JP7181677B2 - 包装体 - Google Patents

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Description

本発明は、液体またはゲル状物質などを包装する包装体に関する。
熱可塑性樹脂は、多様な特性を発現させることができるため、様々な用途に使用されている。
たとえば、特許文献1には、ショアーA硬度計で測定した押針接触開始直後の表面硬度が40未満の低硬度な成形体層と、ショアーA硬度計で測定した押針接触開始直後の表面硬度が40~99のシート層と、を有する積層体が記載されている。特許文献1によれば、上記積層体は、低硬度な成形体層と、形体追従性および応力緩和性に優れたシート層とが積層されるため、成形体層が有する衝撃吸収性およびクッション性を有しつつ、低高度な成形体層単独では衝撃を逃がしきれないような高加重での使用にも耐えられるとされている。
また、特許文献2には、極限粘度[η]、Mw/Mnおよびtanδの最大値を調整することで、ポリオレフィン系樹脂発泡体の衝撃吸収性が高まると記載されている。
特開2016-022693号公報 特開2014-001346号公報
特許文献1および特許文献2に記載のように、熱可塑性樹脂組成物は、衝撃吸収性およびクッション性などの様々な特性を発現させることができる。
熱可塑性樹脂組成物に特定の特性を発現させて、さらに新しい用途に用いることは、熱可塑性樹脂組成物の応用範囲を広げ、技術の進歩に帰することが大きいと期待される。
上記の課題に鑑み、本発明は、熱可塑性樹脂組成物の新しい用途を提供することをその目的とする。
上記課題を解決するための本発明は、以下の包装体に関する。
[1]熱可塑性樹脂組成物を主成分とする軟質層を含むシートを袋状に成形してなり、前記熱可塑性樹脂組成物の、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値は、10以上90以下であり、内部に液体またはゲル状物質を含み、水まくら、ウオーターマットレス、冷却・保冷・吸熱剤、保水パック、アイシート、文房具のグリップ、健康器具、玩具、スポーツ用品、線路まくら木のクッション材、可変パット衝撃吸収バック、香料徐放バック、入浴剤用香料徐放シート、または意匠性包装材である、包装体。
[2]前記熱可塑性樹脂組成物は発泡体である、[1]に記載の包装体。
[3]前記熱可塑性樹脂組成物は、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(A-i)および4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数2~20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα-オレフィンから導かれる構成単位(A-ii)を含み、任意に非共役ポリエンから導かれる構成単位(A-iii)を含んでもよい、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体であって、構成単位(A-i)、(A-ii)および(A-iii)の合計を100モル%としたときに、構成単位(A-i)を55モル%以上85モル%以下、構成単位(A-ii)を15モル%以上45モル%以下、構成単位(A-iii)を0モル%以上10モル%以下含む、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)と、前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(B)と、を含有する組成物である、[1]または[2]に記載の包装体。
[4]前記シートは積層体である、[1]~[3]のいずれかに記載の包装体。
[5]前記積層体は、さらにガスバリア層を含む、[4]に記載の包装体。
[6]前記シートは、内部が密閉された袋状に成形された、[1]~[5]のいずれかに記載の包装体
]内部に水を含む、[1]~[6]のいずれかに記載の包装体。
]内部に吸水性ポリマーをさらに含む、[1]~[7]のいずれかに記載の包装体。
本発明によれば、熱可塑性樹脂組成物の新しい用途が提供される。
本発明の一実施形態に係る液体用の包装体は、熱可塑性樹脂組成物を主成分とする軟質層を含むシートを袋状に成形してなる、包装体である。上記包装体は、内部が中空状となっており、上記中空状の内部に液体を保持可能に構成されている。
上記包装体は、たとえば、1枚または複数の上記シートの端部を接合して成形される。このとき、上記包装体は、すべての端部が接合されて、内部が密閉された袋状に成形されてもよい。また、端部の一部を接合せずに設けられた開口、または袋状に成形した後に上記シートの一部を切断等して設けられた開口を有し、上記開口から液体を注入および排出可能としてもよい。このとき、上記開口に包装体の内部を密閉状態とするためのキャップを装着可能なキャップ装着部をさらに設けてもよい。
上記シートは、上記熱可塑性樹脂組成物を成形してなる軟質層のみの単層のシートであってもよいし、上記軟質層以外の層を含む積層体であってもよい。
1.軟質層
上記軟質層は、以下の特性を有する熱可塑性樹脂組成物を主成分とする。これにより、上記包装体は、内部に水およびゲル状物質などの粘度の低い物質を含んだときでも全体としてゲル様の手触りを有する。なお、主成分とするとは、実質的に上記熱可塑性樹脂組成物のみからなるが、上記熱可塑性樹脂組成物による以下の特性が十分に発現され、包装体が内部に上記粘度の低い物質を含むときでもゲル様の手触りを発現させやすくできるかぎりにおいて、不可避的に含まれる他の成分を含んでもよいことを意味する。
要件(I):
JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値は、5以上90以下である。
上記押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値が5以上である熱可塑性樹脂は、内部に液体を含む包装体としたときに、内部の液体からの応力を受けて軟化する。また、上記押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値が90以下である熱可塑性樹脂は、内部に液体を含む包装体としたときに、内部の液体からの応力を受けても過剰に軟化することはない。そのため、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値が上記範囲である熱可塑性樹脂を成形してなるシートを含む包装体は、内部に水およびゲル様物質などの粘度の低い物質を含む包装体としたときでも、内部の液体からの応力を受けて適度に軟化し、ゲル様の手触りを発現しやすい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値は10以上70以下であることが好ましく、15以上50以下であることがより好ましい。
ショアーA硬度は、厚さ3mmのプレスシートを測定試料として用い、JIS K6253に準拠してショアーA硬度計で測定して求めることができる。ただし、熱可塑性樹脂組成物のショアーA硬度の測定が困難である場合は、代わりにショアーD硬度計を用いて測定したショアーD硬度を、その熱可塑性樹脂組成物のショアーA硬度と推定してもよい。
上記熱可塑性樹脂組成物は、以下のいずれかまたは複数の特性をさらに有することが好ましい。
要件(II):
JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始直後のショアーA硬度の値と、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値と、の間の変化量ΔHSが5以上50以下である。
ΔHSが5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力の印加によって変形させやすい。また、ΔHSが50以下である熱可塑性樹脂組成物は、応力を印加しても過剰に変形することがない。そのため、ΔHSが上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、形状追従性が高く、内部に液体を含む包装体としたときに、内部の液体からの応力によって適度に軟化してゲル様の手触りを発現しやすい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のΔHSは5以上45以下であることが好ましく、10以上40以下であることがより好ましい。
要件(III):
10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδのピーク値が0.5以上5.0以下である。
