JP7181595B2 - 検査システム、異常特定方法 - Google Patents

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特許法第30条第2項適用 (1)平成30年9月4日のプレスリリース(PR TIMES)記事での公開 URL;https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000026.000022401.html (2)平成30年9月4日の商品説明動画(YouTube)での公開 URL;https://youtu.be/QyFJC1PrOjM (3)平成30年9月5日の展示会(スマート工場EXPO名古屋)での公開 (4)平成30年10月5日の展示会(ものづくりAI/IoT関西)での公開 (5)平成30年10月19日の展示会(ウイングアークフォーラム名古屋2018)での公開 (6)平成30年10月22日の展示会(ILS2018)での公開 (7)平成30年10月24日の展示会(IoT/M2M秋)での公開 (8)平成30年11月2日の展示会(ウイングアークフォーラム大阪2018)での公開 (9)平成30年11月16日の展示会(IoT総合技術展横浜2018)での公開
本発明は、ユーザ端末により機械の異常を検査する検査システム、及び異常のある機械を特定する異常特定方法に関する。
現在、工作機械の主軸やモータの音を取得して異常を判定し、ワークの加工精度が低下する前、又は工作機械が完全に故障する前に対処する検査装置が知られている。また、近年では、検査装置に工作機械の音を学習させ、故障の予測をすることができる検査装置も知られている。
例えば、下記の特許文献1の検査装置(故障予知システム)は、モータ制御装置、モータ駆動アンプ、故障判定部、検出器、測定器及び機械学習装置を含み、機械学習装置は、判定データ取得部、状態観測部及び学習部を含んで構成されている。
機械学習装置において、判定データ取得部は、故障判定部から出力される主軸又はモータの故障の有無、又は故障の度合いを判定した判定データを取得する。また、状態観測部には、モータ制御装置から出力されるモータを駆動するトルク指令値および速度指令値、検出器から出力されるモータの駆動電流及び回転速度、並びに測定器から出力される主軸又はモータの振動、主軸又はモータの近傍の音及び温度といった工作機械の状態変数が入力される。
さらに、学習部は、状態観測部から出力される状態変数及び判定データ取得部から出力される判定データの組合せに基づいて作成されるデータセットから、故障予知を学習する(段落0027,0034,0035、図1)。
特許第6140331号
しかしながら、特許文献1の検査装置は、工作機械に対して振動センサ、集音マイク、温度センサ等の各種センサを直接取り付ける必要があるため、複数の工作機械を検査したい場合には、多数のセンサを工作機械ごとに直接取り付ける必要があった。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、1台で複数の工作機械を検査することができる検査システムを提供することを目的とする。
第1発明は、サーバと、前記サーバに接続され、回転部品を有する複数の機械の正常及び異常を検査するための複数種類の検査用データが記憶されたデータベースと、前記サーバに接続され、ユーザが所有する持ち運びが可能なユーザ端末と、前記ユーザ端末に接続され、前記複数の機械のうち一の機械に対して着脱自在であり、該機械の振動を計測する振動計測器とを備える、前記複数の機械の異常を検査する検査システムであって、前記振動計測器は、測定した振動を振動情報として送信する振動情報送信部を有し、前記ユーザ端末は、前記複数の機械から発せられる音声を収集する音声収集部と、前記振動計測器から受信した前記振動情報から判定用の振動データを生成すると共に、前記音声収集部が収集した音声から判定用の音声データを生成する判定データ生成部と、前記振動データと前記検査用データに含まれる振動検査用データとを比較して前記正常又は異常を判定した振動判定結果を出力すると共に、前記音声データと前記検査用データに含まれる音声検査用データとを比較して前記正常又は異常を判定した音声判定結果を出力する異常判定部と、を有し、前記異常判定部は、前記振動判定結果が異常であった場合には、前記複数の機械のうち少なくとも前記一の機械について異常と判断し、前記振動判定結果と前記音声判定結果とが正常で一致した場合には、前記複数の機械について正常と判断し、前記振動判定結果が正常かつ前記音声判定結果が異常であった場合には、前記複数の機械のうち前記一の機械を除く他の機械のみ異常と判断することを特徴とする。
本発明の検査システムでは、回転部品を有する複数の機械のうち一の機械に対して着脱自在な振動計測器とユーザ端末とにより、前記機械の異常を検査するものである。このユーザ端末は、複数の機械から発せられる音声を収集する音声収集部を有しているため、例えば、一室に同種類の機械が複数存在する場合には、複数の機械の回転部材の動作音を収集することができる。そして、ユーザ端末の異常判定部は、振動計測器から得られた振動データに基づいて機械の異常を判定した振動判定結果と、音声収集部から得られた音声データに基づいて機械の異常を判定した音声判定結果を出力する。
前記異常判定部は、振動判定結果と音声判定結果とが正常で一致した場合には、複数の機械について正常と判断する。また、前記異常判定部は、振動判定結果が異常であった場合には、少なくとも前記一の機械について異常と判断し、振動判定結果が正常かつ音声判定結果が異常であった場合には、前記一の機械を除く他の機械に異常があると判断する。このように、1台で複数の機械の正常又は異常を検査することができる。
第1発明の検査システムにおいて、前記振動計測器は、計測時に前記一の機械に取り付けて振動を検知する可動振動センサを有していることが好ましい。
この構成によれば、振動計測器は、可動振動センサを計測時に磁石等で前記一の機械に取り付け、接触させることで、その振動を取得する。これにより、ユーザは、機械が設置された部屋や領域を巡回しながら、複数の機械について検査を行うことができる。
