JP2015171166A - 車両及び車両運行システム - Google Patents

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Kunio Ikeda
国夫 池田
山本 浩志
Hiroshi Yamamoto
浩志 山本
均 林屋
Hitoshi Hayashiya
均 林屋
佐藤 純一
Junichi Sato
純一 佐藤
篤男 河村
Tokuo Kawamura
篤男 河村
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Akimichi Shimono
誠通 下野
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Kenta Moriki
賢太 森木
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Abstract

【課題】非接触で給電可能で、かつ、走行経路の大規模化を可能とする車両及び車両運行システムを提供する。
【解決手段】予め定められた走行経路に沿って移動する車両2は、当該走行経路を分割する所定のセグメントごとに設置された給電用ループ線11から電力供給を受け付ける受電部210を備えている。受電部210は、給電用ループ線11とは非接触に、かつ、その周囲を囲うように筒状に形成された受電用導体部と、当該受電用導体部の外周を囲うコア部と、を備え、受電用導体部及びコア部は、さらに、その周方向の一部が欠落されたギャップ部を有している。
【選択図】図1

Description

本発明は、所定の走行経路に沿って走行する車両及び当該車両を用いた車両運行システムに関する。
一般的な鉄道車両は、その走行経路に沿って配された架線(トロリー線)を経由して電力が供給される。このような鉄道車両は、外部に取り付けられた受電部(パンタグラフ等)を用いて受電する。また、地下鉄等においては、走行する鉄道車両の側面に沿って設置された給電用のガイドレールを経由して電力の供給が行われる場合もある。
また、上述の鉄道車両に関する技術とは別に、通電された一本の給電線から、当該給電線を囲うように筒状に設けられた導体及びコアを介して非接触で電力供給を行う同軸トランス方式が開示されている(例えば、非特許文献1)。
IEEE TRANSACTIONS ON INDUSTRY APPLICATIONS, VOL.31,NO.1,JANUARY/FEBRUARY 1995 "Contactless Power Delivery System for Mining Applications"
上述した鉄道車両の場合、走行経路に沿って配された架線やガイドレールと、車両側に取り付けられた専用の受電機構(パンタグラフ等)との電気的な接点を要するため、摩擦による運用効率の低下、摩耗に基づく振動や騒音、摩耗等の発生が問題となる。したがって、鉄道車両等への給電は、非接触で成されることが望まれている。
しかしながら、非接触方式による給電の場合、一般的には、通常の給電方式(有接点給電)に比べて電力伝送効率が低下することが知られている。大規模な鉄道車両運行システムの場合、車両の走行には非常に大きな電力量を必要とするため、わずかな電力効率の低下であっても総合的にロスする電力量は甚大なものとなる。
したがって、非接触でかつ効率よく車両に給電可能とすることで、大規模な鉄道車両運行システムに適用可能とする技術の開発が望まれている。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであって、非接触で給電可能で、かつ、走行経路の大規模化を可能とする車両及び車両運行システムを提供することを目的とする。
上述の課題を解決するために、本発明の一態様は、予め定められた走行経路に沿って移動する車両であって、前記走行経路を分割する所定の区間ごとに設置され、当該走行経路に沿って配された給電用ループ線から電力供給を受け付ける受電部を備え、前記受電部は、前記給電用ループ線とは非接触に、かつ、その周囲を囲うように筒状に形成された受電用導体部と、当該受電用導体部の外周を囲うコア部と、を備え、前記受電用導体部及び前記コア部は、さらに、その周方向のうち、前記給電用ループ線の端部が曲がる方向に沿って欠落するように形成されたギャップ部を有していることを特徴とする車両である。
このような車両によれば、給電用ループ線の端部が筒状の受電部のギャップ部の間を通過するため、受電部が給電用ループ線の端部に接触することなく走行することができる。したがって、車両は、走行経路上の複数の区間を跨いで自由に移動することができるので、車両運行システムの大規模化が容易となる。
また、本発明の一態様は、上述の車両において、前記給電用ループ線が、前記受電部の前記受電用導体部及び前記コア部の断面形状における中心位置よりも前記ギャップ部から離れた位置に配されるように形成されていることを特徴とする。
このような車両によれば、給電用ループ線をギャップ部から遠ざけることで、給電用ループ線の周囲に生じた磁束のうちギャップ部から漏れる磁束の量が減るので、電力伝送効率を改善することができる。
また、本発明の一態様は、上述の車両において、前記受電部の断面形状が、長軸と短軸を有して縦長に形成されていることを特徴とする。
このような車両によれば、受電部の断面形状が楕円状等に形成されているため、給電用ループ線をギャップ部から一層遠ざけることができるので、電力伝送効率をさらに改善することができる。
また、本発明の一態様は、上述の車両において、外部から自車両の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、前記位置情報取得部が取得した位置情報に応じて前記ギャップ部を開閉する開閉駆動部と、を備えることを特徴とする。
このような車両によれば、受信した位置情報に応じて受電部のギャップ部を開閉することができる。これにより、各区間の境界ごとに配される給電用ループ線の端部を通過する場合以外においてはギャップ部を閉じることができるので、ギャップ部から漏れようとする磁束の量が抑制される。したがって、車両の走行時における電力伝送効率を向上させることができる。
また、本発明の一態様は、上述の車両と、前記走行経路を分割する所定の区間ごとに設置されながら、当該走行経路に沿って配された複数の給電用ループ線と、前記給電用ループ線ごとに電力を供給する複数の電力供給源と、を有する車両運行設備と、を備える車両運行システムである。