tanδのピーク値が5.0以下である熱可塑性樹脂組成物は、応力の印加によって変形させやすい。また、tanδのピーク値が0.5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力を印加しても過剰に変形することがない。また、tanδのピーク値が0.5以上である熱可塑性樹脂組成物は、応力吸収性が高い。そのため、tanδのピーク値が上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、形状追従性および応力吸収性が高いため、内部に液体を含む包装体としたときにゲル様の手触りを発現しやすい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物のtanδのピーク値は0.5以上3.0以下であることが好ましく、0.8以上3.0以下であることがより好ましい。
なお、包装体の常温での衝撃吸収性を高める観点からは、上記tanδがピーク値となる温度は5℃以上40℃以下であることが好ましい。好ましくは上記tanδがピーク値となる温度は10℃以上40℃以下、さらに好ましくは上記tanδがピーク値となる温度は20℃以上40℃以下である。tanδピーク温度が上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、体温の前後で包装体の硬さが大きく変化することとなり、触った時の感触の変化や応力緩和性が高くなり、液体やゲル状物質を封入した時の感触がさらに軟らかいゲル様になる。
tanδは、上記貯蔵弾性率の測定時に得られる貯蔵弾性率(G’)と損失弾性率(G”)との比(G”/G’:損失正接)から算出することができる。このとき、0~30℃の範囲でtanδがピーク値(最大値)となる際の温度を、上記tanδがピーク値となる温度とし、その際のtanδの値を上記tanδのピーク値とする。なお、上記ピークは、熱可塑性樹脂組成物のガラス転移温度に起因すると考えられる。
要件(IV):
23℃において、JIS K7161で測定される引張弾性率またはJIS K7171で測定される曲げ弾性率が10MPa以上900MPa以下である。
上記引張弾性率または曲げ弾性率が10MPa以上である熱可塑性樹脂組成物は、内部に液体を含む包装体としたときに、内部の液体からの応力による破断が生じにくい。また、上記引張弾性率または曲げ弾性率が900MPa以下である熱可塑性樹脂組成物は、適度に軟いため、内部に液体を含む包装体としたときに、内部の液体からの応力によって変形しやすい。そのため、上記引張弾性率または曲げ弾性率が上記範囲である熱可塑性樹脂組成物は、内部に液体を含む包装体としたときに、包装体の破損を抑制しつつ、ゲル様の手触りを発現させやすい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記引張弾性率または曲げ弾性率は10以上600以下であることが好ましく、30以上500以下であることがより好ましい。
要件(V):
ASTM D 412に準拠して測定される引裂強度が、5N/mm以上である。
上記引裂強度が10N/mm以上である熱可塑性樹脂組成物は、内部に液体を含む包装体としたときに、内部の液体からの応力による破損が生じにくい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記引裂強度は20N/mm以上であることが好ましく、24N/mm以上であることがより好ましい。
要件(VI):
JIS K7107に準拠して測定した23℃での圧縮応力緩和率が10%以上である。
上記圧縮応力緩和率が10%以上である熱可塑性樹脂組成物は、形状追従性および応力吸収性が高いため、内部に液体を含む包装体としたときにゲル様の手触りを発現しやすい。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の上記圧縮応力緩和率は15%以上であることが好ましく、20%以上であることがより好ましい。
圧縮応力緩和率は、上記熱可塑性樹脂組成物から成形した厚さ2mmのプレスシートに、圧縮試験機(たとえば島津製作所製、AG-100kNX)を用いて、温度23℃で、試験片に500Nの圧縮量がかかるまで10mm/minで圧縮させて求めることができる。このとき、500Nの圧縮量がかかった状態で5分間保持させ、5分間保持した後の応力との差(緩和後応力:W5min)を圧縮量が500Nとなったときの応力(初期応力:W)で除算して得られる値(単位:%)を、上記圧縮応力緩和率とする。
要件(VII):
ASTM D 1505に準拠して測定される密度が、830kg/m以上950kg/m以下である。
密度が830kg/m以上である熱可塑性樹脂組成物は、強度および衝撃吸収性が高く、使用中の落下などによる包装体の破損を抑制できる。密度が950kg/m以下である熱可塑性樹脂組成物は、軽量であり、包装体の持ち運びや取扱いを容易にする。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の密度は840kg/m以上950kg/m以下であることが好ましく、850kg/m以上945kg/m以下であることがより好ましい。
要件(VIII):
融点(Tm)が、50℃以上160℃以下、または観測されない。
融点(Tm)が50℃以上150℃以下、または観測されない熱可塑性樹脂組成物は、成形が容易である。上記観点からは、熱可塑性樹脂組成物の融点(Tm)は70℃以上145℃以下であることが好ましく、80℃以上140℃以下であることがより好ましい。
融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC)(たとえば、セイコーインスツルメンツ社製DSC220C)を用いて測定することができる。このとき、7~12mg程度の熱可塑性樹脂組成物をアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で200℃まで加熱し、完全融解させるために試料を200℃で5分間保持し、次いで10℃/分で-50℃まで冷却し、-50℃で5分間静置した後、10℃/分で200℃まで再度加熱する。この再度の(2度目の)加熱で測定されるピーク値温度を、融点(Tm)とする。
上記熱可塑性樹脂組成物は、その柔軟性、衝撃吸収性、および衝撃緩和性などが高いため、包装体の衝撃吸収性を高めて破損しにくくしつつ、内部に水およびゲル状物質などの粘度の低い物質を含む包装体としたときでもゲル様の手触りを発現しやすいことから、発泡体であることが好ましい。
上記熱可塑性樹脂組成物は、上述した物性を満たすものであれば限定されないが、例えば、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)と、上記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(B)と、を含有する組成物とすることができる。
上記熱可塑性樹脂組成物は、その全質量に対して50質量%以上100質量%以下の4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)を含有することが好ましい。このような組成比の上記熱可塑性樹脂組成物は、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)が有する後述の特性が十分に発現されて、熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収性および柔軟性などがより高まるため、包装体の衝撃吸収性を高めて破損しにくくしつつ、内部に水およびゲル状物質などの粘度の低い物質を含む包装体としたときでもゲル様の手触りを発現しやすい。上記観点からは、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の含有量は、上記熱可塑性樹脂組成物の全質量に対して、50質量%以上95質量%以下であることが好ましく、55質量%以上90質量%以下であることがより好ましく、60質量%以上80質量%以下であることがさらに好ましい。
1-1.4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)
1-1-1.4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の構成
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(i)および4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数2~20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα-オレフィンから導かれる構成単位(ii)を含む。4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、任意に、非共役ポリエンから導かれる構成単位(iii)を含んでもよい。4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、1種単独で、または2種類以上を組み合せて用いることができる。
