本明細書では、磁気整列システム及びその構成要素の様々な実施形態が記載される。磁気整列システムは、環状整列構成要素を含み得、各環状整列構成要素は、特定の磁気配向又は磁気配向パターンを有する磁石(又は単一の環状磁石)のリングを含むことができ、「一次」環状整列構成要素が相補的な「二次」環状整列構成要素を吸引して保持することができる。磁気整列構成要素は、様々なデバイスに組み込むことができ、1つのデバイス内の磁気整列構成要素は、相補的な磁気整列構成要素を有する別のデバイスを所望の整列に引き付けることができ、及び/又は他のデバイスを所望の整列で保持することができる。(磁気整列システムによって整列されたデバイスは、互いに「取り付けられている」と言うことができる。)
本明細書の目的のため、デバイスの多数の異なるカテゴリーを区別することができる。本明細書で使用する場合、「ポータブル電子デバイス」は、一般的に、ポータブルであり、電力を消費し、ユーザと少なくともいくらかの双方向作用を提供する全ての電子デバイスを指す。ポータブル電子デバイスの例としては、スマートフォン及び他の携帯電話、タブレットコンピュータラップトップコンピュータウェアラブルデバイス(例えば、スマートウォッチ、ヘッドホン、イヤーバッド)、及びユーザが持つ又は着ることができる全ての他の電子デバイスが挙げられる。他のポータブル電子デバイスは、ロボットデバイス、遠隔制御デバイス、パーソナルケア器具などを含み得る。
「アクセサリデバイス」(又は「アクセサリ」)は、一般的に、ポータブル電子デバイスの機能性及び/又は美的性を向上させるために、ポータブル電子デバイスに関連して有用なデバイスを指す。アクセサリの多くのカテゴリーは、磁気整列を組み込んでもよい。例えば、アクセサリの1つのカテゴリーは、無線充電器アクセサリを含む。本明細書で使用する場合、「無線充電器アクセサリ」(又は「無線充電器デバイス」又は「無線充電器」)は、無線電力伝送技術を使用してポータブル電子デバイスに電力を提供することができるアクセサリである。「バッテリパック」(又は「外部バッテリ」)は、ポータブル電子デバイスに移され得る電荷を蓄積するためのバッテリを内蔵する、無線充電器アクセサリの種類である。いくつかの実施形態では、バッテリパックはまた、別の無線充電器アクセサリから無線で電力を受信してもよい。無線充電器アクセサリは、電力を提供及び/又は受信するそれらの能力に関して、「アクティブ」アクセサリとも称され得る。他のアクセサリは、電力を提供又は受信しない「パッシブアクセサリ」である。例えば、一部のパッシブアクセサリは、ポータブル電子デバイスの1つ以上の表面を覆い、保護(例えば、ポータブル電子デバイスの他の物体への衝撃によって引き起こされる損傷からの)、美的向上(例えば、装飾的な色など)、及び/又は、機能的向上(例えば、収納ポケット、バッテリ、カードリーダ、又は様々な種類のセンサを組み込むケース)を提供することができる「ケース」である。ケースは、様々なフォームファクタを有することができる。例えば、「トレイ」は、ポータブル電子デバイスの後面を覆うリアパネルと、前面(ディスプレイを含んでもよい)を露出したままポータブル電子デバイスをトレイ内に固定するための側面を有するケースを指すことができる。「スリーブ」は、デバイスの前面及び後面が覆われるようにポータブル電子デバイスを挿入することができる開端部(又は「スロート」)を有するフロントパネル及びバックパネルを有するケースを指すことができ、場合によっては、スリーブのフロントパネルは、ポータブル電子デバイスのディスプレイの一部分(又は全て)を視認可能にする窓を含むことができる。「フォリオ」とは、ポータブル電子デバイスの少なくとも後面(及び場合によっては1つ以上の側面)を覆う保持部分と、ディスプレイを覆うように閉じるか、又はディスプレイを露出させるために開くことができるカバーとを有するケースを指すことができる。全てのケースがパッシブアクセサリではないことを理解されたい。例えば、「バッテリケース」は、保護及び/又は美的特徴に加えてバッテリパックを組み込むことができ、バッテリケースは、一般にトレイ、スリーブ、又はフォリオとして成形することができる。アクティブケースの他の例としては、カードリーダ、センサ、バッテリ、又はポータブル電子デバイスの機能性を向上させる他の電子部品を組み込むケースを挙げることができる。
本明細書では、無線充電器デバイスとポータブル電子デバイスとの間の無線電力伝送を妨害することなくポータブル電子デバイスと無線充電器デバイスとの間に配置され得るアクセサリである、「充電スルーアクセサリ」と、充電スルーアクセサリではないアクセサリである「端子アクセサリ」とに区別する。無線充電アクセサリは、典型的には端末アクセサリであるが、全ての端末アクセサリがポータブル電子デバイスの無線充電を提供するわけではない。例えば、いくつかの端末アクセサリは、ポータブル電子デバイスを特定の位置に保持するように設計された「装着」アクセサリとすることができる。装着の例としては、ポータブル電子デバイスを所望の位置及び/又は向き(調節可能でも調節可能でなくてもよい)に保持することができる、三脚、ドッキングステーション、他のスタンド、又はマウントが挙げられる。そのようなアクセサリは、無線充電能力を組み込んでもよく、又は組み込まなくてもよい。
本明細書に記載される実施形態によれば、ポータブル電子デバイス及びアクセサリデバイスは、アクセサリデバイスとポータブル電子デバイスとの整列及び/又はアクセサリデバイスのポータブル電子デバイスへの取り付けを容易にする相補的な磁気整列構成要素を含むことができる。磁気整列構成要素は、いくつかの実施形態では、誘導性充電送電及び受電コイルを取り囲むことができる、環状磁気整列構成要素を含み得る。(誘導性充電コイルを有さないデバイスにおいて、環状磁気整列構成要素を使用することもできることは明らかであろう。)本明細書で使用する命名法では、「一次」環状磁気整列構成要素は、無線充電器デバイス又は他の端末アクセサリに使用される環状磁気整列構成要素を指す。「二次」環状磁気整列構成要素は、ポータブル電子デバイスにおいて使用される環状磁気整列構成要素を指す。「補助」環状磁気整列構成要素は、充電スルーアクセサリで使用される環状磁気整列構成要素を指す。(本開示では、「環状」、「磁気」、「一次」、「二次」、及び「補助」などの形容詞は、文脈が明確なときには省略されてもよい。)一次及び二次の環状整列構成要素は、一次及び二次環状整列構成要素が互いに引き寄せられ、これらの構成要素を有するデバイスを所望の整列で取り付けることができるよう、相補的な磁気配向を有する。例えば、一次環状整列構成要素は、第1の軸方向に磁極性を有する内側環状領域と、第1の方向とは反対の第2の軸方向に磁極性を有する外側環状領域と、内側環状領域と外側環状領域との間の中央非磁化領域とを有する、「四極」磁気構成を有し得る。二次環状整列構成要素は、ラジアル磁気構成(例えば、正確にあるいはおおよそ、北極が径方向内方又は径方向外方に方向付けられた、以下に実施例を説明する)を有し得る。整列されると、一次及び二次環状整列構成要素は、DC磁束が磁石内に大部分が収容されるように、閉磁気ループを形成することができる。あるいは、二次環状整列構成要素はまた、一次環状整列構成要素と一致する四極磁気構成を有することもできる。補助環状整列構成要素は、「リピータ」として動作することができ、一次環状整列構成要素と一致する四極構成を有することができる。
いくつかの実施形態では、磁気整列システムはまた、2つのデバイスを好ましい回転配向に整列させるのを容易にする回転磁気整列構成要素を含むこともできる。回転磁気整列構成要素は、例えば、環状整列構成要素の外側に配置された1つ以上の磁石を含むことができる。回転整列構成要素の磁石(複数可)は相補的な向きを有することができ、そのため、2つのデバイスにおける回転整列構成要素は互いに引き寄せられ、これらの構成要素を含む2つのデバイスを所望の回転配向で取り付けることができる。例えば、回転整列構成要素は、第1の軸方向に磁極性を有する第1の磁化領域(例えば、矩形磁石の片側に沿って延在する)と、第1の軸方向とは反対の第2の軸方向に磁極性を有する第2の磁化領域(例えば、矩形磁石の反対側に沿って延在する)と、中央非磁化領域と、を含む四極構成を有し得る。別の実施例として、回転整列構成要素は、第1の軸方向に磁極性を有する第1の磁化領域(例えば、矩形磁石の片側に沿って延在する)と、第1の軸方向に磁極性を有する第2の磁化領域(例えば、矩形磁石の反対側に沿って延在する)と、第1の方向と反対の第2の軸方向に磁極性を有する中央磁化領域と、中央磁化領域と第1及び第2の磁化領域それぞれとの間の非磁化領域と、を含む三極構成を有し得る。他の磁気構成を置換することができる。環状磁気整列構成要素を有する任意のデバイスは、回転磁気整列構成要素を有しても有さなくてもよく、回転整列構成要素は、例えば、デバイスの種類に応じて、一次、二次、又は補助として分類されてもよいことを理解されたい。
いくつかの実施形態では、磁気整列構成要素は、デバイス筐体内の所定の位置に固定することができる。あるいは、デバイス(環状及び/又は回転整列構成要素を含む)内の磁気整列構成要素のいずれか又は全ては、軸方向及び/又は横方向に移動可能とすることができる。移動可能な磁気整列構成要素により、デバイスを整列状態で保持する磁力を増加させるよう磁石を互いと接近するよう移動させる(例えば、軸方向に)、又は、デバイスを整列状態で保持する磁力を低減するよう磁石を互いから離間するよう移動させることができる。
いくつかの実施形態では、磁気整列システムはまた、近距離通信(NFC)プロトコルを用いてデバイスが互いに識別することを可能にするよう、NFCコイル及び支持回路を含むことができる。特定のデバイス内のNFCコイルは、環状整列構成要素の内側又は環状整列構成要素の外側に配置される環状コイルであり得る。例えば、誘導性充電コイルを取り囲む環状整列構成要素を有するデバイスでは、NFCコイルは、誘導性充電コイルと環状整列構成要素との間の環状隙間内に配置されてもよい。NFC構成要素は、磁気整列を提供するという文脈において任意であることを理解されたい。
従って、以下の説明は、構成要素の様々な組み合わせを組み込む特定の実施例に焦点を当てるが、任意のデバイスが、例えば、本明細書に記載される一次、二次、又は補助環状磁気整列構成要素のいずれかであってもよい環状磁気整列構成要素を有することができることを理解されたい。更に、環状磁気整列構成要素を有する任意のデバイスは、例えば、本明細書に記載される回転磁気整列構成要素のいずれかであってもよい回転磁気整列構成要素を有することもできる。更に、環状磁気整列構成要素を有する任意のデバイスは、回転磁気整列構成要素も有するかどうかにかかわらず、例えば、本明細書に記載される実施例のいずれかに従って実装することができるNFCコイル(及び、支持するリーダ回路及び/又はタグ回路)も有することもできる。
1.一次及び二次環状磁気整列構成要素
1.1.磁気整列システムの概要
図1は、いくつかの実施形態による、磁気整列システム106を組み込んだ無線充電システム100の簡略化された図を示す。ポータブル電子デバイス104は、無線充電器デバイス102の充電面108上に配置される。ポータブル電子デバイス104は、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどの消費者用電子デバイス、又は無線充電が望まれる任意の他の電子デバイスとすることができる。無線充電器デバイス102は、好適に構成された受信デバイス内に電流を誘導するために、時間変化磁束を生成するように構成された任意のデバイスとすることができる。例えば、無線充電器デバイス102は、無線充電マット、パック、ドッキングステーションなどでもよい。無線充電器デバイス102は、バッテリ電力又は標準AC電力などの電源を含むか、又はそれにアクセスすることができる。
無線電力伝送を可能にするために、ポータブル電子デバイス104及び無線充電器デバイス102は、それぞれ誘導コイル110及び112を含むことができ、これらは、それらの間で電力を伝送するように動作することができる。例えば、誘導コイル112は、時間変化磁束114を生成する送電コイルとすることができ、誘導コイル110は、時間変化磁束114に応答して電流が誘導される受電コイルとすることができる。受信された電流は、ポータブル電子デバイス104のバッテリを充電する、ポータブル電子デバイス104の構成要素に動作電力を提供する、及び/又は所望に応じて他の目的のために使用され得る。(本明細書で使用する場合、「無線電力伝送」及び「誘導電力伝送」は、一般に、第2のデバイスの導電コイル内に電流を誘導する第1のデバイスの導電コイル内に時間変化磁場を生成するプロセスを指す。)
効率的な無線電力伝送を可能にするために、誘導コイル112及び110を整列させることが望ましい。いくつかの実施形態によれば、磁気整列システム106は、このような整列を提供することができる。図1に示す実施例では、磁気整列システム106は、無線充電器デバイス102の表面内又はその上に配置された一次磁気整列構成要素116と、ポータブル電子デバイス102の表面内又はその上に配置された二次磁気整列構成要素118と、を含む。一次及び二次整列構成要素116及び118は、効率的な無線電力伝送を提供するために誘導コイル110及び112が互いに整列された、整列位置に互いに磁気的に引き付けるよう構成されている。
本明細書に記載の実施形態によれば、磁気整列システムの磁気整列構成要素(一次又は二次整列構成要素を含む)は、環状構成に配置された弓状磁石から形成することができる。いくつかの実施形態では、各磁石は、所望の方向に磁極性が向けられ得、それにより、一次磁気整列構成要素と二次磁気整列構成要素との間の磁気引力が所望の整列を提供する。いくつかの実施形態では、弓状磁石は、第1の方向に配向された磁極性を有する第1の磁気領域と、第1の方向とは異なる(例えば、反対の)第2の方向に配向された磁極性を有する第2の磁気領域とを含むことができる。以下に説明するように、異なる構成は、異なる程度の磁場漏れを提供することができる。
1.2.単一軸方向磁気配向を有する磁気整列システム
図2Aは、いくつかの実施形態による磁気整列システム200の斜視図を示し、図2Bは、図2Aに示される切断面にわたる磁気整列システム200を通る断面を示す。磁気整列システム200は、図1の磁気整列システム106の実施でもよい。磁気整列システム200では、整列構成要素は全て、(環状構成の軸に沿って)同じ方向に配向された磁極性を有する。説明の便宜上、「軸」方向(「長手方向」又は「z」方向とも称される)は、磁気整列システム200の回転対称軸201と平行であると定義され、横断面(「横」又は「x」又は「y」方向とも称される)は、軸201に対して垂直であると定義される。用語「近位側」又は「近位表面」は、本明細書では、磁気整列システムが整列されたときに他の整列構成要素に向けて配向される1つの整列構成要素の側面又は表面を指すために使用され、用語「遠位側」又は「遠位表面」は、近位側又は近位表面と反対側の側面又は表面を指すために使用される。(用語「上部」及び「底部」は、図面に示される特定の図を参照して使用されてもよいが、他の有意性は有さない。)
図2Aに示すように、磁気整列システム200は、一次整列構成要素216(図1の一次整列構成要素116の実施でもよい)と、二次整列構成要素218(図1の二次整列構成要素118の実施でもよい)を含むことができる。一次整列構成要素216及び二次整列構成要素218は、環状の形状を有し、「環状」整列構成要素とも称され得る。特定の寸法は、所望に応じて選択することができる。いくつかの実施形態では、一次整列構成要素216及び二次整列構成要素218はそれぞれ、約54mmの外径及び約4mmの径方向幅を有し得る。一次整列構成要素216及び二次整列構成要素218の外径及び径方向幅は、正確に等しくある必要はない。例えば、二次整列構成要素218の径方向幅は、一次整列構成要素216の径方向幅よりもわずかに狭くてもよく、及び/又は二次整列構成要素218の外径は、一次整列構成要素216の径方向幅よりもわずかに小さくてもよく、整列しているとき、一次整列構成要素216の内側及び外側は、二次整列構成要素218の対応する内側及び外側を越えて延在する。一次整列構成要素216及び二次整列構成要素218の厚さ(又は軸方向寸法)もまた、所望に応じて選択することができる。いくつかの実施形態では、一次整列構成要素216は約1.5mmの厚さを有する一方、二次整列構成要素218は、約0.37mmの厚さを有する。
一次整列構成要素216は、それぞれは1つ以上の一次弓状磁石226から形成され得るいくつかのセクタを含むことができ、二次整列構成要素218は、それぞれが1つ以上の二次弓状磁石228から形成され得るいくつかのセクタを含むことができる。図示する実施例では、一次磁石226の数は二次磁石228の数に等しく、各セクタはちょうど1つの磁石を含むが、これは必須ではない。一次磁石226及び二次磁石228は、一次磁石226(又は二次磁石228)が、端と端で互いに対して隣接して配置された場合に一次磁石226(又は二次磁石228)が図示するような環状構造を形成するように、横断面に弓状の(又は湾曲した)形状を有することができる。いくつかの実施形態では、一次磁石226は、境界面230において互いと接触することができ、二次磁石228は、境界面232において互いと接触することができる。あるいは、小さな隙間又は空間が隣接する一次磁石226又は二次磁石228を離間させ、製造中により大きな公差を提供してもよい。
いくつかの実施形態では、一次整列構成要素216はまた、一次磁石226の遠位表面上に配置された環状シールド214(DC磁気シールド又はDCシールドとも呼ばれる)を含むことができる。いくつかの実施形態では、シールド214は、単一の環状材料片として形成され、一次磁石226に接着されて、一次磁石226を定位置に固定することができる。シールド214は、ステンレス鋼などの高い透磁率を有する材料で形成することができ、磁場を再方向付けして、一次整列構成要素216の遠位側を越えて伝播するのを防ぐことができ、それによって、一次整列構成要素216の遠位側を越えて配置される高感度の電子部品を磁気干渉から保護することができる。
一次磁石226及び二次磁石228(及び本明細書に記載される全ての他の磁石)は、NdFeB材料、他の希土類磁性材料、又は磁化されて永続的な磁場を作り出すことができる他の材料等の磁性材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、磁石は、NiCuNi又は同様の材料の薄層(例えば、7~13μm)でメッキすることができる。各一次磁石226及び各二次磁石228は、図2Bにおいて磁極性インジケータ215、217によって示されるように、軸方向に整列された磁極性を有する単一の磁気領域を含むモノリシック構造を有することができる。例えば、各一次磁石226及び各二次磁石228は、接地され、軸方向の磁気配向を有する弓状構造に成形された棒磁石であってもよい。(明らかとなるように、用語「磁気配向」は、磁石又は磁化領域の磁極性の向きの方向を指す。)図示する実施例では、一次磁石226は、その北極が近位表面に向かって方向付けられ、南極が遠位表面に向かって方向付けられる一方で、二次磁石228は、その南極が近位表面に向かって方向付けられ、北極が遠位表面に向かって方向付けられる。他の実施形態では、一次磁石226は、その南極が近位表面に向かって方向付けられ、北極が遠位表面に向かって方向付けられる一方で、二次磁石228は、その北極が近位表面に向かって方向付けられ、南極が遠位表面に向かって方向付けられるよう、磁気配向が逆にされてもよい。
図2Bに示すように、一次磁石226及び二次磁石228の軸方向の磁気配向は、一次磁石226と二次磁石228との間に引力を与える磁場240を生成することができ、それにより、一次整列構成要素216と二次整列構成要素218とが(例えば、図1に示すように)配置されている、それぞれの電子デバイス間の整列が容易になる。シールド214は、一次磁石226の下の領域から離れるように磁場240の一部を再方向付けすることができるが、磁場240は依然として、一次磁石226及び二次磁石228に横方向に隣接する領域に伝搬され得る。いくつかの実施形態では、磁場240の横方向の伝播は、他の磁気的に高感度の構成要素への磁場漏れを結果としてもたらし得る。例えば、強磁性シールドを有する誘導コイルが、環状一次整列構成要素216(又は二次整列構成要素218)の内部(又は内側)領域に配置される場合、磁場240の漏れは、フェリ磁性シールドを飽和させてもよく、これは無線充電性能を低下させる可能性がある。
磁気整列システム200は例示的であり、変形及び変更が可能であることが理解されるであろう。例えば、一次整列構成要素216及び二次整列構成要素218はそれぞれ、8個の弓状磁石で構成されているものとして示されるが、他の実施形態では、16個の磁石、36個の磁石、又は任意の他の数の磁石など、異なる数の磁石が使用されてもよく、一次磁石の数は二次磁石の数に等しくなくてもよい。他の実施形態では、一次整列構成要素216及び/又は二次整列構成要素218はそれぞれ、単一のモノリシック環状磁石から形成されてもよいが、磁気整列構成要素216及び218を弓状磁石にセグメント化することにより、(磁性材料のいくつかの種類については)より小さい弓状セグメントの方が単一のモノリシックな環状磁石よりも脆くなりにくく、製造中に磁性材料に加わる物理的応力に起因する損失が生じにくくなるため、製造を向上させることができる。
1.3.閉ループ構成を有する磁気整列システム
図2Bを参照して上述したように、単一の軸方向の磁気配向を有する磁気整列システムは、磁場の横方向の漏れを可能にすることができ、これは、電子デバイスの他の構成要素の性能に悪影響を及ぼし得る。従って、いくつかの実施形態は、磁場漏れを低減する、「閉ループ」構成を有する磁気整列システムを提供する。ここで、実施例を説明する。
図3Aは、いくつかの実施形態による磁気整列システム300の斜視図を示し、図3Bは、図3Aに示される切断面にわたる磁気整列システム300を通る断面を示す。磁気整列システム300は、図1の磁気整列システム106の実施でもよい。磁気整列システム300において、整列構成要素は、以下に記載されるように、「閉ループ」構成で構成された磁気構成要素を有する。
図3Aに示すように、磁気整列システム300は、一次整列構成要素316(図1の一次整列構成要素116の実施でもよい)と、二次整列構成要素318(図1の二次整列構成要素118の実施でもよい)を含むことができる。一次整列構成要素316及び二次整列構成要素318は、環状の形状を有し、「環状」整列構成要素とも称され得る。特定の寸法は、所望に応じて選択することができる。いくつかの実施形態では、一次整列構成要素316及び二次整列構成要素318はそれぞれ、約54mmの外径及び約4mmの径方向幅を有し得る。一次整列構成要素316及び二次整列構成要素318の外径及び径方向幅は、正確に等しくある必要はない。例えば、二次整列構成要素318の径方向幅は、一次整列構成要素316の径方向幅よりもわずかに狭くてもよく、及び/又は二次整列構成要素318の外径は、一次整列構成要素316の径方向幅よりもわずかに小さくてもよく、整列しているとき、一次整列構成要素316の内側及び外側は、二次整列構成要素318の対応する内側及び外側を越えて延在する。一次整列構成要素316及び二次整列構成要素318の厚さ(又は軸方向寸法)もまた、所望に応じて選択することができる。いくつかの実施形態では、一次整列構成要素316は約1.5mmの厚さを有し、一方、二次整列構成要素318は、約0.37mmの厚さを有する。(本明細書における全ての数値は例であり、所望に応じて変化してもよい。)
一次整列構成要素316は、それぞれはいくつかの一次磁石326から形成され得るいくつかのセクタを含むことができ、二次整列構成要素318は、それぞれがいくつかの二次磁石328から形成され得るいくつかのセクタを含むことができる。図示する実施例では、一次磁石326の数は二次磁石328の数に等しく、各セクタはちょうど1つの磁石を含むが、これは必須ではない。例えば、以下に説明するように、セクタは複数の磁石を含んでもよい。一次磁石326及び二次磁石328は、一次磁石326(又は二次磁石328)が、端と端で互いに対して隣接して配置された場合に一次磁石326(又は二次磁石328)が図示するような環状構造を形成するように、横断面に弓状の(又は湾曲した)形状を有することができる。いくつかの実施形態では、一次磁石326は、境界面330において互いと接触することができ、二次磁石328は、境界面332において互いと接触することができる。あるいは、小さな隙間又は空間が隣接する一次磁石326又は二次磁石328を離間させ、製造中により大きな公差を提供してもよい。
いくつかの実施形態では、一次整列構成要素316はまた、一次磁石326の遠位表面上に配置された環状シールド314(DC磁気シールド又はDCシールドとも呼ばれる)を含むことができる。いくつかの実施形態では、シールド314は、単一の環状材料片として形成され、一次磁石326に接着されて、一次磁石326を定位置に固定することができる。シールド314は、ステンレス鋼又は低炭素鋼などの高透磁率及び/又は高磁気飽和値を有する材料で形成することができ、磁場を再方向付けして、一次整列構成要素316の遠位側を越えて伝播するのを防ぐことができ、それによって、一次整列構成要素316の遠位側を越えて配置される高感度の電子部品を磁気干渉から保護することができる。
一次磁石326及び二次磁石328は、NdFeB材料、他の希土類磁性材料、又は磁化されて永続的な磁場を作り出すことができる他の材料などの磁性材料で作製することができる。各二次磁石328は、(図3Bの磁極性インジケータ317によって示されるように)横断面において径方向に成分を有する磁極性を有する単一の磁気領域を有することができる。以下に記載されるように、磁気配向は、軸301に対して半径方向、又は横断面に径方向成分を有する別の方向であってもよい。各一次磁石326は、反対の磁気配向を有する2つの磁気領域を含み得る。例えば、各一次磁石326は、(図3Bの極性インジケータ353によって示されるように)第1の軸方向に磁気配向を有する内側弓状磁気領域352と、(図3Bの極性インジケータ355によって示されるように)第1の方向とは反対の第2の軸方向に磁気配向を有する外側弓状磁気領域354と、磁気配向を有さない中央非磁化領域356と、を有し得る。中央非磁化領域356は、磁場が中央領域356を通って直接わたることを阻止することによって、外側弓状領域354から内側弓状領域352を磁気的に分離することができる。非磁化領域によって分離された反対の磁気配向の領域を有する磁石は、本明細書では、"四極"構成を有すると称される場合がある。
いくつかの実施形態では、各二次磁石328は、接地されて弓状構造に成形された磁性材料で作製することができ、例えば、磁化器を用いて、横断面内に径方向成分を有する磁気配向を作り出すことができる。同様に、各一次磁石326は、接地されて弓状構造に成形された単一の磁性材料片で作製することができ、磁化器を弓状構造に適用して、中央領域における磁気配向の発生を消磁又は回避しながら、構造の内側弓状領域内で一方向に軸方向の磁気配向を誘導し、構造の外側弓状領域内で反対方向に軸方向の磁気配向を誘導することができる。いくつかの代替の実施形態では、各一次磁石326は、内側弓状磁気領域352及び外側弓状磁気領域354を提供する磁性材料の2つの弓状片を有する複合構造でもよく、このような実施形態では、中央非磁化領域356は、非磁性(又は消磁された)材料の弓状片から形成されてもよく、又は内側弓状磁気領域352及び外側弓状磁気領域354の側壁によって画定されるエアギャップとして形成されてもよい。DCシールド314は、ステンレス鋼又は低炭素鋼などの高い透磁率及び/又は高磁気飽和値を有する材料で形成することができ、例えば、5~10μmのマットNiでメッキすることができる。あるいは、DCシールド314は、(二次磁石328の反対方向に)径方向の磁気配向を有する磁性材料より形成することができる。いくつかの実施形態では、DCシールド314を完全に省略することができる。
図3Bに示すように、二次磁石328(インジケータ317によって示される)の磁極性は、一次整列構成要素316及び二次整列構成要素318が整列されるときに、二次磁石328の南極が内側弓状磁気領域352の北極(インジケータ353によって示される)に向けられる一方で、二次磁石328の北極が外側弓状磁気領域354の南極に向けられる(インジケータ355によって示される)よう、配向され得る。従って、内側弓状磁気領域352、二次磁石328及び外側弓状磁気領域356のそれぞれの磁気配向は、一次磁石326と二次磁石328との間に引力を与える磁場340を生成することができ、それにより、一次整列構成要素316と二次整列構成要素318とが(例えば、図1に示すように)配置されている、それぞれの電子デバイス間の整列が容易となる。シールド314は、一次磁石326の下の領域から離れるよう磁場340の一部を再方向付けすることができる。更に、中央非磁化領域356の周りに形成された「閉ループ」磁場340は、図2Bの一次磁石226及び二次磁石228の外側に磁場240が漂遊する限り、一次磁石326及び二次磁石328の外側に漂遊しない密かつコンパクトな力線を有することができる。従って、磁気的に高感度の構成要素は、漂遊磁場に対する懸念を下げて一次整列構成要素316に比較的近接して配置することができる。従って、磁気整列システム200と比較して、磁気整列システム300は、一次整列構成要素316が配置されるデバイスの全体的なサイズを低減するのに役立ち得、また、二次整列構成要素318の内側に配置された誘導性受電コイルなどの隣接する構成要素又はデバイス内の磁場340によって生じるノイズを低減するのに役立ち得る。
各一次磁石326は、反対の磁気配向の2つの領域を含むが、2つの領域は、等しい磁場強度を提供することができるが、必ずしも提供する必要はないことを理解されたい。例えば、外側弓状磁化領域354は、内側弓状磁化領域352よりも強く分極させることができる。一次磁石326の特定の実装に応じて、非対称偏光強度を作り出すために様々な技術を使用することができる。例えば、内側弓状領域352及び外側弓状領域354は、異なる径方向幅を有することができ、磁気領域の径方向幅の増加は、磁性材料の体積の増加に起因して、その領域の磁界強度を増大させる。内側弓状領域352及び外側弓状領域354が別個の磁石である場合、異なる磁気強度を有する磁石を使用することができる。
いくつかの実施形態では、外側弓状領域354が内側弓状領域352よりも強く分極される非対称偏光を有することにより、外側極に向かってフラックス「シンク」効果を作り出すことができる。この効果は、様々な状況において望ましい場合がある。例えば、一次磁石326が無線充電器デバイス内に配置され、無線充電器デバイスが、誘導性受電コイルを有するが、二次(又は任意の)環状磁気整列構成要素を有さない「レガシー」ポータブル電子デバイスを充電するために使用される場合、一次環状整列構成要素からの(DC)磁束は、誘導性受電コイルの周りのフェライトシールドに入ることができる。DC磁束は、フェライトシールドを飽和させ、充電性能を低下させるのに寄与することができる。内側弓状領域よりも外側弓状領域においてより強い磁場を有する一次環状整列構成要素を提供することは、フェライトシールドからDC磁束を引き込むのに役立つことができ、それにより、環状磁気整列構成要素を有する無線充電器デバイスが、環状磁気整列構成要素を欠くポータブル電子デバイスを充電するために使用されるとき、充電性能を改善することができる。
磁気整列システム300は例示的であり、変形及び変更が可能であることが理解されるであろう。例えば、一次整列構成要素316及び二次整列構成要素318はそれぞれ、8個の弓状磁石で構成されているものとして示されるが、他の実施形態では、16個の磁石、18個の磁石、32個の磁石、36個の磁石、又は任意の他の数の磁石など、異なる数の磁石が使用されてもよく、一次磁石の数は二次磁石の数に等しくなくてもよい。他の実施形態では、二次整列構成要素318は、単一のモノリシックな環状磁石で形成することができる。同様に、一次整列構成要素316は、上記のような適切な磁化パターンを有する磁性材料の単一のモノリシック環状片から形成することができ、又は一次整列構成要素316は、内側環状磁石と外側環状磁石との間に環状のエアギャップ又は非磁性材料の領域を有する、モノリシック内側環状磁石及びモノリシック外側環状磁石から形成され得る。いくつかの実施形態では、複数の弓状磁石を使用する構造は、より小さい弓状磁石は単一のモノリシックな環状磁石よりも脆くなりにくく、製造中に磁性材料に加わる物理的応力に起因する損失が生じにくくなるため、製造を向上させることができる。様々な磁気整列構成要素又は個々の磁石の磁気配向は、横方向及び軸方向と正確に整列する必要はないことも理解されたい。磁気配向は、一次及び二次整列構成要素を通る磁界の閉ループ経路を提供する任意の角度を有することができる。
1.4.閉ループ磁気整列システムの磁気配向
1.4.1.半径方向に対称な配向
上述したように、磁気整列システム300のような閉ループ磁気配向を有する磁気整列システムの実施形態では、二次整列構成要素318は、径方向成分を有する磁気配向を有することができる。例えば、いくつかの実施形態では、二次整列構成要素318は、半径方向に磁極性を有することができる。図4は、いくつかの実施形態による、二次整列構成要素418の簡略化された上視図を示す。二次整列構成要素318のように、二次整列構成要素418は、磁極性インジケータ417a~hによって示されるような径方向の磁気配向を有する弓状磁石428a~hから形成することができる。この実施例では、各弓状磁石428a~hは、北磁極が径方向外方側に向けられ、南磁極が径方向内方側に向けられるが、この向きを逆にすることができ、各弓状磁石428a~hの北磁極が径方向内方側に向けられ、南磁極が径方向外方側に向けられてもよい。
図5Aは、いくつかの実施形態による、磁気整列システム500の斜視図を示す。磁気整列システム300の実施でもよい磁気整列システム500は、(例えば、図4に示すように)径方向外方の磁気配向を有する二次整列構成要素518と、相補的な一次整列構成要素516と、を含む。本実施例では、磁気整列システム500は、セクタのうちの2つのセクタ間に隙間517を含むが、隙間517は任意であり、磁気整列システム500は、完全な環状構造とすることができる。また、例えば、一次磁気整列構成要素516又は二次磁気整列構成要素518の中央領域内に位置する誘導コイルアセンブリ又は他の構成要素を含み得る構成要素502も示される。磁気整列システム500は、(図3Bに示すように)磁気整列システム300と同様の閉ループ構成を有することができ、それぞれが1つ以上の弓状磁石で作製することができる弓状セクタ501を含み得る。いくつかの実施形態では、磁気整列システム500の閉ループ構成は、構成要素502に影響を及ぼし得る磁場漏れを低減又は防止することができる。
図5Bは、弓状セクタ501のうちの1つを通る軸方向断面図を示す。弓状セクタ501は、一次磁石526及び二次磁石528を含む。配向インジケータ517によって示されるように、二次磁石528は、径方向外方方向に配向された磁極性を有し、すなわち、北磁極は磁気整列システム500の径方向外方側に向かっている。上述の一次磁石326と同様に、一次磁石526は、内側弓状磁気領域552と、外側弓状磁気領域554と、中央非磁化領域556(例えば、エアギャップ又は非磁性材料又は非磁化材料の領域を含むことができる)とを含む。内側弓状磁気領域552は、インジケータ553によって示されるように、北磁極が二次磁石528に向けられるように軸方向に配向された磁極性を有し、外側弓状磁気領域554は、インジケータ555によって示されるように南磁極が二次磁石528に向けられる反対の磁気配向を有する。図3Bを参照して説明したように、図5Bに示す磁気配向の配置は、一次磁石526と二次磁石528との間の磁気吸引を結果としてもたらす。いくつかの実施形態では、磁極性は、二次磁石528の北磁極が磁気整列システム500の径方向内方側に向けられ、一次磁石526の外側弓状領域554の北磁極が二次磁石528に向けられ、内側弓状領域552の北磁極が二次磁石528から離れるように配向されるよう、逆にされてもよい。
一次整列構成要素516及び二次整列構成要素518が整列されると、一次整列構成要素516及び二次整列構成要素518の磁極性の半径方向に対称的な配置及び方向的な等価性により、二次整列構成要素518は、軸に沿った整列を維持しながら、横方向平面内で時計回り又は反時計回り方向に自由に(一次整列構成要素516に対して)回転することが可能となる。
本明細書で使用する場合、「半径方向」の向きは、正確に又は純粋に半径方向である必要はない。例えば、図5Cは、いくつかの実施形態による二次弓状磁石538を示す。二次弓状磁石538は、矢印539によって示されるように、純粋に径方向の磁気配向を有する。各矢印539は、磁石538の曲率中心で方向付けられ、内方に延在する場合、矢印539は、曲率中心で収束する。しかしながら、この純粋な径方向磁化を達成するには、磁石538内の磁区が隣接する磁区に対して斜めに配向されることを必要とする。いくつかの種類の磁性材料では、純粋な径方向の磁気配向が実用的ではないこともある。従って、いくつかの実施形態は、図5Cの純粋な半径方向の向きに近似する、「擬似半径方向」の磁気配向を使用する。図5Dは、いくつかの実施形態による擬似径方向の磁気配向を有する二次弓状磁石548を示す。磁石548は、弓状磁石548の内側コーナー552、553を接続するベースライン551に垂直な矢印549によって示される磁気配向を有する。内方に延在する場合、矢印549は収束しない。従って、磁石548内の隣接する磁区は互いに平行であり、NdFeBなどの磁性材料で容易に達成可能である。しかしながら、磁気整列システムにおける全体的な効果は、図5Cに示す純粋な径方向の磁気配向と同様となり得る。図5Eは、いくつかの実施形態による磁石548から構成された二次環状整列構成要素558を示す。磁気配向矢印549は、環状整列構成要素558の中心点561まで延在している。図示するように、磁場方向はほぼ半径方向でもよく、近似値の接近性は磁石548の数及び環状整列構成要素558の内側半径に応じる。いくつかの実施形態では、18個の磁石548は、擬似半径方向の向きを提供することができ、他の実施形態では、より多い又はより少ない磁石が使用され得る。「半径方向」の磁気配向を有する磁石に対する本明細書における全ての参照は、擬似径方向の磁気配向及びほぼ半径方向であるが純粋な半径方向ではない他の磁気配向を含むことを理解されたい。
いくつかの実施形態では、(例えば、図5Bに示すように)二次整列構成要素518の径方向の磁気配向は、磁気整列システムの全周の周りで同じである二次整列構成要素518と一次整列構成要素516との間の磁力プロファイルを提供する。径方向の磁気配向はまた、より大きな磁気透過係数をもたらすことができ、これにより、二次整列構成要素518は、磁気除去に抵抗し、軸方向の引力を向上させ、2つの構成要素が整列された場合の横方向のせん断力を向上させることができる。
図6A及び6Bは、いくつかの実施形態による、異なる磁気整列システムに対する力プロファイルのグラフを示す。具体的には、図6Aは、同等のサイズで、同様の種類の磁石を使用する異なる磁気整列システムについて、軸方向(z)方向における垂直引力(垂直抗力)のグラフ600を示す。グラフ600は、整列の中心からの変位を表す水平軸を有し、このとき、0は整列位置を表し、負及び正の値は、整列位置から反対方向(任意の単位)における変位を表し、更に、横方向平面における変位の関数としての垂直抗力(FNORMAL)を示す垂直軸を有する。この説明の目的のために、FNORMALは、軸方向における一次整列構成要素と二次整列構成要素との間の磁力として定義され、FNORMAL>0は引力を表し、FNORMAL<0は反発力を表す。グラフ600は、3つの異なる種類の磁気整列システムの垂直抗力プロファイルを示す。第1の種類の磁気整列システムは、軸に沿って配置された一対の相補的ディスク型磁石などの「中央」整列構成要素を使用し、中央磁気整列システムに対する代表的な垂直抗力プロファイルは、線601(一点鎖線)として示される。第2の種類の磁気整列システムは、例えば、図2A及び2Bの磁気整列システム200等の軸方向の磁気配向を有する環状整列構成要素を使用し、このような環状軸方向磁気整列システムに対する代表的な垂直抗力プロファイルは、線603(破線)として示される。第3の種類の磁気整列システムは、閉ループ磁気配向及びラジアル対称性を有する環状整列構成要素(例えば、図5A及び5Bの磁気整列システム500)を使用し、半径方向に対称的な閉ループ磁気整列システムに対する代表的な垂直抗力プロファイルは、線605(実線)として示される。
同様に、図6Bは、異なる磁気整列システムの横方向における横方向(せん断)力のグラフ620を示す。グラフ620は、グラフ600と同じ慣行を用いて、整列位置から反対方向における横方向変位を表す水平軸、及び、方向(任意の単位で)の関数としてせん断力(FSHEAR)を示す垂直軸を有する。この説明の目的のために、FSHEARは、横方向の一次整列構成要素と二次整列構成要素との間の磁力として定義され、FSHEAR>0は、変位軸に沿って左に向かう力を表し、FSHEAR<0は、変位軸に沿って右に向かう力を表す。グラフ620は、グラフ600と同じ3種類の磁気整列システムに対するせん断力プロファイルを示し、中央磁気整列システムに対する代表的なせん断力プロファイルは線621(一点鎖線)として示される。環状軸方向磁気整列システムに対する代表的なせん断力プロファイルは、線623(破線)として示されており、半径方向に対称的な閉ループ磁気整列システムに対する代表的な垂直抗力プロファイルは、線625(実線)として示される。
図6Aに示すように、各種類の磁気整列システムは、それぞれのピーク611、613、及び615によって示されるように、一次及び二次整列構成要素が整列位置(水平軸上の0)にあるときに、軸方向(すなわち、垂直抗力)において最も強い磁気吸引を達成する。最も強く引き寄せる垂直抗力は、全てのシステムに対して整列位置で達成されるが、ピークの大きさは、磁気整列システムの種類に依存する。特に、半径方向に対称的な閉ループ磁気整列システム(例えば、図5の磁気整列システム500)は、他の種類の磁気整列システムよりも、整列位置にあるときにより強い磁気吸引を提供する。この強く引き寄せる垂直抗力は、小さい位置ずれを克服することができ、整列位置にデバイスを保持することを助けることができ、それにより、一次整列構成要素と二次整列構成要素との間のより正確かつ堅牢な整列を達成することができ、これにより、ポータブル電子デバイスと、磁気整列システムが内部に実装される無線充電器デバイスとの間に、より正確かつ堅牢な整列を提供することができる。
