１２の頂端面２４に開口しているボア２２を備えている。アキシアル方向ボア２２は、低圧燃料を出口パイプ２６を介して燃料インジェクタ１０から流出させた後に低圧リザーバーに戻すためのバックリーケージチャネルの一部分である。Ｌ字状の出口パイプ２６が、図１に表わされており、水平脚部が、ボア２２に流通しており、垂直脚部が、出口パイプ２６を上方に方向づけている。出口パイプ２６は、出口パイプ２６の先端に、図示しない戻り導管と相補的に係合するための形体を備えている。

以下の図面に関連して詳述されるコネクタ組立体１８が、燃料インジェクタ１０の上側端部２０に配置されている。コネクタ組立体１８は、外装３０と内壁３２とを有しているプラスチック製のコネクタ本体２８を備えている。内壁３２が、コネクタ組立体１８を、インジェクタ本体１２の上側端部２０に相補的に配置されている第１の部分３４と、他のコネクタを受容するように構成されている第２の部分３６とに分割しているので、アクチュエータ１４は、制御ユニットに電気的に接続可能とされる。

第１の部分３４は、インジェクタ本体１２の頂部において長手方向軸線Ａ１に沿って延在している略円筒の形態とされ、円柱状の内部空間３８を形成している。

第２の部分３６が、長手方向軸線Ａ１に対して垂直とされる第２の軸線Ａ２に沿って延在しており、図示しない相補的なコネクタを受容するように形成されている外側空間４０を規定している。代替的な構成としては、２つの軸線Ａ１，Ａ２が互いに対して垂直でない構成が挙げられる。

コネクタ本体２８の第１の部分３４とインジェクタ本体１２との接合部分は、長手方向軸線Ａ１に沿った円筒状のオス−メス型係合である。このような係合では、第１の部分３２の下側先端４２が、インジェクタ本体１２の上側端部２０を覆うようにインジェクタ本体１２の上側端部２０と係合している。より具体的には、インジェクタ本体１２は、横方向に延在するラジアル方向ディスク面４６に結合するまでインジェクタ本体１２の頂端面２４から下向きに延在しているオス型の円筒状面４４を有している。さらに、コネクタ本体２８の第１の部分３４が、相補的な下側凹所４８を備えており、下側凹所４８は、メス型円筒状壁５０とその中央が穿孔されている横方向天井壁５２とを有している。

天井壁５２は、内部空間３８を、天井壁５２の下方に位置する下側凹所４８と天井壁５２の上方に位置する上側凹所５４とに分割している。さらに、コネクタ本体２８は、少なくとも１つのオーバーモールド成形された金属製インサート５６を備えており、金属製インサート５６は、プラスチック製外装３０から下方に突出しており、図２に表わすように、金属製インサート５６がインジェクタ本体１２のラジアル方向ディスク面４６に接触するように外方に屈曲している。金属製インサート５６の突出部分は、コネクタ組立体１８がインジェクタ本体１２に永続的に固定されるように、ディスク面４６にレーザー溶接されている。

代替的には、金属製インサート５６は、金属製インサート５６がコネクタの固定を可能とする場合には、内方に屈曲可能とされるか、又は全く屈曲させることができない。代替的な固定手段については、以下においてさらに説明する。

インジェクタ本体１２に対するコネクタの組み付け部が、円筒状面４４とメス型円筒状壁５０との間に又は頂端面２４と天井壁５２との間に配置されているＯリング５８によって密閉されている。特定の溝が、Ｏリング又は例えば密封剤やガスケットのような任意の他のシール手段を収容するために設けられている場合がある。

コネクタ本体２８の第１の部分３４の開いた上側先端６０が、下側先端４２の反対側に設けられている。上側先端６０は、上述の上側凹所５４を規定している。

密閉カバー６２は、上側先端６０の頂部に配置されており、コネクタ本体２８の上側開口部を閉じている。密閉カバー６２は、長手方向軸線Ａ１に対して直角の円状主面６４を備えており、コネクタ本体２８に相補的に係合する円筒状の芯出し壁６６が、円状主面６４から延在している。密閉カバー６２は、所定位置に配置された際に、接続部の密閉を確実にするためにレーザー溶接される場合がある。

また、コネクタ組立体１８は、複数の電気接点６８を備えている。図２は、一の電気接点６８のみを表わす。電気接点６８は、コネクタ本体２８の内壁３２に設けられているボア７０を通じて、第２の軸線Ａ２に沿って挿入される。電気接点６８は、外部空間４０に突出している外側先端７２から、上側凹所５４に突出している内側先端７４に至るまで延在している。