第2発明は、回転部品を有する複数の機械の正常及び異常を検査するための複数種類の検査用データと、ユーザが所有する持ち運びが可能なユーザ端末と、前記複数の機械のうち一の機械に対して着脱自在であり、該機械の振動を計測する振動計測器とを用いて、前記複数の機械から異常を有する機械を特定する異常特定方法であって、前記ユーザ端末で前記複数の機械の発せられる音声を収集して、該音声から判定用の音声データを生成する音声データ生成工程と、前記ユーザ端末で前記音声データと前記検査用データに含まれる音声検査用データとを比較して、異常音が含まれるか否かを判定する音声判定工程と、前記振動計測器で前記一の機械の振動を計測して、測定した振動を振動情報として前記ユーザ端末に送信し、前記ユーザ端末で該振動から判定用の振動データを生成する振動データ生成工程と、前記ユーザ端末で前記振動データと前記検査用データに含まれる振動検査用データとを比較して、前記一の機械の正常又は異常を判定する振動判定工程と、前記ユーザ端末で、前記振動判定工程において前記一の機械が異常と判定された場合には、前記複数の機械のうち少なくとも前記一の機械について異常と判断し、前記音声判定工程において前記異常音が含まれないと判定され、前記振動判定工程において前記一の機械が正常と判定された場合には、前記複数の機械について正常と判断し、前記音声判定工程において前記異常音が含まれると判定され、前記振動判定工程において前記一の機械が正常と判定された場合には、前記複数の機械のうち前記一の機械を除く他の機械のみ異常と判断する判断工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の異常特定方法では、まず、ユーザ端末で複数の機械の発する音声を収集して、音声データを生成し(音声データ生成工程)、次いで、音声データと音声検査用データとを比較して、音声データの中に異常音が含まれるか否かを判定する(音声判定工程)。また、振動計測器で一の機械の振動を計測して、ユーザ端末から送信された振動情報から振動データを生成し(振動データ生成工程)、次いで、振動データと振動検査用データとを比較して、前記一の機械の正常又は異常を判定する(振動判定工程)。
そして、振動判定工程での異常の有無と、音声判定工程で異常の有無に基づいて、前記複数の機械に異常があるか否かを判断する(判断工程)。これにより、複数の機械に対して音声及び振動の計測を行って、異常のある機械を容易に特定していくことができる。
第3発明は、回転部品を有する複数の機械の正常及び異常を検査するための複数種類の検査用データと、ユーザが所有する持ち運びが可能なユーザ端末と、前記複数の機械の振動を計測する振動計測器とを用いて、前記複数の機械から異常を有する機械を特定する異常特定方法であって、前記ユーザ端末で前記複数の機械の発せられる音声を収集して、該音声から判定用の音声データを生成する音声データ生成工程と、前記ユーザ端末で前記音声データと前記検査用データに含まれる音声検査用データとを比較して、異常音が含まれるか否かを判定する音声判定工程と、前記異常音が含まれると判定された場合に、前記振動計測器で前記複数の機械の振動を個別に計測して、測定した振動を振動情報として前記ユーザ端末に送信し、前記ユーザ端末で該振動から判定用の振動データを生成する振動データ生成工程と、前記ユーザ端末で前記振動データと前記検査用データに含まれる振動検査用データとをそれぞれ比較して、前記複数の機械の各々に対して異常の有無を判定する振動判定工程と、を備えることを特徴とする。
本発明の異常特定方法では、まず、ユーザ端末で複数の機械の発する音声を収集して、音声データを生成し(音声データ生成工程)、次いで、音声データと音声検査用データとを比較して、音声データの中に異常音が含まれるか否かを判定する(音声判定工程)。音声判定工程で正常(異常音なし)と判定された場合、何れの機械も異常はないが、異常(異常音あり)と判定された場合、何れか1以上の機械に異常箇所があることが分かる。
音声判定工程で異常と判定された場合は、振動計測器で各々の機械に対して個別に振動を計測し、ユーザ端末から送信された振動情報から振動データを生成する(振動データ生成工程)。そして、ユーザ端末で振動データと振動検査用データとをそれぞれ比較して、各々の機械の正常又は異常を判定する(振動判定工程)。これにより、異常のある機械を効率良く特定していくことができる。
本発明の実施形態の検査システムの概略図。 図1の検査システムのクラウドサーバのハードウェア構成を説明する図。 図1の検査システムのユーザ端末のハードウェア構成を説明する図。 ユーザ端末の専用アプリケーションの画面を説明する図。 (a)動作音を録音した音声ファイルの波形を示すグラフ。(b)音声ファイルに対してFFTを実行した周波数特性データの波形を示すグラフ。 検査用データ生成処理のフローチャート。 検査システムによる実際の検査の例を説明する図。 各機械についての異常の有無を示す図。 検査システムによる異常判定処理1のフローチャート(1)。 検査システムによる異常判定処理1のフローチャート(2)。 検査システムによる異常判定処理2(変更例)のフローチャート。 変更形態(振動検査のみ)の検査システムの概略図。
以下では、本発明の実施形態である検査システムについて、図面を参照しつつ説明する。
図1は、検査システム1(巡回監視型)の概略図を示している。図示するように、検査システム1は、後述するデータベース13a~13c、検査用データ生成部15等を含むクラウドサーバ10(本発明の「サーバ」)と、回転部品を有する機械Mの検査に用いるユーザ端末20と、機械Mの振動を計測する振動計測器30とで構成されている。
クラウドサーバ10とユーザ端末20とは、ネットワーク、例えば、TCP/IPの通信プロトコルにより相互にデータの送受信が可能となっている。ネットワークは、例えば、インターネット、LAN(Local Area Network)、専用通信回線(例えば、CATV回線)、移動体通信網(基地局等を含む)、又はゲートウェイ等により構築されていてもよい。なお、サーバはクラウドサーバに限られない。