図6Bに示されるように、最も強いせん断力は、一次及び二次整列構成要素が整列位置のすぐ外側にあるとき、例えば、それぞれのピーク631a~b、633a~b、及び635a~bによって示されるように、整列位置からの分離の-2単位及び+2単位であるときに得られ、これらのせん断力は、整列構成要素を整列位置に向かって付勢するように作用する。垂直抗力と同様に、せん断力のピーク強度は、磁気整列システムの種類に依存する。特に、半径方向に対称的な閉ループ磁気整列システム(例えば、図5の磁気整列システム500)は、他の種類の磁気整列システムよりも整列位置のすぐ外側にあるとき、より高い大きさのせん断力を提供する。この強いせん断力は、2つの構成要素が整列されたときをユーザが識別するのを助けるために、触覚フィードバック(「スナップ感」の感覚として説明される場合もある)を提供することができる。更に、垂直抗力と同様に、せん断力は、摩擦力による小さい位置ずれを克服することができ、一次整列構成要素と二次整列構成要素との間のより正確かつ堅牢な整列を達成することができ、これにより、ポータブル電子デバイスと、磁気整列システムが内部に実装される無線充電器デバイスとの間に、より正確かつ堅牢な整列を提供することができる。
磁石の特定の構成に応じて、閉ループ磁気整列システムのためのスナップ感の感覚を増大させるために、様々な設計選択を使用することができる。例えば、より少ない材料を使用することによって、又は磁気整列構成要素と他の磁性材料との間の距離を増加させることによって、磁気整列構成要素の近くのエリア内のデバイスの磁性材料の量を低減することは、漂遊磁場を低減し、磁気整列構成要素の知覚される「スナップ」効果を増大させることができる。別の実施例として、(例えば、材料の量を増加させることによって)整列磁石の磁場強度を増加させることは、せん断力及び垂直抗力の両方を増加させることができる。更に別の実施例として、一次環状整列構成要素における磁化領域の幅(及び/又は各領域における磁場の相対強度)は、二次環状整列構成要素の特定の磁気配向パターンに基づいて最適化することができる(例えば、二次環状整列構成要素が、図5Cの純粋に径方向の磁気配向を有するか、又は図5Dの擬似径方向の磁気配向を有するかによる)。更に考慮する事項は、一次及び二次整列構成要素を含むデバイスの表面間の摩擦係数であり得、より低い摩擦は、環状磁気整列構成要素によって与えられるせん断力に対する抵抗を減少させる。
半径方向に対称的な閉ループ磁気整列システム(例えば、図5A及び5Bの磁気整列システム500)は、軸方向及び横方向に正確かつ堅牢な整列を提供することができる。更に、半径方向の対称性のため、整列システムは、軸の周りに横方向平面において好ましい回転配向を有さない。せん断力プロファイルは、整列される電子デバイスの相対的な回転配向にかかわらず同じであり得る。
1.4.2.交互の径方向配向
いくつかの実施形態では、閉ループ磁気整列システムは、1つ以上の好ましい回転配向を提供するように設計され得る。図7は、いくつかの実施形態による、二次整列構成要素718の簡略化された上視図を示す。二次整列構成要素718は、磁極性インジケータ717a~hによって示されるような径方向磁気配向を有するセクタ728a~hを含み、セクタ728a~hのそれぞれは、1つ以上の二次弓状磁石を含み得る。本実施例では、セクタ728b、728d、728f、及び728h内の二次磁石はそれぞれ、北磁極が径方向外方側に向けられ南磁極が径方向内方側に向けられ、セクタ728a、728c、728e、及び728g内の二次磁石はそれぞれ、北磁極が径方向内方側に向けられ南磁極が径方向外方側に向けられている。換言すれば、二次整列構成要素718の隣接するセクタ728a~h内の磁石は、交互の磁気配向を有する。
相補的な一次整列構成要素は、対応する交互の磁気配向を有するセクタを有することができる。例えば、図8Aは、いくつかの実施形態による磁気整列システム800の斜視図を示す。磁気整列システム800は、交互の径方向磁気配向を有する二次整列構成要素818(例えば、図7に示す)と相補的な一次整列構成要素816とを含む。磁気整列システム800の弓状部分の一部は、内部構造を明瞭化するために示されてないが、磁気整列システム800は、完全な環状構造であり得ることを理解されたい。また、例えば、一次環状整列構成要素816及び/又は二次環状整列構成要素818の中央領域内に位置する誘導コイルアセンブリ又は他の構成要素を含むことができる構成要素802も示される。磁気整列システム800は、上述の磁気整列システム300と同様の閉ループ磁気整列システムであってもよく、交互の磁気配向の弓状セクタ801b、801cを含むことができ、各弓状セクタ801b、801cは、一次環状整列構成要素816及び二次環状整列構成要素818それぞれにおける1つ以上の弓状磁石を含む。いくつかの実施形態では、磁気整列システム800の閉ループ構成は、構成要素802に影響を及ぼし得る磁場漏れを低減又は防止することができる。磁気整列システム500のように、磁気整列システム800は、2つのセクタの間に隙間803を含むことができる。
図8Bは、弓状セクタ801bのうちの1つを通る軸方向断面図を示し、図8Cは、弓状セクタ801cのうちの1つを通る軸方向断面図を示す。弓状セクタ801bは、一次磁石826b及び二次磁石828bを含む。配向インジケータ817bによって示されるように、二次磁石828bは、径方向外方方向に配向された磁極性を有し、すなわち、北磁極は磁気整列システム800の径方向外方側に向かっている。上述の一次磁石326と同様に、一次磁石826bは、内側弓状磁気領域852bと、外側弓状磁気領域854bと、中央非磁化領域856b(例えば、エアギャップ又は非磁性材料又は非磁化材料の領域を含むことができる)とを含む。内側弓状磁気領域852bは、インジケータ853bによって示されるように、北磁極が二次磁石828bに向けられるように軸方向に配向された磁極性を有し、外側弓状磁気領域854bは、インジケータ855bによって示されるように南磁極が二次磁石828bに向けられる反対の磁気配向を有する。図3Bを参照して説明したように、図8Bに示す磁気配向の配置は、一次磁石826bと二次磁石828bとの間の磁気吸引を結果としてもたらす。
図8Cに示すように、弓状セクタ801cは、弓状セクタ801bに対して「逆」磁気配向を有する。弓状セクタ801cは、一次磁石826c及び二次磁石828cを含む。配向インジケータ817cによって示されるように、二次磁石828cは、径方向外方方向に配向された磁極性を有し、すなわち、北磁極は磁気整列システム800の径方向外方側に向かっている。上述の一次磁石326と同様に、一次磁石826cは、内側弓状磁気領域852cと、外側弓状磁気領域854cと、中央非磁化領域856c(例えば、エアギャップ又は非磁性材料又は非磁化材料の領域を含むことができる)とを含む。内側弓状磁気領域852cは、インジケータ853cによって示されるように、南磁極が二次磁石828cに向けられるように軸方向に配向された磁極性を有し、外側弓状磁気領域854cは、インジケータ855cによって示されるように北磁極が二次磁石828cに向けられる反対の磁気配向を有する。図3Bを参照して説明したように、図8Cに示す磁気配向の配置は、一次磁石826cと二次磁石828cとの間の磁気吸引を結果としてもたらす。
図7及び8A~8Cに示すように、磁極性の交互配置は、二次整列構成要素818が一次整列構成要素816と整列され、整列構成要素816、818のうちの一方が共通の軸を中心にして他方に対して回転されるとき、「ラチェット」感を作り出すことができる。例えば、二次整列構成要素816が一次整列構成要素816に対して回転されると、各径方向外方磁石828bは、一次整列構成要素816の相補的な磁石826bと交互に近接して結果として引き寄せる磁力を生ずるか、又は一次整列構成要素816の抗補磁石826cと近接して結果として反発磁力を生ずる。一次磁石826b、826c及び二次磁石828b、828cが、任意の所与の向きで同じ角度サイズ及び間隔を有する場合、磁石の各対は、相補的な磁石対826b、828b及び826c、828cが近接している回転配向において整列が安定して堅牢であるよう同様の正味(引力又は反発力)磁力を受ける。他の回転配向では、安定した回転配向に向かうトルクが受けられ得る。
図7及び8A~8Cに示される実施例では、各セクタが1つの磁石を含み、磁気配向の方向が各磁石と交互になる。いくつかの実施形態では、セクタは、同じ方向の磁気配向を有する2つ以上の磁石を含み得る。例えば、図9Aは、いくつかの実施形態による二次整列構成要素918の簡略化された上視図を示す。二次整列構成要素918は、上述の二次整列構成要素818と同様に、径方向外方の磁気配向を有する二次磁石928bと、径方向内方の向きを有する二次磁石928cとを含む。本実施例では、磁石は、一対の外向きの磁石928b(第1のセクタ901を形成する)が、一対の内向きの磁石928c(第1のセクタ901に隣接する第2のセクタ903を形成する)に隣接するように配置される。交互のセクタのパターン(セクタ当たり2つの磁石を有する)は、二次整列構成要素918の周囲で繰り返される。同様に、図9Bは、いくつかの実施形態による別の二次整列構成要素918'の簡略化された上視図を示す。二次整列構成要素918'は、径方向外方の磁気配向を有する二次磁石928bと、径方向内方の向きを有する二次磁石928cとを含む。本実施例では、磁石は、四つの径方向外方の磁石928bの群(第1のセクタ911を形成する)が、四つの径方向内方の磁石928cの群(第1のセクタ911に隣接する第2のセクタ913を形成する)に隣接するように配置される。交互のセクタのパターン(セクタ当たり四つの磁石を有する)は、二次整列構成要素918'の周囲で繰り返される。図9A及び9Bには示されていないが、二次整列構成要素918又は918'に対する相補的な一次整列構成要素の構造は、図8A~8Cを考慮して明らかであろう。図9A及び9Bの整列構成要素のせん断力プロファイルは、上述のラチェットプロファイルと同様であり得るが、安定した整列を提供する回転配向の数は異なる。
1.4.3.他の磁気配向
他の実施形態では、一次及び/又は二次整列構成要素内の異なるセクタの磁気配向を変更することによって、様々な力プロファイルを作成することができる。単なる一例として、図10は、いくつかの実施形態に係る、二次整列構成要素1018の簡略化された上視図を示す。二次整列構成要素は、磁極性インジケータ1017a~hによって示されるセクタ依存磁気配向を有するセクタ1028a~hを有する。本実施例では、二次整列構成要素1018は、二次整列構成要素1018の2つの半体を画定する二等分線1001によって二分されると見なすことができる。第1の半体1003では、セクタ1028e~hは、上記の実施例と同様に、径方向外方に配向された磁極性を有する。
第2の半体1005では、セクタ1028a~dは、径方向ではなく、二等分線1001に略平行に配向された磁極性を有する。特に、セクタ1028a及び1028bは、二等分線1001に平行な第1の方向に配向された磁極性を有し、セクタ1028c及びセクタ1028dセクタ1028a及び1028bの磁極性の方向と反対の方向に配向された磁極性を有する。相補的な一次整列構成要素は、北磁極が二次整列構成要素1018に向かって配向された内側環状領域と、北磁極が二次整列構成要素1018から離れて配向された外側環状領域と、中央非磁化領域とを有することができ、上述のように閉ループ磁気配向を提供している。二次整列構成要素1018における磁気配向の非対称配置は、二次整列構成要素1018が、第1の半体1003に向かう方向(図中下方向)よりも、第2の半体1005に向かう方向(図中上方)に小さいせん断力抵抗運動を発生させるよう、せん断力プロファイルを変更することができる。いくつかの実施形態では、このような非対称配置は、一次整列構成要素がドッキングステーションに装着され、二次整列構成要素がドッキングステーションとドッキングするポータブル電子デバイスに装着される場合に、使用され得る。半環1005がポータブル電子デバイスの上部側となるよう二次環状整列構成要素1018がポータブル電子デバイス内に方向付けられると仮定すると、非対称的なせん断力は、ポータブル電子デバイスをドッキングステーションとドッキングするよう下方に摺動させる、又は、ドッキングステーションから取り外すよう上方に摺動させる動作を容易にすることができる一方で、ポータブル電子デバイスをドッキングステーションとの所望の整列に引き寄せる引力を依然として提供する。
上述の実施形態では、二次環状磁気整列構成要素は、横断面内で概ね整列された磁気配向を有する。いくつかの代替実施形態では、二次環状磁気整列構成要素は、図3A及び3Bの一次環状磁気整列構成要素316と同様の四極構成を代わりに有してもよく、この際、二次弓状磁石の遠位表面にDCシールドを有しても有さなくてもよい(存在する場合には、図3A及び3BのDCシールド314と同様となり得る)。一次及び二次整列構成要素の両方において四極磁気構成を使用することにより、閉ループDC磁束経路及び強い「スナップ」感を提供することができるが、二次磁気整列構成要素の厚さは、四極磁石及びDCシールドを収容するために増加させる必要があり得、これは、二次磁気整列構成要素を収容するポータブル電子デバイスの全体的な厚さを増加させ得る。厚さを低減するために、二次整列構成要素の遠位表面上のDCシールドを省略することができるが、DCシールドを省略すると、結果として、隣接する構成要素への磁束漏れが増加する場合がある。
前述の実施例は例示的であり、限定的ではないことは理解されるであろう。一次及び/又は二次整列構成要素のセクタは、所与の磁気整列システムの一次及び二次整列構成要素が、所望の整列位置に向かう力を加える相補的な磁気配向を有するとして、任意の所望の方向及び任意の組み合わせで配向された磁極性を有する磁気要素を含むことができる。磁気配向の異なる組み合わせは、異なるせん断力プロファイルを生じさせてもよく、磁気配向の選択は、所望のせん断力プロファイル(例えば、高いスナップ性)、他の構成要素へのDC磁束漏れの回避、及び他の設計考慮に基づいて行われてもよい。
1.5.隙間を有する環状磁気整列構成要素
上述の実施例では、一次整列構成要素及び二次整列構成要素は、環状形状を有する。上述のように(例えば、図3Aを参照して)、環は完全に閉じられていてもよい。他の実施形態では(例えば、図5A及び8Aに示すように)、一次又は二次環状整列構成要素は、1つ以上の隙間を含むことができ、各隙間は、磁性材料(又は実際に任意の材料)が存在しない環の部分でもよい。
図11は、いくつかの実施形態による、隙間を有する整列構成要素1118(一次又は二次環状磁気整列構成要素でもよい)の一例を示す。図示するように、整列構成要素1118は、環状形状を形成する多数の弓状磁石1128を含み得る。本実施形態では、2つの磁石の間の隙間1101は、弓状磁石1128のうちの1つを省略することによって形成される。より一般的には、隙間1101などの隙間は、様々な技術を使用して形成することができる。例えば、各弓状磁石によって定められた角度φは、360°/φが整数ではないように選択することができる。従って、隙間1101のサイズは、弓状磁石1128のサイズと等しいか、又はそれより小さくてもよい(又はそれよりも大きくてもよい)。磁気整列システムの様々な実施形態では、隙間1101などの隙間は、二次整列構成要素及び一次整列構成要素のいずれか又は両方に形成されてもよく、隙間のサイズ、数、及び場所は、一次整列構成要素と二次整列構成要素との間で異なり得る。確実な磁気整列を提供するために、隙間1101又は他の隙間のサイズは、例えば円弧の20°以下に制限され得る。
いくつかの実施形態では、隙間1101などの隙間は、整列構成要素1118の内側の内部領域1103内に位置する構成要素への電気接続のための便利な経路を提供し得る。例えば、上述したように、誘導コイル(又は他の電子部品)は、内部領域1103内に配置されてもよく、整列構成要素1118内の隙間1101は、誘導コイル(又は他の構成要素)と、整列構成要素1118の外側に位置するバッテリ(又は他の構成要素)との間の電気接続のための便利な経路を提供することができる。電気接続はまた、磁石1128の上又は下(図11の平面内又は平面外)の接続経路を経路指定することによって行うこともできることを理解されるべきであるが、磁石の上又は下の接続経路を経路指定することは、整列構成要素1118が配置されるデバイスの厚さの増加をもたらし得る。
隙間1101などの隙間は、一次整列構成要素、二次整列構成要素、又はその両方に含まれ得ることを理解されたい。一次整列構成要素及び二次整列構成要素の両方に隙間が設けられるいくつかの実施形態では、隙間の存在は、好ましい回転配向を作り出すようにせん断力プロファイルを変更し得る。好ましい配向が生じる程度は、隙間のサイズ及び磁石の特定の構成に依存し得る。
1.6.磁気整列構成要素を組み込んだポータブル電子デバイス
図12A及び12Bは、いくつかの実施形態による、磁気整列構成要素を組み込んだポータブル電子デバイスの簡略された背面図を示す。図示する実施例では、ポータブル電子デバイスは、径方向の磁気配向を有する二次磁気整列構成要素を組み込み、より薄いデバイスプロファイルを可能にすることができるが、ポータブル電子デバイスが、代わりに一次磁気整列構成要素を組み込むことができることを理解されたい。
図12Aは、いくつかの実施形態による、磁気整列構成要素を組み込むことができるポータブル電子デバイスの一例としてのスマートフォン1200を示す。スマートフォン1200は、様々なコンピューティング及び通信活動をサポートすることができ、車載バッテリ(図示せず)から動作電力を引き出すことができる。いくつかの実施形態では、バッテリは、無線電力伝送を使用して再充電することができる。例えば、スマートフォン1200は、無線電力伝送用の誘導性受電コイルとして構成することができるコイルアセンブリ1210を含むことができる。このような時間変化磁場は、無線充電器デバイス(図12Aには示されない)内の送電コイルによって提供され得る。加えて、又は代わりに、コイルアセンブリ1210は、無線電力伝送用の誘導性送電コイルとして動作可能であってもよく、無線ヘッドセット、外部バッテリ、又は別のポータブル電子デバイス(例えば、別のスマートフォン)などのアクセサリデバイスを充電するために使用することができる時間変化磁場を生成するように動作可能であってもよい。コイルアセンブリ1210は、蓄電デバイス(例えば、バッテリ)又は電力消費デバイスに結合された誘導性受電コイル(例えば、導電性ワイヤの巻線コイル)を含むことができる。いくつかの実施形態では、コイルアセンブリ1210はまた、コイルの遠位表面、内側環状表面、及び/又は外側環状表面上に配置された電磁シールド(例えば、1つ以上のフェライト片)を含むことができる。
最適な無線充電性能については、コイル1210を送信(又は受信)デバイス内でコイルと整列させることが望ましい。環状磁気整列構成要素1218は、例えば、上述した二次磁気整列構成要素のいずれかの実施であってもよく、隣接する磁石が互いに接するエアギャップ又は表面であり得る境界面1232を有する磁石1228の環状配置を含むことができる。磁石1228の磁極性は、横方向平面において様々な方向に、例えば、図4を参照して上述したように半径方向に配向させることができる。図示する実施例では、磁気整列構成要素1218は、コイル1210と磁気整列構成要素1218の外側の構成要素との間を接続するワイヤ(又は導電トレース)のための電気接続経路を提供することができる隙間1201を含む。
コイル1210は、デバイス間の無線電力伝送をサポートするように最適化することができる。いくつかの実施形態では、例えば、磁気整列システムを組み込んだ異なるデバイスをそれぞれ識別することを可能にするために、デバイス間の無線データ転送をサポートすることが望ましい場合がある。従って、いくつかの実施形態では、近距離通信(NFC)コイル1260がコイル1210と磁石1228との間の領域に設けられ得る。NFCリーダ回路及び/又は他の構成要素(図示せず)は、隙間1201を介してNFCコイル1260の終端1262a、1226bに接続することができる。NFCコイル1210の例示的な実施形態は、以下のセクション5に記載される。
いくつかの実施形態では、構成要素1218などの磁気整列構成要素は、環の一定の外径及び径方向幅を維持しながら、異なるサイズのポータブル電子デバイスに適合するように変更することができる。例として、図12Bは、いくつかの実施形態による磁気整列構成要素を組み込むことができるポータブル電子デバイスの別の例としてのスマートフォン1200'を示す。図12Aのスマートフォン1200のように、スマートフォン1200'は、様々なコンピューティング及び通信活動をサポートすることができ、車載バッテリ(図示せず)から動作電力を引き出すことができる。スマートフォン1200とスマートフォン1200'との間の1つの違いは、スマートフォン1200'がスマートフォン1200よりも小さいフォームファクタを有するということであり得る。例えば、スマートフォン1200'は、スマートフォン1200よりも狭い(x方向に)及び/又は短い(y方向に)ことでもよい。しかしながら、これらの異なるフォームファクタのスマートフォンは、同じ無線充電器デバイス及び/又は他のアクセサリと相互に動作することが望ましい場合がある。従って、スマートフォン1200'は、スマートフォン1200の無線充電コイル1210と同一であり得る無線充電コイル1210'を含むことができる。
コイル1210'と別のデバイス内のコイルとの整列を提供するために、スマートフォン1200'は磁気整列構成要素1218'を含むことができる。磁気整列構成要素1218'は、例えば、上述の二次磁気整列構成要素のいずれかの実施であってもよく、隣接する磁石1228'が互いに接するエアギャップ又は表面であり得る境界面1232'を有する磁石1228'の環状配置を含むことができる。磁石1228'の磁極性は、横方向平面において様々な方向に、例えば、上述したように半径方向に配向させることができる。加えて、NFCコイル1260'は、図12AのNFCコイル1260と同様に、コイル1210'と磁石1228'との間の領域に設けることができる。
図示する実施例では、スマートフォン1200'のより狭い幅を収容するために、磁気整列構成要素1218'は、直径方向に対向する隙間1201a、1201bを含む。磁気整列構成要素1218'の幅(x方向)を減少させることに加えて、隙間1201a及び/又は1201bは、コイル1210'と磁気整列構成要素1218'の外側の構成要素との間を接続するワイヤ(又は導電トレース)のための電気接続経路を提供することができる。いくつかの実施形態では、隙間1201a、1201bに隣接する弓状磁石セクション1228'は、面取りされたコーナー1229a~b及び1231a~bを有することができ、これにより、外径を減少させることなく整列構成要素1218'の幅を更に低減することができる。
スマートフォン1200及び1200'は単なる例であり、様々なフォームファクタを有する様々なポータブル電子デバイスが、所与の直径及び幅の環状整列構成要素を収容することができることを理解されたい。更に、図12A及び12Bは、スマートフォン1200、1200'の後部上に整列構成要素1218、1218'及びコイル1210、1210'を示しているが、これらの構成要素は、スマートフォン1200、1200'の裏側筐体内にあってもよく、整列構成要素1218、1218'及びコイル1210、1210'がユーザに見えなくてもよいよう裏側筐体が不透明であってもよいことを理解されたい。
1.7.磁気整列構成要素を組み込んだ無線充電器デバイス
図13は、いくつかの実施形態による、磁気整列構成要素を組み込んだ無線充電器デバイス1300の簡略図を示す。図示する実施例では、無線充電器デバイスは、一次整列構成要素を組み込んでいるが、無線充電器デバイスは、代わりに、二次磁気整列構成要素を組み込み得ることを理解されたい。
無線充電器デバイス1300は、ポータブル電子デバイス(例えば、図12Aのスマートフォン1200又は図12Bのスマートフォン1200')を充電するための誘導電力伝送をサポートすることができる。本実施例では、無線充電器デバイス1300は、送電コイルアセンブリ1312を取り囲む筐体1302を有する。図13には示されていないが、送電コイルアセンブリ1312が、外部電源(例えば、ケーブル1304を介して)に接続することができるワイヤを有する誘導性送電コイルを含み得ることを理解されたい。いくつかの実施形態では、送電コイルアセンブリ1312は、電磁シールド(例えば、寄生電界を低減するための、送電コイルの遠位表面、内側環状表面、及び/又は外側環状表面上に配置された1つ以上のフェライト片、及び/又は送電コイルの近位表面上に配置された金属の薄い層)を含むこともできる。送電コイルを制御する制御回路は、筐体1302内に、又は所望に応じて他の場所に配置することができる。一次磁気整列構成要素1316は、送電コイルアセンブリ1312の周りに配置される。
無線充電器デバイス1300の構成要素は、アルミニウム、プラスチック、セラミック、又は他の耐久性のある材料で作製することができる筐体1302内に囲い込むことができる。筐体1302は、パック形状として示されるが、他の形状を使用することもできる。例えば、筐体1302は、矩形、楕円形、又は充電面を提供する任意の他の形状であり得る。いくつかの実施形態では、筐体1302は、無線充電器デバイス1300の遠位表面及び側面のためのエンクロージャと、送電コイルアセンブリ1312の近位表面を覆う上部キャップと、を含む、2ピース筐体であり得る。上部キャップ(図13には示されていない)は、電磁場に対して透過性があるセラミック又は他の材料で作製することができ、エンクロージャは、アルミニウム、プラスチック、又は他の材料で作製することができる。上部キャップ及びエンクロージャは、適切な接着剤を用いて一緒に密閉することができる。図13は、無線充電器デバイス1300の内部への図を示すが、筐体1302が不透明でもよいことは理解されるであろう。筐体1302は、送電コイルアセンブリ1312へのケーブル1304の接続を可能にする開口部を含むことができる。いくつかの実施形態では、ケーブル1304の一端は、送電コイルアセンブリ1312の電子部品に捕捉的に結合され、ケーブル1304(図示せず)の他端は、アダプタを介してグリッド又は他の電源から電力を引き出すために使用され得るプラグコネクタ(例えば、USBタイプA又はUSB-Cコネクタ)に結合される。
最適な無線充電性能に関しては、コイルアセンブリ1312の送電コイルをスマートフォン1200などの受信デバイス内の対応するコイルと整列させることが望ましい。磁気整列構成要素1316は、例えば、上述した一次磁気整列構成要素のいずれかの実施であってもよく、エアギャップ又は隣接する磁石1326が互いと接する表面でもよい、隣接する磁石1326間の境界面1330を有する磁石1326の環状配置を含むことができる。磁石1326は、上記のような閉ループ構成を提供することができ、例えば、各磁石1326は、第1の方向に軸方向の磁気配向を有する内側弓状領域と、第1の方向とは反対の第2の方向に軸方向の磁気配向を有する外側弓状領域と、別個の磁気配向を有さない中央弓状領域と、を含むことができる。図示する実施例では、磁気整列構成要素1316は、無線充電器デバイス1300の軸方向厚さを追加することなく、コイルアセンブリ1312とケーブル1304との間を接続するワイヤ(又は導電性トレース)のための電気接続経路を提供し得る隙間1301を含む。
コイルアセンブリ1312は、デバイス間の無線電力伝送をサポートするように最適化され得る。いくつかの実施形態では、例えば、磁気整列システムを組み込んだ異なるデバイスをそれぞれ識別することを可能にするために、デバイス間の無線データ転送をサポートすることが望ましい場合がある。従って、いくつかの実施形態では、近距離通信(NFC)コイル1364は、コイルアセンブリ1312と磁気整列構成要素1316との間の領域に設けられ得る。いくつかの実施形態では、NFCコイル1364は、(例えば、図12Aのスマートフォン1200内の)好適に構成されたNFCリーダによって読み取ることができるパッシブNFCタグに結合することができる。NFCコイル1364の例示的な実施形態は、以下のセクション5に記載される。
様々な実施形態では、一次磁気整列構成要素1316は、無線充電器デバイス1300と、異なるフォームファクタを有する様々な異なるポータブル電子デバイス(例えば、ポータブル電子デバイス1200及びポータブル電子デバイス1200'を含む)との間の整列を容易にするために使用され得る。一次磁気整列構成要素1316と整列されるポータブル電子デバイスが、一次整列構成要素1316と一致する環状形状及び一次整列構成要素1316に相補的な磁場配向を有する相補的な二次整列構成要素を有する限り、一次整列構成要素1316は、いずれかのデバイスの任意の他の寸法にかかわらず、ポータブル電子デバイスとの無線充電器デバイス1300の整列を容易にすることができる。磁気整列構成要素を有さないポータブル電子デバイスを充電するために、無線充電器デバイス1300のいくつかの実施形態を使用し得ることも理解されるだろうが、このような場合では、一次整列構成要素1316は、ポータブル電子デバイスとの最適な整列を容易にすることができないこともあり、ユーザは、他の技術(例えば、充電性能に基づく手動調整、又は、それぞれの充電コイルが整列されるようにデバイスを保持するクレードル内にデバイスを配置する)を用いてデバイスを整列させる必要がある。
1.8.磁気整列を有する無線充電システム
図14Aは、いくつかの実施形態による、(図13の)無線充電器デバイス1300と整列された(図12Aの)ポータブル電子デバイス1200を含むシステム1400の簡略化された斜視図を示す。図14Aでは、無線充電器デバイス1300の部分は、他の詳細を不明瞭にすることを回避するために破線を用いて示される。図示するように、無線充電器デバイス1300は、その充電(又は近位)表面をポータブル電子デバイス1200の後部(又は近位)表面1403に当接させて配置することができる。デバイスがこの配置で配置されると、ポータブル電子デバイス1200内の二次整列構成要素1218は、無線充電器デバイス1300の送電コイルアセンブリ1312がポータブル電子デバイス1200のコイルアセンブリ1210と整列するように、無線充電器デバイス1300の一次磁気整列構成要素1316を整列するよう引き寄せて保持することができる。図示するように、無線充電器デバイス1300は、一次磁気整列構成要素1316及び二次磁気整列構成要素1218の中心によって画成される軸について任意の回転配向を有することができ、例えば、二次磁気整列構成要素1218内の隙間1201は、一次磁気整列構成要素1316内の隙間1301と整列させる必要はない。
図14Bは、いくつかの実施形態によるシステム1400の簡略化された部分断面図を示す。ポータブル電子デバイス1200は、裏側筐体1402(電磁場及びDC磁場に対して透過性があるガラス又はプラスチックなどの材料から作製され得る)及び前側筐体1404(タッチスクリーンディスプレイを含み得る)を有する。コイルアセンブリ1210は、誘導性受電コイル1410(例えば、コイルに巻かれた撚り線から作製され得る)及びシールド1412(例えば、フェリ磁性シールドを含み得る)を含むことができる。二次磁石1428は、二次磁気整列構成要素1218の一部分を形成し、(矢印によって示されるように)径方向内方方向に配向された磁場を有することができる。整列構成要素1218は図14Aに示されるが、裏側筐体1402は不透明であってもよく、整列構成要素1218がユーザに見えなくてもよいことは理解されるであろう。
無線充電器デバイス1300は、筐体1302の遠位表面及び側面を形成する単片エンクロージャ1406と、筐体1302の近位表面を形成する上部キャップ1408と、を含む筐体1302を有する。上述したように、エンクロージャ1406及び上部キャップ1408は、同じ材料又は異なる材料で作製され得、上部キャップ1408は、AC電磁場及びDC磁場に対して透過性である材料で作製され得る。送電コイルアセンブリ1312は、誘導性送電コイル1416(例えば、コイルに巻かれた撚り線から作製され得る)及び電磁シールド1415(例えば、フェリ磁性シールドを含み得る)を含むことができる。一次磁石1426は、一次磁気整列構成要素1316の一部分を形成し、第1の軸方向に配向された磁場を有する内側弓状領域1452と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁場を有する外側弓状領域1454と、非磁化中央弓状領域1456とを含むことができる。上述したように、DCシールド1414は、一次磁石1426の遠位表面上に配置され得る。整列構成要素1316は図14Aに示されるが、筐体1302は不透明であってもよく、整列構成要素1316がユーザに見えなくてもよいことは理解されるであろう。
整列されると、一次磁石1426及び二次磁石1428は、線1440によって示されるように閉ループ磁束を生成する。磁束1440は、一次環状整列構成要素1318及び二次環状整列構成要素1216のそれぞれの中心が共通軸に沿って整列されるように、一次環状整列構成要素1318及び二次環状整列構成要素1216を整列するよう引き寄せることができる。送電コイル1416は、一次整列構成要素1316と同心の位置に固定され、受電コイル1410は、二次整列構成要素1218と同心の位置に固定され、共通軸に沿って一次環状整列構成要素1318及び二次環状整列構成要素1216を整列させる結果として、送電コイル1416及び受電コイル1410も共通軸に沿って整列され、効率的な無線電力伝送が可能となる。例えば、送電コイル1416を交流で駆動して、受電コイル1416に時間変化電流を誘導する時間変化磁場を生成させる。電磁シールド(例えば、シールド1415及び1412)は、AC磁場をコイル1416及び1410のすぐ近傍に閉じ込めることができる。
特に、いくつかの実施形態は、低DC磁束を経験し得、コイル1410の周りの電磁シールド1412による低AC電磁場も経験し得る、二次磁石1428と受電コイルアセンブリ1210との間の隙間領域1411を提供する。同様に、いくつかの実施形態は、低DC磁束を経験し得、送電コイル1416の周りの電磁シールド1418による低AC電磁場も経験し得る、一次磁石1426と送電コイルアセンブリ1312との間の隙間領域1413を提供する。いくつかの実施形態では、例えば、ポータブル電子デバイス1200による無線充電器デバイス1300の識別をサポートするために、NFCアンテナコイル(図示せず)が隙間領域1411及び/又は1413内に配置されてもよい。NFCコイル1260の例示的な実施形態は、以下のセクション5に記載される。図2に示す種類のz極磁気整列システムを使用する場合に、同様の隙間領域が作られてもよいことに留意されたいが、充電コイルと磁石との間により大きな空間が必要となる。
図14Bを参照して理解され得るように、二次整列構成要素1218の各二次整列磁石1428は、二次整列構成要素1218がポータブル電子デバイス1200の厚さの増加を必要としないように、薄い軸方向寸法を有することができる。例えば、各二次整列磁石1428の軸方向厚さは、受電コイルアセンブリ1210(コイル1410及びシールド1412を含む)の厚さ以下であり得る。一次整列構成要素1426は、例えば、エンクロージャ1406と上部キャップ1408との間の軸方向空間の全てを占有する、より厚い軸方向寸法を有することができる。いくつかの実施形態では、一次整列構成要素1426は、二次整列構成要素1428の径方向幅よりもわずかに大きい径方向幅を有することもできる。
図15は、ポータブル電子デバイス1504(例えば、ポータブル電子デバイス1200又は本明細書に記載する任意の他のポータブル電子デバイスとすることができる)及びいくつかの実施形態による、磁気整列システム1506を介して一緒に整列され得る無線充電器デバイス1502(例えば、無線充電器デバイス1300又は本明細書に記載する任意の他の無線充電器デバイス)を含む、例示的な無線充電システム1500を例示するブロック図である。磁気整列システム1506は、無線充電器デバイス1502内の一次整列構成要素1516と、ポータブル電子デバイス1504内の二次整列構成要素1518とを含み得る。一次整列構成要素1516及び二次整列構成要素1516は、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って構成され得る。ポータブル電子デバイス1504は、メモリバンク1542に結合されたコンピューティングシステム1541を含むことができる。コンピューティングシステム1541は、ポータブル電子デバイス1504を動作させるための様々な機能を実行するためにメモリバンク1542に記憶された命令を実行するように構成された制御回路を含むことができる。制御回路は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つ以上のプログラム可能な集積論理回路を含み得る。
コンピューティングシステム1541は、ポータブル電子デバイス1504が1つ以上の機能を実行することを可能にするよう、ユーザインタフェースシステム1543、通信システム1544、及びセンサシステム1545に結合され得る。例えば、ユーザインタフェースシステム1543は、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、触覚フィードバックを可能にするためのアクチュエータ、並びにボタン、スイッチ、及びディスプレイをタッチ感知式にすることを可能にするための容量性スクリーンなどの1つ以上の入力デバイスを含むことができる。通信システム1544は、ポータブル電子デバイス1504が電話をかけ、無線アクセサリと対話し、インターネットにアクセスすることを可能にするよう、無線電気通信構成要素、NFC構成要素、Bluetooth構成要素、及び/又はWiFi構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、通信システム1544は、整列されたデバイスを識別するために磁気整列システム1506と関連して使用されるNFCリーダ回路を含むことができ、その実施例は、以下のセクション5に記載する。センサシステム1545は、光センサ、加速度計、ジャイロスコープ、温度センサ、磁力計、及び/又は外部エンティティ及び/又は環境のパラメータを測定することができる任意の他の種類のセンサを含むことができる。
これら電気的構成要素の全ては、動作するために電源を必要とする。従って、ポータブル電子デバイス1504は、蓄えられたエネルギーを放電してポータブル電子デバイス1504の電気的構成要素に電力を供給するバッテリ1546も含む。電気的構成要素に電力を供給するために放電されたエネルギーを補充するために、ポータブル電子デバイス1504は、外部電源1522に結合された無線充電器デバイス1502から電力を受信することができる充電回路1547及び誘導コイル1510を含む。
無線充電器デバイス1502は、ポータブル電子デバイス1504のコイル1510に電流を誘導することができる時間変化磁束を生成するための送電コイル1512を含むことができる。誘導電流は、バッテリ1546を充電するために回路1547を充電することによって使用することができる。無線充電器デバイス1502は、通信システム1522及び無線充電回路1523に結合されたコンピューティングシステム1521を更に含むことができる。無線充電回路は、第1の組の電圧及び周波数特性(例えば、標準AC壁電力)を有する標準AC電力を、コイル1510を動作させるのに好適なAC電力に変換する回路構成要素を含むことができる。整流器(AC-DCコンバータ)、ブースト回路(DC-DC昇圧回路)、インバータ(DC-ACコンバータ)などを含む好適な回路構成要素は、技術分野において既知である。コンピューティングシステム1521は、無線充電回路1523を制御し、外部電源1522から受信した電力を使用してポータブル電子デバイス1504を充電するためにコイル1510に電流を誘導するよう時間変化磁束を生成する等、無線充電器デバイス1502の動作を制御するよう構成されている論理回路(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGA等)を含み得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム1521は、無線充電のQi規格に準じる機能を実施することができる(Wireless Power Consortiumによって公表される)。
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム1521及び無線充電回路1523を実装する構成要素は、コイル1512及び一次整列構成要素1516を保持する筐体内に(例えば、図13及び14A~14Bのパック形状の筐体1302内に)配置することができる。他の実施形態では、コンピューティングシステム1521及び無線充電回路1523を実装する構成要素の一部又は全ては、例えば、図13及び14Aのケーブル1304の遠位端等、他の場所に配置することができる。例えば、コンピューティングシステム1521を実装する論理回路は、筐体1302内に配置することができ、一方で、無線充電回路1532は、ケーブル1304の遠位端におけるプラグコネクタのブーツ内に配置される。(この場合、ケーブル1304は、無線充電器デバイス1300にAC電力を供給することができる。)別の実施例として、コンピューティングシステム1521を実装する論理回路及び無線充電回路1523の一部を実装する回路構成要素は筐体1302内に配置することができ、一方、無線充電回路1523の他の部分を実装する回路構成要素は、ケーブル1304の遠位端におけるプラグコネクタのブーツ内に配置される。例えば、インバータは筐体1302内に配置されてもよく、一方で、整流器及びブースト回路はブーツ内に配置される。(この場合、ケーブル1304は、無線充電器デバイス1300にDC電力を供給することができる。)