より具体的には、電気接点の実施例を表わす図３及び図４を参照すると、電気接点６８の外側先端７２は、矩形状の平坦なピン７６を形成している水平部分と垂直な接続部分７８とを有している、Ｌ字状の平坦な金属製シートとされる。電気接点６８の外側先端７２は、相補的なコネクタの相補的なピンに適合するように構成されているので、矩形状のピン７６を非常に良好に任意の他の必要とされる形状とすることができる。垂直な接続部分７８は、内壁３２を貫通していると共に内側先端７４に至るまで延在している下側凹所４８に突出している、電気接点６８の中央円筒状部分８０との接続を開始させることができる。

コネクタ本体２８の所定位置において、電気接点６８の垂直な接続部分７８は、接続部分７８が接続部分７８に対して相補的に形成されている小さい凹所８２に係合している、内壁３２の外面に当接している。このような係合が、電気接点６８が第２の軸線Ａ２を中心として回転することを防止する、回転ロック手段８４を形成している。

図面から理解されるように、円筒状部分８０は、第１の溝すなわち密閉用溝８６を備えており、密閉用溝８６には、内壁３２のボア７０の全体に亘って密閉するための他のＯリング８８が配置されている。例えば密閉剤やガスケットのようなシール手段や圧力嵌めであっても、代替的に利用可能とされる。

さらに、円筒状部分８０は、第２の溝すなわちロック溝９０を備えており、ロック溝９０には、密閉カバー６２の芯出し壁６６に形成されている切欠部９２が係合している。図５は、密閉カバー６２の一の実施例を表わす。当該実施例では、２つの切欠部９２が、２つの電気接点６８のロック溝９０と相補的に係合するために、芯出し壁６６に形成されている。ロック溝９０に対する切欠部９２の相補的な係合は、電気接点６８が内壁３２のボア７０の内部において滑動することを防止する、第２の軸線Ａ２に沿った並進ロック手段９４を構成している。ロック溝９０と内側先端７４との間には、電気接点６８が、図面では円柱状になっている最終セクション９６を備えている。しかしながら、最終セクション９６の形状は任意である。

図面に表わすように、利用の際には、電気接点６８の内側先端７４は、上側凹所５４の略中心に位置している。電気接点６８の内側先端７４において、アクチュエータ１４の導線１６が終端しており、例えばレーザー溶接のような接合がなされている。

図２に表わす実施例では、矩形状のピン７４が、コネクタ本体２８の外部空間４０の中心に位置している一方、中央円筒状部分８０の第２の軸線Ａ２は、平行でありオフセットされている。代替的には、電気接点６８は他の形状であっても良い。例えば図６及び図７を参照すると、平坦な電気接点６８は、一定の矩形状断面を有しており、一体に形成されており、内壁３２の矩形状ボアを貫通して延在しており、内壁３２の両側面から突出している。平坦な電気接点６８は、２つの互いに対して反対側に位置する切欠部９８を備えており、密閉カバー６２の芯出し壁６６の一部分が、切欠部９８に相補的に係合する。コネクタ本体２８の第１の部分３４と第２の部分３６との間を確実に密閉するために、矩形状の密閉結合が実施されている。

本発明の技術的範囲から逸脱しない限り、電気接点の形状について、他の代替的な形状を容易に選択することができる。

利用の際に、バックリーケージ燃料がボア２２の内部に流れ、コネクタ本体２８の内部空間３８に流入することができる。結論として、図２に表わすように、内側先端７４は、導線１６とコネクタ本体２８の内部空間３８において延在している電気接点６８の一部分との電気的接続部であり、燃料に浸されている。燃料は、銅（Ｃｕ）及び亜鉛（Ｚｎ）を薬品浸食するので、電気接点６８の当該一部分は、燃料の汚染を防止するために、Ｃｕ及びＺｎを含まない導電性材料から作られている。アルミニウムは、端子を製造する観点から好ましい選択肢であるが、他の選択肢も存在する。

本発明の大きな関心事のうち一の関心事は、頂端面２４において開口しているインジェクタ本体１２に貫通ボア２２を製造可能とすることである。燃料がコネクタ本体２８の内部に流入可能となった場合には、プラスチック成型された出口パイプ２６をコネクタ本体１２又は密閉カバー６２と一体化して配置させ、図１に表わす元々の出口パイプをインジェクタ本体１２から取り外すことができるという他の利点を発揮せることができる。これら２つの代替的な出口パイプ２６の配置が図８及び図９に表わされている。