また、本発明の一態様は、上述の車両運行システムにおいて、前記車両運行設備が、さらに、前記受電部とは非接触に、当該受電部の前記ギャップ部を外側から囲うように形成されながら、前記給電用ループ線に沿って配されたサブコア部と、を備えることを特徴とする。
このような車両運行システムによれば、受電部のギャップ部を外側から覆うようにサブコア部が設置されることで、ギャップ部を介して外部に漏れる磁束の量を抑制することができ、非接触による電力伝送効率を一層向上させることができる。
また、本発明の一態様は、上述の車両運行システムにおいて、前記給電用ループ線が、絶縁材料で被膜されていることを特徴とする。
このような車両運行システムによれば、給電用ループ線に触れて感電することを防止することができる。
また、本発明の一態様は、予め定められた走行経路に沿って移動する車両であって、その進行方向に延伸する受電線を有する車両と、前記走行経路に沿って配されながら、前記受電線に電力を供給する給電部を備える車両運行設備と、を備え、前記給電部は、前記受電線とは非接触に、かつ、その周囲を囲うように筒状に形成された給電用導体部と、当該給電用導体部の外周を囲うコア部と、を備え、前記給電用導体部及び前記コア部は、さらに、その周方向のうち、前記受電線の端部が曲がる方向に沿って欠落するように形成されたギャップ部を有していることを特徴とする車両運行システムである。
上述の車両及び車両運行システムによれば、走行する車両に非接触で給電可能で、かつ、走行経路の大規模化を可能とすることができる。
第1の実施形態に係る車両運行システムの全体構成を示す図である。 第1の実施形態に係る車両運行システムの具体的な構造を示す図である。 第1の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の構造を示す第1の図である。 第1の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の構造を示す第2の図である。 第1の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の等価回路を示す図である。 第2の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の構造を示す図である。 第2の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の効果を説明する図である。 第3の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の構造を示す図である。 第3の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の効果を説明する図である。 第4の実施形態に係る車両運行システムの全体構成を示す図である。 第4の実施形態に係る受電部の構造を示す図である。 第5の実施形態に係る車両運行システムの具体的な構造を示す図である。 第5の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の効果を説明する図である。 第1の実施形態の変形例に係る車両運行システムの具体的な構造を示す図である。 第1の実施形態の別の変形例に係る車両運行システムの具体的な構造を示す図である。 第1の実施形態に係る受電部の奥行き長と電力伝送効率との関係を示す図である。
<第1の実施形態>
以下、第1の実施形態に係る車両運行システムについて説明する。
第1の実施形態に係る車両運行システムは、車両の走行経路を分割する所定のセグメントごとに設置された給電用ループ線を介しながら、同軸トランス方式を利用して、走行する車両に非接触で電力供給を行う。
[全体構成]
図1は、第1の実施形態に係る車両運行システムの全体構成を示す図である。
図1に示すように、車両運行システム100は、車両運行設備1と、車両2と、を備えている。なお、この図において、車両2の走行経路を構成するレールや車両2の車輪等の図示は省略している。
車両運行設備1は、予め定められた車両2の走行経路に沿って設置される電力供給用の種々の装置からなる。車両運行設備1は、車両2の走行経路を所定の長さごとに分割した区間SG1、SG2、・・・ごとに設置される電力供給源10と、給電用ループ線11と、を有している。
電力供給源10は、いわゆる変電所であって、車両2を駆動させるために必要な電力を生成する。なお、電力供給源10が供給する電力は、所定の周波数(例えば10kHz)の交流電力である。複数の電力供給源10は、電力供給区間(区間SG1、SG2、・・・)ごとに設置されており、それぞれが対応する区間SG1、SG2、・・・を走行する車両2に対し電力の供給を行う。
給電用ループ線11は、区間SG1、SG2、・・・ごとに、車両2の走行経路(図1においては±Z方向)に沿って配されている。各給電用ループ線11は、それぞれ対応する電力供給源10に電気的に接続され、電力供給源10が生成する交流電力を伝送する。
車両2は、モータ20と、筐体22と、受電部210と、を備えている。モータ20と、受電部210と、は受電用配線21によって電気的に接続されている。
モータ20は、受電部210及び受電用配線21を介して供給される交流電力を基に動力を生成し、図示しない車輪を回転させることで車両2を走行させる動力源である。
受電部210は、筐体22の外側に取り付けられ、走行経路に沿って配された給電用ループ線11を介して交流電力の入力を受け付ける。図1に示すように、受電部210は、走行方向(±Z方向)に沿って延伸した筒状に形成されるとともに、給電用ループ線11の周囲を囲うように配される。この受電部210の構造及び給電用ループ線11との位置関係については、図3等を用いて詳細に説明する。
図2は、第1の実施形態に係る車両運行システムの具体的な構造を示す図である。
図2(a)は、車両運行設備1及び車両2を車両2の前方側(+Z方向側)から見た図であり、図2(b)は、車両運行設備1及び車両2を車両2の側面側(+X方向側)から見た図である。
図2(a)、(b)に示すように、給電用ループ線11は、一定間隔で配される支柱11aに支持されながら、車両2の走行経路を成す2つのレール12の中央に沿って設置される。
一方、筒状に形成された受電部210は、車両2の下面側に取り付けられ、その給電用ループ線11の周囲を囲うように配されている。
[給電用ループ線、受電部等の構造]
図3は、第1の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の構造を示す第1の図である。