システム1500は特定のブロックを参照して説明されるが、これらのブロックは説明の便利上定義されたものであって、構成部品の特定の物理的配置を意味することを意図していないことは理解されるであろう。更に、これらのブロックは、物理的に別個の構成要素に対応する必要はなく、複数のブロックの態様を実施するために同じ物理的構成要素が使用されてもよい。ブロックは、例えば、プロセッサをプログラムすることによって、あるいは適切な制御回路を設けることによって様々な動作を行うように構成することができ、最初の構成がどのように得られるかによって、様々なブロックを再構成できることもあれば、できないこともある。本発明の実施形態は、無線充電動作及び/又はデバイス間の物理的整列が所望される他の動作を可能にするために、回路及びソフトウェアの任意の組み合わせを使用する電子デバイスを含む様々な装置において実現することができる。
2.回転整列構成要素
上記の様々な実施形態では、磁気整列システムは、横方向平面内で堅牢な整列を提供することができ、回転整列を提供してもよく、又は提供しなくてもよい。例えば、図5A~5Bの半径方向に対称的な磁気整列システム500は、好ましい回転配向を定めない場合がある。図8A~8Cの半径方向に交互となる磁気整列システム800は、複数の等しく好ましい回転配向を定めることができる。無線充電器パック又はマットとのポータブル電子デバイスの整列などの一部の用途では、回転配向が懸念されない場合がある。ドッキングステーション又は他の装着アクセサリにおけるポータブル電子デバイスの整列などの他の用途では、特定の回転整列が望ましい場合がある。従って、いくつかの実施形態では、環状磁気整列構成要素は、環状磁気整列構成要素の外側に離間されて配置される1つ以上の回転整列構成要素で増強され得る。回転整列構成要素は、デバイスを互いに対して目標回転配向に案内することを助けることができる。
図16は、いくつかの実施形態による、環状整列構成要素及び回転整列構成要素を有する磁気整列システムの一例を示す。図16は、ポータブル電子デバイス1604及びアクセサリ1602のそれぞれの近位表面を示す。本実施例では、磁気整列システムの一次整列構成要素はアクセサリデバイス1602に含まれ、磁気整列システムの二次整列構成要素は、ポータブル電子デバイス1604に含まれる。ポータブル電子デバイス1604は、例えば、前面がタッチスクリーンディスプレイを提供し、後面が無線充電をサポートするように設計されたスマートフォンとすることができる。アクセサリデバイス1602は、例えば、ポータブル電子デバイス1604を支持する充電ドックであって、ユーザはそのディスプレイを視認可能であり、アクセスすることができる。例えば、アクセサリデバイス1602は、ディスプレイが垂直であるように、又は見る及び/又は触るために便利に傾斜した角度になるように、ポータブル電子デバイス1604を支持することができる。図示する実施例では、アクセサリデバイス1602は、ポータブル電子デバイス1604を「ポートレート」向き(上部及び下部にディスプレイの短い側がある)に支持するが、いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス1602は、ポータブル電子デバイス1604を「ランドスケープ」向き(上部及び下部にディスプレイの長い側がある)に支持することができる。アクセサリデバイス1602は、スイベル、ジンバルなどに装着することもでき、それにより、ユーザはアクセサリデバイス1602の向きを調整することによってポータブル電子デバイス1604の向きを調整することが可能となる。
上述したように、磁気整列システムの構成要素は、アクセサリ1602内に配置された一次環状整列構成要素1616と、ポータブル電子デバイス1604内に配置された二次環状整列構成要素1618とを含むことができる。一次環状整列構成要素1616は、上述した一次整列構成要素のいずれかと類似又は同一であり得る。例えば、一次環状整列構成要素1616は、環状構成に配置された弓状磁石1626から形成することができる。図16には示されていないが、例えば、1つ以上の弓状磁石1626を省略することによって、又は隣接する弓状磁石1626間の1つ以上の境界面1630に隙間を設けることによって、一次環状整列構成要素1616に1つ以上の隙間を設けることができる。いくつかの実施形態では、各弓状磁石1626は、第1の磁気配向(例えば、第1の方向に軸方向に配向される)を有する内側弓状領域と、第1の磁気配向とは反対の第2の磁気配向を有する外側弓状領域(例えば、第1の方向とは反対に軸方向に配向される)と、内側領域と外側領域との間の中央非磁化弓状領域(上述のように、非磁化中央領域は、エアギャップ又は非磁性材料を含み得る)と、を含み得る。いくつかの実施形態では、一次環状整列構成要素1616は、弓状磁石1626の遠位側にDCシールド(図示せず)を含むこともできる。
同様に、二次環状整列構成要素1618は、上述した二次整列構成要素のいずれかと類似又は同一であり得る。例えば、二次環状整列構成要素1618は、環状構成に配置された弓状磁石1628から形成することができる。図16には示されていないが、例えば、1つ以上の弓状磁石1628を省略することによって、又は隣接する弓状磁石1628間の1つ以上の境界面1632に隙間を設けることによって、二次環状整列構成要素1618に1つ以上の隙間を設けることができる。上述のように、弓状磁石1628は、半径方向に配向された磁極性を提供することができる。例えば、二次環状整列構成要素1618の全てのセクタが径方向外方の磁気配向又は径方向内方の磁気配向を有することができる、又は二次環状整列構成要素1618のいくつかのセクタが径方向外方の磁気配向を有し、二次環状整列構成要素1618の他のセクタが径方向内方の磁気配向を有してもよい。
上述したように、一次環状整列構成要素1616及び二次環状整列構成要素1618は、一次環状整列構成要素1616の中心点1601が二次環状整列構成要素1618の中心点1603と整列するように、横方向平面内での整列を促進するせん断力を提供することができる。しかしながら、一次環状整列構成要素1616及び二次環状整列構成要素1618は、ポートレート向きなどの任意の特定の回転配向寄りのトルク力を提供しない場合がある。
従って、いくつかの実施形態では、磁気整列システムは、環状整列構成要素に加えて、1つ以上の回転整列構成要素を組み込むことができる。回転整列構成要素は、(整列された)環状整列構成要素の共通軸についてトルクを提供する1つ以上の磁石を含むことができ、それにより、好ましい回転配向を確実に確立することができる。例えば、図16に示すように、一次回転整列構成要素1622は、一次環状整列構成要素1616の外側に離間して配置され得る一方で、二次回転整列構成要素1624は、二次環状整列構成要素1618の外側に離間して配置される。二次回転整列構成要素1624は、二次環状整列構成要素1618の中心点1603から一定の距離(y0)に配置され、ポータブル電子デバイス1604の側縁部(いずれかの側縁部から距離x0によって示されるように)の間の中心に配置され得る。同様に、一次回転整列構成要素1622は、一次環状整列構成要素1616の中心点1601から同じ距離y0に配置され、二次回転整列構成要素1624が一次回転整列構成要素1622と整列された場合にアクセサリ1602に対するポータブル電子デバイス1604の所望の向きに有利となるトルクプロファイルを結果としてもたらす回転角度に位置される。異なるフォームファクタを有する様々なポータブル電子デバイスに同じ距離y0を適用することができることは留意されるべきであり、それにより、単一のアクセサリが一群のポータブル電子デバイスと互換性を有することができる。より長い距離y0は、好ましい回転整列に向かってトルクを増加させることができるが、最大距離y0は、相互に互換性のある磁気整列システムを組み込む一群のポータブル電子デバイスの最小ポータブル電子デバイスのサイズなどの設計考慮事項によって制限されてもよい。
いくつかの実施形態によれば、一次回転整列構成要素1622及び二次回転整列構成要素1624のそれぞれは、1つ以上の磁石(例えば、NdFeBなどの希土類磁石)を用いて実装することができ、これらの磁石はそれぞれ、その磁極性が所望の方向に配向されるように磁化される。図16の実施例では、磁石は、矩形の形状を有するが、他の形状(例えば、丸みのある形状)で置換することができる。回転整列構成要素1622及び1624の磁気配向は、回転整列構成要素1622及び1624の近位表面が互いに近いときに、吸引磁力が加えられるよう相補的であり得る。この吸引磁力は、回転整列構成要素1622及び1624の近位表面が互いに整列する好ましい回転配向にポータブル電子デバイス1604及びアクセサリ1602を回転させるのに役立ち得る。所望の引力を提供するために使用することができる回転整列構成要素1622及び1624の磁気配向の例を以下に説明する。いくつかの実施形態では、一次回転整列構成要素1622及び二次回転整列構成要素1624は、同じ横方向(xy)寸法及び同じ厚さを有することができる。寸法は、所望の磁場強度及び/又はトルク、回転整列構成要素が展開されるデバイスの寸法、及び他の設計上の考慮事項に基づいて選択することができる。いくつかの実施形態では、横方向寸法は、約6mm(x方向)~約16mm(y方向)でもよく、厚さは、約0.3mm~約1.5mmの任意の厚さでもよく、特定の寸法は、整列されるべきデバイスのサイズに基づいて選択され得る。いくつかの実施形態では、所与のデバイスに対する回転整列構成要素の厚さは、デバイス内の環状整列構成要素の厚さと一致するように選択することができる。いくつかの実施形態では、一次回転整列構成要素1622及び二次回転整列構成要素1624のそれぞれは、互いに隣接して配置された磁性材料の2つ以上の矩形ブロックを使用して実装することができる。他の実施形態では、例えば、製造公差に起因して、隣接する磁石間に小さな隙間が存在してもよい。
図17A及び図17Bは、いくつかの実施形態による回転整列の一例を示す。図17Aでは、図示する図面において、一次環状整列構成要素1616の中心点1601が二次環状整列構成要素1618の中心点1603に重なるよう、一次環状整列構成要素1616及び二次整列構成要素1618が横方向平面内で互いに整列されるように、アクセサリ1602はポータブル電子デバイス1604の後面上に配置される。回転整列構成要素1622及び1624が整列しないように相対回転が存在する。この構成では、回転整列構成要素1622と1624との間の引力は、ポータブル電子デバイス1604及びアクセサリ1602を目標回転配向に向けて付勢することができる。図17Bでは、回転整列構成要素1622と1624との間の吸引磁力により、ポータブル電子デバイス1604の側部がアクセサリ1602の側部と平行となるよう、ポータブル電子デバイス1604及びアクセサリ1602を目標回転整列にさせる。いくつかの実施形態では、回転整列構成要素1622と1624との間の吸引磁力はまた、ポータブル電子デバイス1604及びアクセサリ1602を固定の回転整列で保持するのに役立ち得る。
回転整列構成要素1622及び1624は、様々なパターンの磁気配向を有することができる。回転整列構成要素1622及び1624の磁気配向が互いに相補的である限り、デバイスが横方向に整列され、目標回転配向に近いときに、目標回転配向に向かうトルクが存在し得る。図18A~21Bは、様々な実施形態による回転整列構成要素の磁気配向の例を示す。磁気配向が1つの回転整列構成要素のみに対して示されるが、相補的な回転整列構成要素の磁気配向が、示される磁気配向に相補的であり得ることは理解されるであろう。
図18A及び図18Bは、いくつかの実施形態による、"z極"構成を有する回転整列構成要素1824の斜視図及び上面図を示す。斜視図は、どの特定の尺度でもなく、横方向(xy)寸法及び軸方向(z)厚さは、所望に応じて変化させることができることを理解されたい。図18Aに示すように、回転整列構成要素1824は、矢印1805によって示されるように、軸方向に沿って均一な磁気配向を有することができる。従って、図18Bに示すように、北磁極(N)は、回転整列構成要素1824の近位表面1803に最も近くてもよい。相補的なz極整列構成要素は、南磁極が近位表面に最も近い均一な磁気配向を有することができる。z極構成は、信頼性の高い整列を提供することができる。
他の構成は、信頼性の高い整列、並びにユーザのためのより強い、又はより顕著な「クロッキング」感覚を提供することができる。「クロッキング感覚」とは、この文脈において、目標回転整列に向かって付勢され、及び/又は目標回転整列からの小さい変位に抵抗する、環状整列構成要素の共通軸を中心としたユーザ知覚可能なトルクを指す。回転角度の関数としてのトルクのより大きな変動は、より顕著なクロッキング感覚を提供することができる。以下は、図18A及び18Bのz極構成よりも顕著なクロッキング感覚を提供することができる回転整列構成要素に対する磁化構成の例である。
図19A及び19Bは、いくつかの実施形態による、"四極"構成を有する回転整列構成要素1924の斜視図及び上面図を示す。斜視図は、どの特定の尺度でもなく、横方向(xy)寸法及び軸方向(z)厚さは、所望に応じて変化させることができることを理解されたい。図19Aに示すように、回転整列構成要素1924は、北磁極(N)が(矢印1905によって示されるように)回転整列構成要素1924の近位(+z)表面1903に最も近いように、軸方向に沿った磁気配向を有する第1の磁化領域1925、及び南磁極(S)が(矢印1907によって示されるように)近位表面1903に最も近いように、第1の領域の磁気配向と反対の磁気配向を有する第2の磁化領域1927を有する。磁化領域1925と1927との間は、磁化されていない中央領域1929である。いくつかの実施形態では、回転整列構成要素1924は、領域1925、1927、1929を形成するよう磁化器に曝された単一の磁性材料片から形成され得る。あるいは、回転整列構成要素1924は、非磁性材料又はエアギャップを間に設けた2つの磁性材料片を用いて形成することができる。図19Bに示すように、回転整列構成要素1924の近位表面は、「北」極性を有する1つの領域と、「南」極性を有する別の領域とを有することができる。相補的な四極回転整列構成要素は、近位表面において、南極性及び北極性の対応する領域を有することができる。
図20A及び20Bは、いくつかの実施形態による「環状設計」構成を有する回転整列構成要素2024の斜視図及び上面図を示す。斜視図は、どの特定の尺度でもなく、横方向(xy)寸法及び軸方向(z)厚さは、所望に応じて変化させることができることを理解されたい。図20Aに示すように、回転整列構成要素2024は、北磁極(N)が(矢印2005によって示されるように)回転整列構成要素2024の近位(+z)表面2003に最も近いように、軸方向に沿った磁気配向を有する環状外側磁化領域2025、及び南磁極(S)が遠位表面2003に最も近いように、第1の領域の磁気配向と反対の磁気配向を有する内側磁化領域2027を有する。磁化領域2025と2027との間は、磁化されていない中立環状領域2029である。いくつかの実施形態では、回転整列構成要素2024は、領域2025、2027、2029を形成するよう磁化器に曝された単一の磁性材料片から形成され得る。あるいは、回転整列構成要素2024は、非磁性材料又はエアギャップを間に設けた2つ以上の磁性材料片を用いて形成することができる。図20Bに示すように、回転整列構成要素2024の近位表面は、「北」極性を有する環状外側領域と、「南」極性を有する内側領域とを有することができる。相補的な環状設計回転整列構成要素の近位表面は、南極性の環状外側領域と北極性の内側領域とを有することができる。
図21A及び図21Bは、いくつかの実施形態による、"三極"構成を有する回転整列構成要素2124の斜視図及び上面図を示す。斜視図は、どの特定の尺度でもなく、横方向(xy)寸法及び軸方向(z)厚さは、所望に応じて変化させることができることを理解されたい。図21Aに示すように、回転整列構成要素2124は、南磁極(S)が(矢印2105によって示されるように)回転整列構成要素2124の近位(++z)表面2103に最も近いように、軸方向に沿った磁気配向を有する中央磁化領域2125、及び北磁極(N)が(矢印2107、2109によって示されるように)近位表面2103に最も近いように、中央領域2125の磁気配向と反対の磁気配向を有する外側磁化領域2127、2129を有する。中央磁化領域2125と外側磁化領域2127、2129のそれぞれとの間は、強く磁化されていない中立領域2131、2133である。いくつかの実施形態では、回転整列構成要素2124は、領域2125、2127、2129を形成するよう磁化器に曝された単一の磁性材料片から形成され得る。あるいは、回転整列構成要素2124は、非磁性材料又はエアギャップを間に設けた3つ(それより多く)の磁性材料片を用いて形成することができる。図21Bに示されるように、近位表面は、「南」極性を有する中央領域を有してもよく、外側領域は、どちらの側にも「北」極性を有する。相補的な三極回転整列構成要素の近位表面は、北極性の中央領域を有し得、どちらの側にも南極性の外側領域を有する。
図18A~21Bの実施例は例示的であり、他の構成が使用されてもよいことは理解されるであろう。回転整列構成要素に対する磁化パターンの選択は、回転整列構成要素が使用される環状整列構成要素の磁化パターンとは無関係であり得る。
いくつかの実施形態では、回転整列構成要素に対する磁化パターンの選択は、トルクプロファイルを最適化することに基づくことができる。例えば、上述のように、所望の回転整列に近いときにユーザに顕著なクロッキング感覚を提供することが望ましい場合がある。クロッキング感覚は、環状整列構成要素によって画定される回転軸を中心としたトルクの結果であり得る。トルクの量は、軸と回転整列構成要素との間の距離(図16の距離y0)、及び回転整列構成要素の長さ(図16に定義されるようなy方向)、並び、回転整列構成要素の磁場の強度(回転整列構成要素のサイズに依存し得る)、整列される表面間の摩擦係数、及び環状整列構成要素が好ましい回転配向に向かって任意のトルクを与えるか、を含む様々な要因に依存する。
図22は、様々な実施形態による回転整列構成要素の異なる磁化構成について、図16に示される種類の整列システムに対する角度回転(度)の関数としてのトルクのグラフを示す。角度回転は、ゼロ度が目標回転整列に対応するように定義される(例えば、図17Bに示すように、回転角成分1622及び1624の近位表面が最も近接している)。トルクは、正(負)値が回転角度を減少させる(増加させる)方向の力を示すように定義される。トルクプロファイルを生成する目的で、環状整列構成要素1616及び1618は回転対称であり、中心点1601及び1603によって定められるz軸についてトルクを及ぼさないと仮定される。3つの異なる磁化構成が考えられる。線2204は、図19A及び19Bの四極構成に対応する。線2205は、図20A及び20Bの環状設計構成に対応する。線2206は、図21A及び21Bの三極構成に対応する。図示するように、環状設計(線2205)及び三極(線2206)構成は、四極構成(線2204)と比較して、トルクのより鋭いピークを提供し、従って、ユーザにとってより顕著なクロッキング感覚を提供する。加えて、三極構成は、環状設計構成よりも、より強いピークトルクを提供し、従って、より顕著なクロッキング感覚を提供する。(三極構成も、他の構成と比較して、磁束漏れを低減することができる。)図22の数値は例示的であり、特定の実施形態におけるトルクは、磁石の体積、アスペクト比、及び、環状整列構成要素の中心からの距離y0などの磁化構成に加えて、様々な他の要因に依存し得ることを理解されたい。
図16に示す実施例では、単一の回転整列構成要素が、環状整列構成要素の中心から距離y0で環状整列構成要素の外側に配置される。この構成により、単一の磁気要素が、ユーザ整列デバイスに対する顕著なクロッキング感覚を生成するトルクを発生することが可能になる。いくつかの実施形態では、他の配置も可能である。例えば、図23は、いくつかの実施形態による、複数の回転整列構成要素を有する整列システム2300を有するポータブル電子デバイス2304を示す。この実施例では、整列システム2300は、環状整列構成要素2318と、環状整列構成要素2318の周辺部の周りの様々な場所に配置された回転整列構成要素2324の組とを含む。この実施例では、約90度の角度間隔で配置された4つの回転整列構成要素2324が存在する。他の実施形態においては、異なる数及び間隔の回転整列構成要素が使用され得る。各回転整列構成要素2324は、z極、四極、三極、又は環状設計構成、あるいは異なる構成を含む、上記の磁化構成のいずれかを有することができる。更に、異なる回転整列構成要素2324は、互いに異なる磁化構成を有することができる。回転整列構成要素2324が、環状整列構成要素2318の周辺部に近接して配置することができ、多数の磁気構成要素が、より短いレバーアームで十分なトルクを提供することができることに留意されたい。相補的な回転整列構成要素は、任意の種類の環状整列構成要素(例えば、本明細書に記載されるような一次整列構成要素、二次整列構成要素、又は環状整列構成要素)の外周の周りに配置され得る。
回転整列構成要素の前述の実施例が例示的であり、変更及び修正が可能であることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、回転整列構成要素は、環状整列構成要素に対する任意の付属物として提供されてもよく、環状整列構成要素及び回転整列構成要素の両方を有するデバイスは、他のデバイスが回転整列構成要素を有するか、又は有さないかにかかわらず、相補的な環状整列構成要素を有する任意の他のデバイスに横方向に整列され得る。従って、例えば、図16のポータブル電子デバイス1604は、アクセサリ1602(環状整列構成要素1616及び回転整列構成要素1622の両方を有する)に回転方向に整列することができ、環状整列構成要素1616を有するが回転整列構成要素1622を有しない別のアクセサリ(図4の無線充電器デバイス400など)に横方向に整列することができる。後者の場合、横方向の整列は、例えば、効率的な無線充電をサポートするために達成することができるが、好ましい回転整列がない場合もあり、又は、回転整列は非磁性特徴(例えば、レッジ、クリップ、ノッチなどの機械的保持特徴)を用いて達成することができる。回転磁気整列構成要素は、任意の種類の環状磁気整列構成要素(例えば、以下に記載されるような、一次環状磁気整列構成要素、二次環状磁気整列構成要素、又は補助環状磁気整列構成要素)と一緒に使用することができる。
3.一次、二次、及び補助環状磁気整列構成要素
3.1.3成分磁気整列システムの概要
いくつかの実施形態では、磁気整列システムは、3つ以上のデバイスを整列させることができる。ここで、3つの環状整列構成要素(一次、二次、及び補助環状磁気整列構成要素と称される)を有する磁気整列システムの例を説明する。このセクションで説明する一次及び二次環状磁気整列構成要素は、上述した一次及び二次環状磁気整列構成要素と同一であり得、所与の一対の一次及び二次環状磁気整列構成要素は、補助環状磁気整列構成要素を用いて又は用いずに使用することができることを理解されたい。整列が所望されるシステムは、3つを超えるデバイスを含んでもよく、追加の補助環状整列構成要素が、3つを超えるデバイスの整列を容易にするために提供され得ることも理解されたい。
図24は、いくつかの実施形態による、3成分磁気整列システム2406を組み込む無線充電システム2400の簡略化された図を示す。無線充電システム2400は、ポータブル電子デバイス2404、無線充電器デバイス2402、及びポータブル電子デバイス2404と無線充電器デバイス2402との間に配置されたアクセサリ2420を含む。ポータブル電子デバイス2404は、スマートフォン、タブレット、ウェアラブルデバイスなどの消費者用電子デバイス、又は無線充電が望まれる任意の他の電子デバイスとすることができる。無線充電器デバイス2402は、好適に構成された受信デバイス内に電流を誘導するために、時間変化磁束を生成するように構成された任意のデバイスとすることができる。例えば、無線充電器デバイス2402は、無線充電マット、パック、ドッキングステーションなどでもよい。無線充電器デバイス2402は、バッテリ電力又は標準AC電力などの電源を含むか、又はそれにアクセスすることができる。
無線電力伝送を可能にするために、ポータブル電子デバイス2404及び無線充電器デバイス2402は、それぞれ誘導コイル2410及び2412を含むことができ、これらは、それらの間で電力を伝送するように動作することができる。例えば、誘導コイル2412は、時間変化磁束2414を生成する送電コイルとすることができ、誘導コイル2410は、時間変化磁束2414に応答して電流が誘導される受電コイルとすることができる。受信された電流は、ポータブル電子デバイス2404のバッテリを充電する、ポータブル電子デバイス2404の構成要素に動作電力を提供する、及び/又は所望に応じて他の目的のために使用され得る。いくつかの実施形態では、無線充電器デバイス2402とポータブル電子デバイス2404との間の無線電力伝送は、アクセサリ2420が存在するかどうかにかかわらず発生することができる。
アクセサリ2420は、ポータブル電子デバイス2404と共に使用されて、ポータブル電子デバイス2404の美観及び/又は機能を保護、向上、及び/又は補足するために使用されるアクセサリであり得る。例えば、アクセサリ2420は、保護ケース、外部バッテリパック、カメラアタッチメント、又は任意の他の充電-スルーアクセサリであり得る。いくつかの実施形態では、アクセサリ2420は、1つ以上の無線充電コイル2438を含み得る。例えば、アクセサリ2420は、ポータブル電子デバイス2404に取り付けられ、ポータブル電子デバイスと一緒に搬送され得るポータブル外部バッテリパックとすることができる。いくつかの実施形態では、アクセサリ2420は、無線充電コイル2438を受電コイルとして動作させて、搭載されたバッテリを充電する(例えば、無線充電器デバイス2402から)、又は送電コイルとして動作させて、ポータブル電子デバイス2404に電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、アクセサリ2420は、別個の送電及び受電コイル2438を含み得る。アクセサリ2420は、コイル(単数又は複数)2438を動作させて、電力を伝送するか、又は電流条件に応じて電力を受信及び蓄積することができる。更に他の実施形態では、アクセサリ2420は、アクティブ回路を含まないケースなどの「給電されていない」又は「パッシブ」アクセサリであってもよく、無線充電コイル2438を省略することができる。そのような場合、アクセサリ2420は、無線充電器デバイス2402とポータブル電子デバイス2404との間の無線電力伝送を妨げないように設計され得る。例えば、アクセサリ2420の関連部分は、プラスチック、皮革、又は時変電磁束2414に対して透明な他の材料などの材料で作製することができる。
効率的な無線電力伝送を可能にするために、誘導コイル2412及び2410(及びコイル2438が存在する実施形態ではコイル2438)を整列させることが望ましい。いくつかの実施形態によれば、磁気整列システム2406は、このような整列を提供することができる。図24に示す実施例では、磁気整列システム2406は、無線充電器デバイス2402の表面内又はその上に配置された一次磁気整列構成要素2416と、ポータブル電子デバイス2402の表面内又はその上に配置された二次磁気整列構成要素2418と、アクセサリ2420の表面内又はその上に配置された補助磁気整列構成要素2470とを含む。一次、二次、及び補助磁気整列構成要素2416、2418、及び2470は、誘導コイル2410及び2412(及び/又は存在する場合は2438)が互いに整列されて効率的な無線電力伝送を提供する整列位置に互いを磁気的に引き付けるように構成されている。
磁気整列システム2406は、アクセサリ2420が補助整列構成要素2470を含むとして、様々な種類のアクセサリ2420が一次及び/又は二次磁気整列構成要素2416、2418と整列することができるという点で、モジュール性を可能にすることができる。例えば、いくつかの実施形態では(例えば、アクセサリ2420が保護ケースである場合)、アクセサリ2420は、補助磁気整列構成要素2420が二次磁気整列構成要素2418と整列するように、固定位置でポータブル電子デバイス2404と機械的に結合することができ、ポータブル電子デバイス2404は、補助磁気整列構成要素2470に完全に又は部分的に依存して、無線充電器デバイス2402の一次整列構成要素2418と整列することができる。従って、アクセサリ2420が、一次整列構成要素2416が補助整列格子柄要素2470と整列するよう無線充電器デバイス2402の充電面2408上に配置されると、ポータブル電子デバイス2404の二次整列構成要素2418も一次整列構成要素2470と整列し、効率的な無線電力伝送がサポートされる。
別の例として、アクセサリ2420が外部バッテリであるいくつかの実施形態では、補助整列構成要素2470は、アクセサリ2420内の内部電源(図示せず)からの電力が誘導コイル2438及び誘導コイル2410を使用してポータブル電子デバイス2404に無線で伝送され得るよう、二次整列構成要素2418を引き寄せて整列させることができる。磁気整列システム2406のモジュール性はまた、無線充電器デバイス2402がポータブル電子デバイス2404及びアクセサリ2420と積層されることを可能にする。例えば、補助整列構成要素2470は、二次整列構成要素2418を引き寄せ、整列させることができ、同時に、一次整列構成要素2416を引き寄せ、整列させることができる。従って、ポータブル電子デバイス2404、アクセサリ2420、及び無線充電器デバイス2402が全て一緒に積層されると、電力は、無線充電器デバイス2402からアクセサリ2420に(例えば、アクセサリ2420の内部バッテリを充電するため)、及びアクセサリ2420からポータブル電子デバイス2404に無線で伝達され得る。両方の電力伝送が同時に実行されてもよく、すなわち、アクセサリ2420がポータブル電子デバイス2404に電力を供給するのと同時に無線充電器デバイス2402は、アクセサリ2420に電力を供給することができる。いくつかの実施形態では、同時電力伝送を可能にするために、アクセサリ2420は、電力を受信するためと電力を送信するための2つの誘導コイル2438を含み得る。他の実施形態では、電力伝送は、順次実行することができ、例えば、無線充電器デバイス2402は、アクセサリ2402に電力を供給することができ、無線充電器デバイス2402が電力を供給していないときに、アクセサリ2402は、ポータブル電子デバイス2404に電力を提供することができる。
図24は、単なる例示に過ぎず、非限定的である。例えば、図24は、互いに積み重ねられた3つのデバイスを示しているが、4つ以上のデバイスのシステムを形成するために同じ原理を適用することができることを理解されたい。例えば、無線充電システムは、無線充電器デバイスに取り付けられ、磁気的に整列される外部バッテリに取り付けられ、磁気的に整列された保護ケースに結合されたポータブル電子デバイスを含むことができる。それぞれのデバイス内の全ての誘導コイルは、一緒に整列させることができ、無線電力は、無線充電器デバイスと外部バッテリとの間、バッテリとポータブル電子デバイスとの間、及び/又は無線充電器デバイスとポータブル電子デバイスとの間で送信することができる。本開示の精神及び範囲から逸脱することなく、任意の数のデバイスが一緒に積み重ねられることが認識されるであろう。
本明細書に記載される実施形態によれば、磁気整列システムの整列構成要素(一次、二次、又は補助整列構成要素を含む)は、環状構成に配置された弓状磁石から形成することができる。いくつかの実施形態では、各磁石は、一次、二次、及び補助整列構成要素間の磁極性が所望の整列をもたらすよう、所望の方向にその磁極性が配向される。いくつかの実施形態では、弓状磁石は、第1の方向に磁極性が配向された第1の磁気領域と、第1の方向とは異なる第2の方向に磁極性が配向された第2の磁気領域とを含むことができる。以下に説明するように、異なる構成は、異なる程度の磁場漏れを提供することができる。
3.2.単一軸方向磁気配向を有する磁気整列システム
図25Aは、いくつかの実施形態による磁気整列システム2500の斜視図を示し、図25Bは、図25Aに示される切断面にわたる磁気整列システム2500を通る断面を示す。磁気整列システム2500は、図24の磁気整列システム2406の実装でもよい。磁気整列システム2500では、整列構成要素は全て、(環状構成の軸に沿って)同じ方向に配向された磁極性を有する。
図25Aに示すように、磁気整列システム2500は、一次整列構成要素2516(図24の一次整列構成要素2416の実施でもよい)、二次整列構成要素2518(図24の二次整列構成要素2418の実施でもよい)、及び補助整列構成要素2570(上述の補助整列構成要素2470の実施でもよい)を含み得る。一次整列構成要素2516、二次整列構成要素2518、及び補助整列構成要素2570は、環状の形状を有し、「環状」整列構成要素と称され得る。特定の寸法は、所望に応じて選択することができる。いくつかの実施形態では、寸法は、セクション1で上述した例示的な値と同様であり得る。
一次整列構成要素2516は、1つ以上の一次弓状磁石2526から形成され得る多数のセクタを含むことができる。二次整列構成要素2518は、1つ以上の二次次弓状磁石2528から形成され得る多数のセクタを含むことができる。補助整列構成要素2470は、1つ以上の補助弓状磁石2572から形成され得る多数のセクタを含むことができる。図示する例では、一次磁石2526の数は、二次磁石2528の数及び補助磁石2570の数に等しく、各セクタはちょうど1つの磁石を含むが、これは必須ではない。一次磁石2526、二次磁石2528、及び、補助磁石2572は、一次磁石2526(又は二次磁石2528あるいは補助磁石2572)が、端と端で互いに対して隣接して配置された場合に一次磁石2526(又は二次磁石2528あるいは補助磁石2572)が図示するような環状構造を形成するように、横断面に弓状の(又は湾曲した)形状を有することができる。いくつかの実施形態では、一次磁石2526は、境界面2530において互いに接触することができ、二次磁石2528は、境界面2532において互いに接触することができ、補助磁石2572は、境界面2574において互いに接触することができる。あるいは、小さな隙間又は空間は、隣接する一次磁石2526、隣接する二次磁石2528、又は隣接する補助磁石2572を分離して、製造中により大きな公差を提供してもよい。
いくつかの実施形態では、一次整列構成要素2516はまた、一次磁石2526の遠位表面上に配置された環状シールド2514を含むことができる。いくつかの実施形態では、シールド2514は、単一の環状材料片として形成され、一次磁石2526に接着されて、一次磁石2526を定位置に固定することができる。シールド2514は、ステンレス鋼又は低炭素鋼などの高透磁率及び/又は高磁気飽和値を有する材料で形成することができ、磁場を再方向付けして、一次整列構成要素2516の遠位側を越えて伝播するのを防ぐことができ、それによって、一次整列構成要素2516の遠位側を越えて配置される高感度の電子部品を磁気干渉から保護することができる。
一次磁石2526、二次磁石2528は、及び、補助磁石2572は、NdFeB材料、他の希土類磁性材料、又は磁化されて永続的な磁場を作り出すことができる他の材料などの磁性材料で作製することができる。各一次磁石2526、各二次磁石2528、及び、各補助磁石2572は、図25Bにおいて磁極性インジケータ2515、2517、2519によって示されるように、軸方向に整列された磁極性を有する単一の磁気領域を含むモノリシック構造を有することができる。例えば、各一次磁石2526、各二次磁石2528、及び、各補助磁石2572は、接地され、軸方向の磁気配向を有する弓状構造に成形された棒磁石であってもよい。図示する実施例では、一次磁石2526は、北極が近位表面に向かって配向され、南極が遠位表面に向かって配向され、二次磁石2528は、南極が近位表面に向かって配向され、北極が遠位表面に向かって配向され、補助磁石2572は、補助磁石2572の北極が二次磁石2528の近位表面に向けられ、補助磁石2572の南極が一次磁石2526の近位表面に向かって配向されるように、対応する磁気配向を有する。他の実施形態では、磁気配向は逆にされ得、一次磁石2526は、南極が近位表面に向かって配向され、北極が遠位表面に向かって配向され、二次磁石2528は、北極が近位表面に向かって配向され、南極が遠位表面に向かって配向され、補助磁石2572は、補助磁石2572の南極が二次磁石2528の近位表面に向けられ、補助磁石2572の北極が一次磁石2526の近位表面に向かって配向されるように、対応する磁気配向を有する。
図25Bに示すように、一次磁石2526、補助磁石2572、及び二次磁石2528の軸方向の磁気配向は、一次磁石2526と補助磁石2572、及び、補助磁石2572と二次磁石2528との間に引力を与える磁場2540を生成することができ、それにより、一次整列構成要素2516、補助整列構成要素2570、及び二次整列構成要素2518が(例えば、図24に示すように)配置されている、それぞれのデバイス間の整列が容易になる。シールド2514は、一次磁石2526の下の領域から離れるように磁場2540の一部を再方向付けすることができるが、磁場2540は依然として、一次磁石2526及び二次磁石2528に横方向に隣接する領域に伝搬され得る。いくつかの実施形態では、磁場2540の横方向の伝播は、他の磁気的に高感度の構成要素への磁場漏れを結果としてもたらし得る。例えば、強磁性シールドを有する誘導コイルが、環状一次整列構成要素2516(又は二次整列構成要素2518)の内部(又は内側)領域に配置される場合、磁場2540の漏れは、フェリ磁性シールドを飽和させてもよく、これは無線充電性能を低下させる可能性がある。
磁気整列システム2500は例示的であり、変形及び変更が可能であることが理解されるであろう。例えば、一次整列構成要素2516、補助整列構成要素2570、及び二次整列構成要素2518はそれぞれ、8個の弓状磁石で構成されているものとして示されるが、他の実施形態では、16個の磁石、36個の磁石、又は任意の他の数の磁石など、異なる数の磁石が使用されてもよく、一次磁石の数は二次磁石の数に等しくなくてもよい。同様に、補助磁石の数は、一次磁石の数又は二次磁石の数のいずれかと等しくある必要はない。他の実施形態では、一次整列構成要素2516及び/又は二次整列構成要素2518及び/又は補助整列構成要素2570はそれぞれ、単一のモノリシック環状磁石から形成されてもよいが、整列構成要素2516、2518、及び2570を弓状磁石にセグメント化することで、図3A及び3Bを参照して上述したように、製造を改善することができる。
3.3.閉ループ磁気構成を有する磁気整列システム
図25Bを参照して上述したように、単一の軸方向の磁気配向を有する磁気整列システムは、磁場の横方向の漏れを可能にすることができ、これは、電子デバイスの他の構成要素の性能に悪影響を及ぼし得る。従って、いくつかの実施形態は、磁場漏れを低減する閉ループ磁気構成を有する磁気整列システムを提供する。ここで、実施例を説明する。
図26Aは、いくつかの実施形態による磁気整列システム2600の斜視図を示し、図26Bは、図26Aに示される切断面にわたる磁気整列システム2600を通る断面を示す。磁気整列システム2600は、図24の磁気整列システム2406の実装でもよい。磁気整列システム2600において、整列構成要素は、以下に記載されるように、「閉ループ」構成で構成された磁気構成要素を有する。
図26Aに示すように、磁気整列システム2600は、一次整列構成要素2616(図24の一次整列構成要素2416の実施でもよい)、二次整列構成要素2618(図24の二次整列構成要素2418の実施でもよい)、及び補助整列構成要素2670(図24の補助整列構成要素2470の実施でもよい)を含み得る。一次整列構成要素2616、二次整列構成要素2618、及び補助整列構成要素2670は、環状の形状を有し、「環状」整列構成要素と称され得る。特定の寸法は、所望に応じて選択することができる。いくつかの実施形態では、寸法は、セクション1で上述した例示的な値と同様であり得る。
一次整列構成要素2616は、多数の一次磁石2626から形成され得る多数のセクタを含むことができ、二次整列構成要素2618は、それぞれはいくつかの二次磁石2628から形成され得るいくつかのセクタを含むことができ、補助整列構成要素2670は、それぞれがいくつかの補助磁石2672から形成され得るいくつかのセクタを含むことができる。図示する例では、一次磁石2626の数は、二次磁石2628の数及び補助磁石2672の数に等しく、各セクタはちょうど1つの磁石を含むが、これは必須ではない。一次磁石2626、二次磁石2628、及び、補助磁石2672は、一次磁石2626(又は二次磁石2628あるいは補助磁石2672)が、端と端で互いに対して隣接して配置された場合に一次磁石2626(又は二次磁石2628あるいは補助磁石2672)が図示するような環状構造を形成するように、横断面に弓状の(又は湾曲した)形状を有することができる。いくつかの実施形態では、隣接する一次磁石2626は、境界面2630において互いに接触することができ、隣接する二次磁石2628は、境界面2632において互いに接触することができ、隣接する補助磁石2672は、境界面2680において互いに接触することができる。あるいは、小さな隙間又は空間は、隣接する一次磁石2626、隣接する二次磁石2628、又は隣接する補助磁石2672を分離して、製造中により大きな公差を提供してもよい。
いくつかの実施形態では、一次整列構成要素2616はまた、一次磁石2626の遠位表面上に配置された環状シールド2614を含むことができる。いくつかの実施形態では、シールド2614は、単一の環状材料片として形成され、一次磁石2626に接着されて、一次磁石2626を定位置に固定することができる。シールド2614は、ステンレス鋼などの高い透磁率を有する材料で形成することができ、磁場を再方向付けして、一次整列構成要素2616の遠位側を越えて伝播するのを防ぐことができ、それによって、一次整列構成要素2616の遠位側を越えて配置される高感度の電子部品を磁気干渉から保護することができる。いくつかの実施形態では、補助整列構成要素2670は同様のシールドを含まない、そのため、一次整列構成要素2616とのより強い磁気引力を提供することができる。
