JP7181726B2 - 引手補助具、引手およびファスナースライダー - Google Patents
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Description
スライダープーラーは、長尺の延長部と、延長部の端部に連続したヘッド部とによって構成されており、ヘッド部にはリング部が形成されている。このスライダープーラーは、リング部をハンドル部の孔に通過させ、リング部によって形成された挿入孔に延長部を挿入することで、ハンドル部に装着されている。このようにスライダープーラーを装着することで把持し易くなって、ジッパースライダーを引っ張り易くなり、また、ハンドル部にスライダープーラーを装着することで、ロゴやデザインなどをスライダープーラーに加飾可能な構成にできる。
また、スライダープーラーの可撓性によってリング部および延長部によって構成されるループ部分に撓みが生じるおそれがある。この撓みの発生を解消するため、ジッパースライダーのハンドル部に対して縫製によって装着されるスライダープーラーを採用することが考えられるが、スライダープーラーの縫製自体に手間を要する。
本発明の引手補助具によれば、引手補助部を引手本体の装着孔に挿入して肩部を弾性変形しながら装着孔に通過させるだけで、環状凹溝に当該装着孔を形成する周縁部を係合でき、これにより、引手補助具を引手本体に簡単に装着することができる。
また、引手補助具によれば、環状凹溝が引手本体のうち装着孔を形成する周縁部に係合するので、例えば前述した特許文献1のスライドプーラーのようにリング部および延長部によって構成されるループ部分に生じるような撓みが発生することがなく、引手本体に対する装着状態を安定させることができる。
このような構成によれば、肩部、頭部および首部が弾性変形可能となるので、引手補助具を引手本体に装着する際に肩部を装着孔に対して、より通過させ易くなる。また、環状凹溝が弾性変形可能な肩部、頭部および首部によって形成されることとなるので、引手補助具を引手本体にぴったりと係合させることができる。
このような構成によれば、引手補助部を引手本体の装着孔に通過させる際に、引手補助部の全体を撓めることができ、例えば引手補助部のうち肩部を除く部分が金属製などで弾性変形しない構成とされる場合と比べて、引手補助部の装着孔に対する挿入性を向上できる。
このような構成によれば、把持部の幅寸法が肩部の最大幅寸法よりも小さい寸法とされるので、把持部を引手本体の装着孔に円滑に挿入することができ、引手補助具の引手本体に対する装着作業性を向上できる。
このような構成によれば、引手補助部を引手本体の装着孔に通過させる際、引手補助部を装着孔に滑り込ませながら円滑に弾性変形を生じさせることができ、肩部を装着孔に容易に通過させることができる。
このような構成によれば、引手補助具が引手本体に装着された状態で引手補助部の把持部が引き操作される際に、頭部の前記突出した部分が引手本体に圧接することで、引手補助具の引手本体からの脱落を抑制する頭部による裏当機能を向上することができる。
本発明の引手によれば、前述した本発明の引手補助具の作用効果と同様の作用効果を発揮できる引手を構成できる。
本発明のファスナースライダーによれば、前述した本発明の引手の作用効果と同様の作用効果を発揮できるファスナースライダーを構成できる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1~図3において、本実施形態に係るファスナースライダー1は、図示しない一対のファスナーストリンガーに沿ってスライド移動することでこれらを連結するスライドファスナーを構成するための部品である。ファスナースライダー1は、上板部11、下板部12およびこれらを連結した連結柱部13を有したスライダー胴体10と、上板部11に設置された取付柱部14に取り付けられた引手20とを備えている。スライダー胴体10は、本実施形態では金属製であるが硬質樹脂製やセラミックス製であってもよい。
以下の説明において、ファスナースライダー1の上下方向(スライド方向)をX軸方向とし、ファスナースライダー1の左右方向をY軸方向とし、ファスナースライダー1の厚さ方向をZ軸方向とする。X,Y,Z軸方向は互いに直交する。
引手本体30は平板状に形成されており、引手本体30のX軸方向における下部はY軸方向に幅広な装着部31として構成されており、この装着部31には、Y軸方向の最大幅寸法W1を有した横長楕円孔状の装着孔32が形成されている(図2および図3参照)。また、引手本体30のX軸方向における上部には取付柱部14が挿通された矩形孔状の取付孔33が形成されている。この引手本体30は、本実施形態では金属製であるが硬質樹脂製やセラミックス製であってもよい。