図3は、筒状の受電部210を前方側(+Z方向側)から見た構造を示している。図3に示すように、受電部210の断面は、中心点Oを中心とした円形に形成されるとともに、給電用ループ線11をその中心点Oに配するように設置される。受電部210と給電用ループ線11とは、空隙Cを介して非接触で配される。
給電用ループ線11は、銅などの導電性材料で形成される。給電用ループ線11の半径r1は、例えば15mm程度とする。給電用ループ線11は、絶縁材料(例えば、ポリエチレン等)からなる給電用絶縁被膜110により全体が被覆される。これにより、レール12(図2(a)、(b))に沿って配された給電用ループ線11に不用意に触れて感電することを防止することができる。
図3に示すように、受電部210は、コア部211と、受電用導体部212と、第1絶縁被膜213と、第2絶縁被膜214と、が中心点Oを中心とした同心円上に積層されてなる。
コア部211は、受電用導体部212の外周を囲うように、フェライトコア等の磁性体で形成される。コア部211の外径rco及び内径rciは、例えば、それぞれ126mm、75mm等とされる。
受電用導体部212は、コア部211の内周面全体に配されるように、給電用ループ線11と同じく銅などの導電性材料で形成される。受電用導体部212は、紙面手前側(+Z方向)及び奥手側(−Z方向)の端部において、受電用配線21と電気的に接続される(図2(b)を参照)。
コア部211と、受電用導体部212との間には、第1絶縁被膜213が挿入され、両者は電気的に絶縁される。また、受電用導体部212の内側の表面は、第2絶縁被膜214で被覆される。
このように、給電用ループ線11を中心にして、その周囲を囲うように受電用導体部212を囲うことで、両者の間に励磁インダクタンスLm(図5参照)が生じ、給電用ループ線11から受電用導体部212への非接触の電力伝送を実現する。
図3に示すように、本実施形態に係る受電部210は、その周方向の一部が欠落されて、ギャップ部215が設けられている。ギャップ部215は、例えば、受電部210の周方向の−Y方向側の位置に、紙面手前側(+Z方向)の端部から奥手側(−Z方向)の端部の全体にわたって設けられる。なお、ギャップ幅gは、少なくとも、給電用ループ線11の直径(30mm)及び支柱11a(図2(a)、(b))の太さよりも大きい幅となるように形成される。
なお、ギャップ部215を設けることで現れる2つのギャップ面215a、215bは、互いに平行に対向している。
図4は、第1の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の構造を示す第2の図である。
図4に示すように、受電部210は、車両の走行方向(±Z方向)に沿って筒状に形成される。受電部210の走行方向(±Z方向)の長さ(奥行き長d)は、例えば、300mmとする。
図4に示すように、給電用ループ線11は、区間SG1、SG2、・・・の境界付近において、端部Xをもって地中(−Y方向側)に曲がって延伸し、対応する電力供給源10にまで引き回される。車両2の走行に際しては、各給電用ループ線11の端部Xが、ギャップ幅g(図3)のギャップ部215の間を通過する。このように、ギャップ部215が、受電部210の周方向のうち、給電用ループ線11の端部Xが曲がる方向に沿って形成されることで、車両2は、区間SG1、SG2、・・・の境界において受電部210と給電用ループ線11とが接触することなく走行を継続することができる。例えば、受電部210が区間SG2に配された給電用ループ線11の端部Xを通過すると、直ちに、受電部210は、隣接する区間SG1に配された給電用ループ線11の周囲を囲うように配されるため、車両2への電力供給が途切れることなく、車両2は、走行を継続することができる。
図5は、第1の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の等価回路を示す図である。
ここで、図5の等価回路の左端に示す交流電源は、電力供給源10に相当する。また、図5の等価回路の右端に示す負荷Zは、モータ20に相当する。また、“Lleak1”、“Lleak2”は、それぞれ1次、2次漏れインダクタンス、“Lm”は、励磁インダクタンスである。また、“R1”、“R2”はそれぞれ1次側、2次側の巻線抵抗、“Rm”は、コア(コア部211)の鉄損抵抗である。
1次側電流iは、入力電圧vと交流電源(電力供給源10)の端子T−T’から負荷側をみた入力インピーダンスZとを用いて式(1)のように計算できる。
Figure 2015171166
ここで、入力インピーダンスZは、図5に示す等価回路中の値を用いて式(2)のように表現できる。
Figure 2015171166
ここで、“j”は虚数単位、“ω”は角周波数を表す。同様に、端子T−T’から負荷側をみた入力インピーダンスZは、式(3)のように表現できる。
Figure 2015171166
そして、電力供給源10からモータ20への電力伝送効率を示す効率ηは,負荷Z、巻線抵抗R1、R2と、入力電流i、出力電流iを用いて、式(4)のように表すことができる。
Figure 2015171166
以上の式(1)〜(4)をまとめると、効率ηは、式(5)のように表される。
Figure 2015171166
式(5)より、励磁インダクタンスLmが大きいほど電力伝送効率(効率η)が向上することが分かる。このように、給電用ループ線11の周囲を囲うように配された筒状の受電部210(受電用導体部212及びコア部211)が励磁インダクタンスLmを生じさせることで、一次側(車両運行設備1)から二次側(車両2)への高効率な非接触の電力伝送を実現することができる(同軸トランス方式)。
このように、本実施形態に係る車両運行システム100は、同軸トランス方式を用いることで、非接触で走行する車両に電力を供給することができる。そのため、架線やガイドレール等を用いた有接点による給電方式に対し、摩擦による電力効率の低下や、摩耗、騒音等の問題を解決することができる。
[作用効果]
上述した第1の実施形態に係る車両運行システム100によれば、同軸トランス方式を成す受電部210がギャップ部215(図3)を有することで、給電用ループ線11の端部X(図4)に接触することなく走行することができる。したがって、車両2は、走行経路上の複数の給電区間(区間SG1、SG2、・・・)を跨いで自由に移動することができる。よって、複数の給電用ループ線を給電区間ごとに隣接させながら設置していくことで、走行経路の長距離化や分岐点の設置が容易となる。