検査者は、検査を行う前にクラウドサーバ10にアクセスして、検査する機械Mの種類に応じた検査用データDをユーザ端末20にダウンロードする。検査用データDは、これにまでに蓄積された機械の動作音又は振動に基づいて人工知能が機械学習を行い、機械の正常、異常を判定するために生成した学習済みモデルであり、音声検査用モデルと振動検査用モデルとがある。
検査者は、ユーザ端末20にインストールされた専用アプリケーションを起動して、機械Mの動作音(回転音)を録音し、音声ファイルを作成する。詳細は後述するが、この専用アプリケーションでは、音声ファイルを周波数特性データFs(本発明の「音声データ」)に変換し、周波数特性データFsと音声用の検査用データDsとの比較により、機械Mの異常の有無及び異常箇所(原因)を判定する。
また、検査者は、ユーザ端末20を用いて、周波数特性データFsをクラウドサーバ10にアップロードすることができる。この周波数特性データFsは、音声検査用データDsを更新する新たなデータとして利用される。このようにして、徐々に音声検査用データDsの精度が向上する。
振動計測器30は、その内部に振動センサ30aが内蔵されており、磁石等の着脱自在な取付機構により、計測時に機械Maに取り付けて振動を計測することができる。振動計測器30は通信部30x(本発明の「振動情報送信部」)を備えており、計測された振動の振動ファイル(本発明の「振動情報」)は、無線(Wi-Fi)でユーザ端末20に送信される。
ユーザ端末20の専用アプリケーションでは、振動計測器30から送信された振動ファイルから振動特性データFv(本発明の「振動データ」)を生成し、振動特性データFvと振動検査用データDvとの比較により、機械Mの異常の有無及び異常箇所を判定する。なお、図1では、周波数特性データFsと振動特性データFvとをまとめた特性データFで表している。
このように、専用アプリケーションでは、機械Mの音声による判定結果(音判定結果)と、振動による判定結果(振動判定結果)がそれぞれ得られる。通常、両判定結果は一致するが、音声は外部環境によってはノイズを拾ってしまい、判定結果が一致しない場合が生じる。判定結果が一致しなかった場合の処理については後述する。
なお、機械Mの音声のみ、又は振動のみの計測及び判定も可能である。特に、振動は、音声よりも正常の場合と異常の場合とで明確な差が生じるため、振動のみでの検査も有効である(詳細は後述する)。
ユーザ端末20は、検査用データDs,Dvのダウンロード、周波数特性データFs、振動特性データFvのアップロードの際にはインターネット回線に接続する必要があるが、機械Mの検査はオフラインで行うことができる。従って、工場や施設内のように、オフィスと比較して電波状況が良くない状況であっても、機械Mを検査することができる。また、正常、異常の判定や異常箇所の情報が専用アプリケーションの画面(ディスプレイ26a)に表示されるので、熟練した技術がなくても容易に機械を検査することができる。
次に、図2を参照して、クラウドサーバ10のハードウェア構成を説明する。以下では、周波数特性データFs、振動特性データFvをまとめて特性データFと呼び、音声検査用データDs、振動検査用データDvをまとめて検査用データDと呼ぶ。
クラウドサーバ10は、システムバス11を介して、大容量記憶部13、システム制御部14、検査用データ生成部15、モデル生成部16及びデータ通信部17が協働する装置である。
大容量記憶部13は、ハードディスク装置、SSD(Solid State Drive)等により構成される。例えば、データベース13aには、ユーザ端末20から送信された特性データFが多数記憶され、データベース13bには、人工知能15aが機械学習を行って作成した検査用データDが多数記憶されている。また、図示しないデータベース13cには、オペレーティングシステムやサーバ用のソフトウェア等の各種プログラムが記憶されている。
各種プログラムは、他のサーバ等からネットワークを介して取得できるようにしてもよいし、各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、大容量記憶部13に記憶される各種プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することができる。
システム制御部14は、CPU(Central Processing Unit)14a、ROM(Read Only Memory)14b及びRAM(Random Access Memory)14cにより構成され、コンピュータとして機能する。CPU14aは、ROM14bや大容量記憶部13に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現する。
検査用データ生成部15は、多数の特性データFから検査用データDを生成する機能を有する。特に、検査用データ生成部15は、人工知能(AI:Artificial Intelligence)15aを有している。人工知能15aは、特性データFから特徴量を発見する深層強化学習を行い、学習済みモデルである検査用データDを自動生成する。
検査用データDの生成は、通常、20分程度の時間を要する。なお、人工知能15aに教師データ(人間が作成した特性データ及び検査用データ)を与えて、機械学習させてもよい。
さらに、検査用データ生成部15はデータ変換部15bを備えており、特性データFに対して主成分分析(PCA:Principal Component Analysis)を行う。そして、特性データFから特徴量を抽出した変換後データを大容量記憶部13に記憶する。変換後データは、検査用データDを生成する際に利用される。また、この変換は、検査用データDのデータ量を抑え、復号化によってセキュリティを高めるという意味合いもある。