引手補助具40は、図4から図6に示すように、X軸方向に長尺の引手補助部41と、引手補助部41のX軸方向における上端側(一端側)に形成された肩部42に対してZ軸方向に対向して配置された頭部51と、肩部42および頭部51を一体に連結した首部61とを有している。
以下、本実施形態のファスナースライダー1における引手補助具40の装着手順について説明する。
先ず、図2に示すように、引手本体30の裏面側から装着孔32に対して引手補助具40の把持部43を挿通させる。続いて、把持部43を引き下げて、図3に示すように肩部42のY軸方向における両側部を装着部31のY軸方向における両側部に当接させ、更に把持部43を引き下げることで、肩部42に弾性変形を生じさせながら装着孔32を通過させる。このとき、肩部42が元の形状に戻ることで、引手補助具40の環状凹溝70に引手本体30の装着部31が係合した状態となり、首部61は装着孔32に嵌り、肩部42および頭部51の前述した対向面421,511は装着部31における表面および裏面に当接する。このようにして、引手補助具40を引手本体30に装着する。
(1)前記実施形態では、引手補助具40は、ファスナースライダー1の引手本体30に形成された装着孔32に装着されるものであって、装着孔32に挿通可能であると共に一端側に肩部42を有した長尺の引手補助部41と、引手補助部41の厚さ方向において肩部42に対向して配置された頭部51と、肩部42および頭部51を連結した首部61とを有しており、引手補助部41のうち少なくとも肩部42が弾性材料によって形成されており、肩部42、頭部51および首部61によって、装着孔32を形成する周縁部である装着部31に係合可能な環状凹溝70が形成されている。
上記構成を有するため、引手補助部41を引手本体30の装着孔32に挿入して肩部42を弾性変形しながら当該装着孔32に通過させるだけで、環状凹溝70を装着部31に係合でき、これにより、引手補助具40を引手本体30に簡単に装着することができる。
また、引手補助具40では、環状凹溝70が引手本体30の装着部31に係合するので、引手本体30に対する装着状態を安定させることができる。
(2)肩部42、頭部51および首部61が弾性材料によって一体に形成されているので、肩部42、頭部51および首部61が弾性変形可能となるので、引手補助具40を引手本体30に装着する際に肩部42を装着孔32に対して、より通過させ易くなる。また、環状凹溝70が弾性変形可能な肩部42、頭部51および首部61によって形成されることとなるので、引手補助具40を引手本体30にぴったりと係合させることができる。
(3)引手補助部41の全体が弾性材料によって形成されているので、引手補助部41を引手本体30の装着孔32に通過させる際に、引手補助部41の全体を撓めることができ、例えば引手補助部41のうち肩部42を除く部分が金属製などで弾性変形しない構成とされる場合と比べて、引手補助部41の装着孔32に対する挿入性を向上できる。
(4)引手補助部41は、その長手方向において肩部42よりも他端側の部分を把持部43として構成されており、把持部43の幅寸法W2は、肩部42の最大幅寸法W3よりも小さい寸法とされている。
このため、把持部43の幅寸法W2を引手本体30の装着孔32の最大幅寸法W1よりも小さい寸法にでき、これにより、把持部43を装着孔32に円滑に挿入することができ、引手補助具40の引手本体30に対する装着作業性を向上できる。
(5)引手補助部41の幅寸法が、把持部43から肩部42に向かって漸増しているので、引手補助部41を引手本体30の装着孔32に通過させる際、引手補助部41を装着孔32に滑り込ませながら円滑に弾性変形を生じさせることができ、肩部42を装着孔32に容易に通過させることができる。
(6)引手補助部41は、その長手方向において肩部42よりも他端側の部分を把持部43として構成されており、頭部51は、引手補助部41の長手方向において肩部42よりも把持部43から離れる方向に突出して形成されている。
このため、引手補助具40が引手本体30に装着された状態で引手補助部41の把持部43が引き操作される際に、頭部51の前記突出した部分が引手本体30に圧接することで、引手補助具40の引手本体30からの脱落を抑制する頭部51による裏当機能を向上することができる。
(7)引手本体30に引手補助具40を装着することで引手20を長い寸法にでき、このため、引手20を視認し易くなり、一対のファスナーストリンガーを連結等するためにファスナースライダー1をスライド移動させる際に把持し易く且つスライド移動させる力を入れ易い構成にできる。なお、引手補助具にロゴやデザインなどの加飾が施されていてもよい。
