JP7181719B2 - 肉まんの保温中の風味劣化を抑制する方法 - Google Patents
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Description
そして、肉まんやシュウマイの中具に、赤ワインを適量添加することで、むれ臭や酸化臭を大幅に抑制することを見出した。また、中具に老酒または加熱処理した酵母エキスを添加することで、ショウガ、香辛料などの香気成分を大きく増加させて、それによりむれ臭等をマスキングすることを見出した。
(1)肉まんまたはシュウマイの中具に、ポリフェノール含量250mg/100ml以上のワイン、老酒、または加熱処理した酵母エキスを配合する、肉まんまたはシュウマイの保温による風味劣化の抑制方法。
(2)肉まんまたはシュウマイの中具に、ポリフェノール含量250mg/100ml以上のワインおよび老酒もしくは加熱処理した酵母エキスを配合する、肉まんまたはシュウマイの保温による風味劣化の抑制方法。
添加する食品素材は、ワイン、老酒または加熱処理した酵母エキスであり、いずれも一般に食品として用いられているものであるため、安価で使用が簡単で、かつ安全性の高いものである。
ポリフェノール含量が低いワインを用いた場合、効果が出にくく、添加量を増やすとワインの味が目立って肉まん等の風味を損なうことがある。
ポリフェノールの測定方法としては、フォーリン・デニス(Folin-Denis)法を用いる。
加熱処理した酵母エキスを配合する場合、その配合量は、他の具材に対して0.05~0.2重量%であることが望ましい。
さらに必要に応じて、油脂類、ゲル化剤、澱粉類、糖類、甘味料、香辛料、香料、色素等を配合することもできる。
玉ねぎ2個、タケノコ水煮400g、しいたけ8枚のみじん切りをサラダ油で炒め、豚挽き肉800gを加えて色が変わるまで炒めた。これに水600ml、鶏がらスープのもと小さじ4、塩小さじ2、砂糖大さじ4、醤油100ml、おろしショウガ小さじ4を入れて煮詰めて、汁が3分の2になったところでごま油大さじ4を入れた。火を弱めて、片栗粉大さじ6を水180mlに溶かしたものを回し入れて、とろみをつけ、肉まんの中具を製した。
中具に対して、ポリフェノールを490mg/100ml含有する赤ワイン「アルボーノ(登録商標)PR赤」(MCフードスペシャリティーズ社製)を0.5重量%添加混合したものをサンプル1とした。
中具に対して、老酒調整品「厨用紹興料酒」(MCフードスペシャリティーズ社製)を0.5重量%添加混合したものをサンプル2とした。
中具に対して、酵母エキス「クックアップ(登録商標)FT-D」(MCフードスペシャリティーズ社製)を0.1重量%添加混合したものをサンプル3とした。
外皮を外して、それぞれの具について、ヘッドスペース・ガスクロマトグラフィーを用いて、香気成分の量を測定した。測定した香気成分は、むれ臭と考えられるイソバレルアルデヒド、酸化臭であるヘキサナール、ショウガや香辛料の香気成分であるカンフェンと1,8-シネオールである。
コントロールサンプル(具に何も添加しなかったもの)の不快臭について見ると、むれ臭のイソバレルアルデヒドの量は4時間保温後には保温前の129%、8時間保温後には164%に増大し。また、酸化臭のヘキサナールは4時間保温後には109%、8時間保温後には180%に増大した。
実施例1と同様にして作られた肉まんの中具に、何も加え無いものをコントロールのサンプルとした。
具に対して、ポリフェノールを490mg/100ml含有する赤ワイン「アルボーノ(登録商標)PR赤」(MCフードスペシャリティーズ社製)を0.5重量%添加混合したものをサンプル4とした。
具に対して、老酒調整品「厨用紹興料酒」(MCフードスペシャリティーズ社製)を0.5重量%添加混合したものをサンプル5とした。
具に対して、酵母エキス「クックアップ(登録商標)FT-D」(MCフードスペシャリティーズ社製)を0.1重量%添加混合したものをサンプル6とした。
具に対して、赤ワイン「アルボーノ(登録商標)PR赤」を0.4重量%、老酒調整品「厨用紹興料酒」を0.4重量%添加混合したものをサンプル7とした。
具に対して、緑茶粉末(ポリフェノール含量218mg/g、うちカテキン含量142mg/g)0.012重量%添加混合したものをサンプル8とした。
具に対して、白ワイン(ポリフェノール含量56mg/100ml)を0.5重量%添加混合したものをサンプル9とした。
それぞれを、保温していないコントロールサンプルを同じ温度にしたものと比較して、その差についてコメントした。
8時間保温後のコントロールサンプルは、むれた臭い、脂の酸化した臭いを強く感じ、保温前と比べると明らかに風味が劣化していた。
8時間保温後のサンプル4(赤ワインを添加したもの)は、むれ臭や酸化臭は顕著に低減されており、全体的に香りが抑えられていた。
8時間保温後のサンプル5(老酒を添加したもの)は、むれ臭や酸化臭は低減され、中華風の芳しい香りがした。
8時間保温後のサンプル6(酵母エキスを添加したもの)は、むれ臭や酸化臭は低減され、酵母エキス特有の甘い香りがした。
8時間保温後のサンプル7(赤ワインと老酒を添加したもの)は、むれ臭や酸化臭はほぼ完全に抑えられ、ショウガや香辛料のような芳香は残っており、保温による風味劣化をほとんど感じなかった。
8時間保温後のサンプル8(緑茶粉末を添加したもの)は、むれ臭や酸化臭はある程度低減されていたが、サンプル4に比べると、酸化臭が強めに感じられ、また後味に苦味も感じられた。
8時間保温後のサンプル9(白ワインを添加したもの)は、むれ臭は多少減少しているように感じられたが、酸化臭はコントロールサンプルと同程度であった。
Claims (1)
- 肉まんまたはシュウマイの中具にポリフェノール含量250mg/100ml以上のワイン、および老酒または加熱処理した酵母エキスを配合する、肉まんまたはシュウマイの保温による風味劣化の抑制方法。
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JP2003169627A (ja) | 2001-12-11 | 2003-06-17 | Kohjin Co Ltd | 調味料の製造方法 |
WO2013140901A1 (ja) | 2012-03-21 | 2013-09-26 | アサヒグループホールディングス株式会社 | 酵母エキス加熱反応調味料 |
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