一次磁石2626、二次磁石2628、及び補助磁石2672は、NdFeB材料、他の希土類磁性材料、又は磁化されて永続的な磁場を作り出すことができる他の材料などの磁性材料で作製することができる。各二次磁石2628は、(図26Bの磁極性インジケータ2617によって示されるように)横断面において径方向に成分を有する磁極性を有する単一の磁気領域を有することができる。以下に記載されるように、磁気配向は、軸2601に対して半径方向、又は横断面に径方向成分を有する別の方向であってもよい。各一次磁石2626は、反対の磁気配向を有する2つの磁気領域を含み得る。例えば、各一次磁石2626は、(図26Bの極性インジケータ2653によって示されるように)第1の軸方向に磁気配向を有する内側弓状磁気領域2652と、(図26Bの極性インジケータ2655によって示されるように)第1の方向とは反対の第2の軸方向に磁気配向を有する外側弓状磁気領域2654と、磁気配向を有さない中央非磁化領域2656と、を有し得る。中央非磁化領域2656は、磁場が中央領域2656を通って直接わたることを阻止することによって、外側弓状領域2654から内側弓状領域2652を磁気的に分離することができる。同様に、各補助磁石2672は、反対の磁気配向を有する2つの磁気領域を含み得る。例えば、各補助磁石2672は、(図26Bの極性インジケータ2673によって示されるように)第1の軸方向に磁気配向を有する内側弓状磁気領域2674と、(図26Bの極性インジケータ2675によって示されるように)第1の方向とは反対の第2の軸方向に磁気配向を有する外側弓状磁気領域2676と、磁気配向を有さない中央非磁化領域2678と、を有し得る。中央非磁化領域2678は、磁場が中央領域2678を通って直接わたることを阻止することによって、外側弓状領域2676から内側弓状領域2674を磁気的に分離することができる。
いくつかの実施形態では、各二次磁石2626は、接地されて弓状構造に成形された磁性材料で作製することができ、例えば、磁化器を用いて、横断面内に径方向成分を有する磁気配向を作り出すことができる。同様に、各一次磁石2626は、接地されて弓状構造に成形された単一の磁性材料片で作製することができ、磁化器を弓状構造に適用して、中央領域における磁気配向の発生を消磁又は回避しながら、構造の内側弓状領域内で一方向に軸方向の磁気配向を誘導し、構造の外側弓状領域内で反対方向に軸方向の磁気配向を誘導することができる。いくつかの代替の実施形態では、各一次磁石2626は、内側弓状磁気領域2652及び外側弓状磁気領域2654を提供する磁性材料の2つ弓状片を有する複合構造でもよく、このような実施形態では、中央非磁化領域2656は、非磁性材料の弓状片から形成されてもよく、又は内側弓状磁気領域2652及び外側弓状磁気領域2654の側壁によって画定されるエアギャップとして形成されてもよい。一次磁石2626を形成するために使用され得る任意の製造技術を使用して、補助磁石2672を形成することができる。従って、各補助磁石2672は、接地されて弓状構造に成形された単一の磁性材料片で作製することができ、磁化器を弓状構造に適用して、中央領域における磁気配向の発生を消磁又は回避しながら、構造の内側弓状領域内で一方向に軸方向の磁気配向を誘導し、構造の外側弓状領域内で反対方向に軸方向の磁気配向を誘導することができる。いくつかの代替の実施形態では、各補助磁石2672は、内側弓状磁気領域2674及び外側弓状磁気領域2676を提供する磁性材料の2つ弓状片を有する複合構造でもよく、このような実施形態では、中央非磁化領域2678は、非磁性(又は消磁された)材料の弓状片から形成されてもよく、又は内側弓状磁気領域2674及び外側弓状磁気領域2676の側壁によって画定されるエアギャップとして形成されてもよい。いくつかの実施形態では、1つの製造技術を一次磁石2626に使用することができる一方で、異なる製造技術を補助磁石2672に使用することができることを理解されたい。例えば、各補助磁石2672はモノリシックであり得、各一次磁石2626は、複合構造である。様々な磁石の磁場が記載されるように整列する限り、デバイス間の整列を提供することができる。更に、図3A及び3Bを参照して上述したように、四極の一次又は補助弓状磁石の内側及び外側弓状磁気領域は、等しい磁場強度を有することができるが、必須ではなく、上記の非対称偏光を適用することができる。
図26Bに示すように、一次磁石2626の内側弓状磁気領域2652及び補助磁石2672の内側弓状磁気領域2674は、極性表示器2653及び2673によって示されるように、同じ磁気配向を有することができる。同様に、一次磁石2626の外側弓状磁気領域2654及び補助磁石2672の外側弓状磁気領域2676は、極性表示器2655及び2675によって示されるように、同じ磁気配向を有することができる。この構成により、一次磁石2626と補助磁石2672との間に磁気引力が生じ、これにより、それらの間の整列を容易にすることができる。二次磁石2628(インジケータ2617によって示される)の磁極性は、二次磁気整列構成要素2618が補助磁気整列構成要素2670と整列されるとき、二次磁石2628の南極が補助磁石2672の内側弓状磁気領域2674の北極に向かって(また、一次磁石2626の内側弓状磁気領域2652の北極に向かって)向けられ、二次磁石2628の北極が補助磁石2672の外側弓状磁気領域2676の南極に向かって(また、一次磁石2626の外側弓状磁気領域2654の南極に向かって)向けられるよう、配向され得る。
従って、内側弓状磁気領域2652、2674、二次磁石2628及び外側弓状磁気領域2676、2678のそれぞれの磁気配向は、一次磁石2626と補助磁石2672及び補助磁石2672と二次磁石2628との間に引力を与える磁場2640を生成することができ、それにより、一次整列構成要素2616、補助整列構成要素2670、及び二次整列構成要素2618が配置される(例えば、図24に示すように)、それぞれの電子デバイス間の整列が容易となる。一次磁石2626の遠位表面にあるシールド2614は、一次磁石2626の下の領域から磁場2640の一部を離すように再方向付けすることができる。更に、中央非磁化領域2656及び2678の周囲に形成された「閉ループ」磁場2640は、図25Bにおいて一次、補助、及び二次磁石2526、2572、2528の外側に磁場2540が漂遊する限り、一次、補助、及び二次磁石2626、2672、2628の外側に漂遊しない密かつコンパクトな力線を有することができる。従って、磁気的に高感度の構成要素は、漂遊磁場に対する懸念を下げて一次整列構成要素2616に比較的近接して配置することができる。従って、磁気整列システム2500と比較して、磁気整列システム2600は、一次整列構成要素2616が配置されるデバイスの全体的なサイズを低減するのに役立ち得、また、二次整列構成要素2618の内側に配置された誘導性受電コイルなどの隣接する構成要素内の磁場2640によって生じるノイズを低減するのに役立ち得る。
磁気整列システム2600は例示的であり、変形及び変更が可能であることが理解されるであろう。例えば、一次整列構成要素2616、補助整列構成要素2672、及び二次整列構成要素2618はそれぞれ、8個の弓状磁石で構成されているものとして示されるが、他の実施形態では、16個の磁石、36個の磁石、又は任意の他の数の磁石など、異なる数の磁石が使用されてもよく、一次磁石の数は二次磁石の数に等しくなくてもよい。同様に、補助磁石の数は、一次磁石の数又は二次磁石の数のいずれかと等しくある必要はない。他の実施形態では、二次整列構成要素2618は、単一のモノリシックな環状磁石で形成することができる。同様に、一次整列構成要素2616及び/又は補助整列構成要素2672は、上記のような適切な磁化パターンを有する磁性材料の単一のモノリシック環状片から形成することができ、又は一次整列構成要素2616及び/又は補助整列構成要素2672は、内側環状磁石と外側環状磁石との間に環状のエアギャップ又は非磁性材料の領域を有する、モノリシック内側環状磁石及びモノリシック外側環状磁石から形成することができる。しかしながら、複数の弓状磁石を使用する構造は、より小さい弓状磁石は単一のモノリシックな環状磁石よりも脆くなりにくく、製造中に磁性材料に加わる物理的応力に起因する損失が生じにくくなるため、製造を向上させることができる。様々な構成要素又は個々の磁石の磁気配向は、横方向及び軸方向と正確に整列する必要はないことも理解されたい。磁気配向は、一次及び二次整列構成要素を通る磁場の閉ループ経路を提供する任意の角度を有することができる。
3.4.閉ループ磁気整列システムの磁気配向
図4、5、7、8A~8C、9A~9B、又は10を参照して上述した磁気配向のいずれかは、補助整列構成要素を含むシステムにも適用され得る。補助磁石の磁気配向は、対応する一次磁石の磁気配向と一致するように作製することができる。
3.5.隙間を有する環状磁気整列構成要素
上述の例では、一次磁気整列構成要素、二次磁気整列構成要素、及び補助磁気整列構成要素は、環状の形状を有する。上述のように(例えば、図3Aを参照して)、環は完全に閉じられていてもよい。他の実施形態では、環は1つ以上の隙間を含むことができ、各隙間は、磁性材料(又は任意の材料)が存在しない環のセクションでもよい。隙間を有する例示的な磁気整列構成要素は、図11を参照して上述されており、補助整列構成要素も、例えば、補助磁気整列構成要素が存在するアクセサリデバイスのフォームファクタを収容するため、及び/又はアクセサリデバイス内に存在し得る電子回路構成要素を収容するよう、1つ以上の隙間を含み得る。更に、異なるデバイス内の互換性のある環状整列構成要素は、隙間の数、サイズ、及び/又は位置について異なり得る。
3.6.磁気整列構成要素を組み込んだアクセサリデバイス
図27は、いくつかの実施形態による補助磁気整列構成要素を組み込んだアクセサリデバイス2700の簡略化された背面図を示す。図示する実施例では、アクセサリデバイスは補助整列構成要素を組み込んでいるが、アクセサリデバイスが、代わりに、一次又は二次磁気整列構成要素を組み込むことができることを理解されたい。
アクセサリデバイス2700は、例えば、図12Aのスマートフォン1200などのポータブル電子デバイスのための保護又は美観ケースでもよい。従って、アクセサリデバイス2700は、スマートフォン1200と同じサイズ(又はわずかに大きい)の筐体2702を有することができる。いくつかの実施形態では、筐体2702は、スマートフォン1200の前面(ディスプレイ)表面を露出させたままにして、スマートフォン1200の側面及び裏面を覆うトレイとして成形することができる。筐体2702(又はその一部)は、プラスチック、ゴム、シリコーン、皮革、及び/又は他の材料で作製することができる。補助整列構成要素2770は、スマートフォン1200が好ましい向きでアクセサリデバイス2700に挿入されると、補助整列構成要素2770がスマートフォン1200の二次整列構成要素1218と同軸上に整列されるような位置で筐体2702内に配置され得る。
補助整列構成要素2770は、例えば、上述した補助整列構成要素のいずれかの実施であってもよく、隣接する磁石が互いに接するエアギャップ又は境界面であり得る境界面2780を有する磁石2772の環状配置を含むことができる。磁石2772は、上記のような四極構成を有することができ、例えば、各磁石2772は、第1の方向に軸方向の磁気配向を有する内側弓状領域と、第1の方向とは反対の第2の方向に軸方向の磁気配向を有する外側弓状領域と、別個の磁気配向を有さない中央弓状領域と、を含むことができる。図27には示されていないが、補助磁気整列構成要素2770は、隣接する磁石2772間に1つ以上の隙間を含むことができる。いくつかの実施形態では、隙間(単数又は複数)は、補助磁気整列構成要素2770の内側及び外側の領域間を接続するワイヤ(又は導電トレース)のための電気接続経路を提供することができ、いくつかの実施形態では、隙間(単数又は複数)は、筐体2702がより小さいフォームファクタを有するスマートフォンと共に使用するために、低減された横寸法を有することを可能にするように配置され得る。例えば、隙間のパターンは、図12Bのスマートフォン1200'の磁気整列構成要素1218'のパターンと一致し得る。
いくつかの実施形態では、例えば、アクセサリデバイス2700がスマートフォン1200に自身を識別することを可能にするために、アクセサリデバイス2700とスマートフォン1200との間の無線データ転送をサポートすることが望ましい場合がある。従って、いくつかの実施形態では、近距離通信(NFC)コイル2766は、磁気整列構成要素2766の内側の領域内に提供され得る。いくつかの実施形態では、NFCコイル2766は、(例えば、図12のスマートフォン1200内の)好適に構成されたNFCリーダによって読み取ることができるパッシブNFCタグに結合することができる。NFCコイル2766の例示的な実施形態は、以下のセクション5に記載される。
図示する実施例では、アクセサリデバイス2700は、機能が保護及び/又は美観であり得るパッシブデバイスである。従って、アクセサリデバイス2700を薄くし、滑らかな内表面及び外表面を提供することが望ましい場合がある。いくつかの実施形態では、磁石2772は、アクセサリデバイス2700が平滑な表面及び所望の薄さを有することができるように、薄い軸方向寸法を有することができる。アクセサリデバイス2700は、様々な形状及び特徴を有することができる。例えば、アクセサリデバイス2700は、スマートフォン1200の前面(ディスプレイ)表面を露出させたままにして、スマートフォン1200の側面及び裏面を覆うトレイとして成形することができる。あるいは、アクセサリデバイス2700は、スマートフォン1200の前面の上に折り畳まれ、ディスプレイへのアクセスを可能にするよう展開されたカバーを含むことができる。別の例として、アクセサリデバイス2700は、一端(例えば、上端部又は側方)に開口部を有するスリーブとして形成され得、使用されていない、かつ、使用のためにスリーブから取り外される場合に、スマートフォン1200をスリーブ内に挿入することを可能にしている。
図示する実施例では、アクセサリデバイス2700は、電力消費構成要素を含まないパッシブデバイスであってもよい。従って、環状整列構成要素2770の内側の領域2711は、周囲筐体2702と同じ材料で作製することができ、アクセサリデバイス2700に対して連続的な後面を提供する。あるいは、領域2711の一部又は全部が材料を含まなくてもよく、スマートフォン1200の裏面の対応する部分が露出されることを可能にする。いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス2700の筐体2702(又はその一部)は、スマートフォン1200の裏面(又はその一部)がアクセサリデバイス2700を通じて見ることができるように、透明材料で作製され得る。透明な磁性材料がない場合、個々の磁石が見えないように、不透明材料の環状領域を磁気整列構成要素2770の上に配置することができる。不透明材料は、所望の美的効果のために選択された色(又は複数の色)を有することができる。
いくつかの実施形態では、アクセサリ2700は、アクティブデバイスとすることができる。例えば、アクセサリ2700は、スマートフォン1200に電力を提供することができる外部バッテリを含むことができる。従って、中央領域2711は、図24のアクセサリ2420を参照して上述したように配置及び動作することができる1つ以上の無線充電コイルを含むことができる。
3.7.磁気整列を有する無線充電システム
図28Aは、いくつかの実施形態による、(図27の)アクセサリデバイス2700及び(図13の)無線充電器デバイス1300と整列された(図12Aの)ポータブル電子デバイス1200を含むシステム2800の簡略化された斜視図を示す。図28Aでは、無線充電器デバイス1300及びアクセサリデバイス2700の一部は、他の詳細を不明瞭にすることを回避するために破線を用いて示される。図示するように、アクセサリデバイス2700は、例えば、ポータブル電子デバイス1200をアクセサリデバイス2700に挿入することによってポータブル電子デバイス1200に隣接して配置することができ、無線充電器デバイス1300は、アクセサリデバイス2700の裏(又は近位)表面2803に対してその充電(又は近位)表面を当接させて配置することができる。デバイスがこの構成に配置されると、ポータブル電子デバイス1200内の二次整列構成要素1218は、アクセサリデバイス2700の補助整列構成要素2770と整列され、無線充電器デバイス1300の一次整列構成要素1316と整列される。従って、アクセサリデバイス2700内の補助整列構成要素2770及びポータブル電子デバイス120内の二次整列構成要素1218は、無線充電器デバイス1300の送電コイルアセンブリ1312がポータブル電子デバイス1200のコイルアセンブリ1210と整列するように、無線充電器デバイス1300の一次磁気整列構成要素1316を整列するように引き寄せ、保持することができる。図示するように、無線充電器デバイス1300は、一次磁気整列構成要素1316及び二次磁気整列構成要素1218の中心によって画成される軸について任意の回転配向を有することができ、例えば、二次磁気整列構成要素1218内の隙間1201は、一次磁気整列構成要素1316内の隙間1301と整列させる必要はない。
図28Bは、いくつかの実施形態によるシステム2800の簡略化された部分断面図を示す。ポータブル電子デバイス1200は、裏側筐体2802(電磁場及びDC磁場に対して透過性があるガラス又はプラスチックなどの材料よりなり得る)及び前側筐体2804(タッチスクリーンディスプレイを含み得る)を有する。コイルアセンブリ1210は、誘導性受電コイル2810(例えば、コイルに巻かれた撚り線から作製され得る)及びシールド2812(例えば、フェリ磁性シールドを含み得る)を含むことができる。二次磁石2828は、二次磁気整列構成要素1218の一部分を形成し、(矢印によって示されるように)径方向内方方向に配向された磁場を有することができる。図28Aには、二次整列構成要素1218が示されるが、裏側筐体2802が不透明で、二次整列構成要素1218がユーザには見えなくてもよいことを理解されたい。
無線充電器デバイス1300は、筐体1302の遠位表面及び側面を形成する単片エンクロージャ2806と、筐体1302の近位表面を形成する上部キャップ2808と、を含む筐体1302を有する。上述したように、エンクロージャ2806及び上部キャップ2808は、同じ材料又は異なる材料で作製され得、上部キャップ2808は、AC電磁場及びDC磁場に対して透過性の材料で作製され得る。送電コイルアセンブリ1312は、誘導性送電コイル2816(例えば、コイルに巻かれた撚り線から作製され得る)及び電磁シールド2814(例えば、フェリ磁性シールドを含み得る)を含むことができる。一次弓状磁石2826は、一次磁気整列構成要素1316の一部分を形成し、第1の軸方向に配向された磁場を有する内側弓状領域2852と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁場を有する外側弓状領域2854と、非磁化中央弓状領域2856とを含むことができる。上述したように、シールド2814は、一次磁石2826の遠位表面上に配置され得る。図28Aには、一次整列構成要素1316が示されるが、筐体1302が不透明で、一次整列構成要素1316がユーザには見えなくてもよいことを理解されたい。
アクセサリデバイス2700は、後層2805(後面2803を形成する)と、ポータブル電子デバイス1200の裏側筐体2802と表面2809で接触する前層2807とを含む、裏側筐体2702を有する。後層2805及び前層2807は、所望に応じて、同じ材料又は異なる材料で作製することができる。補助弓状磁石2872は補助整列構成要素2770の一部分を形成し、第1の軸方向に配向された磁場を有する内側弓状部2874と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁場を有する外側弓状部2876と、非磁化中央弓状部2878と、を含み得る。図28Aには、補助整列構成要素2770が示されるが、裏側筐体2702が不透明で、補助整列構成要素2770がユーザには見えなくてもよいことを理解されたい。
整列されると、一次磁石2826、補助磁石2872、及び二次磁石2828は、線2840によって示されるように閉ループ磁束を生成する。磁束2840は、一次環状整列構成要素1318、補助環状整列構成要素2770、及び二次環状整列構成要素1216のそれぞれの中心が共通軸に沿って整列されるように、一次環状整列構成要素1318、補助環状整列構成要素2770、及び二次環状整列構成要素1216を整列するよう引き寄せることができる。送電コイル2816は、一次整列構成要素1316と同心の位置に固定され、受電コイル2810は、二次整列構成要素1218と同心の位置に固定され、共通軸に沿って一次環状整列構成要素1318、補助環状整列構成要素2770、及び二次環状整列構成要素1216を整列させる結果として、送電コイル2816及び受電コイル2810も共通軸に沿って整列され、効率的な無線電力伝送が可能となる。例えば、送電コイル2816を交流で駆動して、受電コイル2816に時間変化電流を誘導する時間変化磁場を生成させる。電磁シールド(例えば、シールド2814及び2812)は、AC磁場をコイル2816及び2812のすぐ近傍に閉じ込めることができる。更に、アクセサリデバイス2700が1つ以上の無線充電コイルを含む実施形態では、かかる無線充電コイルはまた、コイル2816及び2810と共通の軸に沿って整列され得る。
いくつかの実施形態は、低DC磁束を経験し得、コイル2810の周りの電磁シールド2812による低AC電磁場も経験し得る、二次磁石2828とコイルアセンブリ1210との間の隙間領域2811を提供する。同様に、いくつかの実施形態は、低DC磁束を経験し得、送電コイル2816の周りの電磁シールド2818による低AC電磁場も経験し得る、一次磁石2826と送電コイルアセンブリ1312との間の隙間領域2813を提供する。いくつかの実施形態では、例えば、ポータブル電子デバイス1200による無線充電器デバイス1300の識別をサポートするために、NFCアンテナコイル(図示せず)が隙間領域2811及び/又は2813内に配置されてもよい。同様に、例えば、ポータブル電子デバイス1200によるアクセサリデバイス2700の識別をサポートするために、NFCアンテナコイル(図示せず)がアクセサリデバイス2700の後層2805と前層2807との間の対応する領域2815に配置されてもよい。隙間領域2811、2813、及び/又は2815内に配置され得るNFCアンテナコイルの例示的な実施形態は、以下のセクション5に記載される。
図28Bを参照して理解され得るように、二次整列構成要素1218の弓状磁石2828は、二次整列構成要素1218がポータブル電子デバイス1200の厚さの増加を必要としないように、薄い軸方向寸法を有し得る。例えば、各二次整列磁石2828の軸方向厚さは、受電コイルアセンブリ1210(コイル2810及びシールド2812を含む)の厚さ以下であり得る。一次整列磁石2826は、例えば、エンクロージャ2806と上部キャップ2808との間の軸方向空間の全てを占有する、より厚い軸方向寸法を有することができる。
同様に、補助整列構成要素2770の各弓状磁石2872は、アクセサリデバイス2700の全体的な厚さを小さく保つことができるように、薄い軸方向寸法を有することができる。後層2805及び前層2807は、平面層であってもよい。補助整列磁石2872によって占有されない層2805と2807との間の空間は、エアギャップであってもよく、又は空間の一部又は全部が材料で充填されてもよい。いくつかの実施形態では、表面2803及び2809は、補助整列磁石2872の存在に起因して平坦からの局所的偏差を表さない。いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス2700(又はその後側筐体要素)は、補助整列構成要素2770が内部に埋め込まれた状態で単一の材料片として形成され得る。補助整列磁石2872及び一次整列磁石2826は、同じ径方向幅を有することができ、いくつかの実施形態では、補助整列磁石2872及び一次整列磁石2826の径方向幅は、二次整列磁石2828の径方向幅よりもわずかに大きくてもよい。
補助整列構成要素2770は任意であり、補助整列構成要素を有さない充電スルーアクセサリは、ポータブル電子デバイス1200と無線充電器デバイス1300との間に配置されてもよいことを理解されたい。アクセサリの厚さ及び材料組成に応じて、一次環状整列構成要素1316及び二次環状整列構成要素1218は、コイル2816と2810との間に確実な整列を提供するために十分な引力を経験し得る。しかしながら、DC磁石の場合、引力は、磁石間の距離を増加させると急激に減少するため、整列はあまり強くない場合がある。従って、補助整列構成要素2770は、隣接する磁石間の距離を減少させ、従って整列に促す磁力を増加させる「リピータ」として使用することができる。
図29は、ポータブル電子デバイス2904(例えば、ポータブル電子デバイス1200又は本明細書に記載される任意の他のポータブル電子デバイス)と、無線充電器デバイス2902(例えば、無線充電器デバイス1300又は本明細書に記載される任意の他の無線充電器デバイス)と、いくつかの実施形態による磁気整列システム2908を介して一緒に整列させることができるアクセサリデバイス2906(例えば、アクセサリデバイス2800又は本明細書に記載される任意の他のアクセサリデバイス)と、を含む例示的な無線充電システム2900を例示するブロック図である。磁気整列システム2908は、無線充電器デバイス2902内の一次整列構成要素2916と、ポータブル電子デバイス2904内の二次整列構成要素2918と、アクセサリデバイス2906内の補助整列構成要素2970とを含むことができる。一次整列構成要素2916、二次整列構成要素2918、及び補助整列構成要素2970は、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って構築することができる。ポータブル電子デバイス2904は、メモリバンク2942に結合されたコンピューティングシステム2941を含むことができる。コンピューティングシステム2941は、ポータブル電子デバイス2904を動作させるための様々な機能を実行するためにメモリバンク2942に記憶された命令を実行するように構成された制御回路を含むことができる。制御回路は、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィック処理ユニット(GPU)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)などの1つ以上のプログラム可能な集積論理回路を含み得る。
コンピューティングシステム2941は、ポータブル電子デバイス2904が1つ以上の機能を実行することを可能にするよう、ユーザインタフェースシステム2943、通信システム2944、及びセンサシステム2945に結合され得る。例えば、ユーザインタフェースシステム2943は、ディスプレイ、スピーカ、マイクロフォン、触覚フィードバックを可能にするためのアクチュエータ、並びにボタン、スイッチ、及びディスプレイをタッチ感知式にすることを可能にするための容量性スクリーンなどの1つ以上の入力デバイスを含むことができる。通信システム2944は、ポータブル電子デバイス2904が電話をかけ、無線アクセサリと対話し、インターネットにアクセスすることを可能にするよう、無線電気通信構成要素、NFC構成要素、Bluetooth構成要素、及び/又はWiFi構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、通信システム2944は、1つ以上の整列されたデバイスを識別するために磁気整列システム2906と関連して使用されるNFCリーダ回路を含むことができ、その実施例は、以下のセクション5に記載する。センサシステム2945は、光センサ、加速度計、ジャイロスコープ、温度センサ、磁力計、及び/又は外部エンティティ及び/又は環境のパラメータを測定することができる任意の他の種類のセンサを含むことができる。
これら電気的構成要素の全ては、動作するために電源を必要とする。従って、ポータブル電子デバイス2904は、蓄えられたエネルギーを放電してポータブル電子デバイス2904の電気的構成要素に電力を供給するバッテリ2946も含む。電気的構成要素に電力を供給するために放電されたエネルギーを補充するために、ポータブル電子デバイス2904は、外部電源2922に結合された無線充電器デバイス2902から電力を受信することができる充電回路2947及び誘導コイル2910を含む。
無線充電器デバイス2902は、ポータブル電子デバイス2904のコイル2910に電流を誘導することができる時間変化磁束を生成するための送電コイル2912を含むことができる。誘導電流は、バッテリ2946を充電するために回路2947を充電することによって使用することができる。無線充電器デバイス2902は、通信システム2922及び無線充電回路2923に結合されたコンピューティングシステム2921を更に含むことができる。無線充電回路は、第1の組の電圧及び周波数特性(例えば、標準AC壁電力)を有する標準AC電力を、コイル2910を動作させるのに好適なAC電力に変換する回路構成要素を含むことができる。整流器(AC-DCコンバータ)、ブースト回路(DC-DC昇圧回路)、インバータ(DC-ACコンバータ)などを含む好適な回路構成要素は、技術分野において既知である。コンピューティングシステム2921は、無線充電回路2923を制御し、外部電源2922から受信した電力を使用してポータブル電子デバイス2904を充電するためにコイル2910に電流を誘導するよう時間変化磁束を生成する等、無線充電器デバイス2902の動作を制御するよう構成されている論理回路(例えば、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、FPGA等)を含み得る。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム2921は、無線充電のQi規格に準じる機能を実施することができる(Wireless Power Consortiumによって公表される)。
いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム2921及び無線充電回路2923を実装する構成要素は、コイル2912及び一次整列構成要素2916を保持する筐体内に(例えば、図13及び14A~14Bのパック形状の筐体1302内に)配置することができる。他の実施形態では、コンピューティングシステム2921及び無線充電回路2923を実装する構成要素の一部又は全ては、例えば、図13及び14Aのケーブル1304の遠位端等、他の場所に配置することができる。例えば、コンピューティングシステム2921を実装する論理回路は、筐体1302内に配置することができ、一方で、無線充電回路2932は、ケーブル1304の遠位端におけるプラグコネクタのブーツ内に配置される。(この場合、ケーブル1304は、無線充電器デバイス1300にAC電力を供給することができる。)別の実施例として、コンピューティングシステム2921を実装する論理回路及び無線充電回路2923の一部を実装する回路構成要素は筐体1302内に配置することができ、一方、無線充電回路2923の他の部分を実装する回路構成要素は、ケーブル1304の遠位端におけるプラグコネクタのブーツ内に配置される。例えば、インバータは筐体1302内に配置されてもよく、一方で、整流器及びブースト回路はブーツ内に配置される。(この場合、ケーブル1304は、無線充電器デバイス1300にDC電力を供給することができる。)
上述のように、アクセサリデバイス2906は、ポータブル電子デバイス1002用の保護ケースなどのパッシブアクセサリであってもよく、補助整列構成要素2970以外のどの構成要素も含む必要はない。いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス2906は、アクティブデバイスとすることができる。例えば、アクセサリデバイス2906は、メモリバンク2962及び通信システム2963に結合されたコンピューティングシステム2961を含むことができる。コンピューティングシステム2961は、通信システム2963を用いて1つ以上の機能を実施するために、メモリバンク2962に記憶された命令を実行することができる。いくつかの実施形態では、コンピューティングシステム2961は、ポータブル電子デバイス2904のユーザインタフェーステーマに関するデータを、メモリバンク2962からポータブル電子デバイス2904に通信システム2963を介して送信するよう構成され得、ポータブル電子デバイス2904は、このデータを使用して、そのユーザインタフェースを変更することができる。一例として、アクセサリデバイス2906は、その上に自動車の写真を有する保護ケースであってもよく、メモリバンク2962は、自動車関連のアイコン、アニメーション、及び/又はサウンドを有する自動車テーマを含むようにユーザインタフェースを構成するために記憶された情報を有する。従って、アクセサリデバイス2906がポータブル電子デバイス2902上に設置された場合、コンピューティングシステム2941は、アクセサリデバイス2906から自動車テーマのユーザインタフェースを受信することができ、受信された自動車テーマのデータに従ってユーザインタフェースシステム2943を変更することができる(例えば、何が表示されるか、どの音がイベントをシグナリングするために再生されるかなど)。いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス2906はまた、ポータブル電子デバイス2904と無線充電器デバイス2902との間の無線充電を支援することができる無線充電構成要素2964を含むことができる。例えば、無線充電構成要素2964は、アクセサリデバイス2906を通る磁束の誘導を助けることができる磁性材料のブロックを含むことができる。又は、無線充電構成要素2964は、一対のインダクタコイルを含むことができ、無線充電器デバイス2902に近接して配置された一方のインダクタコイルは磁束を受信することができ、磁束は、ポータブル電子デバイス2904に近接して配置された他方のインダクタコイルに中継されることができ、それにより、受信した磁束はポータブル電子デバイス2904に再び送信され得る。いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス2906は、後でポータブル電子デバイス2904に送達するために、最初に無線充電器デバイス2902から受信した電力を蓄積するためのバッテリ(図示せず)を含むことができる。
システム2900は特定のブロックを参照して説明されるが、これらのブロックは説明の便宜上定義されたものであって、構成部品の特定の物理的配置を意味することを意図していないことは理解されるであろう。更に、これらのブロックは、物理的に別個の構成要素に対応する必要はなく、複数のブロックの態様を実施するために同じ物理的構成要素が使用されてもよい。ブロックは、例えば、プロセッサをプログラムすることによって、あるいは適切な制御回路を設けることによって様々な動作を行うように構成することができ、最初の構成がどのように得られるかによって、様々なブロックを再構成できることもあれば、できないこともある。本発明の実施形態は、無線充電動作及び/又はデバイス間の物理的整列が所望される他の動作を可能にするために、回路及びソフトウェアの任意の組み合わせを使用する電子デバイスを含む様々な装置において実現することができる。
4.移動可能な磁気整列構成要素を有するシステム
上述した実施形態では、磁気整列構成要素(環状磁気整列構成要素を含み、適用可能な場合、回転磁気整列構成要素を含む)が、デバイス筐体(又はエンクロージャ)に対して定位置に固定され、軸方向又は横方向に移動しないと仮定される(必須ではない)。これにより、固定された磁束が提供される。いくつかの実施形態では、磁気整列構成要素のうちの1つ以上が軸方向に移動することが望ましい場合がある。例えば、本発明の様々な実施形態では、これらの磁気構造体によって提供される磁束を制限することが望ましい場合がある。磁束を制限することは、ユーザがこれらの磁気構造体のうちの1つを組み込んだ電子デバイスと携帯している可能性がある様々な料金決済カードの消磁を防止するのに役立ち得る。しかし、状況によっては、電子デバイスとアクセサリ又は第2の電子デバイスとの間の磁気引力を増大させるために、この磁束を増加させることが望ましい場合がある。また、磁気整列構成要素のうちの1つ以上が横方向に移動することが望ましい場合がある。例えば、電子デバイス及び取り付け構造体又は無線デバイスは、横方向に互いからオフセットされてもよい。磁気整列構成要素が横方向に移動する能力は、特にコイルが磁気整列構成要素と共に移動する場合に、このオフセットを補償し、デバイス間の結合を改善することができる。従って、本発明の実施形態は、これらの磁気構造体内の磁石の一部又は全てが位置を変えるか、又は他の方法で移動され得る構造を提供することができる。可動磁石を有する磁気構造体の例を、以下の図に示す。
図30A~30Cは、本発明の一実施形態による可動磁石の例を示す。この実施例では、第1の電子デバイス3000は、磁石3010(例えば、本明細書に記載される環状又は回転磁気整列構成要素のうちのいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図30Aでは、可動磁石3010は第1の電子デバイス3000内に収容され得る。第1の電子デバイス3000は、デバイスエンクロージャ3030、磁石3010、及びシールド3020を含むことができる。磁石3010は、非可動シールド3020に隣接する第1の位置(図示せず)にあってもよい。この位置では、磁石3010はデバイスエンクロージャ3030から分離され得る。結果として、デバイスエンクロージャ3030の表面における磁束3012は比較的低くなり得、それによって、磁気デバイス、及び決済カード上に記憶された情報などの磁気的に記憶された情報を保護する。第1の電子デバイス3000内の磁石3010が第2の電子デバイス(図示せず)内の第2の磁石(図示せず)に引き付けられると、磁石3010は移動することができ、例えば、図示されるように、シールド3020から離れてデバイスエンクロージャ3030と隣接するよう移動することができる。この位置に磁石3010があると、デバイスエンクロージャ3030の表面における磁束3012は、比較的高くなり得る。磁束3012のこの増加により、第2の電子デバイスを第1の電子デバイス3000に引き付けることが促進される。
この構成により、磁石3010がシールド3020から分離するのに大量の磁気引力が必要となり得る。従って、本発明のこれらの及び他の実施形態は、シールド部分及び戻り板部分に分割されるシールドを含むことができる。例えば、図30Bでは、線3060は、シールド3040及び戻り板3050へのシールド3020の分割を示すために使用され得る。
図30Cでは、可動磁石3010を第1の電子デバイス3000内に収容され得る。第1の電子デバイス3000は、デバイスエンクロージャ3030、磁石3010、シールド3040、及び戻り板3050を含むことができる。磁気引力がない場合、磁石3010は、シールド3040が戻り板3050に隣接し得るように、第1の位置(図示せず)に置かれ得る。ここでも、この構成では、デバイスエンクロージャ3030の表面における磁束3012は、比較的低くなり得る。磁石3010及び第1の電子デバイスは、第2の電子デバイス(図示せず)内の第2の磁石(図示せず)に引き付けられるため、磁石3010は移動することができ、例えば、図示されるように、戻り板3050から離れてデバイスエンクロージャ3030と隣接するよう移動することができる。この構成では、シールド3040は、戻り板3050から分離され得、デバイスエンクロージャ3030の表面における磁束3012が増加され得る。前述のように、磁束3012のこの増加により、第2の電子デバイスを第1の電子デバイス3000に引き付けることが促進される。
本発明のこれらの及び他の実施形態では、可動磁石を案内するために、様々な筐体及び構造を使用することができる。更に、これらの可動磁石と共に、様々な表面を使用することができる。これらの表面は剛性であり得る。あるいは、これらの表面は、コンプライアントで、少なくともいくらか可撓性がある。次の図に実施例を示す。
図31A及び図31Bは、本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す。この実施例では、第1の電子デバイス3100は、第1の磁石3110(例えば、本明細書に記載される環状又は回転磁気整列構成要素のうちのいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図31Aは、第1の電子デバイス3100内の可動第1の磁石3110を示す。第1の電子デバイス3100は、第1の磁石3110、保護表面3112、筐体3120及び3122、コンプライアント構造体3124、シールド3140、及び戻り板3150を含み得る。この図では、第1の磁石3110は第2の磁石(図示せず)に吸引されず、従ってシールド3140は、戻り板3150に磁気吸引されるか、取り付けられる。この位置では、コンプライアント構造体3124は、拡張又は弛緩され得る。コンプライアント構造体3124は、エラストマー、シリコンゴムオープンセルフォーム、シリコンゴム、ポリウレタンフォーム、又は他のフォーム若しくは他の圧縮性材料で形成することができる。
図31Bでは、第2の電子デバイス3160は、第1の電子デバイス3100に近接させられている。第2の磁石3170は、第1の磁石3110を引き付けることができ、それによってシールド3140及び戻り板3150を分離させることができる。筐体3120及び3122は、コンプライアント構造体3124を圧縮することができ、それにより、第1の電子デバイス3100の保護表面3112は第2の電子デバイス3160の筐体3180に向かって又はそれに隣接するよう移動することが可能になる。第2の磁石3170は、筐体3190又は他の構造によって第2の電子デバイス3160内の決まった場所で保持することができる。第2の電子デバイス3160が第1の電子デバイス3100から取り外されると、第1の磁石3110及びシールド3140は、図31Aに示すように、戻り板3150に磁気吸引され得る。