本発明は、以上の実施形態で説明した構成のものに限定されず、本発明の目的を達成できる範囲での変形例は、本発明に含まれる。
前記実施形態では、引手補助具40の全体が弾性材料によって一体に形成されているが、これに限らず、例えば、把持部43が金属材料等によって形成されて弾性変形しない構成とされてもよく、また、頭部51や首部61が金属材料等によって形成されて弾性変形しない構成とされてもよく、更に、引手補助具40の肩部42だけが弾性材料によって形成され、肩部42を除く部分全体が金属材料等によって弾性変形しない材料によって構成されていてもよい。
前記実施形態では、引手補助部41のY軸方向における幅寸法は、把持部43から肩部42に向かうにつれて漸増しているが、肩部42が弾性変形しながら装着孔32を通過できる形状であればよく、例えば把持部43から肩部42に差し掛かる部分では幅寸法が大きくなるように段部を形成していてもよい。
前記実施形態では、頭部51は肩部42よりも上方に突出して形成されているが、これに限らず、頭部51が肩部42よりも上方に突出して形成されていなくても、引手本体30の裏面に当接する裏当てとしての機能を発揮できればよい。
Claims (7)
- ファスナースライダー(1)の引手本体(30)に形成された装着孔(32)に装着される引手補助具(40)であって、
前記装着孔(32)に挿通可能であると共に一端側に肩部(42)を有した長尺の引手補助部(41)と、
前記引手補助部(41)の長手方向および幅方向に直交する厚さ方向において前記肩部(42)に対向して配置された頭部(51)と、
前記肩部(42)および前記頭部(51)を連結した首部(61)とを有しており、
前記引手補助部(41)のうち少なくとも前記肩部(42)が弾性材料によって形成されており、
前記肩部(42)、前記頭部(51)および前記首部(61)によって、前記装着孔(32)を形成する周縁部(31)に係合可能な環状凹溝(70)が形成されており、
前記引手補助部(41)は、その長手方向において前記肩部(42)よりも他端側の部分を把持部(43)として構成されており、
前記把持部(43)の幅寸法は、前記肩部(42)の最大幅寸法よりも小さい寸法とされている
ことを特徴とする引手補助具。 - 前記引手補助部(41)の幅寸法は、前記把持部(43)から前記肩部(42)に向かって漸増している
ことを特徴とする請求項1に記載の引手補助具。 - ファスナースライダー(1)の引手本体(30)に形成された装着孔(32)に装着される引手補助具(40)であって、
前記装着孔(32)に挿通可能であると共に一端側に肩部(42)を有した長尺の引手補助部(41)と、
前記引手補助部(41)の長手方向および幅方向に直交する厚さ方向において前記肩部(42)に対向して配置された頭部(51)と、
前記肩部(42)および前記頭部(51)を連結した首部(61)とを有しており、
前記引手補助部(41)のうち少なくとも前記肩部(42)が弾性材料によって形成されており、
前記肩部(42)、前記頭部(51)および前記首部(61)によって、前記装着孔(32)を形成する周縁部(31)に係合可能な環状凹溝(70)が形成されており、
前記引手補助部(41)は、その長手方向において前記肩部(42)よりも他端側の部分を把持部(43)として構成されており、
前記頭部(51)は、前記引手補助部(41)の長手方向において前記肩部(42)よりも前記把持部(43)から離れる方向に突出して形成されている
ことを特徴とする引手補助具。 - 前記肩部(42)、前記頭部(51)および前記首部(61)が弾性材料によって一体に形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の引手補助具。 - 前記引手補助部(41)は、その全体が弾性材料によって形成されている
ことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の引手補助具。 - 請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の引手補助具と、
前記引手補助具(41)が装着された装着孔(32)を有した引手本体(30)とを備えている
ことを特徴とする引手。 - 請求項6に記載の引手(20)と、
前記引手(20)の引手本体(30)が取り付けられたスライダー胴体(10)とを備えている
ことを特徴とするファスナースライダー。
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