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、構成単位(i)、構成単位(ii)および構成単位(iii)の合計を100モル%としたときに、構成単位(i)を55モル%以上85モル%以下、構成単位(ii)を15モル%以上45モル%以下、構成単位(iii)を0モル%以上10モル%以下含む。
なお、構成単位(i)の割合の下限値は、55モル%であるが、60モル%であることが好ましく、68モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の上限値は、85モル%であるが、84モル%であることが好ましく、80モル%であることがより好ましい。4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)が含む構成単位(ii)の割合が上記範囲であると、上記熱可塑性樹脂組成物の押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度を上述した範囲に調整しやすい。
当然ながら、このとき、構成単位(ii)の割合の上限値は、45モル%であるが、40モル%であることが好ましく、32モル%であることがより好ましい。一方、構成単位(ii)の割合の下限値は、15モル%であるが、16モル%であることが好ましく、20モル%であることがより好ましい。
構成単位(ii)を導くα-オレフィンの例には、エチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、および1-エイコセンなどを含む炭素原子数2~20(好ましくは炭素原子数2~15、より好ましくは炭素原子数2~10)の直鎖状のα-オレフィン、ならびに、3-メチル-1-ブテン、3-メチル-1-ペンテン、3-エチル-1-ペンテン、4,4-ジメチル-1-ペンテン、4-メチル-1-ヘキセン、4,4-ジメチル-1-ヘキセン、4-エチル-1-ヘキセン、および3-エチル-1-ヘキセンなどを含む炭素原子数5~20(好ましくは炭素原子数5~15)の分岐状のα-オレフィンが挙げられる。これらの中でもエチレン、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテンが好ましく、エチレン、プロピレンが特に好ましい。構成単位(ii)は、これらのうち1つの化合物から導かれてもよいし、2以上の化合物から導かれてもよい。
構成単位(iii)を導く非共役ポリエンの例には、1,4-ヘキサジエン、3-メチル-1,4-ヘキサジエン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、5-メチル-1,4-ヘキサジエン、4,5-ジメチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン、および4-エチリデン-1,7-ウンデカジエンなどを含む鎖状非共役ジエン、メチルテトラヒドロインデン、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)、5-メチレン-2-ノルボルネン、5-イソプロピリデン-2-ノルボルネン、5-ビニリデン-2-ノルボルネン、6-クロロメチル-5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)、5-イソプロペニル-2-ノルボルネン、5-イソブテニル-2-ノルボルネン、シクロペンタジエン、およびノルボルナジエンなどを含む環状非共役ジエン、ならびに、2,3-ジイソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-エチリデン-3-イソプロピリデン-5-ノルボルネン、2-プロペニル-2,2-ノルボルナジエン、および4-エチリデン-8-メチル-1,7-ナノジエンなどを含むトリエンなどが含まれる。これらのうち、特に構成単位(ii)を導くα-オレフィンがプロピレンであるときは、架橋効率を高める観点からは、5-エチリデン-2-ノルボルネン(ENB)および5-ビニル-2-ノルボルネン(VNB)が好ましい。構成単位(iii)は、これらのうち1つの化合物から導かれてもよいし、2以上の化合物から導かれてもよい。
ただし、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、実質的に構成単位(i)および構成単位(ii)からなることが好ましい。
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、以下の要件(a)、(b)および(c)から選ばれる1以上の要件を満たすことが好ましい。
要件(a)
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の、デカリン中135℃で測定した極限粘度[η]は、0.1dL/g以上5.0dL/g以下であることが好ましく、0.5dL/g以上4.0dL/g以下であることがより好ましく、0.5dL/g以上3.5dL/g以下であることがさらに好ましい。上記極限粘度[η]が上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、上記熱可塑性樹脂組成物としたときにシート状の軟質層への成形が容易である。また、上記極限粘度[η]が上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、特に発泡体としたときの機械強度、衝撃吸収性および柔軟性などが高いため、包装体の衝撃吸収性を高めて破損しにくくしつつ、内部に水およびゲル状物質などの粘度の低い物質を含む包装体としたときでもゲル様の手触りを発現しやすい。
上記極限粘度[η]は、135℃でデカリン中に異なる量の4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)を溶解させたときの、それぞれの4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の単位濃度cあたりの粘度増加率ηspを求めて還元粘度ηradとし、ηradを4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の単位濃度cがゼロになるように外挿して、求めることができる。
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の上記極限粘度[η]は、重合による製造中に水素を添加して分子量や重合活性を制御して、上記範囲に調整することができる。
要件(b)
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)との割合(分子量分布:Mw/Mn)は、1.0以上3.5であることが好ましく、1.2以上3.0以下であることがより好ましく、1.5以上2.8以下であることがさらに好ましい。上記Mw/Mnが上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、低分子量、低立体規則性ポリマーによる成形性の低下が生じにくく、上記熱可塑性樹脂組成物としたときにシート状の軟質層への成形が容易である。また、上記Mw/Mnが上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、機械強度、衝撃吸収性および耐摩耗性が高いため、包装体の衝撃吸収性を高めて破損しにくくしつつ、成形時のべたつきを生じにくくして包装体の手触りを良好にすることができる。
また、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定される重量平均分子量(Mw)は、ポリスチレン換算で、500以上10,000,000以上であることが好ましく、1,000以上5,000,000以下であることがより好ましく、1,000以上2,500,000以下であることがさらに好ましい。
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)のMw/MnおよびMwは、たとえばメタロセン触媒を使用することで、上記範囲に調整することができる。
要件(c)
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の、10rad/sの周波数で動的粘弾性測定して得られる損失正接tanδのピーク値は、1.0以上3.5以下であることが好ましく、1.3dL/g以上3.5dL/g以下であることがより好ましく、2.0dL/g以上3.5dL/g以下であることがさらに好ましい。tanδのピーク値が上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、特に発泡体としたときの衝撃吸収性および耐衝撃性などが高いため、包装体を破損しにくくすることができる。