第１の固定手段は、図２に関連して説明されているが、インジェクタ本体１２のラジアル方向ディスク面４６に溶接されている金属製インサート５６の突出部分を有している。

コネクタ組立体１８をインジェクタ本体１２に固定するための２つの代替的な手段について、図１０及び図１１を参照して説明する。

図１０では、コネクタ本体１８が、インジェクタ本体１２の上側端部２０とオス−メス型係合した状態で、インジェクタ本体１２の上側端部２０を覆うように配置されている。係合部分には、コネクタ本体２８はラジアル方向貫通穴１００を備えており、インジェクタ本体１２はザグリ穴１０２を備えている。所定位置に組み立てられた場合には、２つの穴すなわちラジアル方向貫通穴１００及びザグリ穴１０２は位置合わせされ、ピン１０４が当該２つの穴に係合されることによって、コネクタ組立体１８がインジェクタ本体１２に固定される。図１０から理解されるように、コネクタ本体２８は複数の貫通穴を備えており、２つの対角方向において対応して配置された穴が図示されている。これにより、コネクタをインジェクタに対して位置決めすることができ、且つ、幾つかのコネクタ本体２８を管理することなく、インジェクタに対するコネクタの角度方向を選択することができる。さらに、金属製インサート５６が図示されており、ラジアル方向ピン１０４が金属製インサート５６を貫通して係合されている。このことは、必須ではないが、部品を真っ直ぐにするのに役立つ場合がある。また、下方に突出している部品すなわちインサート５６が、内方に屈曲しているが、貫通穴１００及びザグリ穴１０２の位置合わせ部に相当する高さを調整することによって、コネクタの位置決めを調整するのに役立つ場合がある。また、穴１０２は、代替的には図１０に表わすようにザグリ加工されているのではなく、アキシアル方向ボア２２に向かって開口している貫通穴とされる場合がある。この場合には、燃料漏れを防止するために、ピン１０４は、穴１０２の密閉を確実にするために作られている必要があるか、又は、例えばシール剤のような他の密閉手段が穴の密閉を仕上げる必要がある。

代替的な他の固定手段について、図１１に表わすが、インジェクタ本体１８の上側端部２０が、円筒状面４４とラジアル方向ディスク面４６との交差部に配置されている環状溝１０６を備えている。所定位置に配置された場合に、金属製インサート５６の突出縁部は、コネクタ組立体１０が固定されるように、環状溝１０６において内方に屈曲されている。このような配置の利点は、コネクタをインジェクタ本体１２を覆うように連続的に環状に配置することができることであるが、図１０に表わす配置では、複数の貫通穴１００を離散的に且つ環状に配置させることができる。

本発明は、上述のように、燃料インジェクタ１０の製造プロセス及び組立プロセスをさらに拡張することができる。

出口パイプ２６を位置決めするための代替的な手段、又はコネクタをインジェクタ本体に固定するための代替的な手段が存在するが、これら代替的な手段のいずれもが以下のプロセスにおいて利用可能とされる。

図２に表わす実施例を参照すると、コネクタ本体２８は、インジェクタ本体１２の上側端部を覆うように所定位置に配置されており、上述の固定プロセスのうち一の固定プロセスを利用することによって所定位置に固定されている。その後に、電気接点６８が、電気接点６８を外部空間４０から内部空間３８に向かって滑動させることによって、電気接点６８の外側先端７２が回転ロック手段８４に係合するまで内壁３２のボアに挿入される。以下のステップは、電気接点６８の内側先端７４とアクチュエータ１４から延在している導線１６との永続的な電気的接続を確立するためのものである。当該電気的接続は、例えば部品同士のレーザー溶接によって実現される。この作業は、コネクタ本体２８の上側先端６０が開口している際に溶接ツールが開口部に挿入される場合に容易に実施可能である。最後に、密閉カバー６２は、所定位置に配置されているので、並進ロック手段９４を確実に係止することができる。密閉カバー６２は、超音波レーザー溶接によって又は例えば接着のような任意の既知の手法を利用することによって、永続的に固定されている。

密閉カバー６２に形成された切欠部の代わりに、代替的な構成が可能であるが、相補的な形状を有する内壁３２によって、第２の軸線Ａ２に沿った電気接点の並進移動が防止される。