図32A及び図32Bは、本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す。この実施例では、第1の電子デバイス3200は、第1の磁石3210(例えば、本明細書に記載される環状又は回転磁気整列構成要素のうちのいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図32Aは、第1の電子デバイス3200内の可動第1の磁石3210を示す。第1の電子デバイス3200は、第1の磁石3210、柔軟な表面3212、筐体部分3220及び3222、シールド3240、及び戻り板3250を含むことができる。この図では、第1の磁石3210は第2の磁石に吸引されず、従ってシールド3240は、戻り板3250に磁気的に取り付けられるか、又は吸引される。この位置では、柔軟な表面3212を弛緩させることができる。柔軟な表面3212は、エラストマー、シリコンゴムの連続気泡フォーム、シリコンゴム、ポリウレタンフォーム、又は他のフォーム若しくは他の圧縮性材料で形成することができる。
図32Bでは、第2の電子デバイス3260は、第1の電子デバイス3200に近接させられている。第2の磁石3270は、第1の磁石3210を引き付けることができ、それによってシールド3240及び戻り板3250を互いから分離させることができる。第1の磁石3210は、柔軟な表面3212を第2の電子デバイス3260に向かって引き伸ばすことができ、それにより、第1の電子デバイス3200の第1の磁石3210が第2の電子デバイス3260の筐体3280に向かって移動することが可能になる。第2の磁石3270は、筐体3290又は他の構造によって第2の電子デバイス3260内の決まった場所で保持することができる。第2の電子デバイス3260が第1の電子デバイス3200から取り外されると、第1の磁石3210及びシールド3240は、図32Aに示すように、戻り板3250に磁気吸引され得る。
図33~35は、本発明の一実施形態による可動磁気構造を示す。この実施例では、第1の電子デバイス3300は、第1の磁石3310(例えば、本明細書に記載される環状又は回転磁気整列構成要素のうちのいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図33では、第1の磁石3310及びシールド3340は、第1の電子デバイス3300における戻り板3350に磁気吸引又は取り付けられることができる。第1の電子デバイス3300は、デバイスエンクロージャ3320内に少なくとも部分的に収容され得る。図34では、第2の電子デバイス3360の筐体3380は、方向3385に、第1の電子デバイス3300のデバイスエンクロージャ3320の表面にわたって横方向に移動することができる。第2の電子デバイス3360内の第2の磁石3370は、第1の電子デバイス3300内の第1の磁石3310を引き付け始めることができる。この磁気引力3315は、シールド3340と戻り板3350との間の磁気吸引3345を克服することによって、第1の磁石3310及びシールド3340を戻り板3350から引き離すことができる。図35では、第2の電子デバイス3360内の第2の磁石3370は、第1の電子デバイス3300内の第1の磁石3310と整列している。第1の磁石3310及びシールド3340は、戻り板3350から引き離され、それによって磁気引力3345が低減される。第1の磁石3310は、デバイスエンクロージャ3320の近くに又は隣接するよう移動し、それにより、第2の電子デバイス3360内の第2の磁石3370への磁気引力3315が増加される。
図33~35に示されるように、第1の電子デバイス3300内の第1の磁石3310と第2の電子デバイス3360内の第2の磁石3370との間の磁気引力は、第1の磁石3310及びシールド3340が戻り板3350から引き離されるときに増加し得る。このことを以下の図に図表を用いて示す。
図36は、第1の電子デバイス内の第1の磁石と第2の電子デバイス内の第2の磁石との間の垂直抗力をそれらの横方向のオフセットの関数として示す。図33~36に示されるように、第1の磁石3310と第2の磁石3570との間のオフセットが大きいと、第1の磁石3310及びシールド3340は、第1の電子デバイス3300内の戻り板3350に取り付けられたままでもよく、磁気引力3315は最小となり得る。この磁気引力を克服するために必要なせん断力は、ここでは曲線3610として示される。図34に示すように、第1の磁石3310と第2の磁石3370との間のオフセット又は横方向距離が減少するにつれて、第1の磁石3310及びシールド3340は、戻り板3350から引き離されるか又は分離され得、それにより、第1の磁石3310と第2の磁石3370との間の磁気引力3315が増加する。これは、ここでは不連続3620として示される。図35に示すように、第1の磁石3310及び第2の磁石3370が整列すると、磁気引力3315は曲線3630に沿って最大3640まで増加する。曲線3610と曲線3630との間の差は、第1の磁石3310が軸方向に移動することができる結果として生ずる、第2の電子デバイス3360のような電話又は他の電子デバイスと、第1の電子デバイス3300のような取り付け可能な無線充電デバイス又は他のアクセサリデバイスとの間の磁気引力の増加を示すことができる。本実施例では、第1の磁石3310は横方向に移動しないが、他の実施例では、そのような移動が可能であることにも留意されたい。第1の磁石3310が横方向に移動することが可能である場合、曲線3630は、ゼロのオフセットから第1の磁石3310の可能な横方向の移動の範囲によって克服され得るオフセットまで平坦なピークを有することができる。
図37は、第1の電子デバイス内の第1の磁石と第2の電子デバイス内の第2の磁石との間のせん断力をそれらの横方向のオフセットの関数として示す。第1の磁石3310と第2の磁石3360との間にオフセットがないと、図33に示すように、第2の磁石3370を第1の磁石3310に対して移動させるせん断力はない。オフセットが増加するにつれて、磁石を再整列させることを試みる力であるせん断力は、曲線3740に沿って増加することができる。不連続3710において、第1の磁石3310及びシールド3340は、(図33~42に示されるように)戻り板3350に戻ることができ、それにより、点3720に磁気せん断力が減少される。磁気せん断力は、オフセットが増加するにつれて、曲線3730に沿って降下し続けることができる。曲線3730と曲線3740との間の差は、第1の磁石3310が軸方向に移動することができる結果として生ずる、第2の電子デバイス3360のような電話又は他の電子デバイスと、第1の電子デバイス3300のような取り付け可能な無線充電デバイス又は他のアクセサリデバイスとの間の磁気引力の増加を示すことができる。本実施例では、第1の磁石3310は横方向に移動しないが、他の実施例では、そのような移動が可能であることにも留意されたい。第1の磁石3310が横方向に移動可能である場合、曲線3730は、第2の磁石3370の横方向の移動が第1の磁石3310の可能な横方向の移動の範囲を克服するまで、ゼロにとどまることができる。
本発明のこれらの及び他の実施形態では、このせん断力を更に増加させることが望ましい場合がある。従って、本発明の実施形態は、このせん断力を増加させるために、様々な高摩擦又は高スティクション表面、吸引カップ、ピン、又は他の構造を提供することができる。次の図に実施例を示す。
図38A及び38Bは、本発明の一実施形態に係る、高摩擦又は高スティクション表面を備える可動磁石を示す。この実施例では、第1の電子デバイス3800は、第1の磁石3810(例えば、本明細書に記載される環状磁気整列構成要素のいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図38Aでは、第1の磁石3810及びシールド3840は、第1の電子デバイス3800における戻り板3850に磁気吸引又は取り付けられることができる。第1の電子デバイス3800は、デバイスエンクロージャ3820内に収容され得る。デバイスエンクロージャ3820の表面の一部又は全ては、コーティング、層、又は他の構造体3822を有することができる。構造体3822は、高摩擦又は高スティクション表面を提供することができる。図38Bでは、第1の磁石3810及びシールド3840は、第2の電子デバイス(図示せず)内の第2の磁石(図示せず)に引き付けることができる。前述のように、戻り板3850からの第1の磁石3810及びシールド3840の分離は、第2の電子デバイスを第1の電子デバイス3800に対して決まった場所で保持するために、増加した量の磁束を提供することができる。構造体3822は、第1の電子デバイス3800と第2の電子デバイスとの間の摩擦又はスティクションを、横方向又はせん断方向に増加させることができる。
図39A及び39Bは、本発明の一実施形態による、高摩擦又は高スティクション表面を備える可動磁石を示す。この実施例では、第1の電子デバイス3900は、第1の磁石3910(例えば、本明細書に記載される環状又は回転磁気整列構成要素のうちのいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図39Aでは、第1の磁石3910及びシールド3940は、第1の電子デバイス3900における戻り板3950に磁気吸引又は取り付けられることができる。第1の電子デバイス3900は、デバイスエンクロージャ3920内に収容され得る。デバイスエンクロージャ3920の表面の一部又は全部は、本例では第1の磁石3910の上に、コーティング、層、又は他の構造体3922を有し得る。構造体3922は、高摩擦又は高スティクション表面を提供することができる。図39Bでは、第1の磁石3910及びシールド3940は、第2の電子デバイス(図示せず)内の第2の磁石(図示せず)に引き付けることができる。これにより、第1の磁石3910及びシールド3940が戻り板3850から分離され、それによって、柔軟でもコンプライアントでもよい構造体3922が変形される。前述のように、第1の磁石3910は、第2の電子デバイスを第1の電子デバイス3900に対して決まった場所で保持するために、増加した量の磁束を提供することができる。構造体3922は、第1の電子デバイス3900と第2の電子デバイスとの間の摩擦又はスティクションを、横方向又はせん断方向に増加させることができる。
図40A及び40Bは、本発明の一実施形態による、高摩擦表面を備える可動磁石を示す。この実施例では、第1の電子デバイス4000は、第1の磁石4010(例えば、本明細書に記載される一次環状磁気整列構成要素のいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図40Aでは、第1の磁石4010及びシールド4040は、第1の電子デバイス4000における戻り板4050に磁気吸引又は取り付けられることができる。第1の電子デバイス4000は、デバイスエンクロージャ4020内に収容され得る。デバイスエンクロージャ4020の表面の一部又は全部は、本例では第1の電子デバイス4000の上表面の上に、コーティング、層、又は他の構造体4022を有し得る。構造体4022は、高摩擦又は高スティクション表面を提供することができる。図40Bでは、第1の磁石4010及びシールド4040は、第2の電子デバイス(図示せず)内の第2の磁石(図示せず)に引き付けることができる。第1の磁石4010及びシールド4040を戻し板4050から分離することにより、構造体4022によって形成された上面を上方に押すことができ、高摩擦表面で第2の電子デバイスと係合することができる。前述のように、第1の磁石4010は、第2の電子デバイスを第1の電子デバイス4000に対して決まった場所で保持するために、増加した量の磁束を提供することができる。構造体4022は、第1の電子デバイス4000と第2の電子デバイスとの間の摩擦又はスティクションを、横方向又はせん断方向に増加させることができる。
図41A及び41Bは、本発明の一実施形態による、高摩擦又は高スティクション表面を備える別の可動磁石を示す。この実施例では、第1の電子デバイス4100は、第1の磁石4110(例えば、本明細書に記載される環状磁気整列構成要素のいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図41Aでは、第1の磁石4110及び第1のシールド4150は、第1の電子デバイス4100のデバイスエンクロージャ4120内の決まった場所に固定することができる。デバイスエンクロージャ4120の表面の一部又は全ては、コーティング、層、又は他の構造体4122を有することができる。構造体4122は、高摩擦又は高スティクション表面を提供することができる。第1の電子デバイス4100は、摺動機構4190に取り付けることができる可動第2の磁石4191及び第2のシールド4192を更に含むことができる。図41Bでは、第2の電子デバイス(図示せず)が第1の電子デバイス4100と接触することにより、摺動機構4190が押下され、第2の磁石4191を第2のシールド4192及びデバイスエンクロージャ4120の上面から離れるように移動させる。第2の磁石4191の極性は、第1の磁石4110の極性と反対に、又は反対にすることができ、摺動機構4190が押下されると、デバイスエンクロージャ4120の上面における正味磁束が増加する。構造体4122は、第1の電子デバイス4100と第2の電子デバイスとの間の摩擦又はスティクションを、横方向又はせん断方向に増加させることができる。
図43は、図42の可動磁石構造の部分透視図を示す。第1の電子デバイス4200は、デバイスエンクロージャ4220内に収容され得る。前述のように、第1の電子デバイス4200は、誘導性充電、近距離通信補完、又は構成要素4278のための他の電子回路を含むことができる。戻り板4250(図42に示す)をビーム4270に取り付けることができる。
図44は、図42の電子デバイスの別の切断側面図を示す。第1の電子デバイス4200は、デバイスエンクロージャ4220内に収容され得る。前述のように、第1の電子デバイス4200は、誘導性充電、近距離通信構成要素、又は構成要素4278のための他の電子回路を含むことができる。戻り板4250はビーム4270に取り付けることができる。第1の磁石4210及びシールド4240は、戻り板4250に引き付けられるか、又は取り付けられ得る。高摩擦又は高スティクション構造体4222は、第1の電子デバイス4200の上面の一部又は全部を覆うことができる。ビーム4270は、戻り板4250に取り付けることができ、点4274で固定することができ、デバイスエンクロージャ4220の上面の上方に先端部4272が延在することができる。
図45及び46は、第2の電子デバイスと係合するときの図42の電子デバイスを示す。図45では、第2の電子デバイス4280は、第2の磁石4290を含むことができる。第2の電子デバイス4280は、第1の電子デバイス4200と係合することができる。第1の電子デバイス4200は、第1の磁石4210、シールド4240、及び戻り板4250を含むことができる。戻り板4250はビーム4270に取り付けることができる。ビーム4270は、デバイスエンクロージャ4220の上面の上方に延在することができる先端部4272を含み得る。先端部4272は、第2の電子デバイス4280が第1の電子デバイス4200と整列されるか、又はほぼ整列されるまで、第2の電子デバイス4280が第1の電子デバイス4200の高摩擦又は高スティクション構造体4222と係合することを防止することができる。ビーム4270は、点4274においてデバイスエンクロージャ4220に取り付けられ得る。第1の電子デバイス4200は、構成要素4278を含むことができる。
図46では、第2の電子デバイス4280は、第1の電子デバイス4200と整列され得る。これが起こると、第1の磁石4210及びシールド4240を戻り板4250から取り外すことができる。これにより、第2の電子デバイス4280内の第2の磁石4290と第1の磁石4210と第1の電子デバイス4200との間の磁束を増加させることができる。先端部4272は、この磁気引力の増加に起因してデバイスエンクロージャ4220内に押下され、それによって、シールド4240から戻り板4250を更に押し離すことができる。高摩擦又は高スティクション構造体4222は、第2の電子デバイス4280と係合して、第1の電子デバイス4200から第2の電子デバイス4280を取り外すのに必要なせん断力を増大させることができる。
本発明のこれらの及び他の実施形態では、電子デバイス内の磁石の移動を制約するために、様々な構造を使用することができる。次の図に実施例を示す。
図47A及び図47Bは、本発明の一実施形態による電子デバイス内の磁石の動きを制約するための構造を示す。この実施例では、第1の電子デバイス4700は、第1の磁石4710(例えば、本明細書に記載される環状磁気整列構成要素のいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図47Aにおいて、磁石4710、シールド4740、及び構造体4770は、電子デバイス4700内のデバイスエンクロージャ4720によって収容され得る。構造4770は、タブ4724に嵌合することができるノッチ4772を含むことができる。図47Bでは、磁石4710は、シールド4740及び構造体4770と共に移動している。ノッチ4772は、シールド4740が戻り板4750から取り外される際にタブ4724を受け入れる。これにより、電子デバイス4700内の磁石4710の動きが制約され得る。電子デバイス4700は、上部デバイスエンクロージャ部分4722を含むことができる。タブ4724は、上部デバイスエンクロージャ部分4722の一部として、又は、それとは別個に形成されてもよい。
図48A及び図48Bは、本発明の一実施形態による電子デバイス内の磁石の動きを制約するための構造を示す。この実施例では、第1の電子デバイス4800は、第1の磁石4810(例えば、本明細書に記載される環状磁気整列構成要素のいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図48Aでは、磁石4810、シールド4840、及び戻り板4850は、電子デバイス4800のデバイスエンクロージャ4820内に収容され得る。上部デバイスエンクロージャ部分4822は、ガイド4824を含み得る。ガイド4824は、電子デバイス4800内の磁石4810の動きを制約することができる。図48Bでは、磁石4810及びシールド4840は、戻り板4850から取り外され、ガイド4824によって定位置に誘導される。ガイド4824は、1つ以上の面取り縁部4825を含むことができる。ここでも、ガイド4824は、電子デバイス4800の上部デバイスエンクロージャ部分4822と共に、又はそれとは別個に形成することができる。
図49A及び図49Bは、本発明の一実施形態による電子デバイス内の磁石の動きを制約するための構造を示す。この実施例では、第1の電子デバイス4900は、第1の磁石3010(例えば、本明細書に記載される環状磁気整列構成要素のいずれかであり得る)を有する無線充電器デバイス又は他のデバイスとすることができる。図49Aでは、磁石4910、シールド4940、及び戻り板4950は、電子デバイス4900のデバイスエンクロージャ4920内に収容され得る。磁石4910及びシールド4940は、構造体4970によって支持され得る。構造体4970は、アクチュエータ4972を介してアンカー4974に取り付けることができる。アクチュエータ4972は、各端部にヒンジ4973及び4975を有して、構造体4970がアンカー4974に対して移動することを可能にする。アンカー4974は、上部デバイスエンクロージャ部分4922又はデバイスエンクロージャ4920のいずれかの部分に取り付けられるか、又はそのいずれかの部分として形成されてもよい。図49Bでは、磁石4910及びシールド4940が、戻り板4950から取り外される。アクチュエータ4972は、位置を変えているが、構造体4970をアンカー4974に接続し続けている。アンカー4974は、上部デバイスエンクロージャ部分4922又はデバイスエンクロージャ4920のいずれかの部分に取り付けられるか、又はそのいずれかの部分として形成されてもよい。
5.磁気整列システム内のNFC回路
様々な用途のために、磁気整列構成要素を有するデバイスが、整列される他のデバイスを識別することを可能にすることが望ましい場合がある。デバイス間の通信プロトコルを定義する無線充電規格をデバイスがサポートするいくつかの実施形態では、デバイスは、そのプロトコルを通信するために使用することができる。例えば、無線電力伝送のQi規格は、誘導コイルの変調方式を介して、受電デバイス(すなわち、無線で伝送される電力を受信するための誘導コイルを有するデバイス)が送電デバイス(すなわち、別のデバイスに無線で電力を伝送するための時間変化磁場を性絵師する誘導コイルを有するデバイス)に情報を通信することを可能にする通信プロトコルを定義する。Qi通信プロトコル又は同様のプロトコルは、デバイス識別若しくは充電状態などの情報、又は受電デバイスから送電デバイスへの電力伝送を増減するリクエストを通信するために使用され得る。
いくつかの実施形態では、近接無線通信(NFC)サブシステムなどの別個の通信サブシステムは、1つのデバイス内に位置するタグ回路から別のデバイス内に位置するリーダ回路へのデバイス識別を含む追加通信を可能にするために提供され得る。(本明細書で使用するとき、「NFC」は、互いに近接しているアンテナ構造体、例えば、ワイヤのコイル間でデータを通信するために、近距離電磁放射線を用いる既知の標準プロトコルを含む様々なプロトコルを包含する。)例えば、環状磁気整列構成要素を有する各デバイスは、環状磁気整列構成要素の内側に配置されており、環状磁気整列構成要素と同心に配置され得るNFCコイルを有することができる。デバイスが誘導性充電コイル(送電コイル又は受電コイルとすることができる)も有する場合、NFCコイルは、誘導性充電コイルと環状磁気整列構成要素との間の環状隙間内に配置することができる。いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイスのそれぞれの磁気整列構成要素とアクセサリデバイスとが整列された場合にポータブル電子デバイスがアクセサリデバイスを識別することを可能にするために、NFCプロトコルを使用することができる。例えば、ポータブル電子デバイスのNFCコイルはNFCリーダ回路に結合され得、アクセサリデバイスのNFCコイルはNFCタグ回路に結合され得る。デバイスを近接させると、ポータブル電子デバイスのNFCリーダ回路は起動されてアクセサリデバイスのNFCタグが読み取られる。このようにして、ポータブル電子デバイスは、アクセサリデバイスから情報(例えば、デバイス識別)を取得することができる。
いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイス内のNFCリーダは、相補的な磁気整列構成要素を有するアクセサリデバイスが整列されたときに予想される変化に対応する、ポータブル電子デバイス内のDC(又は静的)磁場の変化を検出することによって、トリガされ得る。予想される変化が検出されると、他のデバイスが存在すると仮定して、NFCリーダを起動して、他のデバイス内のNFCタグを読み取ることができる。
ここで、NFC回路及び磁気整列構成要素を組み込んだデバイスの例を説明する。
5.1.NFCリーダ回路を有するポータブル電子デバイス
図50は、いくつかの実施形態による、ポータブル電子デバイス5004の簡略化された背面図を示す。本実施例では、ポータブル電子デバイス5004はスマートフォンであるが、異なるフォームファクタを有する他のデバイスを置換することができる。ポータブル電子デバイス5004は、無線受電コイルアセンブリ5012を含み得る。無線受電コイルアセンブリ5012は、別のデバイスからの誘導電力伝送のための無線受電コイル、並びに無線受電コイルの一部又は全ての表面の周りに配置されたAC磁気及び/又は電気シールドを含むことができる。二次環状磁気整列構成要素5018は、無線受電コイルアセンブリ5012の周りに配置することができる。二次環状磁気整列構成要素5018は、図示するように環状構成で配置された多数の弓状磁石5028を含み得る。各弓状磁石5028は、径方向成分、例えば、径方向内方又は径方向外方の磁気配向を有することができる。(ポータブル電子デバイス5004に含まれ得る二次環状磁気整列構成要素の実施例は、セクション1及び3に記載される。)いくつかの実施形態では、二次環状磁気整列構成要素5018は、(例えば、図11を参照して上述したように)隙間5001を含むことができ、これは、ポータブル電子デバイス5004の厚さを追加することなく、無線受電コイルアセンブリ5012への電気接続のための空間を提供することができる。いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイス5004は、セクション2で上述したように実装することができる回転整列構成要素5024も含むことができる。ポータブル電子デバイス5004は、無線受電コイルアセンブリ5012及び二次環状磁気整列構成要素5018などの構成要素がユーザに見えないように、不透明な裏側筐体(図50には図示せず)を有し得ることも理解されたい。
いくつかの実施形態によれば、NFCコイル5060は、二次環状磁気整列構成要素5018と無線受電コイルアセンブリ5012との間の環状隙間領域内に配置することができる。NFCコイル5060は、例えば、NFCリーダ回路(図示せず)に接続された端子5062a、5062bを有する二本鎖ワイヤ(例えば、銅又は他の導電性材料で作製することができる)の単一のターンであってもよい。一般的に従来の設計であり得るNFCリーダ回路は、二次環状磁気整列構成要素5018から離れてポータブル電子デバイス5004のメインロジックボード上に配置され得る。いくつかの実施形態では、二次環状磁気整列構成要素5018と無線受電コイルアセンブリ5012との間の環状隙間領域内にNFCコイル5060を配置することにより、NFCコイル5060を無線受電コイルアセンブリ5012内に生成されたAC電磁場から、及び二次環状磁気整列構成要素5018のDC磁場から遮蔽することができる。例えば、遮蔽は、(セクション1及び3に上述したように)一次磁気整列構成要素に結合された場合に、受電コイルアセンブリ5012内のACシールドと弓状磁石セクションの閉ループ構成との組み合わせによって提供され得る。
図51は、いくつかの実施形態による、NFCリーダを組み込んだポータブル電子デバイス用の無線充電及び整列アセンブリ5100の分解図を示す。無線充電及び整列アセンブリ5100は、無線受電コイルアセンブリ5012及び二次環状磁気整列構成要素5018を含むことができる。無線受電コイルアセンブリ5012及び二次環状磁気整列構成要素5018は、感圧接着剤(PSA)の層5101上に配置することができる。いくつかの実施形態では、無線受電コイルアセンブリ5012のための電気シールド5103は、例えば、銀又は他の導電性材料を適切なパターンで堆積させることによって、PSA層5101の一部分上に配置することができる。技術分野において既知であるように、電気シールド5103は、AC磁場が通過することを可能にしながら、動作中に無線送電コイル5012によって放射されたAC電界を遮断することができる。NFCコイル5060は、電気シールド5103の外側縁部と二次環状磁気整列構成要素5018の内側縁部との間の空間において、PSA層5101上に配置することができる。NFCコイル5060は、例えば、単一ターン多層撚りワイヤコイルとすることができる。電磁シールドアセンブリ5107は、無線受電コイルアセンブリ5012、NFCコイル5060、及び二次環状磁気整列構成要素5018の遠位表面上に配置することができ、それにより、無線受電コイルアセンブリ5012及びNFCコイル5060によって生成された電磁場からポータブル電子デバイス5004の他の構成要素を遮蔽することができる。
図52は、図51のアセンブリ5104を組み込んだ図50のポータブル電子デバイス5004の一部分の簡略化された断面図を示す。図示するように、無線充電及び整列アセンブリ5100は、ポータブル電子デバイス5001の前側筐体5203と後側筐体5205との間に配置することができる。いくつかの実施形態では、前側筐体5203は、タッチスクリーンディスプレイとすることができるか、又はそれを組み込むことができる。後側筐体5205は、ガラス若しくはプラスチック、又は無線電力若しくはデータ転送、あるいは二次環状整列構成要素5012などの環状整列構成要素の磁場と干渉しない任意の他の材料で作製することができる。アセンブリ5100は、後側筐体5205に向けてPSA層5101及び電気シールド5103と配向され、前側筐体5203に向けてシールドアセンブリ5107と配向され、後側筐体5205を通じた無線充電を可能にするため。
ポータブル電子デバイス5004は例示的なものであり、変形及び変更が可能であることは理解されるであろう。無線充電及び整列アセンブリ5104などのアセンブリは、様々な電子デバイスに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、NFCコイル5060及びそれに結合されたNFCリーダ回路は、二次磁気整列構成要素5018に相補的な一次磁気整列構成要素を有するアクセサリデバイスを識別するための専用であり、ポータブル電子デバイス5004は、NFC技術を含む他のアプリケーション(店頭支払トランザクションなど)のための1つ以上の他のNFCコイル及び付随回路を含むことができる。
5.2.NFCタグ回路を有する無線充電器デバイス
いくつかの実施形態では、NFCタグは、無線充電器及び環状整列構造体を含むデバイス内に位置されてもよい。NFCタグは、無線充電器デバイスが相補的な環状整列構造体及びNFCリーダを有するポータブルデバイスと整列されると、NFCタグがポータブル電子デバイスのNFCリーダによって読み取り可能であるように、配置され及び構成され得る。
図53は、いくつかの実施形態によるNFCタグを組み込んだ無線充電器デバイス5302の分解図を示し、図54Aは、いくつかの実施形態による無線充電器デバイス5302の部分断面図を示す。図53に示すように、無線充電器デバイス5302は、プラスチック又は金属(例えば、アルミニウム)で作製することができるエンクロージャ5304と、シリコーン、プラスチック、ガラス、又はAC及びDC磁場に対して透過性である他の材料で作製され得る充電面5306と、を含むことができる。充電面5306は、エンクロージャ5304.の上部の円形開口部5303内に嵌合するように成形することができる。
無線送電コイルアセンブリ5311は、エンクロージャ5304内に配置することができる。無線送電コイルアセンブリ5311は、別のデバイスへの誘導電力伝送のための無線送電コイル5312、並びに無線送電コイル5312の一部又は全ての表面の周りに配置されたAC磁気及び/又は電気シールド5313を含むことができる。無線送電コイル5312を制御する制御回路5314(例えば、ロジックボード及び/又は電力回路を含むことができる)は、コイル5312の中心及び/又はコイル5312の下に配置することができる。いくつかの実施形態では、制御回路5314は、Qiプロトコル又は他のプロトコルなどの無線充電プロトコルに従って、無線送電コイル5312を動作させることができる。
一次環状磁気整列構成要素5316は、無線送電コイルアセンブリ5311を取り囲むことができる。一次環状磁気整列構成要素5316は、図示するように環状構成で配置された多数の弓状磁石セクションを含むことができる。各弓状磁石セクションは、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、磁気的に偏光されていない中央弓状領域と、を含むことができる。(実施例は、上記項1及び3に記載される。)いくつかの実施形態では、一次環状磁気整列構成要素5316の直径及び厚さは、図54Aに最も良く見られるように、一次環状磁気整列構成要素5316の弓状磁石セクションがエンクロージャ5304の上面のリップ5309の下に嵌るよう、選択される。例えば、各弓状磁石セクションは、内側領域及び外側領域を磁化する前又は後のいずれかで、リップ5309の下の位置に挿入することができる。いくつかの実施形態では、一次環状磁気整列構成要素5316は、2つの隣接する弓状磁石セクションの間に隙間5336を有することができる。隙間5336は、外部ワイヤが無線送電コイル5312及び/又は制御回路5314に接続されることを可能にするために、エンクロージャ5304の側面における開口部5307と整列され得る。
支持リングサブアセンブリ5340は、軸方向に延在する環状フレーム5342と、フレーム5342の上縁部にある摩擦パッド5344とを含むことができる。摩擦パッド5344は、熱可塑性ウレタン(TPU)などのシリコーン又は熱可塑性エラストマー(TPE)などの材料で作製することができ、充電面5306に対する支持及び保護を提供することができる。フレーム5342は、ポリカーボネート(PC)、ガラス繊維強化ポリカーボネート(GFPC)、又はガラス繊維強化ポリアミド(GFPA)などの材料で作製することができる。フレーム5342は、その上に配置されたNFCコイル5364を有することができる。例えば、NFCコイル5364は、フレーム5342上に巻かれた銅ワイヤ又は他の導電性ワイヤで作製された4ターン又は5ターンのソレノイドコイルとすることができる。NFCコイル5364は、制御回路5314の一部であり得るNFCタグ回路(図示せず)に電気的に接続され得る。NFC回路の関連する設計原理は、技術分野において周知であり、詳細な説明は省略される。フレーム5342は、一次環状磁気整列構成要素5316と無線送電コイルアセンブリ5311との間の隙間領域5317に挿入され得る。いくつかの実施形態では、隙間領域5317は、無線送電コイル5312内で生成されたAC電磁場からACシールド5313によって遮蔽され、また、一次環状磁気整列構成要素5316のDC磁場から弓状磁石セクションの閉ループ構成によって遮蔽される。
図54Bは、いくつかの実施形態による、別の無線充電器デバイス5402の部分断面図を示す。無線充電器デバイス5402は、図53及び54Aの無線充電器デバイス5302と概ね類似している。例えば、無線充電器デバイス5402は、プラスチック又は金属(例えば、アルミニウム)で作製することができるエンクロージャ5404と、シリコーン、プラスチック、ガラス、又はAC及びDC磁場に対して透過性のある他の材料で作製され得る充電面5406と、を含むことができる。充電面5406は、エンクロージャ5404の上部の円形開口部内に嵌合するように成形され得る。無線送電コイルアセンブリ5411は、エンクロージャ5304内に配置することができる。無線送電コイルアセンブリ5411は、無線送電コイルアセンブリ5311と類似又は同一である。制御回路5314と類似又は同一であり得る制御回路5414は、例えば、コイルアセンブリ5411の下に配置することができる。
一次環状磁気整列構成要素5416は、無線送電コイルアセンブリ5411を取り囲むことができる。一次環状磁気整列構成要素5416は、一次環状磁気整列構成要素5316と類似又は同一であり得る。いくつかの実施形態では、一次環状磁気整列構成要素5416の直径及び厚さは、図54Aに示す構成と同様に、一次環状磁気整列構成要素5416の弓状磁石セクションがエンクロージャ5404の上面でリップ5409の下に嵌るように、選択される。
支持フレーム5442は、エンクロージャ5404と上部キャップ5406との間に延在することができる。支持リングサブアセンブリは、ポリカーボネート(PC)、ガラス繊維強化ポリカーボネート(GFPC)、又はガラス繊維強化ポリアミド(GFPA)などの材料で作製することができる。フレーム5442は、その上面上で、その上に配置されたNFCコイル5464を有することができる。例えば、NFCコイル5464は、フレーム5442上に巻かれた銅ワイヤ又は他の導電性ワイヤの同心円のターンで作製された4ターン又は5ターンの平面コイルとすることができる。(あるいは、コイル5364と同様のソレノイド巻回NFCコイルを使用することができる。)NFCコイル5464は、制御回路5414の一部であり得るNFCタグ回路(図示せず)に電気的に接続され得る。フレーム5442は、一次環状磁気整列構成要素5416と無線送電コイルアセンブリ5411との間の隙間領域に挿入され得る。いくつかの実施形態では、隙間領域5417は、無線送電コイル5412内で生成されたAC電磁場からACシールド5413によって遮蔽され、また、一次環状磁気整列構成要素5416のDC磁場から弓状磁石セクションの閉ループ構成によって遮蔽される。
5.3.NFCタグ回路を有するアクセサリデバイス
セクション3で上述したように、携帯電話用のケースなどのアクセサリデバイスは、無線充電コイルを有する又は有さない、補助磁気整列構成要素を含み得る。補助磁気整列構成要素は、ポータブル電子デバイスがアクセサリデバイスに取り付けられている(例えば、挿入される)状態で、充電器デバイスの無線充電送電コイルをポータブル電子デバイスの無線充電受電コイルと整列させるよう一次磁気整列構成要素及び二次整列構成要素の使用をサポートするための「リピータ」として機能することができる。
いくつかの実施形態では、NFCタグ回路及びコイルは、補助磁気整列構成要素を有するアクセサリデバイスに組み込まれてもよい。NFCタグは、ポータブル電子デバイスのNFCリーダによって(例えば、上述のように、ポータブル電子デバイス5004のNFCコイル5060及び関連するNFCリーダ回路を使用して)読み取られることで、アクセサリデバイスがポータブル電子デバイスに近接して整列される場合にポータブル電子デバイスがアクセサリデバイスを識別することを可能にする。
図55は、いくつかの実施形態によるNFCタグ回路及びコイルを有する補助整列構成要素を組み込んだアクセサリデバイス5500の一例を示す。アクセサリデバイス5500は、例えば、ポータブル電子デバイス5004(例えば、スマートフォンとすることができる)用のケースでもよい。アクセサリデバイス5500は、ポータブル電子デバイス5004の1つ以上の表面を覆いかつ保護する、トレイ、スリーブ、又は他のフォームファクタとして必要に応じて、成形され得る。特に、アクセサリデバイス5500は、ポータブル電子デバイス5004の裏面を覆うリア(又はバック)パネル5502を有することができる。リアパネル5502は、ポータブル電子デバイス5004の裏面全体を覆う必要はないことを理解されたい。例えば、ポータブル電子デバイス5004のリアカメラレンズを露出させるために、切り取り領域5503を設けることができる。
裏面5502は、補助環状磁気整列構成要素5570を含むことができる。補助環状磁気整列構成要素5570は、図示するように環状構成で配置された多数の弓状磁石5572を含むことができる。各弓状磁石5572は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、磁気的に偏光されていない中央弓状領域と、を含むことができる。(実施例は、セクション3に記載される。)補助環状磁気整列構成要素5570は、電子デバイス5002の二次環状磁気整列構成要素5018と整列することができる。
NFCタグ回路アセンブリ5566は、補助環状磁気整列構成要素5316の内側に配置され得る。いくつかの実施形態では、NFCタグ回路アセンブリ5566の内側の裏面5502の領域5505の全て又は一部は、切り抜き領域とすることができる。図56は、いくつかの実施形態によるNFCタグ回路アセンブリ5566のより詳細な図を示す。NFCタグ回路アセンブリ5566は、図55に示すように、補助環状磁気整列構成要素5572の内径内に嵌合される円形外周を有するプリント配線基板(PCB)5602(例えば、フレキシブルPCBでもよい)上にプリント回路を含むことができる。いくつかの実施形態では、PCB5602はディスクであってもよい。他の実施形態では、PCB5602は、様々な形状を有することができる中央開口部5603を有し得る。いくつかの実施形態では、開口部5603のサイズは、NFCタグ回路構成要素を収容するために必要なエリアに基づくことができる。
NFCアンテナコイル5604は、PCB5602のNFCアンテナコイル5604の周辺部分上に配置されており、PCB5602上のエッチングされた平面コイルとすることができ、例えば、銅又は他の導電性材料よりなる4ターン又は5ターンを含むことができる。NFCアンテナコイル5604は、NFCアンテナコイル5604の内側のPCB5602上に配置することができるNFCタグチップ5606(インセット5620に示す)及びコンデンサ5608に結合することができる。NFCタグチップ5606は、例えば、ポータブル電子デバイスのNFCリーダと互換性のあるパッシブに給電されたNFCタグチップ又は他のパッシブに給電されたNFCタグ回路とすることができる。コンデンサ5608は、例えば、NFCタグチップ5606の動作をサポートする多層セラミックスコンデンサであってもよい。支持するコンデンサの特定の選択及び構成は、NFCタグチップ及びコイル構成に依存し、NFC回路の関連する設計原理は、技術分野において周知であり、詳細な説明は省略される。
一般に、NFCタグ回路5606及びコンデンサ5608は、PCB5602の上方に延在する高さを有する。NFCタグ回路アセンブリ5566の平坦なプロファイルを提供するために、追加のテープ層をPCB5602に追加してもよい。図57は、いくつかの実施形態による、均一の高さを提供するためにPCB5602上に積層されたテープ層を含むNFCタグ回路アセンブリ5566の分解図を示す。PCB5602は底部に示される。テープ層5702及び5703はそれぞれ、感圧接着剤(PSA)を有するポリエステルテープ(PET)の層であり得、各層は、例えば、約150μmの厚さを有し得る。図示するように、テープ層5702及び5703のそれぞれは、PCB5602の形状に一致するように成形することができ、NFCタグチップ5606及びコンデンサ5608の高さを収容するための穴5705を有してもよい。テープ層5702及び5703の厚さの合計は、NFCタグチップ5606及びコンデンサ5608の高さに等しいか、又はそれを超えることができる。(二枚のテープ層が示されるが、テープ層の厚さ及びNFC回路構成要素の高さに応じて、任意の数のテープ層を使用することができることを理解されたい。)最上層5710は、例えばPSAであってもよく、それを貫通する穴を有する必要はない。いくつかの実施形態では、NFCタグ回路アセンブリ5566の全高は、一ミリメートルの半分未満でもよい。