なお、包装体の常温での衝撃吸収性を高める観点からは、上記tanδがピーク値となる温度は5℃以上40℃以下であることが好ましい。好ましくは上記tanδがピーク値となる温度は10℃以上40℃以下、さらに好ましくは上記tanδがピーク値となる温度は20℃以上40℃以下である。tanδピーク温度が上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、ピーク温度の前後で包装体の硬さが大きく変化することとなり、触った時の感触の変化や応力緩和性が高くなり、液体やゲル状物質を封入した時の感触がさらに軟らかいゲル様になる。
また、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、以下の要件(d)、(e)および(f)から選ばれる1以上の要件をさらに満たすことが好ましい。
要件(d)
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の、13C-NMRにより測定した共重合モノマーの連鎖分布のランダム性を示すパラメータB値は、0.9以上1.5以下であることが好ましく、0.9以上1.3であることがより好ましく、0.9以上1.2以下であることがさらに好ましい。パラメータB値が上記範囲である上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、重合体中の組成分布が少なく、柔軟性、衝撃吸収性、および衝撃緩和性などが高いため、包装体の衝撃吸収性を高めて破損しにくくしつつ、内部に水およびゲル状物質などの粘度の低い物質を含む包装体としたときでもゲル様の手触りを発現しやすい。
要件(e)
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の、ASTM D 1505に準拠して測定される密度は、810kg/m以上850kg/m以下であることが好ましく、820kg/m以上850kg/m以下であることがより好ましく、830kg/m以上850kg/m以下であることがさらに好ましい。上記密度が上記範囲である上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、軽量であり、かつ、衝撃吸収性が高いため、包装体をより破損しにくくすることができる。
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の上記密度は、構成単位(i)~構成単位(iii)の組成比によって適宜調整することができる。
要件(f)
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の、融点(Tm)は、110℃未満であるかまたは認められないことが好ましく、100℃未満であるかまたは認められないことがより好ましく、85℃未満であるかまたは認められないことがさらに好ましい。融点(Tm)が上記範囲である上記範囲である4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、柔軟性および靭性が高く、内部に水およびゲル状物質などの粘度の低い物質を含む包装体としたときでもゲル様の手触りを発現しやすい。
融点(Tm)は、示差走査熱量計(DSC)(たとえば、セイコーインスツルメンツ社製DSC220C)を用いて測定することができる。このとき、7~12mg程度の熱可塑性樹脂組成物をアルミニウムパン中に密封し、室温から10℃/分で200℃まで加熱し、完全融解させるために試料を200℃で5分間保持し、次いで10℃/分で-50℃まで冷却し、-50℃で5分間静置した後、10℃/分で200℃まで再度加熱する。この再度の(2度目の)加熱で測定されるピーク値温度を、融点(Tm)とする。
1-1-2.4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)の製造方法
4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)は、上記構成単位(i)~構成単位(iii)を導くモノマーを、マグネシウム担持型チタン触媒またはメタロセン触媒などの適当な触媒の存在下で重合させて,製造することができる。重合は、溶解重合および懸濁重合などを含む液相重合法、ならびに気相重合法などから適宜選択して行うことができる。
液相重合法では、液相を構成する溶媒として不活性炭化水素溶媒を用いることができる。上記不活性炭化水素の例には、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、デカン、ドデカン、および灯油などを含む脂肪族炭化水素、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、およびメチルシクロヘキサンなどを含む脂環族炭化水素、ベンゼン、トルエン、およびキシレンなどを含む芳香族炭化水素、ならびにエチレンクロリド、クロロベンゼン、ジクロロメタン、トリクロロメタン、およびテトラクロロメタンなどを含むハロゲン化炭化水素、ならびにこれらの混合物などが含まれる。
また、液相重合法では、上記構成単位(i)~構成単位(iii)を導くモノマー自身を溶媒とする塊状重合とすることもできる。
なお、上記構成単位(i)~構成単位(iii)を導くモノマーの共重合を段階的に行うことにより、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)を構成する構成単位(i)~構成単位(iii)の組成分布を適当に制御することもできる。
重合温度は、-50℃以上200℃以下が好ましく、0℃以上100℃以下がより好ましく、20℃以上100℃以下がさらに好ましい。
重合圧力は、常圧以上10MPaゲージ圧であることが好ましく、常圧以上5MPaゲージ圧であることがより好ましい。
重合の際に、生成するポリマーの分子量や重合活性を制御する目的で水素を添加してもよい。添加される水素の量は、上記構成単位(i)~構成単位(iii)を導くモノマーの合計量1kgに対して、0.001NL以上100NL以下程度が適当である。
1-2.熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(B)
1-2-1.材料(B)の構成
材料(B)は、熱可塑性樹脂組成物の各種物性および成形性を調整するために添加される材料であり、上記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)以外の熱可塑性樹脂またはゴムであればよい。
材料(B)は、オレフィン系樹脂(B-1)であることが好ましい。材料(B)は、上記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)と上記オレフィン系樹脂(B-1)との間の相溶性を高める相溶化成分(B-2)をさらに含んでいてもよい。または、材料(B)は、上記オレフィン系樹脂(B-1)または相溶化成分(B-2)以外の熱可塑性樹脂またはゴム(B-3)であってもよい。または、材料(B)は、上記オレフィン系樹脂(B-1)、上記相溶化成分(B-2)および上記それ以外の熱可塑性樹脂またはゴム(B-3)の全てを含んでもよい。
1-2-1-1.オレフィン系樹脂(B-1)
オレフィン系樹脂(B-1)の例には、エチレンまたは炭素数3~20のα-オレフィンの単独重合体、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするエチレン系共重合体、プロピレンと炭素数4~20のα-オレフィンとの共重合体、プロピレンと炭素数4~20のα-オレフィンと環状オレフィンとの共重合体、ならびに、スチレン、酢酸ビニル、(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸エステル等の各種ビニル化合物をコモノマーとするプロピレン系共重合体などが含まれる。
これらのうち、熱可塑性樹脂組成物、特にはその発泡体、の衝撃吸収性および機械強度などを大きく低下させることなく、べたつきを抑えて成形性や取り扱い性をより高めることができることから、オレフィン系樹脂(B-1)は、エチレンから導かれる構成単位を50モル%以上100モル%以下含むエチレン系重合体(B-1’)であることが好ましい。上記観点からは、エチレン系重合体(B-1’)の密度は860kg/m以上980kg/m以下であることが好ましい。また、混練性を高めて製造をより容易にする観点からは、エチレン系重合体(B-1’)の、190℃、2.16kg荷重下で測定したメルトフローレート(MFR)は、0.5g/10min以上5.0g/10min以下であることが好ましく、0.5g/10min以上3.5g/10min以下であることがより好ましい。