また、車両運行設備1は、複数の変電所(電力供給源10)を備えるとともに、各々が対応する区間SG1、SG2、・・・の給電用ループ線11に電力を供給する。これにより、一部の変電所に不具合が生じて電力供給が停止した場合であっても、他の区間においては車両の走行を継続することができる。さらに、保守点検を行う場合にも、変電所ごとに電力供給を停止させることで、車両の運行への影響を最小限に留めることができる。
よって、車両運行システム全体の信頼性及び運用性を高めることができるので、同軸トランス方式により大規模化された鉄道車両運行システムの運用を容易にすることができる。
なお、上述の説明では、一つの変電所(電力供給源10)が一つの区間(区間SG1、SG2、・・・)ごとに設けられている例を示したが、例えば、一つの変電所が2以上の区間に配された給電用ループ線に電力を供給する態様が含まれていてもよい。特に、分岐点においては、一つの変電所が分岐先の2つの異なる区間に電力を供給するようにしてもよい。
また、走行経路を分割する各区間SG1、SG2、・・・の長さは必ずしも一定でなくともよく、車両運行設備1の態様により、区間SG1、SG2、・・・ごとの長さが異なっていてもよい。
以上、第1の実施形態に係る車両及び車両運行システムによれば、走行する車両に非接触で給電可能で、かつ、走行経路の大規模化を可能とすることができる。
<第2の実施形態>
次に、第2の実施形態に係る車両運行システムについて説明する。
第1の実施形態で説明した、図3等に示すようなギャップ部215を有する受電部210と、給電用ループ線11と、の間に生じる励磁インダクタンスLmは、式(6)のように導かれる。
Figure 2015171166
ここで、“N”は、1次側巻き数、“μ”はコア部211の比透磁率、“μ”は真空の透磁率である。また、ギャップ角“γ”は、式(7)のように求めている(図3を参照)。
Figure 2015171166
式(6)、(7)より、ギャップ幅gが大きいほど励磁インダクタンスLmは低下し、効率ηが低下することがわかる。これは、給電用ループ線11に流れる交流電流によりその周囲に生じた磁束の一部がギャップ部215を介して外部に漏れることに起因する。
そこで、ギャップ部215を設けたことによる効率ηの低下を軽減すべく、第2の実施形態に係る車両2の受電部210は、給電用ループ線11が、受電用導体部212及びコア部211の断面における中心位置(中心点O)よりもギャップ部215から離れた位置(図6に示す位置O’)に配されるように形成されている。
図6は、第2の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の構造を示す図である。
図6は、筒状の受電部210を前方側(+Z方向側)から見た構造を示している。第1の実施形態と同様に、受電部210の断面は、中心点Oを中心とした円形に形成される。その他、コア部211、受電用導体部212、第1絶縁被膜213、第2絶縁被膜214、及び、ギャップ部215の構造は第1の実施形態と同様である。
本実施形態に係る受電部210は、図6に示すように、給電用ループ線11が、空隙C内のうち、中心点Oから距離hだけ上方(+Y方向)にずれた位置(点O’)に配される点で、第1の実施形態と異なっている。具体的には、例えば、筐体22から下方(−Y方向)に伸びる受電用配線21(図2(a)、(b))の鉛直方向(±Y方向)の長さを、受電部210に対する給電用ループ線11の相対的な位置が図6に示す位置関係となるように調整する。
図7は、第2の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の効果を説明する図である。
図7に示すグラフは、給電用ループ線11が配される位置を示す距離h(+Y方向を正の値とする)と、電力伝送効率(効率η)との関係を示している。
図7によれば、第2の実施形態に係る受電部210のように、給電用ループ線11が配される位置が+Y方向側に移動するほど、すなわち、給電用ループ線11がギャップ部215から離れるほど効率ηが向上することが分かる。なお、図7に示す特性は、図6において、r1=15mm、rco=126mm、rci=75mm、d=300mm、γ=20°の条件下で距離hを変更しながら実施されたシミュレーション結果である。
このように、空隙C内において給電用ループ線11をギャップ部215から遠ざけることで、給電用ループ線11の周囲に生じた磁束のうちギャップ部215から漏れる磁束の量が減るので、第1の実施形態よりも電力伝送効率(効率η)が改善する効果が得られる。
以上、第2の実施形態に係る車両運行システム100によれば、受電部210と給電用ループ線11との相対的位置を最適化することで、非接触による電力伝送効率を向上させることができる。
<第3の実施形態>
次に、第3の実施形態に係る車両運行システムについて説明する。
第3の実施形態に係る車両2の受電部210は、ギャップ部215を設けたことによる効率ηの低下を軽減すべく、その断面形状が、半円と直線とを組み合わせた擬楕円状に形成されるとともに、その長辺方向の一端にギャップ部215を有する構造としている。
図8は、第3の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の構造を示す図である。
図8は、筒状の受電部210を前方側(+Z方向側)から見た構造を示している。第1、第2の実施形態とは異なり、受電部210の断面は、±Y方向に延伸した縦長の形状を成している。具体的には、受電部210は、中心点O1を中心とした半円状の断面を有する上曲線部210aと、中心点O2を中心とした半円状の断面を有する下曲線部210cと、さらに、上曲線部210aと下曲線部210cとを直線で連結する直線部210bと、の組み合わせにより擬楕円状に形成される。ここで、直線部210bの長さ(コア幅e)は、例えば、30cm程度とされる。なお、この擬楕円状を有する受電部210については、中心点O1、O2を通り±Y方向に延伸する軸を受電部210の「長軸」と記載し、また、中心点O1と中心点O2とを結ぶ線分の、±X方向に伸びる垂直二等分線を受電部210の「短軸」と記載する。
その他、コア部211、受電用導体部212、第1絶縁被膜213、第2絶縁被膜214、及び、ギャップ部215の構造は第1、第2の実施形態と同様である。