さらにさらなる代替的な実施例では、電気接点６８が、単独で又は図１２に表わすサブアセンブリ１０８の一部分としてオーバーモールド成形されている。図１２では、最初に、電気接点６８が、Ｏリング８８に沿ってプラスチック製ホルダー１１０に係合される。その後に、サブアセンブリ１０８は、コネクタ本体２８にオーバーモールド成形される。

Ａ１ 長手方向軸線
Ａ２ 第２の軸線
１０ 燃料インジェクタ
１２ インジェクタ本体
１４ アクチュエータ
１６ 導線
１８ コネクタ組立体
２０ （インジェクタ本体１２の）上側端部
２２ （インジェクタ本体１２の）ボア
２４ （インジェクタ本体１２の）頂端面
２６ 出口パイプ
２８ コネクタ本体
３０ 外装
３２ 内壁
３４ 第１の部分
３６ 第２の部分
３８ 内部空間
４０ 外部空間
４２ （第１の端部３４の）下側先端
４４ （インジェクタ本体１２の）円筒状面
４６ ディスク面
４８ 下側凹所
５０ （下側凹所４８の）円筒状壁
５２ 天井壁
５４ 上側凹所
５６ インサート
５８ Ｏリング
６０ （第１の端部３４の）上側先端
６２ 密閉カバー
６４ 円状主面
６６ 芯出し壁
６８ 電気接点
７０ ボア
７２ 外側先端
７４ 内側先端
７６ ピン
７８ 接続部分
８０ 円筒状部分
８２ 小さい凹所
８４ 回転ロック手段
８６ 密閉用溝
８８ Ｏリング
９０ ロック溝
９２ 切欠部
９４ 並進ロック手段
９６ （電気接点６８の）最終セクション
９８ 切欠部
１００ 貫通穴
１０２ ザグリ穴
１０４ ピン
１０６ 環状溝
１０８ サブアセンブリ
１１０ 密閉ホルダー

Claims (24)