モデル生成部16は、シミュレーションにより検査用データD(学習済みモデル)を生成する機能を有する。モデル生成部16は人工知能(AI)16aを有し、この人工知能16aは、敵対性生成ネットワーク(GAN:Generative Adversarial Network)という手法により機械学習を行う。
具体的には、敵対性生成ネットワークを構成するネットワークの1つであるジェネレータが既存の数少ない検査用データ(訓練データ)と同じデータを生成するように学習を行う。また、敵対性生成ネットワークを構成するもう1つのネットワークであるディスクリミネータは、データが元々の検査用データか、新たに生成された検査用データかを識別する。
ジェネレータにより生成された検査用データは、ディスクリミネータが識別できない(正答率が50%)データとなることが理想であり、そのように学習が進んでゆく。この手法により、検査用データDが不足している状況であっても、新たな検査用データDを生成することができる。
また、データ通信部17は、上述したネットワークNWに接続されており、種々のデータをユーザ端末20や他のサーバとの間で送受信する。
次に、図3を参照して、ユーザ端末20のハードウェア構成を説明する。ユーザ端末20は、システムバス21を介して、記憶部23、システム制御部24、入力部25、出力部26、FFT実行部27、異常判定部28及びデータ通信部29が協働する装置である。
ユーザ端末20の例としては、ユーザによる持ち運びが可能なスマートフォン、携帯電話、タブレット型PC等が挙げられる。ユーザ端末は、インターネット回線に接続することができ、専用アプリケーションが利用できるものであればよい。
記憶部23は、ハードディスク装置、SSD、フラッシュメモリ等により構成されており、オペレーティングシステムやユーザ端末20用のソフトウェア等の各種プログラムが記憶されている。
この各種プログラムについても、他のサーバ等からネットワークを介して取得できるようにしてもよいし、各種ドライブ装置を介して読み込まれるようにしてもよい。すなわち、記憶部23に記憶される各種プログラムは、ネットワークを介して伝送可能であるし、また、コンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録して譲渡することができる。
システム制御部24は、CPU24a、ROM24b及びRAM24cにより構成され、コンピュータとして機能する。CPU24aは、ROM24bや記憶部23に記憶された各種プログラムを読み出して実行することにより、各種機能を実現している。
入力部25は、例えば、キーボード、タッチパッド、タッチパネル、スタイラスペン等の入力装置である。また、機械の動作音を収集、録音するためのマイク25a(本発明の「音声収集部」)は本発明に必須の構成であり、2kHz以上の周波数を認識可能で、上限は可聴音域(20kHz)よりも高周波を含む音を収集可能な性能を有する。従って、マイク25aは、44.1kHzを超えるサンプリングレートであることが好ましい。
出力部26は、例えば、映像を表示する表示部(ディスプレイ26a)、専用アプリケーションの効果音を発するスピーカ等である。
FFT実行部27は、CPU24aからの信号を受けて、音声ファイルに対して高速フーリエ変換(FFT:Fast Fourier Transform)を行う。高速フーリエ変換とは、離散化された信号に対してコンピュータを用いて行う離散フーリエ変換であり、専用アプリケーションの内部で実行される。これにより、音声ファイルの動作音をスペクトル分解した周波数特性データFsが生成される。
高速フーリエ変換による処理は、検出された振動に関する振動ファイルに対しても同様に実行され、振動特性データFvが生成される。FFT実行部27は、本発明の「判定データ生成部」に相当する。
異常判定部28は、特性データFに機械の故障原因に結び付く特定の周波数が含まれているか否かを判定する。具体的には、特性データFと検査用データDとを比較することで、最終結果として、「ベアリング異常」、「ギア異常」等の異常箇所まで出力する。
データ通信部29はネットワークに接続されており、検査用データDや特性データF等の種々のデータをクラウドサーバ10との間で送受信する。なお、検査用データDは、特性データFと比較してデータサイズが大きく、ダウンロードに時間がかかる。
次に、図4を参照して、ユーザ端末20の専用アプリケーションの画面を示して、機械の検査の概要について説明する。以下では、主に音声による検査を例に説明する。
まず、検査者が所有するユーザ端末20で専用アプリケーションを起動すると、ユーザ端末20のディスプレイ26aにメニュー画面(図4(a)参照)が表示される。検査者が機械の検査を行う場合、検査用データが必要となるので、メニュー画面の「検査用データ取得」を選択すると、機械選択画面に進む。
機械選択画面(図4(b)参照)には、旋盤やボール盤(穴開けドリル)等の工作機械のリストが表示されている。検査者は、ユーザ端末20とクラウドサーバ10との接続を確認して、検査する機械の種類を選択すると、目的の検査用データのダウンロードが開始する。
検査用データのダウンロードが完了すると、機械の検査が開始できる状態となる。その後、検査者は、メニュー画面の「検査(音声・振動)」を選択して、機械の動作音の録音、振動の計測を行う。図4(c)は、録音中の検査画面を示している。録音は、検査者がディスプレイ26aのボタンb1(「スタート」)を操作することで開始し、録音により取得された波形がディスプレイ26aのウィンドウw2に表示される。なお、ウィンドウw1は検査結果、ウィンドウw3は周波数特性の波形が表示される領域である。
動作音は、少なくとも5秒程度の長さがあればよく、検査結果が得ることができる。また、検査者がディスプレイ26aのボタンb2(「判定」)を操作することで、検査結果がウィンドウw1に表示される。図4(d)の検査画面のウィンドウw1に、「× ベアリング異常」と表示されているように、検査により異常の有無とその箇所が表示される。なお、ウィンドウw3には、FFTの実行により得られた周波数特性の波形が表示されている。
次に、図5を参照して、動作音を録音した音声ファイルの波形と、音声ファイルに対してFFTを実行して得られた周波数特性データFsの波形について説明する。