図8に示すように、給電用ループ線11は、空隙C内における中心点O1に配される。例えば、第2の実施形態と同様に、筐体22から伸びる受電用配線21の鉛直方向(±Y方向)の長さを調節することで、受電部210に対する給電用ループ線11の相対的な位置を決定する。
また、図8に示すように、受電部210は、下曲線部210cにおいて、その長軸の一端(−Y方向側の端部)にギャップ部215が設けられている。
図9は、第3の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の効果を説明する図である。
図9に示すグラフは、直線部210bの長さを示すコア幅eと、電力伝送効率(効率η)との関係を示している。
図9によれば、直線部210bの長さ(コア幅e)が長くなるほど効率ηが向上することが分かる。なお、図9に示す特性は、図8において、r1=15mm、rco=126mm、rci=75mm、d=300mm、γ=20°の条件下でコア幅eを変更しながら実施されたシミュレーション結果である。
このように、受電部210を擬楕円状に形成し、給電用ループ線11をギャップ部215から一層遠ざけることで、第1、第2の実施形態よりもさらに電力伝送効率(効率η)が改善する効果が得られる。
以上、第3の実施形態に係る車両運行システム100によれば、受電部210の形状及び当該受電部210と給電用ループ線11との相対的位置を最適化することで、非接触による電力伝送効率を一層向上させることができる。
なお、上述の第3の実施形態に係る受電部210は、例として、半円と直線とを組み合わせた擬楕円状に形成されたものを説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、他の実施形態に係る受電部210は、その断面形状が楕円状に形成されてもよいし、半円以外の曲線と直線とを組み合わせて給電用ループ線11を囲うものとしてもよい。その他、受電部210は、その断面形状が長軸と短軸を有する縦長の形状を成すものであればいかなる態様のものであってもよい。
<第4の実施形態>
次に、第4の実施形態に係る車両運行システムについて説明する。
第4の実施形態に係る車両2は、外部から自車両の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部24と、位置情報取得部24が取得した位置情報に応じて受電部210のギャップ部215を開閉する開閉駆動部216と、を備えている。これにより、車両の走行中において、走行経路を区分する区間の境界を通過するタイミングでギャップ部を開閉する。
[全体構成]
図10は、第4の実施形態に係る車両運行システムの全体構成を示す図である。
本実施形態に係る車両運行設備1は、新たに位置情報提供装置13A、13Bを備えている。
図10に示すように、位置情報提供装置13A、13Bは、区間SG1、SG2、・・・の境界付近の地上に設置される。具体的には、位置情報提供装置13Aは、区間SG1、SG2、・・・の末端における端部Xの、車両2の走行方向手前側(−Z方向側)に設置される。また、位置情報提供装置13Bは、区間SG1、SG2、・・・の始端における端部Xの、車両2の走行方向奥手側(+Z方向側)に設置される。
位置情報提供装置13A、13Bは、車両2が直上を通過した際に、後述する位置情報取得部24と無線通信を実施し、位置情報取得部24に自装置が設置された位置を示す位置情報を提供する。この位置情報は、例えば、緯度・経度を示す緯度経度情報であってもよいし、走行経路上の位置を特定するための所定の位置識別情報であってもよい。
また、図10に示すように、車両2は、位置情報取得部24を備えている。なお、図10において、第1〜第3の実施形態と同一の機能構成については同一の符号を付してその説明を省略する。
位置情報取得部24は、無線通信を介して外部(位置情報提供装置13A、13B)から位置情報を取得する。位置情報取得部24は、筐体22の下面側に取り付けられるとともに、車両2の走行に応じて位置情報提供装置13A、13Bとの通信が可能な領域に入ったときに、直ちに位置情報提供装置13A、13Bとの無線通信を開始する。このとき、位置情報取得部24は、位置情報提供装置13A、13Bから受信した位置情報を、車両2の現時点における位置を示す情報として取得する。
また、位置情報取得部24は、図示しない記憶テーブルを有しており、当該記憶テーブルには、受信した位置情報と、後述する開閉駆動部216に「開動作指令」を出力するか、「閉動作指令」を出力するか、の対応関係が記録されている。
また、本実施形態に係る受電部210は、新たに開閉駆動部216を備えている。開閉駆動部216は、上述した位置情報取得部24からの指令に応じて、受電部210のギャップ部215(図11)を開閉する動作機構である。具体的には、開閉駆動部216は、「開動作指令」の入力を受け付けた場合には、ギャップ部215を開く動作を実施し、「閉動作指令」の入力を受け付けた場合には、受電部210のギャップ部215を閉じる動作を実施する。
[給電用ループ線、受電部等の構造]
図11は、第4の実施形態に係る受電部の構造を示す図である。
図11は、筒状の受電部210を前方側(+Z方向側)から見た構造を示している。図11に示すように、本実施形態に係る受電部210は、左右に分割された2つの本体部210M、210Nが開閉駆動部216によって連結された構造を成している。ここで、本体部210M、210Nの各々における層状構造(コア部211、受電用導体部212、第1絶縁被膜213及び第2絶縁被膜214)は、第1〜第3の実施形態と同様である。
開閉駆動部216は、具体的には、例えば、所定の電気信号に応じて回転駆動可能なステッピングモータ等である。開閉駆動部216は、位置情報取得部24から開動作指令の入力を受け付けた場合には、開閉駆動部216自身を軸として、本体部210Mを紙面に対して反時計回りに、本体部210Nを紙面に対して時計回りに所定量回転させる。そうすると、図11に示すように、受電部210のギャップ部215が開かれる。
一方、開閉駆動部216は、位置情報取得部24から閉動作指令の入力を受け付けた場合には、開閉駆動部216自身を軸として、本体部210Mを紙面に対して時計回りに、本体部210Nを紙面に対して反時計回りに所定量回転させる。この動作により、受電部210のギャップ部215が閉じられる。
このように、本実施形態に係る受電部210は、開閉駆動部216による回転駆動により、ギャップ部215のギャップ幅gmを所望に変更可能となっている。
なお、図11に示すように、受電用配線21(21a、21b)は、本体部210M、210Nの各々に接続され、それぞれがモータ20に接続されるようにしてもよい。