1. 第１の軸線（Ａ１）に沿って延在している燃料インジェクタ（１０）の電気コネクタ組立体（１８）において、
   前記電気コネクタ組立体（１８）が、内部空間（３８）を形成している外壁と内壁（３２）とを具備するコネクタ本体（２８）を有しており、
   前記内壁（３２）が、前記電気コネクタ組立体（１８）を、前記燃料インジェクタ（１０）の燃料インジェクタ本体（１２）と相互的に係合して固定されるように構成されている第１の部分（３４）と、他の電気コネクタを受容するように構成されている第２の部分（３６）とに分割しており、
   前記電気コネクタ組立体（１８）が、前記コネクタ本体（２８）の前記第１の部分（３４）の前記内部空間（３８）の内部に突出している内側先端（７４）から、前記コネクタ本体（２８）の前記第２の部分（３６）の外部空間（４０）の内部に突出している外側先端（７２）に至るまで、第２の軸線（Ａ２）に沿って前記内壁（３２）を貫通して延在している、少なくとも１つの電気接点（６８）を備えており、
   前記外側先端（７２）が、前記他の電気コネクタの電気接点（６８）を相補的に係合した状態で受容するように構成されており、
   前記電気コネクタ組立体（１８）が、利用時に燃料が前記コネクタ本体（２８）の前記第１の部分（３４）の前記内部空間（３８）に流入し、且つ、前記電気接点（６８）の導電性部分を濡らすように、前記燃料インジェクタ（１０）のバックリーケージ復帰導管と流通するように構成されていることを特徴とする電気コネクタ組立体（１８）。
2. 前記コネクタ本体（２８）の前記第１の部分（３４）の前記内部空間（３８）が、略円筒状に形成されており、前記燃料インジェクタ（１０）の前記燃料インジェクタ本体（１２）に係合するように構成されている下側先端（４２）から、反対側に位置する上側先端（６０）に至るまで、前記第１の軸線（Ａ１）に沿って延在しており、
   略円筒状に形成された前記内部空間（３８）が、前記上側先端（６０）及び前記下側先端（４２）の両方において開口しており、
   前記電気コネクタ組立体（１８）が、前記上側先端（６０）を密閉するように構成されている密閉カバー（６２）を備えていることを特徴とする請求項１に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
3. 前記電気コネクタ組立体（１８）が、前記コネクタ本体（２８）と一体化されている出口パイプ（２６）を備えており、
   前記出口パイプ（２６）が、前記燃料インジェクタ（１０）の内部バックリーケージチャネルと連通するように構成されていることを特徴とする請求項１又は２に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
4. 前記電気コネクタ組立体（１８）が、前記密閉カバー（６２）と一体化されている出口パイプ（２６）を備えており、
   前記出口パイプが、前記燃料インジェクタ（１０）の内部バックリーケージチャネルと連通するように構成されていることを特徴とする請求項２に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
5. 前記内壁（３２）を貫通して延在している前記電気接点（６８）の中央部分（８０）が、円筒状に形成されていることを特徴とする請求項１〜４のいずれか一項に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
6. 前記内壁（３２）を貫通して延在している前記電気接点（６８）の中央部分（８０）が、錐状に形成されていることを特徴とする請求項１又は４に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
7. 前記電気コネクタ組立体（１８）が、前記第１の部分（３４）及び前記第２の部分（３６）の前記内部空間（３８）及び前記外部空間（４０）が互いから密閉されるように、前記電気接点（６８）の前記中央部分（８０）と前記内壁（３２）との間に配置されている密閉手段を備えていることを特徴とする請求項５又は６に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
8. 前記電気接点（６８）の前記内側先端（７４）が、前記中央部分（８０）に一体化されており、第１の導電性材料から作られており、
   前記外側先端（７２）が、前記中央部分（８０）とは別体とされ、前記中央部分（８０）に固定されており、第２の導電性材料から作られていることを特徴とする請求項５〜７のいずれか一項に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
9. 前記電気接点（６８）の前記内側先端（７４）及び前記外側先端（７２）が共に、前記中央部分（８０）に一体化されており、且つ、第１の導電性材料から作られていることを特徴とする請求項５〜７のいずれか一項に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
10. 前記第１の導電性材料が、銅及び亜鉛を含んでいないことを特徴とする請求項８又は９に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
11. 前記第１の導電性材料の外部が、銅及び亜鉛を含んでいない被膜でコーティングされていることを特徴とする請求項８又は９に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
12. 前記電気コネクタ組立体（１８）が、前記電気接点（６８）を前記コネクタ本体（２８）に対して所定位置に維持するように構成されているロック手段（９０，９２）を備えていることを特徴とする請求項１〜１１のいずれか一項に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
13. 前記ロック手段（９０，９２）が、前記電気接点（６８）が前記第２の軸線（Ａ２）を中心として回転することを防止するための第１の手段と、前記電気接点（６８）が前記第２の軸線（Ａ２）に沿って並進移動することを防止するための第２の手段とを備えていることを特徴とする請求項１２に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
14. 前記ロック手段（９０，９２）が、前記電気接点（６８）の一部分（９０）と密閉カバーの一部分（９２）との相補的な係合部を備えていることを特徴とする請求項２に従属すると共に請求項１２又は１３に従属する電気コネクタ組立体（１８）。