特に、上記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)が含む構成単位(ii)がプロピレンから導かれる構成単位であるときに、材料(B)はエチレン系重合体(B-1’)であることが好ましい。エチレン系重合体(B-1’)は、このような4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)との相溶性が高い。そのため、エチレン系重合体(B-1’)が熱可塑性樹脂組成物中に適度に分散して、エチレン系重合体(B-1’)による衝撃吸収性などの低下が生じにくい。
エチレン系重合体(B-1’)は、エチレン単独重合体でもよいが、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの共重合体であることがより好ましい。上記炭素数3~20のα-オレフィンの例には、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、および12-エチル-1-テトラデセンなどが含まれる。上記α-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、および1-オクテンが好ましく、プロピレンがより好ましい。これらα-オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。
1-2-1-2.相溶化成分(B-2)
相溶化成分(B-2)は、上記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)および上記オレフィン系樹脂(B-1)の双方に相溶性を有する成分であればよい。
相溶化成分(B-2)は、上記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)と上記オレフィン系樹脂(B-1)との間の相溶性を高めて、上記熱可塑性樹脂組成物の成形性および混合性などを高め、上記熱可塑性樹脂組成物の取り扱い性を良好にする。また、上記熱可塑性樹脂組成物が発泡体であるときは、製造時の発泡性を高めて、発泡体表面の面荒れや凹凸などを低減できる。
相溶化成分(B-2)は、たとえば、上記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)と相溶しうる重合体(B-2-1)と、上記オレフィン系樹脂(B-1)と相溶しうる重合体(B-2-2)と、が化学的に結合した構造を有する重合体とすることができる。また、相溶化成分(B-2)は、たとえば、上記重合体(B-2-1)中に上記重合体(B-2-2)が分散した分散体とすることができる。
上記重合体(B-2-1)は、上記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)との間の相溶性が高いことから、結晶性オレフィン系重合体が好ましく、結晶性プロピレン系重合体がより好ましい。特に、上記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)が含む構成単位(ii)がプロピレンから導かれる構成単位であるときに、上記重合体(B-2-1)は、このような4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)との間の相溶性が高い結晶性プロピレン系重合体であることが好ましい。
なお、上記「結晶性」とは、示差走査熱量計(DSC)で測定した融点Tmが140℃以上であることを意味する。
上記ポロプロピレン樹脂の例には、プロピレン単独重合体、プロピレンとエチレンまたは炭素数4~20のα-オレフィンとの共重合体、およびこれらの混合物などが含まれる。上記炭素数4~20のα-オレフィンの例には、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、1-ヘプテン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、1-トリデセン、1-テトラデセン、1-ペンタデセン、1-ヘキサデセン、1-ヘプタデセン、1-ノナデセン、1-エイコセン、9-メチル-1-デセン、11-メチル-1-ドデセン、および12-エチル-1-テトラデセンなどが含まれる。これらα-オレフィンは、単独で、または2種以上を組み合わせて用いてもよい。なお、上記共重合体であるポロプロピレン樹脂は、上記エチレンまたは炭素数4~20のα-オレフィンから導かれる構成単位を、少量(ポロプロピレン樹脂中10モル%未満)のみ含むことが好ましい。
上記重合体(B-2-2)は、上記オレフィン系樹脂(B-1)、特には上記エチレン系重合体(B-1’)との間の相溶性が高いことから、エチレン・α-オレフィン共重合体ゴム、つまりは架橋したエチレン・α-オレフィン共重合体ゴムが好ましい。
上記エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムは、そのすべての構成単位の合計を100モル%としたときに、エチレンから誘導される構成単位を45モル%以上85モル%以下含むことが好ましく、50モル%以上70モル%以下含むことがより好ましい。上記エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムは、そのすべての構成単位の合計を100モル%としたときに、α-オレフィンから誘導される構成単位を10モル%以上50モル%以下含むことが好ましく、15モル%以上40モル%以下含むことがより好ましい。上記エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムは、そのすべての構成単位の合計を100モル%としたときに、非共役ポリエンから誘導される構成単位を1モル%以上15モル%以下含むことが好ましく、2モル%以上10モル%以下含むことがより好ましい。
上記エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムの例には、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンとの共重合体、エチレンと炭素数3~20のα-オレフィンと非共役ポリエンとの共重合体、およびこれらの混合物などが含まれる。
上記炭素数3~20のα-オレフィンは、炭素原子数3~10のα-オレフィンであることが好ましく、プロピレン、1-ブテン、4-メチル-1-ペンテン、1-ヘキセン、および1-オクテンなどがより好ましく、プロピレン、1-ブテン、および1-オクテンがさらに好ましく、プロピレンが特に好ましい。
上記非共役ポリエンの例には、環状または鎖状の非共役ポリエンが含まれる。上記環状非共役ポリエンの例には、5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、5-ビニル-2-ノルボルネン、ノルボルナジエン、およびメチルテトラヒドロインデンなどが含まれる。上記鎖状の非共役ポリエンの例には、1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン、8-メチル-4-エチリデン-1,7-ノナジエン、および4-エチリデン-1,7-ウンデカジエンなどが含まれる。上記非共役ポリエンは、非共役ジエンであることが好ましく、5-エチリデン-2-ノルボルネン、ジシクロペンタジエン、および5-ビニル-2-ノルボルネンなどがより好ましい。
上記エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムの具体例には、ジエンがジシクロペンタジエンまたは5-エチリデン-2-ノルボルネンであるエチレン・プロピレン・ジエン共重合体が含まれる。
上記分散体である相溶化成分(B-2)の具体例には、重合体(B-2-1)について上述した結晶性オレフィン系重合体と、重合体(B-2-2)について上述したエチレン・α-オレフィン共重合体ゴムとを含有するオレフィン系熱可塑性エラストマーが含まれる。
重合体(B-2-1)について上述した理由により、上記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、結晶性プロピレン系重合体と、架橋したエチレン・プロピレン・ジエン共重合体と、を含有する組成物であることが好ましい。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーは、上記結晶性オレフィン系重合体が海相であり、上記架橋したエチレン・α-オレフィン共重合体ゴムが島相となり、かつ、上記海相と上記島相とはグラフト結合しているエラストマーであることが好ましい。このようなオレフィン系熱可塑性エラストマーは、ショアーD硬度が55以下であるかまたはJIS-A硬度が90以下であり、示差走査熱量計(DSC)で測定したTmが140℃以上であり、かつ、JIS K6262に準拠して測定した23℃での圧縮永久歪(CS)が40%以下である。