[動作の説明]
ここで、図10に示すように、車両2が区間SG2を走行している場合を説明する。
車両2の走行に伴い、位置情報取得部24が区間SG2の終端に設置された位置情報提供装置13Aの通信可能領域に入ると、位置情報取得部24は、直ちに位置情報提供装置13Aから位置情報を取得する。位置情報取得部24は、所定の記憶テーブル(上述)を参照しながら、位置情報提供装置13Aの位置情報に応じた動作指令である「開動作指令」を開閉駆動部216に出力する。そうすると、開閉駆動部216が当該開動作指令に応じた駆動を行い、受電部210にギャップ幅gmのギャップ部215が形成される(図11参照)。
受電部210のギャップ部215が開かれると、車両2の走行に伴い、受電部210は、給電用ループ線11の端部Xに差し掛かる。このとき、受電部210は、給電用ループ線11の端部Xをギャップ部215の間に配しながら走行経路に沿って移動する。これにより、車両2は、区間SG2の終端において、受電部210と給電用ループ線11の端部Xとが接触することなく走行することができる。
次いで、受電部210は、区間SG1に配された給電用ループ線11の端部Xをギャップ部215の間に配しながら走行経路に沿って移動する。受電部210が給電用ループ線11の端部Xを完全に通過した後、位置情報取得部24が区間SG1の始端に設置された位置情報提供装置13Bの通信可能領域に入り、当該位置情報提供装置13Bから位置情報を取得する。位置情報取得部24は、所定の記憶テーブルを参照しながら、位置情報提供装置13Bの位置情報に応じた動作指令である「閉動作指令」を開閉駆動部216に出力する。そうすると、開閉駆動部216が当該閉動作指令に応じた駆動を行い、受電部210のギャップ幅gmが0(ゼロ)となってギャップ部215が閉じられる。
ギャップ部215が閉じられると、受電部210は、給電用ループ線11の周囲を完全に囲うように配される。これにより、給電用ループ線から受電部210への電力伝送効率(効率η)が向上する(式(6)参照)。
[作用効果]
このように、本実施形態に係る車両2は、各区間SG1、SG2、・・・の境界ごとに設置された位置情報提供装置13A、13Bから位置情報を受信するとともに、受信した位置情報に応じて受電部210のギャップ部215を開閉する。これにより、各区間SG1、SG2、・・・の境界ごとに配される端部Xを通過する場合にのみギャップ部215が開かれ、それ以外の走行区間においてはギャップ部215が閉じられるので、ギャップ部215から漏れようとする磁束の量が抑制される。したがって、車両2の走行時における電力伝送効率を全体的に向上させることができる。
また、区間SG1、SG2、・・・の境界付近においてギャップ部215が形成されている最中も、受電部210は、給電用ループ線11を囲う状態を維持している。したがって、電力伝送効率はやや低下するものの、車両2は、電力の供給を受けることができる。
以上、第4の実施形態に係る車両運行システム100によれば、車両の走行位置に応じた受電部210の開閉動作を可能とすることで、非接触による電力伝送効率を一層向上させることができる。
なお、上述の位置情報提供装置13A、13Bは、各々が設置される位置に応じた位置情報を送信するものとして説明したが、他の実施形態においてはこのような態様に限定されない。例えば、他の実施形態に係る位置情報提供装置13A、13Bは、それぞれ、単に「開命令」、「閉命令」のいずれかを示す信号を送信するものとしてもよい。この場合、当該「開命令」、「閉命令」を受信した位置情報取得部24は、「開命令」または「閉命令」に対応する駆動制御用の信号を開閉駆動部216に出力するものとする。
また、車両2に複数の受電部210が取り付けられている場合は、一つの位置情報取得部24からの指令(開動作指令または閉動作指令)により全ての受電部210が同時に開閉動作を行うようにしてもよいし、受電部210と位置情報取得部24とが一対一に設けられていてもよい。なお、受電部210と位置情報取得部24とが一対一に設けられる場合には、車両2の走行に応じて、位置情報提供装置13A、13Bの通信可能領域に入ったものから順次開閉が成されていく。
また、位置情報取得部24は、位置情報提供装置13A、13Bから位置情報を受信した後、直ちに開閉駆動部216に指令を出力するものとして説明したが、他の実施形態においては、例えば、位置情報を受信してから所定時間だけ経過した後に各種指令を出力するようにしてもよい。この場合、位置情報提供装置13A、13B、端部X、位置情報取得部24及び受電部210それぞれの位置関係及び通信可能領域の範囲を考慮しながら開閉の開始時間を調整することで、より適切なタイミングで開閉動作を行うことができる。
さらに、ギャップ部215の開閉構造は、図11に示した態様に限定されず、受電部210の周方向の一部分が開閉可能とされていれば、その態様は如何なるものであってもよい。例えば、受電部210の開閉駆動部216は、本体部210M、210Nの何れか一方のみを回転駆動させるものであってもよい。また、受電部210は、本体部210M、210Nを回転駆動させる機構の代わりに、単に、ギャップ部215の間に挿入されて当該ギャップ部215を塞ぐ蓋部を有する態様としてもよい。この場合、開閉駆動部216は、入力される信号に応じて当該蓋部を駆動するものとする。
なお、図11において、給電用ループ線11を支持する支柱11aを図示していないが、本実施形態に係る位置情報取得部24は、端部Xを通過するときと同様に、支柱11aを通過する際にも受電部210が開閉動作を行うようにする。このようにすることで、車両2の走行に伴い、支柱11aがギャップ部215の間を通るので、車両2は、受電部210が支柱11aに接触することなく走行を続けることができる。なお、この場合において、位置情報提供装置13A、13Bは、支柱11aごとに、その近辺に設けられてもよい。また、例えば、支柱11aが所定の距離に渡って設置されない区間においてのみギャップ部215が閉じるように、当該区間に位置情報提供装置13A、13Bが設置されている態様であってもよい。
また、給電用ループ線11の端部Xの径に比べて支柱11aの径が小さく形成されている場合、位置情報取得部24は、以下の通りに動作するようにしてもよい。すなわち、位置情報取得部24は、まず、各区間SG1、SG2、・・・の範囲内においては、支柱11aがギャップ部215に接触しない限度にギャップ幅gmを小さくしておく。また、位置情報取得部24は、区間SG1、SG2、・・・の切り替わり時(端部Xを通過するタイミング)においては、受電部210が端部Xを通過できるようにギャップ幅gmを広げる。