図58は、いくつかの実施形態に係る、NFCタグ回路アセンブリ5566及び補助整列構成要素5570を組み込んだ図55の充電スルーアクセサリ5500の部分断面図を示す。充電スルーアクセサリ5500は、例えば、ポータブル電子デバイス用のトレイ又は他のケースであり得、図58に示す部分は、充電スルーアクセサリ5500のリアパネル5502の一部を形成することができる。(ポータブル電子デバイスの後面は、表面5801に隣接して配置することができる。)リアパネル5502は、内層5804及び外部層5806を有する内部構造を有することができ、この内部構造は、シリコーン、プラスチック、皮革、又はDC及びAC磁場に対して透過性のある他の材料で作製することができる。いくつかの実施形態では、内層5804及び外層5806は、リアパネル5502に対する平坦な表面を提供する。中央層5808は、内層5804と外層5806との間に配置され得る。中央層5808は、NFCタグ回路アセンブリ5566及び補助環状磁気整列構成要素5870を収容するための凹部領域5809を画成することができる。補助環状磁気整列構成要素5870は、補助環状磁気整列構成要素5570又は上記の他の実施例と類似又は同一であり得る。図示するように、NFCタグ回路アセンブリ5566の高さは、補助整列構成要素5870の高さ以下とすることができ、凹部領域5809を適切に成形することができる。
図56に示すように、NFCタグ回路アセンブリ5566は、NFCタグチップ5606及びコンデンサ5608のための空間を提供するためにNFCコイル5604から内方に延在する。NFCタグ回路アセンブリ5566及び補助環状整列構成要素5570の両方が不透明要素を含むので、アクセサリ5500のリアパネル5502の全ての部分を透明にしてアクセサリ5500内に保持されたポータブル電子デバイスの裏面を明らかにすることは不可能である。美観のために、リアパネル5502の非透明領域の幅を最小化することが望ましい場合がある。
図59は、いくつかの実施形態による、NFCタグ回路及びコイルを有する補助整列構成要素を有する別のアクセサリデバイス5900の一例を示す。アクセサリデバイス5900は、例えば、ポータブル電子デバイス5004(例えば、スマートフォンとすることができる)用のケースでもよい。上記のアクセサリデバイス5500と同様に、アクセサリデバイス5900は、ポータブル電子デバイス5004の1つ以上の表面を覆い保護する、トレイ、スリーブ、又は他のフォームファクタとして必要に応じて、成形され得る。特に、アクセサリデバイス5900は、ポータブル電子デバイス5004の裏面を覆うリア(又はバック)パネル5902を有することができる。リアパネル5902は、ポータブル電子デバイス裏5004の裏面全体を覆う必要はないことを理解されたい。例えば、ポータブル電子デバイス5004のリアカメラレンズを露出させるために、切り取り領域5903を設けることができる。
リアパネル5902は、補助環状磁気整列構成要素5970及びNFCタグ回路アセンブリ5966を含むことができる。補助環状磁気整列構成要素5970は、図示するように環状構成で配置された多数の弓状磁石5972を含むことができる。各弓状磁石5972は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、磁気的に偏光されていない中央弓状領域と、を含むことができる。(実施例は、セクション3を参照して上記で説明された。)補助環状磁気整列構成要素5970は、ポータブル電子デバイス5002の二次環状磁気整列構成要素5018と整列することができる。
図60は、いくつかの実施形態による図59の補助環状磁気整列構成要素5970及びNFCタグ回路アセンブリ5966の拡大図を示す。環状整列構成要素5970は、環状構成に配置された多数の弓状磁石5972を含むことができ、隣接する磁石5972の選択された対の間に隙間6001が設けられている。図示する例では、各隙間6001は、弓状磁石5972を省略することによって形成される。その例を上述した他の技術を使用して、隙間6001を形成することができる。隙間6001は、NFCタグ回路アセンブリ5966の構成要素を収容することができ、それによりNFCタグ回路アセンブリ5966の内方延在を低減し、中央領域6003における構成要素のないエリアを増大させることができる。
NFCタグ回路アセンブリ5966は、円形内周部及び環状磁気整列構成要素5970の隙間6001に延在する突起部6022を有する円形外周部を有するPCB6002(例えば、フレキシブルPCB)上のプリント回路を含むことができる。NFCアンテナコイル6004は、PCB6002の円形部分上に配置することができる。NFCアンテナコイル6004は、PCB6002上のエッチングされた平面コイル又は巻かれたワイヤコイルであってもよく、例えば、銅又は他の導電性材料よりなる4ターン又は5ターンを含むことができる。NFCアンテナコイル6004は、それぞれが、環状整列構成要素5970の磁石5972間のPCB6002の突起部6022のうちの異なる1つの上に配置することができるNFCタグチップ6006及びコンデンサ6008に結合され得る。NFCタグチップ6006及びコンデンサ6008は、上述したような標準的なNFCタグ回路構成要素を含むことができる。図から分かるように、PCB6002は、図56のPCB5602よりも、補助環状整列構成要素5970の幅に、より小さく加えることができる。より狭い不透明アセンブリは、アクセサリ5900のリアパネル5902が一般的に透明材料で作製される場合、及び/又はNFCタグ回路アセンブリ5966の内側の領域6003がリアパネル5902を貫通する穴を提供する場合には、審美的に望ましい場合がある。
図61は、いくつかの実施形態によるNFCタグ回路アセンブリ5966の分解図を示す。PCB6002は、その下にPSAの層と、上にテープ層6104とを有することができる。テープ層6104は、PSAを有するPETの層でもよい。いくつかの実施形態では、環状整列構成要素5960の磁石5972は均一な高さを提供し、テープ層6104はNFCタグチップ6006及びコンデンサ6008の上に重ね合わせて封入することができる。
上述のように、ポータブル電子デバイスは、環状磁気整列構成要素及びNFCリーダ回路を含むことができ、各アクセサリデバイスは、環状磁気整列構成要素及びNFCタグ回路を含むことができる。NFCリーダ及びタグ回路は、ポータブル電子デバイスが1つ以上のアクセサリデバイスと整列された場合に、NFCリーダ回路がNFCタグを読み出すことを可能にし、それによって、ポータブル電子デバイスがアクセサリデバイスを識別することを可能にするよう、ポータブル電子デバイス内のNFCリーダ回路はアクセサリデバイス(単数又は複数)のNFCタグ回路(単数又は複数)に十分に近接するよう近づけられる。NFCタグ回路は、NFCリーダコイルの近距離によって励起されるパッシブタグであってもよく、NFCタグ回路を組み込んだアクセサリデバイスは自身の電源を有する必要がない。
図62は、いくつかの実施形態による、無線充電器デバイス6202、ポータブル電子デバイス6204、及びアクセサリデバイス6220を含むシステム6200の簡略化された部分断面図を示す。ポータブル電子デバイス6204は、二次環状磁気整列構成要素6218(二次磁気整列構成要素5018と類似又は同一であり得る)と、無線受電コイルアセンブリ6212(上述の無線受電コイルアセンブリ5012と類似又は同一であり得る)と、NFCリーダ回路(図示せず)に接続するNFCコイル6260(上述のNFCコイル5060と同様であり得る)と、を有する。NFCコイル6260は、二次環状磁気整列構成要素6218と無線受電コイルアセンブリ6212との間に配置することができる。
無線充電器デバイス6202は、一次環状磁気整列構成要素6216(上述の一次環状磁気整列構成要素5316と類似又は同一であり得る)と、無線送電コイルアセンブリ6211(上述の無線送電コイルアセンブリ5311と同様であり得る)と、上述の支持リングサブアセンブリ5340と同様であり得、NFCコイル6264及び関連付けられたNFCタグ回路(図示せず)を含むことができるNFCタグ回路アセンブリ6240と、を含む。NFCコイル6264は、一次環状整列構成要素6216と無線送電コイルアセンブリ6211との間に配置することができる。
アクセサリデバイス6220は、補助環状磁気整列構成要素6270(上述の補助環状磁気整列構成要素5570と類似又は同一であり得る)と、上述のNFCタグ回路アセンブリ5566又はNFCタグ回路アセンブリ5966と類似又は同一であり得るNFCタグ回路アセンブリ6266と、を含む。NFCタグ回路アセンブリ6266は、補助環状磁気整列構成要素6270の内側に配置され得る。
無線充電器デバイス6202は、一次環状磁気整列構成要素6216(上述の一次環状磁気整列構成要素5316と類似又は同一であり得る)と、無線送電コイルアセンブリ6211(上述の無線送電コイルアセンブリ5311と同様であり得る)と、上述の支持リングサブアセンブリ5340と同様であり得、NFCコイル6264及び関連付けられたNFCタグ回路(図示せず)を含むことができるNFCタグ回路アセンブリ6240と、を含む。NFCコイル6264は、一次環状整列構成要素6216と無線送電コイルアセンブリ6211との間に配置することができる。
アクセサリデバイス6220は、補助環状磁気整列構成要素6270(上述の補助環状磁気整列構成要素5570と類似又は同一であり得る)と、上述のNFCタグ回路アセンブリ5566又はNFCタグ回路アセンブリ5966と類似又は同一であり得るNFCタグ回路アセンブリ6266と、を含む。NFCタグ回路アセンブリ6266は、補助環状磁気整列構成要素6270の内側に配置され得る。
図62に示すように、ポータブル電子デバイス6204のNFCコイル6260は、アクセサリデバイス6220のNFCコイル6266及び無線充電器デバイス6202のNFCコイル6264に近接している。従って、ポータブル電子デバイス6204は、どちらかが取り付けられているときはいつでも、アクセサリデバイス6220及び無線充電器デバイス6202の両方のNFCタグを読み取ることができる。異なる時点で、無線充電器デバイス6202が不在である一方でアクセサリデバイス6220が存在してもよく、又は、アクセサリデバイス6220が不在である一方で無線充電器デバイス6202が存在してもよいことを理解されたい。任意の所与の時間において、ポータブル電子デバイス6204は、たまたま存在し、二次環状磁気整列構成要素6216と整列される、任意のデバイスのNFCタグを読み取ることができる。いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイス6204は、アクセサリデバイス又は無線充電器デバイスが整列されたときを検出する低電力近接センサを含むことができ、ポータブル電子デバイス6204は、近接検出事象に応答してそのNFCリーダ回路を作動させることができる。具体的な例を以下に説明する。
図62の実施例では、アクセサリデバイス6220は、二次環状整列構成要素6270の内側に配置されたそのNFCコイル6266を有する。いくつかの代替の実施形態では、アクセサリデバイスのNFCコイルは、補助環状整列構成要素の外側に配置され得る。図63は、いくつかの実施形態による、NFCタグ回路及びコイルを含む補助整列構成要素を有するアクセサリデバイス6300の例を示す。アクセサリデバイス6300は、例えば、ポータブル電子デバイス5004(例えば、スマートフォンとすることができる)用のケースでもよい。上記のアクセサリデバイス5500及び5900と同様に、アクセサリデバイス6300は、ポータブル電子デバイス5004の1つ以上の表面を覆い保護する、トレイ、スリーブ、又は他のフォームファクタとして必要に応じて、成形され得る。特に、アクセサリデバイス6300は、ポータブル電子デバイス5004の裏面を覆うリア(又はバック)パネル6302を有することができる。リアパネル6302は、ポータブル電子デバイス5004の裏面全体を覆う必要はないことを理解されたい。例えば、ポータブル電子デバイス5004のリアカメラレンズを露出させるために、切り取り領域6303を設けることができる。
リアパネル6302は、補助環状磁気整列構成要素6370及びNFCタグ回路アセンブリ6366を含むことができる。補助環状磁気整列構成要素6370は、図示するように環状構成で配置された多数の弓状磁石6372を含むことができる。各弓状磁石6372は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、磁気的に偏光されていない中央弓状領域と、を含むことができる。(実施例は、セクション3に記載される。)補助環状磁気整列構成要素6370は、ポータブル電子デバイス5002の二次環状磁気整列構成要素5018と整列することができる。NFCタグ回路アセンブリ6366は、補助環状磁気整列構成要素6370の外側(すなわち、外周部)に配置することができる。詳細には示されていないが、NFCタグ回路アセンブリ6366が、上述のNFCタグ回路アセンブリ5566と同様に構築することができることを理解されたい。例えば、NFCタグ回路アセンブリ6366は、エッチングされたNFCコイルを有するリング形状のPCBを含むことができる。PCBの周辺延長部(例えば、領域6371において)は、NFCタグ回路構成要素(例えば、NFCタグチップ及びコンデンサ)を装着するためのエリアを提供することができる。
図64は、いくつかの実施形態による、無線充電器デバイス6402、ポータブル電子デバイス6404、及びアクセサリデバイス6420を含むシステム6400を示す。ポータブル電子デバイス6404は、二次環状磁気整列構成要素6418(二次磁気整列構成要素5018と類似又は同一であり得る)と、無線受電コイルアセンブリ6412(上述の無線受電コイルアセンブリ5012と類似又は同一であり得る)と、NFCリーダ回路(図示せず)に接続するNFCコイル6460(上述のNFCコイル5060と同様であり得る)と、を有する。NFCコイル6460は、二次環状磁気整列構成要素6418と無線受電コイルアセンブリ6412との間に配置することができる。
無線充電器デバイス6402は、一次環状磁気整列構成要素6416(上述の一次環状磁気整列構成要素5316と類似又は同一であり得る)と、無線送電コイルアセンブリ6411(上述の無線送電コイルアセンブリ5511と同様であり得る)と、上述の支持リングサブアセンブリ5540と同様であり得、NFCコイル6464及び関連付けられたNFCタグ回路(図示せず)を含むことができるNFCタグ回路アセンブリ6440と、を含む。NFCコイル6464は、一次環状整列構成要素6416と無線送電コイルアセンブリ6411との間に配置することができる。
アクセサリデバイス6420は、補助環状磁気整列構成要素6470(上述の補助環状磁気整列構成要素5570と類似又は同一であり得る)と、上述のNFCタグ回路アセンブリ6366と類似又は同一であり得るNFCタグ回路アセンブリ6466と、を含み、特に、NFCタグ回路アセンブリ6466は、補助環状磁気整列構成要素6470の外側に配置され得る。
図64に示すように、ポータブル電子デバイス6404のNFCコイル6460は、アクセサリデバイス6420のNFCコイル6466及び無線充電器デバイス6402のNFCコイル6464に近接している。従って、ポータブル電子デバイス6404は、どちらかが取り付けられているときはいつでも、アクセサリデバイス6420及び無線充電器デバイス6402の両方のNFCタグを読み取ることができる。異なる時点で、無線充電器デバイス6402が不在である一方でアクセサリデバイス6420が存在してもよく、又は、アクセサリデバイス6420が不在である一方で無線充電器デバイス6402が存在してもよいことを理解されたい。任意の所与の時間において、ポータブル電子デバイス6404は、たまたま存在し、二次環状磁気整列構成要素6416と整列される、任意のデバイスのNFCタグを読み取ることができる。いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイス6404は、アクセサリデバイス又は無線充電器デバイスが整列されたときを検出する低電力近接センサを含むことができ、ポータブル電子デバイス6204は、近接検出事象に応答してそのNFCリーダ回路を作動させることができる。具体的な例を以下に説明する。
5.4.トリガNFCリーダ回路に対する近接検出
再び図50を参照するに、互換性のあるアクセサリがポータブル電子デバイス5004と近接した場合に、ポータブル電子デバイス5004内のNFCリーダ回路を選択的にトリガすることが望ましい場合がある。NFCリーダ回路の近接ベースのトリガリングは、NFCリーダ回路を周期的にポーリングすることと比較して、相当な省電力を可能にすることができ、デバイスを近接させる以外でユーザがNFCリーダ回路をトリガするために任意のアクションを行う必要性を回避することができる。
いくつかの実施形態では、電磁センサは、二次環状整列構成要素5018に相補的な環状整列構成要素を有するデバイスが整列されたときを検出するために使用され得る。例えば、三軸磁力計5080は、二次環状整列構成要素5018付近のエリアにおいてポータブル電子デバイス5004の裏側エンクロージャ内に配置され、ポータブル電子デバイス5004のメインロジックボード内に位置する制御ロジックに結合され得る。磁力計5080は、磁力計5080の場所で磁場を測定するために周期的にポーリングされ得る低電力構成要素であり得る。具体的には、周期的ポーリングに基づき、「ベースライン」磁場を確立することができ、これは、二次環状整列構成要素5018からの寄与、及び二次環状整列構成要素5018と現在整列される任意の他のデバイスからの寄与を含むことができる。二次環状磁気整列構成要素5018(例えば、無線充電器デバイス5302又はアクセサリデバイス5500)に相補的な環状磁気整列構成要素を有するデバイスが、二次環状磁気整列構成要素5018と整列されると、磁力計5080の場所における磁場は、特定の予測可能な方法でベースラインに対して急激に変化する。従って、特定の大きさを有する(ベースラインに対して)測定された磁場の変化を使用して、相補的な磁気整列構成要素を有するデバイスがポータブル電子デバイス5004と近接するときを検出することができる。いくつかの実施形態では、変化は三次元ベクトルとして定義することができ、近接させられるデバイスの検出は、磁力計5080によって測定された磁場の大きさ及び/又は方向の変化に基づいてトリガされ得る。更に、異なる種類のデバイスを整列させることにより、磁力計5080によって測定される磁場の異なる変化が結果として生じ得る。例えば、図62に示すように、一次環状磁気整列構成要素6216は、補助環状磁気整列構成要素6270よりも厚くてもよく、この差は磁力計5080によって測定される磁場に対して異なる効果をもたらし得る。加えて、ポータブル電子デバイス5004が既にアクセサリ(例えば、アクセサリ5500)と整列される間に、無線充電器デバイス(例えば、無線充電器デバイス5302)が整列された場合に磁力計5018によって測定される磁場の変化は、アクセサリが存在しない間に、無線充電器デバイス(例えば、無線充電器デバイス5302)が整列された場合に測定される変化とは異なる場合がある。制御ロジック(例えば、ポータブル電子デバイス5500のメインロジックボード上に位置するロジック回路)は、磁力計5018によって検出される磁場の変化を周期的に(例えば、数ミリ秒毎に又は毎秒数回)モニタリングすることができ、変化に基づいて、相補的な磁気整列構成要素を有するデバイスが近接させられたかどうか(又は、そのようなデバイスが存在することが既に知られているかどうか、別のそのようなデバイスが近接させられたかどうか)を判定することができる。デバイスが近接されたと判定したことに応じて、制御ロジックは、NFCコイル5060及び関連するNFCリーダ回路の動作をトリガして、新たに近接したデバイス内に存在し得るNFCタグを読み取ることができる。アクティブ又はパッシブアクセサリデバイスの取り外し(又は近接からの除去)が、磁力計5080によって測定される磁場の変化を検出することによっても検出され得ることを理解されたい。
いくつかの実施形態では、整列されたデバイスのNFCタグ内の情報に基づいて、ポータブル電子デバイス5004は、その挙動の一部の態様を変更することができる。いくつかの実施形態では、アクセサリデバイス内のNFCタグは、その色又は設計スタイルなどのアクセサリデバイスの特性を示すことができる。ポータブル電子デバイス5004は、相応じてそのユーザインタフェースのその色スキーム又は他の要素を変更することができる。例えば、ポータブル電子デバイス5004は、アクセサリデバイスの色に一致する色で画面上に過渡色洗浄効果を発生させることができる。別の例として、アクセサリデバイスは、ポータブル電子デバイス5004のディスプレイの一部分を露出させるために窓が設けられる不透明なフロントパネルを有するスリーブであってもよく、ポータブル電子デバイスがスリーブ内で整列されると、ポータブル電子デバイス5004は、窓と整列されたディスプレイの部分上に特定のコンテンツ(例えば、現在の時間又は通知)を表示するモードに切り替えることができる。いくつかの実施形態では、アクセサリ識別は、アクセサリが存在する環境に関するコンテキスト情報を提供することができ、例えば、ドッキングアクセサリは、車両内に位置してもよく、又は特定の部屋に配置されてもよく、ポータブル電子デバイス5004は、コンテキスト情報に基づいて(例えば、車両ドック内にドッキングされたときに車載表示モードに切り替えることによって)その挙動を変更することができる。更に別の実施例として、アクセサリは取り外し可能なパックであってもよく、ポータブル電子デバイス5004が、アクセサリが取り付けられたか又は取り外されたかを(例えば、磁力計信号に基づいて)検出すると、ポータブル電子デバイス5004は、取り付け又は取り外し事象に関する情報(例えば、取り付け又は取り外しが起こった際にポータブル電子デバイス5004がいた場所を示す位置情報)を記憶することができる。いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイス5004は、記憶された情報をユーザに提供することができる(例えば、取り外しが起きた場所を示す位置情報を提供して、ユーザが取り外されたアクセサリの位置を特定するのを支援する)。更なる例として、アクセサリ識別は、結果として、ポータブル電子デバイス5004がアクセサリに関連付けられた特定のアプリを起動するか、又は特定のアプリの特定の機能をロック解除することができる。これらの実施例から、NFCタグから受信した情報に応じて、デバイス挙動の多くの態様を変更することができることを理解されたい。なお更なる例として、アクセサリが、そのNFCタグを介してバッテリパックとして識別されるが、ポータブル電子デバイス5004がアクセサリから電力を引き出すことができない場合、ポータブル電子デバイス5004は、バッテリが死していると判定することができ、それに応じてユーザに警告することができる。ポータブル電子デバイスの挙動の多くの態様は、特定のアクセサリが取り付けられたか、又は取り外されたことを検出したことに応じて変更することができることを理解されたい。
図65は、いくつかの実施形態による、ポータブル電子デバイス5004で実施され得るプロセス6500のフロー図を示す。いくつかの実施形態では、プロセス6500は、ポータブル電子デバイス5004の電源がオンにされる間、反復的に実行され得る。ブロック6502において、プロセス6500は、例えば磁力計5080を用いて、ベースライン磁場を決定することができる。ブロック6504において、プロセス6500は、磁場の変化が検出されるまで、磁力計5080からの信号をモニタリングし続けることができる。ブロック6506において、プロセス6500は、磁場の変化が相補的な磁気整列構成要素の整列と関連付けられる変化の大きさ及び方向と一致するか否かを判定することができる。一致しない場合、ブロック6502においてベースライン磁場が更新され得る。ブロック6506において磁場の変化が相補的な整列構成要素の整列と関連付けられる変化の大きさ及び方向と一致する場合、ブロック6508において、プロセス6500は、NFCコイル5060と関連付けられたNFCリーダ回路を作動して、整列されたデバイスのNFCタグを読み取ることができる。いくつかの実施形態では、異なる種類のデバイス(例えば、無線充電器などのアクティブなアクセサリに対するパッシブアクセサリ)と関連付けられるNFCタグは、NFCリーダ回路からの異なる刺激信号に応答するように同調され、磁場の特定の変化に関する情報を使用して、NFCリーダ回路によって生成されるべき特定の刺激信号を決定することができる。ブロック6510において、プロセス6500は、NFCタグから読み取られた識別情報を受信することができる。ブロック6512において、プロセス6500は、識別情報に基づいてポータブル電子デバイス5004の挙動を変更することができ、例えば、上述のように色洗浄効果を発生することができる。ブロック6512の後、プロセス6500はブロック6502に任意選択的に戻って磁力計5080の連続的なモニタリングを提供することができる。プロセス6500は例示的であり、プロセス6500に加えて又はプロセス6500の代わりに他のプロセスが実行され得ることを理解されたい。
上述のNFCタグ及びNFCリーダ回路は例示的であり、変形及び変更が可能であることは理解されるであろう。例えば、コイル設計は、巻かれたワイヤコイルをエッチングされたコイルで置き換え(又はその逆)、ソレノイドコイルをフラットコイルで置き換え(又はその逆)ることによって変更され得る。「巻かれたワイヤ」コイルは、ワイヤを巻回すること、銅シートからコイルをスタンピングし、スタンピングされた部品の上にプラスチックを成形すること、又は針ディスペンサを使用してワイヤをプラスチック部品上に堆積することを含む、様々な技術を用いて作製することができ、ワイヤは、軟化したプラスチックに埋め込まれるように加熱することができる。エッチングされたコイルは、表面を金属でコーティングし、不要な金属をエッチングすることによって作製することができる。様々なNFCコイルのターン数は、特定の用途のために変更することができる。特定のデバイスのための巻かれたワイヤコイル又はエッチングされたコイルの選択は、様々な設計上の考慮事項に依存し得る。例えば、内部ロジックボードを有するデバイスにおいて、巻かれたワイヤNFCコイルは、ロジックボードで終端することができ、ロジックボードが不在の場合、エッチングされたコイルは、コイルの終端を単純化することができる。他の設計上の考慮事項は、コイルのQファクタを含んでもよい(巻かれたコイルは、より小さい空間でより高いQを提供することができる)及び/又は組み立ての容易さを挙げることができる。
更に、NFCタグ回路を有するデバイスがアクティブ回路(充電挙動を制御するためのアクティブ回路を有する無線充電器デバイスなど)を有する場合、NFCタグ回路は、パッシブタグであることに限定されない。アクティブNFCタグ回路は、互換性のあるポータブル電子デバイスとの双方向通信を可能にするために提供され得る。例えば、ポータブル電子デバイス内のアクティブNFC回路及び無線充電器デバイスは、無線充電器デバイスへのファームウェア更新の伝送をサポートするために使用され得る。
近接検出技術もまた、変更することができる。例えば、異なる種類の磁力計(例えば、単軸磁力計)を使用することができ、又は磁気整列構成要素に対して異なる位置にある複数の磁力計を使用することができる。いくつかの実施形態では、ホール効果センサが磁力計の代わりに使用され得るが、ホール効果センサは、一般的に、変化の大きさ又は方向を測定するのではなく変化又は非変化を示すだけであるため、偽陽性が増加し得る。また、本明細書に記載されるような近接検出は、NFCリーダ回路をトリガすることに加えて、又はその代わりに他の目的のために使用することができることも理解されたい。
6.磁気整列構成要素を組み込んだ例示的なデバイス
6.1.無線充電器デバイス
環状磁気整列構成要素を組み込んだ無線充電器デバイス(又は無線充電器)の例は、例えば、図13及び53~54を参照して上述される。別の例として、図66は、いくつかの実施形態による無線充電器デバイス6600の分解図を示し、図67は、いくつかの実施形態による無線充電器デバイス6600の簡略化された部分断面図を示す。無線充電器デバイス6600は、上述の無線充電器デバイス1300と同様であり、磁気整列構成要素(例えば、上述のような一次環状整列構成要素)、並びに充電性能の最適化に関連する他の特徴を組み込むことができる。
無線充電器デバイス6600は、キャップ6602及びエンクロージャ6606を含む2ピースのパック形状筐体を有することができる。無線充電器デバイス6600のための充電面を提供するキャップ6602は、ポリカーボネート又は他のプラスチックで作製され、近位側(図66及び67において上側)がソフトタッチシリコーン等でコーティングされ、耐久性のある表面を提供する。電磁場に対して透過性である他の材料も使用することができる。いくつかの実施形態では、無線充電器デバイス6600が、充電されるべきデバイスとの整列を維持するための摩擦ではなく磁力に依存することができるので、上部キャップ6602の近位表面は低摩擦表面(例えば、テクスチャ-加工されたシリコーン)でもよい。エンクロージャ6606は、アルミニウム、他の導電性材料、又はプラスチック材料で作製することができる。図67に最も良く見られるように、エンクロージャ6606は、裏側筐体6601と、側壁6603と、上部キャップ6602が載ることができる凹状レッジ6609を有するオーバーハングリップ6605と、を含むことができる。上部キャップ6602は、リップ6605の上面の上方に小さいオフセット(例えば、150μm)を有することにより、リップ6605に付着し得る鉄粒子が上部キャップ6602に近接して配置されるデバイスの表面を引っ掻くことを防止することができる。いくつかの実施形態では、上部キャップ6602は、好適な密閉材料を使用して凹状レッジ6609に密閉され得る。エンクロージャ6606は、側壁6603を通る開口部6607を含むことができ、無線充電器デバイス6600の内部と外部との間に電線管(例えば、ワイヤ)を接続できるようにすることができる。
環状磁気整列構成要素6616は、環状DCシールド6614上に配置された弓状磁石6626を含むことができる。磁気整列構成要素6616は、上記の一次環状整列構成要素のいずれかの実装でもよい。例えば、各弓状磁石6626は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間の中央非磁化領域と、を有する四極構成を有することができる。いくつかの実施形態では、DCシールド6614は、例えば、四つの弓状セグメントに分割することができ、DCシールド6614の各セグメントは、その上に1つ以上の弓状磁石6626が装着される。セグメントは、各セグメントがリップ6605の下に嵌合され、セグメントが互いに隣接する(製造公差に適応するために当接するか、又は小さな隙間を有するかのいずれかで)ように、個々にエンクロージャ6606に挿入され得る。基準表面特徴部は、各セグメントの正確な配置を容易にするために、エンクロージャ6606の内表面上に設けられてもよい。電気接続経路を収容するのに十分な大きさの隙間6617を、環状磁気整列構成要素6616の2つの隣接するセグメントの間に設けることができ、隙間6617は、エンクロージャ6606の開口部6607と整列させることができる。キャップ6603の上面に隣接しておかれるポータブル電子デバイスに対して環状磁気整列構成要素6616が及ぼす磁気整列力を最大化するために、磁石6626の近位表面がリップ6605の内表面と隣接する(例えば、接触する)ように環状磁気整列構成要素6616が配置され得る。いくつかの実施形態では、DCシールド6614は、エンクロージャ6606の裏側筐体6601の内表面上に載置することができ、環状磁気整列構成要素6616は、磁石6626の近位表面がリップ6605の内表面と隣接するように側壁6603の内側の全高まで延在することができる。他の実施形態では、環状磁気整列構成要素6616は、側壁6603の内側よりも短くてもよく、スペーサ6615(図67に示す)は、磁石6626がリップ6605の下側と隣接するように、DCシールド6614と裏側筐体6601との間に配置することができる。いずれにしても、接着剤(図示せず)を使用して、磁気整列構成要素6616(又はそのセクタ)を定位置で保持することができる。
充電コイルアセンブリ6612は、コイル6620、電気シールド6622、電磁シールド6626、6628、及びシム6624を含むことができる。コイル6620は、コイルの中心に向かって端子を有する巻かれた銅ワイヤのコイルであり得、そのコイルは、上部キャップ6601及び対向する遠位表面に向けて近位表面が方向付けられている。上部電磁シールド6626及び下部電磁シールド6628は、フェリ磁性材料(例えば、MnZn)で作製することができる。コイル6620の一次電界成形を提供する上部電磁シールド6626は、コイル6620の遠位表面及び外側を取り囲むように輪郭を付けることができ、コイル6620の外側縁部からコイル6620の中心領域内の端子点まで延在するワイヤのための空間を提供するためのスリット6627を有することができる。メインロジックボード6632のためのスペーサとして機能する下部電磁シールド6628は、平坦で、コイル6620の外側縁部からコイル6620の中心領域内の端子点まで延在するワイヤを収容するための溝を有するコイル6620の下に配置され得るよう成形される。下部電磁シールド6628は、エンクロージャ6606に接地することができる。いくつかの代替的な実施形態では、下部電磁シールド6628は、プラスチックスペーサと置き換えられ得る。他の代替的な実施形態では、上部電磁シールド6626及び下部磁気シールド6628は、単一のフェライト材料片から形成することができる。電気シールド6622は、コイル6620の近位表面上に配置することができる。電気シールド6622は、磁場に対して透過性である一方で、電界を遮断するために導電性材料でパターン化されたフレキシブルプリント配線基板から作製することができる。電気シールド6622は、接地を提供するためにエンクロージャ6606と接触することができる導電性周囲突起部を含むことができる。シム6624は、ポリカーボネート材料で作製することができ、充電コイルアセンブリ6612の近位表面にわたって均一な高さを提供し、キャップ6602を支持することを支援するために使用され得る。
支持リングサブアセンブリ6640は、(図67で最も良く分かるように)環状磁気整列構成要素6616とコイルアセンブリ6612との間に配置され得る。支持リングサブアセンブリ6640は、図53及び54を参照して上述した支持リングサブアセンブリ5340の実施でもよい。例えば、支持リングサブアセンブリ6640は、環状フレーム6642及びNFCコイル6664を含むことができる。環状フレーム6642は、例えば、ガラス強化ポリカーボネート又は他のプラスチックで作製することができる。NFCコイル6664は、例えば、4又は5ターンの巻かれた銅コイルであってもよい。NFCコイル6664は、メインロジックボード6632上に配置することができるNFCタグ回路に結合され得る。NFCコイル6664及び関連付けられたタグ回路は、上記のセクション5に記載されるようなデバイス識別のために使用することができる。
メインロジックボード6632は、エンクロージャ6606の裏側筐体6601の中央部分上に配置されており、感圧接着剤6634によって定位置に固定され得る。メインロジックボード6632は、エンクロージャ6606の開口部6607を介して外部ワイヤに接続するためのコンタクトパッド、及び接地エンクロージャ6606及び電気シールド6622を接地するための追加の接地コンタクトを含むことができる。メインロジックボード6632は、コイル6620の動作を制御するための回路構成要素を含むことができる。例えば、実装に応じて、メインロジックボード6632は、コンタクトパッドを介してDC電力を受信するよう結合され、コイル6620を駆動するための電力回路(例えば、ブースト回路及びインバータ)を含むことができる。それに加えて又は代わりに、メインロジックボード6632は、コイル6620の挙動をモニタリングし、モニタリングに基づいてコイル6620に供給される電流を制御するためのロジック回路(例えば、マイクロコントローラ、ASIC、FPGAなど)を含むことができる。無線充電コイルを動作させるための制御ロジックの例は、技術分野において既知であり、例えば、ロジック回路は、無線充電のためのQi規格に準じる機能を実施することができる。いくつかの実施形態では、メインロジックボード6632はまた、NFCコイル6664に結合されたNFCタグ回路構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、ロジック回路、電力回路、及び/又はNFCタグ回路は、メインロジックボード6632上に実装された集積回路として実装することができ、集積回路は、電気的干渉を回避するためにシールド缶によって覆われてもよい。
いくつかの実施形態では、無線充電器デバイス6600の熱性能は、エンクロージャ6606の外部の場所に電力回路の一部又は全てを配置することによって改善され得る。例えば、図68は、いくつかの実施形態による、無線充電器デバイス6600に接続することができる組み込まれた電力回路を有するケーブルアセンブリ6800の分解図を示す。(接続の理解を容易にするために、無線充電器デバイス6600の部分、特に、エンクロージャ6606及び環状整列構成要素6616が示される。)ケーブルアセンブリ6800は、所望の任意の長さであり得、互いに電気的に絶縁されて電力、接地、及びデータ信号を伝送する複数のワイヤ(又は他の導電体)を含むことができるケーブル6802を含み得る。ケーブル6802は、無線充電器デバイス6600に捕捉的に結合され得る近位端6804を有する。例えば、ケーブル6802の近位端6804は、エンクロージャ6606の開口部6607を通して挿入され、クリンプ6806を使用して固定され得る。様々な実施形態において、クリンプ6808は、エンクロージャ6606又はDCシールド6614に溶接することができる。
ケーブル6802は、ブーツアセンブリ6810に捕捉的に連結され得る遠位端6808を有する。ブーツアセンブリ6810は、ポリカーボネート、ポリブチレンテレフタレート(PBT)などのプラスチックで作製されたブーツ筐体6812を含むことができる。クリンプ6814(例えば、ステンレス鋼製)は、ケーブル6802の遠位端6808をブーツ筐体6812の内部に固定することができる。
回路ボード6822は、ブーツ筐体6812内に配置され得る。回路ボード6822は、DCブースト回路及び任意選択的にインバータなどの電力回路を含むことができる。回路ボード6822はまた、電力回路の動作を制御するためのロジック回路を含むことができる。上記のメインロジックボード6632と同様に、ロジックボード6632の表面上に実装された集積回路を使用して、電力及び/又はロジック回路を装着することができる。回路ボード6822は、例えば、USB-Cプラグコネクタ又は他の標準コネクタとすることができるコネクタ6824に接続することができる。コネクタ6824は、標準的な電力コンセントに差し込むことができるUSBアダプタモジュールなどの外部電源(図示せず)に取り外し可能に接続され得る。
電磁干渉(EMI)シェル6818は、回路ボード6822の周りのブーツ筐体6812の内部を線状にすることができる。EMIシェル6818は、銅合金(例えば、黄銅)又は他の導電性材料で作製することができ、回路ボード6822上の回路の動作によって引き起こされ得る電磁干渉を低減することができる。いくつかの実施形態では、クリンプ6814をEMIシェル6818にレーザー溶接することができる。回路ボード6822とEMIシェル6818との間の電気的絶縁は、ボードブレース6820及びクラムシェル6826などの電気絶縁構成要素を使用して提供することができる。フェースプレート6828は、コネクタ6824がフェースプレート6828内の開口部を通って突出するように、回路ボード6822の遠位端の上に配置され、ブーツ筐体6812に固定され得る。いくつかの実施形態では、ブーツ筐体6812の内部は、フェースプレート6828を取り付ける前に熱伝導性ポッティング材料で充填されて、回路ボード6822から離れる方向への熱転写を改善することができる。
いくつかの実施形態では、全ての電力回路を回路ボード6822上に配置することができ、ケーブル6802は交流を無線充電器デバイス6600に伝送することができる。これらの実施形態では、無線充電器デバイス6600内のメインロジックボード6632は、ケーブル6802のACワイヤをコイル6620に結合することができる。他の実施形態では、回路ボード6822は、電力回路の一部、例えば、DCブースト回路を含んでもよく、電力回路の他の部分(例えば、インバータ)は、メインロジックボード6632上に配置される。電力回路は、相当量の熱を生成させることができ、エンクロージャ6606内ではなくブートアセンブリ6810内に電力回路の一部又は全てを配置することにより、エンクロージャ6606内で生成される熱の量を低減することができることが理解されるであろう。いくつかの実施形態では、メインロジックボード6632上のロジック回路は、ブートアセンブリ6810において(例えば、回路ボード6822からの信号に基づいて)及び充電される(例えば、Qi通信プロトコルを用いて)ポータブル電子デバイスにおいて温度を局所的にモニタリングし、任意のモニタリング対象の場所で温度が所定の上限を超えた場合に充電電流を減らすことができる。ブーツアセンブリ6810に高い熱伝導率を与えることは、ブーツアセンブリ6810が充電性能の制限要因となることを回避することができる。
電力回路が位置する場所にかかわらず、エンクロージャ6606内のメインロジックボード6632は、コイル6620の挙動をモニタリングし、かつ、メインロジックボード6632上に位置することができる任意の電力回路を制御し、かつ/又はケーブル6802に含まれるデータワイヤを介して回路ボード6822に制御信号を送信する(例えば、I2C又は他のポイントツーポイント通信プロトコルを実装する)ためのロジック回路を含むことができる。回路ボード6822は、例えば、回路ボード6822上に位置する電力回路を制御することによって、メインロジックボード6632から受信した制御信号に応答するロジック回路を含むことができる。