上記オレフィン系熱可塑性エラストマーの具体例には、三井化学株式会社製ミラストマー(「ミラストマー」は同社の登録商標)などが含まれる。
1-2-1-3.その他の熱可塑性樹脂またはゴム(B-3)
上記オレフィン系樹脂(B-1)または相溶化成分(B-2)以外の熱可塑性樹脂またはゴム(B-3)の例には、エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムなどが含まれる。上記エチレン・α-オレフィン共重合体ゴムは、上記重合体(B-2-2)と同様のものとすることができるが、エチレン・1-ブテン共重合体ゴムであることが好ましい。
1-2-2.材料(B)の製造方法
上記オレフィン系樹脂(B-1)、上記相溶化成分(B-2)、および上記それ以外の熱可塑性樹脂またはゴム(B-3)は、公知の重合方法でこれらを構成する構成単位を導くモノマーを重合し、必要に応じて架橋させることにより得られる。
1-3.その他の成分
熱可塑性樹脂組成物は、必要に応じて、上述した以外の添加剤をさらに含んでいてもよい。
たとえば、熱可塑性樹脂組成物は、本発明の目的を損なわない範囲で、架橋剤、架橋助剤、発泡剤、分解温度調整剤、耐候性安定剤、耐熱安定剤、帯電防止剤、スリップ防止剤、アンチブロッキング剤、防曇剤、滑剤、顔料、染料、可塑剤、老化防止剤、塩酸吸収剤、酸化防止剤、金属害防止剤、結晶核剤、防黴剤、抗菌剤、難燃剤、充填剤(無機充填剤、有機充填剤)、および軟化剤等の添加剤を含んでもよい。
上記架橋剤の例には、加熱により分解して熱可塑性樹脂を発泡させる有機過酸化物が含まれる。上記有機過酸化物の例には、1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)3,3,5-トリメチルシクロヘキサン、および1,1-ビス(t-ブチルパーオキシ)シクロヘキサンなどが含まれる。
上記有機過酸化物の含有量は、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)100質量部に対し、0.1質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。有機過酸化物の含有量が上記範囲内であると、上記熱可塑性樹脂組成物の架橋が進行しやすく、また、上記熱熱可塑性樹脂組成物を発泡して得られる発泡体中に残存する有機過酸化物の分解残渣の量を抑制することができる。
上記架橋助剤の例には、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、1,2,4-ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、およびトリアリルイソシアヌレートおよびの1分子中に3個の官能基を持つ化合物、1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート、1,9-ノナンジオールジメタクリレート、1,10-デカンジオールジメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、ジビニルベンゼンおよびネオペンチルグリコールジメタクリレート、などの1分子中に2個の官能基を持つ化合物、ならびに、エチルビニルベンゼン、ラウリルメタクリレート、ステアリルメタクリレートなどの1分子中に1個の官能基を持つ化合物が含まれる。
上記発泡剤の例には、熱分解型発泡剤が含まれる。熱分解型発泡剤は、熱可塑性樹脂組成物を製造する際の混練温度より高い分解温度を有する化合物であればよく、例えば、分解温度が160℃以上270℃以下の有機系発泡剤および無機系発泡剤とすることができる。
上記有機系発泡剤の例には、アゾジカルボンアミド、アゾジカルボン酸バリウムなどを含むアゾジカルボン酸金属塩、アゾビスイソブチロニトリルなどを含むアゾ化合物、N,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミンなどを含むニトロソ化合物、ヒドラゾジカルボンアミド、4,4'-オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)およびトルエンスルホニルヒドラジドなどを含むヒドラジン誘導体、ならびにトルエンスルホニルセミカルバジドなどを含むセミカルバジド化合物などが含まれる。
上記無機系発泡剤の例には、酸アンモニウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素アンモニウム、炭酸水素ナトリウム、亜硝酸アンモニウム、水素化ホウ素ナトリウム、および無水クエン酸モノソーダなどが含まれる。
上記熱分解型発泡剤は、微細な気泡を得られ、かつ、安価であり安全性も高いことから、アゾ化合物およびニトロソ化合物が好ましく、アゾジカルボンアミド、アゾビスイソブチロニトリル、およびN,N’-ジニトロソペンタメチレンテトラミンがより好ましく、アゾジカルボンアミドがさらに好ましい。
上記熱分解型発泡剤の含有量は、発泡後の熱可塑性位樹脂組成物100質量部に対して0.5質量部以上30質量部以下であることが好ましく、0.7質量部以上25質量部以下であることがより好ましく、1.0質量部以上20質量部以下であることがさらに好ましい。熱分解型発泡剤の含有量が上記範囲内であると、上記熱可塑性樹脂組成物を十分に発泡させることができ、また、発泡により生じた気泡の破裂も生じにくい。
上記軟化剤の例には、プロセスオイル、潤滑油、パラフィン、流動パラフィン、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、石油アスファルトおよびワセリンなどを含む石油系物質、コールタールおよびコールタールピッチなどを含むコールタール類、ヒマシ油、アマニ油、ナタネ油、大豆油および椰子油などを含む脂肪油、トール油、蜜ロウ、カルナウバロウおよびラノリンなどを含むロウ類、リシノール酸、パルミチン酸、ステアリン酸、12-水酸化ステアリン酸、モンタン酸、オレイン酸およびエルカ酸などを含む脂肪酸またはその金属塩、石油樹脂、クマロンインデン樹脂およびアタクチックポリプロピレンなどを含む合成高分子、ジオクチルフタレート、ジオクチルアジペートおよびジオクチルセバケートなどを含むエステル系可塑剤、マイクロクリスタリンワックス、液状ポリブタジエンまたはその変性物もしくは水添物、ならびに液状チオコールなどを含む公知の軟化剤が含まれる。
前記充填剤の例には、マイカ、カーボンブラック、シリカ、炭酸カルシウム、タルク、グラファイト、ステンレス、アルミニウムなどの粉末充填剤;ガラス繊維や金属繊維などを含む繊維状充填剤、親水性の層状粘土鉱物、および公知の特定形状(層状を除く)の親水性無機化合物などが含まれる。
上記親水性の層状粘土鉱物の例には、2次元に広がる層が複数積層されたフィロ珪酸塩鉱物、たとえば、スメクタイトなどが含まれる。スメクタイトは、モンモリロン石群鉱物である。スメクタイトの例には、モンモリロン石(モンモリロンナイト)、マグネシアンモンモリロン石、テツモンモリロン石、テツマグネシアンモンモリロン石、バイデライト、アルミニアンバイデライト、ノントロン石、アルミニアンノントロナイト、サポー石(サポナイト)、アルミニアンサポー石、ヘクトライト、ソーコナイト、スチーブンサイト、およびベントナイトなどが含まれる。
上記親水性の層状粘土鉱物の例には、バーミキュル石(バーミキュライト)、ハロイサイト、膨潤性マイカ、および黒鉛などが含まれる。このような親水性の層状粘土鉱物の市販品の例には、クニミネ工業社製クニピアシリーズ(モンモリロナイト)、ホージュン社製ベンゲルシリーズ(ベントナイト)、およびコープケミカル社製ソマシフMEシリーズ(膨潤性マイカ)などを含む天然品、ならびに、クニミネ工業社製スメクトン(サポナイト)、コープケミカル社製ルーセンタイトSWNシリーズ(ヘクトライト)、およびロックウッドホールディングス社製ラポナイト(ヘクトライト)などの合成品などが含まれる。一般に、合成品は天然品よりも最大長さが小さいため小さい油滴を得ることができるため、上記親水性の層状粘土鉱物は、合成品が好ましい。
前記難燃剤の例には、アンチモン系難燃剤、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、ほう酸亜鉛、グァニジン系難燃剤、ジルコニウム系難燃剤等の無機化合物、ポリリン酸アンモニウム、エチレンビストリス(2-シアノエチル)ホスフォニウムクロリド、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(3-ヒドロキシプロピル)ホスフィンオキシド等のリン酸エステル及びその他のリン化合物、塩素化パラフィン、塩素化ポリオレフィン、パークロロシクロペンタデカン等の塩素系難燃剤、ヘキサブロモベンゼン、エチレンビスジブロモノルボルナンジカルボキシイミド、エチレンビステトラブロモフタルイミド、テトラブロモビスフェノールA誘導体、テトラブロモビスフェノールS、およびテトラブロモジペンタエリスリトール等の臭素系難燃剤、ならびにこれらの混合物が含まれる。