例えば、支柱11aの径を径αとし、給電用ループ線11の径(端部Xの径)を径β(β>α>0)とする。この場合、各区間SG1、SG2、・・・の範囲内においては、位置情報取得部24は、ギャップ幅gmを、径αよりも大きく径βよりも小さい“gm1”(β>gm1>α)に設定する。また、位置情報取得部24は、端部Xの通過のタイミングで、ギャップ幅gmを端部Xの径βよりも大きい“gm2”(gm2>β)に変更する。そして、位置情報取得部24は、端部Xを通過した後は、再度、ギャップ幅gmを“gm1”に戻す。これにより、受電部210の開閉動作が実施されるのは端部Xの通過のタイミングのみとなるので、車両2は、受電部215の開閉動作の頻度を抑制することができる。また、各区間SG1、SG2、・・・の範囲内においては、受電部210が支柱11aに接触しない限度においてギャップ幅gmが狭まるので、全体として、電力伝送効率が向上する。
<第5の実施形態>
次に、第5の実施形態に係る車両運行システムについて説明する。
第5の実施形態に係る車両運行設備100は、さらに、給電用ループ線11に沿って配されたサブコア部14を有している。
図12は、第5の実施形態に係る車両運行システムの具体的な構造を示す図である。この図において、他の実施形態と同等の機能構成については同等の符号を付して説明を省略する。
図12は、車両運行設備1及び車両2を前方側(+Z方向側)から見た図である。
図12に示すように、本実施形態に係る車両運行設備1は、レール12の中央において、給電用ループ線11とともにサブコア部14が設置されている。
サブコア部14は、車両2に設けられた受電部210のギャップ部215を含む周方向の下半分を外側から囲うように半円状に形成されながら、給電用ループ線11に沿って車両2の走行方向に延伸して配される。受電部210とサブコア部14とは、離間距離d2をもって非接触に配されている。
サブコア部14は、例えば、コア部211(図3等)と同様に、一般的なフェライトコアによって形成される。また、サブコア部14の厚さは、例えば20mm程度とされる。
図13は、第5の実施形態に係る給電用ループ線及び受電部の効果を説明する図である。
図13に示すグラフは、受電部210とサブコア部14との離間距離d2と、電力伝送効率(効率η)との関係を示している。
図13によれば、サブコア部14を新たに設置することで効率ηが向上することが分かる。なお、図13に示す特性は、上述の実施形態と同様に、r1=15mm、rco=126mm、rci=75mm、d=300mm、γ=20°の条件下で離間距離d2を変更しながら実施されたシミュレーション結果である。
このように、受電部210の外周において更にギャップ部215を囲うようにサブコア部14を設置することで、上述の各実施形態よりもさらに電力伝送効率(効率η)が改善する効果が得られる。
以上、第5の実施形態に係る車両運行システム100によれば、受電部210のギャップ部215を覆うサブコア部14を設置することで、ギャップ部215を介して外部に漏れる磁束の量を抑制することができ、非接触による電力伝送効率を一層向上させることができる。
なお、上述の説明において、サブコア部14は、その断面が半円状に形成されているとともに、受電部210の下半分を囲うものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、サブコア部14は、受電部210の周方向のうち少なくともギャップ部215を含む一部分のみを囲うように配されていていれば、受電部210を囲う範囲がより狭いものであってもよい。また、サブコア部14の断面形状は、半円に限定されず、例えば、第3の実施形態に係るコア部211の形状に合わせて楕円状または擬楕円状に形成されてもよい。
<その他の変形例>
図14は、第1の実施形態の変形例に係る車両運行システムの具体的な構造を示す図である。
上述した各実施形態に係る車両運行システム100は、給電用ループ線11と受電部210とがいずれも車両2の下面側に配されるものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、図14に示すように、受電部210は、受電用配線21を介して、筐体22の側面側(例えば−X方向側)に取り付けられるようにしてもよい。この場合、給電用ループ線11(及び支柱11a)は、同じくレール12の側面側(−X方向側)に沿って設置されるものとする。
図15は、第1の実施形態の別の変形例に係る車両運行システムの具体的な構造を示す図である。
上述した各実施形態に係る車両運行システム100は、筒状に形成された受電部210が、地上に設置された給電用ループ線11の周囲を囲いながら移動するものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、他の実施形態においては、車両側に取り付けられた一本の受電線の周囲を、筒状に形成された給電部が囲うようにしながら地上側に設置される態様であってもよい。
図15に示す車両運行設備1は、給電用ループ線11の代わりに、給電部15を備えている。
給電部15は、筒状に形成された給電用導体部151と、当該給電用導体部151の外周を囲うコア部150と、を備えている。給電用導体部151及びコア部150は、さらに、その周方向の上端(+Y方向側)の一部が欠落されて設けられたギャップ部152を有している。給電部15は、支柱11aに支持されながら、車両2の走行経路(レール12)に沿うようにして地上に配されている。
筒状に形成された給電用導体部151は、図示しない電力供給源10と電気的に接続されており、電力供給源10から所定の周波数(例えば10kHz)の交流電流が常時供給されている。
なお、給電部15の層状構造は、第1の実施形態に係る受電部210(図3)と同等の構造であるため詳細な説明を省略する。この場合、図3におけるコア部211が本実施形態に係るコア部150に、図3における受電用導体部212が給電用導体部151に対応する。
一方、車両2は、進行方向に所定の長さに延伸する受電線25を有している。図15に示すように、受電線25は、その端部において上方(+Y方向側)に伸び、ギャップ部152の間を通って、受電用配線21に接続する。そして、受電線25は、受電用配線21を介して車両2のモータ20(図15には図示せず)と電気的に接続される。