まず、図5(a)に、ユーザ端末20のマイク25aにより機械の動作音を録音したときに得られる音声ファイルの波形(生波形)を示す。横軸が時間Time(ms)、縦軸が振幅Amplitude(mv)であるが、図示する通り、様々な振幅の波形が混在している状態であり、ここまでは特徴を認識することができない。
次に、図5(b)に、FFTを実行した後の周波数特性データの波形を示す。ここでは、横軸が周波数Freq(Hz)、縦軸が振幅スペクトルの強度Amp Spectrumとなっている。周波数特性データFsは、特定の周波数成分がどの程度含まれているかが認識できる波形となっている。
検査においては、周波数特性データFsと、ユーザ端末20にダウンロードした音声用の検査用データDsとの比較が行われる。例えば、ベアリング異常に特有の周波数が存在した場合には、波形に色彩(例えば、緑色)が付く。また、ギア異常の場合には赤色、ミスアラインメントの場合には黄色等の異なる色彩が付くので、検査者は一目で異常の種類を認識することができる。
次に、図6を参照して、クラウドサーバ10及びユーザ端末20で行われる検査用データ生成処理について説明する。なお、ユーザ端末20ではデータ生成のための準備が行われ、クラウドサーバ10で学習済みモデルとしての検査用データを生成する。
図6は、音声ファイルに機械の異常音が含まれている場合の検査用データ生成処理を示している。まず、ユーザ端末20は、音声ファイルの読出しを行う(ステップS11)。これは、ユーザ端末20により録音した音声ファイルを、以降の処理のために読み出す作業である。その後、ステップS12に進む。
次に、ユーザ端末20は、音声ファイルのうち不要部分を切り取る(ステップS12)。これは、機械の動作音の録音時に混入した明らかな雑音を、不要部分として除去する作業である。また、録音時間は通常5~6秒であるので、データを0.5秒毎に分割する。その後、ステップS13に進む。
次に、ユーザ端末20は、FFTを実行する(ステップS13)。これにより、動作音の生波形データである音声ファイルが周波数特性の波形データに変換される。その後、ステップS14に進む。
次に、ユーザ端末20は、正規化を行う(ステップS14)。これは、得られた周波数特性データを、全て同じサイズのデータに揃える作業である。その後、ステップS15に進む。
ステップS15以降は、クラウドサーバ10で行われる機械学習の処理である。なお、検査者がクラウドサーバ10にアップロードする周波数特性データには、異常の有無の情報が含まれていることが前提となる。
まず、クラウドサーバ10は、隠れ層の設定を行う(ステップS15)。隠れ層(中間層)とは、深層強化学習において学習が行われる階層の1つであり、入力層と出力層の間に位置する。具体的には、本ステップにおいて、データが入力された場合に、検査用データの精度を向上させるための設定が行われる。その後、ステップS16に進む。
次に、クラウドサーバ10は、勾配降下法の反復処理を行う(ステップS16)。勾配降下法とは、関数の勾配を調べて最小値を探す手法であるが、検査用データのパラメータを更新する作業といえる。これにより、最適なパラメータが設定され、検査用データの精度をさらに向上させることができる。その後、ステップS17に進む。
最後に、クラウドサーバ10は、検査用データを保存する(ステップS17)。以上により、音声ファイルに異常音が含まれる場合の検査用データ生成処理を終了する。なお、ステップS11~S14の処理は、クラウドサーバ10がユーザ端末20から音声ファイルを受信して、クラウドサーバ10内で実行するようにしてもよい。
次に、図7Aを参照して、検査システム1による実際の検査の例を説明する。
検査システム1は、1つの機械に対して音声と振動により異常の有無を検査することができるが(図1参照)、図7Aに示すような同種類の機械M1~M3が設置された部屋(領域)においては、機械M1~M3の検査を効率的に行うことができる。
ここでは、機械M2に振動計測器30を取り付けて、その振動を計測する。振動計測器30からは、ユーザ端末20に対して振動ファイルが送信される。その後、ユーザ端末は、受信した振動ファイルに基づいて振動特性データFvを生成し、振動検査用データDvと比較して振動判定結果を出力する。
同時に、ユーザ端末20のマイク25aで機械M1~M3の機械音を取得する。そして、ユーザ端末は、取得した機械音(音声ファイル)に基づいて周波数特性データFsを生成し、音声検査用データDsと比較して音声判定結果を出力する。
次に、図7Bに、上記の検査に関して、検査システム1が判断した機械M1~M3の異常の有無を示す。
振動判定結果と音声判定結果が正常で一致した場合、検査システム1は、図中の「領域1」のように判断する。振動計測器30を取り付けた機械M2に関しては、「正常」と判断する。また、音声判定結果も正常、すなわち、異常音を含まないという結果であるから、機械M1、機械M3についても「正常」と判断する。
次に、振動判定結果が正常かつ音声判定結果が異常で不一致であった場合、検査システム1は、図中の「領域2」のように判断する。振動計測器30を取り付けた機械M2に関しては、「正常」と判断する。また、音声判定結果は異常、すなわち、異常音を含むという結果であるから、機械M1と機械M3の少なくとも一方が「異常」であると判断する。この場合、さらに機械M1と機械M3に対して振動計測器30を取り付け、それぞれ振動を測定することで、異常のある機械を特定することができる。
次に、振動判定結果が異常かつ音声判定結果が正常で不一致であった場合、検査システム1は、図中の「領域3」のように判断する。振動計測器30を取り付けた機械M2に関しては、「異常」と判断する。この時点で機械M1、機械M3に異常があるか否かは不明であるため、機械M1と機械M3に対して振動を測定する必要がある。なお、機械M2が「異常」と判断されたにも関わらず、音声判定結果が正常と判断することは通常あり得ないため、ユーザ端末20のマイク25aが故障している可能性がある。