これら軟化剤、充填剤、難燃化剤等、粘着付与剤以外の添加剤の使用量の合計は、4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)と、上記熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(B)と、の合計を100質量部として、0.001~50質量部とすることが好ましい。
1-4.熱可塑性樹脂組成物の製造方法
上記熱可塑性樹脂組成物は、公知の方法で製造することができる。たとえば、上述した4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)と、上記熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(B)と、任意に含まれる上記その他の成分と、を混合して、熱可塑性樹脂組成物とすることができる。このとき、上記各樹脂の溶融温度以上に加熱して混合してもよい。
上記熱可塑性樹脂組成物は、発泡させることが好ましい。このとき、上記熱可塑性樹脂組成物は、組成物に化学発泡剤や炭化水素を中心とした溶媒、超臨界二酸化炭素や窒素ガスなどの気体を含ませることによって発泡体とすることが好ましく、さらに架橋させた後に発泡させることが好ましい。二酸化炭素を含む超臨界流体を発泡体として使用する際は、超臨界流体を供給して、超臨界流体を熱可塑性樹脂に溶解・含侵させる。ここで、超臨界流体は加圧または減圧した状態で注入する方法等が採用される。供給する超臨界流体は、臨界圧以上、好ましくは15MPa以上で、上記熱可塑性樹脂組成物100重量部に対して、0.1重量部以上20重量部以下、好ましくは0.5重量部以上10重量部以下の量を供給および浸透させる。このように、超臨界流体を含侵させた後、温度、圧力の低下により超臨界状態を解除して、発泡させる。例えば、射出成形機を用いて発泡させる場合には、熱可塑性樹脂を金型内に充填させることによる温度低下で、超臨界状態が解除され発泡する。超臨界流体の優れた溶解性・拡散性により、微細・均一な発泡セルを形成することができる。そのため、機械的強度に優れる軽量な樹脂発泡体を得ることができる。
上記架橋は、熱可塑性樹脂組成物に電離性放射線を照射する方法、および熱可塑性樹脂組成物を加熱して予め含有させておいた有機過酸化物を分解させる方法などにより行うことができる。これらの方法は併用されてもよい。
上記電離性放射線の例には、α線、β線、γ線、および電子線などが含まれる。これらのうち、電子線が好ましい。熱可塑性樹脂組成物に対する電離性放射線の照射量は、1.0Mrad以上10Mrad以下であることが好ましい。照射量を1Mrad以上とすることで、後述する発泡に必要な適切な大きさの剪断粘度を熱可塑性樹脂組成物に付与しやすくなる。照射量を10Mrad以下とすることで、上記剪断粘度が高くなりすぎず、発泡性を適度に調整することができる。上記観点から、電離性放射線の照射量は、2.0Mrad以上10Mrad以下であることがより好ましい。
また、電離性放射線により発泡体組成物を架橋する場合には、発泡体組成物は、架橋助剤を含有することが好ましい。架橋助剤を用いる場合の電離性放射線の照射量は、架橋助剤の量にもよるものの、0.3Mrad以上8Mrad以下であることが好ましく、0.5Mrad以上5Mrad以下であることがより好ましく、0.5Mrad以上2.5Mrad以下であることがさらに好ましい。
上記架橋は、熱可塑性樹脂組成物の架橋度が15%以上80%以下になるように行うことが好ましい。熱可塑性樹脂組成物の架橋度が15%以上であると、熱可塑性樹脂組成物が高温時に軟質化しにくくなり、熱可塑性樹脂組成物の耐熱性がより高くなる。熱可塑性樹脂組成物の架橋度が80%以下であると、分子構造が適切に架橋固定されて高温時の伸長特性が高くなり、熱可塑性樹脂組成物の成形をより容易にすることができる。上記観点からは、上記架橋は、熱可塑性樹脂組成物の架橋度が20%以上78%以下になるように行うことがより好ましく、熱可塑性樹脂組成物の架橋度が25%以上70%以下になるように行うことがさらに好ましい。熱可塑性樹脂組成物の架橋度は、有機化酸化物の添加量や、電離性放射線の照射量等により適宜調整することができる。
上記発泡は、発泡剤を発泡させて行うことが好ましい。発泡剤の発泡は、公知の方法、たとえば、熱風により加熱する方法、赤外線により加熱する方法、塩浴による方法、オイルバスによる方法などにより行うことができる。これらの方法は併用されてもよい。加熱により発泡剤を発泡させるとき、加熱温度は、発泡剤(特には熱分解性発泡剤)の分解温度にもよるものの、通常は140℃以上300℃以下であり、150℃以上280℃以下であることが好ましい。
上記発泡は、熱可塑性樹脂組成物の発泡倍率が、1.1cc/g以上50cc/g以下となるように行われることが好ましい。発泡倍率が1.1cc/g以上であると、熱可塑性樹脂組成物の衝撃吸収性および柔軟性を十分に向上させることができる。発泡倍率が50cc/g以下であると、発泡体の機械強度などがより高くなる。衝撃吸収性、柔軟性および機械強度をいずれもより高める観点からは、発泡倍率は、3.0cc/g以上50cc/g以下であることがより好ましく、10cc/g以上45cc/g以下であることがさらに好ましい。
1-5.軟質層の製造方法
上記熱可塑性樹脂組成物は、押出成形、プレス成形、射出成形、カレンダー成形、中空成形などを含む公知の方法でシート状に成形して、上記軟質層とすることができる。
2.その他の層
上記シートは、上記軟質層以外に、液体または気体などの透過性を低下させるためのガスバリア層、および包装体の形状を維持して内容物を保護するための保護層などを有する積層体であってもよい。上記積層体は、印刷層などをさらに有していてもよい。
上記ガスバリア層は、上記包装体の内部から外部への液体の透過を抑制して、内容量の意図せぬ低下または劣化を抑制し、かつ、上記包装体の外部から内部への液体の透過を抑制して内容物の意図せぬ劣化を抑制できる材料から形成される層であればよい。上記ガスバリア層は、エチレン-ビニルアルコール共重合体、ナイロン、ポリエチレンテレフタラートおよびポリアクリロニトリルなどから形成することができる。
上記保護層は、成形が容易であり、上記包装体の形状を保てる強度を有し、かつ、上記包装体の内容物との反応性が低い材料から形成される層であればよい。上記保護層は、ポリエチレンおよびポリプロピレンなどから形成することができる。
なお、上記軟質層、ガスバリア層および保護層は、それぞれ複数設けられてもよい。また、これらの層の間には、変性ポリエチレンなどの熱融着性を有する樹脂からなる接着層が設けられていてもよい。なお、ポリエチレンおよびポリプロピレンは、上記材料から形成されるガスバリア層との接着性が高い。このように各層が互いに十分な接着性を有するときは、上記接着層は設けられなくてもよい。
特に、上記保護層は、複数設けられ、上記軟質層(および任意に設けられる上記ガスバリア層)を挟むように配置されることが好ましい。つまり、上記保護層、上記軟質層、上記ガスバリア層および上記保護層が、この順に積層されることが好ましい。なお、これらの層の配置順は特に限定されず、上記軟質層は上記ガスバリア層よりも上記包装体の外側に配置されてもよいし、内側に配置されてもよい。
上記ガスバリア層および上記保護層の厚みは、上記各層の機能が発現され、かつ、上記積層体における上記軟質層の厚みが、積層体全体の厚みに対して5%以上となる範囲で、任意に定めることができる。
上記積層体は、上述した熱可塑性樹脂組成物を成形してなる軟質層と、上述した材料をシート状に成形して形成されるその他の層とを積層させて、製造することができる。積層方法には多層シート成形機を用いての多層シートの成形、および多層ダイスを有する押出し機を用いてのチューブ状の積層体の直接成形などが含まれるが、特に限定されず、それぞれ成形した上記各層を上述した接着剤層を用いて積層させてもよいし、材料の種類によっては熱融着または超音波融着などによって積層させてもよい。
3.液体用の包装体
上記シートは、公知の方法で袋状に成形して、上記液体用の包装体とすることができる。
このとき、上記シートの端部同士を接着剤、熱融着または超音波融着などによって接合させて、袋状に成形すればよい。たとえば、2枚の上記シートを重ねて、その端部同士を接合させてもよいし、1枚のシートを折り曲げて、その端部同士を接合させてもよい。