15. 前記ロック手段（９０，９２）が、保持部（１１０）に相互的に係合する前記電気接点（６８）のサブアセンブリ（１０８）を備えており、
    前記サブアセンブリが、前記コネクタ本体（２８）にオーバーモールド成形されていることを特徴とする請求項１２に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
16. 前記電気コネクタ組立体（１８）が、前記電気コネクタ組立体（１８）を前記燃料インジェクタ本体（１２）に固定するように構成されているコネクタロック手段（５６，１００，１０２，１０４）を備えていることを特徴とする請求項１〜１５のいずれか一項に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
17. 前記コネクタロック手段（５６，１００，１０２，１０４）が、前記燃料インジェクタ本体（１２）に固定されている少なくとも１つの金属製インサート（５６）を備えており、
    前記金属製インサート（５６）が、前記下側先端（４２）の周囲において前記コネクタ本体（２８）から軸線方向に突出していることを特徴とする請求項２を引用する請求項１６に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
18. 少なくとも１つの前記金属製インサート（５６）が、前記コネクタ本体（２８）にオーバーモールド成形されているか、前記コネクタ本体（２８）の外周に接着されているか、又は円状のカラーによって前記コネクタ本体（２８）の周囲に固定されていることを特徴とする請求項１７に記載の電気コネクタ組立体（１８）。
19. 第１の軸線（Ａ１）に沿って延在している燃料インジェクタ本体（１２）を有している燃料インジェクタ（１０）において、
    アクチュエータ（１４）が、前記燃料インジェクタ本体（１２）に配置されており、
    電気コネクタ組立体（１８）が、前記燃料インジェクタ本体（１２）に配置されており、
    前記燃料インジェクタ本体（１２）が、少なくとも１つの導線（１６）が前記アクチュエータ（１４）から前記電気コネクタ組立体（１８）に至るまで延在している、内部ボア（２２）を有しており、前記導線（１６）が、電気接点（６８）に電気的に接続されており、
    前記内部ボア（２２）が、利用時に低圧燃料が出口に向かって流れるバックリーケージ復帰チャネルの一部分とされ、
    前記電気コネクタ組立体（１８）が、請求項１〜１８のいずれか一項に記載の電気コネクタ組立体とされ、
    前記電気コネクタ組立体（１８）の第１の部分の内部空間が、利用時に燃料が前記電気コネクタ組立体（１８）の前記内部空間（３８）に流入し、且つ、前記電気接点（６８）の導電性部分を濡らすように、前記燃料インジェクタ本体（１２）の前記内部ボア（２２）と流通していることを特徴とする燃料インジェクタ（１０）。
20. 前記導線（１６）が、前記電気接点（６８）の内側先端にレーザー溶接されていることを特徴とする請求項１９に記載の燃料インジェクタ（１０）。
21. 前記電気コネクタ組立体（１８）が、請求項１５に記載の電気コネクタ組立体とされ、
    前記燃料インジェクタ本体（１２）が、前記コネクタ本体（２８）の相補的なメス型下側先端に係合するオス型円筒状部分を有しており、
    前記燃料インジェクタ本体（１２）が、環状溝（１０６）を備えており、
    金属製インサート（５６）の突出部分が、前記電気コネクタ組立体（１８）が所定位置において前記燃料インジェクタ本体（１２）に固定されるように、前記環状溝（１０６）の内部において湾曲されていることを特徴とする請求項１９又は２０に記載の燃料インジェクタ（１０）。
22. 前記電気コネクタ組立体（１８）が、請求項１５に記載の電気コネクタ組立体とされ、
    前記燃料インジェクタ本体（１２）が、前記コネクタ本体（２８）の相補的なメス型下側先端に係合するオス型円筒状部分を有しており、
    前記燃料インジェクタ本体（１２）が、第１の軸線（Ａ１）に対して垂直とされる環状ディスク面を備えており、
    金属製インサート（５６）の突出部分が、前記電気コネクタ組立体（１８）が所定位置において前記燃料インジェクタ本体（１２）に固定されるように、前記環状ディスク面に溶接されていることを特徴とする請求項１９又は２０に記載の燃料インジェクタ（１０）。
23. 前記電気コネクタ組立体（１８）が、請求項１５に記載の電気コネクタ組立体とされ、
    前記燃料インジェクタ本体（１２）が、前記コネクタ本体（２８）の相補的なメス型下側先端に係合するオス型円筒状部分を有しており、
    前記コネクタ本体（２８）と前記燃料インジェクタ本体（１２）との両方が、相補的な位置合わせされたラジアル方向穴（１００，１０２）を備えており、
    ピン（１０４）が、前記電気コネクタ組立体（１８）が所定位置において前記燃料インジェクタ本体（１２）に固定されるように、前記ラジアル方向穴（１００，１０２）に挿入されていることを特徴とする請求項１９又は２０に記載の燃料インジェクタ（１０）。
24. 請求項２３に記載の燃料インジェクタを組み立てるための方法であって、
    長手方向に沿って延在している円筒状の燃料インジェクタ本体（１２）であって、前記燃料インジェクタ本体の先端において開口している内部ボアを有している前記燃料インジェクタ本体を準備するステップと、
    請求項１７又は１８に記載の電気コネクタ組立体を準備するステップと、
    アクチュエータを前記燃料インジェクタ本体に配置させるステップであって、導線が、前記内部ボアの内部において延在していると共に前記内部ボアの開口部を貫通して延在している前記アクチュエータに接続するステップと、
    前記電気コネクタ組立体の前記コネクタ本体を前記内部ボアの先端に組み付けるステップと、
    前記コネクタ本体を前記燃料インジェクタ本体（１２）に固定するステップと、
    前記電気接点の前記内側先端を前記アクチュエータの前記導線に接続するステップと、
    密閉カバーを前記コネクタ本体（２８）の開いた上側先端に配置させるステップと、
    を備えている前記方法において、
    前記電気接点が、前記密閉カバーの一部分と前記電気接点の一部分とが相補的に係合することによって、所定位置にロックされ、
    前記密閉カバーが、前記上側先端を密閉状態で閉じることを特徴とする方法。

Images