次に、振動判定結果と音声判定結果が異常で一致した場合、検査システム1は、図中の「領域4」のように判断する。振動計測器30を取り付けた機械M2に関しては、「異常」と判断する。また、音声判定結果も異常という結果であるから、機械M1、機械M3に異常があるか否かは不明であり、機械M1と機械M3に対して振動を測定する必要がある。
検査システム1によれば、ユーザは、複数の機械について異常を検査するとき、そのうちの一の機械に対して振動計測器30を取り付ける。そして、振動判定結果と音声判定結果が正常で一致した場合には、複数の機械の中に異常がある機械はないと判断することができるので、迅速に検査を行うことができる。また、振動判定結果が異常である場合には、少なくとも振動計測器30を取り付けた一の機械に異常があることが判明する等、複数の機械に対する異常の有無をある程度、推測することができる。
次に、図8A、図8Bを参照して、検査システム1による異常判定処理1について説明する。異常判定処理1は、3つの機械M1,M2,M3から異常のある機械を特定する処理であり、図7Aに示したように、機械M2に振動計測器30を取り付けた場合を例に説明する。
まず、ユーザ端末20(振動計測器30)は、検査対象の機械M1~M3の音声と振動(機械M2)の計測を実行する(ステップS21)。両計測は同時に実行することが好ましいが、多少の時間差、すなわち、一方を先に実行してもよい。その後、ステップS22に進む。
次に、ユーザ端末20は、周波数特性データと振動特性データを生成する(ステップS22)。具体的には、ユーザ端末20のFFT実行部27が、音声ファイルから周波数特性データFsを生成し、ユーザ端末20から送信された振動ファイルから振動特性データFvを生成する。その後、ステップS23に進む。
次に、ユーザ端末20は、音声判定結果を出力する(ステップS23)。音声判定結果(異常の有無、異常箇所)は、ユーザ端末20のディスプレイ26aに表示可能であるが(図4(d)参照)、異常判定の最終結果ではないため、検査者が所定の操作を行わなければ表示しなくてもよい。その後、ステップS24に進む。
次に、ユーザ端末20は、振動判定結果を出力する(ステップS23)。振動判定結果についても、ユーザ端末20のディスプレイ26aに表示可能である。なお、ステップS23とステップS24は、計測順によっては逆となる。その後、ステップS24に進む。
次に、ユーザ端末20の専用アプリケーションにおいて、振動が正常であったか否かが判定される(ステップS25)。振動判定結果により振動が正常であった場合(ステップS25でYES)には、ステップS26に進む。一方、振動が正常でなかった場合(ステップS25でNO)には、ステップS27に進む。
振動が正常であった場合には、ユーザ端末20は、機械M2は正常と判断する(ステップS26)。機械M2は振動計測器30を直接取り付けるため、振動判定結果は信頼性が高く、このような判断となる。その後、ステップS28(図8B参照)に進む。
一方、振動が正常でなかった場合には、少なくとも機械M2は異常と判断する(ステップS27)。なお、この時点で機械M1,M3の正常又は異常は不明であり、ユーザは、機械M1,M3について、さらに検査を行わなければ、どの機械に異常があるのかを特定することができない。その後、ステップS31(図8B参照)に進む。
図8Bにおいて、ユーザ端末20(専用アプリケーション)は、音声が正常であったか否を判定する(ステップS28)。音声判定結果により音声が正常であった場合(ステップS28でYES)には、ステップS29に進む。一方、音声が正常でなかった場合(ステップS28でNO)には、ステップS30に進む。
音声が正常であった場合には、ユーザ端末20は、機械M1,M3についても正常と判断する(ステップS29)。これは、振動判定結果と音声判定結果が正常で一致した場合であるため、このような判断となる。その後、ステップS34に進む。
一方、音声が正常でなかった場合には、機械M1,M3の少なくとも一方は異常と判断する(ステップS30)。なお、ユーザは、機械M1,M3について、さらに検査を行わなければ、どの機械に異常があるのかを特定することができない。その後、ステップS31に進む。
次に、振動計測器30は、機械M1,M3の振動の計測を実行し(ステップS31)、ユーザ端末20は、機械M1,M3のそれぞれに対し、振動特性データを生成する(ステップS32)。さらに、ユーザ端末20は、機械M1,M3のそれぞれに対し、振動判定結果を出力する(ステップS33)。これにより、機械M1,M3の何れに異常があるのか、又は両方に異常があるのかが判明する。その後、ステップS34に進む。
最後に、ユーザ端末20は、ディスプレイ26aに異常の有無と異常箇所を表示する(ステップS34)。これにより、異常判定処理1は終了となり、検査者は、検査システム1による異常判定の最終結果を確認することができる。
異常判定処理1によれば、複数の機械に対して音声及び振動の計測を行い、音声判定結果と振動判定結果とに基づいて、異常のある機械を容易に特定していくことができる。異常判定処理1では、3つの機械の異常を判定したが、検査対象の機械は2台又は4台以上であってもよい。
次に、図9を参照して、検査システム1による異常判定処理の変更例(異常判定処理2)について説明する。異常判定処理2についても、3つの機械M1,M2,M3から異常を検出する処理である。
まず、ユーザ端末20は、検査対象の機械M1~M3の音声の計測を実行する(ステップS41)。ここでは、機械M1~M3を同時に計測する。その後、ステップS42に進む。
次に、ユーザ端末20は、周波数特性データを生成する(ステップS42)。具体的には、ユーザ端末20のFFT実行部27が音声ファイルから周波数特性データFsを生成する。その後、ステップS43に進む。
次に、ユーザ端末20は、音声判定結果を出力する(ステップS43)。音声判定結果は、ユーザ端末20のディスプレイ26aに表示可能であるが、機械M1~M3の何れか又は全てに異常がある場合(ケースA)、全てが正常である場合(ケースB)があるため、最終結果とはならない。その後、ステップS44に進む。