無線充電器デバイス6600及び関連するケーブルアセンブリ6800は例示的なものであり、変形及び変更が可能であることが理解されるであろう。例えば、充電コイルアセンブリ、環状磁気整列構成要素、及びNFCコイルアセンブリの特定の構成は、例えば、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って変更することができる。いくつかの実施形態では、NFCコイルを完全に省略することができる。いくつかの実施形態では、全ての電力及びロジック回路はメインロジックボード6632上に位置することができ、ブートアセンブリ6810はUSBブートアセンブリなどのプラグコネクタを備える標準的なケーブルブーツアセンブリによって置き換えることができる。更に、パック形状は必須ではなく、無線充電器デバイスは、より大きなフォームファクタ及び/又は異なる形状を有することができる。例えば、無線充電器デバイスは矩形であってもよく、上記のセクション2に記載されるような回転整列構成要素を組み込むことができる。無線充電器デバイスは、その上に配置された磁気ストライプカードの消磁を回避するための様々な規格を満たすように設計することができる。例えば、無線充電器デバイスは、HiCoセーフであってもよい(すなわち、HiCo規格に磁化されたカードを消磁しない)が、LoCoセーフではない(すなわち、LoCo規格に磁化されたカードを消磁し得る)。
6.2.ポータブル電子デバイス
環状磁気整列構成要素を組み込んだポータブル電子デバイスの例は、例えば、図12A~12B、16、及び、50~52を参照して上述される。次に、別の例を説明する。
図69Aは、ポータブル電子デバイス6900の一例を示す。本実施例では、ポータブル電子デバイス6900は、誘導性受電コイルアセンブリ、環状整列磁石、及びNFCリーダコイルを組み込んだ無線充電モジュール6902を有するスマートフォンである。無線充電モジュール6902は、以下に更に記載される。電線管6904は、無線充電モジュール6902と、例えば、ポータブル電子デバイス用のメインロジックボード、電力管理回路、バッテリなどを含み得る、他のデバイス構成要素6906との間の電気接続のための経路を提供する。構成要素6906の特定の構成は、本開示の理解に関連しない。ポータブル電子デバイス6900はまた、上述のセクション2に記載された実施形態のいずれかに従って実施することができる回転整列構成要素6908を含むことができる。
図69Bは、図69Aの切断線A-Aを通る無線充電モジュール6902の断面図を示す。無線充電モジュール6902は、誘導性充電コイル6913及び遮蔽構成要素6914を含み得る充電コイルアセンブリ6912を含むことができる。充電コイルアセンブリ6912の特定の設計は、本開示を理解するために重要ではない。無線充電モジュール6902はまた、上述の二次環状磁気整列構成要素のいずれかの実装であり得る環状磁気整列構成要素6916を含むことができる。無線充電モジュール6902は、環状磁気整列構成要素6916と充電コイルアセンブリ6912との間の隙間内に配置され得るNFCコイル6960を含むことができる。NFCコイル6960は、例えば、ポリカーボネートなどで作製することができるシム6962の上又はその中に配置される単一ターンの二本の撚り線であってもよい。いくつかの実施形態では、シム6962は、NFCコイル6960の製造及び無線充電モジュール6902の他の構成要素とのNFCコイル6960の整列を容易にすることができる。
図70は、いくつかの実施形態に係る無線充電モジュール6902のより詳細な上面図を示す。上述のセクション1及び3に記載されるように、環状整列構成要素6916は、環状構成に配置された多数の弓状磁石6918を含むことができ、各弓状磁石6918は、径方向成分を有する磁気配向を有することができる。隙間6940は、NFCコイル6960及び無線充電モジュール6902への電気接続を容易にするために、弓状磁石6918aと6918bとの間に設けられ得る。特に、NFCコイル6960の端子6962a、6962bは、隙間6940内に延在することができる。同様に、充電アセンブリ6912の誘導コイルの外側端子6912aもまた、隙間6940内に延在することができる。コイルアセンブリ6912の誘導性充電コイルの内側端子6912bは、コイルシールド内の中央開口部を介して露出させることができる。図69Aに示すように、電線管6904は、隙間6940まで延在して無線充電モジュール6902の中心の上に延在することができ、無線充電モジュール6902と他の構成要素6906との間に電気接続を提供するために導電トレース又はワイヤを含むことができる。いくつかの実施形態では、他の構成要素6906は、相補的な環状磁気整列構成要素を有するアクセサリが近接すると、NFCコイル6960の動作をトリガするために、NFCコイル6960及び磁力計(又は他のセンサ)及び関連する制御ロジックに結合されたNFCリーダ回路構成要素を含むことができる。
NFCコイル6960は、様々な製造技術を使用して製造された単一ターンのコイルを含む様々な方法で実装することができる。図71A~71Dは、様々な実施形態による無線充電モジュール6902で使用することができるNFCコイルの断面図を示す。図71Aは、コイルシム7104(図69Bの実施形態と同様)内に配置された二本鎖ワイヤ7102を示す。図71Bは、コイルシム7114内に配置された三本鎖ワイヤ7112を示す。いくつかの実施形態では、一本のワイヤ7112は非導電性(又はダミー)とすることができ、これにより、NFCコイルの改善されたRF性能を提供することができる。図71Cは、コイル7122がシム7124にインサート成形された実施形態を示す。例えば、単一ターンのコイル7122を銅箔からスタンピングすることができ、その後、シム7124をコイル7122の周りに成形することができる。スタンピング及びインサート成形は、例えば、その長さに沿ってスタンピングされたコイルの幅又は厚さを変えるなど、NFCコイルのカスタム成形を可能にすることができ、性能改善を提供することができる。図71Dは、コイルストランド7122a、7122bがシム7134内に針で供給される実施形態を示す。針ディスペンサは、ワイヤ7122a、7122bを成形されたプラスチックシム7134上に堆積させることができ、ワイヤは、それらが軟化したプラスチックに埋め込まれるように、堆積中に加熱され得る。スタンピング及びインサート成形と同様に、針供給は、例えば、コイルの長さに沿ってストランド間のストランド断面及び/又は分離距離を変えるなど、NFCコイルのカスタム成形を可能にすることができる。NFCコイルを形成するためのこれら又は他の技術のいずれかを使用することができる。
ポータブル電子デバイス6900及び無線充電モジュール6902は例示的なものであり、変形及び変更が可能であることが理解されるであろう。例えば、コイルアセンブリ6912は、無線電力伝送を介して電力を受信する受電コイルとして動作すると想定される。いくつかの実施形態では、コイルアセンブリ6912は、別のデバイスに電力を供給する送電コイルとして再構成可能である。更に、充電コイルアセンブリ、環状磁気整列構成要素、及びNFCコイルアセンブリの特定の構成は、例えば、本明細書に記載される実施形態のいずれかに従って、特定の用途に適合するように変更することができる。いくつかの実施形態では、NFCコイルを完全に省略することができる。
6.3.ケース
ポータブル電子デバイス用のケースの例は、例えば、図27、55~61、及び63を参照して上述される。次に、別の例を説明する。説明の目的のために、ケースは、ポータブル電子デバイスの後面及び側面を覆うトレイであり、前面(ディスプレイを含んでもよい)が露出したままであると想定される。また、トレイの少なくともリアパネルは、ポータブル電子デバイスの後面がバックパネルを通して見えるように、透明材料(例えば、透明プラスチック)で作製されることも想定される。これらの想定はいずれも必要ではないことを理解されたい。ケースは、様々なフォームファクタを有することができ、様々な材料で作製することができ、透明部分を有しても有さなくてもよい。
図72は、いくつかの実施形態によるケース7200の背面図を示す。ケース7200は、スマートフォン(例えば、図69のスマートフォン6900)又は他のポータブル電子デバイス用のケースでもよい。ケース7200は、トレイとして成形することができ、ケース7200がポータブル電子デバイス上に配置されたときにポータブル電子デバイスの後面を覆うリアパネル7202を有することができる。リアパネル7202は、プラスチックなどの剛性材料で作製することができ、材料は透明材料であってもよい。リアパネル7202は、ポータブル電子デバイスの裏面の全てを覆う必要はなく、例えば、ポータブル電子デバイスのリアカメラレンズを露出させるために、切り取り領域7203を設けることができる。ケース7200のサイドパネル7204は、より高い摩擦係数を有するより柔軟な材料で作製することができ、ケース7200への電話の固定を容易にし得るリップ又は他の表面特徴部を含むことができる。サイドパネル7204の特定の構成は、本開示の理解に関連しない。
リアパネル7202は、環状磁気整列アセンブリ7206及び回転整列アセンブリ7210を含むことができる。環状磁気整列アセンブリ7206は、上述の補助環状磁気整列構成要素のいずれか、並びにNFCコイル及びタグ回路の実装を含むことができる。回転整列アセンブリ7210は、上述の回転整列構成要素のいずれかの実装を含むことができる。いくつかの実施形態では、ケース7200は、ポータブル電子デバイスがケース7200を取り外すことなく無線充電器デバイスから電力を受信することを可能にする充電-スルーアクセサリであり得る。
透明な磁性材料がない場合、環状磁気整列アセンブリ7206及び回転整列アセンブリ7210は、不透明要素を含むと想定され、リアパネル7202は、環状磁気整列アセンブリ7206及び回転整列アセンブリ7210によって占有される領域において透明ではなくなる。いくつかの実施形態では、磁気整列構成要素は、バックパネル7202の透明な美観の破壊を低減するように設計することができる。例えば、図72に示すように、回転整列アセンブリ7210は、環状整列アセンブリ7206の丸い形を模倣するよう、丸みを帯びたコーナーを有する形状とすることができる。環状整列アセンブリ7206は、不透明な環の径方向幅を最小化する設計技術を使用して構築することができる。いくつかの実施形態では、環状整列アセンブリ7206及び回転整列アセンブリ7210の一部又は全ての表面が、不透明な化粧料(例えば、白、あるいは、ケース7200の側面7204と一致するように着色されたプラスチック又は接着剤)で覆うことができる。この不透明な化粧料は、ケース7200が使用されるときに、環状整列アセンブリ7206及び回転整列アセンブリ7210の内部構造を隠すことができる。
様々な実施形態において、環状整列アセンブリ7206は、上述のセクション5.3に記載される技術を使用して(例えば、図59~61及び63を参照して)実施することができる。他の実施形態では、設計は、環状整列アセンブリ7206の径方向幅を更に低減するように変更することができる。図73Aは、いくつかの実施形態による環状整列アセンブリ7206の内部構成要素の簡略化された軸方向図を示し、図73Bは、図73Aの切断線7322を通る断面を示す。
環状整列アセンブリ7206は、上述の補助磁気整列構成要素のいずれかの実装であり得る環状磁気整列構成要素7370を含むことができる。例えば、補助磁気整列構成要素7370は、環状構成に配置された多数の弓状磁石7372を含むことができる。例えば、各弓状磁石7372は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間の中央非磁化領域と、を有する四極構成を有することができる。NFCタグ回路サブアセンブリ7366は、環状磁気整列構成要素7370の内側縁部の内側及びその近傍に配置された環状NFCアンテナコイル7304と、磁石7372a、7372b間の隙間に配置されたNFCタグ回路7302とを含むことができる。図73Bは、環状整列構成要素7370に対するNFCアンテナコイル7304の配置を示す。NFCアンテナコイル7304は、テープ層7306上に形成された、例えば、5又は6ターンの巻かれたワイヤコイルであってもよい。
図73Cは、いくつかの実施形態に係るNFCタグ回路7302のより詳細な図を示す。図示するように、NFCタグ回路7302は、フレキシブルPCB7334上に配置されたタグ回路構成要素7332を含むことができる。本明細書で参照される他のNFCタグ回路構成要素と同様に、タグ回路構成要素7332は従来の設計であってもよく、タグチップ及びコンデンサなどの支持構成要素を含むことができる。NFCアンテナコイル7304は、フレキシブルPCB7334内に終端することができる。
図73Bに示すように、巻かれたNFCアンテナコイル7304を使用することにより、上述のセクション5.3に記載されたエッチングされたコイルの実施形態に対して、NFCアンテナコイル7304の径方向幅を低減することができる。幅を更に低減するために、弓状磁石7372は、減少した径方向幅で作製することができる。いくつかの実施形態では、幅の減少に起因する磁場強度の低下を補償するために、弓状磁石7372の厚さを増加させることができる。
図74は、いくつかの実施形態による、環状整列アセンブリ7206及び回転整列アセンブリ7210の分解図を示す。図74の底部及び上部には、キャリアシート7402及びプルタブ7404が示される。キャリアシート7402及びプルタブ7404は、シリコーンコーティングされたPETなどで作製することができる。いくつかの実施形態では、キャリアシート7402及びプルタブ7404は、環状整列アセンブリ7206及び回転整列アセンブリ7210の構成を容易にするために使用され、環状整列アセンブリ7206及び回転整列アセンブリ7210をアクセサリに設置する前又は設置中に取り外される。環状整列アセンブリ7206は、底部フィルム7410、コイルシム7412、NFCアンテナコイル7304、PCB7334、環状整列構成要素7370、及び装飾用キャップ7414を含むことができる。回転整列アセンブリ7210は、底部フィルム7420、1つ以上の回転整列磁石7422、及び装飾用キャップ7424を含むことができる。回転整列磁石(単数又は複数)7422は、上記のセクション2に記載されるような回転整列構成要素を実装することができ、様々な磁化パターンを使用することができる。
底部フィルム7410、7420は、感圧接着剤でコーティングされた工業用フィルムなどの材料で作製することができる。コイルシム7412は、環状整列構成要素7370でNFCコイル7304及びPCB7334に対して高さ整列を提供することができる。いくつかの実施形態では、コイルシム7412は、タグ回路構成要素7332の場所に対応する開口部を有するパターン化されたセクション7413を有し得る(図74に示される図においてPCB7334の下側にある)。パターン化されたセクション7413は、タグ回路構成要素7332と関連付けられたバンプ又はくぼみを回避して、環状整列アセンブリ7206に均一な厚さを提供するのに役立ち得る。NFCコイル7304の端子端部7415a、7415bは、PCB7334上のパッドに接続され得る。PCB7334は、環状整列構成要素7370内の隙間7417に嵌められ得る。装飾用キャップ7414、7424は、ポリカーボネートで作製され、感圧接着剤を使用して磁気整列構成要素7370、7422に接着することができる。上述したように、装飾用キャップ7414、7424は、美的効果のために選択された色及び/又はパターンを有することができる。
図75は、いくつかの実施形態によるケース7200のリアパネル7202の一部分の断面図を示し、環状整列アセンブリ7206の一部を示す。リアパネル7202は、ケースの内部に向けられ、ケース内に挿入されるポータブル電子デバイスの後面に接触する内表面7501を有する。リアパネル7202はまた、ポータブル電子デバイスがケース内に挿入されたときに見える外部表面である外表面7503を有する。この実施例では、外表面7503は、環状整列アセンブリ7206の近傍に隆起領域を有する。しかしながら、隆起領域は必須ではなく、リアパネル7202の外表面7503は平坦でもよい。環状整列アセンブリ7206は、装飾用キャップ7414が外方に向けられた状態で外表面7503に挿入され得る。環状整列アセンブリ7206の側部とリアパネル7202との間の隙間は、例えば、不透明な液体接着剤7520によって充填することができる。
ケース7200、環状整列アセンブリ7206、及び、回転整列アセンブリ7210は例示的なものであり、変形及び変更が可能であることが理解されるであろう。例えば、アセンブリ7206と同様の整列アセンブリは、上述のセクション5に記載されたNFCタグ回路と環状磁気整列構成要素との組み合わせのいずれかのために構築することができ、環状整列アセンブリは、透明、半透明、又は不透明であり得るケースのリアパネルに挿入することができる。回転整列構成要素又はアセンブリは、所望に応じて含まれるか、又は省略されてもよい。更に、環状整列アセンブリは、回転整列アセンブリを有する又は有しなくてもよい、ケースに限定されず、他の種類のアクセサリに挿入することができる。
環状整列アセンブリ7206は、剛性ケース又は他のアクセサリに使用するように設計される。しかしながら、ケース及び他のアクセサリは、剛性である必要はない。例えば、ケースは、ポータブル電子デバイスの前側及び後側が覆われるようにポータブル電子デバイスを挿入することができる開端部(又は「スロート」)を有するフロントパネル及びバックパネルを有するスリーブとして形成され得る。挿入及び取り外しを容易にするために、少なくともある程度の可撓性をもってフロントパネル及びリアパネルを構成することが有用であり得る。いくつかの実施形態では、可撓性環状磁気整列構成要素は、粉末状強磁性材料などで浸らせたポリマーから作製された薄い磁石から環状磁気整列構成要素を構成することによって提供することができる。結果として得られた磁石がいくらかの可撓性を有するように、可撓性又はゴム状のポリマーを使用することができる。いくつかの実施形態では、単一の可撓性環状磁石を形成することができ、又は可撓性環状磁気整列構成要素は、複数の弓状部分から形成することができる。軸方向の厚さは、可撓性を最適化するために小さく保たれてもよい。しかしながら、可撓性磁石は、希土類磁石よりも低い磁場強度を有する傾向がある。ポータブル電子デバイスが磁力計を使用して、(例えば、上記のセクション5.4に記載されるように)環状整列構成要素を有するアクセサリの近接を検出するいくつかの実施形態では、磁力計は、高い割合の偽陽性をもたらすように閾値を低く設定することなく、可撓性磁石の磁場を確実に感知することができない場合がある。従って、いくつかの実施形態では、可撓性環状整列構成要素は、その磁場強度を増大させるように変更することができる。例えば、可撓性環状整列構成要素の径方向幅は、円周全体の周り又は磁力計に近い領域(例えば、四分円)だけのいずれかで増加させることができる。後者の選択肢は、「クロッキング」効果をもたらすことができる磁場の回転非対称性を作り出すことができる。感知された磁場を増加させる別の技術として、追加の可撓性磁石(本明細書では「トリガ」磁石と呼ばれる)を環状整列構成要素の外側に配置することができる。例えば、小さい正方形又は矩形のトリガ磁石は、スリーブがモバイルデバイスと整列されたときに磁力計(例えば、図50の磁力計5080)に近い場所に配置され得る。いくつかの実施形態では、スリーブは充電-スルーアクセサリであってもよく、トリガ磁石が充電スルーアクセサリの遠位表面に取り付けられる第2のアクセサリの検出と干渉することを回避することが望ましい場合がある。従って、トリガ磁石は、磁力計までの短い距離に起因して感知することができる弱い磁場を有することができる。
7.整列モジュール
上述のように、磁気整列構成要素は、ポータブル電子デバイス、並びにケースや無線充電器デバイスなどのアクセサリを含む様々なデバイスに組み込むことができる。いくつかの実施形態では、磁気整列構成要素は、デバイスに組み込むことができる整列モジュール(任意選択的に、誘導性充電コイルなどの他の構成要素と共に)に設けられ得る。整列モジュールは、整列構成要素を含むことができる様々なデバイスへの組み込みを容易にするようにサイズが決められ成形されたパッケージに封入された環状整列構成要素(一次、二次、又は補助整列構成要素であり得る)を含むことができる。いくつかの実施形態では、整列モジュールはまた、同じパッケージ内に封入され、環状整列構成要素に対して所望の位置に保持された(上記のセクション2に記載されるような)回転整列構成要素を含むことができる。いくつかの実施形態では、パッケージはまた、上述のように、無線充電コイル及び/又はNFCタグ回路を封入されてもよい。整列モジュールがアクティブ回路(誘導性充電コイルアセンブリ及び/又はロジックボードなど)を含む実施形態では、電気コンタクトをパッケージの外部に設けて、含まれるアクティブ回路への接続を可能にしてもよい。ここで、実施例を説明する。
7.1.充電器整列モジュール
いくつかの実施形態による整列モジュールは、無線充電コイル及び環状整列構成要素を含み得る。図76A及び図76Bは、いくつかの実施形態による、充電器整列モジュール7600の上面斜視図及び底面斜視図を示す。充電器整列モジュール7600は、キャップ7601(図76Aに最も良く見られる)と、後側エンクロージャ7606(図76Bに最も良く見られる)を含む、2ピース筐体を有する。キャップ7601は、充電器整列モジュール7600がドッキングステーションなどのアクセサリデバイスに組み込まれた場合にユーザに可視となり得る装飾用面を提供することができる。キャップ7601は、充電面7604及び周囲のリム領域7602を含むことができる。充電面7604は、硬質タッチコーティングを有するシリコーン若しくはプラスチック、又はAC及びDC磁場に対して透過性である任意の他の材料で作製することができる。リム領域7602は、DC磁場に対して透過性であるプラスチック又は他の材料で作製することができる。裏側エンクロージャ7606は、金属(例えば、アルミニウム)で作製することができ、以下に説明するように誘導性充電コイル及びロジックボードを収容するように成形することができる。いくつかの実施形態では、充電器整列モジュール7600がドッキングステーションなどのアクセサリデバイスに組み込まれた場合、裏側エンクロージャ7606がユーザに可視にならないと想定される。裏側エンクロージャ7606は、電気コンタクト7610を露出させた開口部7608を含むことができる。以下に説明するように、露出した電気コンタクト7610は、ロジックボード上に配置され、導電トレースによって、充電器整列モジュール7600内に収容された構成要素に結合され得る。いくつかの実施形態では、露出した電気コンタクト7610は、充電コイル用の電力のためのコンタクト及びUSBデータ信号(D+及びD-)、電力、及び接地用のコンタクトを含むが、コンタクトの任意の組み合わせが提供されてもよい。加えて、コイル較正コンタクト7612もまた、裏側エンクロージャ7606内に露出されてもよい。いくつかの実施形態では、充電器整列モジュール7600の内部の誘導性充電コイルの較正(例えば、コイル抵抗のテスト)をサポートするために、充電器整列モジュール7600の製造中は、コイル較正コンタクト7612は露出され、較正後、コンタクト7612は、アクセサリデバイスに組み込むために、充電器整列モジュール7600を第3者に送る前に、カプセル化シーラント材料で被覆することができる。
図77は、いくつかの実施形態による充電器整列モジュール7600の分解図を示す。キャップ7601は上部に示され、裏側エンクロージャ7606は底部に示される。一次環状整列構成要素7716は、キャップ7601の下、例えば、リム領域7602の下に配置される。一次環状整列構成要素7716は、上述の一次環状整列構成要素のいずれかの実装であり得る。例えば、一次環状整列構成要素7716は、環状構成で配置された一次弓状磁石7717を含むことができ、各一次弓状磁石7717は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状磁気領域と、第1の方向とは反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状磁気領域と、内側弓状磁気領域と外側弓状磁気領域との間の中央非磁化領域と、を含む四極構成を有する。環状DC磁気シールド7719は、一次弓状磁石7717の遠位表面上に配置することができる。上述したように、DC磁気シールド7719は、高透磁率を有する鋼又は他の材料で作製することができ、磁場が一次環状整列構成要素7716の遠位側を越えて伝播するのを防止するよう磁場を再方向付けすることができる。
誘導性充電コイルアセンブリ7712は、一次環状整列構成要素7716の内側に配置することができる。誘導性充電コイルアセンブリ7712は、誘導性充電コイル7720、誘導性充電コイル7720の近位側に配置された電気シールド7722、誘導性充電コイル7720の遠位側に配置された電磁シールド7726、及びシム7724を含むことができる。誘導性充電コイル7720は、巻かれたワイヤコイルとすることができる。電気シールド7722は、磁束に対して透過性である一方で、コイル7720の動作中にAC電界を遮断又は低減する、導電性材料の薄層を含むことができる。電磁シールド7726は、コイル7720の遠位表面上及び外側に延在するフェライトなどであってもよい。シム7724は、プラスチック又は他の非導電性材料で作製することができ、電磁シールド7726の上部とコイル7720を水平にするよう提供され、それにより、充電面7604について更なるサポートを提供することができる。様々な誘導性充電コイルアセンブリを誘導性充電コイルアセンブリ7712として使用することができる。
フェンス7728は、アルミニウムなどから形成され、電磁シールド7726の外側とDCシールド7719の内側との間に介在され得る。フェンス7728は、DCシールド7719からの電磁シールド7726の絶縁を提供することができ、それにより、DC磁束がコイル7720の領域に入るのを防ぎ、充電効率を向上させる。
DCシールド7718、フェンス7728、及び電磁シールド7726は、ミッドプレート7730上に装着され得る。ミッドプレート7730は、アルミニウム又は他の導電性材料で作製することができる。ミッドプレート7730を通る開口部7731は、コイル7720の端部端子への電気接続を可能にするために設けられ得る。いくつかの実施形態では、ミッドプレート7730は、裏側エンクロージャ7606及びフェンス7728に溶接することができる。いくつかの実施形態では、環状整列構成要素7716の厚さは、コイルアセンブリ7712の厚さと等しくてもよい。環状整列構成要素7716がコイルアセンブリ7712よりも薄い実施形態では、スペーサ(図67のスペーサ6615と同様に)は、磁石6626をキャップ6602に隣接して配置するために使用され得る。
ロジックボード7732は、例えば、感温接着剤であり得る接着剤7734を用いて、ミッドプレート7730の遠位表面上に装着され得る。ロジックボード7732は、下側に電子部品(図77には示されていない)が装着されたプリント配線基板でもよい。電子部品は、誘導性充電コイル7720を駆動する電力回路(例えば、ブースト回路、インバータ)、及び電力回路の動作を制御する制御回路(例えば、マイクロコントローラ、FPGA、ASICなど)を含むことができる。好適な構成要素及び回路の例は、技術分野において既知であり、詳細な説明は省略される。裏側エンクロージャ7606は、ロジックボード7732の下側の電子部品を収容するように成形することができ、ミッドプレート7730は、ロジックボード7732とコイル7720との間にシールドを提供することができる。ロジックボード7732の下側は、裏側エンクロージャ7606内の開口部7608(例えば、図76Bに示すコンタクト7610、7612)と整列する外部電気コンタクトを含むことができる。ロジックボード7732(図77に示される)の上面は、特定の領域を露出させたまま、接着剤7734によって部分的に被覆され得る。例えば、露出領域7735は、ミッドプレート7730の開口部7731と整列することができ、コイル7720の端子に接続するためのコンタクト7736を含んでもよい。別の例として、接地領域7738は、ロジックボード7732の周辺部で露出されてもよい。接地領域7738は、ミッドプレート7730に対する電気接地を提供することができる。
充電器モジュール7600は例示的なものであり、変形及び変更が可能であることが理解されるであろう。様々な誘導コイル及びシールド構成を使用することができ、上述した環状整列構成要素のいずれかが含まれてもよい。更に、充電器モジュール7600は、NFCタグ回路及びコイルを含むものとして示されていないが、本開示にアクセスする当業者は、上述の無線充電器デバイスの他の実施例と同様に、NFCタグ回路及びコイルを組み込むことができることを理解するであろう。いくつかの実施形態では、充電器モジュール7600は、外部電気コンタクト7608に終端する巻回NFCコイルを含むことができ、第3者のアクセサリメーカーは、NFCコイルを外部のNFCタグ回路に結合することができ、アクセサリメーカーがタグデータを制御することを可能にする。露出したコンタクトは、第3者が外部配線又は他の構成要素を充電器モジュール7600に接続することを可能にするのに役立つ。図示する実施形態では、外部コンタクトは、筐体の裏面を介して露出されるが、外部コンタクトは、筐体の任意の表面を介して露出させることができる。表面上の理由から、外部コンタクトを充電器モジュールの前面を介して露出させ、充電器モジュールがアクセサリに組み込まれたときに視界から隠されることが予想される表面(裏面又は側面など)を代わりに使用することが望ましくない場合もある。
加えて、パック形状は必須ではなく、充電器モジュールは、より大きなフォームファクタを有することができる。例えば、充電器モジュールは、矩形又は涙滴形状の上面を有することができ、上記のセクション2に記載されるように回転整列構成要素を組み込むことができる。図78は、いくつかの実施形態による、涙滴状充電器モジュール7800の上面斜視図を示す。充電器モジュール7800は、筐体7801の形状を除いて、充電器モジュール7600と類似又は同一であり得る。上部キャップ7802は、充電エリア7804を含み得、その下に充電コイルアセンブリ、環状磁気整列構成要素(例えば、図77に示されるような)、及び、制御回路を含むアセンブリが設けられ得る。上部キャップ7802は、延在部分7810を含むこともでき、回転磁気整列構成要素7812は、セクション2において上述したように、環状磁気整列構成要素の中心から適切な距離で延在部分7810に配置され得る。充電器モジュール7800の底部エンクロージャも、上部キャップ7802と同様に延在することができる。矩形形状(例えば、図16に示されるような)を含む他の形状もまた提供され得る。
7.2.アクセサリ挿入モジュール
いくつかの実施形態では、誘導性充電回路を含まない「パッシブ」アクセサリに挿入するための整列モジュールが提供される。図79Aは、いくつかの実施形態によるアクセサリ挿入モジュール7900の正面図であり、図79Bは、その上面図である。図79Aに示すように、アクセサリ挿入モジュール7900は、図示されるように丸みを帯びたコーナーを有する(又は所望であれば正方形のコーナーを有する)矩形として成形することができ、平坦な前面及び後面を有することができる。図79Bに示すように、アクセサリ挿入モジュール7900は、カプセル材料(例えば、プラスチック)よりなる前側及び後側外層7902、7904及び中央磁石保持層7910を含む層状構造を有することができる。接着剤層7906、7908は、前側及び後側外層7902、7904と中央磁石保持層7910との間に配置することができる。
図80は、一実施形態によるアクセサリ挿入モジュール7900の分解図を示す。中央磁石保持層7910は、環状開口部8026及び矩形開口部8032を有してプラスチックで作製することができる。環状開口部8026は、環状整列構成要素8070が環状開口部8026内に嵌合するようなサイズ及び形状とすることができる。環状整列構成要素8070は、上述した補助環状整列構成要素のいずれかの実装であり得る。例えば、補助環状整列構成要素8070は、環状構成で配置された一次弓状磁石8072を含むことができ、各一次弓状磁石8072は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状磁気領域と、第1の方向とは反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状磁気領域と、内側弓状磁気領域と外側弓状磁気領域との間の中央非磁化領域と、を含む四極構成を有する。矩形開口部8032は、回転整列構成要素8022が矩形開口部8032内に嵌合するようなサイズ及び形状とすることができる。回転整列構成要素8022は、上述のような回転整列構成要素の実装であってもよく、例えば、z極、四極、三極、又は環状設計構成を有する1つ以上の磁石を含むことができる。
いくつかの実施形態では、磁石保持層7910、環状整列構成要素8070、及び回転整列構成要素8022は全て同じz高さを有することができ、これは、特に、アクセサリ挿入モジュール7900の全体的なz高さが小さい場合に、アクセサリ挿入モジュール7900を横方向(xy)平面内に平坦に維持するのを助けることができる。図示する例では、磁石保持層7910は、磁石保持層7910の残りの部分から離された環状整列構成要素8070の内側の領域8030を含む。図示するように、領域8030は、磁石保持層7910の残りの部分と同じ厚さを有する別々の材料ディスクによって占有され得、これも、アクセサリ挿入モジュール7910の横方向の平坦性を維持するのに役立ち得る。他の実施形態では、領域8030は空であってもよい。
アクセサリ挿入モジュール7900は、ポータブル電子デバイス用のケースなどのアクセサリに使用することができる。ケースの嵩を低減するために、アクセサリ挿入モジュール7900が非常に薄く、例えば、約1mmの総厚さであることが望ましい場合がある。例えば、前側及び後側外層7902及び7904、並びに磁石保持層7910は、LEXAN(商標)SD8B24フィルム(SABIC Innovative Plasticsの製品)などのポリカーボネートフィルムから作製することができる。前側及び後側外層7902及び7904はそれぞれ約0.2mmの厚さを有することができ、一方、磁石保持層7910は、約0.5mmの厚さを有することができる (上述したように、環状整列構成要素8070及び回転整列構成要素8072の厚さは、磁石保持層7910の厚さと同じであってもよい。)接着剤層7906及び7908は、例えば、約0.2mmの厚さを有する感圧接着剤であってもよい。これらの寸法は所望に応じて変更することができることを理解されたい。一般に、より薄い前側及び後側外層は、所与の環状整列構成要素8070及び回転整列構成要素8072が相補的デバイスに強い磁力を及ぼすことを可能にし、より薄い磁石(及び磁石保持層7910)は、アクセサリ挿入モジュール7900の全体的な厚さを低減することを可能にする。
いくつかの実施形態では、アクセサリ挿入モジュール7900は、不透明な材料で作製することができ、保護ケース、スリーブ、トレイなどの様々なアクセサリに挿入することができる。アクセサリ挿入モジュール7900の不透明度は、透明なケースバックのような特定の美的選択肢に干渉し得る。アクセサリ挿入モジュールのいくつかの実施形態は、アクセサリ挿入モジュール7900と比較して、不透明度が低減した領域を提供することができる。図81は、一実施形態によるアクセサリ挿入モジュール8100の分解図を示す。アクセサリ挿入モジュール8100は、環状整列構成要素8170を取り囲む環状の前側エンクロージャ8102と環状裏側エンクロージャ8104とを有する環状形状を有し、環状整列構成要素8170は、上述の補助環状整列構成要素のいずれかの実装であり得る。例えば、補助環状整列構成要素8170は、環状構成で配置された一次弓状磁石8172を含むことができ、各一次弓状磁石8172は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状磁気領域と、第1の方向とは反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状磁気領域と、内側弓状磁気領域と外側弓状磁気領域との間の中央非磁化領域と、を含む四極構成を有する。接着剤層8106、8108はそれぞれ、例えば感圧接着剤であり得、前側エンクロージャ8102及び裏側エンクロージャ8104によって形成されたエンクロージャ内の定位置に環状整列構成要素を保持することができる。前側エンクロージャ8102及び裏側エンクロージャ8104は、例えば射出成形されたポリカーボネート又は他の同様の材料で作製することができる。アクセサリ挿入モジュール8100は不透明であってもよいが、その不透明領域がアクセサリ挿入モジュール7900に対して低減されるため、アクセサリ挿入モジュール8100は、透明な表面が所望される透明なケースや他の用途においてより審美的に魅力的な場合もある。
図81に示す実施形態では、前側エンクロージャ8102及び/又は裏側エンクロージャ8104は、磁石8172が全ての側部で取り囲まれるように側壁を有することができる。前側エンクロージャ8102及び裏側エンクロージャ8104が交わる継手は、いくつかの方法で形成することができる。図82及び83は、前側エンクロージャ8102と裏側エンクロージャ8104とを接合するためのオプションを示す、様々な実施形態によるアクセサリ挿入モジュールの部分断面図を示す。図82では、アクセサリ挿入モジュール8100の前側エンクロージャ8102及び裏側エンクロージャ8104は、超音波又はレーザー溶接8210によって接合され得、環状整列構成要素8170を完全に取り囲んでいる。図83は、アクセサリ挿入モジュール8100の前側エンクロージャ8102'がノッチ8310を含む一方で、裏側エンクロージャ8104'がノッチ8310内に嵌合する突出部8312を含むバリエーションを示す。例えば、ノッチ8310を有する前側エンクロージャ8102'は、第1の射出成形プロセスで形成することができ、その後、磁石は前側エンクロージャ8102'内に配置されて環状整列構成要素8170を形成する。その後、第2の射出成形プロセスを使用して、ノッチ8310内に充填するよう裏側エンクロージャ8104'を形成することができる。
更に他の実施形態では、側壁は、前側エンクロージャ8102及び裏側エンクロージャ8104とは別個に形成することができ、上述のアクセサリ挿入モジュール7900と同様の「積層」構成を提供することができる。図84は、「積層」構成を有するいくつかの実施形態による、環状アクセサリ挿入モジュール8100''の部分断面図である。環状アクセサリ挿入モジュール8100''は、アクセサリ挿入モジュール8100と同じ環状形状を有することができる。しかしながら、この実施形態では、前側エンクロージャ8102''及び裏側エンクロージャ8104''は、ポリカーボネートなどで形成された平面環状構造体とすることができる。側壁8410a及び8410bは、環状整列構成要素8170の厚さと同じ(又はわずかに厚い)厚さを有するポリカーボネートの同心環状リングとして形成することができる。例えば、感圧接着剤であり得る接着剤層8406、8408は、構造体を一緒に保持することができる。
これらアクセサリ挿入モジュールは例示的であり、変形及び変更が可能であることが理解されるであろう。様々な材料を使用することができ、上述した環状整列構成要素のいずれかを含めることができる。更に、様々なアクセサリ挿入モジュールは、NFCタグ回路及びコイルを含むものとして示されていないが、本開示にアクセスする当業者は、上述のアクセサリデバイスの例と同様にNFCタグ回路及びコイルを組み込むことができることを理解するであろう。
8.付加的な実施形態
本発明を特定の実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、多数の変形及び変更が可能であることを理解するであろう。例えば、環状整列モジュールは、セクタを形成する弓状磁石から作製されるものとして説明されるが、磁石が環状構造体の寸法に対して十分に小さい場合、台形又は正方形の磁石が弓状磁石の挙動に近似することができることが理解されるであろう。磁気整列構成要素は、任意の寸法を有することができ、環状磁気整列構成要素は、回転整列構成要素を用いてあるいは用いずに、かつ、NFC回路を用いてあるいは用いずに使用することができる。NFC回路が存在する場合、所与のデバイスは、一次、二次、又は補助環状磁気整列構成要素のいずれかと組み合わせて、NFCリーダ回路又はNFCタグ回路(又はその両方)を有することができ、様々なNFCコイルの幾何学的形状を実装することができる。磁気整列構成要素は、上記のようなコイルの整列を容易にするために誘導性充電コイルと共に使用することができ、又は磁気整列構成要素が、誘導性充電コイルを有さないデバイス内に存在することができる。更に、誘導性充電コイルの周囲に磁気整列構成要素を有するポータブル電子デバイスは、磁気整列構成要素を有さない無線充電器デバイスによって充電することができ、反対に、磁気整列構成要素を有する無線充電器デバイスは、誘導性充電コイルを有するが磁気整列構成要素を有さないポータブル電子デバイスを充電するために使用することができる。これらの状況では、磁気整列構成要素は、デバイス間の整列を容易にすることができないが、無線電力伝送に干渉する必要はない。
加えて、ポータブル電子デバイスが無線で電力を受信するものとして説明されるが、当業者は、誘導電力コイルが無線で送電及び受電するように動作可能であり得、いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイスが無線電力伝送のための送信器又は受信器のいずれかとして動作するように再構成可能であり得ることを理解するであろう。