このとき、すべての端部を接合させて、内部が密閉される袋状に上記シートを成形してもよいし、端部の一部を接合させずに開口を設けて、上記開口から液体を注入および排出可能としてもよい。
なお、包装体の形状は特に限定されず、枕状、球状、長球状、1枚の上記シートの四隅を1箇所に集めて接合してなる巾着袋状、三方シール体およびスタンディングパウチなどのいかなる形状としてもよい。これらの形状を有する包装体も、上記シートから公知の方法で製造することができる。
包装体は、その手触りをより軟らかくゲル様にする観点から、内部に液体を含むことが好ましい。上記液体は、水およびゲル状物質などの粘度の低い物質であり、かつ、包装体を構成する材料に対する浸食性が低いものであればよいが、水であることが好ましい。
包装体は、内部の液体の漏れだしを抑制するため、上記液体に加えて、公知の吸水性ポリマーをさらに含むことが好ましい。上記吸水性ポリマーは、上記液体を吸収できるものであればよく、たとえば、親水性高分子化合物の架橋物を含み、上記親水性高分子化合物がその構成単位に親水性基を有する、樹脂組成物とすることができる。
上記親水性高分子化合物の例には、アクリル酸塩重合体の架橋物、ビニルアルコール-アクリル酸塩共重合体の架橋物、無水マレイン酸グラフトポリビニルアルコールの架橋物、アクリル酸塩-メタクリル酸塩共重合体の架橋物、メチルアクリレート-酢酸ビニル共重合体のケン化物の架橋物、澱粉-アクリル酸塩グラフト共重合体の架橋物、澱粉-アクリロニトリルグラフト共重合体のケン化物の架橋物、カルボキシメチルセルロースの架橋物、イソブチレン-無水マレイン酸塩共重合体の架橋物、エチレンオキサイド重合体の架橋物などが含まれる。
上記親水性基の例には、カルボン酸基、カルボン酸塩基、カルボン酸無水物基、水酸基、およびエチレンオキサイド基などが含まれる。
上記吸水性ポリマーは、粒子状であることが好ましい。上記粒子状の吸水性ポリマーの平均粒子径は、取扱いを容易にする観点から、1.0μm以上であることが好ましく、5.0μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。また、上記粒子状の吸水性ポリマーの平均粒子径は、取扱いを容易にする観点から、1000μm以下であることが好ましく、800μm以下であることがより好ましく、600μm以下であることがさらに好ましい。
上記液体および吸水性ポリマーは、前記の方法で袋状にした包装体を用いて、底面をヒートシールするなどで3方を閉じた包装体の内部に液体や重合した吸水性ポリマーを含ませ、その後に残る一方をヒートシールなどで閉じて形成することもできるし、重合前で液体状態のアクリルモノマーを傅包装体の中に封入した後で熱または光による外部刺激により重合・硬化させることで得られることができる。
4.用途
上記液体用の包装体は、人の体温付近で硬さが変化し、内部に水およびゲル状物質などの粘度の低い物質を含む包装体としたときでもゲル用の手触りを有することから、内部に液体を含ませて、水まくら、ウオーターマットレス、冷却・保冷・吸熱剤、保水パック、アイシート、文房具のグリップ、健康器具や玩具、スポーツ用品などに用いることができる。また、上記包装体は、衝撃吸収性および応力吸収性が高いことから、線路まくら木のクッション材、可変パット衝撃吸収バック、香料徐放バック、入浴剤用香料徐放シート、意匠性包装材などに用いることができる。
5.実施例
<4-メチル-1-ペンテン・プロピレン共重合体(A)の調製>
充分に窒素置換した容量1.5Lの攪拌翼付のSUS製オートクレーブに、300mlのn-ヘキサン(乾燥窒素雰囲気下、活性アルミナ上で乾燥したもの)、及び450mlの4-メチル-1-ペンテンを23℃で装入した。このオートクレーブに、トリイソブチルアルミニウム(TIBAL)の1.0mmol/mlトルエン溶液を0.75ml装入し、攪拌機を回した。
次に、オートクレーブを内温が60℃になるまで加熱し、全圧(ゲージ圧)が0.40MPaとなるようにプロピレンで加圧した。
続いて、予め調製しておいた、Al換算で1mmolのメチルアルミノキサン、及び0.01mmolのジフェニルメチレン(1-エチル-3-t-ブチル-シクロペンタジエニル)(2,7-ジ-t-ブチル-フルオレニル)ジルコニウムジクロリドを含むトルエン溶液0.34mlを、オートクレーブに窒素で圧入し、重合反応を開始させた。重合反応中は、オートクレーブの内温が60℃になるように温度調整した。
重合開始から60分後、オートクレーブにメタノール5mlを窒素で圧入し、重合反応を停止させた後、オートクレーブ内を大気圧まで脱圧した。脱圧後、反応溶液に、該反応溶液を攪拌しながらアセトンを添加し、溶媒を含む重合反応生成物を得た。
次いで、得られた溶媒を含む重合反応生成物を減圧下、100℃で12時間乾燥させて、36.9gの粉末状の共重合体(A)を得た。得られた共重合体(A)の各種物性の測定結果は下記の通りである。
共重合体(A)中の4-メチル-1-ペンテンの含有率は72.5mol%であり、プロピレンの含有率は27.5mol%であった。また、共重合体Aの密度は839kg/mであった。共重合体Aの極限粘度[η]は1.5dl/gであり、重量平均分子量(Mw)は337,000であり、分子量分布(Mw/Mn)は2.1であり、メルトフローレート(MFR)は11g/10minであった。共重合体(A)の融点(Tm)は観測されなかった。
得られた共重合体(A)を3mmtプレスシートによるショアA硬度を測定したところ、直後が90、15秒後が70であった。
<実施例1>
4-メチル-1-ペンテン・プロピレン共重合体(A)100質量部と化学発泡剤として永和化成工業社製ポリスレンE-201を3質量部、リップ幅240mmのTダイを設置した20mmφの単軸押出機(単軸シート形成機、(株)田中鉄工所製)のホッパーに投入した。そして、シリンダー温度を230℃、ダイス温度を230℃に設定し、Tダイから溶融混練物を厚み400μmで押し出し、キャストシート成形することにより発泡シートを得た。得られた発泡シートをA4サイズにカットして、3方をヒートシールしたのちに、水を封入して残り1方をシールした。
<実施例2>
4-メチル-1-ペンテン・プロピレン共重合体(A)80質量部と、熱可塑性樹脂として、旭化成株式会社製タフテックH1221を20質量部用いた以外は、実施例1と同様の方法によりシートを得た。なお、得られた組成物の3mmtプレストートによるショアA硬度を確認したところ、直後が75、15秒後が40であった。

Claims (7)

  1. 熱可塑性樹脂組成物を主成分とする軟質層を含むシートを袋状に成形してなり、
    前記熱可塑性樹脂組成物の、JIS K6253に準拠して、厚さ3mmのプレスシートの状態で測定される、押針接触開始から15秒後におけるショアーA硬度の値は、10以上90以下であり、
    前記熱可塑性樹脂組成物は、
    4-メチル-1-ペンテンから導かれる構成単位(A-i)および
    4-メチル-1-ペンテンを除く炭素原子数2~20のα-オレフィンから選ばれる少なくとも1種以上のα-オレフィンから導かれる構成単位(A-ii)を含み、
    任意に非共役ポリエンから導かれる構成単位(A-iii)を含んでもよい、
    4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体であって、
    構成単位(A-i)、(A-ii)および(A-iii)の合計を100モル%としたときに、
    構成単位(A-i)を55モル%以上85モル%以下、
    構成単位(A-ii)を15モル%以上45モル%以下、
    構成単位(A-iii)を0モル%以上10モル%以下含む、
    4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体(A)と、
    前記4-メチル-1-ペンテン・α-オレフィン共重合体以外の熱可塑性樹脂およびゴムから選択される材料(B)と、
    を含有する組成物であり、
    内部に液体またはゲル状物質を含み、
    却・保冷・吸熱剤、文房具のグリップ、玩、線路まくら木のクッション材、可変パット衝撃吸収バック、香料徐放バック、または入浴剤用香料徐放シートである、
    包装体。
  2. 前記熱可塑性樹脂組成物は発泡体である、請求項1に記載の包装体。
  3. 前記シートは積層体である、請求項1または2に記載の包装体。
  4. 前記積層体は、さらにガスバリア層を含む、請求項に記載の包装体。
  5. 前記シートは、内部が密閉された袋状に成形された、請求項1~4のいずれか1項に記載の包装体。
  6. 内部に水を含む、請求項1~5のいずれか1項に記載の包装体。
  7. 内部に吸水性ポリマーをさらに含む、請求項1~6のいずれか1項に記載の包装体。
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