次に、ユーザ端末20の専用アプリケーションで、異常音があるか否かが判定される(ステップS44)。異常音ありの場合(ステップS44でYES)、すなわち上述のケースAの場合には、ステップS45に進む。一方、異常音なしの場合(ステップS44でNO)、すなわち、上述のケースBの場合には、異常判定処理2を終了する。
異常音ありの場合、振動計測装置30は、機械M1~M3の振動の計測を実行する(ステップS45)。ここでは、機械M1~M3を順番に計測してもよいし(図1参照)、同時に計測してもよい(図10のセンサ常設型)。その後、ステップS46に進む。
次に、ユーザ端末20は、振動特性データを生成する(ステップS46)。具体的には、ユーザ端末20のFFT実行部27が、ユーザ端末20から送信された振動ファイルから振動特性データFvを生成する。その後、ステップS47に進む。
次に、ユーザ端末20は、振動判定結果を出力する(ステップS47)。これにより、機械M1~M3の何れに異常があるのか、又は全てに異常があるのかが判明する。その後、ステップS48に進む。
最後に、ユーザ端末20は、ディスプレイ26aに機械M1~M3の異常の有無と異常箇所を表示する(ステップS36)。これにより、異常判定処理2は終了となるが、検査者は、検査システム1による異常判定の最終結果を確認することができ、異常のある機械を特定することができる。
異常判定処理2によれば、複数の機械に対して同時に音声の計測を行い、異常がなければ処理を終了するため、異常判定の時間短縮が見込める。異常判定処理2では、3つの機械の異常を判定したが、検査対象の機械は2台又は4台以上であってもよい。
以上のように、検査システム1では、クラウドサーバ10で機械学習により更新された検査用データを検査者のユーザ端末20にダウンロードして、機械の正常又は異常を検査することができる。検査システム1は、検査者が工場内を巡回して機械の動作音を録音すると共に振動を検出することで、検査用データに基づいて検査が行えるため、技量や熟練度に関係なく検査を行うことができる。
最後に、図10に、変更形態の検査システム1’(センサ常設型)の概略図を示す。図示するように、ここでの振動計測器40は、機械Ma,Mb,Mcのそれぞれに常時接触させて振動を検知する振動センサ40a,40b,40cを有している。振動計測器40は、所定の時間間隔(例えば、1日1回)、又はネットワーク接続された外部装置(図示省略)からの命令を受けて、振動センサ40a,40b,40cから振動の情報(振動ファイル)を取得する。
また、取得された各機械の振動ファイルは、振動計測器40のデータ格納部40mで集計され、一時格納された後、振動計測器40の通信部40xにより無線で閲覧端末50(ユーザ端末の一種)に送信される。そして、閲覧端末50による振動特性データFvと振動検査用データDvとの比較により、機械Ma,Mb,Mcの異常の有無を判定する。これにより、検査者は、閲覧端末50の画面(ディスプレイ56a)で機械Ma,Mb,Mcの計測時刻における異常の判定結果を閲覧することができる。
振動計測器40は、有線で閲覧端末50に接続されていてもよい。また、振動計測器40は、各機械の振動ファイルをユーザ端末20に直接送信することも可能である。
このように、検査システム1’は、計測項目は振動のみであるが、機械Ma,Mb,Mcの異常を判定することができる。この検査システム1’では、検査者が機械Ma,Mb,Mcに立ち寄らなくても、すなわち、遠隔地からでも機械の検査が行えるという利点がある。
上述の検査システム1’は、サーバと、前記サーバに接続され、回転部品を有する機械の正常及び異常を検査するための複数種類の検査用データが記憶されたデータベースと、前記サーバに接続され、ユーザが所有するユーザ端末と、前記ユーザ端末に接続され、前記機械の振動を計測する振動計測器とを備える、前記機械の異常を検査する検査システムであって、前記振動計測器は、測定した振動を振動情報として送信する振動情報送信部を有し、前記ユーザ端末は、前記振動計測器から受信した前記振動情報から判定用の振動データを生成する判定データ生成部と、前記振動データと前記検査用データに含まれる振動検査用データとを比較して前記正常又は異常を判定した振動判定結果を出力する異常判定部と、を有している。
検査システム1’は、回転部品を有する機械に取り付ける振動計測器とユーザ端末とにより、前記機械の異常を検査するものである。このとき、ユーザ端末の判定データ生成部は、振動計測器から受信した機械の振動情報から判定用の振動データを生成する。その後、ユーザ端末の異常判定部は、生成した振動データと振動検査用データとを比較して、機械の正常又は異常を判断する。これにより、複数の機械の正常又は異常を容易に検査することができる。
前記振動計測器は、常時、前記機械に接触させて振動を検知する常設振動センサと、前記振動データを収集、格納するデータ格納部とを有していることが好ましい。検査システム1’は、振動のみによる検査であるが、検査者が機械とは離れた場所にいても、検査を容易に行うことができる。
上述の実施形態は、本発明の実施形態の一例に過ぎず、適宜変更が可能である。本発明の検査システム1(1’)は、主に工作機械の部品(ギア、ベアリング等)の検査を対象としているが、モータやポンプ、コンプレッサ等、音の出る部品の検査に適用することもできる。
検査は、故障を検出する目的に限られない。例えば、定期的に機械の動作音や振動を取得することにより、経年劣化を調査することができる。また、部品の歩留まり向上のための検査や、製品の出荷時の検品に利用してもよい。
ユーザ端末20は、広域の動作音を取得するため、複数のマイクを備えていてもよい。例えば、2つのマイクの位相差や振幅差を利用して、機械の動作音と雑音とを区別することができる。
ユーザ端末20の専用アプリケーションでは、結果として異常の有無と異常箇所が示されるが、最終的に検査結果を確認するのは検査者である。検査者は、検査結果が正しいか否かの情報を付加した特性データFを生成し、これをクラウドサーバ10にアップロードしてもよい。このようなデータを利用して人工知能15aに機械学習をさせることで、より精度の高い検査用データが生成される。