更に、本明細書に記載される種類の磁気整列構成要素を使用して、デバイス間の無線電力伝送のための送電コイルと受電コイルとの間の整列を容易にすることができると考えられる一方で、磁気整列構成要素の使用は、そのように限定されず、磁気整列構成要素は、いずれか又は両方のデバイスが無線充電コイルを有するか否かにかかわらず、一方のデバイスを他方のデバイスに対して相対的に整列させて保持するために、様々なコンテキストで使用することができる。従って、例えば、特定の位置及び向きでポータブル電子デバイスを保持することができる三脚(又は他の種類のスタンド)は、ポータブル電子デバイスを定位置で保持するための一次環状磁気整列構成要素(及び回転整列構成要素)を含むことができ、磁気整列構成要素は、ポータブル電子デバイスを三脚に固定するために、機械的保持特徴に加えて、又はその代わりに使用することができる。
従って、デバイスのエコシステムが想到される。エコシステムは、スマートフォン、タブレット、又はバッテリ電力で動作することができ、無線電力伝送を介して電力を受信することができる他のデバイスなど、様々なフォームファクタを有する様々なポータブル電子デバイスを含むことができる。エコシステムは、パック、マット、ドックなどの様々な無線充電器デバイスも含み得る。エコシステムはまた、ポータブル電子デバイスと無線充電器デバイスとの間に介在され得る"充電スルー"アクセサリ(ケースなど)を含むことができ、充電スルーアクセサリは、アクセサリが存在している間に無線充電を可能にするために、磁束がアクセサリの介在部分を通過することを可能にするように設計される。このようなエコシステムでは、それぞれのポータブル電子デバイスは、エコシステムにわたって一定の径方向幅及び外径の寸法を有する二次環状磁気整列構成要素(例えば、上述のような半径方向又は横方向の磁気配向を有する)を含むように製造することができる。各無線充電器デバイスは、ポータブル電子デバイス(例えば、上述の四極構成を有する)の二次環状磁気整列構成要素に相補的な一次環状磁気整列構成要素を含むように製造することができ、無線充電器デバイスを異なるポータブル電子デバイスと交換可能に使用することを可能にする。各充電スルーアクセサリは、一次及び二次環状磁気整列構成要素に相補的な補助環状磁気整列構成要素を含むように製造することができ、この場合も、無線充電器デバイスを異なる充電スルーアクセサリ(及びポータブル電子デバイス)と交換可能に使用することを可能にする。
このようなエコシステムは、磁気整列構成要素を用いてポータブル電子デバイスに取り付けられるように設計され得るが、充電スルー動作をサポートしない、他のパッシブアクセサリデバイス(すなわち、誘導性充電コイルを含まないアクセサリデバイス)を含むことができる。例としては、三脚又は他のスタンド、クレジットカード又は無線電力伝送中に消磁されやすい他の磁化されたアイテム、又は充電されていないポータブル電子デバイスと共に使用することを意図した他のアクセサリを保持する取り付け可能なアクセサリケースが挙げられる。このようなアクセサリデバイスは、二次環状磁気整列構成要素又は補助環状磁気整列構成要素のいずれかを含むように製造することができ、回転整列構成要素を含んでも含まなくてもよい。
このようなエコシステムは、初めに磁気整列構成要素を有さずに製造されたポータブル電子デバイスに磁気整列能力を提供するために使用され得る「後付け」アクセサリデバイスを含むことができる。後付けアクセサリは、スマートフォン(又は他のポータブル電子デバイス)をアクセサリの筐体と固定の相対的な整列で保持する1つ以上の機械的保持特徴(例えば、トレイとして成形されたケースの側部及びリップ)を有することができる。アクセサリは、二次磁気整列構成要素(エコシステムのための二次整列構成要素の仕様に一致する)を含むことができ、二次磁気整列構成要素は、ポータブル電子デバイスが機械的保持特徴によって定位置に保持されたときに、誘導性充電コイルが二次磁気整列構成要素内で中心に置かれるように、後付けアクセサリ内に配置され得る。そのようなアクセサリは、磁気整列構成要素を有さずに製造されたポータブル電子デバイスが、磁気整列エコシステム内のデバイスと共に使用された場合に、磁気整列の利益を享受されることを可能にする。
所与のエコシステム内では、環状整列構成要素を含むデバイスのいずれか又は全ては、上述のような回転整列構成要素も含んでもよいことを理解されたい。例えば、エコシステム内では、二次環状整列構成要素の外側の回転整列構成要素を収容するのに十分な大きさの二次環状整列構成要素を有する全てのポータブル電子デバイスは、回転整列構成要素を有することができる。一次整列構成要素又は補助整列構成要素を有するデバイスは、フォームファクタ及び意図される使用に応じて、回転整列構成要素を有しても、有さなくてもよい。
また、所与のエコシステム内では、環状整列構成要素を含むデバイスのうちのいずれか又は全てはまた、上述のようなデバイス識別のためのNFC回路を含んでもよいことも理解されたい。例えば、エコシステム内では、任意のポータブル電子デバイスが、上述のようなNFCリーダ回路を有することができる一方で、一次環状整列構成要素又は補助環状整列構成要素を有する任意のデバイスは、上述のようなNFCタグ回路を有することができる。
いくつかのデバイスが、複数の環状整列構成要素を含み得ることも理解されたい。例えば、無線充電器デバイスは、複数のポータブル電子デバイスが同時に充電されることを可能にするために、互いに離間した2つ以上の別個の無線充電コイルを備えて設計されてもよい。各無線充電コイルは、周囲の一次環状整列構成要素を有することができ、各一次整列構成要素は、関連する回転整列構成要素及び/又はNFCコイルを有することができる。
いくつかの実施形態では、環状整列構成要素を含む整列モジュールは、アクセサリデバイス、無線充電器デバイス、又はポータブル電子デバイスへの容易な設置のためにパッケージ化され得る。例えば、整列モジュールは、磁石を保護し、それらを適所に保持する封入構造体(又は筐体)内に上述したような一次、二次、又は補助環状磁気整列構成要素を含むことができ、いくつかの実施形態では、回転磁気整列構成要素は環状磁気整列構成要素と共に含まれてもよく、更に、いくつかの実施形態では、NFC回路が含まれてもよい。封入構造体は、例えば、プラスチック構造体であってもよく、その少なくとも一部は透明であり得る。別の実施例として、整列モジュールは、環状整列構成要素内の中心に置かれた無線充電コイル(例えば、送電コイル)を含むことができる。封入構造体は、無線充電コイルへの電気接続を行うために、露出した電気コンタクトを提供することができる。このような整列モジュールは、1つのエンティティによって作製され、ケース、無線充電ドックなどのデバイスに組み込むために異なるエンティティに販売され得る。
デバイスの検出及び情報の交換(例えば、NFCを使用した)に関する本明細書に記載される様々な特徴は、専用の構成要素及び/又はプログラマブルプロセッサ及び/又は他のプログラマブルデバイスの任意の組み合わせを用いて実現することができる。本明細書で述べられる様々なプロセスは、同一プロセッサ又は任意の組み合わせの異なるプロセッサ上で実装可能である。構成要素が特定の動作を実行するように構成されていると説明されている場合、このような構成は、例えばこの動作を実行するように電子回路を設計することにより、この動作を実行するように(マイクロプロセッサなどの)プログラマブルな電子回路をプログラムすることにより、又はこれらの任意の組み合わせにより、達成することができる。更に、上記の実施形態は、特定のハードウェア及びソフトウェア構成要素を参照し得るが、当業者には、ハードウェア及び/又はソフトウェア構成要素の異なる組み合わせも利用でき、ハードウェアで実行されると説明される特定の動作がソフトウェアでも実行され得、またその逆も可能であることが理解されよう。本願に記載される様々な特徴を組み込んだコンピュータプログラムが符号化され、様々なコンピュータ読取可能記憶媒体上に記憶されてもよい。好適な媒体としては、磁気ディスク若しくはテープ、コンパクトディスク(CD:compact disk)若しくはDVD(digital versatile disk、デジタル多用途ディスク)などの光学記憶媒体、フラッシュメモリ、並びにその他の非一時的媒体が挙げられる。プログラムコードで符号化されたコンピュータ可読媒体は、互換性のある電子デバイスと共にパッケージ化することができ、又はプログラムコードを電子デバイスとは別個に(例えばインターネットダウンロードにより、若しくは別個にパッケージ化されたコンピュータ可読記憶媒体として)提供することができる。デバイスによる又はデバイス間の情報又はデータの全ての収集又は交換に関して、個人特定可能な情報の使用は、ユーザのプライバシーを維持するための業界又は政府要件を満たす又は上回ると一般的に認識されるプライバシーポリシー及びプラクティスに従うべきであることに十分に理解されたい。特に、個人特定可能な情報データは、意図的でない又は許可されていないアクセス又は使用のリスクを最小限に抑えるように管理及び取り扱いされるべきであり、許可された使用の性質はユーザに明確に示されるべきである。
本発明の実施形態は、以下のいずれかを含むことができるが、これらに限定されない。
いくつかの実施形態では、電子デバイス(例えば、ポータブル電子デバイス)は、境界面を有する筐体と、筐体内に配置されており、境界面に垂直な軸を有する誘導コイルであって、境界面を介して無線で電力を伝送するように構成されている誘導コイルと、
誘導コイルと同軸で外側の筐体内に配置された環状磁気整列構成要素と、を備える。環状磁気整列構成要素は、半径方向に磁気配向を有することができる。環状磁気整列構成要素は、複数の弓状磁石を含むことができ、弓状磁石それぞれは、径方向内方(又は径方向外方)方向に配向される磁極性を有することができる。環状磁気整列構成要素は、隙間を含むことができ、誘導コイルに接続された導電経路は、隙間を通過することができる。環状磁気整列構成要素は、環状磁気整列構成要素の両側に第1の隙間及び第2の隙間を含むことができる。バッテリは、筐体内に配置されてもよく、誘導コイルはバッテリに結合され得る。誘導コイルは、境界面を介して無線で電力を受信及び/又は送信するように構成することができる。
いくつかの実施形態では、電子デバイス(例えば、無線充電器デバイス)は、充電面を有する筐体と、筐体内に配置されており、充電面に垂直な軸を有する誘導コイルであって、充電面を介して無線で電力を伝送するように構成されている誘導コイルと、
誘導コイルと同軸で外側の筐体内に配置された環状磁気整列構成要素と、を備える。環状磁気整列構成要素は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。環状磁気整列構成要素は、複数の弓状磁石を含むことができ、各弓状磁石は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する第1の領域と、第2の軸方向に配向された磁極性を有する第2の領域と、第1の領域と第2の領域との間の非磁化領域とを有することができる。環状磁気整列構成要素は、隙間を含むことができ、誘導コイルに接続された導電経路は、隙間を通過することができる。誘導コイルは、充電面を介して無線で電力を送信及び/又は受信するように構成することができる。
いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイスと共に使用するためのアクセサリは、第1の境界面と、第1の境界面と反対側の第2の境界面とを有する筐体と、筐体内に配置されており、第1の境界面及び第2の境界面に垂直な軸を有する環状磁気整列構成要素と、を備える。環状磁気整列構成要素は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。環状磁気整列構成要素は、複数の弓状磁石を含むことができる。各弓状磁石は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する第1の領域と、第2の軸方向に配向された磁極性を有する第2の領域と、第1の領域と第2の領域との間の非磁化領域と、を有することができる。環状磁気整列構成要素は、隙間を含むことができる。環状磁気整列構成要素は、環状磁気整列構成要素の両側に第1の隙間及び第2の隙間を含むことができる。
いくつかの実施形態では、磁気整列システムは、軸を画定する環状構成に配置された複数の一次弓状磁石よりなる一次整列構成要素と、環状構成に配置された複数の二次弓状磁石よりなる二次整列構成要素と、を備えることができる。各一次弓状磁石は、軸に沿った第1の方向に磁気配向を有する一次内側弓状磁気領域と、第1の方向とは反対の第2の方向に磁気配向を有する一次外側弓状磁気領域と、一次内側弓状領域と一次外側弓状領域との間に配置された非磁化の一次中央弓状領域と、を含む。各二次弓状磁石は、二次整列構成要素の中心に対して半径方向に磁気配向を有する。一次整列構成要素は、第1の誘導性充電コイルを取り囲む第1の電子デバイス内に配置され得、二次整列構成要素は、第2の誘導性充電コイルを取り囲む第2の電子デバイス内に配置され得、一次整列構成要素及び二次整列構成要素が共通の軸に沿って整列されるとき、第1の誘導性充電コイル及び第2の誘導性充電コイルも共通の軸に沿って整列され得る。
いくつかの実施形態では、電子デバイス(例えば、ポータブル電子デバイス)は、境界面を有する筐体と、筐体内に配置されており、境界面に垂直な軸を有する誘導コイルであって、境界面を介して無線で電力を伝送するように構成されている誘導コイルと、誘導コイルと同軸で外側の筐体内に配置された環状磁気整列構成要素であって、半径方向に磁気配向を有する環状磁気整列構成要素と、
環状磁気整列構成要素の外周の外側に配置された磁石を含む回転整列構成要素と、を備える。回転整列構成要素は、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域を有する磁石を含むことができる。これらの及び他の実施形態では、磁石は、環状磁気整列構成要素によって画定される軸線を横断する平面内に矩形形状を有することができる。例えば、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域は、矩形形状の第1の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向を有する第1の領域と、矩形形状の第2の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向とは反対の第2の磁気配向を有する第2の領域と、を含み得る。別の例として、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域は、矩形形状の第1の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向を有する第1の領域と、矩形形状の第2の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向を有する第2の領域と、
矩形形状に沿って延在し、第1の領域と第2の領域との間に中間に配置された第3の領域であって、第1の磁気配向とは反対の第2の磁気配向を有する、第3の領域と、を備える。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数の弓状磁石を有することができ、各弓状磁石は径方向内方方向に配向された磁極性を有する。これらの及び他の実施形態では、バッテリは筐体内に配置され得、誘導コイルはバッテリに結合され得る。これらの及び他の実施形態では、誘導コイルは、境界面を介して無線で電力を受信及び/又は送信するように構成することができる。
いくつかの実施形態では、電子デバイス(例えば、無線充電器デバイス)は、充電面を有する筐体と、筐体内に配置されており、充電面に垂直な軸を有する誘導コイルであって、充電面を介して無線で電力を伝送するように構成されている誘導コイルと、誘導コイルと同軸で外側の筐体内に配置された環状磁気整列構成要素と、
環状磁気整列構成要素の外周の外側に配置された磁石を含む回転整列構成要素と、を備える。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、回転整列構成要素は、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域を有する磁石を含むことができる。例えば、磁石は、環状磁気整列構成要素によって画定される軸線を横断する平面内に矩形形状を有することができ、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域は、矩形形状の第1の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向を有する第1の領域と、矩形形状の第2の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向とは反対の第2の磁気配向を有する第2の領域と、を備える。別の例として、磁石は、環状磁気整列構成要素によって画定される軸線を横断する平面内に矩形形状を有することができ、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域は、矩形形状の第1の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向を有する第1の領域と、矩形形状の第2の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向を有する第2の領域と、
矩形形状に沿って延在し、第1の領域と第2の領域との間に中間に配置された第3の領域であって、第1の磁気配向とは反対の第2の磁気配向を有する、第3の領域と、を備える。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数の弓状磁石を含むことができる。各弓状磁石は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する第1の領域と、第2の軸方向に配向された磁極性を有する第2の領域と、第1の領域と第2の領域との間の非磁化領域と、を有することができる。これらの及び他の実施形態では、誘導コイルは、充電面を介して無線で電力を伝送するように構成することができる。
いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイスと共に使用するためのアクセサリは、第1の境界面と、第1の境界面と反対側の第2の境界面とを有する筐体と、筐体内に配置され、第1の境界面及び第2の境界面に垂直な軸を有する環状磁気整列構成要素と、
環状磁気整列構成要素の外周の外側に配置された磁石を含む回転整列構成要素と、を備える。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、回転整列構成要素は、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域を有する磁石を含む。例えば、磁石は、環状磁気整列構成要素によって画定される軸線を横断する平面内に矩形形状を有することができ、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域は、矩形形状の第1の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向を有する第1の領域と、矩形形状の第2の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向とは反対の第2の磁気配向を有する第2の領域と、を備える。別の例として、磁石は、環状磁気整列構成要素によって画定される軸線を横断する平面内に矩形形状を有することができ、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域は、矩形形状の第1の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向を有する第1の領域と、矩形形状の第2の長辺に沿って延在し、第1の磁気配向を有する第2の領域と、
矩形形状に沿って延在し、第1の領域と第2の領域との間に中間に配置された第3の領域であって、第1の磁気配向とは反対の第2の磁気配向を有する、第3の領域と、を備える。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数の弓状磁石を含むことができる。各弓状磁石は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する第1の領域と、第2の軸方向に配向された磁極性を有する第2の領域と、第1の領域と第2の領域との間の非磁化領域と、を有することができる。
いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイス(又は他の電子デバイス)は、境界面を有する筐体と、筐体内に配置されており、境界面に垂直な軸を有する誘導コイルであって、境界面を介して無線で電力を伝送するように構成されている誘導コイルと、誘導コイルと同軸で外側の筐体内に配置された環状磁気整列構成要素であって、複数のセクタを含み、各セクタが径方向成分を有する磁気配向を有する、環状磁気整列構成要素と、
筐体内に配置されており、誘導コイルと同軸に配置された近距離通信(NFC)コイルであって、境界面を介して別のデバイスと信号を無線で交換するように構成されているNFCコイルと、を備える。これらの実施形態及び他の実施形態では、NFCコイルは、NFCリーダ回路に結合され得る。これらの及び他の実施形態では、NFCコイルは、誘導コイルと環状磁気整列構成要素との間の隙間(環状隙間であり得る)内に配置され得る。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素の各セクタは、1つ以上の弓状磁石を含むことができ、各弓状磁石は、半径方向に配向された磁極性を有する。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素の交互のセクタは、反対の磁気配向を有することができる。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、セクタのうちの2つの間に隙間を含み得る。NFCコイルをNFCリーダ回路に接続する導電経路は、誘導コイルに接続される導電経路と同様に、隙間を通ることができる。これらの及び他の実施形態では、磁石を含む回転整列構成要素は、筐体内に環状磁気整列構成要素の外側(又は外周部の外側)に配置され得る。
いくつかの実施形態では、無線充電デバイスは、充電面を有する筐体と、筐体内に配置されており、充電面に垂直な軸を有する誘導コイルであって、充電面を介して無線で電力を伝送するように構成されている誘導コイルと、誘導コイルと同軸で外側の筐体内に配置された環状磁気整列構成要素と、
筐体内に配置され誘導コイルと同軸に配置された近距離通信(NFC)コイルであって、充電面を介して別のデバイスと信号を無線で交換するように構成されているNFCコイルと、を備える。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数のセクタを含むことができ、各セクタは、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域(例えば、充電面に向かって配向された南磁極性を有する)と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、環状磁気シールドは、環状磁気整列構成要素の遠位表面に配置され得る。これらの及び他の実施形態では、NFCコイルは、パッシブNFCタグ回路又はアクティブNFCタグ回路であり得るNFCタグ回路に結合される。これらの及び他の実施形態では、NFCコイルは、誘導コイルと環状磁気整列構成要素との間、例えば、誘導コイルと環状磁気整列構成要素との間の環状隙間内に配置される。これらの及び他の実施形態では、第1の軸方向は、全てのセクタに対して同じ方向であり得る。あるいは、交互のセクタは、反対の第1の軸方向を有してもよい。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素の各セクタは、それぞれ四極構成を有する1つ以上の弓状磁石を含む。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、セクタのうちの2つの間に隙間を含み得る。誘導コイルに接続された導電経路は、NFCコイルをNFCタグ回路に接続する導電経路と同様に、隙間を通ることができる。
いくつかの実施形態では、アクセサリデバイスは、境界面を有する筐体と、筐体内に配置されており、境界面に垂直な軸を有する環状磁気整列構成要素と、
筐体内に配置されており、環状磁気整列構成要素と同軸の近距離通信(NFC)コイルであって、境界面を介して別のデバイスと信号を無線で交換するように構成されているNFCコイルと、を備える。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数のセクタを含み、各セクタは、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、NFCコイルは、NFCタグ回路に結合され得る。これらの及び他の実施形態では、NFCコイルは、環状磁気整列構成要素の内側に配置することができ、NFCタグ回路の他の構成要素は、環状磁気整列構成要素の内側及び/又は環状磁気整列構成要素のセクタ間の1つ以上の隙間内に配置することができる。あるいは、NFCコイルは、環状磁気整列構成要素の外側に配置することができる。
いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイスは、境界面を有する筐体と、筐体内に配置されており、境界面に垂直な軸を有する誘導コイルであって、境界面を介して無線で電力を伝送するように構成されている誘導コイルと、誘導コイルと同軸で外側の筐体内に配置された環状磁気整列構成要素であって、複数のセクタを含み、各セクタが径方向成分を有する磁気配向を有する、環状磁気整列構成要素と、筐体内に配置されており、誘導コイルと同軸の近距離通信(NFC)コイルであって、NFCリーダ回路に結合され、境界面を介して別のデバイスと信号を無線で交換するように構成されているNFCコイルと、境界面の近く及び環状磁気整列構成要素の外側に配置される磁力計と、
磁力計に結合され、磁力計によって検出された磁場の変化に少なくとも部分的に基づいて、NFCリーダ回路の動作をトリガするように構成されている制御回路と、を備える。これらの及び他の実施形態では、磁力計は三軸磁力計とすることができ、磁場の変化は、磁界の大きさ又は方向のいずれか又は両方の変化を含むことができる。これらの及び他の実施形態では、制御回路は、磁場の変化が、ポータブル電子デバイスの環状磁気整列構成要素に相補的な第2の磁気整列構成要素を有するアクセサリデバイスがポータブル電子デバイスと整列されることに関連付けられる予想される変化に対応する場合に、NFCリーダ回路の動作をトリガするよう更に構成され得る。これらの及び他の実施形態では、NFCリーダ回路は、異なる種類のアクセサリデバイスに関連付けられた複数の動作モードで動作可能であり得、制御回路は、磁力計によって検出された磁場の変化に少なくとも部分的に基づいて、NFCリーダ回路の動作モードのうちの1つを選択するように更に構成されている。これらの及び他の実施形態では、制御回路は、NFCリーダ回路からNFCタグデータを受信し、受信したNFCタグデータに基づいてポータブル電子デバイスの挙動を変更するように更に構成され得る。これらの及び他の実施形態では、NFCコイルは、誘導コイルと環状磁気整列構成要素との間の隙間内に配置することができる。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数のセクタを含むことができ、各セクタは、径方向成分を有する磁気配向を有し、制御回路は、磁場の変化が、第2の磁気整列構成要素を有するアクセサリデバイスがポータブル電子デバイスと整列されることに関連付けられた予想される変化に対応する場合に、NFCリーダ回路の動作をトリガするように更に構成することができ、第2の磁気整列構成要素は、ポータブル電子デバイスの環状磁気整列構成要素に相補的な四極磁気構成を有する第2の環状磁気整列構成要素である。
いくつかの実施形態では、ポータブル電子デバイスは、境界面を有する筐体と、筐体内に配置された環状磁気整列構成要素と、筐体内に配置されており、環状磁気整列構成要素と同軸に配置された近距離通信(NFC)コイルであって、NFCリーダ回路に結合され、境界面を介して別のデバイスと信号を無線で交換するように構成されている、NFCコイルと、境界面の近く及び環状磁気整列構成要素の外側に配置される磁力計と、
磁力計に結合され、磁力計によって検出された磁場の変化に少なくとも部分的に基づいて、NFCリーダ回路の動作をトリガするように構成されている制御回路と、を備える。これらの及び他の実施形態では、磁力計は三軸磁力計とすることができ、磁場の変化は、磁界の大きさ又は方向のいずれか又は両方の変化を含むことができる。これらの及び他の実施形態では、制御回路は、磁場の変化が、ポータブル電子デバイスの環状磁気整列構成要素に相補的な第2の磁気整列構成要素を有するアクセサリデバイスがポータブル電子デバイスと整列されることに関連付けられる予想される変化に対応する場合に、NFCリーダ回路の動作をトリガするよう更に構成され得る。これらの及び他の実施形態では、NFCリーダ回路は、異なる種類のアクセサリデバイスに関連付けられた複数の動作モードで動作可能であり得、制御回路は、磁力計によって検出された磁場の変化に少なくとも部分的に基づいて、NFCリーダ回路の動作モードのうちの1つを選択するように更に構成されている。これらの及び他の実施形態では、制御回路は、NFCリーダ回路からNFCタグデータを受信し、受信したNFCタグデータに基づいてポータブル電子デバイスの挙動を変更するように更に構成され得る。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数のセクタを含み、各セクタは、径方向成分を有する磁気配向を有する。これらの実施形態及び他の実施形態では、制御回路は、磁場の変化が、第2の磁気整列構成要素を有するアクセサリデバイスがポータブル電子デバイスと整列ことに関連付けられる予想される変化に対応する場合に、NFCリーダ回路の動作をトリガするように更に構成され、第2の磁気整列構成要素は、ポータブル電子デバイスの環状磁気整列構成要素に相補的な四極磁気構成を有する第2の環状磁気整列構成要素である。
いくつかの実施形態では、アクセサリを識別する方法は、第1の環状磁気整列構成要素を有するポータブル電子デバイスによって、第1の環状磁気整列構成要素付近の磁場をモニタリングする磁力計を動作させることと、ポータブル電子デバイスによって、第1の環状磁気整列構成要素に相補的な第2の環状磁気整列構成要素を有するアクセサリがポータブル電子デバイスに近接していることを示す磁場の変化を検出することと、
磁場の変化を検出したことに応じて、ポータブル電子デバイスによって、第1の環状磁気整列構成要素と同軸のNFCコイルを含むNFCリーダ回路を動作させて、アクセサリのNFCタグを読み取ることと、を有する。これらの及び他の実施形態では、磁場の変化は、磁場の大きさ又は方向のいずれか又は両方の変化を含むことができる。これらの及び他の実施形態では、NFCリーダ回路は、異なる種類のアクセサリデバイスに関連付けられた複数の動作モードで動作可能であり、本方法は、磁力計によって検出された磁場の変化に少なくとも部分的に基づいて、NFCリーダ回路の動作モードのうちの1つを選択することを更に含むことができる。これらの及び他の実施形態では、本方法は、ポータブル電子デバイスのディスプレイ上に表示される要素を変更するなど、アクセサリのNFCタグから読み取られた識別データに基づいて、ポータブル電子デバイスの挙動を変更することを更に含むことができる。
いくつかの実施形態では、無線充電モジュールは、充電面及び開口部を含む第2の表面を有する筐体(開口部は、充電面と反対側又は筐体上の他の場所にあり得る)と、筐体内に配置される誘導コイルアセンブリであって、導電性コイルを含む誘導コイルアセンブリと、筐体内に配置され、誘導コイルアセンブリを取り囲む環状磁気整列構成要素と、
筐体内に配置された制御回路であって、導電性コイル及び複数の外部電気コンタクトに結合され、外部電気コンタクトから受信した入力電力を使用して、充電面を介して無線で電力を伝送するよう導電性コイルを動作する構成されている、制御回路と、を備え、外部電気コンタクトは、筐体の第2の表面の開口部を通して露出される。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数のセクタを含むことができ、各セクタは、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、導電性ミッドプレートが筐体内に配置され得る。ミッドプレートは、充電面に向けられた近位表面と、近位表面の反対側の遠位表面とを有することができ、誘導コイルアセンブリは、ミッドプレートの近位表面上に装着され得る。これらの及び他の実施形態では、制御回路は、その上に回路構成要素が装着されたロジックボードを備えることができる。ミッドプレートが存在する場合、ロジックボードは、ミッドプレートの遠位表面上に装着され得る。例えば、ミッドプレートは、内部を貫通する開口部を有することができ、ロジックボードは、ミッドプレートの開口部を通じて導電性コイルに結合され得る。これらの及び他の実施形態では、環状磁気シールドは、環状磁気整列構成要素の遠位表面に配置され得る。これらの実施形態及び他の実施形態では、外部電気コンタクトは、較正後にシーラント材料で被覆することができる較正コンタクトを含む。これらの及び他の実施形態では、誘導コイルアセンブリは、導電性コイルと充電面との間に配置される電気シールドと、電気シールドの反対側の導電性コイルの表面を覆う電磁シールドと、を更に含むことができる。
いくつかの実施形態では、無線充電モジュールは、充電面及び開口部を含む第2の表面を有する筐体(開口部は、充電面と反対側又は筐体上の他の場所にあり得る)と、筐体内に配置される誘導コイルアセンブリであって、導電性コイル及び電磁シールドを含む誘導コイルアセンブリと、筐体内に配置されており、誘導コイルアセンブリを取り囲む環状磁気整列構成要素と、筐体内に配置されており、誘導コイルアセンブリと同軸に配置された近距離通信(NFC)コイルであって、充電面を介して別のデバイスと信号を無線で交換するように構成されているNFCコイルと、
筐体内に配置される制御回路であって、導電性コイル及び複数の外部電気コンタクトに結合され、外部電気コンタクトから受信した入力電力を使用して、充電面を介して無線で電力を伝送するように導電性コイルを動作するよう構成されている制御回路と、を備え、外部電気コンタクトは筐体の第2表面の開口部を通して露出される。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数のセクタを含むことができ、各セクタは、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、NFCコイルは、NFCタグ回路に結合され得る。これらの及び他の実施形態では、NFCコイルは、誘導コイルアセンブリと環状磁気整列構成要素との間に(例えば、誘導コイルアセンブリと環状磁気整列構成要素との間の環状隙間内に)配置され得る。これらの及び他の実施形態では、導電性ミッドプレートは、筐体内に配置することができ、ミッドプレートは、充電面に向かって配向された近位表面と、近位表面の反対側の遠位表面とを有する。誘導コイルアセンブリは、電磁シールドがミッドプレートに向けて配向された状態で、ミッドプレートの近位表面上に装着され得る。これらの及び他の実施形態では、制御回路はロジックボードを含むことができ、NFCコイルはロジックボード内に終端されてもよい。ミッドプレートが存在する場合、ロジックボードは、ミッドプレートの遠位表面上に装着され得る。例えば、ミッドプレートは、内部を貫通する開口部を有することができ、ロジックボードは、ミッドプレートの開口部を通じて導電性コイルに結合され得る。
いくつかの実施形態では、無線充電モジュールは、充電面及び開口部を含む第2の表面を有する筐体と、筐体内に配置される誘導コイルアセンブリであって、導電性コイル及び電磁シールドを含む誘導コイルアセンブリと、筐体内に配置されており、誘導コイルアセンブリを取り囲む環状磁気整列構成要素と、環状磁気整列構成要素の外周の外側で筐体内に配置される磁石を有する回転整列構成要素と、
筐体内に配置される制御回路であって、導電性コイル及び複数の外部電気コンタクトに結合され、外部電気コンタクトから受信した入力電力を使用して、充電面を介して無線で電力を伝送するよう導電性コイルを動作するよう構成されている、制御回路と、を備え、外部電気コンタクトは筐体の第2の表面の開口部を通して露出される。これらの及び他の実施形態では、環状磁気整列構成要素は、複数のセクタを含むことができ、各セクタは、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、導電性ミッドプレートは、筐体内に配置することができ、ミッドプレートは、充電面に向かって配向された近位表面と、近位表面の反対側の遠位表面とを有する。誘導コイルアセンブリは、電磁シールドがミッドプレートに向けて配向された状態で、ミッドプレートの近位表面上に装着され得る。これらの実施形態及び他の実施形態では、制御回路はロジックボードを備えることができる。ミッドプレートが存在する場合、ロジックボードは、ミッドプレートの遠位表面上に装着され得る。例えば、ミッドプレートは、内部を貫通する開口部を有することができ、ロジックボードは、ミッドプレートの開口部を通じて導電性コイルに結合され得る。これらの及び他の実施形態では、回転整列構成要素は、対向する磁気配向の少なくとも2つの異なる領域を有する磁石を含むことができる。
いくつかの実施形態では、整列モジュールは、複数の弓状磁石を含む環状磁気整列構成要素と、環状配置で弓状磁石を取り囲んで保持する封入構造体と、を含むことができる。各弓状磁石は、例えば、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、封入構造体は環状形状を有し得る。例えば、封入構造体は、内側縁部及び外側縁部で接合される環状の前側エンクロージャと、環状の裏側エンクロージャとを備えることができる。環状の前側エンクロージャ及び環状の裏側エンクロージャは、プラスチック又は他の材料で作製することができる。環状の前側エンクロージャと環状の裏側エンクロージャとは、溶接によって接合することができ、又は環状の前側エンクロージャが第1の射出成型段階で形成され、その後に環状の裏側エンクロージャが環状の前側エンクロージャ上に射出成形されてもよい(又はその逆)。これらの及び他の実施形態では、封入構造体は、環状の前側エンクロージャと、環状の後側エンクロージャと、環状の内側エンクロージャと環状の外側エンクロージャとを備えることができ、環状の前側エンクロージャ及び環状の後側エンクロージャは、接着剤によって環状の内側エンクロージャ及び環状の外側エンクロージャに接合される。これらの及び他の実施形態では、整列モジュールはまた、矩形磁石を含む回転整列構成要素を有することができ、封入構造体は、矩形磁石を環状磁気整列構成要素の外側の固定位置で保持することができる。
いくつかの実施形態では、整列モジュールは、複数の弓状磁石を含む環状磁気整列構成要素と、矩形磁石を含み、環状磁気整列構成要素の外周の外側に配置される回転整列構成要素と、
環状磁気整列構成要素及び回転整列構成要素を互いに対して固定された空間的関係に保持する封入構造体と、を備える。各弓状磁石は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、封入構造体は、前平面層と、後平面層と、磁石保持層であって、環状磁気整列構成要素を収容するための円形開口部、及び矩形磁石を収容するための矩形開口部を含む磁石保持層と、を有し得る。これらの及び他の実施形態では、磁石保持層、弓状磁石、及び矩形磁石は、等しい厚さを有することができ、磁石保持層は、環状磁気整列構成要素の内側の領域を充填する材料のディスクを含む。これらの及び他の実施形態では、第1の接着剤層は、前平面層を磁石保持層に取り付けることができ、第2の接着剤層は、後平面層を磁石保持層に取り付けることができる。これらの及び他の実施形態では、前平面層及び後平面層は、丸みを帯びたコーナーを有する矩形層であり得る。これらの及び他の実施形態では、封入構造体は、環状磁気整列構成要素の内周部の内側の領域を通る開口部を有することができる。
いくつかの実施形態では、整列モジュールは、複数の弓状磁石を含む環状磁気整列構成要素と、環状配置で弓状磁石を取り囲んで保持する封入構造体と、封入構造体内に配置されており、環状磁気整列構成要素と同軸に配置された近距離通信(NFC)コイルであって、NFCタグ回路に結合されるNFCコイルと、を備える。これらの及び他の実施形態では、各弓状磁石は、第1の軸方向に配向された磁極性を有する内側弓状領域と、第1の軸方向と反対の第2の軸方向に配向された磁極性を有する外側弓状領域と、内側弓状領域と外側弓状領域との間に配置された非磁化中央弓状領域と、を含む。これらの及び他の実施形態では、NFCコイルは、環状磁気整列構成要素の内側に配置することができ、他のNFCタグ回路の構成要素は、環状磁気整列構成要素の内側に、又は環状磁気整列構成要素の特定の弓状磁石間の隙間内に配置することができる。これらの及び他の実施形態では、封入構造体は、前平面層と、後平面層と、磁石保持層であって、環状磁気整列構成要素(及びNFCコイル)を収容するためにの円形開口部を含む磁気保持層と、を備える。これらの及び他の実施形態では、磁石保持層及び弓状磁石は、等しい厚さを有することができる。これらの及び他の実施形態では、磁石保持層は、環状磁気整列構成要素及びNFCコイルの内部の領域を充填する材料のディスクを含むことができる。これらの及び他の実施形態では、整列モジュールは、矩形磁石を含み、環状磁気整列構成要素の外側(又は周辺部の外側)に配置される回転整列構成要素を更に含むことができ、磁石保持層は、回転整列構成要素を収容するための矩形開口部を有することができる。
従って、本発明は、特定の実施形態に関して記載されるが、本発明は、以下の特許請求の範囲内での、全ての変更態様及び均等物を包含することを意図するものであることが理解されるであろう。