JP6497227B2 - 樹脂配管及び樹脂配管の製造方法 - Google Patents
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Description
燃料電池スタックの両端には、ステンレス鋼などの金属材料からなるエンドプレートがそれぞれ設けられている。
図3に示すように、外側ケース20の裏面には、上記先端開口22に連通するとともに酸化ガス供給路13を形成する凹部27と、上記先端開口24に連通するとともに冷却水排出路14を形成する凹部28とが形成されている。
本実施形態では、外側ケース20の裏面に形成された接合部29A,29B,29Cと、中間ケース30の表面に形成された接合部39A,39B,39Cとが後述するレーザ溶着により互いに接合されることによりこれらケース20,30の間がシールされる。
中間ケース30の裏面には、上記開口36Aを全周にわたって囲む第1ガスケット溝31、上記開口36Bを全周にわたって囲む第2ガスケット溝32、及び上記凹部301を全周にわたって囲む第3ガスケット溝33が形成されている。これらガスケット溝31,32,33はいずれも異形環状をなしている。
図6に示すように、第1ガスケット51は、第1ガスケット溝31の形状に対応した異形環状の本体部511と、本体部511の外周面から同図の左方に向けて延びるとともに、2つの連通溝34にそれぞれ配置される2つの延設片512とを有している。
図10及び図11に矢印にて示すように、外側ケース20の裏面と中間ケース30の表面とを付き合わせた状態で、中間ケース30の裏面に形成されたガスケット溝31,32,33の底面311,321,331、連通溝34,35の底面、及び非重畳部Xに対応する部位に対して、底面311,321,331に直交する方向に沿ってレーザ光が照射される。ここで、外側ケース20及び中間ケース30は共に、レーザ光を透過するとともにその一部を吸収する樹脂材料によって形成されていることから、外側ケース20の接合部29A,29B,29Cと中間ケース30の接合部39A,39B,39Cとが共に溶融されて接合される。
続いて、中間ケース30の挿通孔302に図示しない複数のボルトをそれぞれ挿通するとともに、これらボルトをエンドプレート10のボルト孔102に螺入することにより、外側ケース20及び中間ケース30がエンドプレート10に連結される。このようにして外側ケース20、中間ケース30、及び内側ケース40が一体化されることで、樹脂配管12が形成される。また、中間ケース30と内側ケース40との間はガスケット溝31,32,33に配設されたガスケット51,52,53によってシールされる。
外側ケース20の外表面には、各流路13,14に対応した複雑な凹凸形状が存在するため、外側ケース20の外表面側からレーザ光を照射すると、レーザ光の吸収によって溶融される部位の厚さが位置によってばらつくこととなり、外側ケース20と中間ケース30との溶着強度が位置によってばらつくこととなる。
(1)外側ケース20及び中間ケース30の接合部29A,29B,29C,39A,39B,39Cの少なくとも一部は、中間ケース30の裏面に形成されたガスケット溝31,32,33の底面311,321,331を同底面311,321,331に直交する方向に沿って投影した投影面と重なって延びている。また、中間ケース30におけるガスケット溝31,32,33の底面311,321,331と接合部29A,29B,29C,39A,39B,39Cとの間の肉厚が一定とされている。このため、接合部29A,29B,29C,39A,39B,39Cの溶け量が位置によってばらつくことを抑制することができ、外側ケース20と中間ケース30との溶着強度が位置によってばらつくことを抑制することができる。よって、樹脂配管12の設計の自由度を向上させることが容易にできる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・外側ケース20及び中間ケース30とは異なる樹脂材料によって内側ケース40を形成することもできる。
・シール材は軟質合成樹脂製のガスケットに限定されない。要するに、ガスケット溝に配置されて中間ケース30と内側ケース40との間をシールするものであればよく、金属製のガスケットでもよいし、流動性を有するシール剤であってもよい。
Claims (6)
- 樹脂製の第1ケースと、前記第1ケースに接合された樹脂製の第2ケースとを備える樹脂配管において、
前記第1ケースと前記第2ケースとの間には、レーザ溶着により互いを接合するとともにこれらケースの間をシールする接合部が形成され、
前記第2ケースにおける前記接合部とは反対側の面には、シール部材が配置されるシール溝が形成され、
前記接合部の少なくとも一部は、前記シール溝の底面を同底面に直交する方向に沿って投影した投影面と重なって延びており、
前記第2ケースにおける前記シール溝の底面と前記接合部との間の肉厚が一定とされている、
樹脂配管。 - 前記第2ケースには複数の前記シール溝が設けられ、
互いに隣り合う前記シール溝の間には、同シール溝の各々を連通する連通溝が形成され、
前記接合部は、前記連通溝の底面を同底面に直交する方向に沿って投影した投影面と重なって延びており、
前記第2ケースにおける前記連通溝の底面と前記接合部との間の肉厚が、前記シール溝の底面と前記接合部との間の前記肉厚と等しくされている、
請求項1に記載の樹脂配管。 - 前記シール部材は、シール溝に配置される環状の本体部と、前記本体部の外周面から延びるとともに前記連通溝に配置される延設片と、を有している、
請求項2に記載の樹脂配管。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載の樹脂配管において、
燃料電池スタックの一端に設けられるエンドプレートの貫通孔に一体形成された樹脂製の第3ケースを更に備え、
前記第2ケースと前記第3ケースとの間が前記シール溝に配設された前記シール部材によってシールされている、
樹脂配管。 - 前記第1ケース及び前記第2ケースは、レーザ光を透過するとともにその一部を吸収し、レーザ光の透過率及び吸収率が同じである樹脂材料によって形成されている、
請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載の樹脂配管。 - いずれも樹脂製の第1ケース及び第2ケースを互いに接合して樹脂配管を製造する樹脂配管の製造方法であって、
前記第2ケースにおける前記第1ケースとの接合部が形成される面とは反対側の面にシール溝を形成し、
前記接合部の少なくとも一部を、前記シール溝の底面を同底面に直交する方向に沿って投影した投影面に重なって延びるように設定し、
前記シール溝の底面に対してレーザ光を照射することによって前記第1ケースと前記第2ケースとをレーザ溶着により接合する、
樹脂配管の製造方法。
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