JPH077772Y2 - スライドフアスナ−用スライダ−の飾り引手 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、例えばカバンなどに取付けてあるスライドフ
ァスナーのスライダーに付ける飾り引手に関する。

（従来の技術） 飾り引手はスライダーに既に設けてある引手あるいは引
手取付け環に取付けるもので、装飾のほかに摘み易くス
ライダーの摺動操作を容易にる機能をもつものである。
ところで従来の飾り引手として一般に知られているもの
は、合成樹脂あるいは皮革製の帯状板よりなり、これを
スライダーの既設引手に取付ける場合には、既設引手の
後端にあけてある窓孔に前記帯状の飾り引手を差し通し
て二つ折りに反転し、その上下部を互いに縫い付ける
か、あるいは鳩目金具で一体的に連結する手段で取付け
ている。

（考案が解決すべき問題点） 上述の連結手段で既設引手に飾り引手を取付ける操作
は、カバンなどの製造メーカー側で一々行なうものであ
るから、手間が掛ると共にコスト高になる欠点があり、
また、使用中に縫糸が摺れてほつれたり、鳩目金具の加
締めた部分が緩み、その端が指に引っかかって傷付ける
こともあった。

本考案は以上の問題点を解決すべく開発したもので、使
用者でも簡単な操作で既設引手に取付けることも出来、
しかも薄く形成しかつ堅牢となる飾り引手を提供するこ
とにある。

（問題点を解決するための手段） 本考案によるスライドファスナー用スライダーの飾り引
手は、ゴム乃至合成樹脂の帯状板よりなす主体で形成さ
れ、その長手方向の中心部で幅方向に薄肉部を形成して
中間部で折り曲げ反転できること、反転して重なる両片
中にその肉を表面側に屈曲状に突出する凹曲部を備える
こと、及び両凸曲部によってその裏側に形成された凹曲
部内にスナップ噛合する雌雄の係止部を突設したこと、
によって構成するものである。

（実施例） 本考案を具体的に説明すると、第１図と第２図にしめし
ている如く、飾り引手を構成する主体１は、合成樹脂例
えばポリエステル系樹脂、ナイロン樹脂あるいはゴム、
合成ゴムの帯状板で形成してあって、硬質であっても良
いが好ましくは柔軟性のあるもので、主体１の長手方向
の中心部に薄肉部２を巾方向全長に亘って設け、その薄
肉部２で、折り曲げて反転できるようになし、反転して
重ね合される両片1a,1bの中央部分に、第２図に明示す
るように、両片1a,1bの肉をそれぞれ同方向（表面側）
に屈曲状に突出した凸曲部3,4を設け、凸曲部３によっ
て裏側に形成される凹曲部内に凸曲部３の突出する方向
とは逆向き（裏面側）に雄の係止部５を一体に突設し、
他方の凸曲部４によって裏側に形成される凹曲部内に、
凸曲部４の突出方向とは逆向きに雌の係止部６が一体に
突設してあって、前記雌雄の係止部5,6は互いにスナッ
プ噛合可能に形成したものである。

尚、主体１を薄肉部２で折り曲げ反転した時の両片1a,1
bは適宜の意匠に応じた形状に成形すれば良く、図示の
ものは恰も三味線の撥型の如く形成したもので、機能的
には反転する部分の巾は第３図図示の如くスライダー７
の既設引手８あるいは引手取付け環（図示せず）にあけ
た窓孔９の径よりやや小さくし、未端側の巾を広くして
摘み易く形成してある。また、主体１の表面を梨地状に
粗面にしてスライダーを引きやすくしておくことが好ま
しい。尚、図中10は前記スライダー７を有するスライド
ファスナーの一部を示す。

上記構造をもつ飾り引手を既設引手８に取付ける場合に
は、展開したままの主体１を適宜変形させながら既設引
手８の窓孔９に差し通してから、薄肉部２で主体１を屈
折反転し、対向する雌雄の両係止部5,6を互いに噛合す
れば、第３図及び第４図に示すように取付けられる。そ
してスライドファスナー10を開閉する時には、第４図図
示の如く飾り引手を指で摘まんで引くものである。

（考案の効果） 本考案によるスライドファスナー用スライダーの飾り引
手は、合成樹脂製あるいは合成ゴム製の帯状板よりなる
主体がその長手方向の中間部で屈曲反転でき、反転して
重なり合う両片にその肉を曲げた凸曲部を設け、両凸曲
部によって裏面に形成される凹曲部内に互いにスナップ
噛合する雌雄の係止部を一体に設けたものであって、こ
の主体を既設引手あるいは既設環体の窓孔に通し、反転
して雌雄の両係止部を互いに噛合することにより取付け
られるため、スライダーへの取付け操作が甚だ容易にな
るものである。

また、前記雌雄の係止部は主体の平坦基板より突出した
ものでなく、主体に設けた凸曲部によって裏面に形成さ
れる凹曲部内に突設したものであるから、既設引手ある
いは環体に取付けても、係止部の部分が他の部分に比べ
て特別厚くなることがなく、全体に薄くしてしかも堅牢
な飾り引手となる。しかも凸曲部の裏の凹曲部に雌雄の
係止部が存在することから、凸曲部を強く摘んでも押し
潰れることがなく、確実な滑り止め機能を発揮するもの
である。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるスライドファスナー用スライダー
の飾り引手を示す正面図、第２図は第１図II−II線矢視
の断面図、第３図はスライダーの既設引手に飾り引手を
取付けた状態を示す斜視図、第４図は飾り引手を摘んで
引く時の状態を示す断面図である。 １…主体、２…薄肉部、3,4…凸曲部、５…雄の係止
部、６…雌の係止部、７…スライダー、８…既設引手、
９…窓孔、10…スライドファスナー

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ゴム、合成ゴムあるいは適宜合成樹脂製の
   帯状板をなす主体１よりなり、その長手方向の中心部に
   その巾方向に亘って薄肉部２を形成し、該薄肉部２で反
   転して重なる両片1a,1b中に、その肉を表面側に屈曲す
   る凸曲部3,4を備え、両凸曲部3,4によって形成される裏
   面側の凹曲部内に、互いにスナップ噛合する雌雄の係止
   部5,6を突設していることを特徴とするスライドファス
   ナー用スライダーの飾り引手。