特性データFのアップロードは、通常、インターネット回線に接続して行うが、ユーザ端末20にWi-Fi内蔵の記憶媒体をセットして、周波数特性データを記憶するようにしてもよい。これにより、記憶媒体がWi-Fi電波を発信して、クラウドサーバ10に周波数特性データをアップロードすることができる。
1,1’…検査システム、10…クラウドサーバ、11…システムバス(サーバ側)、13…大容量記憶部、13a~13c…データベース、14…システム制御部(サーバ側)、14a…CPU、14b…ROM、14c…RAM、15…検査用データ生成部、15a…人工知能、15b…データ変換部、16…モデル生成部、16a…人工知能、17…データ通信部(サーバ側)、20…ユーザ端末、21…システムバス(端末側)、23…記憶部、24…システム制御部(端末側)、24a…CPU、24b…ROM、24c…RAM、25…入力部、25a…マイク、26…出力部、26a…ディスプレイ、27…FFT実行部、28…異常判定部、29…データ通信部(端末側)、30,40…振動計測器、30a,40a~40c…振動センサ、30x,40x…通信部、40m…データ格納部、50…閲覧端末、56a…ディスプレイ。

Claims (4)

  1. サーバと、前記サーバに接続され、回転部品を有する複数の機械の正常及び異常を検査するための複数種類の検査用データが記憶されたデータベースと、前記サーバに接続され、ユーザが所有する持ち運びが可能なユーザ端末と、前記ユーザ端末に接続され、前記複数の機械のうち一の機械に対して着脱自在であり、該機械の振動を計測する振動計測器とを備える、前記複数の機械の異常を検査する検査システムであって、
    前記振動計測器は、測定した振動を振動情報として送信する振動情報送信部を有し、
    前記ユーザ端末は、
    前記複数の機械から発せられる音声を収集する音声収集部と、
    前記振動計測器から受信した前記振動情報から判定用の振動データを生成すると共に、前記音声収集部が収集した音声から判定用の音声データを生成する判定データ生成部と、
    前記振動データと前記検査用データに含まれる振動検査用データとを比較して前記正常又は異常を判定した振動判定結果を出力すると共に、前記音声データと前記検査用データに含まれる音声検査用データとを比較して前記正常又は異常を判定した音声判定結果を出力する異常判定部と、を有し、
    前記異常判定部は、前記振動判定結果が異常であった場合には、前記複数の機械のうち少なくとも前記一の機械について異常と判断し、前記振動判定結果と前記音声判定結果とが正常で一致した場合には、前記複数の機械について正常と判断し、前記振動判定結果が正常かつ前記音声判定結果が異常であった場合には、前記複数の機械のうち前記一の機械を除く他の機械のみ異常と判断することを特徴とする検査システム。
  2. 請求項1に記載の検査システムにおいて、
    前記振動計測器は、計測時に前記一の機械に取り付けて振動を検知する可動振動センサを有していることを特徴とする検査システム。
  3. 回転部品を有する複数の機械の正常及び異常を検査するための複数種類の検査用データと、ユーザが所有する持ち運びが可能なユーザ端末と、前記複数の機械のうち一の機械に対して着脱自在であり、該機械の振動を計測する振動計測器とを用いて、前記複数の機械から異常を有する機械を特定する異常特定方法であって、
    前記ユーザ端末で前記複数の機械の発せられる音声を収集して、該音声から判定用の音声データを生成する音声データ生成工程と、
    前記ユーザ端末で前記音声データと前記検査用データに含まれる音声検査用データとを比較して、異常音が含まれるか否かを判定する音声判定工程と、
    前記振動計測器で前記一の機械の振動を計測して、測定した振動を振動情報として前記ユーザ端末に送信し、前記ユーザ端末で該振動から判定用の振動データを生成する振動データ生成工程と、
    前記ユーザ端末で前記振動データと前記検査用データに含まれる振動検査用データとを比較して、前記一の機械の正常又は異常を判定する振動判定工程と、
    前記ユーザ端末で、前記振動判定工程において前記一の機械が異常と判定された場合には、前記複数の機械のうち少なくとも前記一の機械について異常と判断し、前記音声判定工程において前記異常音が含まれないと判定され、前記振動判定工程において前記一の機械が正常と判定された場合には、前記複数の機械について正常と判断し、前記音声判定工程において前記異常音が含まれると判定され、前記振動判定工程において前記一の機械が正常と判定された場合には、前記複数の機械のうち前記一の機械を除く他の機械のみ異常と判断する判断工程と、を備えることを特徴とする異常特定方法。
  4. 回転部品を有する複数の機械の正常及び異常を検査するための複数種類の検査用データと、ユーザが所有する持ち運びが可能なユーザ端末と、前記複数の機械の振動を計測する振動計測器とを用いて、前記複数の機械から異常を有する機械を特定する異常特定方法であって、
    前記ユーザ端末で前記複数の機械の発せられる音声を収集して、該音声から判定用の音声データを生成する音声データ生成工程と、
    前記ユーザ端末で前記音声データと前記検査用データに含まれる音声検査用データとを比較して、異常音が含まれるか否かを判定する音声判定工程と、
    前記異常音が含まれると判定された場合に、前記振動計測器で前記複数の機械の振動を個別に計測して、測定した振動を振動情報として前記ユーザ端末に送信し、前記ユーザ端末で該振動から判定用の振動データを生成する振動データ生成工程と、
    前記ユーザ端末で前記振動データと前記検査用データに含まれる振動検査用データとをそれぞれ比較して、前記複数の機械の各々に対して異常の有無を判定する振動判定工程と、
    を備えることを特徴とする異常特定方法。
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