このように、給電部15は、受電線25とは非接触に、かつ、その周囲を囲うように配されている。そして、給電部15は、その周方向のうち、受電線25の端部が曲がる方向に沿って欠落するようにギャップ部152が形成されている。
以上のように、筒状に形成された給電部15を地上側に設置するとともに、受電線25をその中心に配しながら車両2が走行する態様としてもよい。このようにすることで、他の実施形態に比べ、車両2の重量を軽減することができるので、車両2の走行時に必要な消費電力を軽減させることができる。
なお、図15に示した変形例において、車両2が、さらに、給電部15の外周のうちギャップ部152を含む範囲を非接触で囲うサブコア部を有していてもよい。
図16は、第1の実施形態に係る受電部の奥行き長と電力伝送効率との関係を示す図である。
図16に示すグラフは、受電部210の奥行き長dと電力伝送効率(効率η)との関係を示している。図16に示すように、奥行き長dが長くなるほど電力伝送効率は向上していることが分かる。したがって、例えば一つの筐体22に奥行き長dが短い受電部210を複数設置するよりも奥行き長dが長い受電部210を一つ設ける場合の方が、電力伝送効率の面で有利となる。このように、物理的に許容される範囲においては出来る限り受電部210の奥行き長dが長くなるようにするのが好ましい。
また、上述の各実施形態においては、車両2は、単一の筐体22のみを有するものとして説明したが、実際は、複数の筐体22が連結された状態で走行するものであってもよい。この場合において、1つまたは複数の受電部210(受電線25)が各筐体22ごとに取り付けられてもよい。
また、上述の各実施形態においては、受電部210(給電部15)は、いずれも、周方向の一部が欠落された円筒状に形成されているものとして説明したが、他の実施形態においてはこの態様に限定されない。例えば、当該他の実施形態に係る受電部210は、断面形状が矩形に形成されたものであってもよいし、外周の断面形状が円形でありながら内周の断面形状が矩形に形成されるものであってもよい。このような形状であっても、受電部210が給電用ループ線11の周囲を囲うように形成されていれば電力伝送効率が大幅に低下することはない。
また、式(6)によれば、コア部211の外径rco及び内径rciの比が一定であれば、励磁インダクタンスLm(即ち効率η)は、受電部210の断面形状の大きさそのものには影響しない。したがって、受電部210の位置関係や重量上の都合からその大きさを決定する場合には、外径rco及び内径rciの比を一定に保ちながら調整することで、電力伝送効率に影響を与えることなくその大きさを最適化することができる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものとする。
1 車両運行設備
10 電力供給源
11 給電用ループ線
110 給電用絶縁被膜
11a 支柱
12 レール
13A、13B 位置情報提供装置
14 サブコア部
15 給電部
150 コア部
151 給電用導体部
152 ギャップ部
2 車両
20 モータ
21 受電用配線
210 受電部
210a 上曲線部
210b 直線部
210c 下曲線部
210M、210N 本体部
211 コア部
212 受電用導体部
213 第1絶縁被膜
214 第2絶縁被膜
215 ギャップ部
215a、215b ギャップ面
216 開閉駆動部
22 筐体
23 車輪
24 位置情報取得部
25 受電線
100 車両運行システム

Claims (8)

  1. 予め定められた走行経路に沿って移動する車両であって、
    前記走行経路を分割する所定の区間ごとに設置され、当該走行経路に沿って配された給電用ループ線から電力供給を受け付ける受電部を備え、
    前記受電部は、
    前記給電用ループ線とは非接触に、かつ、その周囲を囲うように筒状に形成された受電用導体部と、当該受電用導体部の外周を囲うコア部と、を備え、
    前記受電用導体部及び前記コア部は、さらに、その周方向のうち、前記給電用ループ線の端部が曲がる方向に沿って欠落するように形成されたギャップ部を有している
    ことを特徴とする車両。
  2. 前記受電部は、
    前記給電用ループ線が、前記受電用導体部及び前記コア部の断面形状における中心位置よりも前記ギャップ部から離れた位置に配されるように形成されている
    ことを特徴とする請求項1に記載の車両。
  3. 前記受電部は、
    その断面形状が、長軸と短軸を有して縦長に形成されている
    ことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の車両。
  4. 外部から自車両の位置を示す位置情報を取得する位置情報取得部と、
    前記位置情報取得部が取得した位置情報に応じて前記ギャップ部を開閉する開閉駆動部と、
    を備える請求項1から請求項3の何れか一項に記載の車両。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一項に記載の車両と、
    前記走行経路を分割する所定の区間ごとに設置されながら、当該走行経路に沿って配された複数の給電用ループ線と、前記給電用ループ線ごとに電力を供給する複数の電力供給源と、を有する車両運行設備と、
    を備える車両運行システム。
  6. 前記車両運行設備は、さらに、
    前記受電部とは非接触に、当該受電部の前記ギャップ部を外側から囲うように形成されながら、前記給電用ループ線に沿って配されたサブコア部と、
    を備えることを特徴とする請求項5に記載の車両運行システム。
  7. 前記給電用ループ線は、
    絶縁材料で被膜されている
    ことを特徴とする請求項5または請求項6に記載の車両運行システム。
  8. 予め定められた走行経路に沿って移動する車両であって、その進行方向に延伸する受電線を有する車両と、
    前記走行経路に沿って配されながら、前記受電線に電力を供給する給電部を備える車両運行設備と、
    を備え、
    前記給電部は、
    前記受電線とは非接触に、かつ、その周囲を囲うように筒状に形成された給電用導体部と、当該給電用導体部の外周を囲うコア部と、を備え、
    前記給電用導体部及び前記コア部は、さらに、その周方向のうち、前記受電線の端部が曲がる方向に沿って欠落するように形成されたギャップ部を有している
    ことを特徴とする車両運行システム。
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